JP6748043B2 - セルロースナノファイバー、その製造方法及びそれを含む紙 - Google Patents
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Description
(条件1)固形分1.5質量%〜2.5質量%の範囲に入るようにセルロースナノファイバー水分散液を調製し、該セルロースナノファイバー水分散液にt−ブチルアルコール:蒸留水を、t−ブチルアルコール:蒸留水=3:7の混合溶媒比率となるように各溶媒を加えて1質量%混合溶媒液としたものを凍結乾燥させ、測定用サンプルとして測定を行う。セルロースナノファイバーを紙に内添する若しくは紙表面に塗布すること、平滑性が向上し、また、透気抵抗度が上がりバリア性が向上するという効果を発揮させやすくできる。
<BET比表面積>
固形分1.5質量%〜2.5質量%の範囲に入るようにセルロースナノファイバー水分散液を調製し、セルロースナノファイバー水分散液にt−ブチルアルコール:蒸留水=3:7となるように混合溶媒を加え、1%混合溶媒液としたものを凍結乾燥させ、トライスターII3020(島津製作所製)を使用しBET比表面積を測定した。
<フリーネス>
JIS P8121−2:2012パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法に準拠し測定した。
<改良フリーネス>
「JIS P8121−2:2012」で使用するふるい板の代わりに83メッシュ相当の金網を使用する。
<フィルム化した異物の混入量>
セルロースナノファイバー中にフィルム化した異物がある場合は、流水下で100メッシュ篩を用いて水洗、分別し、セルロースナノファイバー全体の固形分に対して異物の質量%を求めた。判断は次の通りとした。
0.1%以下:異物の混入について問題なし。
0.1%超:異物の混入について問題あり。
LBKPのパルプシート(約50%水分)を2%濃度に離解したパルプスラリーをスーパーマスコロイダーMKCA6−5J型(砥石板直径:6インチ、増幸産業社製)を用いて処理を行った。砥粒としてF80を60%配合、F320を40%配合した砥石を使用した。回転数は1800rpm、周速848m/分で一律運転とした。クリアランスは1回目160μm、2回目150μm、3回目140μm、4回目130μm、5回目120μmとして、繰り返し処理した(5回パス)。最終品の電力原単位は9kwh/kg、BET比表面積は130m2/g、フリーネス730cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
実施例1の5回目品を用いてクリアランス6回目110μm、7回目100μmとして引き続き処理を行った。最終品の電力原単位は20kwh/kg、BET比表面積は195m2/g、フリーネス750cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
実施例2の7回目品を用いてクリアランス8回目90μm、9回目80μmとして引き続き処理を行った。最終品の電力原単位は30kwh/kg、BET比表面積は200m2/g、フリーネス780cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
実施例3の9回目品を用いてクリアランス10回目70μm、11回目60μmとして引き続き処理を行った。最終品の電力原単位は50kwh/kg、BET比表面積は205m2/g、フリーネス800cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
実施例4の11回目品を用いてクリアランス12回目60μm、13回目60μmとして引き続き処理を行った。最終品の電力原単位は70kwh/kg、BET比表面積は210m2/g、フリーネス830cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
実施例5の13回目品を用いてクリアランス14回目50μm、15回目50μmとして引き続き処理を行った。最終品の電力原単位は95kwh/kg、BET比表面積は215m2/g、フリーネス860cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
回転数を1000rpm、周速471m/分とした以外は実施例1に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は30kwh/kg、BET比表面積は190m2/g、フリーネス800cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
回転数を1500rpm、周速707m/分とした以外は実施例1に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は20kwh/kg、BET比表面積は175m2/g、フリーネス750cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
回転数を2500rpm、周速1178m/分とした以外は実施例6に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は70kwh/kg、BET比表面積は190m2/g、フリーネス830cc↑であった。処理時間は実施例6合計の約1/2倍となった。フィルム状異物の混入はなかった。
砥粒としてF46を90%配合、F32とF320を5%ずつ配合した砥石板を使用した以外は実施例1に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は6kwh/kg、BET比表面積は110m2/g、フリーネス700cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
