JP6734801B2 - 固体電解質含有シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

固体電解質含有シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解質含有シートの製造方法および全固体二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、負極と、正極と、負極及び正極の間に挟まれた電解質とを有し、両極間にリチウムイオンを往復移動させることにより充放電を可能とした蓄電池である。リチウムイオン二次電池には、従来、電解質として有機電解液が用いられてきた。しかし、有機電解液は液漏れを生じやすく、また、過充電または過放電により電池内部で短絡が生じ発火するおそれもあり、安全性と信頼性のさらなる向上が求められている。
このような状況下、有機電解液に代えて、無機固体電解質を用いた全固体二次電池が注目されている。全固体二次電池は負極、電解質および正極のすべてが固体からなり、有機電解液を用いた電池の課題とされる安全性ないし信頼性を大きく改善することができ、また長寿命化も可能になるとされる。さらに、全固体二次電池は、電極と電解質を直接並べて直列に配した構造とすることができる。そのため、有機電解液を用いた二次電池に比べてエネルギーの高密度化が可能となるので、電気自動車や大型蓄電池等への応用が期待されている。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン電池として全固体二次電池の実用化に向けた研究開発が活発に進められており、全固体二次電池の性能向上のための技術が多数報告されるようになってきた。例えば、特許文献1には、平均粒子径の異なる2種類の固体電解質粒子を固体電解質層に有することにより、イオン伝導抵抗が低く、高充填率の固体電解質層を有する全固体二次電池を提供できることが開示されている。
特開2013−157084号公報
上記特許文献1記載の全固体二次電池は、イオン伝導抵抗の抑制及び固体電解質層における固体電解質粒子の充填率の向上には一定の効果を示すと考えられる。しかし、平均粒子径の異なる2種類の固体電解質粒子の単なる混合物を固体電解質層としているため、膜強度及び短絡の抑制が不十分である。
本発明は、膜強度及びイオン伝導性に優れ、全固体二次電池に用いることで短絡を抑制することができる固体電解質含有シートを得ることができる、固体電解質含有シートの製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、膜強度に優れた固体電解質層を有し、イオン伝導性に優れ、短絡しにくい全固体二次電池を得ることができる、全固体二次電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、異なる2種類以上の平均粒子径の無機固体電解質粒子と、バインダーとを原料として用い、特定の工程を含む固体電解質含有シートの製造方法により得られる固体電解質含有シートが、膜強度及びイオン伝導性に優れ、全固体二次電池において短絡を抑制することができることを見出した。本発明はこの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>
下記工程(1)及び(2)を含む固体電解質含有シートの製造方法。
工程(1):
下記式(I)を満たす混合量で、無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合する工程、
工程(2):
下記式(I)を満たす混合量で、工程(1)で得た混合物と、無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径よりも平均粒子径の小さな無機固体電解質粒子(B)と、下記式(I)を満たすバインダー(D)とを混合する工程。
式(I):
無機固体電解質粒子(A)の混合量/バインダー(C)の混合量<無機固体電解質粒子(B)の混合量/バインダー(D)の混合量
ただし、工程(1)において無機固体電解質粒子(A)の混合量とバインダー(C)の混合量との合計に占めるバインダー(C)の混合量の割合は0.3〜10質量%であり、前記工程(2)におけるバインダー(D)の混合量は工程(1)におけるバインダー(C)の混合量未満である。
合量の単位は、質量部である。
<2>
分散媒(E)中で、工程(1)を行う<1>に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<3>
工程(2)が、工程(1)で得た分散液と無機固体電解質粒子(B)とバインダー(D)とを混合する工程である、<2>に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<4>
無機固体電解質粒子(B)が、無機固体電解質粒子(A)を微細化したものである<1>〜<3>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<5>
無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径が、1μm〜15μmである<1>〜<4>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<6>
