JP2018025058A - 断熱材、壁ユニット、断熱壁の施工方法および家屋 - Google Patents

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千代川 健裕
Takehiro Chiyokawa
健裕 千代川
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Abstract

【課題】
壁の強度を低下させることなく断熱効果を維持することができる耐力壁の構造と、壁内に電気配線や下地材をはめ込むことが出来る断熱材等を提供すること。
【解決手段】
家屋の壁を構成する壁ユニット(耐力壁)であって、垂直方向に沿って互いに対向して配置される2本の垂直材3a、3bと水平方向に沿って互いに対向して配置される2本の水平材4a、4bから構成される中空の収容空間を形成した枠体2と、枠体2の内面に密接した状態で収容する少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材8と、断熱材8を収容した前記枠体2の表裏両面を塞ぐ板体7、9を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材、壁ユニット、断熱壁の施工方法および家屋に関するものである。
木造建築においては、壁や床等の面の強度を高めることによって建物の耐荷重、耐震性を高める方法がある。このような壁や床等の面の強度を利用する建築方法として、図7に示す建物を建築するツーバイフォーなどの枠組壁工法が知られている。この枠組壁工法は、矩形の枠体1000の一側面に構造用合板からなる面材1001を貼り付けて枠体1000の変形を抑止した耐力壁1003を設けることによって、耐荷重性、耐震強度の高い家屋の形成を目的としたものである。例えば図7に示した例では、耐力壁1003の内部にグラスウール等の断熱材1004を収容した後に、矩形の枠体1000のもう一方の側面に内壁となる石膏ボード1005を貼り付けるようになっている。このような耐力壁の例として、特許文献1の段落0013および図2に、垂直材及び水平材の表裏に面材を張設一体化し内部に断熱材を充填したものが記載されている。
また、建物の荷重を支える構造材として柱や梁を用いた在来軸組み工法がある。この工法では、900mm間隔で配置した柱と柱の間に設置する間柱と称する柱や、筋交いを設けることによって、内外装材(壁板)の補強や水平力に対する変形防止(耐震性)に効果を有する耐力壁を形成するのが一般的である。そして、どちらの工法も一般的に壁の内部に断熱材を収容することで家屋内の断熱効果を高めている。
また、非特許文献1のように、2枚の構造用合板の間に板状の発泡性の断熱材を挟んで一体化した外壁材がある。
一般的な耐力壁は高さが概ね2400〜2900mm、幅が900〜1000mm程度の大きさに形成されており、図7に示すように建物の骨格を形成する柱1006や梁1007,1008の間に配置される。また、通常は壁の強度を高めるために、図示されているように矩形の枠内に、補強を目的とした垂直材と同様の柱又は間柱1009を中央に設けて、その表裏に構造用合板である面材1001や石膏ボード1005を一般の耐力壁を一体的に取り付けている。
この補強を目的とした柱又は間柱1009は、枠体1000内を2分するように外壁として建物の屋外側に配置される面材1001および内壁として建物の屋内側に配置される石膏ボード1005による面材に対して内側から接触する。この補強を目的として柱又は間柱1009を設けた部分は、断熱材を介在させていない部分なので断熱効果が劣ることになる。したがって、断熱効果を考えると耐力壁1003内部には、柱などを設けないほうがよい。
また、2枚の合板の間に発泡性断熱材を設けた非特許文献1記載の外壁材は、予め一体的に構成されているため、壁内部に後から電線等を敷設することは不可能であった。
特開2004−13779号公報
シップス・ジャパン株式会社のホームページ[平成28年8月1日検索]、「(防蟻断熱パネル) RコントロールSIPsパネル」の説明<URL:http://www.sips-japan.com/rcontrol.html>
壁内に配置する断熱材として一般なものは、綿状に形成したグラスウール系断熱材である。グラスウールは柔軟性があるため施工性は良いが、時間経過に伴い上部がずり落ちてしまうことがあり、枠と断熱材の間に隙間が生じて断熱効果を低下させる場合が多い。またグラスウールは、変形が容易で施工性が良い反面、構造的な強度は無いため壁の強度を向上させるような作用は生じない。
