JP6737614B2 - 魚釣用リール - Google Patents

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本発明は、魚釣用リールに関し、より具体的には、印加される電流に応じてスプールの回転に対する制動力を変化可能にする電磁制動装置を備えた魚釣用リールに関する。
従来、船釣りに用いられる魚釣用リールは、釣糸が巻回されたスプールを、クラッチ機構をOFFにしてフリー回転状態とし、錘が装着された仕掛けを所定の棚に落下させるように使用される。海中で落下して行く釣糸は、仕掛けの錘の他、釣糸の太さ、繰り出し長さ(深さ)、潮流、海水濃度等により抵抗を受け、実釣時における仕掛け投入時には落下速度が変化して安定せず、スプールの過回転によるバックラッシュ現象が生じ易い。
このため、釣人は、スプールの釣糸巻回胴面やスプールのフランジ外周を指でサミングしてスプールの過回転現象を抑制しているが、仕掛け投入毎にこのようなサミング操作をすることは煩わしいと共に、不必要に制動し過ぎて釣糸の繰り出しを遅くしてしまったり、指を損傷してしまうことがあり好ましくない。そこで、釣糸の繰り出し速度に対するスプールの過回転現象を自動的に制御する魚釣用リールが特許文献1で提案されている。また、釣りの対象となる魚の中には、上から落ちてくる餌を好んで捕食するものがある。このような魚を釣る場合、自然界の餌と同じような速度で釣り餌を落とすことで、より高い釣果を得ることができる。したがって、再現性良く正確に錘や仕掛けを落とす速度を落としたいという要求がある。
特許第2813635号
上記した公知技術は、スプールの外側面にモータの出力軸を連結させて、仕掛け落下時にスプールを所定の回転速度に制御するよう構成されている。すなわち、スプールに動力伝達機構を介して連結されるモータでスプールの落下時の回転速度を特定のパターンで増減する構成であるため、スプールフリー回転性能が低下してしまう。また、スプールのフリー回転(仕掛け放出時のスプール回転)をモータ駆動で制御することから、モータ回転による騒音が発生するとともに、スプールとモータの連結部分には、海水、埃等が付着し易く、モータの回転制御が安定しなくなり釣糸放出が不安定になる可能性がある。さらに、モータの回転駆動によってスプールの回転を制御するため、スプール回転速度制御以外の所定の水深、棚で繰り出し停止することができない等の課題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、仕掛け投入時にスプールをモータによって駆動することなく実際の釣糸の繰り出しに伴うスプールの回転状態の検出に基づいてスプール回転速度を制御してスプールのフリー回転性能を維持し、安定した釣糸放出が行える魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用リールは、釣糸を巻回するスプールと、前記スプールに巻回された釣糸の釣糸放出状態を検出する釣糸放出状態検出手段と、前記スプールのフリー回転時に、印加電流に応じてスプールに対して変化可能な磁気反応摩擦材による制動力を付与する電磁制動装置と、前記釣糸放出状態検出手段によって得られる釣糸の検出速度及び釣人によって選択又は指定される目標となる落下速度情報に基づいて、前記電磁制動装置に印加する電流を制御して前記スプールの回転速度が一定となるようにスプールに作用する制動力を変化させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記検出速度と目標となる落下速度との差が少なくなるように前記印加電流を制御することを特徴とする。
上記した構成の魚釣用リールによれば、水面から仕掛けを落下させると、釣糸放出状態検出手段によって得られる釣糸放出情報に基づいて、電磁制動装置の印加電流を制御してスプールに対する制動力を調整することができるため、落下する仕掛けの深さによってスプールに対して最適な制動力を付与することが可能となる。このため、仕掛け投入時におけるスプールのフリー回転性能が維持され、安定した釣糸放出が行えるようになる。また、釣り餌を狙いの速度で再現性良く正確に落とすことができるため、より高い釣果を得ることができる。
