JP7194503B2 - セルロースナノファイバーの製造方法 - Google Patents
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Description
木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してパルプスラリーとし、該パルプスラリー中で木材パルプを膨潤させる膨潤工程と、膨潤した木材パルプに機械的解繊処理を施す機械的解繊処理工程と、を有し、かつ、前記膨潤工程と前記機械的解繊処理工程との間に、前記膨潤した木材パルプの脱アルカリをする脱アルカリ工程をさらに含み、前記膨潤工程において、前記パルプスラリー中の水酸化ナトリウム濃度を2~12質量%とし、前記パルプスラリー中の木材パルプ量を固形分換算で1~30質量%とし、かつ、前記水酸化ナトリウム水溶液への前記木材パルプの浸漬時間を3時間~12時間とし、前記機械的解繊処理工程に供する前記膨潤した木材パルプのヘミセルロース含有量を5%未満とすることを特徴とする。膨潤させた木材パルプを効率よく得ることが出来る。
<フリーネス>
JIS P8121-2:2012パルプ-ろ水度試験方法-第2部:カナダ標準ろ水度法に準拠し測定した。
<ヘミセルロース量>
繊維原料を約0.3g採取し絶乾量を精秤する。この繊維原料に72%硫酸を6ml加え、2.5時間室温で一次加水分解する。その後4%硫酸となるように水を加え希釈し、オートクレーブ中で120℃、1時間、二次加水分解する。全量500mlに水でメスアップし、イオンクロマトグラフィーによってキシロース量を測定する。尚、予めキシロースの検量線を作成する。キシロース量をヘミセルロース量として算出した。
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、LBKP濃度3%、苛性ソーダ濃度8.0%となるようパルプスラリーを調整し、標準離解機で10分間離解した。LBKPを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してから3時間後、浸漬後のパルプを、100メッシュ篩を用い水道水にて中性となるまで水洗して脱アルカリ処理を行った。ここでヘミセルロース量測定のためパルプを一部採取した。その後パルプ濃度が2%となるように脱水及び/又は希釈してパルプ水分散液を調整し、その内、50kg(固形1kg相当)をスーパーマスコロイダーMKCA6-5J型(増幸産業社製)を用いて機械的解繊処理を行い、セルロースナノファイバーを得た。尚、砥粒としてF80を60%配合、F320を40%配合した砥石を使用した。回転数は1800rpmで一律運転とした。クリアランスは1回目160μmとし、2回目以降は20μmずつ狭めていき、フリーネス値が850↑ccとなった時点で処理を終了した。脱アルカリ処理後のパルプのヘミセルロース量は1.0%、機械的解繊処理時間は4時間であった。機械的解繊処理時間は、0.5時間単位で表記することとし、0.5時間に満たない分は切り捨てて表記した。
実施例1の苛性ソーダ濃度を0.5%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は5.0%、機械的解繊処理時間は16時間であった。
苛性ソーダ濃度を2.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は2.0%、機械的解繊処理時間は12時間であった。
苛性ソーダ濃度を5.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.5%、機械的解繊処理時間は8時間であった。
苛性ソーダ濃度を10.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0.5%、機械的解繊処理時間は3.5時間であった。
苛性ソーダ濃度を12.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0%、機械的解繊処理時間は3時間であった。
パルプスラリー中のLBKP濃度を30%とし、高濃度離解機を用いて離解した以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.0%、機械的解繊処理時間は4時間であった。
パルプスラリー中のLBKP濃度を1%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.0%、機械的解繊処理時間は4時間であった。
浸漬時間を0.1時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は2.0%、機械的解繊処理時間は8時間であった。
浸漬時間を24時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0.5%、機械的解繊処理時間は3.5時間であった。
浸漬時間を2時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.3%、機械的解繊処理時間は5時間であった。
浸漬時間を1時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.5%、機械的解繊処理時間は6時間であった。
浸漬時間を0.5時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.7%、機械的解繊処理時間は7時間であった。
苛性ソーダによる処理を行わなかったことと、機械的解繊処理時間を4時間で終了した以外は実施例1に準じて処理を行った。脱アルカリ後のヘミセルロース量は8.0%、最終品のフリーネス値は300cc↑であった。
苛性ソーダによる処理を行わなかったことと以外は実施例1に準じて処理を行った。脱アルカリ後のヘミセルロース量は8.0%、機械的解繊処理時間は20時間であった。
苛性ソーダ濃度を13%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0%、機械的解繊処理時間は3時間であった。
苛性ソーダ濃度を0.1%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は8.0%、機械的解繊処理時間は20時間であった。
Claims (3)
- 木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してパルプスラリーとし、該パルプスラリー中で木材パルプを膨潤させる膨潤工程と、
膨潤した木材パルプに機械的解繊処理を施す機械的解繊処理工程と、
を有し、かつ、
前記膨潤工程と前記機械的解繊処理工程との間に、前記膨潤した木材パルプの脱アルカリをする脱アルカリ工程をさらに含み、
前記膨潤工程において、前記パルプスラリー中の水酸化ナトリウム濃度を2~12質量%とし、前記パルプスラリー中の木材パルプ量を固形分換算で1~30質量%とし、かつ、前記水酸化ナトリウム水溶液への前記木材パルプの浸漬時間を3時間~12時間とし、
前記機械的解繊処理工程に供する前記膨潤した木材パルプのヘミセルロース含有量を5%未満とすることを特徴とするセルロースナノファイバーの製造方法。 - 前記脱アルカリ工程は、前記膨潤した木材パルプを
水で洗浄する、
水での洗浄と脱水を繰り返す、
酸を加えて中和する、
水で洗浄した後、酸で中和する、または、
これらを2つ以上選択して組み合わせることによって、脱アルカリをすることを特徴とする請求項1に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。 - 前記膨潤工程において、前記木材パルプを前記水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した後、前記木材パルプを含む前記水酸化ナトリウム水溶液からなるパルプスラリーを離解する離解工程をさらに有し、離解後のパルプスラリー中の木材パルプを膨潤させることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
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