JP6735892B2 - 梱包体 - Google Patents

梱包体 Download PDF

Info

Publication number
JP6735892B2
JP6735892B2 JP2019209814A JP2019209814A JP6735892B2 JP 6735892 B2 JP6735892 B2 JP 6735892B2 JP 2019209814 A JP2019209814 A JP 2019209814A JP 2019209814 A JP2019209814 A JP 2019209814A JP 6735892 B2 JP6735892 B2 JP 6735892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
formula
transparent resin
resin film
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019209814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020097447A (ja
Inventor
宏司 西岡
宏司 西岡
岳 吉川
岳 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Publication of JP2020097447A publication Critical patent/JP2020097447A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6735892B2 publication Critical patent/JP6735892B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D75/00Packages comprising articles or materials partially or wholly enclosed in strips, sheets, blanks, tubes, or webs of flexible sheet material, e.g. in folded wrappers
    • B65D75/04Articles or materials wholly enclosed in single sheets or wrapper blanks
    • B65D75/14Articles or materials wholly enclosed in single sheets or wrapper blanks in sheets or blanks folded-up around all sides of the contents from a portion on which the contents are placed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D65/00Wrappers or flexible covers; Packaging materials of special type or form
    • B65D65/38Packaging materials of special type or form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D85/00Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials
    • B65D85/67Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for web or tape-like material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D85/00Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials
    • B65D85/67Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for web or tape-like material
    • B65D85/671Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for web or tape-like material wound in flat spiral form
    • B65D85/672Containers, packaging elements or packages, specially adapted for particular articles or materials for web or tape-like material wound in flat spiral form on cores
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D2565/00Wrappers or flexible covers; Packaging materials of special type or form
    • B65D2565/38Packaging materials of special type or form
    • B65D2565/381Details of packaging materials of special type or form

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Packaging Of Machine Parts And Wound Products (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

