JP6915849B2 - 建築物と建築方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたFRPサンドイッチパネル工法建物では、断熱材から成る芯材の表面にFRP(Fiber Reinforced Plastics、ガラス繊維強化プラスチック)を塗布したFRPサンドイッチパネルを接合部材を用いて接合している。
具体的には、隣接するFRPサンドイッチパネルに跨って表側と裏側に接合部材を設置し、これら接合部材を貫通して上記FRPサンドイッチパネルに釘状の固定具を打ち込み、それによって、上記隣接したFRPサンドイッチパネル同士を接合している。
また、上記接合部材と上記FRPサンドイッチパネルの固定には接着剤が用いられる場合や、上記釘状の固定具と上記接着剤が併用される場合もある。
上記ユニットパネルと上記土台部とは、ボルトを上記下桟を通して上記土台部に螺合することによって連結・固定されている。また、上記ユニットパネルの上方には複数枚の天井板が設置され、さらに、その外周に天井ハチマキが巻かれることになる。
すなわち、特許文献2に記載された発明によるユニットパネルセット及びユニットパネル工法では、上記ユニットパネルの上記土台部への固定作業については内側から行うことができるが、天井板の設置、天上ハチマキの設置作業については外側から行わなければならず、結局、建築物を隣接した状態で設置することができないという問題があった。
又、請求項2による建築物は、請求項1記載の建築物において、上記締結作業用上部開口部は上記側壁用パネルユニットの上部に左右1個ずつ設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項3による建築物は、請求項1又は請求項2記載の建築物において、 上記側壁用パネルユニットの下部には建築物の内側に向かってのみ開口する締結作業用下部開口部が設けられていて、上記締結作業用下部開口部は固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであり、上記固定ねじを上記締結作業用下部開口部を介して上記床用パネルユニットに螺合させて上記側壁用パネルユニットを上記床用パネルユニットに固定することを特徴とするものである。
又、請求項4による建築物は、請求項3記載の建築物において、上記締結作業用下部開口部は上記側壁用パネルユニットの下部に左右1個ずつ設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項5による建築物は、請求項3又は請求項4記載の建築物において、 上記締結作業用上部開口部と締結作業用下部開口部にはキャップが着脱可能に取り付けられることを特徴とするものである。
又、請求項6による建築物は、床用パネルユニットと、上記床用パネルユニットの上側に離間・配置される天井用パネルユニットと、上記床用パネルユニットと上記天井用パネルユニットとの間に連結・配置される複数枚の側壁用パネルユニットと、を具備した建築物を構築する建築方法において、上記側壁用パネルユニットの上部に建築物の内側に向かってのみ開口する締結作業用上部開口部を設けておき、上記締結作業用上部開口部は固定ねじを差し込んで上記天井用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであり、 建築物の内側から上記締結作業用上部開口部を介して上記固定ねじを差し込んで上記天井用パネルユニットに螺合することにより、上記側壁用パネルユニットを上記天井用パネルユニットに固定するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項7による建築物は、請求項6記載の建築方法において、上記側壁用パネルユニットの下部に建築物の内側に向かってのみ開口する締結作業用下部開口部を設けておき、上記締結作業用下部開口部は固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであり、 建築物の内側から上記締結作業用下部開口部を介して上記固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することにより上記側壁用パネルユニットを上記床用パネルユニットに固定するようにしたことを特徴とするものである。
又、請求項8による建築物は、請求項7記載の建築方法において、まず、上記床用パネルユニットに上記複数枚の側壁用パネルユニットを固定し、次いで、上記複数枚の側壁用パネルユニットに上記天井用パネルユニットを固定するようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項2記載の建築物によると、請求項1記載の建築物において、上記締結作業用上部開口部は上記側壁用パネルユニットの上部に左右1個ずつ設けられているため、上記締結作業用上部開口部を最小限の大きさとすることができ、これにより上記パネルの強度を確保することができる。