また、発泡性断熱材の表裏に合板を一体的に結合させた外壁材や、予め形状が決まっている板状の断熱材を収容した外壁は、安定した断熱効果を得ることができる。しかしながら、予め形状が決まっている断熱材を用いる場合、壁内部に電線を敷設するには断熱材を加工する必要があるので、実質的に不可能であるかかなり面倒な作業を伴うことになる。また、断熱材を削るなどの現場加工を行った場合、削り過ぎによる断熱効果の劣化や壁の補強作用を低下させる可能性もある。さらに、耐火を目的として内壁材に使用する石膏ボードは脆く機械的な強度が低い。このため、ネジ等を打ち込んでもその部位が崩壊してしまうので、ネジフックやカーテンレール等を取り付けようとしても、十分な取り付け強度が得られないものであった。
本発明は、上記課題に鑑み発明したものであって、内部に収容した断熱材の断熱効果を損なわず、耐力壁としての強度を失わせることなく、施工性のよい断熱材およびこのような断熱材を用いた耐力壁を構成する壁ユニット、耐力壁として機能する断熱壁の施工方法および家屋の提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材であって、少なくとも一側の表面に、外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けたことを特徴とする断熱材。
また本発明は以下の構成を有する。すなわち、
垂直方向に沿って互いに対向して配置される2本の垂直材と水平方向に沿って互いに対向して配置される2本の水平材から構成される中空の収容空間を形成した枠体と、前記枠体の内面に密接した状態で収容する、少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材と、前記断熱材を収容した前記枠体の表裏両面を塞ぐパネルを設けたことを特徴とする壁ユニット。
また本発明は以下の構成を有する。すなわち、
垂直方向に沿って互いに対向して配置される2本の垂直材と水平方向に沿って互いに対向して配置される2本の水平材から構成される中空の収容空間を形成した枠体と、前記枠体の内面に密接した状態で収容する、少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材と、前記断熱材を収容した前記枠体の表裏両面を板体によって塞いだ壁ユニットを形成し、前記壁ユニットを、家屋の壁を構成する柱および梁によって形成される空間内に固定することを特徴とする断熱壁の施工方法。
また本発明は以下の構成を有する。すなわち、
家屋を構成する壁の一部又は全部に、少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂を発泡させた板状の断熱材を収容したことを特徴とする家屋。
本発明に係る断熱材および断熱材を用いた壁ユニットは、家屋等の建物を構成する主要な部材であって、耐力壁として地震による揺れ等に対しても強い強度を発揮するものである。そして、強度のある耐力壁を構成できるにも関わらず断熱効果を損なうことがないという効果を有している。また、断熱効果を損なうことなく、壁の内面に下地材を設置したり電線等を敷設したりすることができる施工性のよい断熱材、およびこのような断熱材を用いた壁ユニット、断熱壁の施工方法および家屋を提供することができるという効果を有している。
本実施の形態に係る耐力壁の基本的な構成を表した分解斜視図である。 本実施の形態に係る耐力壁の外観図である。 断熱材の表面に形成した溝に下地材を嵌挿する様子を表した説明図である。 釘を使用して梁に耐力壁を固定する様子を表した説明図である。 他の実施例に係る耐力壁の説明図である。 図5に示した耐力壁の分解斜視図である。 耐力壁を使用する枠組壁工法の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る耐力壁として構成した壁(以下「耐力壁」という)1の基本的な構成を表した説明図である。本実施の形態において耐力壁とは、地震等の水平方向の揺れに対して高い強度を発揮するように構成された単一の壁ユニット若しくは当該壁ユニットを家屋の構成要素として複数使用した壁をいう。