本発明は、透明樹脂フィルムと、該透明樹脂フィルムを梱包する梱包フィルムとを含む梱包体に関する。
現在、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置は、携帯電話やスマートウォッチといった種々の用途で広く活用されている。このような画像表示装置の前面板としてはガラスが用いられてきたが、ガラスは非常に剛直であり、割れやすいため、例えばフレキシブルディスプレイの前面板材料としての利用は難しい。
そのため、ガラスに代わる材料の一つとして高分子材料の活用が検討され、例えばポリイミド系樹脂を用いる樹脂フィルムが検討されている。ここで、樹脂フィルムは通常、樹脂を延伸等することによりフィルムを製造後、フィルムを巻芯に巻き取ったフィルムロールの形態や、樹脂フィルムから所望の形状に切り出したフィルム片の形態で、輸送又は保管される。樹脂フィルムを輸送又は保管する際、樹脂フィルムに外部からの異物等が付着することを防止する目的、樹脂フィルムに傷が付くことを防止する目的等のために、樹脂フィルムを梱包フィルムで梱包することが行われている(例えば特許文献1)。
特開2016−16882号公報
しかしながら、従来の梱包体においては、梱包体を輸送、保管等する際に、樹脂フィルムと梱包フィルムとが接触することにより、樹脂フィルムの該接触部分において微細な傷が付く場合があることがわかった。特に樹脂フィルムが光学フィルムとして使用されるような透明樹脂フィルムである場合には、微細な傷であっても、フィルムの光学特性の低下を引き起こす可能性があることがわかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、透明樹脂フィルム及び梱包フィルムを含む梱包体であって、該梱包体を輸送、保管等する際に透明樹脂フィルムに傷が付きにくい梱包体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、透明樹脂フィルムを梱包するために使用する梱包フィルムの各種物性に着目し鋭意検討を行った。その結果、梱包フィルムの透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面における静摩擦係数を所定の範囲内とする場合に、該梱包フィルムと透明樹脂フィルムが接触しても、透明樹脂フィルムに微細な傷が付きにくいことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕透明樹脂フィルムと、該透明樹脂フィルムを梱包する梱包フィルムとを含む梱包体であって、前記梱包フィルムの前記透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面における静摩擦係数は、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して0.14以下である、梱包体。
〔2〕前記梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数は0.25以上である、前記〔1〕に記載の梱包体。
〔3〕梱包フィルムの、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対する動摩擦係数は、0.15以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の梱包体。
〔4〕梱包フィルムが帯電防止機能を有する、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の梱包体。
〔5〕透明樹脂フィルムの弾性率は3GPa以上である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の梱包体。
〔6〕透明樹脂フィルムはポリイミド系樹脂フィルム又はポリアミド系樹脂フィルムである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の梱包体。
〔7〕透明樹脂フィルムを、巻芯に巻き取られたフィルムロールとして含む、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の梱包体。
〔8〕梱包フィルムで梱包された透明樹脂フィルムをさらに梱包する防湿性フィルムをさらに含む、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の梱包体。
〔9〕防湿性フィルムは金属蒸着フィルム、金属ラミネートフィルム又は金属箔である、前記〔8〕に記載の梱包体。
本発明の梱包体によれば、該梱包体を輸送、保管等する際に、該梱包体に含まれる透明樹脂フィルムに傷が生じることを防止することができる。
本発明の第1実施形態の梱包体の概略図である。 本発明の第1実施形態の梱包体の概略断面図である。 本発明の第2実施形態の梱包体の概略断面図である。 本発明の第3実施形態の梱包体の概略図である。 本発明の第3実施形態の梱包体の概略断面図である。 静摩擦係数及び動摩擦係数の測定方法を説明するための図である。 擦過試験の試験方法を説明するための図である。 擦過試験の試験方法を説明するための図である。 擦過試験の試験方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明の梱包体は、透明樹脂フィルムと、該透明樹脂フィルムを梱包する梱包フィルムとを含む。本発明の梱包体は1種類の透明樹脂フィルムを含んでいてもよいし、2種以上の透明樹脂フィルムを含んでいてもよいが、通常は1種類の透明樹脂フィルムを含んでいる。また、本発明の梱包体は、1種類の梱包フィルムを含んでいてもよいし、2種以上の梱包フィルムを含んでいてもよい。本発明の梱包体において、透明樹脂フィルム及び梱包フィルムは、それぞれ、単層のフィルムであってもよいし、多層のフィルムであってもよい。
<梱包フィルム>
本発明の梱包体に含まれる梱包フィルムの、前記透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面における静摩擦係数は、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して、0.14以下である。以下において、前記梱包フィルムの前記透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面における、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対する静摩擦係数を「静摩擦係数A」とも称する。静摩擦係数Aが0.14を越える場合、梱包体中の透明樹脂フィルムと梱包フィルムが接触する部分において、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦によって、透明樹脂フィルムに傷が発生しやすく、その結果、透明樹脂フィルムの光学特性が損なわれる。なお、本明細書において、梱包フィルムは、透明樹脂フィルムを梱包するフィルムであり、透明樹脂フィルムと少なくとも一部において接触するフィルムである。
静摩擦係数Aは、透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすく、透明樹脂フィルムの光学特性を維持しやすい観点から、0.14以下、好ましくは0.13以下、より好ましくは0.12以下、さらに好ましくは0.11以下である。静摩擦係数Aの下限は、特に限定されないが、梱包時の梱包フィルムの取り扱い易さの観点からは、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.085以上である。
ここで、静摩擦係数Aは、前記梱包フィルムの前記透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面について、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定した静摩擦係数であり、ポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」と梱包フィルムとを1,000gf(9.8N)の荷重をかけて接触させた状態から、梱包フィルムを水平方向に移動させる際に測定される静摩擦係数である。測定条件の詳細は、実施例に示す通りである。なお、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」は、(株)フロンケミカルの製品カタログNR30000、コード0532−003に記載されている、市販のフィルムである。
梱包フィルムの静摩擦係数Aを上記の範囲にする方法としては、溶液キャスティング成形法、カレンダー成形法や、Tダイフィルム成形、インフレーション成形等法等の押出成形、又は、場合により続く延伸工程によってフィルム化される樹脂中に、滑剤、アンチブロッキング剤等を混合する方法、フィルム表面に薬品処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、UVオゾン処理、エンボス処理、ブラスト処理等を施す方法、又はフィルム表面にオレフィン系、スチレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等のコーティング層を設ける方法などが挙げられる。また、結晶性の樹脂については、前記成形法において結晶化速度を調整することで結晶サイズを制御することでも、梱包フィルムの静摩擦係数Aを上記の範囲に調整することができる。前記滑剤は、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素系、ステアリン酸、ステアリルアルコール等の脂肪酸、高級アルコール系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド系、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリルステアレート等のエステル系、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸系が挙げられる。前記アンチブロッキング剤は、その平均粒径が数十μm以下、好ましくは数μm以下の粒子であり、より好ましくは不活性な無機又は有機粒子である。無機粒子としては、例えば、シリカ、凝集シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ゼオライト、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛及びガラス粉末等が挙げられ、有機粒子としては、架橋アクリル系樹脂、架橋ポリスチレン系樹脂、架橋シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボンブラック等が挙げられる。フィルムの種類に応じて、適宜上記の方法を選択することで、所望の静摩擦係数Aを有する梱包フィルムが作製できる。
本発明の梱包体に含まれる梱包フィルムは、静摩擦係数Aが0.14以下である限り特に限定されないが、ポリエチレン(以下において「PE」とも称する)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下において「PET」とも称する)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリテトラフルオロエチレン(以下において「PTFE」とも称する)等のフッ化炭素系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ナイロン6、ナイロン6,6等のナイロン系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、塩化ビニリデン系樹脂フィルム等の樹脂フィルム、紙、アルミニウム箔等の金属フィルムが挙げられる。梱包フィルムは、耐久性や梱包時の取り扱い易さの観点からは、好ましくは樹脂フィルム、より好ましくはポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、フッ化炭素系樹脂フィルム又はナイロン系樹脂フィルムである。梱包フィルムは、入手性、経済性の観点からは、さらに好ましくはポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムである。また、梱包フィルムは、これらの樹脂フィルムの積層フィルム、共押出多層フィルム等であってもよい。
梱包フィルムは、例えば上記に述べた樹脂フィルム、紙又は金属フィルムに、シリコーンコート等の表面処理、金属ラミネート処理又は金属蒸着処理等が行われたフィルムであってもよい。
梱包フィルムにおいて、該梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数は、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.31以上、さらにより好ましくは0.40以上、とりわけ好ましくは0.50以上である。以下において、梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数を「静摩擦係数B」とも称する。静摩擦係数Bが上記の下限以上であると、梱包時の梱包フィルム同士のずれを防止しやすい。梱包フィルム同士のずれが生じると、ずれによる隙間から塵や埃が梱包フィルムと透明樹脂フィルムとの間に侵入し、透明樹脂フィルムに傷が発生する可能性がある。例えば透明樹脂フィルムが巻芯に巻き取られたフィルムロールである場合には、該フィルムロールを梱包フィルムで巻いて梱包する際、梱包フィルムの両端部同士が重なり合う状態で、必要に応じてテープ止め等を行い、固定される。ここで、両端部同士が重なり合う部分では、梱包フィルムの一方の面と他方の面とが接触している。静摩擦係数Bが上記の下限以上であると、両端部同士が重なり合う部分で梱包フィルム同士のずれが防止されるため、作業性が良好である。さらに、粘着剤等の使用を抑えられるため、該粘着剤等による透明樹脂フィルムの汚染を防止しやすい。
静摩擦係数Bは、ロール状態からの梱包フィルムの繰出し性を高めたり、梱包フィルム同士の引っかかりを抑えたりして取り扱い性を維持しやすい観点、及び/又は、梱包フィルム間に埃や塵を巻き込みにくい観点から、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、さらにより好ましくは0.8以下である。ここで、静摩擦係数Bは、梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数であり、梱包フィルムの試験片を2枚用意し、上記静摩擦係数Aと同様の測定装置を使用して、梱包フィルムの一方の面と他方の面とが1,000gf(9.8N)の荷重をかけて接触する状態から、一方の試験片を水平方向に移動させる際に測定される静摩擦係数である。測定条件の詳細は、実施例に示す通りである。
梱包フィルムの静摩擦係数Bを上記の範囲にする方法としては、前記静摩擦係数Aを調整する方法が同様に適用でき、表裏で別々の処理を行ったり、異なる静摩擦係数Aを示すフィルムの裏面同士を貼り合せたりすることでも、静摩擦係数Bを調整可能である。また、梱包フィルムの静摩擦係数Bが前記範囲内である場合、ポリオレフィン系樹脂フィルムやウレタンコート層を設けた樹脂フィルム等、自己粘着性を有するフィルムを用いることもできる。
梱包フィルムの、透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面における動摩擦係数の上限値は、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.07未満、さらにより好ましくは0.065以下である。以下において、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定される上記動摩擦係数を「動摩擦係数A」とも称する。動摩擦係数Aが上記の上限値以下であると、梱包体中の透明樹脂フィルムと梱包フィルムが接触する部分において、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付き、特に長く、大きな傷の発生を防止しやすく、その結果、透明樹脂フィルムの光学特性を維持しやすい。動摩擦係数Aの下限値は、好ましくは0.025以上、より好ましくは0.040以上、さらに好ましくは0.055以上である。動摩擦係数Aの下限値が上記の下限値以上であると、例えば、運搬中等、梱包体に振動が加わる環境において、梱包フィルムと透明樹脂フィルムとのずれが大きくなることを抑制し、ずれによって生じた隙間から塵や埃が梱包フィルムと透明樹脂フィルムとの間に侵入し、透明樹脂フィルムに傷が発生することを防止しやすい。
ここで、動摩擦係数Aは、前記梱包フィルムの前記透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面について、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定した動摩擦係数であり、ポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」と梱包フィルムとを1,000gf(9.8N)の荷重をかけて接触させた状態から、梱包フィルムを水平方向に移動させる際に測定される動摩擦係数である。測定条件の詳細は、実施例に示す通りである。
梱包フィルムの動摩擦係数Aを上記の範囲にする方法としては、静摩擦係数Aと同様の方法が挙げられる。
梱包フィルムの厚さは、特に限定されないが、通常200μm以下、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは30〜80μm、さらにより好ましくは40〜60μmである。梱包フィルムの厚さが前記の範囲にあると、梱包フィルムに柔軟性があり、梱包作業が容易となり、また、外力に対する耐久性を維持することができる。
梱包フィルムは、帯電防止機能を有することが好ましく、前記静摩擦係数A、並びに、場合により前記静摩擦係数B及び前記動摩擦係数Aが上記範囲を満たす限り、カチオン系やアニオン系の界面活性剤、導電性ポリマー等の導電性高分子、導電性金属酸化物などの導電性無機材料、カーボンブラックやナノカーボン等の導電性カーボン等の帯電防止剤を含んでもよい。これにより、梱包時や輸送時、開梱時における透明樹脂フィルムの帯電を防止し、表面への塵や埃の吸着を防ぎ、光学フィルムの傷付きのリスクを低減することができる。本明細書において、梱包フィルムの表面のシート抵抗値が1×1013Ω/sq以下である場合、該梱包フィルムは耐電防止機能を有するといえる。梱包フィルムが帯電防止機能を有する場合、該シート抵抗値は、透明樹脂フィルムの帯電を防止し、表面への塵や埃の吸着を防止しやすい観点から、好ましくは1×1012Ω/sq以下、より好ましくは1×10Ω/sq以上1×1012Ω/sq以下、さらに好ましくは1×10Ω/sq以上1×1011Ω/sq以下、さらにより好ましくは1×10Ω/sq以上1×1010Ω/sq以下である。梱包フィルムの表面のシート抵抗値は、JIS K 6911に準拠して抵抗率計を用いて測定でき、例えば実施例に記載の条件にて測定できる。
<透明樹脂フィルム>
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シクロポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を含むフィルムであってよい。特に、透明樹脂フィルムは、ポリアミド系樹脂及びポリイミド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましく、少なくとも1種のポリイミド系樹脂を含有することがより好ましい。なお、本明細書において、ポリイミド系樹脂を含有するフィルムをポリイミド系樹脂フィルムとも称する。その他の樹脂についても同様である。
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、例えばフレキシブル表示装置の前面板として好適に使用されるような前面板用の光学フィルムであってよい。このような光学フィルムは高い透明性、優れた光学特性を有することが求められるフィルムである。かかる透明樹脂フィルムは、樹脂フィルムを巻芯に巻き取ったフィルムロールの形態や、樹脂フィルムから所望の形状に切り出したフィルム片の形態で、輸送、保管等される。樹脂フィルムが光学フィルムである場合には、わずかな傷付き等であっても、樹脂フィルムの光学特性の低下をもたらし、該フィルムを表示装置等に組み込んだ際の視認性に影響し得る。そのため、樹脂フィルムを輸送、保管等する際には、該樹脂フィルムが傷付くことによる光学特性の低下を防止することが特に重要である。ここで、樹脂フィルムを、巻芯に巻き取ったフィルムロールの形態や、所望の形状に切り出したフィルム片の形態で輸送、保管等する際、樹脂フィルムの汚染や傷付きを防止するために、梱包フィルムが使用され、該梱包フィルムと透明樹脂フィルムとは少なくとも一部において接触する。このような梱包フィルムと透明樹脂フィルムとの接触部分においては、透明樹脂フィルムの傷付きが発生する可能性があり、その結果、透明樹脂フィルムの光学特性の低下が生じる可能性がある。所定の静摩擦係数Aを有する梱包フィルムを含む本発明の梱包体においては、本発明の梱包体を輸送、保管等する際に、透明樹脂フィルムと梱包フィルムが接触する部分に起因する透明樹脂フィルムの傷付きを防止することができるため、透明樹脂フィルムの光学特性の低下を抑制することができる。なお、透明樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合せて輸送等が行われる場合であっても、透明樹脂フィルムの端部においては透明樹脂フィルムと梱包フィルムとが接触する。このような場合も同様に、本発明の梱包体においては、透明樹脂フィルムと梱包フィルムが接触する部分に起因する透明樹脂フィルムの傷付きを防止することができる。
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、透明な樹脂フィルムであれば特に限定されない。樹脂フィルムが透明であるとは、例えば、透明樹脂フィルムの全光線透過率が70%以上であることを意味する。透明樹脂フィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上、さらにより好ましくは89%以上、とりわけ好ましくは90%以上、とりわけより好ましくは91%以上、とりわけさらに好ましくは92%以上であり、通常100%以下である。全光線透過率が上記の下限以上であると、透明樹脂フィルムを画像表示装置に組み込んだ際に視認性を高めやすい。なお、全光線透過率は、例えばJIS K 7361−1:1997に準拠してヘーズコンピュータを用いて測定できる。全光線透過率は、後述する透明樹脂フィルムの厚さの範囲における全光線透過率であってよい。本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、透明性が高く、透過率が高いため、例えば、透過率の低いフィルムを用いた場合と比べて、一定の明るさを得るために必要な表示素子等の発光強度を抑えることが可能となる。このため、消費電力を削減することができる。例えば、本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムを表示装置に組みこむ場合、バックライトの光量を減らしても明るい表示を得られる傾向があり、エネルギーの節約に貢献できる。
透明樹脂フィルムの弾性率は、好ましくは3GPa以上、より好ましくは4GPa以上、さらに好ましくは5GPa以上であり、好ましくは10GPa以下、より好ましくは9GPa以下である。弾性率が上記の下限以上であると、透明樹脂フィルムに凹み等の欠陥が生じにくくなると共に、透明樹脂フィルムの強度を高めやすく、透明樹脂フィルムを輸送、保管等する際に、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとが摩擦することによる透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。また、透明樹脂フィルムを例えば光学フィルムとして使用する際の耐久性を向上させやすい。また、弾性率が上記の上限以下であると、透明樹脂フィルムの耐屈曲性を向上させやすい。なお、透明樹脂フィルムの弾性率は、例えば(株)島津製作所製の精密万能試験機を用いて、チャック間距離50mm、引張速度20mm/分で測定でき、例えば実施例に記載する測定条件で測定できる。
透明樹脂フィルムの黄色度(以下、YI値と称することがある)は、通常−5以上、好ましくは−2以上、より好ましくは0以上、さらに好ましくは0.3以上、さらにより好ましくは0.5以上、とりわけ好ましくは0.7以上であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下である。透明樹脂フィルムのYI値が上記の上限以下であると透明性を向上させやすく、例えば表示装置の前面板に使用した場合に視認性を高めやすい。YI値は、JIS K 7373:2006に準拠して、紫外可視近赤外分光光度計を用いて300〜800nmの光に対する透過率測定を行い、3刺激値(X、Y、Z)を求め、YI=100×(1.2769X−1.0592Z)/Yの式に基づいて算出できる。
透明樹脂フィルムのヘーズは、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらにより好ましくは0.5%以下、とりわけ好ましくは0.3%以下であり、通常0.01%以上である。透明樹脂フィルムのヘーズが上記の上限以下であると透明性が良好となり、例えば画像表示装置の前面板に使用した場合に、画像の視認性を高めやすい。なお、ヘーズは、JIS K 7136:2000に準拠してヘーズコンピュータを用いて測定できる。
透明樹脂フィルムの厚さは、用途に応じて適宜調整してよいが、好ましくは25μm以上、より好ましくは27μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは85μm以下である。透明樹脂フィルムの厚さは、膜厚計などで測定でき、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
(ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂)
本発明の一実施形態において、本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する。ポリイミド系樹脂とは、イミド基を含む繰返し構造単位を含有する樹脂(以下、ポリイミド樹脂ということがある)、並びにイミド基及びアミド基の両方を含む繰返し構造単位を含有する樹脂(以下、ポリアミドイミド樹脂ということがある)からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を示す。また、ポリアミド系樹脂とは、アミド基を含む繰り返し構造単位を含有する樹脂を示す。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、式(1)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂であるか、又は、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位を有するポリアミドイミド樹脂であることが好ましい。また、ポリアミド系樹脂は、式(2)で表される構成単位を有するポリアミド樹脂であることが好ましい。以下において式(1)及び式(2)について説明するが、式(1)についての説明は、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の両方に関し、式(2)についての説明は、ポリアミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂の両方に関する。
Figure 0006735892