また、請求項3記載の建築物によると、請求項1又は請求項2記載の建築物において、上記側壁用パネルユニットの下部には締結作業用下部開口部が設けられていて、固定ねじを上記締結作業用下部開口部を介して上記床用パネルユニットに螺合させて上記側壁用パネルユニットを上記床用パネルユニットに固定するため、内側からの作業だけで構築することができる。
また、請求項4記載の建築物によると、請求項3記載の建築物において、上記締結作業用下部開口部は上記側壁用パネルユニットの下部に左右1個ずつ設けられているため、上記締結作業用下部開口部を最小限の大きさとすることができ、これにより上記パネルの強度を確保することができる。
また、請求項5による建築物は、請求項3又は請求項4記載の建築物において、上記締結作業用上部開口部と締結作業用下部開口部にはキャップが着脱可能に取り付けられるため、簡易な構成により上記締結作業用上部開口部と締結作業用下部開口部を閉塞することができとともに美観を向上させることができる。
また、請求項6による建築方法は、床用パネルユニットと、上記床用パネルユニットの上側に離間・配置される天井用パネルユニットと、上記床用パネルユニットと上記天井用パネルユニットとの間に連結・配置される複数枚の側壁用パネルユニットと、を具備した建築物を構築する建築方法において、上記側壁用パネルユニットの上部に内側に向かって開口する締結作業用上部開口部を設けておき、内側から上記締結作業用上部開口部を介して固定ねじを差し込んで上記天井用パネルユニットに螺合することにより、上記側壁用パネルユニットを上記天井用パネルユニットに固定するようにしたため、内側からの作業だけで構築することができる。
また、請求項7による建築方法は、請求項6記載の建築方法において、上記側壁用パネルユニットの下部に締結作業用下部開口部を設けておき、内側から上記締結作業用開口部を介して固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することにより上記側壁用パネルユニットを上記床用パネルユニットに固定するようにしたため、内側からの作業だけで構築することができる。
また、請求項8による建築方法は、請求項7記載の建築方法において、まず、上記床用パネルユニットに上記複数枚の側壁用パネルユニットを固定し、次いで、上記複数枚の側壁用パネルユニットに上記天井用パネルユニットを固定するようにしたため、内側からの作業だけで構築することができる。
例えば、図1、図2に示すように、この一実施の形態による建築物としてのユニットハウス1は、床用パネルユニット6と、天井用パネルユニット7と、開口部枠体9、9と、側壁用パネルユニット11、11、11、11、及び、側壁用パネルユニット13、13、13、13、13、13と、から構成されている。
上記床用パネルユニット6は土台3と床板5とから構成されている。上記土台3上に上記側壁用パネルユニット11、13と開口部枠体9が立設され、上記側壁用パネルユニット11、13と上記開口部枠体9の上に上記天井用パネルユニット7が設置されている。
なお、図4は四隅の一角を示しているが残りの3箇所も同様である。
また、土台外側フレーム15と土台内側フレーム19も同様にして連結・固定されている。
図4に示すように、上記床フレーム33にはT型溝41が形成されていて、このT型溝41内にはT型ナット43が挿入されている。また、上記床フレーム31にも同様に図示しないT型溝が形成されていて、この図示しないT型溝内に図示しないT型ナットが挿入されている。上記床板5は、ボルト45を上記土台3の土台外側フレーム17を通して上記T型ナット43に螺合するとともに、図示しないボルトを上記土台3の土台外側フレーム15を通して上記図示しないT型ナットに螺合することにより、上記土台3に固定され、それによって、上記床用パネルユニット6が構成されている。
図6、図7に示すように、上記天井フレーム51の内側面には、T型溝57、57、57が形成されている。また、上記天井フレーム53の内側面には、T型溝59、59、59が形成されている。また、上記天井フレーム51の外側面には、T型溝61、61が形成されている。上記天井フレーム53の外側面には、T型溝63、63が形成されている。隣接する上記天井フレーム51、53の内側には固定用金具61が当接するように設置されている。
上記端部カバ71は、ネジ73を上記端部カバ49に貫通させ、上記天井フレーム51のT型溝61、61に挿入された図示しないT型ナットに螺合させるとともに、ネジ75を上記端部カバ71に貫通させ、上記天井フレーム53のT型溝63、63に挿入されたT型ナット77、77に螺合させることで固定されている。
なお、図中表面材105の貫通孔を符号113、板材101の貫通孔を符号111、芯材97の貫通孔を符号109で示す。
なお、側壁用パネルユニット11、13を並べて同一面上に連結する箇所も、同様の構成となっている。