無機固体電解質粒子(B)の平均粒子径が1μm未満である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<7>
工程(1)及び(2)を経て得た混合物を基材上に適用し、厚さが10μm〜100μmの固体電解質層を形成する工程を含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<8>
無機固体電解質粒子(A)及び/又は無機固体電解質粒子(B)が、硫化物系無機固体電解質粒子である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<9>
工程(1)において、無機固体電解質粒子(A)の混合量とバインダー(C)の混合量との合計に占めるバインダー(C)の混合量が、0.5〜5質量%である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<10>
工程(1)における無機固体電解質粒子(A)の混合量と、工程(2)における無機固体電解質粒子(B)の混合量との合計に占める、無機固体電解質粒子(B)の混合量が10〜50質量%である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<11>
バインダー(C)及び/又は(D)が、粒子状である<1>〜<10>のいずれか1つに記載の固体電解質含有シートの製造方法。
<12>
正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池の製造方法であって、固体電解質層を下記工程(1)及び(2)を経て形成することを含む、全固体二次電池の製造方法。
工程(1):
下記式(I)を満たす混合量で、無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合する工程、
工程(2):
下記式(I)を満たす混合量で、工程(1)で得た混合物と、無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径よりも平均粒子径の小さな無機固体電解質粒子(B)と、下記式(I)を満たすバインダー(D)とを混合する工程。
式(I):
無機固体電解質粒子(A)の混合量/バインダー(C)の混合量<無機固体電解質粒子(B)の混合量/バインダー(D)の混合量
ただし、工程(1)において無機固体電解質粒子(A)の混合量とバインダー(C)の混合量との合計に占めるバインダー(C)の混合量の割合は0.3〜10質量%であり、前記工程(2)におけるバインダー(D)の混合量は工程(1)におけるバインダー(C)の混合量未満である。
合量の単位は、質量部である。
<13>
工程(1)及び(2)を経て形成した固体電解質層を正極活物質層上及び/又は負極活物質層上に転写する工程を含む、<12>に記載の全固体電池二次電池の製造方法。
本発明の説明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の説明において、質量平均分子量は、特段の断りがない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(商品名、東ソー社製)を用い、カラムはG3000HXL+G2000HXL(いずれも商品名、東ソー社製)を用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。溶離液としては、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、m−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬社製)から選定することができ、溶解するものであればTHFを用いることとする。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法により、膜強度及びイオン伝導性に優れ、全固体二次電池に用いることで短絡を抑制することができる固体電解質含有シートを得ることができる。また、本発明の全固体二次電池の製造方法により、膜強度に優れた固体電解質層を有し、イオン伝導性に優れ、短絡しにくい全固体二次電池を得ることができる。
本発明の好ましい実施形態に係る固体電解質含有シートの製造方法により得た固体電解質含有シートを、固体電解質層として有する全固体二次電池を模式化して示す縦断面図である。
<好ましい実施形態>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る固体電解質含有シートの製造方法により得た固体電解質含有シートを、固体電解質層として有する全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、この順に有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。
正極活物質層4、固体電解質層3、負極活物質層2の厚さは特に限定されない。なお、一般的な電池の寸法を考慮すると、5〜1,000μmが好ましく、7μm以上300μm未満がより好ましい。本発明の固体電解質含有シートの製造方法により得た固体電解質含有シートを、固体電解質層として有する全固体二次電池においては、固体電解質層3の厚さが、10μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