なお、上記した構成では、印加電流は、仕掛けに装着される錘の重さ、棚の深さ、及び仕掛け落下中の深さによって制御することが可能であり、このような制御は、例えば、予め制御手段が、格納されている目標となる落下速度情報に基づいて行なったり、或いは、最初の1投目で釣人がスプールをサミングしながら最適な制動状態にしたものを記憶させておき、2投目以降を記憶した制動状態となるように行なっても良い。或いは、釣人が落下速度情報を任意に入力して設定しても良いし、予め設定されている落下速度情報を選択するものであっても良い。
本発明によれば、仕掛け投入時のスプールのフリー回転性能を維持して、安定した釣糸放出が行える魚釣用リールが得られる。
(a)は本発明の魚釣用リールの一態様の概念図、(b)はフィードバック制御の一例の概要を示すブロック図。 魚釣用リールの制御部で格納されている水深と目標落下速度を特定した制御テーブルの一例を示す図。 電磁制動装置の一配設例の主要部を示す概念図。 図3に示す一方向クラッチの構成を示す図。
以下、本発明に係る魚釣用リールの実施形態について概念図を用いて動力及び制動力の伝達方法を説明する。
図1は、本発明に係る魚釣用リールの一態様を示す概念図である。図に示す魚釣用リール1は、公知のようにリール本体3を構成する左右側板間に釣糸を巻回するスプール5を回転可能に支持した両軸受型タイプを示している。この場合、前記スプール5は、左右側板に対して軸受を介して回転可能に支持されるスプール軸5aに対して相対回転可能に支持されている。また、スプール軸5aには、図示しないが公知の駆動力伝達機構を介してハンドル7が連結されており、ハンドル7を回転操作することでスプール5は、釣糸巻き取り方向に回転駆動される。
前記リール本体3内には、スプール5が釣糸繰り出し方向へフリー回転した際、印加電流に応じてスプールに対して変化可能な制動力を付与する電磁制動装置10が配設されている。電磁制動装置10は、公知のように、磁場の大きさに応じて結合力が変化する磁気反応摩擦材(磁気粘性グリス、磁気粘性流体、磁性粉など)11を密封する収容部材(密閉ケース)12と、前記収容部材内で磁気反応摩擦材11と接触し、駆動軸(本実施形態ではスプール軸5a)と一体回転する制動板14と、収容部材の内部空間に磁場を与えるように励磁コイルや励磁ヨーク等を備えた磁場発生手段15とを有している。
前記磁気反応摩擦材11は、磁場発生手段15で発生する磁場の大きさによってその結合力が変化する特性を備えており、その中に配設される制動板14が回転することによって生じる剪断応力の大きさが変わることでスプール5に対する制動力が調整可能となっている。この場合、磁場発生手段は、電磁コイルによって構成することができ、電磁コイルに印加される電流量(印加電流)を調整することで磁場の大きさが可変制御され、これにより制動板に作用する剪断応力が変化してスプール5に対する制動力が調整される。
本実施形態の電磁制動装置10は、スプール5と、スプール軸(スプールと一体回転する巻き取り駆動機構の回転軸でも良い)5aとの間に配設されており、収容部材12がスプール5の側面(フランジ側面)に固定され、制動板14がスプール軸5aと一体回転するように配設されている。このため、電磁制動装置10は、印加電流が大きくなると制動板14による制動力が増大してスプール軸5aとスプール5が一体回転し、印加電流をゼロにするとスプール5がフリー回転できるようになり、一般的な両軸受型リールに配設されているクラッチ機構としての機能を兼ね備えた構成となっている。勿論、クラッチ機構を別途配設しておき、電磁制動装置10は、スプール5の釣糸放出状態のときのみに制動力を付与する構成であっても良い。なお、スプール軸5a(回転軸)は、釣糸巻き取り方向の回転を許容し、釣糸繰り出し方向の回転を阻止する駆動力伝達機構の逆転防止機構に連結されている。
前記リール本体3には、釣糸放出状態検出手段を構成する糸長計測装置20、表示部30、釣人によって操作される操作部35、電磁制動装置10に対して所定の制御電流を供給する電源部40、及び、これらの構成部材の動作を制御する制御部(制御手段)50が設けられている。そして、釣人が操作部35を操作することで、これらの構成要素が関連して作動し、釣糸放出時のスプール5には、仕掛けが落下する深さやスプール5の回転状態に応じて適切な制動力が発生する。なお、本実施形態では、スプール5に対する制動力の調整方式(制動モード)として、後述するように、自動制御モード、学習モード、選択モード、指定モードが設けられており、これらは釣人が操作部材を操作することで選択することが可能となっている。
