JP7194503B2 - セルロースナノファイバーの製造方法 - Google Patents

セルロースナノファイバーの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、セルロースナノファイバーの製造方法に関し、詳しくは、比較的短時間でセルロースナノファイバーが製造可能であり、さらにエネルギー効率が良く、かつ、安全性の高いセルロースナノファイバーを製造することが可能なセルロースナノファイバーの製造方法に関する。
セルロースナノファイバーの製造方法は化学的解繊と機械的解繊に大別できる。化学的解繊はTEMPO酸化法やリン酸エステル化法、酵素加水分解法などが提案されている。一方、機械的解繊はグラインダー方式、ホモジナイザー方式、水中対向衝突方式などが提案されている。化学的解繊は繊維を解しやすくは出来るが前処理の位置づけであり、その後機械的解繊を行うことが一般的である。化学的解繊処理は時間を要するだけでなく薬品コストが掛かり、また洗浄などによる脱薬品工程などが必要となるため、結果として歩留りが低くなる傾向にある。更には使用薬品によっては安全性の確保が課題となる。
セルロースナノファイバーの製造方法としては、(a)セルロース系材料を膨潤剤で処理して膨潤セルロース系材料を得る工程、(b)前記膨潤セルロース系材料に機械的粉砕処理を施す工程、及び(c)ナノセルロース材料を単離する工程、を含む方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、前処理としてセルロース繊維に酸化処理、又は加水分解処理を行った後、粗解繊処理を行い、その後機械的な解繊を行う方法が提案されている。セルロース繊維に酸化処理や酵素処理のような化学的処理を行うと、カルボキシル基などの修飾基が導入され、結果としてアニオン性が強いセルロースナノファイバーとなる(例えば、特許文献2を参照。)。
特表2015-522097号公報 特開2017-8472号公報
特許文献1に記載の方法では機械的粉砕後のナノセルロースから膨潤剤を単離することとしている。遠心分離やデカンテーションによる単離を事例としているが、多くの時間とエネルギーを要する。また中和による単離方法についても挙げているが、塩の除去のため希釈、洗浄、脱水を行う必要があり、ナノ化したセルロースを脱水することは難しく、効率的な実施は不可能である。更に、膨潤剤としては、モルホリン、ピペリジンを筆頭に事例としているが、これらは簡単に中和できる物質ではない。また、アルカリ金属水酸化物の事例では水酸化カリウム27%溶液中に微結晶セルロースを懸濁させるなど、高濃度アルカリでの処理を必要としており、安全性の面で課題がある。
また、特許文献2の方法では、セルロースナノファイバーの電荷が強くなるが、電荷が強くなると任意の材料との混合使用などの際に電荷的な中和によって凝集が発生しやすくなり用途が限定される。またこの方法では薬品処理工程、叩解工程及び機械的解繊が必要であることによって装置自体が重装備となり、セルロースナノファイバーを製造するには多くのエネルギーを要し、コスト的にも不利となる。
本開示は、上記課題を解決するものであり、比較的短時間でセルロースナノファイバーが製造可能であり、さらにエネルギー効率が良く、安全性の高いセルロースナノファイバーを製造することが可能なセルロースナノファイバーの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討したところ、木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して膨潤させた後、機械的解繊処理を施すことで上記課題を解決することが出来ることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、本発明に係るセルロースナノファイバーの製造方法は、
木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してパルプスラリーとし、該パルプスラリー中で木材パルプを膨潤させる膨潤工程と、膨潤した木材パルプに機械的解繊処理を施す機械的解繊処理工程と、を有し、かつ、前記膨潤工程と前記機械的解繊処理工程との間に、前記膨潤した木材パルプの脱アルカリをする脱アルカリ工程をさらに含み、前記膨潤工程において、前記パルプスラリー中の水酸化ナトリウム濃度を2~12質量%とし、前記パルプスラリー中の木材パルプ量を固形分換算で1~30質量%とし、かつ、前記水酸化ナトリウム水溶液への前記木材パルプの浸漬時間を3時間~12時間とし、前記機械的解繊処理工程に供する前記膨潤した木材パルプのヘミセルロース含有量を5%未満とすることを特徴とする。膨潤させた木材パルプを効率よく得ることが出来る。