<固体電解質含有シートの製造方法>
本発明の固体電解質含有シートの製造方法は、下記工程(1)及び(2)をこの順に含む。
工程(1):
無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合する工程、
工程(2):
工程(1)で得た混合物と、無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径よりも平均粒子径の小さな無機固体電解質粒子(B)と、下記式(I)を満たすバインダー(D)とを混合する工程。
式(I):
無機固体電解質粒子(A)の混合量/バインダー(C)の混合量<無機固体電解質粒子(B)の混合量/バインダー(D)の混合量
式中、混合量の単位は、質量部である。
工程(2)において、バインダー(D)の混合量は0質量部でもよい。すなわち、バインダー(D)を混合させなくてもよい。バインダー(D)が0質量部である場合、式(I)は必ず満たされるため、好ましい。なお、バインダー(D)が0質量部である場合、「無機固体電解質粒子(B)の混合量/バインダー(D)の混合量」は無限大と計算する。
無機固体電解質粒子(A)と無機固体電解質粒子(B)は、平均粒子径以外は、同じでも異なってもよく、同じことが好ましい。また、バインダー(C)とバインダー(D)は、同じでも異なってもよく、同じことが好ましい。
上記工程(1)と(2)の間に、本発明の効果を奏する限り、別の工程が行われてもよい。例えば、工程(1)の混合を湿式で行い、得られた混合物を乾燥させた後、工程(2)を乾式で行う場合の上記乾燥工程が挙げられる。また、無機固体電解質を分散媒(E)中で、破砕して平均粒子径を調整する工程が挙げられる。
また、本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、本発明の効果を奏する限り、無機固体電解質粒子(A)よりも、平均粒子径の大きい無機固体電解質粒子、無機固体電解質粒子(A)よりも平均粒子径が小さく、無機固体電解質粒子(B)よりも平均粒子径が大きい無機固体電解質粒子、無機固体電解質粒子(B)よりも平均粒子径が小さい無機固体電解質粒子を混合する工程を含んでもよい。
工程(1)において、無機固体電解質(B)よりも、平均粒子径の大きな無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合した後に、工程(2)において、無機固体電解質(B)を加えて混合することにより、本発明の固体電解質含有シートの製造方法により得られる固体電解質含有シート(以下、本発明の「固体電解質含有シート」とも称する。)において、無機固体電解質粒子(A)で固体電解質層の型を作ることができるため、少ないバインダーの含有量でもハンドリング可能な膜強度を有し、固体電解質層中の無機固体電解質粒子の充填度を大きくし、イオン伝導性に優れ、正負極間の短絡を抑制することができる。
上述のように、工程(2)において、工程(1)で得た混合物と、無機固体電解質粒子(B)とを混合する際、バインダー(D)を混合してもよく、バインダー(D)は下記式(I)を満たす。
式(I):
無機固体電解質粒子(A)の混合量/バインダー(C)の混合量<無機固体電解質粒子(B)の混合量/バインダー(D)の混合量
式中、混合量の単位は、質量部である。
バインダー(D)の混合量は、バインダー(C)の混合量未満であることが好ましい。なお、上述のように、工程(2)において、バインダー(D)を混合させなくてもよい。バインダー(D)の混合量が上記式(I)を満たさないと無機固体電解質粒子に対して必要以上にバインダー(D)が工程(2)で得られる混合物に含有されるため、固体電解質含有シートのイオン伝導度が低下してしまう。また、イオン伝導度を向上するためにバインダー量を少なくしすぎると、無機固体電解質粒子(A)同士の結着性、無機固体電解質粒子(B)同士の結着性、無機固体電解質粒子(A)と無機固体電解質粒子(B)との結着性がいずれも不足し、膜強度が低く、短絡が発生しやすくなる。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、工程(1)の混合は、湿式で行われても乾式で行われてもよいが、湿式で、すなわち、分散媒(E)中で行われることが好ましい。無機固体電解質の分散液をそのまま工程(2)に用いることができるため、固体電解質含有シートを安価な塗布方式で形成することができるからである。
なお、工程(1)及び(2)の混合は常法により行うことができる。
工程(1)の混合は、例えば、ボールミルを用いて、10〜100℃、回転数100〜500rpm、10〜360分の条件で行うことができる。
一方、工程(2)の混合は、例えば、ボールミルを用いて、10〜100℃、回転数100〜300rpm、5〜120分の条件で行うことができる。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法により、工程(1)及び(2)を経て得た混合物ないし固体電解質組成物を基材上(他の層を介していてもよい)ないし電極活物質層上に適用して、基材ないし電極活物質層上に固体電解質層を形成することにより、固体電解質含有シートを得ることができる。本発明の固体電解質含有シートの製造方法は、さらに、固体電解質含有シートを基材から剥し、固体電解質層材を固体電解質含有シートとして得ることもできる。