前記糸長計測装置20は、スプール5から繰り出される釣糸の放出速度を計測するものであれば良く、例えば、公知のように、スプール5が釣糸の繰り出し/巻き取りで回転駆動された際、回転部分に装着されたマグネットと、これを検知する磁気センサによって実際の回転量や回転方向を検知し、その検知信号を生成するよう構成される。前記表示部30は、液晶表示装置によって構成され、釣人に対して各種の情報、例えば、前記糸長計測装置20によって計測された水深(仕掛けを投下した際の仕掛けの深さ)や、タイマによって計測された時間、釣人が操作部35に入力した情報、釣人に操作態様の入力を促す情報などを表示する。前記操作部35は、ボタンやレバーなどによって構成され、釣人によって各種の指示情報を入力する部分であり、例えば、仕掛けを停止させる水深(指示棚)の指定、錘の重さの指定、スプールに対する制動状態の指定や予め定められた制動モードの選択等を行なう。また、ここで入力される各種の指示情報については、表示部30で表示するようにしても良く、釣人は表示画面を見ながら操作部を操作することが可能となっている。前記電源部40は、リール本体内に予め組み込まれるバッテリ(電池)、接続端子を介してリール本体に対して着脱されるバッテリが該当し、接続端子を介して電力供給する外部電源であっても良い。
前記制御部50は、上記した各構成要素の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、電源部からの電圧を所定の制御電流となるように可変制御して電磁制動装置10に供給するための各種プログラムや設定情報などを記憶したROM(Read Only Memory)、一時記憶領域としてのRAM(Random Access Memory)、タイマ等を実装した制御基板(マイクロコンピュータ)を備えており、この制御基板には、I/Oポートを介して上記した構成要素との間で信号の送受信がなされ、動作が制御されるようになっている。すなわち、CPUは、ROMに格納されている所定のプログラムを実行し、これに応じて生成される制御信号を、I/Oポートを介して上記した各作動要素に供給することで各作動要素を制御する機能を有する。
なお、前記ROMは、CPUによって実行される各種プログラムや、制御処理に必要とされるデータが記憶されている。このデータは、例えば、糸長計測装置20から入力される検知信号に基づいて糸長を計測する演算プログラム、所定の水深(指示棚)に仕掛けが到達するまでにスプールが過回転したり仕掛けの落下速度が低下しないように、スプール5に対する制動状況を水深・錘毎に特定した制御テーブル(図2に一例を示す)、表示部35で文字や数字などの画像を表示させるための画像表示データ等が該当する。また、前記RAMは、作業領域を備えており、前記プログラムが作動している際に、処理手順や上記のデータ、釣人によって入力される情報、糸長計測装置20によって計測される計測データなどを一時的に記憶する機能を備えている。
また、制御部50は、糸長計測装置20によって得られる釣糸の放出速度(仕掛けの落下速度)を制御テーブル(釣人によって選択された制御テーブル、或いは、RAMに記憶された1回目の投入動作によって得られる制御テーブル)の速度情報(目標となる落下速度情報)と対比して、その差分が少なくなるように、電磁制動装置10に供給する印加電流を可変制御(フィードバック制御)する。ここでのフィードバック制御の手法は、特に限定されることは無いが、例えば公知のPID制御(Proportional-Integral-Differential Controller)によって実施することが可能である。図1(b)に示すように、上記した制御部50は、電磁制動装置10に対する印加電流を、目標速度(目標となる落下速度)と糸長計測装置20から入力される速度情報との差分が少なくなるように制御し、これにより、電磁制動装置10は、制御された印加電流に応じた制動力をスプールに対して付与する。この際、スプールから繰り出される釣糸には、そのような制動力に加え、外乱の要因(潮流等)が加わるものの、その外乱の要因が加わった釣糸の放出状態が糸長計測装置20で検出され、この検出値に基づいてフィードバック制御を行なうことから、放出される釣糸は、目標となる放出速度に近づくように制御されるようになる。すなわち、スプール5に作用する制動力は、電磁制動装置10に供給される印加電流が制御部50によって可変制御されることで制御テーブルにしたがって適切な落下状態となるように制御される。