本発明に係るセルロースナノファイバーの製造方法では、前記脱アルカリ工程は、前記膨潤した木材パルプを水で洗浄する、水での洗浄と脱水を繰り返す、酸を加えて中和する、水で洗浄した後、酸で中和する、または、これらを2つ以上選択して組み合わせることによって、脱アルカリをすることが好ましい。これらの作業によって、効率的に脱アルカリを行うことができる。
本発明に係るセルロースナノファイバーの製造方法では、前記膨潤工程において、前記木材パルプを前記水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した後、前記木材パルプを含む前記水酸化ナトリウム水溶液からなるパルプスラリーを離解する離解工程をさらに有し、離解後のパルプスラリー中の木材パルプを膨潤させることが好ましい。木材パルプを効率よく膨潤させることが出来る。
本開示によれば、比較的短時間でセルロースナノファイバーが製造可能であり、さらにエネルギー効率が良く、かつ、安全性の高いセルロースナノファイバーを製造することが可能なセルロースナノファイバーの製造方法を提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に用いる木材パルプとしては、例えば、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)、CGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ又はケナフ、バガス、竹、コットンなどの非木材パルプである。これらは、単独で使用するか、又は2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ、植林木から得られるパルプを用いることがより好ましい。特に好ましくは、LBKP、NBKPである。リグニン、ヘミセルロースなどの不純物が少なく解繊に好適である。
本実施形態においては、木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液(以下、苛性ソーダと記載することがある。)に浸漬してパルプスラリーとし、該パルプスラリー中で木材パルプを膨潤させる膨潤工程を有する。水酸化ナトリウム水溶液に木材パルプを浸漬させることによって、木材パルプが膨潤し、木材パルプ中のヘミセルロースが除去され、後工程である機械的解繊処理工程での解繊処理時間を短くすることができる。木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させたパルプスラリーの水酸化ナトリウムの濃度は0.2~12質量%であり、2~10質量%が好ましく、3~8質量%がより好ましい。パルプスラリーの水酸化ナトリウム濃度が0.2質量%未満では木材パルプ中のヘミセルロースを十分に除去することができないためか、セルロース繊維の解繊が進まず、結果として機械的解繊処理工程での解繊処理時間が長くなる。逆に濃度が12質量%を超えると、比較的高濃度のアルカリ水溶液を取り扱うこととなり安全性が損なわれるばかりか、脱水、洗浄又は中和を行う場合は多くの時間を要することとなる。加えて、濃度が12質量%を超えても機械的解繊処理工程での解繊処理時間は頭打ちとなり非効率的となる。また、結晶形がセルロースI型からII型となり弾性率の低いセルロースナノファイバーとなることが予想され、用途によって不具合が生じる可能性がある。尚、木材パルプを浸漬させる前の水酸化ナトリウム水溶液の濃度は0.2~15質量%が好ましく、0.5~12質量%がより好ましい。
膨潤工程におけるパルプスラリー中の木材パルプの量は特に限定するものではないが、パルプスラリー中の木材パルプ量が、固形分換算で1~30質量%であることが好ましい。より好ましくは2~20質量%である。1質量%未満では一定時間に得られる膨潤した木材パルプの量が小さく、膨潤工程後に脱水を行う場合には脱水量が大きくなり、効率的な製造ができなくなるおそれがある。逆に、30質量%を超えると水酸化ナトリウム水溶液と木材パルプとの混和が不均一となり、膨潤した木材パルプの収率が悪くなり、結果的に機械的解繊処理工程での解繊処理時間が長くなってしまうおそれがある。
膨潤工程における、水酸化ナトリウム水溶液への木材パルプの浸漬時間は、特に限定するものではないが、1分~24時間が好ましい。より好ましくは5分~12時間である。浸漬時間が1分未満では木材パルプの膨潤が不十分となる可能性がある。木材パルプは水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させることによってヘミセルロースの含有量が減少するが、浸漬時間が短すぎると、ヘミセルロースが多く残留する。結果として、機械的解繊処理工程での解繊処理時間が長くかかるおそれがある。浸漬時間が長すぎる場合は、機械的解繊処理工程での解繊処理時間に悪影響を及ぼすことはないものの、24時間を超えて浸漬させても木材パルプ中のヘミセルロースの含有量は殆ど変化せず、解繊処理時間が短くなることもない。