図示した構造の壁ユニットとして構成した耐力壁1は、枠組み壁工法の場合、当該耐力壁1を複数個用いることによって家屋の壁を構成し、このような壁の使用によって家屋の耐震強度等を高めることを目的としたものである。
また在来軸組み工法の場合には、土台、または梁と柱で区画された矩形の空間に、壁ユニットとして構成した耐力壁1をはめ込むように配置し、若しくは梁と柱で区画された矩形の空間に直接前記壁ユニットと同様の構造を形成することによって耐震強度を高めた家屋の壁を構成することを目的としている。
図1に示した耐力壁1は、一例として矩形の外形を有する中空の枠体2を有している。枠体2は、ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)で一般的に使用される断面形状が38mm×89mmの角材を使用した2本の長尺の垂直材3a、3bと上下2本の水平材4a、4bから構成されている。
上記2本の垂直材3a、3bと2本の水平材4a、4bによって形成された枠体2は、表裏に矩形の開口5、6を形成している。この例では枠体2の内部に、開口5から開口6に亘る表裏間の厚さが89mmの矩形の中空空間が形成される。そして、家屋に設置した場合に屋外側に向かって配置される枠体2の一側面(開口5)を構造用合板である板材(外壁パネル)7によって塞ぎ、枠体2と板材7によって形成された空間に断熱材8を収容し、枠体2の反対面(開口6)を石膏ボード等の板状の内壁材(内壁パネル)9によって塞ぐようになっている。板材7は、一般的な家屋では外装用の化粧板を取り付けるための下地を構成するものである。各部材を組み立てると、図2に示すような耐力壁1が構成される。
図示した耐力壁1は、このように予め単体のユニットとして構成されるが、前述したように家屋を構成する柱や梁を枠体として耐力壁を構成してもよく、柱や梁によって形成される枠体内に単体のユニットとして構成した耐力壁1をはめ込むように装着してもよい。なお、家屋の内側に面する開口6には石膏ボード等の内壁材が装着されるが、通常この内壁材は家屋に必要な電気配線等を完了した後に装着される。
なお、板材7を開口5に装着する場合の他、後述するよう板材7と同様の構造用合板を断熱材の中間に配置するように構成してもよい。また、開口5に装着する板材7に加えて枠体2内の中間位置の双方に構造用合板を設けてもよいものである。
板材7には、一例として肉厚が9mm若しくは12mmの構造用合板を使用する。構造用合板は、薄い板材を積層して貼りあわせて強化した板材である。この板材7は、枠体2の外形寸法と同程度の外形に形成され、枠体2を構成する垂直材3a、3b、水平材4a、4bに対して釘、ネジ等によって固定される。この枠体2と板材7の結合によって、板材7と枠体2が相互に補強し合う構造体を構成し、さらに圧縮強度に対して弾性的に反発する発砲スチロールや発砲ウレタン等の断熱性を有する樹脂を発泡させた断熱材8で満たすことで、荷重を受けても変形しにくい強固な構造体を構成するようになっている。断熱材8は、上記発砲スチロールや発砲ウレタンに限らず、断熱性を有するとともに荷重を受けても変形しにくい性質を有した素材によって形成することが好ましい。
なお、枠体2の内部に水平方向に亘る桟10を補助的に数本配置し、板材7を枠体2に加えて桟10に対して固定してもよい。この桟10は、開口5に面して配置されるものであり、断熱材8を表裏貫通しないように枠体2の幅寸法よりも小さい寸法の角材によって形成される。この桟10を設けると、加重を受けた板材7の捻れや歪みを防止する補強作用が生じ、耐力壁1の強度を高めることができるようになっている。このような桟10を配置する場合には、予め桟10を配置できるように断熱材8の表面に所定の溝を形成しておく。但しこの桟10は耐力壁の強度向上を負担するものであり、必ずしも設けなければならないものではない。
断熱材8は、一例として予め発泡スチロールを板状に成型したものを用いる。断熱材8は、枠体2と板材7で構成される内面全体に密接するように、耐力壁1の内部空間に過不足なく丁度良く収容される形状に形成されている。
また、前述した桟10を設ける場合には、桟10と接触する部位に桟10の形状に応じた深さ12mm〜21mm程度の凹溝11を形成する。ただし、この凹溝11は、寸法的に断熱材8を表裏に亘って貫通しない寸法に形成されるので、桟10を設けても断熱効果を失わないようになっている。
