JP6750993B2 - 壁パネルと閉空間ユニット - Google Patents
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Description
そして、施工現場において、壁材の溝部及び化粧材を室内側にしてヒンジ部で折り曲げることで、溝部の対向する傾斜面を当接させて壁材を略90度の角度に曲げることができる。この壁材を立て付けてユニットバス等の壁面を形成している。
また、運搬時や保管時にヒンジ部で溝部を広げる側に折り畳むことができるとしているが、その場合には化粧材が表面側に露出するため傷が付きやすいという欠点があった。
本発明によれば、壁パネルを化粧材のヒンジ部で化粧材を内側にして折り曲げると、外側をなす他方の面の折り曲げ部は角部が除かれた形状をなすため、膨らみや歪み等が生じない上に欠けや裂け目等ができない上に、化粧材側の入隅部が化粧材で封止されているため止水性があり、止水処理等を必要としない。しかも、運搬時や保管時等に化粧材を内側にして折り畳むことができるために化粧材に傷等ができない。
パネル本体の他方の面に溝部を形成してヒンジ部で折り曲げると溝部が外側で広がるために、外側に突出することを抑制できて膨らみや歪み等が生じない上に欠けや裂け目等ができない。
パネル本体の他方の面に封止材を設けたために、ヒンジ部で折り曲げても封止材で止水性を確保できる。
壁パネルのヒンジ部から離れた端部付近に補強部材を設けたため剛性が高く、壁パネルの反りや歪み等を抑制できる。
本発明によれば、複数の壁パネルを折り曲げて組み立てると共に天井パネルと防水性の床パネルを取り付けることで止水性の高い閉空間を形成することができる。しかも、壁パネルの折り曲げ部は化粧材が内側で入隅部に止水性があり、外側が除かれて角部の形成を抑えることができるため、膨らみや歪み等が生じない上に欠けや裂け目等ができない。
図1において、本実施形態によるユニットバスSは断面略L字状の折り曲げ可能な壁パネル1で内側側壁2Aを略四角形筒状に形成し、上部に天井パネル3、下部に床パネル4を設置した。ユニットバスS内の床パネル4は浴槽5と洗い場6から構成されている。図1に示す例では、浴槽5の外側の壁パネル1は浴槽5の側面に下端部が位置するが、洗い場6を浴槽5の下まで広げ、浴槽5が洗い場6の上に乗る場合には、他の壁パネル1と同様に浴槽5の下方まで延びていてもよい。
図1に示すユニットバスSにおいて、例えば4枚の壁パネル1からなる角筒状の側壁として浴槽5と洗い場6を囲う内側側壁2Aが設けられている。図5に示すように、内側側壁2Aの外側にも、4枚の壁パネル1を組み立てた側壁が設置されており、これを外側側壁2Bというものとする。
パネル本体をなす芯材8として、所定厚みの板状で断熱性と剛性を備えた適宜の材質のものを使用できるが、例えば図4に示すように樹脂やアルミ等からなるハニカム材や、発泡性樹脂からなる発泡材等を使用できる。壁パネル1の一方の面(表面)側、即ち溝部9を設けない面には例えば樹脂製やアルミ製等のシート状の化粧材を表装した化粧材10が被覆されている。化粧材10はデザイン性と防水性と耐久性を備えている。
化粧材10や封止材11は芯材8の表裏面にシート状接着剤等で被覆固定されている。また、壁パネル1の封止材11上には溝部9と反対側端部、即ち壁パネル1の両端部に沿って例えば角柱状の補強フレーム14が連結されている。補強フレーム14は例えばスチールやアルミ等の金属で形成することが好ましいが、芯材8よりも高強度な合成樹脂等でもよい。
溝部9を例えば90度の角度で切り欠いて形成し、しかも壁パネル1を直角に折り曲げると、ヒンジ部13の外側に位置する溝部9は略平面状に延びるため角部ができない。しかも、折り曲げた際に、外側の溝部9に膨らみや歪み等を生じないため、過大な負荷がかからず、裂け目等を生じない。
図6(a)に示す外側側壁2Bは、壁パネル1を4枚連結して形成した角筒形状を有しており、四つの角部を決めた閉空間を形成する。外側側壁2Bの隣り合う壁パネル1の間に、平板状等の他のパネルを介在させて連結することも可能である。この平板状のパネルにも端部に補強フレーム14を固定することが好ましい。隣り合う壁パネル1の連結部では、図6(a)及び(b)に示すように、2枚の壁パネル1のパネル片1a同士の小口面が当接すると共に、パネル片1aの端部に設けた補強フレーム14同士も互いに当接している。
