JP2007247147A - 壁パネルの接続構造 - Google Patents

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裕典 小田切
Yasuhiko Izumitani
安彦 泉谷
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泰孝 筒井
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Abstract

【課題】壁パネル組立時において、大型クリップ等で仮固定する煩雑な作業を行うことなく、壁パネルの転倒を防止することができる壁パネルの接続構造を提供する。
【解決手段】床面の少なくともコーナーに立設された支柱と、隣接する上記支柱の頂部を連結する支柱連結材と、上記支柱間に架設される壁パネルとを備えるユニットルームの壁パネル接続構造において、上記壁パネルの頂部に係合部が設けられ、上記支柱連結材に該係合部に係合可能な係止部が設けられる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、浴室等のユニットルームの壁面を構成する壁パネルの接続構造に係り、特に立設された支柱とこの支柱の頭部を連結する支柱連結材とでフレームを形成し、このフレームに壁パネルを固定する形式のユニットルームにおける壁パネルの接続構造に関する。
浴室ユニットの壁面を構成する壁パネルの組立構法として、図9に示すように、浴室ユニット101の床パン102上の各コーナー部にコーナー支柱103を立設し、これらコーナー支柱103の内、隣接するコーナー支柱103,103の頂部間を支柱連結材104を用いて接続した後、支柱連結材104上のいずれかの箇所において、床パン102及び支柱連結材104間に一又は複数の平支柱105を架設することによりフレームを形成して、これらコーナー支柱103及び平支柱105間、又は平支柱105,105同士の間に壁パネル106を固定する構法が広く行われている。
この支柱103,105は、室内側に開口する略U字状に折曲形成され、壁パネル106は、支柱103,105のこの凹部に、略L字状に折曲された壁パネル106の端部を差し込むことにより取り付けられる。
そして、支柱連結材104は、壁パネル106組立時において支柱103,105の倒れを防止するものであって、支柱連結材104と壁パネル106とは直接連結されていない(例えば、特許文献1参照。)。
したがって、支柱103,105の両側に壁パネル106が配設されて初めて壁パネル106が支柱に固定されるのであり、片側の壁パネル106のみ取り付けられた段階では、単に支柱103,105に持たせ掛けられただけであって、未だ固定された状態ではない。そのため、壁パネル106組立時においては、図9に示すように、壁パネル106上端及び支柱連結材104を大型クリップ107等で挟持して仮固定し、壁パネル106が倒れることを防止する処置を施しながら組み立てる必要がある。
また、このフレーム形式の構法の中には、壁面中間に平支柱を設けず、コーナー支柱間に壁パネルを上下に複数架設する横積み構造のものがある。その中にはさらに、コーナー支柱の上下に亘り、複数のスリットを設ける一方、複数の楔状の係入片を有するコーナー目地を備え、斯かるスリットに係入片を係入させてコーナー支柱とコーナー目地とにより壁パネルを挟持する構造のものがある。
この構造によれば、ビス止めやボルト締め等の工程がないので工数が減少し、工期の短縮、延いてはコストの低減が図れるというメリットがあるが、係入片とスリット周りとの摩擦のみで固定されるので、組立完了後であっても、地震等により上下にカが作用した場合に、係入片がスリットから外れ、壁パネルが落下する危険性がある。
特開平11−159166号公報
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、壁パネル組立時において、大型クリップ等で仮固定する煩雑な作業を行うことなく、壁パネルの転倒を防止することができる壁パネルの接続構造を提供することを目的とするものである。
本発明の他の目的は、ビス等を用いない固定方法による壁パネルの横積み構造であっても、地震時等に壁パネルが外れて落下することのない壁パネルの接続構造を提供することにある。
本発明に係る壁パネル接続構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、床面の少なくともコーナーに立設された支柱と、隣接する上記支柱の頂部を連結する支柱連結材と、上記支柱間に架設される壁パネルとを備えるユニットルームの壁パネル接続構造において、上記壁パネルの頂部に係合部が設けられ、上記支柱連結材に該係合部に係合可能な係止部が設けられたものである。