なお、電磁制動装置10に供給する印加電流の制御については、釣糸の放出状態(上記したような釣糸の放出速度)を検出して行なうものであれば良い。すなわち、水中に落下する釣糸の放出状態を検出し、その検出信号から適切な釣糸放出状態となる制御が成されれば良く、それ以外にも、スプールの回転速度を検出して行なうものであっても良い。例えば、糸長や放出時間に関係なく検出されるスプールの回転速度が一定となるように、電磁制動装置10に供給する印加電流を可変制御したり、釣糸放出量(或いは放出してからの時間)とスプールの回転速度を検出して、特定の放出位置で最適なスプール回転となるように印加電流を可変制御しても良い。或いは、放出される釣糸の長さや放出時間、更には、放出される釣糸の張力を検出して、張力に基づいて印加電流を可変制御しても良い。
上記した各構成要素については、リール本体内に設置されるが、複数の構成要素がユニット化されていても良い。例えば、上記した表示部30、操作部35、及び制御部50が1つのユニット(制御ケース)となって、リール本体の左右側板間のスプール上に設置されたものであっても良い。または、リール本体とは別に構成されて、無線/有線で電気的に接続しても良い。
図2は、上記した制御部50のROMに格納されている制御テーブルの一例を示す図である。
本実施形態における制御テーブルは、仕掛けに装着される錘の重さと、仕掛けが落下する水深(釣糸繰り出し長さ)との関係に関し、一定の深さ毎(本実施形態では10m毎としている)に適切な落下速度(目標速度)を定めたものである。例えば、100号の錘(375g)における10m毎の目標となる落下速度は、V1,V2,V3…Vmと定められており、制御部50は、実際に仕掛けを投入した際、上記した釣糸放出状態検出手段によって得られる検出速度と、深さ毎に定められている目標速度との差が少なくなるように電磁制動装置10に供給する印加電流を可変制御する。
上述したように、海中で落下して行く釣糸は、仕掛けの錘の他、釣糸の太さ、繰り出し長さ(深さ)、潮流、海水濃度等により抵抗を受け、深さが変化するに連れて落下速度も変化し、これによりスプールが過回転したり制動力が強くなり過ぎる等、安定した釣糸放出状態が得られない。特に、投入初期では、海水の抵抗も小さいことからスプールが過回転し易いのに対し、仕掛けが深くなるに連れて上記した抵抗の影響によりスプールの回転速度が遅くなる。このため、深さが浅いときには、スプールに対してある程度の制動力が作用して過回転が生じない状況となっており、深さが深くなるに連れて、制動力を弱くしてスプールのフリー回転性能を高めて落下速度が低下しない状況となっていることが好ましい制御となる。
具体的には、仕掛け投入直後は、電磁制動装置10に供給される印加電流を大きくしてスプール5に作用する制動力を高めてスプールの過回転を防止してバックラッシュが生じないようにし、仕掛けの深さが深まるに連れて印加電流を小さくしてフリー回転性が低下しないようにスプールに作用する制動を制御している。
このような構成によれば、釣糸放出時にスプール5を専用のモータによって駆動することなく、実際の釣糸の繰り出しに伴うスプールの回転状態の検出に基づいてスプールの回転速度(制動力)を制御してスプールのフリー回転性能を維持するため、安定した釣糸放出が行える魚釣用リールが得られる。
上記したようなスプールの制動は、自動制御モードとして機能するものであり、たとえば、釣人が100号の錘を装着した仕掛けを投入する際、釣人が操作部35を操作して使用する錘の号数を指定すれば、制御部50は、図2に示すような、それに対応する錘の制御テーブルを参照して印加電流をフィードバック制御する。