式(1)で表される構成単位は、テトラカルボン酸化合物とジアミン化合物とが反応して形成される構成単位であり、式(2)で表される構成単位は、ジカルボン酸化合物とジアミン化合物とが反応して形成される構成単位である。
式(2)において、Zは、互いに独立に、2価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基又はフッ素置換された炭素数1〜8の炭化水素基で置換されていてもよい、炭素数4〜40の2価の有機基であり、より好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基又はフッ素置換された炭素数1〜8の炭化水素基で置換されていてもよい、環状構造を有する炭素数4〜40の2価の有機基を表す。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられる。Zの有機基として、後述する式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基及び炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示され、Zのヘテロ環構造としてはチオフェン環骨格を有する基が例示され、透明樹脂フィルムのYI値を低減しやすい観点から、好ましくは式(20)〜式(28)で表される基、及び、チオフェン環骨格を有する基が例示される。
Zの有機基としては、式(20’)、式(21’)、式(22’)、式(23’)、式(24’)、式(25’)、式(26’)、式(27’)、式(28’)及び式(29’):
Figure 0006735892
[式(20’)〜式(29’)中、W及び*は、式(20)〜式(29)において定義する通りである]
で表される2価の有機基がより好ましい。なお、式(20)〜式(29)及び式(20’)〜式(29’)における環上の水素原子は、炭素数1〜8の炭化水素基、フッ素置換された炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フッ素置換された炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい。
ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂が、式(2)中のZが上記の式(20’)〜式(29’)のいずれかで表される構成単位を有する場合、中でも式(2)中のZが後述する式(3a)で表される構成単位を有する場合、ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂は、該構成単位に加えて、次の式(d1):
Figure 0006735892
[式(d1)中、R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R25は、R24又は−C(=O)−*を表し、*は結合手を表す]
で表されるカルボン酸由来の構成単位をさらに有することが、ワニスの成膜性を高めやすく、光学フィルムの均一性を得やすい観点から好ましい。
24において、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数6〜12のアリール基としては、それぞれ、式(3)における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基として例示のものが挙げられる。構成単位(d1)としては、具体的には、R24及びR25がいずれも水素原子である構成単位(ジカルボン酸化合物に由来する構成単位)、R24がいずれも水素原子であり、R25が−C(=O)−*を表す構成単位(トリカルボン酸化合物に由来する構成単位)等が挙げられる。
本発明におけるポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂は、式(2)中のZとして複数種のZを含んでよく、複数種のZは、互いに同一であっても異なっていてもよい。特に、本発明における樹脂の光学特性、弾性率及び耐屈曲性を高めやすい観点から、式(2)中のZが好ましくは式(3a):
Figure 0006735892
[式(3a)中、R及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R及びRに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、A、m及び*は、それぞれ式(3)中のA、m及び*と同じであり、tは0〜4の整数であり、uは0〜4の整数である]
で表され、より好ましくは式(3):
Figure 0006735892
[式(3)中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Aは、互いに独立に、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−S−、−CO−又は−N(R)−を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、
mは0〜4の整数であり、
*は結合手を表す]
で表されることが好ましい。
式(3a)において、各ベンゼン環の結合手は、−A−を基準に、オルト位、メタ位又はパラ位のいずれに結合していてもよく、好ましくはメタ位又はパラ位に結合していてもよい。式(3a)中のR及びRは、互いに独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。式(3a)中のt及びuは0であることが好ましいが、t及び/又はuが1以上である場合、R及びRは、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表す。式(3a)中のR及びRにおいて、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基及び炭素数6〜12のアリール基としては、それぞれ、式(3)におけるハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基として例示のものが挙げられる。
式(3a)中のt及びuは、互いに独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらにより好ましくは0である。
式(3)及び式(3a)において、Aは、互いに独立に、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−S−、−CO−又は−N(R)−を表し、透明樹脂フィルムの耐屈曲性の観点から、好ましくは−O−又は−S−を表し、より好ましくは−O−を表す。
式(3)において、R、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチル−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチル−プロピル基及びn−ヘキシル基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。透明樹脂フィルムの表面硬度及び柔軟性の観点から、R〜Rは、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子を表す。ここで、R〜Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチル−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチル−プロピル基、n−ヘキシル、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられ、これらはハロゲン原子で置換されていてもよい。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。本発明の一実施態様であるポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂は、複数種のAを含み得、複数種のAは、同一であっても異なっていてもよい。
式(3)及び式(3a)において、mは、0〜4の範囲の整数であり、mがこの範囲内であると、透明樹脂フィルムの耐屈曲性や弾性率が良好になりやすい。また、式(3)及び式(3a)において、mは、好ましくは0〜3の範囲の整数、より好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1、さらにより好ましくは0である。mがこの範囲内であると、透明樹脂フィルムの耐屈曲性や弾性率を向上させやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。mが0である式(3)又は式(3a)で表される構造を含む構成単位は、例えばテレフタル酸又はイソフタル酸に由来する構成単位であり、該構成単位は、式(3)又は式(3a)中のmが0及びuが0である構造を含む構成単位であることが好ましい。また、ポリアミド系樹脂及びポリイミド系樹脂は、Zとして、式(3)又は式(3a)で表される構造を1種又は2種類以上含んでいてもよく、透明樹脂フィルムの弾性率及び耐屈曲性の向上、YI値低減の観点から、mの値が異なる2種類以上の構造、好ましくはmの値の異なる2種類の構造を含んでいてもよい。その場合、透明樹脂フィルムの弾性率や耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点、並びに、透明樹脂フィルムのYI値を低減しやすい観点から、樹脂がZにおいて、mが0である式(3)で表される構造を含有することが好ましく、該構造に加えてmが1である式(3)で表される構造をさらに含有することがより好ましい。
本発明の好適な実施態様においては、樹脂は、式(2)中のZが、m=0であり、かつu=0である式(3)又は式(3a)で表される構成単位を含み、本発明のより好ましい一実施形態においては、樹脂は、式(2)中のZが、m=0であり、かつR〜Rが水素原子である式(3)で表される構成単位を含む。より好ましい本発明の一実施形態において、樹脂は、式(2)中のZが、m=0であり、かつR〜Rが水素原子である式(3)で表される構成単位と、式(2)中のZが、式(3’):
Figure 0006735892
で表される構成単位を有する。この場合、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を向上させやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすいと共に、YI値を低減しやすい。
透明樹脂フィルムがポリアミドイミド樹脂を含む本発明の好ましい一実施形態において、式(2)中のZが式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合は、ポリアミドイミド樹脂の式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位の合計に対して、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上、さらにより好ましくは50モル%以上、とりわけ好ましくは60モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下である。式(2)中のZが式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合が上記の下限以上であると、透明樹脂フィルムの表面硬度を高めやすく、かつ耐屈曲性や弾性率を高めやすいため、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。式(2)中のZが式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合が上記の上限以下であると、式(3)又は式(3a)で表される構造由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。
また、ポリアミドイミド樹脂が式(2)中のZが、m=1〜4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位を有する場合、該構成単位の割合は、ポリアミドイミド樹脂の式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位の合計に対して、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは7モル%以上、さらにより好ましくは9モル%以上であり、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下、さらにより好ましくは15モル%以下である。式(2)中のZがmが1〜4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合が上記の下限以上であると、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。式(2)中のZがmが1〜4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合が上記の上限以下であると、式(3)又は式(3a)由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。なお、式(1)、式(2)、式(2)中のZが式(3)又は式(3a)で表される構成単位の含有量は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい一実施形態において、上記ポリアミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂中のZの、好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは45モル%以上、さらにより好ましくは50モル%以上が、mが0〜4である式(3)又は式(3a)で表される。Zの上記の下限以上が、mが0〜4である式(3)又は式(3a)で表されると、透明樹脂フィルムの表面硬度を高めやすいと共に、耐屈曲性及び弾性率も高めやすいため、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。また、ポリアミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂中のZの100モル%以下が、mが0〜4である式(3)又は式(3a)で表されればよい。なお、樹脂中の、式(2)中のZがmが0〜4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい一実施形態において、上記ポリアミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂中のZの、好ましくは5モル%以上、より好ましくは8モル%以上、さらに好ましくは10モル%以上、さらにより好ましくは12モル%以上が、mが1〜4である式(3)又は式(3a)で表される。ポリアミドイミド樹脂のZの上記の下限以上が、mが1〜4である式(3又は式(3a))で表されると、透明樹脂フィルムの表面硬度を高めやすく、かつ耐屈曲性及び弾性率を高めやすいため、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。また、Zの、好ましくは90モル%以下、より好ましくは70モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下、さらにより好ましくは30モル%以下が、mが1〜4である式(3)又は式(3a)で表されることが好ましい。Zの上記の上限以下が、mが1〜4である式(3)で表されると、mが1〜4である式(3)又は式(3a)由来のアミド結合間水素結合による樹脂含有ワニスの粘度上昇を抑制し、フィルムの加工性を向上しやすい。なお樹脂中のmが1〜4である式(3)又は式(3a)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
式(1)及び式(2)において、Xは、互いに独立に、2価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基、より好ましくは環状構造を有する炭素数4〜40の2価の有機基を表す。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられる。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。本発明の一実施形態において、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂は、複数種のXを含み得、複数種のXは、同一であっても異なっていてもよい。Xとしては、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)及び式(18)で表される基;それらの式(10)〜式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 0006735892
式(10)〜式(18)中、
*は結合手を表し、
、V及びVは、互いに独立に、単結合、−O−、−S−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−CO−又は−N(Q)−を表す。ここで、Qはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、Rについて上記に述べた基が挙げられる。
1つの例は、V及びVが単結合、−O−又は−S−であり、かつ、Vが−CH−、−C(CH−、−C(CF−又は−SO−である。VとVとの各環に対する結合位置、及び、VとVとの各環に対する結合位置は、互いに独立に、各環に対して好ましくはメタ位又はパラ位であり、より好ましくはパラ位である。ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基としては、式(3)において上記に例示のものが挙げられる。
式(10)〜式(18)で表される基の中でも、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点から、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)及び式(17)で表される基が好ましく、式(14)、式(15)及び式(16)で表される基がより好ましい。また、V、V及びVは、透明樹脂フィルムの表面硬度及び柔軟性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点から、互いに独立に、好ましくは単結合、−O−又は−S−、より好ましくは単結合又は−O−である。
本発明の好ましい一実施形態において、式(1)及び式(2)中の複数のXの少なくとも一部は、式(4):
Figure 0006735892
[式(4)中、R10〜R17は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R10〜R17に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
で表される。式(1)及び式(2)で表される複数の構成単位中の複数のXの少なくとも一部が式(4)で表される基であると、透明樹脂フィルムの表面硬度及び透明性を高めやすい。
式(4)において、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基としては、式(3)における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基として例示のものが挙げられる。R10〜R17は、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R10〜R17に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R10〜R17は、互いに独立に、透明樹脂フィルムの表面硬度、透明性及び耐屈曲性の観点から、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、さらにより好ましくはR10、R12、R13、R14、R15及びR16が水素原子、R11及びR17が水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、とりわけ好ましくはR11及びR17がメチル基又はトリフルオロメチル基である。
本発明の好ましい一実施形態において、式(4)で表される構成単位は式(4’):
Figure 0006735892
で表される構成単位であり、すなわち、式(1)及び式(2)で表される複数の構成単位中の複数のXの少なくとも一部は、式(4’)で表される構成単位である。この場合、フッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの保管安定性を向上しやすいと共に、該ワニスの粘度を低減しやすく、透明樹脂フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、透明樹脂フィルムの光学特性を向上しやすい。
本発明の好ましい一実施形態において、上記ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂中のXの、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が式(4)、中でも式(4’)で表される。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂における上記範囲内のXが式(4)、中でも式(4’)で表されると、得られる透明樹脂フィルムは、フッ素元素を含有する骨格により樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの保管安定性を向上しやすいと共に、該ワニスの粘度を低減しやすく、透明樹脂フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、透明樹脂フィルムの光学特性も向上しやすい。なお、好ましくは、上記ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂中のXの100モル%以下が式(4)、中でも式(4’)で表される。上記樹脂中のXは式(4)、中でも式(4’)であってもよい。上記樹脂中のXの式(4)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
式(1)において、Yは、4価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の4価の有機基を表し、より好ましくは環状構造を有する炭素数4〜40の4価の有機基を表す。環状構造としては、脂環、芳香環、ヘテロ環構造が挙げられる。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基であり、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。Yとしては、以下の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基;それらの式(20)〜式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 0006735892
式(20)〜式(29)中、
*は結合手を表し、
は、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−又は−Ar−SO−Ar−を表す。Arは、水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。
式(20)〜式(29)で表される基の中でも、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点から、式(26)、式(28)又は式(29)で表される基が好ましく、式(26)で表される基がより好ましい。また、Wは、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすいと共に、透明樹脂フィルムのYI値を低減しやすい観点から、互いに独立に、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−又は−C(CF−であることが好ましく、単結合、−O−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−又は−C(CF−であることがより好ましく、単結合、−C(CH−又は−C(CF−であることがさらに好ましい。
本発明の好ましい一実施形態において、式(1)で表される複数の構成単位中のYの少なくとも一部は、式(5):
Figure 0006735892
[式(5)中、R18〜R25は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R18〜R25に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
*は結合手を表す]
で表される。式(1)で表される複数の構成単位中のYの少なくとも一部が式(5)で表される基であると、ポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、ポリイミド系樹脂を含有するワニスの粘度を低減しやすく、透明樹脂フィルムの加工性を向上しやすい。また、透明樹脂フィルムの光学特性を向上しやすい。
式(5)において、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24及びR25は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基としては、式(3)における炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基として上記に例示のものが挙げられる。R18〜R25は、互いに独立に、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R18〜R25に含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R18〜R25は、互いに独立に、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点、及び透明性を高めやすいと共に、該透明性を維持しやすい観点から、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、さらにより好ましくはR18、R19、R20、R23、R24及びR25が水素原子、R21及びR22が水素原子、メチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、とりわけ好ましくはR21及びR22がメチル基又はトリフルオロメチル基である。
本発明の好ましい一実施形態においては、式(5)で表される構成単位は、式(5’):
Figure 0006735892
で表される基であり、すなわち、式(1)で表される複数の構成単位中の複数のYの少なくとも一部は、式(5’)で表される。この場合、フッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの保管安定性を向上しやすいと共に、該ワニスの粘度を低減しやすく、透明樹脂フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、透明樹脂フィルムの光学特性を向上しやすい。
