JP6739869B2 - プロジェクション溶接装置 - Google Patents
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Description
ギヤ部材の環状の本体部の側面に、被溶接部材の環状の溶接部を溶接するプロジェクション溶接装置であって、
共通の軸線上で対向配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極から前記軸線上を前記第2電極側に突出して設けられており、前記ギヤ部材の本体部が外挿されると共に、前記被溶接部材の前記溶接部が遊嵌する軸部材と、
前記軸線方向に移動可能に設けられていると共に、前記ギヤ部材と、当該ギヤ部材と前記第1電極の間に位置する前記被溶接部材を、前記軸線方向に移動可能に支持する支持部材と、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記ギヤ部材と前記被溶接部材を把持して溶接する際に、前記第1電極に載置された前記被溶接部材の中心を前記軸線に一致させる調心手段と、を有し、
前記第2電極を前記軸線方向に移動させて前記第1電極との間に前記ギヤ部材と前記被溶接部材とを把持する際に、前記第1電極に載置された前記被溶接部材の前記溶接部に、前記第2電極に押された前記ギヤ部材の前記本体部が当接するように、前記支持部材による前記ギヤ部材と前記被溶接部材の支持位置を設定した構成のプロジェクション溶接装置とした。
これにより、被溶接部材に変形を生じさせることなく、被溶接部材とギヤ部材とを溶接できるので、ギヤ部材に対する被溶接部材のプロジェクション溶接を適切に行える。
図2は、図1における要部拡大図であって、(a)は、サンギヤ8とクラッチハブ9を下型3にセットした状態での支持部材38によるサンギヤ8とクラッチハブ9の支持を説明する図であり、(b)は、調心手段4によるクラッチハブ9の調心を説明する図である。
プロジェクション溶接装置1では、本体部80の厚み方向における一方の側面80aに、クラッチハブ9の環状の溶接部921に設けた突起部921a(図1参照)を溶接することで、サンギヤ8とクラッチハブ9とが連結されるようになっている。
溶接部921では、サンギヤ8側に突出する突起部921aが、軸線X周りの周方向に所定間隔で設けられていると共に、後記する支持部材38の支持片382が係合する係合孔921bが、円板部92の中心線(軸線X)周りの周方向に間隔をあけて複数設けられている。
軸線X方向において上側に位置する上型2は、図示しない駆動機構により軸線X方向に進退移動する可動型であり、下側に位置する下型3は、固定型である。
可動電極25は、電極支持部21における下型3との対向面21aから、下型3側に突出して設けられており、可動電極25における下型3との対向面25aには、軸線X方向から見てリング状を成す押圧部251が設けられている。
この状態において押圧部251は、軸線Xを所定間隔で囲むように設けられており、押圧部251は、上型2が下型3側に移動した際に、サンギヤ8の本体部80に軸線X方向から当接して、サンギヤ8を下型3側に押圧するようになっている。
この支持穴310には、軸線Xに沿って設けられた軸部材32の一端32aが嵌入しており、円柱形状を成す軸部材32は、長手方向の他端32bを、上型2の可動電極25に対向させている。
固定電極35は、電極支持部31と整合する外径の大径部351と、大径部351よりも外径が小さい小径部352と、から一体に形成されており、大径部351と小径部352は、共通の軸線X上で同心に設けられている。
そのため、軸部材32に外挿されたクラッチハブ9は、径方向の移動が許容された状態で、軸線X方向に変位可能に設けられている。
そのため、軸部材32に遊嵌したクラッチハブ9は、スプライン嵌合部91の内径側に挿入された大径部351により、軸線Xの径方向に大きく位置ずれすることなく、固定電極35に載置されるようになっている。
すなわち、軸部材32に遊嵌したクラッチハブ9は、当該クラッチハブ9の中心をサンギヤ8の中心(軸線X)と一致させるための径方向の変位が許容された状態で、固定電極35側で支持されるようになっている。
収容穴354は、軸線X周りの周方向に所定間隔で複数設けられており、軸線Xの径方向に所定幅W1を有している。
そのため、軸方向から見て収容穴354は、軸線Xを中心とした放射状に配置されており、収容穴354の各々に支持部材38が収容されている。