なお、図2に示すような制御テーブルは、更に、スプールに巻回される釣糸の太さ毎に情報を持っていても良い。また、深さ毎の釣糸(仕掛け)の落下速度は、均一となるように制御しても良いし仕掛けの種類と錘の重さ毎に制御情報を持っていても良い。例えば、100号錘のイカの仕掛けは落下速度4m/s、100号錘の天秤仕掛けは落下速度3m/s、80号錘の天秤仕掛けは落下速度2.5m/sのように、仕掛け毎に制御テーブルを格納しても良い。
本実施形態の電磁制動装置10は、上述したように、スプール5とスプール軸5aとの間に配設されており、一般的な両軸受型リールに配設されているクラッチ機構としての機能を兼ね備えている。このため、仕掛けが所定の水深(棚)に到達した際、スプール軸とスプールが一体回転可能となるように電磁制動装置10の印加電流を増大させて(たとえば印加電流をMAX)クラッチON状態となるように制御して自動棚停止機能を構成しても良い。
上記したような自動制御モードでは、釣人が操作部から錘などの情報を入力して条件を選択することで、電磁制動装置10に対する印加電流を予め設定されている釣糸放出し状態となるように制御部50で制御しているが、このような制御は、1回目の釣人の仕掛けの投入動作の釣糸の繰り出し量や繰り出し時間と落下速度の関係を制御部50のRAMで記憶し、2回目以降の投入動作は、記憶された落下速度を再現するようにしても良い(学習モード)。
この学習モードは、1回目の仕掛けの投入時に、釣人がスプールの回転に対してサミングしながら最適な仕掛けの放出状態となるような操作を行なった際、その放出状態を制御部50のRAMに記憶するものであり、釣人が2回目以降に投入する際、RAMに記憶された最適なスプールの制動状態を再現して釣糸放出するように制御する。
このような学習モードを設置しておくことで、潮流の違い、錘の形状の違い、仕掛けの違い、釣場の違い等に関係なく、最適な仕掛けの放出状態が得られる。
また、上記した釣糸放出状態は、釣人の選択(選択モード)や指定(指定モード)によって制御するようにしても良い。
例えば、仕掛けの落下速度が高速、中速、低速となるようにスプールに作用する制動力が3段階となるように定めておき、これらのいずれかを釣人が選択できるようにしても良い(選択モード)。或いは、釣人が具体的な落下速度を操作部に入力して、その落下速度となるようにスプールに制動力を付与するようにしても良い(指定モード)。このような選択モードや指定モードは、釣場の状況に応じて、釣人が任意に、選択/指定することができるので、釣場の状況に応じた制動状態を選ぶことも可能となる。
上記した実施形態では、電磁制動装置10は、クラッチ機能、及び釣糸巻き取り時にはドラグとしての機能を兼ね備えた構成であったが、電磁制動装置は、釣糸放出時のみにスプールに制動を加え、スプールの巻き取り時に制動力が作用しない構成にすることも可能である。すなわち、電磁制動装置は、釣糸巻き取り時にスプールと一体回転する回転軸との連結を解除し、釣糸放出時にスプールと一体回転する回転軸と連結されてスプールに対して制動力を付与するように構成されたものであっても良い。
図3は、そのような構成を備えた主要部を示す概念図であり、図4は、図3に示す一方向クラッチの構成を示す図である。
この構成例では、電磁制動装置10Aがリール本体3の左側板3a内のスプール5のフランジ5bの側方に配設されており、スプール5は、公知のように、リール本体3の左右側板間に回転可能に支持されたスプール軸5aに固定されている。前記スプール軸5aには、リール本体3の左側板3a内の軸受7に軸方向に並設して一方向クラッチ(転がり式一方向クラッチ)60が配設されており、電磁制動装置10Aは、一方向クラッチ60を介在させてリール本体3の左側板3aとスプール軸5aとの間に配設されている。