また、断熱材8は次に説明する横溝12、縦溝13を除き、内壁材9の内面と密接するようになっている。内壁材9と接触する断熱材8の一側面には、一例として格子状に配置した横溝12および縦溝13が形成されている。この横溝12および縦溝13は、一例として幅は45mm〜90mm深さは12mm〜21mm程度の矩形の断面を有している。内壁材9裏面にカーテンレール等の取り付用の下地木材をはめ込めるように形成されている。なお、これら横溝12および縦溝13の形状は矩形に限るわけではなく、縦溝13のみでもよく断面形状は矩形に限らないものである。
前述した構成により、耐力壁1は内部空間を断熱材8で満たした状態になり、断熱材8はその全外周が枠体2の内面に対して密接し、面積の広い表裏両面が板材7および内壁材9に密接した状態で収容される。
なお、発泡剤を混入したスチロールやウレタン等の材料を断熱材8に注入し、直接枠体2内で発泡させて形成することも可能である。この場合、枠体2の内面、板材7および内壁材9に離型剤を塗布する等した後に発泡樹脂を注入し、断熱材8が内面に接着しないように発泡させ膨張させる。これは、断熱材8と枠体2、板材7および内壁材9が接着していると、耐力壁1が変形した場合に、接着した部位において断熱材8の破壊が生じ、粘りが無く降伏するように強度が低下してしまうからである。
この断熱材8は、グラスウールのような不定形の軟らかい物体ではなく固形状の物体であり、成形型を使用した成形加工若しくは成型後に切削加工によって形成したものである。発泡スチロール又は発砲ウレタンは、変形に対し、形状の復元性が高く弾力性のある素材である。
このような断熱材8によって耐力壁1の内部を満たすと、筋交いを入れたように耐力壁1の変形に対抗する抵抗体となり、耐力壁1を補強する補強体として作用する。この結果、耐力壁1の強度を向上させることにより、変形に対して大きな抵抗力を発揮するようになる。
前述の構造により、耐力壁1は断熱材8の収容によって強度を高めているので、従来例のような枠体2内に配置する補強用の柱または間柱を省くことができ、柱や間柱を設けることによる断熱効果の低下を軽減できるようになっている。また、本実施の形態に係る耐力壁1は、従来例と比較して補強用の柱を省略、若しくは本数を減らすことができるので、製造コストの低下を図ることができるものとなっている。
また、木造建築の場合、家屋内に敷設する電線類は壁内を通すことが多い。このため、個体状の断熱材が隙間なく充填されている場合には、電線類を通すために断熱材を削る等の加工をしなくてはならない。これに対して本実施の形態に係る耐力壁1は、収容する断熱材8の表面に水平方向に沿った横溝12および/若しくは垂直方向に沿った縦溝13を設けている。
また、仕様に応じて外周囲にも溝と同様の高低差を有する低縁14を形成する。耐力壁1内に電線類を敷設する場合には、これら横溝12若しくは縦溝13を利用して配線類を敷設し、内壁材9の下地として木材を配置する。
耐力壁1に収容した断熱材8の横溝12や縦溝13に、略この溝の形状と同一の断面を有する木材(下地材)を装着すると、屋内側から内壁材9を介して取り付けるネジ、釘類を使用した装着物の取り付けに有効な下地材として使用することが可能になる。図3は、一例として横溝12に嵌挿する角材で構成した下地材15の様子を表している。下地材15は、全ての横溝12に装着してもよいし一部の横溝12に装着してもよく、全ての縦溝13に装着してもよいし一部の縦溝13に装着してもよい。さらに、下地材を格子状に形成し、横溝12と縦溝13の双方を充填するように形成してもよい。
屋内に面した内壁材9には、耐火性を考慮して石膏ボードを用いる場合が多いが、石膏は脆いためネジや釘を有効に効かせて取り付けることはできない。これに対して、断熱材8の横溝12や縦溝13に木材をはめ込むように装着すると、石膏ボードを介してネジや釘を有効な強度で取り付けることが可能になる。例えば、一端に木ネジ部を有し他端にC型のフックを形成したようなネジフックを固定する場合の下地として有効に機能させるようになっている。また、カーテンをつり下げるカーテンレールのようなものも強固に取り付け可能になっている。
本実施の形態に係る耐力壁1は、下地材15を上記のように断熱材の表面部分に配置するものであるから、表裏貫通した柱や間柱を配置する場合のように断熱材が有する断熱効果を損なうことがない。
また、予め枠体の一端から他端まで連続した複数の溝を断熱材に設けることで、下地材15の装着を含め現場における断熱材の切削加工を必要としない。このため、断熱材を傷つけたり必要以上に削ったりすることが無いので断熱効果を損なうことが無いという効果も有している。