なお、本発明の固体電解質含有シートは、電池性能に影響を与えない範囲内で、上記層中に分散媒(E)を含有してもよく、好ましい含有量は、1ppm以上10000ppm以下である。
なお、本発明の固体電解質含有シートの上記層中の分散媒(E)の含有割合は、以下の方法で測定することができる。
固体電解質含有シートを20mm角で打ち抜き、ガラス瓶中でテトラヒドロフランに浸漬させる。得られた溶出物をシリンジフィルターでろ過してH−NMRにより定量操作を行う。H−NMRピーク面積と溶媒の量の相関性は検量線を作成して求める。
<全固体二次電池の製造方法>
本発明の全固体二次電池の製造方法は、正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池の製造方法であって、固体電解質層を下記工程(1)及び(2)を経て形成することを含む、全固体二次電池の製造方法。
工程(1):
無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合する工程、
工程(2):
工程(1)で得た混合物と、無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径よりも平均粒子径の小さな無機固体電解質粒子(B)と、下記式(I)を満たすバインダー(D)とを混合する工程。
式(I):
無機固体電解質粒子(A)の混合量/バインダー(C)の混合量<無機固体電解質粒子(B)の混合量/バインダー(D)の混合量
式中、混合量の単位は、質量部である。
上記本発明の全固体二次電池の製造方法において、正極活物質層及び負極活物質層は常法により形成することができる。以下、上述する。
例えば、正極集電体である金属箔上に、正極用材料(正極用組成物)として、正極活物質を含有する固体電解質組成物を塗布して正極活物質層を形成し、全固体二次電池用正極シートを作製する。次いで、この正極活物質層の上に、上記本発明の固体電解質含有シートの製造方法により得た固体電解質含有シートの固体電解質層を基材から剥して転写する。さらに、固体電解質層の上に、負極用材料(負極用組成物)として、負極活物質を含有する固体電解質組成物を塗布して、負極活物質層を形成する。負極活物質層の上に、負極集電体(金属箔)を重ねることにより、正極活物質層と負極活物質層の間に固体電解質層が挟まれた構造の全固体二次電池を得ることができる。必要によりこれを筐体に封入して所望の全固体二次電池とすることができる。
また、各層の形成方法を逆にして、負極集電体上に、負極活物質層、固体電解質層及び正極活物質層を形成し、正極集電体を重ねて、全固体二次電池を製造することもできる。
別の方法として、次の方法が挙げられる。すなわち、上記のようにして、全固体二次電池用正極シートを作製する。また、負極集電体である金属箔上に、負極用材料(負極用組成物)として、負極活物質を含有する固体電解質組成物を塗布して負極活物質層を形成し、全固体二次電池用負極シートを作製する。次いで、これらシートのいずれか一方または両方の活物質層の上に、上記のようにして、固体電解質層を形成する。さらに、固体電解質層の上に、全固体二次電池用正極シート及び全固体二次電池用負極シートの他方を、固体電解質層と活物質層とが接するように、または、固体電解質層同士が接するように積層する。このようにして、全固体二次電池を製造することができる。
また別の方法として、次の方法が挙げられる。すなわち、上記のようにして、全固体二次電池用正極シート及び全固体二次電池用負極シートを作製する。また、これとは別に、本発明の固体電解質含有シートの製造方法により、工程(1)及び(2)を経て得た混合物ないし固体電解質組成物を基材上に製膜して、固体電解質層からなる固体電解質含有シートを作製する。さらに、全固体二次電池用正極シート及び全固体二次電池用負極シートで、基材から剥がした固体電解質層を挟むように積層する。このようにして、全固体二次電池を製造することができる。
上記の形成法の組み合わせによっても全固体二次電池を製造することができる。例えば、上記のようにして、全固体二次電池用正極シート、全固体二次電池用負極シート及び固体電解質含有シートをそれぞれ作製する。次いで、全固体二次電池用負極シート上に、基材から剥がした固体電解質層を積層した後に、上記全固体二次電池用正極シートと張り合わせることで全固体二次電池を製造することができる。この方法において、固体電解質層を全固体二次電池用正極シートに積層し、全固体二次電池用負極シートと張り合わせることもできる。
(各層の形成(成膜))
混合物ないし固体電解質組成物の適用方法は、特に限定されず、適宜に選択できる。例えば、塗布(好ましくは湿式塗布)、スプレー塗布、スピンコート塗布、ディップコート、スリット塗布、ストライプ塗布およびバーコート塗布が挙げられる。
このとき、固体電解質組成物は、それぞれ塗布した後に乾燥処理を施してもよいし、重層塗布した後に乾燥処理をしてもよい。乾燥温度は特に限定されない。下限は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましい。このような温度範囲で加熱することで、分散媒(E)を除去し、固体状態にすることができる。また、温度を高くしすぎず、全固体二次電池の各部材を損傷せずに済むため好ましい。これにより、全固体二次電池において、優れた総合性能を示し、かつ良好な結着性を得ることができる。