本発明の好ましい一実施形態において、ポリイミド系樹脂中のYの、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上が、式(5)、中でも式(5’)で表される。ポリイミド系樹脂における上記範囲内のYが式(5)、中でも式(5’)で表されると、フッ素元素を含有する骨格によりポリイミド系樹脂の溶媒への溶解性を高め、該樹脂を含有するワニスの粘度を低減しやすく、透明樹脂フィルムの加工性を向上しやすい。また、フッ素元素を含有する骨格により、透明樹脂フィルムの光学特性を向上しやすい。なお、好ましくは、上記ポリイミド系樹脂中のYの100モル%以下が式(5)、中でも式(5’)で表される。ポリイミド系樹脂中のYは式(5)、中でも式(5’)であってもよい。ポリイミド系樹脂中のYが式(5)で表される式(1)で表される構成単位の割合は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
ポリイミド系樹脂は、式(1)及び式(2)で表される構成単位の他に、式(30)で表される構成単位及び/又は式(31)で表される構成単位を含むことができる。
Figure 0006735892
式(30)において、Yは4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基、それらの式(20)〜式(29)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基、並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(31)において、Yは3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、上記の式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)及び式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、及び3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、複数種のYを含み得、複数種のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(30)及び式(31)において、X及びXは、互いに独立に、2価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。X及びXとしては、上記の式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)、及び式(18)で表される基;それら式(10)〜式(18)で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
本発明の一実施形態において、ポリイミド系樹脂は、式(1)及び/又は式(2)で表される構成単位、並びに場合により式(30)及び/又は式(31)で表される構成単位からなる。また、透明樹脂フィルムの光学特性を高めやすいと共に、表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点から、上記ポリイミド系樹脂において、式(1)及び式(2)で表される構成単位は、式(1)及び式(2)、並びに場合により式(30)及び式(31)で表される全構成単位に基づいて、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。なお、ポリイミド系樹脂において、式(1)及び式(2)で表される構成単位は、式(1)及び式(2)、並びに場合により式(30)及び/又は式(31)で表される全構成単位に基づいて、通常100%以下である。なお、上記割合は、例えば、H−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の重量平均分子量は、透明樹脂フィルムの表面硬度及び耐屈曲性を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点から、標準ポリスチレン換算で、好ましくは230,000以上、より好ましくは250,000以上、さらに好ましくは270,000以上、さらにより好ましくは300,000以上である。また、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹の溶媒に対する溶解性を向上しやすいと共に、透明樹脂フィルムの延伸性及び加工性を向上しやすい観点から、該樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下、さらに好ましくは700,000以下、さらにより好ましくは500,000以下である。重量平均分子量は、例えばGPC測定を行い、標準ポリスチレン換算によって求めることができ、例えば実施例に記載の方法により算出してよい。
ポリアミドイミド樹脂において、式(2)で表される構成単位の含有量は、式(1)で表される構成単位1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.5モル以上、さらに好ましくは1.0モル以上、さらにより好ましくは1.5モル以上であり、好ましくは6.0モル以下、より好ましくは5.0モル以下、さらに好ましくは4.5モル以下である。式(2)で表される構成単位の含有量が上記の下限以上であると、透明樹脂フィルムの表面硬度を高めやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。また、式(2)で表される構成単位の含有量が上記の上限以下であると、式(2)中のアミド結合間の水素結合による増粘を抑制し、透明樹脂フィルムの加工性を向上させやすい。
本発明の好ましい一実施形態において、透明樹脂フィルムに含まれるポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂は、例えば上記の含フッ素置換基等によって導入することができる、フッ素原子等のハロゲン原子を含んでよい。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂がハロゲン原子を含む場合、透明樹脂フィルムの弾性率を向上させ、かつYI値を低減させやすい。透明樹脂フィルムの弾性率が高いと、該フィルムにおけるキズ及びシワ等の発生を抑制しやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。また、透明樹脂フィルムのYI値が低いと、該フィルムの透明性及び視認性を向上させやすくなる。ハロゲン原子は、好ましくはフッ素原子である。ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂にフッ素原子を含有させるために好ましい含フッ素置換基としては、例えばフルオロ基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂におけるハロゲン原子の含有量は、ポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂の質量を基準として、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。ハロゲン原子の含有量が上記の下限以上であると、透明樹脂フィルムの弾性率をより向上させ、吸水率を下げ、YI値をより低減し、透明性及び視認性をより向上させやすい。ハロゲン原子の含有量が上記の上限以下であると、合成がしやすくなる。
ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂のイミド化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは96%以上である。透明樹脂フィルムの光学特性を高めやすい観点から、イミド化率が上記の下限以上であることが好ましい。また、イミド化率の上限は100%以下である。イミド化率は、ポリイミド樹脂又はポリアミドイミド樹脂中のテトラカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量の2倍の値に対する、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂中のイミド結合のモル量の割合を示す。なお、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂がトリカルボン酸化合物を含む場合には、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂中のテトラカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量の2倍の値と、トリカルボン酸化合物に由来する構成単位のモル量との合計に対する、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂中のイミド結合のモル量の割合を示す。また、イミド化率は、IR法、NMR法などにより求めることができる。
ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂は、市販品を使用してもよい。ポリイミド樹脂の市販品としては、例えば三菱瓦斯化学(株)製ネオプリム(登録商標)、河村産業(株)製KPI−MX300F等が挙げられる。
(樹脂の製造方法)
ポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸化合物及びジアミン化合物を主な原料として製造でき、ポリアミドイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物及びジアミン化合物を主な原料として製造でき、ポリアミド樹脂は、例えば、ジカルボン酸化合物及びジアミン化合物を主な原料として製造できる。ここで、ジカルボン酸化合物は少なくとも式(3”)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 0006735892
[式(3”)中、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、互いに独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、
Aは、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−、−S−、−CO−又は−N(R)−を表し、
は水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、
mは0〜4の整数であり、
31及びR32は、互いに独立に、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基又は塩素原子を表す。]
本発明の好ましい一実施形態において、ジカルボン酸化合物は、mが0である、式(3”)で表される化合物である。ジカルボン酸化合物として、mが0である式(3”)で表される化合物に加えて、Aが酸素原子である式(3”)で表される化合物を使用することがより好ましい。また、別の好ましい一実施形態においては、ジカルボン酸化合物は、R31、R32が塩素原子である、式(3”)で表される化合物である。また、ジアミン化合物に代えて、ジイソシアネート化合物を用いてもよい。
樹脂の製造に使用されるジアミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。この芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環である。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。
脂肪族ジアミンとしては、例えば、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミン、並びに1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン及び4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMBと記載することがある)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
芳香族ジアミンは、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルであり、より好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルである。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
上記ジアミン化合物の中でも、透明樹脂フィルムの高表面硬度、高透明性、高柔軟性、高屈曲耐性及び低着色性の観点からは、ビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上を用いることがより好ましく、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)を用いることがよりさらに好ましい。
樹脂の製造に用いられるテトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物等が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。テトラカルボン酸化合物は、二無水物の他、酸クロリド化合物等のテトラカルボン酸化合物類縁体であってもよい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDAと記載することがある)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられ、より好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物及び4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式又は非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル3,3’−4,4’−テトラカルボン酸二無水物及びこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組合せて用いてもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物の中でも、透明樹脂フィルムの高表面硬度、高透明性、高柔軟性、高屈曲耐性、及び低着色性の観点から、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、並びにこれらの混合物が好ましく、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、並びにこれらの混合物がより好ましく、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)がさらに好ましい。
樹脂の製造に用いられるジカルボン酸化合物としては、好ましくはテレフタル酸、4,4’−オキシビス安息香酸又はそれらの酸クロリド化合物が用いられる。テレフタル酸や4,4’−オキシビス安息香酸又はそれらの酸クロリド化合物に加えて、他のジカルボン酸化合物が用いられてもよい。他のジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、イソフタル酸;ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;3,3’−ビフェニルジカルボン酸;炭素数8以下である鎖式炭化水素、のジカルボン酸化合物及び2つの安息香酸が単結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−又はフェニレン基で連結された化合物並びに、それらの酸クロリド化合物が挙げられる。具体例としては、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)、テレフタロイルクロリドが好ましく、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)とテレフタロイルクロリドとを組合せて用いることがさらに好ましい。
なお、上記ポリイミド系樹脂は、透明樹脂フィルムの各種物性を損なわない範囲で、上記テトラカルボン酸化合物に加えて、テトラカルボン酸及びトリカルボン酸並びにそれらの無水物及び誘導体をさらに反応させたものであってもよい。
テトラカルボン酸としては、上記テトラカルボン酸化合物の無水物の水付加体が挙げられる。
トリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸及びそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、2種以上を組合せて用いてもよい。具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6−ナフタレントリカルボン酸−2,3−無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、−O−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−又はフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。
樹脂の製造において、ジアミン化合物、テトラカルボン酸化合物及び/又はジカルボン酸化合物の使用量は、所望とするポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂の各構成単位の比率に応じて適宜選択できる。
樹脂の製造において、ジアミン化合物、テトラカルボン酸化合物及びジカルボン酸化合物の反応温度は、特に限定されないが、例えば20〜200℃、好ましくは25〜100℃である。反応時間も特に限定されないが、例えば30分〜10時間程度である。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において反応を行ってよい。好ましい態様では、反応は、常圧及び/又は不活性ガス雰囲気下、撹拌しながら行う。また、反応は、反応に不活性な溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、反応に影響を与えない限り特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;クロロホルム及びクロロベンゼン等の塩素含有溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せなどが挙げられる。これらの中でも、溶解性の観点から、アミド系溶媒を好適に使用できる。
ポリイミド系樹脂の製造におけるイミド化工程では、イミド化触媒の存在下で、イミド化することができる。イミド化触媒としては、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン等の脂肪族アミン;N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピロリジン、N−ブチルピペリジン、及びN−プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);並びにピリジン、2−メチルピリジン(2−ピコリン)、3−メチルピリジン(3−ピコリン)、4−メチルピリジン(4−ピコリン)、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3,4−シクロペンテノピリジン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、及びイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。また、イミド化反応を促進しやすい観点から、イミド化触媒とともに、酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物は、イミド化反応に用いられる慣用の酸無水物等が挙げられ、その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸等の芳香族酸無水物などが挙げられる。
ポリイミド系樹脂及びポリアミド系樹脂は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段により分離精製して単離してもよく、好ましい態様では、透明ポリアミドイミド樹脂を含む反応液に、多量のメタノール等のアルコールを加え、樹脂を析出させ、濃縮、濾過、乾燥等を行うことにより単離することができる。
(添加剤)
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、フィラーを含んでよい。フィラーとしては、例えば有機粒子、無機粒子などが挙げられ、好ましくは無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物粒子、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物粒子などが挙げられる。フィラーは、透明樹脂フィルムの耐衝撃性を向上しやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい観点から、好ましくはシリカ粒子、ジルコニア粒子、アルミナ粒子であり、より好ましくはシリカ粒子である。これらのフィラーは単独又は2種以上を組合せて使用できる。
フィラー、好ましくはシリカ粒子の平均一次粒子径は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは15nm以上、さらにより好ましくは20nm以上であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは90nm以下、さらに好ましくは80nm以下、さらにより好ましくは70nm以下、とりわけ好ましくは60nm以下、とりわけより好ましくは50nm以下、とりわけさらに好ましくは40nm以下である。シリカ粒子の平均一次粒子径が上記範囲であると、シリカ粒子の凝集を抑制し、得られる透明樹脂フィルムの光学特性を向上しやすい。フィラーの平均一次粒子径は、BET法により測定できる。なお、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡の画像解析により、平均一次粒子径を測定してもよい。
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムがフィラー、好ましくはシリカ粒子を含有する場合、フィラーの含有量は、透明樹脂フィルム100質量部に対して、通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、さらにより好ましくは20質量部以上、とりわけ好ましくは30質量部以上であり、好ましくは60質量部以下である。フィラーの含有量が上記の下限以上であると、得られる透明樹脂フィルムの弾性率を向上しやすく、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムの傷付きを防止しやすい。また、フィラーの含有量が上記の上限以下であると、透明樹脂フィルムの光学特性を向上しやすい。
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。紫外線吸収剤は、樹脂材料の分野で紫外線吸収剤として通常用いられているものから、適宜選択することができる。紫外線吸収剤は、400nm以下の波長の光を吸収する化合物を含んでいてもよい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びトリアジン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。紫外線吸収剤は単独又は二種以上を組合せて使用できる。透明樹脂フィルムが紫外線吸収剤を含有することにより、樹脂の劣化が抑制されるため、得られる透明樹脂フィルムを画像表示装置等に適用した場合に視認性を高めることができる。本明細書において、「系化合物」とは、当該「系化合物」が付される化合物の誘導体を指す。例えば、「ベンゾフェノン系化合物」とは、母体骨格としてのベンゾフェノンと、ベンゾフェノンに結合している置換基とを有する化合物を指す。
透明樹脂フィルムが紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、透明樹脂フィルム100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは6質量部以下である。好適な含有量は用いる紫外線吸収剤により異なるが、400nmの光線透過率が20〜60%程度になるように紫外線吸収剤の含有量を調節すると、透明樹脂フィルムの耐光性が高められるとともに、透明性を高めやすい。
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、フィラー、紫外線吸収剤以外の他の添加剤をさらに含有していてもよい。他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、離型剤、安定剤、ブルーイング剤、難燃剤、pH調整剤、シリカ分散剤、滑剤、増粘剤、及びレベリング剤等が挙げられる。他の添加剤を含有する場合、その含有量は、透明樹脂フィルム100質量部に対して、好ましくは0.0005〜20質量部、より好ましくは0.01〜15質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部であってよい。
(透明樹脂フィルムの製造方法)
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば以下の工程:
(a)前記樹脂を含む液(以下、ワニスと記載することがある)を調製する工程(ワニス調製工程)、
(b)ワニスを支持材に塗布して塗膜を形成する工程である塗布工程、及び
(c)塗布された液(塗膜)を乾燥させて、透明樹脂フィルムを形成する工程である透明樹脂フィルム形成工程
を含む製造方法であってよい。
ワニス調製工程において、前記樹脂を溶媒に溶解し、必要に応じて、前記フィラー、紫外線吸収剤等の添加剤を添加して撹拌混合することによりワニスを調製する。なお、フィラーとしてシリカ粒子を用いる場合、シリカ粒子を含むシリカゾルの分散液を、前記樹脂が溶解可能な溶媒、例えば下記のワニスの調製に用いられる溶媒で置換したシリカゾルを樹脂に添加してもよい。
ワニスの調製に用いる溶媒は、前記樹脂を溶解可能であれば特に限定されない。かかる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;及びそれらの組合せが挙げられる。これらの中でも、アミド系溶媒又はラクトン系溶媒が好ましい。これらの溶媒は単独又は二種以上組合せて使用できる。また、ワニスには水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、非環状エステル系溶媒、エーテル系溶媒などが含まれてもよい。ワニスの固形分濃度は、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%、さらに好ましくは5〜15質量%である。
塗布工程において、公知の塗布方法により、支持材上にワニスを塗布して塗膜を形成する。公知の塗布方法としては、例えばワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法、流涎成形法等が挙げられる。
フィルム形成工程において、塗膜を乾燥し、支持材から剥離することによって、透明樹脂フィルムを形成することができる。剥離後にさらに透明樹脂フィルムを乾燥する工程を設けてもよい。塗膜の乾燥は、通常50〜350℃の温度にて行うことができる。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において塗膜の乾燥を行ってよい。