前記係止部は、好適には、請求項2に記載したように、先端に前記係合部を呼び込ませる呼び込み部が延設されることが望ましい。
また、前記壁パネルは、より好適には、請求項3に記載したように、頂部に天井接続ピースを介して天井パネルが載設され、上記天井接続ピースに係合部が設けられ、上記支柱連結材に該係合部に係合可能な第2の係止部が設けられたものとしてもよい。
本発明に係る壁パネル接続構造によれば、壁パネル組立時において、大型クリップ等で仮固定する煩雑な作業を行うことなく、壁パネルの転倒を防止することができる。
また、本発明は、ビス等を用いない固定方法による壁パネルの横積み構造であっても、地震時等に壁パネルが外れて落下することを防止できる効果が得られる。
本発明に係る浴室ユニット支柱立設構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る浴室ユニット支柱立設構造を採用した壁パネル取付フレームの概要を示す斜視図であり、図2は、壁パネルが取り付けられた状態の支柱立設構造の部分横断面図である。
本実施形態に示された浴室ユニット1の床パン10は、洗い場部15と浴槽載置部16とに大別される。洗い場部15は、BMCやSMC等のFRPで成形され、浴槽載置部16と対向する辺以外の三方の外縁は、図示しない壁パネルやドア枠を載置可能に同一レベルに形成され、浴槽載置部16と対向する辺の中央に設けられた排水凹部17を指向して下り勾配が形成されている。
浴槽載置部16は、EPP、EPE等のプラスチック系の材料を発泡成形させた断熱材で形成され、漏水を防止する外、浴槽内に溜められた湯の熱が浴槽裏面から伝導、放射することを防止する。この浴槽載置部16は、図示しない浴槽の底面に位置する底部16aと、洗い場部15に対向する側を除く三方に、この底部の外縁から延出し浴槽の上端周囲が外方へ拡開延出するリムの高さ近くまで立設された側部16bとを備える。なお、この浴槽載置部16は、従来の床パンのように、洗い場部15と浴槽載置部16とがFRPで一体の形成されたものであってもよい。
同図に示すように、洗い場部15及び浴槽載置部16上の各出隅部には、コーナー支柱20が立設され、隣接するコーナー支柱20,20の頂部には、支柱連結材40が架設される。そして、この支柱連結材40上のいずれかの箇所において、床パン10及び支柱連結材40間に平支柱30が立設される。この平支柱30は、浴室ユニット1の大きさ等に従って、一の壁面内に2又はそれ以上の本数が立設されることもある。
平支柱30は、図2に示すように、亜鉛めっき鋼板やステンレス鋼板等を、背面32及び側面33,33からなる断面視溝型に折曲し、側面33,33の両端部を夫々更に内側に折曲して壁パネル50表面側内方へ突出した凸部34を形成し、向い合う凸部34,34間に開口部OPを設けた構成になっている。
壁パネル50の室内側の表面材51は化粧鋼板等で、また、室外側の裏面材52は鋼板等で形成され、両者は、両側縁部を除いてプラスターボード、石綿、グラスウール等の芯材53に貼着され一体化される。
表面材51は、側縁部を背面方向(室外側)へ略直角に折曲げた折曲片54と、この折曲片54の先端を更に室内側内方に折曲した折返し部55を形成する。このように形成した隣接する壁パネル50の折曲片54,54同士を平支柱30の開口部OP内に圧入すると、折返し部55によって、平支柱30の凸部32と壁パネル50の折曲片54との間の隙間を埋めるので、折曲片54同士間に隙間を生じることなく、壁パネル50を平支柱30に取り付けることができる。
また、平支柱30の凸部34を有する開口部OP内に、ABS樹脂等で形成した略逆Ω字型のジィナー56を嵌合させ、その開口部OPに壁パネル50の折曲片54及び折返し部55からなる側縁部を圧入する。この時平支柱30の凸部34、ジョイナ−56の側面、及び壁パネル50の折り返し部55は、図2に示すように、それぞれ重なりあった部分が弾性変形する。これにより、平支柱30の凸部32と壁パネル50の折返し部55がジョイナー56を介して衝合され、鋼板等で形成された平支柱30、及び壁パネル50の折返し部55それぞれの弾性により、強固に嵌合係止される。
また、ジョイナー56が、同図に示すように、袋状になって、平支柱30の凸部32と壁パネル50の折返し部55とが嵌合係止されているので、これより奥に水が浸入する虞がない。なお、57は弾性樹脂のシール片で、ジョイナー56の水密性をより完全なものとしている。
コーナー支柱20は、図3に示すように、細長い、例えば亜鉛メッキ鋼板等を折曲加工したもので、その短手方向断面は、中央のコーナー目地掛合部30aと、このコーナー目地掛合部30aの両側端で45度の角度で折曲された壁パネル受け部30b,30bとからなる。コーナー目地掛合部30aには、所定の間隔で、コーナー目地材26の係入片20dが係入される複数のスリット30dが穿設されている。