また、断熱材の溝以外の凸部分は、石膏ボード105(石膏ボードの一般的な肉厚は12.5mm程度)の裏面が密着し、石膏ボードを裏側(内側)から支える作用を有している。このため、石膏ボードに何らかの衝撃を与えても壊れにくくなっている。また、石膏ボードが壊れにくいということは防火性能が向上することでもあり、一般的な肉厚の石膏ボードに代えて薄い石膏ボードを使用しても壊れにくいという効果を有している。
また、上記横溝12、縦溝13を設けた側面の断熱材8外周囲には、横溝12、縦溝13と同じ深さの低縁14を設けている。この低縁14は、断熱材8の外周囲が接する枠体2の内面を僅かに表出させる部位であり、耐力壁1を家屋の骨格を形成する梁H等に対して固定する際に、釘16を打ち込むための空間として使用することができるようになっている。
図4は、耐力壁1を梁H等に固定する場合における、釘16の打ち込み位置における各部材の断面図を表している。同図に示すように、低縁14を形成した部位において枠体2の内面が表出しているので、断熱材8を削る等の加工を要することなく釘16を打ち込むことができ、これにより耐力壁1を梁H等に固定できるようになっている。
図5(a)、図5(b)は他の実施例に関する耐力壁100の説明図である。図5(a)は、一つのユニットとして構成した耐力壁100の外観斜視図であり、図5(b)は耐力壁100の内部構造を説明するための部分断面図である。また、図6は耐力壁100の分解斜視図である。耐力壁100は、図5(a)に示すように外観上は一枚のパネルとして形成された独立した壁ユニットとして形成されるものであるが、前述した耐力壁1と同様に家屋等の建物の壁として、適宜修正した上で直接施工しても構わないものである。
耐力壁100は、図6に示すように内部中央に構造用合板(肉厚約12mm)によって形成した中間壁101を設け、この中間壁101の外周部の表裏に内枠体102a、102bを設けている。内枠体102aは、垂直方向に沿って互いに対向して配置される2本の垂直材103a、104aと水平方向に沿って互いに対向して配置される2本の水平材105a、106bから構成される中空の収容空間107aを形成している。
内枠体102aと内枠体102bは同型状であり、中間壁101を挟んだ状態で釘、ネジ等を使用して互いに結合している。
また、本実施例では、中間壁101、内枠体102aおよび内枠体102bからなる構造体の外側に、さらに垂直材108、109と、水平材110、111を設けている。これら垂直材108、109および水平材110、111は、中間壁101、内枠体102aおよび内枠体102bからなる構造体の外形を覆う外枠を構成するものであり、釘やネジを使用して互いに結合している。
中間壁101の一側面上に構成される収容空間107aには、発泡スチロール又は発泡ウレタン等によって形成した板状の断熱材112aが収容される。また、中間壁101の他方の側面上に構成される収容空間107bにも、断熱材112aと同一仕様の断熱材112bが収容される。
断熱材112aを収容した収容空間107aおよび断熱材112bを収容した収容空間107bは、構造用合板によって形成された板材若しくは石膏ボードによって形成された板材が釘、ネジ等を用いて取り付けられる。本実施例では、家屋に取り付けた際に屋外側となる面には構造用合板からなる板材(外壁パネル)113、家屋に取り付けた際に屋内側となる面には石膏ボードからなる内壁材(内壁パネル)114を取り付けている。
断熱材112aおよび断熱材112bは、前述した断熱材8と同様に表面に水平方向に沿った横溝115および垂直方向に沿った縦溝116を設けている。この横溝115および縦溝116の作用および効果も前述の断熱材8と同様であり、各溝を利用して下地材を嵌め込んだり、電線類の配線に使用したりすることができるものである。
また、断熱材112aおよび断熱材112bの表面は、横溝115および縦溝116の部分を除き平面であり外壁パネル113および内壁パネル114の内面に接するようになっている。これにより、外壁パネル113および内壁パネル114を内側から支える作用を有し、外側からの衝撃等による変形や破壊を防ぐ補強作用を有するものとなっている。
耐力壁100は、その内部に構造用合板である中間壁101の外周縁に内枠体102aおよび内枠体102bを設けた構造体を有している。