また、上記一方の側壁用パネルユニット13のパネル用枠材95と上記角部材141の間であって、上記ガスケット149の内側(図12(b)中右側)には、ガスケット153、153が設置されている。また、上記他方の側壁用パネルユニット13のパネル用枠材95と上記角部材141の間であって、上記ガスケット151の内側(図12(b)中上側)にも、ガスケット155、155が設置されている。これらガスケット149、151、153、155も、上記ガスケット119と同様の材質であり、耐火・耐熱性能を備えている。
なお、側壁用パネルユニット11、13を直交させて連結する箇所も、同様の構成となっている。
また、図7に示すように、上記側壁用パネルユニット11と天井用パネルユニット7とは、固定ネジ183によって連結・固定されている。すなわち、上記天井用パネルユニット7の天井フレーム51、53に雌ねじ部184(天井フレーム53の被螺合部184のみ図示されている)が形成されており、上記固定ネジ183を上記側壁用パネルユニット11のパネル用枠材93を貫通させ、上記雌ねじ部184に螺合させることで、上記側壁用パネルユニット11と上記天井用パネルユニット7が連結・固定される。上記固定ネジ183は、天井側(図7中上側)の締結作業用上部開口部107内に収容・配置されている。また、上記固定ネジ183の締結作業もこの締結作業用上部開口部107を介して行われる。
なお、側壁用パネルユニット13と上記床用パネルユニット6や天井用パネルユニット7との連結部も同様の構成である。
また、図4、図7に示すように、上記締結作業用上部開口部107と上記締結作業用下部開口部107′の開口部側にはキャップ185が着脱可能に設置されている。このキャップ185によって、上記締結作業用上部開口部107と上記締結作業用下部開口部107′が閉塞されている。
ユニットハウス1の組み立ては次のようにして行われる。
まず、床用パネルユニット6を設置し、上記床用パネルユニット6の外周部に側壁用パネルユニット11、13を立設する。上記側壁用パネルユニット11、13の上記床用パネルユニット6に対する固定は、前記したように固定ネジ181によってなされるが、この固定ネジ181の締結作業は、上記側壁用パネルユニット11、13の締結作業用下部開口部107′内を介して、ユニットハウス1の内側から行われる。
次に、側壁用パネルユニット13、13同士、及び、側壁用パネルユニット11、13の連結・固定を行う。すなわち、連結部材117やガスケット119、121、121、塞ぎ部材固定板127を上側から挿入し、上記ユニットハウス1の内側から塞ぎ部材123の固定作業を行う。
次に、角部材141を所定の場所に設置する。上記角部材141は、側壁用パネルユニット11や側壁用パネルユニット13に連結・固定される。上記角部材141と側壁用パネルユニット11等との連結作業も、上記側壁用パネルユニット13、13同士の連結作業と同様にして行われる。
次に、開口部枠体9を所定の場所に取り付ける。上記開口部枠体9は、上記角部材141と側壁用パネルユニット13に連結・固定される。上記開口部枠体9と側壁用パネルユニット13等との連結作業も、上記側壁用パネルユニット13、13同士の連結作業と同様にして行われる。
次に、上記側壁用パネルユニット11、13に天井用パネルユニット7を設置する。上記天井用パネルユニット7と側壁用パネルユニット11、13の固定は、前記したように固定ネジ183によってなされるが、この固定ネジ183の締結作業も、上記側壁用パネルユニット11、13の締結作業用上部開口部107内を介して、上記ユニットハウス1の内側から行われる。
側壁用パネルユニット11、13には、締結作業用上部開口部107や締結作業用下部開口部107′が設けられているので、上記締結作業用上部開口部107や締結作業用下部開口部107′を介して、側壁用パネルユニット11、13と床用パネルユニット6や天井用パネルユニット7との連結作業をユニットハウス1の内側から行うことができる。これにより、ユニットハウス1を複数設置する場合であって、上記ユニットハウス1間の隙間が無く、外側に作業用のスペースを確保できない場合であっても、ユニットハウス1を設置することができる。
また、上記締結作業用上部開口部107は上記側壁用パネルユニット11、13の天井用パネルユニット7側にそれぞれ2個ずつ設けられており、上記締結作業用下部開口部107′は上記側壁用パネルユニット11、13の床用パネルユニット6側にそれぞれ2個ずつ設けられているので、上記締結作業用上部開口部107や締結作業用下部開口部107′を必要最小限の大きさとすることができ、芯材97や板材101に対する加工を最小限に抑えて上記側壁用パネルユニット11、13の強度を確保することができる。
また、側壁用パネルユニット11、13は床用パネルユニット6と天井用パネルユニット7のそれぞれに2箇所ずつで固定されるので、上記ユニットハウス1を強固なものとすることができる。