図6(c)は変形例を示すものであり、一方の補強フレーム14に凹溝14aを形成し、他方の補強フレーム14に凹溝14aに嵌合する凸部14bを形成することでより高強度に固定できる。なお、この補強フレーム14を結合部材16で更に嵌合させてもよい。
次に図5及び図1に示すユニットバスSにおいて、内側側壁2A及び外側側壁2Bの1つの壁パネル1のパネル片1aを切り欠いて開口部18が形成されている。開口部18には四角形枠状の額縁19が嵌合されて固定されている。この額縁19に開閉可能なドア(図示せず)が設置される。内側側壁2A、外側側壁2Bはこの額縁19によって補強されている。なお、額縁19の周囲に沿って別途枠状の補強材を追加してもよい(図示せず)。
図8及び図9に示す壁パネル1と天井パネル3の連結構造において、略L字状に折り曲げられた壁パネル1の上面21には、例えば下面22aと起立面22bからなる断面略L字状の縁補強材22が設置され、ボルトで下面22aが壁パネル1の上面21に固定されている。
縁補強材22は略角筒状の内側側壁2Aの各辺毎に設置されていてもよいし、折り曲げられた壁パネル1毎に設置されていてもよい。縁補強材22はスチールやアルミ等の金属で形成されていることが好ましい。縁補強材22を壁パネル1毎に設置する場合には工場で予め設置できるが、内側側壁2Aの各辺毎に設置する場合には現場で組み立てた後に設置することになる。
これによって、天井パネル3は段付き部3aで各壁パネル1の縁補強材22の下面22a上に固定され、段付き部3aを除く中央領域が垂下するため、ユニットバスS内の湯や水が壁パネル1と天井パネル3の接合部にかかっても水の浸入を防止し、止水性を確保できる。そのため、壁パネル1と天井パネル3の接合部をコーキング等で止水処理することが不要になる。
なお、天井パネル3についてハニカム材等のような光透過性部材で形成してもよい。この場合には、外光を天井パネル3を通してユニットバスS内に導いて内部を明るく照らすことができる。特に天井パネル3の上部に照明器具が設置されていれば間接照明としてユニットバスS内を明るく照明できる。
図10において、居室の床面26または床スラブ上にユニットバスSの外側側壁2Bを除いた部分を載置する受け台27が基台28aに設けた支持脚部28b上に設置され、その外側には外側側壁2Bの壁パネル1の下面を支持する外側受け台28cが基台28a上に設置されている。外側側壁2Bの壁パネル1と外側受け台28cには例えば金属製で略L字状の固定部材30が設置され、固定部材30の下面30aと起立面30bとが壁パネル1と外側受け台28cとにそれぞれボルト固定されている。
また、受け台27の上部には四辺の周縁部に起立する立ち面4aが形成された床パネル4が載置されている。立ち面4aの近傍の床パネル4上には内側側壁2Aの壁パネル1が設置され、壁パネル1の外側周囲が立ち面4aで囲われている。壁パネル1の下部近傍には略階段形状の固定片31がボルト固定され、その下側に屈曲形成された係止部31aが床パネル4の立ち面4aの外側に係止されている。これによって、床パネル4を内側側壁2Aの壁パネル1に係止保持でき、壁パネル1の位置ずれを阻止して精度良く設置できる。なお、内側側壁2Aの壁パネル1の下端部と床パネル4の立ち面4aとの隙間にスペーサを介在させることで、壁パネル1の位置ずれを一層防止できる。
しかも、ヒンジ部13には化粧材10と封止材11とが積層されているため強度と耐久性が高い。また、壁パネル1を二重に折り畳んだ際に化粧材10が内側に位置するため、運搬時や保管時等に損傷しない。
壁パネル1の溝部9から離れた端部に補強フレーム14を設けたため、壁パネル1の強度が高く変形や歪み、反り等を生じない。更に壁パネル1の連結部に当接する補強フレーム14同士を結合部材16等で連結できる。