支持部材38の上面38bでは、内径側(軸線X側)と外径側に、サンギヤ8を支持するための支持片381、382が、上型2側の上方に突出して設けられており、上面38bにおけるこれら支持片381、382の間の領域が、クラッチハブ9の溶接部921が載置される載置面となっている。
そのため、クラッチハブ9は、軸線Xの径方向への変位が許容された状態で、支持部材38の上面38bに載置されるようになっている。
そして、クラッチハブ9を下型3にセットした時点では、クラッチハブ9の溶接部921と固定電極35の上面352aとの間に隙間S1が確保されるようになっている。
軸線X方向から見て環状を成す支持壁51は、固定電極35の大径部351との間に隙間S2を空けて配置されており、クラッチハブ9のスプライン嵌合部91が、支持壁51と大径部351の間の隙間S2に挿入されることで、クラッチハブ9の溶接部921が、固定電極35の上面352aに全面に亘って載置されるようになっている。
このボールBは、貫通孔511の貫通方向(軸線Xの径方向)への移動が許容された状態で、貫通孔511内に収容されており、ボールBは、貫通孔511の一端側と他端側の開口を塞ぐストッパ512、512により、貫通孔511からの脱落が規制されている。
内壁部61の上端61aは、支持壁51の上端51cよりも上方に位置しており、この内壁部61の延長上に、上型2で支持された環状壁7が位置している。
ここで、可動壁6では、支持壁51との対向面に、傾斜面63が設けられており、可動壁6が下型3側の下方に移動すると、可動壁6の傾斜面63が、支持壁51の外周51bから突出するボールBに軸線X方向から接触するようになっている。
そのため、クラッチハブ9は、ボールBからスプライン嵌合部91に作用する押圧力で、溶接部921の中心を軸線Xと一致させた所定位置に配置されるようになっている。
図3から図8は、プロジェクション溶接装置1を用いたサンギヤ8とクラッチハブ9との溶接過程を説明する図である。
この際にクラッチハブ9は、当該クラッチハブ9の開口922を、下型3の固定電極35の中央から突出する軸部材32と、支持部材38の支持片381とが貫通すると共に、溶接部921の係合孔921bを、支持部材38の支持片382が貫通するようにして、軸部材32に外挿される。
さらに、クラッチハブ9は、溶接部921の下面に上面38bを当接させた支持部材38により、固定電極35の上面352aとの間に隙間S1をあけて配置される。
この状態においてサンギヤ8の本体部80の側面80aと、クラッチハブ9の溶接部921の突起部921aとは、軸線X方向で間隔CLをあけて対向配置される。
そうすると、環状壁7で押された可動壁6が、スプリングSp3を圧縮しながら下方に移動して、可動壁6の傾斜面63が、支持壁51の外周51bから突出するボールBに接触することになる。
そして、傾斜面63がボールBに接触した時点から、上型2の移動速度をさらに遅くして、上型2を下型3側にさらに移動させると、ボールBが傾斜面63を転動しながら、傾斜面63により押されて、内径側(軸線X)側に移動することになる(図6参照)。
すなわち、クラッチハブ9は、当該クラッチハブ9の中心をサンギヤ8の中心(軸線X)に一致させた溶接用の所定位置に配置されることになる。
図6では、サンギヤ8とクラッチハブ9の突起部921aとの間隔が、間隔CL1まで減少した状態を示している。
図7では、サンギヤ8とクラッチハブ9の突起部921aとの間隔が、間隔CL2まで減少した状態を示している。
さらに、剛性の高いサンギヤ8の方を押圧して、固定電極35の上面352aに載置されたクラッチハブ9に近づけて、サンギヤ8の側面80aが、クラッチハブ9の溶接部921から上型2側に突出した突起部921aに接触した時点でプロジェクション溶接を行うようになっている。そのため、プロジェクション溶接の時点で、変形を生じ得る大きな応力をクラッチハブ9に作用させていないので、溶接されるクラッチハブ9に変形が生じて、複数ある溶接点の一部で溶接不良が生じることを好適に防止できる。
(1)サンギヤ8(ギヤ部材)の環状の本体部80の側面80aに、クラッチハブ9(被溶接部材)の環状の溶接部921を溶接するプロジェクション溶接装置1であって、
共通の軸線X上で対向配置された固定電極35(第1電極)および可動電極25(第2電極)と、
固定電極35から軸線X上を可動電極25側に突出して設けられており、サンギヤ8の本体部80が外挿されると共に、クラッチハブ9の溶接部921が遊嵌する軸部材32と、
固定電極35で軸線X方向に移動可能に設けられていると共に、サンギヤ8と、当該サンギヤ8と固定電極35の上面352aの間に位置するクラッチハブ9の溶接部921を、軸線X方向に移動可能に支持する支持部材38と、