浸漬時間の無駄となることから浸漬時間は24時間以内で十分である。浸漬時間はパルプスラリー中の水酸化ナトリウムの濃度とも関係し、浸漬時間が比較的短くても水酸化ナトリウムの濃度を所定の範囲で高くすることで機械的解繊処理工程での解繊処理時間を短くすることができる。例えば、機械的解繊処理条件が同一で、水酸化ナトリウム濃度3質量%に48時間浸漬した場合、水酸化ナトリウム濃度4質量%に24時間浸漬した場合、水酸化ナトリウム濃度5質量%に8時間浸漬した場合、水酸化ナトリウム濃度6質量%に6時間浸漬した場合、水酸化ナトリウム8質量%に1時間浸漬した場合は、何れもほぼ同程度の解繊処理時間となる。パルプスラリー中の水酸化ナトリウムの濃度を高くすれば浸漬時間を短くすることができるが、前述したとおり、安全性の問題や、脱水、洗浄又は中和を行う場合に多くの時間を要する問題があるため、これらを考慮するとパルプスラリー中の水酸化ナトリウムの濃度は3~8質量%が最適である。尚、木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬させている間は、攪拌を行うことが好ましい。
本実施形態においては、膨潤工程で木材パルプを膨潤させた後、膨潤した木材パルプを脱アルカリする脱アルカリ工程を設けてもよい。脱アルカリ工程は、例えば、(1)膨潤した木材パルプを水で洗浄する、(2)水での洗浄と脱水を繰り返す、(3)酸を加えて中和する、(4)水で洗浄した後、酸で中和する、または、これらを2つ以上選択して組み合わせることによって、脱アルカリをする。例えば、(1)と(2)の組み合わせ、(1)と(3)の組み合わせ、(1)と(4)の組み合わせ、(2)と(3)の組み合わせ、(2)と(4)の組み合わせ、(3)と(4)の組み合わせ、(1)と(2)と(3)の組み合わせ、(1)と(2)と(4)の組み合わせ、(1)と(3)と(4)の組み合わせ、(2)と(3)と(4)の組み合わせ、(1)と(2)と(3)と(4)の組み合わせであり、各組み合わせの順番を入れ替えてもよい。ここで脱アルカリとは、木材パルプに付着した水酸化ナトリウムを取り除くことを意味し、例えば木材パルプを多量の水で洗浄することが含まれる。水での洗浄と脱水とを繰り返すことで効率的に木材パルプから水酸化ナトリウムを取り除くことが可能となる。また、必要に応じて希硫酸や希塩酸などの酸による中和を行ってもよい。好ましくは膨潤した木材パルプを水で十分に洗浄し、必要に応じて酸での中和を行い、膨潤した木材パルプスラリーのpHを中性領域(pH6~8)とする。このような脱アルカリ工程を設けることによって、後の機械的解繊処理工程で比較的高濃度のアルカリ水溶液を扱う必要がなくなり、作業の安全性が高まる。脱アルカリ工程で使用する洗浄機及び脱水機としては、例えば、2連エキストラクター、3連エキストラクター、ディスクシックナー、DDウォッシャー、フォールウォッシャー、DNTウォッシャー、PTパワーシックナー、ダブルワイヤーシックナー、スクリュープレス、ツインドラムプレス、傾斜シックナー、バルブレスフィルター、等があるが、特定の機種に限定するものではない。脱アルカリ工程において、前記脱水等によって水酸化ナトリウム水溶液を回収する場合は、木材パルプを水で洗浄する前に脱水を行うことで水酸化ナトリウム水溶液の濃度を低下させずに回収することができる。
本実施形態においては、機械的解繊処理工程に供する膨潤した木材パルプのヘミセルロース含有量が5%未満であることが好ましい。より好ましくは3質量%以下、更には1質量%以下である。キシランに代表されるヘミセルロースは植物細胞壁中にも含まれ、これが少ないほど解繊しやすい状態となる。
本実施形態においては、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させる際の木材パルプは、水に分散させたパルプ(パルプの水分散液)の状態であってもよいし、パルプシート等の固形の状態であってもよい。パルプの水分散液とする場合は、水分散液中でパルプの離解を行ってもよい。パルプシート等の固形の状態で木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させる場合は、膨潤工程において、木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した後、木材パルプを含む水酸化ナトリウム水溶液からなるパルプスラリーを離解する離解工程をさらに設け、離解後のパルプスラリー中の木材パルプを、膨潤させることとしてもよい。ここで、水酸化ナトリウム水溶液に固形の状態の木材パルプを浸漬させてから離解する場合、離解中にもパルプの膨潤が進む。よって、パルプスラリーを離解する離解工程は、膨潤工程に包含されることとなる。離解工程における離解方法としては、特に限定するものではなく、固形分濃度2~5%程度で使用される低濃度パルパー、固形分濃度5~15%程度で使用される中濃度パルパー、固形分濃度15~30%程度で使用される高濃度パルパー、固形分濃度30~50%程度で使用される超高濃度パルパーなどが使用できる。また処理方式としてバッチ式、またはドラム型などの連続式でも構わない。