図11は第一変形例を示すものであり、同図(a)において、内側側壁2Aの2つの壁パネル1の突合せ面をなす小口面にそれぞれ補強フレーム14が連結されている。補強フレーム14の前面には床パネル4の立ち面4aが対向して配設されている。この立ち面4aには、同図(b)に示すように、各壁パネル1の小口面及び補強フレーム14の位置決め部に位置決め部材34が固定されている。位置決め部材34は例えば断面略L字状をなす固定面34aと位置決め面34bとを有しており、固定面34aはボルトによって立ち面4aに固定され、位置決め面34bの両面に各壁パネル1の補強フレーム14を当接させて位置決めできる。また、位置決め部材34を立ち面4aに固定するボルトの頭部が突出しているため、位置決め部材34の両側の壁パネル1の補強フレーム14の下端部にはボルト頭部を逃げるように切欠37が形成されている。
上述した図11、図12に示す壁パネル1の位置決め構造によれば、各壁パネル1の位置決めが位置決め部材34、35によって高精度であり、しかも別部材である位置決め部材34,35を介在させることで壁パネル1の固定構造を補強できる。なお、位置決め部材34,35はL字状や平板状のものに限定されるものではない。例えば、一対の断面コの字状の部材を外側に対向配置して壁パネル1の小口面や補強フレーム14をそれぞれ嵌合したり、角柱状や棒状等、適宜の形状のものを採用できる。
この構造によれば、補強フレーム14の設置位置によって壁パネル1の反りや変形をより抑えることができ、しかも補強フレーム14同士は当接しないので破損を防止できる。
これにより、各壁パネル1の位置決めは補強フレーム14同士を当接させることで行われる。その際、パネル片1aの小口面の間に小さな隙間Kが形成され、この隙間Kをコーキング等で埋めることで止水効果を向上できる。しかも、壁パネル1同士の当接は補強フレーム14によって行われるので、壁パネル1の寸法誤差の影響を受けない利点がある。
また、図15は壁パネル1を折り曲げるヒンジ部13の変形例を示す図3(b)と同様な要部拡大図である。図15において、芯材8を表裏面で覆う化粧材10と封止材11がヒンジ部13で一体化されており、1層の薄層でヒンジ部13が形成されている。そのため、図3(b)に示す二層構造のヒンジ部13と比較して、ヒンジ部13が薄いので壁パネル1を折り曲げ易い利点がある。
また、上述の実施形態や変形例では、壁パネルの補強部材として角柱状の補強フレーム14を固定したが、補強部材は角柱状である必要はなく、円柱状や板状等、適宜の形状のものを壁パネル1の裏面に固定できる。
1 壁パネル
1a パネル片
2A,内側側壁
2B 外側側壁
3 天井パネル
4 床パネル
4a 立ち面
5 浴槽
8 芯材
9 溝部
10 化粧材
11 封止材
13 ヒンジ部
14 補強フレーム
16 結合部材
18 開口部
19 額縁
22 縁補強材
24 固定部材
27 受け台
31 固定片
31a 係止部
34、35 位置決め部材
Claims (5)
- 板状であって一方の面に設けたヒンジ部で折り曲げ可能としたパネル本体と、
前記パネル本体のヒンジ部を有する前記一方の面に設けられた止水性の化粧材とを備え、
前記ヒンジ部で前記化粧材を内側にして前記パネル本体を折り曲げた際に前記ヒンジ部と反対側の他方の面は角部が除かれた形状であることを特徴とする壁パネル。 - 前記パネル本体の他方の面に形成された前記角部が除かれた形状の部分は溝部であり、前記溝部で折り曲げ可能とした請求項1に記載された壁パネル。
- 前記パネル本体の他方の面に止水性の封止材が設けられている請求項1または2に記載された壁パネル。
- 前記パネル本体は、前記他方の面における前記ヒンジ部から離れた端部またはその近傍に補強部材が設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載された壁パネル。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載された前記壁パネルによって閉空間が形成され、その上部に天井パネルが設置され、下部に床パネルが設置されていることを特徴とする閉空間ユニット。
Priority Applications (1)
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JP2016190201A JP6750993B2 (ja) | 2016-09-28 | 2016-09-28 | 壁パネルと閉空間ユニット |
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