混合物ないし固体電解質組成物を適用した後、又は、全固体二次電池を作製した後に、各層又は全固体二次電池を加圧することが好ましい。また、各層を積層した状態で加圧することも好ましい。加圧方法としては油圧シリンダープレス機等が挙げられる。加圧力としては、特に限定されず、一般的には50〜1500MPaの範囲であることが好ましく、100〜1000MPaがより好ましく、150〜700MPaがさらに好ましい。
また、適用した混合物ないし固体電解質組成物は、加圧と同時に加熱してもよい。加熱温度としては、特に限定されず、一般的には30〜300℃の範囲である。硫化物系無機固体電解質のガラス転移温度よりも高い温度でプレスすることもできる。
加圧は塗布溶媒又は分散媒をあらかじめ乾燥させた状態で行ってもよいし、溶媒又は分散媒が残存している状態で行ってもよい。
なお、混合物ないし各組成物は同時に塗布しても良いし、塗布乾燥プレスを同時および/または逐次行っても良い。別々の基材に塗布した後に、転写により積層してもよい。
加圧中の雰囲気としては、特に限定されず、大気下、乾燥空気下(露点−20℃以下)および不活性ガス中(例えばアルゴンガス中、ヘリウムガス中、窒素ガス中)などいずれでもよい。
プレス時間は短時間(例えば数時間以内)で高い圧力をかけてもよいし、長時間(1日以上)かけて中程度の圧力をかけてもよい。全固体二次電池用シート以外、例えば全固体二次電池の場合には、中程度の圧力をかけ続けるために、全固体二次電池の拘束具(ネジ締め圧等)を用いることもできる。
プレス圧はシート面等の被圧部に対して均一であっても異なる圧であってもよい。
プレス圧は被圧部の面積や膜厚に応じて変化させることができる。また同一部位を段階的に異なる圧力で変えることもできる。
プレス面は平滑であっても粗面化されていてもよい。
〔集電体(金属箔)〕
正極集電体5及び負極集電体1は、電子伝導体が好ましい。
本発明において、正極集電体及び負極集電体のいずれか、又は、両方を合わせて、単に、集電体と称することがある。
正極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンなどの他に、アルミニウムまたはステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの(薄膜を形成したもの)が好ましく、その中でも、アルミニウムおよびアルミニウム合金がより好ましい。
負極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンなどの他に、アルミニウム、銅、銅合金またはステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金およびステンレス鋼がより好ましい。
集電体の形状は、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
集電体の厚みは、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
本発明において、負極集電体、負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層及び正極集電体の各層の間又はその外側には、機能性の層や部材等を適宜介在ないし配設してもよい。また、各層は単層で構成されていても、複層で構成されていてもよい。
〔筐体〕
上記の各層を配置して全固体二次電池の基本構造を作製することができる。用途によってはこのまま全固体二次電池として使用してもよいが、乾電池の形態とするためにはさらに適当な筐体に封入して用いる。筐体は、金属性のものであっても、樹脂(プラスチック)製のものであってもよい。金属性のものを用いる場合には、例えば、アルミニウム合金およびステンレス鋼製のものを挙げることができる。金属性の筐体は、正極側の筐体と負極側の筐体に分けて、それぞれ正極集電体及び負極集電体と電気的に接続させることが好ましい。正極側の筐体と負極側の筐体とは、短絡防止用のガスケットを介して接合され、一体化されることが好ましい。
(初期化)
上記のようにして製造した全固体二次電池は、製造後又は使用前に初期化を行うことが好ましい。初期化は、特に限定されず、例えば、プレス圧を高めた状態で初充放電を行い、その後、全固体二次電池の一般使用圧力になるまで圧力を開放することにより、行うことができる。
次に、本発明の固体電解質含有シートの製造方法に用いられる各成分について説明する。
以下、本発明の固体電解質含有シートの製造方法に用いる各成分およびその混合量について説明する。なお、例えば、「無機固体電解質粒子(A)」を「無機固体電解質粒子」のように、本発明の固体電解質含有シートの製造方法に用いられる成分または用いられ得る成分を、符号を付さずに記載することがある。また、「無機固体電解質粒子」を「無機固体電解質」と称することもある。
(無機固体電解質(A)および(B))