本実施形態においては、膨潤工程を経て膨潤した木材パルプに、機械的解繊処理を施す。機械的解繊処理によって、膨潤した木材パルプを解繊し、1000nm以下の繊維径を有するセルロースナノファイバーを得る。本実施形態において、「セルロースナノファイバー」とは、数平均繊維径が1~1000nm、好ましくは2~500nmの微細セルロース繊維である。アスペクト比(数平均繊維長/数平均繊維径)は100以上であり、数平均繊維径が2~30nmであることが好ましく、3~20nmであることがより好ましい。機械的解繊処理を施す装置としてはグラインダー方式、ホモジナイザー方式、混練機による方式、水中対向衝突方式等があり、特定の機種に限定するものではないが、グラインダー方式が好ましく、スーパーマスコロイダー(増幸産業社製) やグローミル(グローエンジニアリング製)に代表される石臼型摩砕機がより好ましい。また水中対向衝突方式は狭路を通すため木材パルプスラリーの粘度が高いと詰まりが発生しやすいが、水酸化ナトリウム水溶液による処理によってスラリー粘度が低下するため、詰まりが解消され、処理しやすくなり、より好ましい状態となる。例えば水酸化ナトリウム濃度8質量%で膨潤させた場合、機械的解繊後のセルロースナノファィバーのB型粘度(2%、20℃)は500~1500cps程度、前処理なしの場合は4000~8000cps程度である。
本実施形態による機械的解繊処理を施す装置としてはグラインダー方式、特に石臼型摩砕機が好ましいが、石臼式摩砕機に使用する砥石板の砥粒が「JIS R 6001:1998 研削といし用研磨材の粒度」の粒度に規定する36以上F80以下であることが好ましい。この範囲の砥粒を使用することによってパルプ繊維の微細化が効率よく進む。F80を超える砥粒を使用した砥石板を使用すると砥石板同士が接する接面温度が高くなり、セルロースナノファイバーの乾燥により発生するフィルム状異物が発生しやすくなるおそれがある。F36未満の砥粒を使用した砥石を使用すると排出時間が異常に早くなり、且つ砥粒も粗いことから負荷を掛けにくくなり微細化が進みにくくなる。
本実施形態では、水酸化ナトリウム水溶液によって木材パルプを膨潤させるため、機械的解繊処理工程で解繊されやすく、機械的解繊処理時間を比較的短時間とすることができる。そのため、砥石板同士が接する接面温度が低くなり、セルロースナノファイバーの乾燥によって発生するフィルム状異物の発生も抑制され、結果としてセルロースナノファイバー完成品への異物混入も大きく減少する。
本実施形態におけるセルロースナノファイバーの品質評価としてJIS P8121-2:2012パルプ-ろ水度試験方法-第2部:カナダ標準ろ水度法を用いて測定したフリーネス値(以降、フリーネスということもある。)があり、600↑~900cc↑とすることが好ましい。より好ましくは700↑~890cc↑、更に好ましくは800↑~890cc↑である。膨潤後、解繊前のパルプのフリーネス値は550~800cc程度であるが、パルプ繊維の微細化を進めると0ccとなり、更に微細化を進めるとフリーネスターの網目を通過するようになりフリーネスは再上昇する。ここでのフリーネスは後者の再上昇したフリーネス値である。フリーネスが低下し0ccに向かっている時は○○cc↓、更に微細化が進み0ccを通過し上昇している時は○○cc↑と表現する。セルロースナノファイバーは、紙に内添する若しくは紙表面に塗布することによって平滑性が向上する、若しくは透気抵抗度が上がりバリア性が向上するなどの特徴があるが、フリーネスが600cc↑未満ではその効果が低く、所望する性能が得られない。水単体のフリーネスは大凡880~900ccであるため900cc↑が実質微細化の物理的な限界であり、上限となる。
機械的解繊処理工程で石臼式摩砕機を使用する場合は、石臼式摩砕機に使用する砥石の一方を固定、他方を回転させた場合においてその回転速度を1000rpm以上とすることが好ましい。1500rpm以上がより好ましく、1700rpm以上が更によい。1000rpm未満では膨潤したパルプの解繊に多くの時間を要するおそれがある。また、木材パルプの解繊の程度のバラツキを考慮すると、上限は3000rpmである。3000rpmを超えると木材パルプの解繊度合いのバラツキが大きくなるおそれがある。周速としては470m/分以上が好ましく、710m/分以上がより好ましく、800m/分が更に好ましい。実質の上限は1410m/分となる。