固定電極35と可動電極25との間にサンギヤ8の本体部80とクラッチハブ9の溶接部921を把持して溶接する際に、固定電極35の上面352aに載置されたクラッチハブ9の中心を軸線Xに一致させて、サンギヤ8とクラッチハブ9とを共通の軸線X上で同軸に配置する調心手段4と、を有し、
可動電極25を軸線X方向に移動させて固定電極35との間にサンギヤ8の本体部80とクラッチハブ9の溶接部921を把持する際に、固定電極35の上面352aに載置されたクラッチハブ9の溶接部921に、可動電極25に押されたサンギヤ8の本体部80が当接するように、支持部材38によるサンギヤ8とクラッチハブ9の支持位置(支持部材38の上面38bの位置と、支持片381、382の上面38bからの高さh1、h2)を設定した。
これにより、板状素材のプレス成形により作製されるクラッチハブ9に変形を生じさせることなく、クラッチハブ9とサンギヤ8とをプロジェクション溶接できるので、サンギヤ8に対するクラッチハブ9のプロジェクション溶接を適切に行える。
溶接部921が載置される固定電極35の上面352aは、軸線Xに直交する平坦面となっている構成とした。
これにより、一部の突起部921aのみが、本体部80の側面80aにプロジェクション溶接される事態の発生を好適に防止できる。
支持部材38は、上面38bを収容穴354から突出させて、溶接部921を、固定電極35の可動電極25との対向面である上面352aから離間させた位置で支持する第1支持位置(図3参照)と、上面38bを収容穴354内に収容して、溶接部921を固定電極35の上面352aに載置する第2支持位置(図5参照)との間で、移動可能に設けられており、
支持片381、382は、上面38bよりも可動電極25側に及ぶ軸線X方向の高さh1、h2で形成されている構成とした。
支持部材38が、当該支持部材38の上面38bを、第1支持位置から第2支持位置に向けて移動させる途中で、固定電極35の上面352aに載置されたクラッチハブ9の溶接部921の中心を軸線Xに一致させるように構成した。
よって、上記のように構成して、クラッチハブ9の溶接部921が、固定電極35の上面352aに載置されるまでの間に、クラッチハブ9とサンギヤ8とを共通の軸線X上で同軸に配置させる調心を行うと、クラッチハブ9を軸線Xの径方向に移動させる際の抵抗力(摩擦抵抗力)が低い間に、調心を行うことができる。
これにより、クラッチハブ9の溶接部921が、固定電極35の上面352aに載置された状態で調心を行う場合よりも、クラッチハブ9とサンギヤ8との調心を容易に行うことができる。
可動電極25の外周を所定間隔で囲むと共に、可動電極25と同期して軸線X方向に変位可能な環状壁7(環状可動壁)と、
クラッチハブ9の外周を規定するスプライン嵌合部91の外周を支持する支持壁51(内側環状壁)と、
支持壁51を径方向に貫通する貫通孔511で径方向に変位可能に設けられていると共に、支持壁51の内周51aと外周51bのうちの少なくとも一方から突出するボールB(可動子)と、
支持壁51に外挿されて軸線X方向に移動可能に設けられていると共に、可動電極25が固定電極35側に移動した際に環状壁7に押されて変位する可動壁6(外側環状壁)と、
可動壁6の内周に設けられていると共に、環状壁7に押された可動壁6の変位方向側に向かうにつれて、支持壁51の外周との間の間隔が広くなる方向に傾斜した傾斜面63と、から構成され、
ボールBは、軸線X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている構成とした。
そうすると、ボールBは、軸線X周りの周方向に所定間隔で複数設けられているので、支持壁51の内側に位置するクラッチハブ9のスプライン嵌合部91には、軸線X側に向かう押圧力が、周方向の全周に亘って略均等に作用する。
そのため、クラッチハブ9は、ボールBからスプライン嵌合部91に作用する押圧力で、溶接部921の中心を軸線Xと一致させた所定位置に配置される。
制御手段は、
可動電極25を固定電極35側に移動させたのち、環状壁7の下端7bが可動壁6の上端61aに当接すると、その時点から上型2の移動速度を遅くし、さらに、可動壁6の傾斜面63がボールBに接触した時点から、上型2の移動速度をさらに遅くして、クラッチハブ9の溶接部921の中心を軸線Xと一致させる調心を実施する構成とした。
そして、傾斜面63がボールBに接触した時点から、上型2の移動速度をさらに遅くして、上型2を下型3側にさらに移動させることで、ボールBが傾斜面63を転動しながら、傾斜面63により押されて、内径側(軸線X)側に移動することになる(図6参照)。