コーナー目地材26は、図3に示すように、目地本体26aと、支持部26cとを備える。目地本体26aは、ABS樹脂等の硬質プラスチックを細長い略三角柱状に成形したものであり、壁パネル50と、直交するもう一方の壁パネル50との突き合わせ端部を掩蔽し、水密性及び意匠性を高めるものである。
支持部26cは、例えばステンレス鋼板を2つに折曲して断面が略Y字状の棒体に形成される。支持部26cには、一定の間隔で係入片26dが複数突設される。この係入片26dが、コーナー支柱20に穿設されたスリット20dに係入されることにより、壁パネル50がコーナー目地材26及びコーナー支柱20に挟持される。
コーナー目地材26の係入片26dを、コーナー支柱20のスリット20cに係入させて、コーナー目地材26を取り付けると、図4に示すように、壁パネル50,50Aは、コーナー支柱20とコーナー目地材26とに挟持され、堅固に固定される。
図5に本願発明に係る壁パネル接続構造の一例を示す。この例では、壁パネル50の表面材51上端は室外側へ略逆V字状に折曲され、係合部51aが形成される。
支柱連結材40は、亜鉛めっき鋼板やステンレス鋼板等から折曲形成され、コーナー支柱20又は平支柱30にビス41によりビス止めされる取付部40aと、取付部40aの上部から室内側に弧状に折曲された係止部40bと、係止部40bの先端から逆方向に折曲延設された呼び込み部40cとからなる。
壁パネル50取付時には、壁パネル50を斜めに保持しつつ、係合部51aを支柱連結材40の係止部40bに挿入した後、壁パネル50を起こして、壁パネル50の下方をコーナー支柱20足元に当接させる、又は平支柱30の開口部OP内に挿入する。
この状態で、係合部51aは係止部40bの係合され、壁パネル50が仮固定されるので、別途大型クリップ等を用いて仮固定をしなくても倒れることはない。それでいて、係合部51a及び係止部40bは共に弾性変形可能に形成されているので、取り外すことも容易に行うことができ、壁パネル交換時における解体の容易性及び安全性が向上する。
そして、係止部40bの先端に設けられた呼び込み部40cによって、壁パネル50頂部の係合部51aが呼び込まれるので、係合部51aと係止部40bとの係合がより容易に行うことができ、施工性が向上する。
また、従来の構造のように、支柱連結材40と壁パネル50裏面とが直接接触しないので、壁パネルが揺れる時などに生じる音鳴りが生ぜず、したがって、音なりを防止する緩衝材等を支柱連結材40/壁パネル50裏面間に挟装する必要もない。
さらに、支柱連結材40と壁パネル50とは、上端で係合されるので、壁パネル50の左右で係合させる場合のように係合部が左右に突出することがなく、浴室内のスペースを狭めることなく壁パネル/建築躯体間のスペースを確保することができる。
こうして壁パネル50が仮固定されると、時計回り或いは半時計回りに順次壁パネル50を取り付けていき、平支柱30にあっては、両側に位置する壁パネル50,50が取り付けられた時点で、コーナー支柱20にあってはコーナー目地材26が取り付けられた時点で本固定される。
そして、壁パネル4上には、天井パネル60が、事前に天井パネル60にボルト63を用いて取り付けられている天井接続材61を介して取り付けられる。天井接続材61は、硬質合成樹脂等を、押出成形して形成される。
そして、天井接続材61は、ビス42により、壁パネル50に本固定され、天井接続材61と壁パネル50との接続部には、その全周に亘って回り縁62が取り付けられ目隠しされる。この取付は、回り縁62の嵌合凸部62aを、天井接続材61の嵌合凹部61aに嵌挿して行われる。そして、硬質合成樹脂等を押出成形して形成された回り縁62の壁側及び天井側の両端に接着された軟質合成樹脂製等のヒレ部62bが、壁パネル50及び天井パネル60に凹圧され屈曲して、回り縁62と壁パネル50及び天井パネル60との間の隙間は封止される。
次に、本発明に係る壁パネル接続構造の変形例について、図6を参照して説明する。本変形例に係る接続構造は、同図に示すように、天井接続材61が、その下端近傍に、室内側へ突出する係合部61bを備えるとともに、支柱連結材40は、係合部61bに係合する第2の係合部40dを備える点で、本実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は本実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