ここで石臼式摩砕機とは、互いに対向する砥粒板を備え、少なくとも一方の砥粒板を回転させることによって砥粒板間に供給される被摩砕物が磨砕されるように構成された摩砕機を指すが、砥粒板のクリアランスはパス回数1~3回目は200μm~100μmの間で徐々に狭めていくことが好ましい。初期段階ではパルプ繊維が長いためフロックを形成し存在している。そのためフロックと離水した水とが混在した状態となっており、100μm未満に狭めると水だけが排出されフロックが砥石板内部に蓄積され、結果として空擦りや原料詰まりとなり処理することができない。4回目以降は1回あたり0μmから30μ程度ずつ狭めていくことが好ましい。なお4回目以降は1回あたり0μmを含んでいる理由として同一クリアランスで2回以上繰り返す場合もあるためである。最終的には70μm~0μmとすることが好ましい。運転前にゼロ点調整後、空転させ徐々に砥石板のクリアランスを狭め音が出始める段階を軽接と呼ぶが、上記クリアランス範囲はこの軽接が200μmの時の事例である。軽接が200μmよりも狭ければ全体に狭める設定となり、逆に広ければ全体に広げる設定となる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
実施例又は比較例のセルロースナノファイバーについて次の評価を行った。評価結果を表1に示す。また、評価方法については次に示す。
<フリーネス>
JIS P8121-2:2012パルプ-ろ水度試験方法-第2部:カナダ標準ろ水度法に準拠し測定した。
<ヘミセルロース量>
繊維原料を約0.3g採取し絶乾量を精秤する。この繊維原料に72%硫酸を6ml加え、2.5時間室温で一次加水分解する。その後4%硫酸となるように水を加え希釈し、オートクレーブ中で120℃、1時間、二次加水分解する。全量500mlに水でメスアップし、イオンクロマトグラフィーによってキシロース量を測定する。尚、予めキシロースの検量線を作成する。キシロース量をヘミセルロース量として算出した。
(実施例1)
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、LBKP濃度3%、苛性ソーダ濃度8.0%となるようパルプスラリーを調整し、標準離解機で10分間離解した。LBKPを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してから3時間後、浸漬後のパルプを、100メッシュ篩を用い水道水にて中性となるまで水洗して脱アルカリ処理を行った。ここでヘミセルロース量測定のためパルプを一部採取した。その後パルプ濃度が2%となるように脱水及び/又は希釈してパルプ水分散液を調整し、その内、50kg(固形1kg相当)をスーパーマスコロイダーMKCA6-5J型(増幸産業社製)を用いて機械的解繊処理を行い、セルロースナノファイバーを得た。尚、砥粒としてF80を60%配合、F320を40%配合した砥石を使用した。回転数は1800rpmで一律運転とした。クリアランスは1回目160μmとし、2回目以降は20μmずつ狭めていき、フリーネス値が850↑ccとなった時点で処理を終了した。脱アルカリ処理後のパルプのヘミセルロース量は1.0%、機械的解繊処理時間は4時間であった。機械的解繊処理時間は、0.5時間単位で表記することとし、0.5時間に満たない分は切り捨てて表記した。
参考例2)
実施例1の苛性ソーダ濃度を0.5%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は5.0%、機械的解繊処理時間は16時間であった。
(実施例3)
苛性ソーダ濃度を2.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は2.0%、機械的解繊処理時間は12時間であった。
(実施例4)
苛性ソーダ濃度を5.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.5%、機械的解繊処理時間は8時間であった。
(実施例5)
苛性ソーダ濃度を10.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0.5%、機械的解繊処理時間は3.5時間であった。
(実施例6)
苛性ソーダ濃度を12.0%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0%、機械的解繊処理時間は3時間であった。
(実施例7)
パルプスラリー中のLBKP濃度を30%とし、高濃度離解機を用いて離解した以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.0%、機械的解繊処理時間は4時間であった。
(実施例8)
パルプスラリー中のLBKP濃度を1%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.0%、機械的解繊処理時間は4時間であった。
参考例9)
浸漬時間を0.1時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は2.0%、機械的解繊処理時間は8時間であった。