これにより、クラッチハブ9のスプライン嵌合部91には、軸線X側に向かうボールBからの押圧力が、周方向の全周に亘って略均等、かつゆっくりと作用するので、クラッチハブ9の溶接部921の中心を、より正確に軸線Xに一致させることができる。
2 上型
20 基部
21 電極支持部
21a 対向面
25 可動電極
25a 対向面
251 押圧部
3 下型
30 基部
31 電極支持部
310 支持穴
32 軸部材
32a 一端
32b 他端
35 固定電極
351 大径部
352 小径部
352a 上面
353 貫通孔
354 収容穴
38 支持部材
38a 下面
38b 上面
381 支持片
382 支持片
4 調心手段
5 外周支持部材
51 支持壁
51a 内周
51b 外周
511 貫通孔
512 ストッパ
52 環状基部
52c 上端
6 可動壁
61 内壁部
61a 上端
62 外壁部
62a 下端
63 傾斜部
7 環状壁
7a 上端
7b 下端
8 サンギヤ
80 本体部
80a 側面
81 歯部
82 貫通孔
9 クラッチハブ
91 スプライン嵌合部
92 円板部
921 溶接部
921a 突起部
921b 係合孔
922 開口
B ボール
Sp1〜Sp3 スプリング
X 軸線
Claims (4)
- ギヤ部材の環状の本体部の側面に、被溶接部材の環状の溶接部を溶接するプロジェクション溶接装置であって、
共通の軸線上で対向配置された第1電極および第2電極と、
前記第1電極から前記軸線上を前記第2電極側に突出して設けられており、前記ギヤ部材の本体部が外挿されると共に、前記被溶接部材の前記溶接部が遊嵌する軸部材と、
前記軸線方向に移動可能に設けられていると共に、前記ギヤ部材と、当該ギヤ部材と前記第1電極の間に位置する前記被溶接部材を、前記軸線方向に移動可能に支持する支持部材と、
前記第1電極と前記第2電極との間に前記ギヤ部材と前記被溶接部材を把持して溶接する際に、前記第1電極に載置された前記被溶接部材の中心を前記軸線に一致させる調心手段と、を有し、
前記第2電極を前記軸線方向に移動させて前記第1電極との間に前記ギヤ部材と前記被溶接部材とを把持する際に、前記第1電極に載置された前記被溶接部材の前記溶接部に、前記第2電極に押された前記ギヤ部材の前記本体部が当接するように、前記支持部材による前記ギヤ部材と前記被溶接部材の支持位置を設定したことを特徴とするプロジェクション溶接装置とした。 - 前記支持部材は、前記第1電極の前記第2電極との対向面に開口する収容部で、前記軸線方向に進退移動可能に設けられていると共に、前記被溶接部材に前記軸線方向から当接する第1当接部と、前記ギヤ部材の前記本体部に前記軸線方向から当接する第2当接部と、を有しており、
前記支持部材は、前記第1当接部を前記収容部から突出させて、前記溶接部を、前記第1電極の前記第2電極との対向面から離間させた位置で支持する第1支持位置と、前記第1当接部を前記収容部内に収容して、前記溶接部を前記第1電極の前記第2電極との対向面に載置する第2支持位置との間で、移動可能に設けられており、
前記第2当接部は、前記第1当接部よりも前記第2電極側に及ぶ前記軸線方向の高さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクション溶接装置。 - 前記調心手段は、
前記支持部材が、前記第1当接部を、前記第1支持位置から前記第2支持位置に向けて移動させる途中で、前記第1電極に載置された前記被溶接部材の中心を前記軸線に一致させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクション溶接装置。 - 前記調心手段は、
前記第2電極と同期して前記軸線方向に変位する環状可動壁と、
前記被溶接部材の外周を支持する内側環状壁と、
前記内側環状壁を径方向に貫通する貫通孔で径方向に変位可能に設けられていると共に、前記内側環状壁の内周と外周のうちの少なくとも一方から突出する可動子と、
前記内側環状壁の外側で前記軸線方向に移動可能に設けられていると共に、前記第2電極が前記第1電極側に移動した際に前記環状可動壁に押されて変位する外側環状壁と、
前記外側環状壁の内周に設けられていると共に、前記外側環状壁の変位方向側に向かうにつれて、前記内側環状壁との間の間隔が広くなる方向に傾斜した傾斜部と、を有し、
前記可動子は、前記軸線周りの周方向に所定間隔で複数設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のプロジェクション溶接装置。
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