このように、壁パネル表面側のビス42によるビス止めに加え、壁パネル50裏面側で支柱連結材40と天井接続材61とを係合させるので、壁パネル50、支柱連結材40及び天井パネル60が一体となり、ユニットの強度を上げることができる。
続いて、本発明に係る壁パネル接続構造の第2の実施形態について、図7及び8を参照して説明する。図7は、本発明に係る壁パネルを構成要素とする浴室ユニットAの全体的な概要を示すものである。本実施形態に示された浴室ユニット1Aは、同図に示すように、コーナー支柱20,20間に壁パネル50Aを上下に複数架設する、所謂横積み構造を採用する点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違する。したがって、平支柱30を設ける必要はない。他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
浴室ユニット1Aの壁面は、下段の壁パネル50Aと、その上に載置された上段の壁パネル50Aとから構成される。壁パネル50Aは、図8に示すように、壁パネル50同様、壁パネル50Aの表面材51上端は室外側へ略逆V字状に凸出して折曲され、係合部51aが形成される。一方、壁パネル50Aの表面材51下端は室外側へ略逆V字状に凹陥して折曲され、係止部51bが形成される。
上段の壁パネル50Aは、その係合部51aを下段の壁パネル50Aの係止部51bに係合させて、下段の壁パネル50A上に載置される。そして、上段の壁パネル50Aの上端も、支柱連結材40の係止部40bに係合して仮固定されるので、コーナー目地材26が取り付けられて本固定されるまでの間も、別途大型クリップ等を用いて仮固定をしなくても倒れることはない。
この構造によれば、ビス止めやボルト締め等が行われず、係入片26dとスリット20c廻りとの摩擦力のみによって本固定される。そのため、例えば直下型地震等による上下動が生じた場合、係入片26dとスリット20との係合が緩んで、コーナー目地26がコーナー支柱20から外れる虞がある。この場合、従来の壁パネル接続構造では、上下の壁パネル50A,50A間の係合も外れて上段の壁パネル50が落下することもあり得る。
しかしながら、本発明に係る壁パネル接続構造では、上段の壁パネル50Aの頂部が支柱連結材40の係止部40bにより抑えられており、両壁パネル50A,50Aが相対的に上下に動くことはないので、両者間の係合が外れることもなく、したがって。上段の壁パネル50Aが落下する虞もない。
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
例えば、上述した実施形態では、ユニットルームとして浴室ユニットを例にとって説明したが、ユニットルームはこれに限らず、ユニットシャワールームやユニットトイレルーム等であってもよい。
本発明の一実施形態に係る壁パネル接続構造を示す概略斜視図。 本実施形態に係る壁パネル及び平支柱の横断面図。 コーナー支柱周りの分解斜視図。 壁パネル及びコーナー支柱の横断面図。 本実施化形態に係る壁パネル接続構造の縦断面図。 本実施形態の変形例に係る壁パネル接続構造の縦断面図。 本発明の他の実施形態に係る壁パネル接続構造を示す概略斜視図。 本実施形態に係る壁パネル接続構造の縦断面図。 従来の壁パネル取付作業を説明する図。
符号の説明
1 浴室ユニット
2 フレーム
10 床パン
14 壁パネル載置部
15 洗い場部
16 浴槽載置部
17 排水凹部
20 コーナー支柱
26 コーナー目地材
30 平支柱
40 支柱連結材
40a 係止部
40d 第2の係止部
50 壁パネル
51 表面材
51a 係合部
52 裏面材
53 芯材
54 折曲片
55 折返し部
56 ジョイナー
57 シール片
60 天井パネル
61 天井接続材
61b 係合部
62 回り縁
OP 開口部

Claims (3)

  1. 床面の少なくともコーナーに立設された支柱と、隣接する上記支柱の頂部を連結する支柱連結材と、上記支柱間に架設される壁パネルとを備えるユニットルームの壁パネル接続構造において、
    上記壁パネルの頂部に係合部が設けられ、上記支柱連結材に該係合部に係合可能な係止部が設けられたことを特徴とするユニットルームの壁パネル接続構造。
  2. 前記係止部は、先端に前記係合部を呼び込ませる呼び込み部が延設されたことを特徴とする請求項1記載のユニットルームの壁パネル接続構造。
  3. 前記壁パネルは、頂部に天井接続ピースを介して天井パネルが載設され、上記天井接続ピースに係合部が設けられ、上記支柱連結材に該係合部に係合可能な第2の係止部が設けられたことを特徴とする請求項1及び2のいずれかに記載のユニットルームの壁パネル接続構造。
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