砥粒としてF46を90%配合、F32とF320を5%ずつ配合した砥石板を使用した以外は実施例6に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は40kwh/kg、BET比表面積は180m2/g、フリーネス790cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
砥粒としてF36を100%配合した砥石板を使用した以外は実施例6に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は30kwh/kg、BET比表面積は150m2/g、フリーネス750cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
実施例1の処理回数(パス数)を3回とし、各々のクリアランスは1回目160μm、2回目140μm、3回目120μmとした(4回目以降は行わない)以外は実施例1に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は3kwh/kg、BET比表面積は50m2/g、フリーネス400cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった
砥粒としてF90を100%配合した砥石板に変更した以外は実施例1に準じて処理を行った。しかし砥石のクリアランスを水だけが通過、パルプが通過せず、砥石内部にパルプが濃縮され、詰まりが発生し、セルロースナノファィバーを製造することができなかった。
比較例1で処理したパルプスラリーに、砥粒としてF90を100%配合した砥石板を用いて更に処理を行った。回転数は1800rpm、周速848m/分で一律運転とし、クリアランスは1回目160μm、2回目150μm、3回目140μm、として繰り返し処理した(3回パス)。最終品の電力原単位は60kwh/kg、BET比表面積は200m2/g、フリーネス820cc↑であった。しかしフィルム状異物の混入が多く製品にならなかった。フィルム化した異物の混入量はセルロースナノファィバー全体の固形分に対して0.34%であった。
実施例1の回転数を1800rpm、周速848m/分から3000rpm、周速1413m/分とした以外は実施例1に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は2kwh/kg、BET比表面積は40m2/g、フリーネス300cc↑であった。フィルム状異物の混入はなかった。
砥粒としてF12を100%配合した砥石板に変更した以外は実施例1に準じて処理を行った。最終品の電力原単位は4kwh/kg、BET比表面積は35m2/g、フリーネス200cc↑であった。
Claims (7)
- パルプ繊維を石臼式摩砕機によって機械的な解繊によるセルロースナノファイバーの製造方法であって、
1)前記石臼式摩砕機に使用する砥石の砥粒が「JISR6001:1998研削といし用研磨材の粒度」に規定するF14以上F80以下の砥粒であり、
2)前記石臼式摩砕機に使用する砥石板を一種類で処理し、
3)前記石臼式摩砕機によってパルプ繊維1kg当り5kwh以上100wh以下の電力量で前記パルプ繊維を摩砕する、ことを特徴とするセルロースナノファイバーの製造方法。 - 石臼式摩砕法による解繊をする前の前記パルプ繊維は、化学的解繊工程の前処理がなされておらず、かつ石臼式摩砕法以外の機械的解繊の前処理がなされていないを特徴とする請求項1に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
- 石臼式摩砕法による解繊をする前の前記パルプ繊維をパルプスラリーとし、該パルプスラリーの初期濃度を1.5〜5.0質量%としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
- 機械的解繊セルロースナノファィバーであって、JIS P8121−2:2012パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法に準拠し測定したフリーネス値が600cc↑〜900cc↑であり、セルロースナノファイバーがフィルム化した異物の混入量がセルロースナノファィバー全体の固形分に対して0.1質量%以下であることを特徴とするセルロースナノファイバー。
- 機械的解繊セルロースナノファィバーであって、JIS P8121−2:2012パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法に準拠し、ふるい板の代わりに83メッシュ金網を用いて測定したフリーネス値が50cc↑〜880cc↑であり、セルロースナノファイバーがフィルム化した異物の混入量がセルロースナノファィバー全体の固形分に対して0.1質量%以下であることを特徴とするセルロースナノファイバー。
- 条件1で測定したBET比表面積が70〜250g/m2であることを特徴とする請求項4又は5に記載のセルロースナノファイバー。
(条件1)固形分1.5質量%〜2.5質量%の範囲に入るようにセルロースナノファイバー水分散液を調製し、該セルロースナノファイバー水分散液にt−ブチルアルコール:蒸留水を、t−ブチルアルコール:蒸留水=3:7の混合溶媒比率となるように各溶媒を加えて1質量%混合溶媒液としたものを凍結乾燥させ、測定用サンプルとして測定を行う。 - 請求項4〜6のいずれか一つに記載のセルロースナノファイバーを含む紙。
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