支持材の例としては、金属系であればSUS板、樹脂系であればPETフィルム、PENフィルム、他のポリイミド系樹脂又はポリアミド系樹脂フィルム、シクロオレフィン系ポリマー(COP)フィルム、アクリル系フィルム等が挙げられる。中でも、平滑性、耐熱性に優れる観点から、好ましくはPETフィルム、COPフィルム等が挙げられ、さらに透明樹脂フィルムとの密着性及びコストの観点から、より好ましくはPETフィルムが挙げられる。
(機能層)
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面には、1以上の機能層が積層されていてもよい。機能層としては、例えば紫外線吸収層、ハードコート層、プライマー層、ガスバリア層、粘着層、色相調整層、屈折率調整層などが挙げられる。機能層は単独又は二種以上を組合せて使用できる。
紫外線吸収層は、紫外線吸収の機能を有する層であり、例えば、紫外線硬化型の透明樹脂、電子線硬化型の透明樹脂、及び熱硬化型の透明樹脂から選ばれる主材と、この主材に分散した紫外線吸収剤とから構成される。
粘着層は、粘着性の機能を有する層であり、透明樹脂フィルムを他の部材に接着させる機能を有する。粘着層の形成材料としては、通常知られたものを用いることができる。例えば、熱硬化性樹脂組成物又は光硬化性樹脂組成物を用いることができる。この場合、事後的にエネルギーを供給することで樹脂組成物を高分子化し硬化させることができる。
粘着層は、感圧型接着剤(Pressure Sensitive Adhesive、PSA)と呼ばれる、押圧により対象物に貼着される層であってもよい。感圧型接着剤は、「常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着材に接着する物質」(JIS K 6800)である粘着剤であってもよく、「特定成分を保護被膜(マイクロカプセル)に内容し、適当な手段(圧力、熱等)によって被膜を破壊するまでは安定性を保持できる接着剤」(JIS K 6800)であるカプセル型接着剤であってもよい。
色相調整層は、色相調整の機能を有する層であり、透明樹脂フィルムを含む積層体を目的の色相に調整することができる層である。色相調整層は、例えば、樹脂及び着色剤を含有する層である。この着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、弁柄、チタニウムオキサイド系焼成顔料、群青、アルミン酸コバルト、及びカーボンブラック等の無機顔料;アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、アンスラキノン系化合物、ペリレン系化合物、イソインドリノン系化合物、フタロシアニン系化合物、キノフタロン系化合物、スレン系化合物、及びジケトピロロピロール系化合物等の有機顔料;硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等の体質顔料;並びに塩基性染料、酸性染料、及び媒染染料等の染料を挙げることができる。
屈折率調整層は、屈折率調整の機能を有する層であり、例えば透明樹脂フィルムとは異なる屈折率を有し、光学積層体に所定の屈折率を付与することができる層である。屈折率調整層は、例えば、適宜選択された樹脂、及び場合によりさらに顔料を含有する樹脂層であってもよいし、金属の薄膜であってもよい。屈折率を調整する顔料としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム及び酸化タンタルが挙げられる。該顔料の平均一次粒子径は、0.1μm以下であってもよい。顔料の平均一次粒子径を0.1μm以下とすることにより、屈折率調整層を透過する光の乱反射を防止し、透明度の低下を防止することができる。屈折率調整層に用いられる金属としては、例えば、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ケイ素、酸化インジウム、酸窒化チタン、窒化チタン、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等の金属酸化物又は金属窒化物が挙げられる。
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、単層であっても、積層体であってもよく、例えば上記のようにして製造される透明樹脂フィルムをそのまま使用してもよいし、さらに他のフィルムとの積層体として使用してもよい。本発明の好ましい一実施形態において、本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、耐衝撃性及び光学特性に優れるため、画像表示装置等における光学フィルムとして有用なフィルムである。
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、画像表示装置の前面板、中でもフレキシブルディスプレイの前面板(以下、ウィンドウフィルムと称することがある)として有用である。フレキシブルディスプレイは、例えば、フレキシブル機能層と、フレキシブル機能層に重ねられて前面板として機能する光学フィルムを有する。すなわち、フレキシブルディスプレイの前面板は、フレキシブル機能層の上の視認側に配置される。この前面板は、フレキシブル機能層を保護する機能を有する。
画像表示装置としては、テレビ、スマートフォン、携帯電話、カーナビゲーション、タブレットPC、携帯ゲーム機、電子ペーパー、インジケーター、掲示板、時計、及びスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス等が挙げられる。フレキシブルディスプレイとしては、フレキシブル特性を有する画像表示装置全てである。
<保護フィルム>
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムには、保護フィルムが積層されていてもよい。保護フィルムは、透明樹脂フィルムの片面又は両面に積層されていてもよい。透明樹脂フィルムの片面に機能層が形成されている場合には、保護フィルムは、透明樹脂フィルム側の表面又は機能層側の表面に積層されていてよく、透明樹脂フィルム側と機能層側の両方の表面に積層されていてもよい。透明樹脂フィルムの両面に機能層が形成されている場合には、保護フィルムは、片方の機能層側の表面に積層されていてもよく、両方の機能層の表面に積層されていてもよい。保護フィルムは、透明樹脂フィルム又は機能層の表面を一時的に保護するためのフィルムであり、透明樹脂フィルム又は機能層の表面を保護できる剥離可能なフィルムである限り特に限定されない。保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂フィルム;ポリエチレン、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム及びアクリル系樹脂フィルムからなる群から選択されることが好ましい。場合により機能層が形成された透明樹脂フィルムに、保護フィルムが2つ積層されている場合、各保護フィルムは同一であっても異なっていてもよい。
保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、通常、10〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは10〜50μmである。場合により機能層が形成された透明樹脂フィルムに、保護フィルムが2つ積層されている場合、各保護フィルムの厚さは同一じであっても異なっていてもよい。
<フィルムロール>
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、巻芯に巻き取られたフィルムロールとして、本発明の梱包体に含まれていてもよい。巻芯を構成する材料は、特に限定されないが、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂;アルミニウム等の金属;繊維強化プラスチック(FRP:ガラス繊維等の繊維をプラスチックに含有させて強度を向上させた複合材料)等であってよい。巻芯の形状も特に限定されないが、円筒状又は円柱状の形状であることが好ましい。巻芯が円筒状又は円柱状である場合、その外径は、質量に対する耐久性及び取り扱い易さの両立の観点からは、好ましくは80〜200mm、より好ましくは100〜180mm、さらに好ましくは120〜170mmである。また、巻芯の長軸方向の長さは、梱包時の側面への傷付き防止や持ち運び易さの観点からは、巻き取る透明樹脂フィルムの幅方向の長さの好ましくは1.1〜2.0倍、より好ましくは1.2〜1.8倍、さらに好ましくは1.3〜1.6倍である。
本発明の一実施形態において、フィルムロールは、透明樹脂フィルムの製造工程において、透明樹脂フィルムから支持材を剥離せず、支持材、透明樹脂フィルムならびに任意に機能層及び保護フィルムを有する積層体が、巻芯にロール状に巻回された形態を有していてもよい。
フィルムロールは、上記のような巻芯に、透明樹脂フィルムを巻き取ったロールである。巻芯に巻き取られた透明樹脂フィルムの長手方向の長さである巻長は、特に限定されないが、例えば、フィルムロールの巻取り後の直径が、200〜800mm、好ましくは250〜700mm、より好ましくは300〜600mmである。透明樹脂フィルムの幅方向の長さは、特に限定されないが、例えば200〜2,000mm、好ましくは500〜1,500mm、より好ましくは700〜1,200mmである。
<フィルム片>
本発明の梱包体に含まれる透明樹脂フィルムは、所望の形状に切断されたフィルム片であってもよい。透明樹脂フィルムがフィルム片である場合、本発明の梱包体は、1枚のフィルム片を含んでいてもよいし、2枚以上の複数のフィルム片を含んでいてもよい。フィルム片の形状及び大きさは特に限定されず、透明樹脂フィルムの用途に応じて適宜設定してよい。
<防湿性フィルム>
本発明の梱包体は、梱包フィルムで梱包された透明樹脂フィルムをさらに外側から梱包する防湿性フィルムをさらに含んでいてもよい。防湿性フィルムの透湿度は、防湿性を有する限り特に限定されないが、好ましくは5.0g/m・24時間以下、より好ましくは3.0g/m・24時間以下である。このような防湿性フィルムとしては、例えば金属蒸着フィルム、金属ラミネートフィルム又は金属箔が挙げられる。かかる金属としては、アルミニウムが挙げられる。透明樹脂フィルムを梱包フィルムで梱包後、さらに防湿フィルムで梱包することにより、透明樹脂フィルムの変性を抑制することができる。
<梱包体>
本発明の梱包体において、透明樹脂フィルムは梱包フィルムに梱包されている。透明樹脂フィルムが梱包フィルムに梱包されているとは、透明樹脂フィルムが少なくとも一部において梱包フィルムと接触した状態で、梱包フィルムに覆われていることを表す。梱包は、1枚の梱包フィルムで梱包して行ってもよいし、2枚以上の梱包フィルムを重ねて行ってもよいし、少なくとも1枚の梱包フィルムで梱包した後、さらに少なくとも1枚の梱包フィルムで梱包して行ってもよい。梱包方法は特に限定されないが、例えば透明樹脂フィルムが巻芯に巻き取られたフィルムロールの形態である場合、透明樹脂フィルムのロールの上から、さらに梱包フィルムを巻き付けて透明樹脂フィルムを覆った後、梱包フィルムの端部を必要に応じて粘着テープ等で貼り合せて固定してもよいし、透明樹脂フィルムのロールを袋状の梱包フィルムに入れ、必要に応じて開口部を閉じることにより梱包してもよい。透明樹脂フィルムが所望の形状に切断されたフィルム片である場合、1枚又は複数枚のフィルム片を梱包フィルムで包むことにより梱包してもよいし、袋状の梱包フィルムに入れ、必要に応じて開口部を閉じることにより梱包してもよい。なお、市販されている種々の用途のフィルムについて静摩擦係数A等を測定し、上記本発明で特定する範囲内の静摩擦係数Aを有するフィルムを、該静摩擦係数Aを有する面が透明樹脂フィルムと接する面となるようにして、本発明の梱包体における梱包フィルムとして採用してもよい。
<実施形態>
次に、本発明を以下の実施形態により詳細に説明する。なお、以下において、図面に表された構成を説明するうえで、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語及びそれらを含む別の用語を使用するが、それらの用語を使用する目的は図面を通じて実施形態の理解を容易にすることである。したがって、それらの用語は本発明の実施形態が実際に使用されるときの方向を示すものとは限らないし、それらの用語によって特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲は何ら限定されない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の梱包体を図1及び図2に示す。本実施形態の梱包体は、図1及び図2に示すように、透明樹脂フィルム1と、該透明樹脂フィルムを梱包する梱包フィルム2とを含む梱包体5であり、梱包フィルム2における透明樹脂フィルムと接する面の静摩擦係数が、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して0.14以下である。図1及び図2に示す第一実施形態において、透明樹脂フィルム1は、巻芯3に巻き取られたフィルムロールとして、梱包体5に含まれている。梱包フィルム2の巻芯3と接する部分の端部(図1及び図2中の左右の端部)は、梱包フィルムを巻き付けた状態では開口している開口部が、粘着テープ4bを巻き付けることによって閉じられている。また、梱包フィルム2の巻き終わり部分の端部2aが図中のフィルムロール上に水平方向に存在する。当該端部2aにおいては、梱包フィルム2の一方の面と他方の面とが接している。当該端部2aも、例えば粘着テープ等(例えば粘着テープ4a)を用いて貼り合せてもよいし、端部2aにおいて、例えば梱包フィルム2の一方の面と他方の面との静摩擦係数が所定の値以上であり、これらの面が十分な密着性を有する場合には、粘着テープ等を用いて貼り合せなくてもよい。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の梱包体を、図3に示す。本実施形態の梱包体は、図3に示すように、透明樹脂フィルム1は、梱包フィルム2で梱包した後、さらに別の梱包フィルム2で梱包されている。ここで、第1実施形態と同様に、梱包フィルム2における透明樹脂フィルムと接する面の静摩擦係数が、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して0.14以下である。梱包フィルム2で梱包された透明樹脂フィルム1は、さらに、防湿性フィルム6で梱包されている。防湿性フィルムの左右の端部は、第1実施形態と同様に、粘着テープ4bで閉じられている。図3に示す第2実施形態において、梱包フィルム2の枚数は2枚であるが、該枚数は少なくとも1枚であれば特に限定されない。また、本実施形態の梱包体5は、防湿性フィルム6を含むが、防湿性フィルム6は任意のフィルムである。また、梱包体5は、その他の機能を有するフィルムを含んでいてもよい。梱包フィルム2及び防湿フィルム6の左右の端部は、粘着テープ4bで固定してもよいし、その他の方法で固定してもよいし、固定しなくてもよい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の梱包体を、図4及び図5に示す。本発明の第3実施形態の梱包体は、図4及び図5に示すように、透明樹脂フィルム1と、該透明樹脂フィルム1を梱包する梱包フィルム2とを含む梱包体5であり、梱包フィルム2における透明樹脂フィルムと接する面の静摩擦係数が、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して、0.14以下である。図4及び5に示す第3実施形態の梱包体5において、透明樹脂フィルム1は、袋状の梱包フィルム2内に挿入されている。なお、図4及び図5中では、複数枚の透明樹脂フィルム1が挿入されているが、梱包体5に含まれる透明樹脂フィルム1の枚数は特に限定されず、1枚であっても2枚以上であってもよい。
例えば袋状の梱包フィルム2の大きさを、透明樹脂フィルム1のサイズより大きくし、透明樹脂フィルム1が存在しない端部2cにおいて梱包フィルム2の一方の面と他方の面とが接するようにしてもよい。この場合、梱包フィルム2の一方の面と他方の面との静摩擦係数が所定の値以上であり、これらの面が十分な密着性を有する場合には、端部2cにおいて梱包フィルム同士がずれにくいため、梱包体5を輸送等する際に梱包フィルム2内で樹脂フィルム1が動くことを防止することができる。
袋状の梱包フィルム2は、透明樹脂フィルム1と接する側の面の静摩擦係数が前記範囲内である袋状に成形された梱包フィルムであってもよい。袋状の梱包フィルム2は、開口部を有していてよく、透明樹脂フィルム1を挿入後に該開口部を、市販されているシーラー等を用いて熱溶着、接着したり、粘着剤付きのテープやクリップで固定したりして、閉口部としてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部を意味する。まず測定方法及び評価方法について説明する。
<重量平均分子量>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定
(1)前処理方法
試料をγ−ブチロラクトン(GBL)に溶解させて20質量%溶液とした後、DMF溶離液にて100倍に希釈し、0.45μmメンブレンフィルターろ過したものを測定溶液とした。
(2)測定条件
カラム:TSKgel SuperAWM−H×2+SuperAW2500×1(6.0mm I.D.×150mm×3本)
溶離液:DMF(10mMの臭化リチウム添加)
流量:0.6mL/分
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:20μL
分子量標準:標準ポリスチレン
<シリカ粒子の粒子径>
実施例におけるシリカ粒子の平均一次粒子径はBET法で測定評価した。
<ヘーズ(Haze)>
JIS K 7136:2000に準拠して、透明樹脂フィルムを30mm×30mmの大きさにカットし、ヘーズコンピュータ(スガ試験機(株)製、「HGM−2DP」)を用いてヘーズ(%)を測定した。
<YI値>
透明樹脂フィルムのYI値を、日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計「V−670」を用いて測定した。サンプルがない状態でバックグランド測定を行った後、透明樹脂フィルムをサンプルホルダーにセットして、300〜800nmの光に対する透過率測定を行い、3刺激値(X、Y、Z)を求め、下記式に基づいてYI値を算出した。
YI=100×(1.2769X−1.0592Z)/Y
<全光線透過率(Tt)>
JIS K 7361−1:1997に準拠して、透明樹脂フィルムを30mm×30mmの大きさにカットし、ヘーズコンピュータ(スガ試験機(株)製、「HGM−2DP」)を用いて、透明樹脂フィルムの全光線透過率(%)を測定した。
<透明樹脂フィルムの厚さ>
透明樹脂フィルム及び梱包フィルムの厚さは、ABSデジマチックインジケーター((株)ミツトヨ製、「ID−C112BS」)を用いて測定した。
<透明樹脂フィルムの弾性率>
透明樹脂フィルムを、ダンベルカッターを用いて10mm×100mmの短冊状にカットし、サンプルを得た。このサンプルの弾性率を(株)島津製作所製の精密万能試験機、「オートグラフAG−IS」を用い、チャック間距離50mm、引張速度20mm/分の条件で応力−歪曲線(S−S曲線)を測定し、5〜20MPaの範囲の傾きから透明樹脂フィルムの弾性率(GPa)を算出した。
<NR0532−003に対する静摩擦係数及び動摩擦係数>
(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対する静摩擦係数(静摩擦係数A)及び動摩擦係数(動摩擦係数A)は、新東科学(株)製の表面性測定機TYPE:38を使用して測定した。具体的な測定方法を、図6を参照して説明する。まず、50mm×100mmの梱包フィルム2を測定試料とし、装置の測定台33に密着するように固定した。次に、該梱包フィルム2上に、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」(図6中、「ポリテトラフルオロエチレンフィルム31」と記載する。)を試料フォルダ32に固定し、ポリテトラフルオロエチレンフィルム31と梱包フィルム2とを1,000gf(9.8N)の荷重をかけて接触させた。次に、ポリテトラフルオロエチレンフィルム31を取り付けた試料フォルダ32を固定した状態で、梱包フィルム2を測定台33と共に図6中の矢印方向に水平に移動させ、以下の条件で静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
荷重変換機容量:1,000gf
垂直荷重:1,000gf(9.8N)
移動距離:12mm
移動速度:30mm/分
サンプリング速度:100Hz
測定時間:2.5秒
ポリテトラフルオロエチレンフィルム31と梱包フィルム2との接触面:直径10mmの円形
<梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数>
梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数(静摩擦係数B)は、上記静摩擦係数Aの測定方法において、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」(ポリテトラフルオロエチレンフィルム31)に代えて、梱包フィルム2を用い、梱包フィルム2の一方の面と他方の面とが1,000gfの荷重で接するようにして測定を行った。
<擦過試験>
擦過試験は、スチールウール試験機((株)大栄科学精器製作所製)を使用して行った。具体的な試験方法を図7〜図9を参照して説明する。まず、図7に示す透明樹脂フィルム試験試料40を作成した。具体的には、9cm×9cmのガラス板41に、4.5cm×9cmの透明樹脂フィルム1を置き、テープ42(スリーエムカンパニー製、スコッチ(登録商標)テープ)で、透明樹脂フィルムがガラス板に密着するように固定した。ここで、ガラス板41の透明樹脂フィルム1の載置面とは反対側の面の中央部に、サインペンで、観察位置を示すための1.0cm×1.0cmの正方形のマーキング43を記載した。次に、図8に示す梱包フィルム試験試料50を作成した。図8に、梱包フィルム試験試料50の上面図及び側面図を示す。具体的には、2.5cm×2.5cmの梱包フィルム2をガラス板51に両面テープ521で貼り付けた。また、ガラス板51の梱包フィルム2の載置面とは反対側の面にも、図9中のおもり61の底面に梱包フィルム試験試料50を固定するための両面テープ522を貼り付けた。
上記のようにして作製した透明樹脂フィルム試験試料40を、図9に示すように、透明樹脂フィルム1が上面となるように、測定装置の測定台62に固定した。次に、梱包フィルム試験試料50を、梱包フィルム2が下面となるように、おもり61(500g)の底面に貼り付け、透明樹脂フィルム1と梱包フィルム2とを、500gfの荷重をかけて接触させた。梱包フィルム試験試料50を貼り付けたおもり61を、図9中の矢印の方向に1往復/秒の速度で擦り合せた。なお、図9中の矢印の方向は、図7中の矢印の方向に相当し、1往復の移動距離は5cmであった。100往復ごとに、光学顕微鏡((株)キーエンス製、VHX−2000)を用いて30倍の倍率で、透明樹脂フィルム上のマーキング43内を観察し、傷の有無を確認し、次の1〜5の評価基準で評価し、2〜5は良好、1以下の評価は不良とした。
(擦過性評価)
5:500回の往復後に傷が確認されない。
4:400回の往復後には傷が確認されないが500回の往復後に傷が確認される。
3:300回の往復後には傷が確認されないが400回の往復後に傷が確認される。
2:200回の往復後には傷が確認されないが300回の往復後に傷が確認される。
1:100回の往復後には傷が確認されないが200回の往復後に傷が確認される。
0:100回の往復後に傷が確認される。
<表面抵抗率の測定>
抵抗率計((株)三菱化学アナリテック製,ハイレスタUP MCP−HT450型)を使用して、JIS K 6911に準拠して梱包フィルムの表面抵抗率(Ω/sq)を測定した。サンプルを50mm×50mmの大きさに切断し、得られたサンプルを23℃、60%RHの下に24時間放置した。その後、光学積層体の機能層側の表面抵抗率を測定した。なお、該装置の測定上限は1.0×1014Ω/sqである。
[製造例1:シリカゾルの調製]
メタノール分散シリカゾル(平均一次粒子径27nm、シリカ粒子固形分30.5%)100質量部に対し、GBL 68.1質量部を加え、真空エバポレータで45℃の湯浴下、400hPaで1時間、250hPaで1時間メタノールを蒸発させた。さらに250hPa下で70℃まで昇温して30分間加熱し、GBL分散シリカゾルを得た。得られたGBL分散シリカゾルの固形分濃度は28.9%であった。
[製造例2:ポリアミドイミドの調製]
撹拌機と温度計を備える反応容器を、窒素で置換し、10℃に冷却し、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)100質量部に対して、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を1708質量部加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)を42質量部添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)9.3質量部、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)38.4質量部をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン10.3質量部と無水酢酸29.0質量部とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミドを得た。得られたポリアミドイミドの重量平均分子量は、400,000であった。
[製造例3:ワニスの調製]
製造例2で得られたポリアミドイミドをGBLに溶解し、上記のGBL分散シリカゾルを加えて十分に混合することで、ポリアミドイミド/シリカ粒子混合ワニスを得た。ポリアミドイミドとシリカ粒子の比率は60:40であった。また、ポリアミドイミド/シリカ粒子濃度(ワニスの質量に対する樹脂とシリカ粒子の総質量)が10質量%となるように調製した。
[製造例4:フィルムロールの製造]
製造例3で得られたワニスを、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(東洋紡(株)製「コスモシャイン(登録商標)A4100」、厚さ188μm、厚さ分布±2μm)上において流涎成形により塗膜を成形した。この時、線速は0.3m/分であった。また、80℃で10分加熱した後、100℃で10分加熱し、次いで90℃で10分加熱し、最後に80℃で10分加熱するという条件で塗膜を乾燥した。その後、PETフィルムから塗膜を剥離し、幅700mm、厚さ58μmの原料フィルムを得た。
原料フィルム(フィルム幅700mm)を把持具としてクリップを用い、テンター式乾燥機を用いて200℃、12分加熱し、溶媒を除去し、厚さ49μmの透明樹脂フィルムを得た。透明樹脂フィルムをロール芯に巻き取り、長さ700mm、直径300mmのフィルムロールを得た。得られた透明樹脂フィルムのヘーズは0.2%、YI値は2.3、全光線透過率は91%、弾性率は7GPaであった。
次の表1に示す梱包フィルムA〜Gについて、上記方法に従い、静摩擦係数A、動摩擦係数A及び静摩擦係数Bを測定した。また、上記擦過試験における透明樹脂フィルムとして、製造例4で製造したフィルムロールから4.5cm×9cmの透明樹脂フィルムを切り出したフィルムを使用し、梱包フィルムとして、梱包フィルムA〜Gのそれぞれを使用し、擦過試験を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 0006735892