参考例10)
浸漬時間を24時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0.5%、機械的解繊処理時間は3.5時間であった。
参考例11)
浸漬時間を2時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.3%、機械的解繊処理時間は5時間であった。
参考例12)
浸漬時間を1時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.5%、機械的解繊処理時間は6時間であった。
参考例13)
浸漬時間を0.5時間とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は1.7%、機械的解繊処理時間は7時間であった。
(比較例1)
苛性ソーダによる処理を行わなかったことと、機械的解繊処理時間を4時間で終了した以外は実施例1に準じて処理を行った。脱アルカリ後のヘミセルロース量は8.0%、最終品のフリーネス値は300cc↑であった。
(比較例2)
苛性ソーダによる処理を行わなかったことと以外は実施例1に準じて処理を行った。脱アルカリ後のヘミセルロース量は8.0%、機械的解繊処理時間は20時間であった。
(比較例3)
苛性ソーダ濃度を13%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は0%、機械的解繊処理時間は3時間であった。
(比較例4)
苛性ソーダ濃度を0.1%とした以外は実施例1に準じてセルロースナノファイバーを得た。脱アルカリ後のヘミセルロース量は8.0%、機械的解繊処理時間は20時間であった。
Figure 0007194503000001
表1の結果から以下のことが示されている。実施例1、参考例2、実施例3~8、及び参考例9~13のセルロースナノファイバーは比較的低濃度の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してパルプを膨潤させ、短時間でセルロースナノファイバーを製造できた。一方、比較例1では水酸化ナトリウム水溶液による膨潤処理を行っていないため、他の実施例と同程度の処理回数では解繊が進まず、フリーネス値が低く微細化が不十分であった。比較例2では機械的解繊処理での処理回数を増やすことで解繊を進めたが、結果として処理時間が長くなった。比較例3では、膨潤処理における水酸化ナトリウムの濃度が高すぎたため、結晶形がセルロースI型からII型となり弾性率の低いセルロースナノファイバーとなることが予想される。また、機械的解繊処理時間も頭打ちとなった。比較例4では、膨潤処理における苛性ソーダの濃度が低すぎたため、水酸化ナトリウムの処理を行わない場合と同様にフリーネス値が低く微細化が不十分となった。

Claims (3)

  1. 木材パルプを水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してパルプスラリーとし、該パルプスラリー中で木材パルプを膨潤させる膨潤工程と、
    膨潤した木材パルプに機械的解繊処理を施す機械的解繊処理工程と、
    を有し、かつ、
    前記膨潤工程と前記機械的解繊処理工程との間に、前記膨潤した木材パルプの脱アルカリをする脱アルカリ工程をさらに含み、
    前記膨潤工程において、前記パルプスラリー中の水酸化ナトリウム濃度を2~12質量%とし、前記パルプスラリー中の木材パルプ量を固形分換算で1~30質量%とし、かつ、前記水酸化ナトリウム水溶液への前記木材パルプの浸漬時間を3時間~12時間とし、
    前記機械的解繊処理工程に供する前記膨潤した木材パルプのヘミセルロース含有量を5%未満とすることを特徴とするセルロースナノファイバーの製造方法。
  2. 前記脱アルカリ工程は、前記膨潤した木材パルプを
    水で洗浄する、
    水での洗浄と脱水を繰り返す、
    酸を加えて中和する、
    水で洗浄した後、酸で中和する、または、
    これらを2つ以上選択して組み合わせることによって、脱アルカリをすることを特徴とする請求項に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
  3. 前記膨潤工程において、前記木材パルプを前記水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した後、前記木材パルプを含む前記水酸化ナトリウム水溶液からなるパルプスラリーを離解する離解工程をさらに有し、離解後のパルプスラリー中の木材パルプを膨潤させることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースナノファイバーの製造方法。
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