具体的には、一方向クラッチ60の内輪61がスプール軸に対して回り止め固定されており、外輪63には、電磁制動装置10Aの摩擦板14aの基部が一体的に固定されている。この摩擦板14aは、磁場の大きさに応じて結合力が変化する磁気反応摩擦材11aを密封した収容部材12a内に配設されている。また、前記内輪61と外輪63との間に保持器64によって転がり部材62が設置されており、外輪63の内面には、公知のように転がり部材62がフリー回転となって動力伝達をOFFするフリースペース68と、転がり部材62が楔作用によって固定されて動力伝達をONにする楔領域69が形成されている。この場合、スプール軸5aが釣糸放出方向に逆回転した際、転がり部材62は楔領域69に移動してスプール軸5aの駆動は外輪63に伝達されて、制動板14aを回転駆動する(動力伝達ON)。また、スプール軸5aが釣糸巻き取り方向に正回転駆動されると、転がり部材62はフリースペースに移動して動力伝達をOFFにする。すなわち、操作ハンドル等によって釣糸を巻き取り駆動しても、電磁制動装置10Aから負荷が作用することはなく軽快に巻き取り操作が行え、釣糸が放出される際には、電磁制動装置10Aの磁場発生手段15aに配線71を介して供給される印加電流によって、スプール5に所定の制動力が作用するようになる。
このような構成によれば、巻き取り駆動力は、電磁制動装置と機能的に関係なく分離構成できるので、釣糸繰り出し時に、スプールに対して若干の制動力を作用させるだけで済み、これにより小型の電磁制動装置を組み込むことが可能となり、また、電源部の容量も小型のものを用いることが可能となり、リール本体全体を小型、軽量化できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した構成に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、電磁制動装置の構成については特定の構造に限定されることはなく、制動板を多板式にする等、適宜変形することが可能である。また、リール本体対する設置構造や磁場発生手段の配設態様等、適宜変形することが可能であり、磁場発生手段の磁石については電磁コイルではなく、永久磁石によって構成しても良い。その場合、制動力の調整は磁石の位置を変化させることで行なうことも可能である。また、電磁制動装置を配設する位置についても、例えばスプール軸を支持する軸受の外方にする等、その大きさにより適宜変形することが可能である。
また、上記した魚釣用リールは、電動リールであっても良く、その場合、印加電流の電源は外部バッテリとすることが可能である。さらに、本実施形態では、スプールの制動モードについて複数の態様を説明したが、1つの制動モードを備えたものであっても良い。
1 魚釣用リール
3 リール本体
5 スプール
10,10A 電磁制動装置
20 糸長計測装置
35 操作部
40 電源部
50 制御部

Claims (3)

  1. 釣糸を巻回するスプールと、
    前記スプールに巻回された釣糸の釣糸放出状態を検出する釣糸放出状態検出手段と、
    前記スプールのフリー回転時に、印加電流に応じてスプールに対して変化可能な磁気反応摩擦材による制動力を付与する電磁制動装置と、
    前記釣糸放出状態検出手段によって得られる釣糸の検出速度及び釣人によって選択又は指定される目標となる落下速度情報に基づいて、前記電磁制動装置に印加する電流を制御して前記スプールの回転速度が一定となるようにスプールに作用する制動力を変化させる制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記検出速度と目標となる落下速度との差が少なくなるように前記印加電流を制御する
    ことを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記電磁制動装置は、釣糸巻き取り時にスプールと一体回転する回転軸との連結が解除され、釣糸放出時にスプールと一体回転する回転軸と連結されてスプールに対して制動力を付与することを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
  3. 前記電磁制動装置は、スプールと、スプールと一体回転する巻き取り駆動機構の回転軸との間に配設され、
    前記制御手段は、仕掛けが所定の水深に到達した際、前記回転軸とスプールが一体回転可能となるように前記電磁制動装置の印加電流を増大させることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
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