<密着性試験>
上記の梱包フィルムA〜Gについて、密着性試験を行った。具体的には、各梱包フィルムから、40mm×50mmの大きさの測定試料を2枚切り出し、それぞれの測定試料の両面をエタノールで拭いて乾燥させた。次に、切り出す前の梱包フィルムにおける一方の面と他方の面とが接するように、2枚の試料を重ね合せた。その際、互いの端が10mmずれるように、言い換えると2枚の試料が40mm×40mmの範囲で重なるように重ね合せた。重ねた試料を抑えて界面の空気を抜いた後、10cm×10cmの底面を有する660gの錘を、重ねた試料上に乗せて、1分間静置させた。錘を取り除いてからすぐに、2枚の試料のうち、上側の試料の、ずらした部分の端をピンセットで挟みゆっくりと持ち上げ、下側の試料も持ち上がった場合に良好(〇)とし、下側の試料が持ち上がらないか、持ち上がったもののすぐに剥がれて落ちた場合には不良(×)とした。梱包フィルムA〜Gについて上記の密着性試験を行った結果、梱包フィルムC〜Fは〇であり、梱包フィルムA、B及びGは×であった。
[実施例1]
幅950mm、厚さ50μmの梱包フィルムCを用いて、製造例4で得たフィルムロールを梱包した。具体的には、梱包フィルムCを、フィルムロールに、フィルムロールにおける透明樹脂フィルムの巻き方向と同方向で、フィルムロール全体が覆われるように、巻き付けた。その際、梱包フィルムの静摩擦係数Aが0.10の面が、フィルムロールの透明樹脂フィルムと接するように梱包した。次いで、梱包フィルムの両端部を巻芯にテープで固定し、フィルムロール梱包体を作製した。このフィルムロール梱包体を輸送した後、ロール表面、端面を確認したが、傷は見られなかった。
[実施例2]
前記梱包フィルムCと同等の静摩擦係数A、静摩擦係数B、動摩擦係数Aを示し、23℃、60%RHにおける表面のシート抵抗値が8.0×1010Ω/sqである梱包フィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法にてフィルムロール梱包体を作製した。このフィルムロール梱包体を輸送した後、ロール表面、端面を確認したが、傷は見られなかった。また、梱包時や開梱時に塵や埃の吸着はほとんど見られなかった。
表1に示すように、製造例4に記載する透明樹脂フィルムと、静摩擦係数Aが0.14以下である梱包フィルムA〜Eとは、擦過試験において透明樹脂フィルムの傷付きが少ないことが確認された。なお、製造例4に記載する透明樹脂フィルムと、静摩擦係数Aが0.14以下である梱包フィルムA〜Eの少なくとも1種とを含む梱包体は、本発明の梱包体に相当する。そして、製造例4に記載する透明樹脂フィルムと梱包フィルムCとを含む梱包体について輸送試験を行った結果、ロール表面や端部において、傷などが見られないことが確認された。したがって、これらの本発明の梱包体においては、透明樹脂フィルムと梱包フィルムとの摩擦による透明樹脂フィルムへの傷付きが抑制されるため、該梱包体を輸送、保管等する際に透明樹脂フィルムに傷が付きにくいといえる。これに対し、静摩擦係数Aが0.14を越える梱包フィルムF及びGについては、擦過試験において透明樹脂フィルム上に傷付きが生じることが確認された。したがって、製造例4に記載する透明樹脂フィルムと、静摩擦係数Aが0.14を越える梱包フィルムF又はGとを含む梱包体は、輸送時等に透明樹脂フィルムに傷付きが生じる可能性が高いといえる。
1 透明樹脂フィルム
2 梱包フィルム
2a〜2c 端部
3 巻芯
4a〜4b 粘着テープ
5 梱包体
6 防湿性フィルム
31 ポリテトラフルオロエチレンフィルム
32 試料フォルダ
33 測定台
41 ガラス板
42 テープ
43 マーキング
40 透明樹脂フィルム試験試料
51 ガラス板
521 両面テープ
522 両面テープ
50 梱包フィルム試験試料
61 おもり
62 測定台