この構造体は、内枠体102aおよび内枠体102bの変形を中間壁101によって防ぐ作用が強く働く構造であり、中間壁101の曲げやねじれ方向の変形を内枠体102aおよび内枠体102bによって防ぐ構造になっている。すなわち、各部材が相互に補強しあい、構造体として高い強度を発揮する構造になっている。
また、中間壁101の表裏に断熱材112aおよび断熱材112bを密着させる構造になっており、中間壁101は外壁パネル113および内壁パネル114と直接的に接触する構造にはなっていない。これにより、中間壁101を設けても耐力壁100の断熱効果を損なうことが無いようになっている。
また、上記中間壁101の外周縁に内枠体102aおよび内枠体102bを設けた構造体の屋外側に面する一側面には、構造用合板で形成された外壁パネル113を取り付けるようになっている。すなわち、上記の構造体は、少なくとも内部とその外側に2枚の構造用合板を平行に配置した構造を有するので、耐力壁として強度の高い構造になっている。
また、内部を断熱材112aおよび断熱材112bによって満たす構造になっているので、断熱材112aおよび断熱材112bの変形に対する抵抗力も、耐力壁100の強度を高める作用を有している。
さらに耐力壁100は、上記の構造体の外周を垂直材108、109と、水平材110、111によって取り囲むように補強されるので、従来一般の耐力壁と比較して強度の高い壁を形成することができるものとなっている。
本発明は、家屋を構成する壁に利用可能である。さらに床や天井、屋根に使用し水平構面の変形を防止することも可能で、断熱材に形成した溝は建物の腐れを防ぐ通気溝としての役割も担うことも出来る。
1 耐力壁
2 枠体
3a、3b 垂直材
4a、4b 水平材
5 開口
6 開口
7 板材(外壁パネル)
8 断熱材
9 内壁材(内壁パネル)
10 桟
11 凹溝
12 横溝
13 縦溝


Claims (6)

  1. 断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材であって、
    少なくとも一側の表面に、外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けたことを特徴とする断熱材。
  2. 前記断熱材の外形を矩形に形成し、前記溝を前記外形の側縁に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の断熱材。
  3. 前記断熱材の外形を矩形に形成し、前記溝を格子状に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材。
  4. 垂直方向に沿って互いに対向して配置される2本の垂直材と水平方向に沿って互いに対向して配置される2本の水平材から構成される中空の収容空間を形成した枠体と、
    前記枠体の内面に密接した状態で収容する、少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材と、
    前記断熱材を収容した前記枠体の表裏両面を塞ぐパネル体を設けたことを特徴とする壁ユニット。
  5. 垂直方向に沿って互いに対向して配置される2本の垂直材と水平方向に沿って互いに対向して配置される2本の水平材から構成される中空の収容空間を形成した枠体と、
    前記枠体の内面に密接した状態で収容する、少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂の発泡素材からなる板状の断熱材と、
    前記断熱材を収容した前記枠体の表裏両面を板体によって塞いだ壁ユニットを形成し、
    前記壁ユニットを、家屋の壁を構成する柱および梁によって形成される空間内に固定することを特徴とする断熱壁の施工方法。
  6. 家屋を構成する壁の一部又は全部に、少なくとも一側の表面に外形の一側端から他側端に亘る溝を1本乃至複数本設けた断熱性のある樹脂を発泡させた板状の断熱材を収容したことを特徴とする家屋。

JP2016158249A 2016-08-10 2016-08-10 断熱材、壁ユニット、断熱壁の施工方法および家屋 Pending JP2018025058A (ja)

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