また、上記締結作業用上部開口部107や締結作業用下部開口部107′にはキャップ185が着脱可能に設置されているため、締結作業終了後、簡易な構成により上記締結作業用上部開口部107や締結作業用下部開口部107′を閉塞することができるとともに、美観の向上を図ることができる。
まず、締結作業用上部開口部、締結作業用下部開口部の大きさ、数、位置、等についてはこれを特に限定するものではない。
また、前記一実施の形態では、締結作業用上部開口部、締結作業用下部開口部の両方を設けた構成を例に挙げて説明したが、締結作業用上部開口部のみを設ける構成も考えられる。この場合には、下部の締結については別の工夫によりユニットハウスの内側から行うことになる。
また、ユニットハウスを構成する側壁用パネルユニットの数や開口部枠体の数、開口部枠体の位置等には様々な場合が考えられる。締結作業用開口部の大きさ、数、位置も様々な場合が考えられる。
また、前記一実施の形態の場合には、建築物の例としてユニットハウスを挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、様々な建築物に適用可能である。
その他、各部の構成は図示したものに限定されない。
6 床用パネルユニット
7 天井用パネルユニット
11 側壁用パネルユニット
13 側壁用パネルユニット
107 締結作業用上部開口部
107′ 締結作業用下部開口部
181 固定ネジ
183 固定ネジ
185 キャップ
Claims (8)
- 床用パネルユニットと、
上記床用パネルユニットの上側に離間・配置される天井用パネルユニットと、
上記床用パネルユニットと上記天井用パネルユニットとの間に連結・配置される複数枚の側壁用パネルユニットと、
上記側壁用パネルユニットの上部に建築物の内側に向かってのみ開口するように設けられた締結作業用上部開口部と、
上記締結作業用上部開口部を介して上記天井用パネルユニットに螺合され上記側壁用パネルユニットを上記天井用パネルユニットに固定する固定ねじと、
を具備し、
上記締結作業用上部開口部は上記固定ねじを差し込んで上記天井用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであることを特徴とする建築物。 - 請求項1記載の建築物において、
上記締結作業用上部開口部は上記側壁用パネルユニットの上部に左右1個ずつ設けられていることを特徴とする建築物。 - 請求項1又は請求項2記載の建築物において、
上記側壁用パネルユニットの下部には建築物の内側に向かってのみ開口する締結作業用下部開口部が設けられていて、
上記締結作業用下部開口部は固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであり、
上記固定ねじを上記締結作業用下部開口部を介して上記床用パネルユニットに螺合させて上記側壁用パネルユニットを上記床用パネルユニットに固定することを特徴とする建築物。 - 請求項3記載の建築物において、
上記締結作業用下部開口部は上記側壁用パネルユニットの下部に左右1個ずつ設けられていることを特徴とする建築物。 - 請求項3又は請求項4記載の建築物において、
上記締結作業用上部開口部と締結作業用下部開口部にはキャップが着脱可能に取り付けられることを特徴とする建築物。 - 床用パネルユニットと、
上記床用パネルユニットの上側に離間・配置される天井用パネルユニットと、
上記床用パネルユニットと上記天井用パネルユニットとの間に連結・配置される複数枚の側壁用パネルユニットと、
を具備した建築物を構築する建築方法において、
上記側壁用パネルユニットの上部に建築物の内側に向かってのみ開口する締結作業用上部開口部を設けておき、
上記締結作業用上部開口部は固定ねじを差し込んで上記天井用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであり、
建築物の内側から上記締結作業用上部開口部を介して上記固定ねじを差し込んで上記天井用パネルユニットに螺合することにより、上記側壁用パネルユニットを上記天井用パネルユニットに固定するようにしたことを特徴とする建築方法。 - 請求項6記載の建築方法において、
上記側壁用パネルユニットの下部に建築物の内側に向かってのみ開口する締結作業用下部開口部を設けておき、
上記締結作業用下部開口部は固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することができる大きさを備えたものであり、
建築物の内側から上記締結作業用下部開口部を介して上記固定ねじを差し込んで上記床用パネルユニットに螺合することにより上記側壁用パネルユニットを上記床用パネルユニットに固定するようにしたことを特徴とする建築方法。 - 請求項7記載の建築方法において、
まず、上記床用パネルユニットに上記複数枚の側壁用パネルユニットを固定し、
次いで、上記複数枚の側壁用パネルユニットに上記天井用パネルユニットを固定するようにしたことを特徴とする建築方法。
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