Claims (7)

  1. ポリイミド系樹脂フィルム又はポリアミド系樹脂フィルムである、透明樹脂フィルムと、該透明樹脂フィルムを梱包する梱包フィルムとを含む梱包体であって、前記ポリイミド系樹脂は、式(1)で表される構成単位を有するポリイミド樹脂であるか、又は、式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位を有するポリアミドイミド樹脂であり、前記ポリアミド系樹脂は、式(2)で表される構成単位を有するポリアミド樹脂であり、
    Figure 0006735892
    [式(1)において、Yは、4価の有機基を表し、式(2)において、Zは、2価の有機基を表し、式(1)及び式(2)において、Xは、互いに独立に、2価の有機基を表す]
    前記梱包フィルムの前記透明樹脂フィルムと接する少なくとも1つの面における静摩擦係数は、(株)フロンケミカル製のポリテトラフルオロエチレンフィルム「NR0532−003」に対して測定して0.05以上0.13以下である、梱包体。
  2. 前記梱包フィルムの一方の面と他方の面との間の静摩擦係数は0.30以上である、請求項1に記載の梱包体。
  3. 梱包フィルムが帯電防止機能を有する、請求項1又は2に記載の梱包体。
  4. 透明樹脂フィルムの弾性率は3GPa以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の梱包体。
  5. 透明樹脂フィルムを、巻芯に巻き取られたフィルムロールとして含む、請求項1〜のいずれかに記載の梱包体。
  6. 梱包フィルムで梱包された透明樹脂フィルムをさらに梱包する防湿性フィルムをさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の梱包体。
  7. 防湿性フィルムは金属蒸着フィルム、金属ラミネートフィルム又は金属箔である、請求項に記載の梱包体。
JP2019209814A 2018-12-13 2019-11-20 梱包体 Active JP6735892B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018233448 2018-12-13
JP2018233448 2018-12-13

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020120612A Division JP2020175958A (ja) 2018-12-13 2020-07-14 梱包体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020097447A JP2020097447A (ja) 2020-06-25
JP6735892B2 true JP6735892B2 (ja) 2020-08-05

Family

ID=71106349

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019209814A Active JP6735892B2 (ja) 2018-12-13 2019-11-20 梱包体
JP2020120612A Withdrawn JP2020175958A (ja) 2018-12-13 2020-07-14 梱包体

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020120612A Withdrawn JP2020175958A (ja) 2018-12-13 2020-07-14 梱包体

Country Status (4)

Country Link
JP (2) JP6735892B2 (ja)
KR (1) KR20200073143A (ja)
CN (1) CN111319871A (ja)
TW (1) TW202035137A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022036728A (ja) 2020-08-24 2022-03-08 日東電工株式会社 フィルムロール梱包体およびその製造方法、ならびにロール体の保管方法
JP2023034866A (ja) * 2021-08-31 2023-03-13 株式会社クレハ ラップフィルム巻回体、収納容器、ラップフィルム巻回体入り収納容器の製造方法、および、収納容器の輸送方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08286001A (ja) * 1995-04-17 1996-11-01 Dainippon Printing Co Ltd ディスプレー表面保護用ハードコートフイルム
JP3775882B2 (ja) * 1996-03-11 2006-05-17 富士写真フイルム株式会社 ロール状ハロゲン化銀感光材料包装体
JP4146917B2 (ja) * 1997-10-03 2008-09-10 富士フイルム株式会社 感光性平版印刷版包装体及び感光性平版印刷版
JP2000229395A (ja) * 1999-02-12 2000-08-22 Toyobo Co Ltd 光学用易接着フィルム
JP2003320764A (ja) * 2002-02-27 2003-11-11 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 平版印刷版用合紙及びその製造方法
JP2003334911A (ja) * 2002-05-21 2003-11-25 Mitsubishi Polyester Film Copp ディスプレイ表面保護フィルム
JP2005028619A (ja) * 2003-07-08 2005-02-03 Ci Sanplus Kk 表面保護フィルム
JP2005129443A (ja) * 2003-10-27 2005-05-19 Teijin Dupont Films Japan Ltd 透明導電性積層体用フィルム
JP4866027B2 (ja) * 2005-07-04 2012-02-01 大日精化工業株式会社 光学用保護フィルム
JP2008094461A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Fujifilm Corp ロール状光学フィルムの包装方法及びその包装体
CN101468515B (zh) * 2007-12-27 2013-01-16 帝人化成株式会社 聚碳酸酯树脂制薄膜及其卷层体、以及制造方法
US20100000898A1 (en) * 2008-07-02 2010-01-07 Johannes Bohn Packaging assembly for printing plates
US9821923B2 (en) * 2010-11-04 2017-11-21 Georgia-Pacific Consumer Products Lp Method of packaging product units and a package of product units
JP2013227073A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Kuraray Co Ltd フィルムロールの包装体
KR102191080B1 (ko) * 2012-12-27 2020-12-15 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 감광성 수지 적층체 롤
JP2016016882A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 東レ・デュポン株式会社 ポリイミドフィルムロール包装体及びその製造方法
JP6844154B2 (ja) * 2015-09-04 2021-03-17 三菱ケミカル株式会社 包装体、ポリビニルアルコール系フィルムの保管または輸送方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜
WO2017164352A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 味の素株式会社 フィルムロール梱包体及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20200073143A (ko) 2020-06-23
CN111319871A (zh) 2020-06-23
TW202035137A (zh) 2020-10-01
JP2020175958A (ja) 2020-10-29
JP2020097447A (ja) 2020-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102475748B1 (ko) 폴리아미드이미드 수지 및 당해 폴리아미드이미드 수지를 포함하여 이루어지는 광학 부재
JP7164304B2 (ja) ポリイミド系フィルム及び積層体
JP6735892B2 (ja) 梱包体
JP2020019938A (ja) ポリアミドイミド樹脂
KR102102925B1 (ko) 수지 필름의 제조 방법 및 미소 흠집이 적은 수지 필름
JP2020076067A (ja) 光学フィルム
JP2020037675A (ja) 光学フィルム
KR20190125206A (ko) 광학 필름
JP6670967B1 (ja) 光学フィルム
JP6494845B1 (ja) 樹脂フィルムの製造方法
JP2020125463A (ja) 光学フィルム、フレキシブル表示装置、及び樹脂組成物
WO2020138046A1 (ja) 光学フィルム
CN111378130A (zh) 光学膜
CN113227209A (zh) 聚酰胺酰亚胺系树脂、光学膜及柔性显示装置
JP2020109155A (ja) 光学フィルム、フレキシブル表示装置及びポリアミドイミド系樹脂
JP2023132813A (ja) ポリイミド系フィルムの製造方法
JP2023133098A (ja) ポリイミド系樹脂を含むフィルム、積層体およびフレキシブル表示装置
JP2023133097A (ja) ポリイミド系樹脂を含むフィルム、積層体およびフレキシブル表示装置
JP2023083243A (ja) フィルム及びフレキシブル表示装置
CN116731515A (zh) 包含聚酰亚胺系树脂的膜、层叠体及柔性显示装置
KR20230133774A (ko) 폴리이미드계 수지를 포함하는 필름, 적층체 및 플렉시블 표시 장치
KR20230133773A (ko) 폴리이미드계 수지를 포함하는 필름, 적층체 및 플렉시블 표시 장치
WO2024024570A1 (ja) ポリイミド系フィルム
CN116731514A (zh) 包含聚酰亚胺系树脂的膜、层叠体及柔性显示装置
WO2020138041A1 (ja) 光学フィルム、フレキシブル表示装置及びポリアミドイミド系樹脂

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191120

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191120

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20191202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6735892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350