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことである。主たるイオン伝導性材料として有機物を含むものではないことから、有機固体電解質(ポリエチレンオキシド(PEO)などに代表される高分子電解質、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、通常カチオンおよびアニオンに解離または遊離していない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
本発明において、無機固体電解質は、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有する。上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質は(i)硫化物系無機固体電解質と(ii)酸化物系無機固体電解質が代表例として挙げられる。本発明において、高いイオン伝導度が得られるため、硫化物系無機固体電解質が好ましく用いられる。すなわち、無機固体電解質粒子(A)及び/又は無機固体電解質粒子(B)が硫化物系無機固体電解質粒子であることが好ましく、無機固体電解質粒子(A)及び無機固体電解質粒子(B)が硫化物系無機固体電解質粒子であることがより好ましい。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物系無機固体電解質は、硫黄原子(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。硫化物系無機固体電解質は、元素として少なくともLi、SおよびPを含有し、リチウムイオン伝導性を有しているものが好ましいが、目的または場合に応じて、Li、SおよびP以外の他の元素を含んでもよい。
本発明において、硫化物系無機固体電解質の中でも、イオン伝導性がより良好なため、下記式(1)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が好ましく用いられる。

a1b1c1d1e1 式(1)

式中、LはLi、NaおよびKから選択される元素を示し、Liが好ましい。Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al及びGeから選択される元素を示す。Aは、I、Br、Cl及びFから選択される元素を示す。a1〜e1は各元素の組成比を示し、a1:b1:c1:d1:e1は1〜12:0〜5:1:2〜12:0〜10を満たす。a1はさらに、1〜9が好ましく、1.5〜7.5がより好ましい。b1は0〜3が好ましく、0〜1がより好ましい。d1はさらに、2.5〜10が好ましく、3.0〜8.5がより好ましい。e1はさらに、0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
各元素の組成比は、下記のように、硫化物系無機固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系無機固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。例えば、Li、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラス、またはLi、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラスセラミックスを用いることができる。
硫化物系無機固体電解質は、例えば硫化リチウム(LiS)、硫化リン(例えば五硫化二燐(P))、単体燐、単体硫黄、硫化ナトリウム、硫化水素、ハロゲン化リチウム(例えばLiI、LiBr、LiCl)及び上記Mであらわされる元素の硫化物(例えばSiS、SnS、GeS)の中の少なくとも2つ以上の原料の反応により製造することができる。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは60:40〜90:10、より好ましくは68:32〜78:22である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。上限は特にないが、1×10−1S/cm以下であることが実際的である。
具体的な硫化物系無機固体電解質の例として、原料の組み合わせ例を下記に示す。たとえばLiS−P、LiS−P−LiCl、LiS−P−HS、LiS−P−HS−LiCl、LiS−LiI−P、LiS−LiI−LiO−P、LiS−LiBr−P、LiS−LiO−P、LiS−LiPO−P、LiS−P−P、LiS−P−SiS、LiS−P−SiS−LiCl、LiS−P−SnS、LiS−P−Al、LiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Al、LiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P、LiS−SiS−P−LiI、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12などが挙げられる。ただし、各原料の混合比は問わない。このような原料組成物を用いて硫化物系無機固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法、溶液法および溶融急冷法を挙げられる。常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系無機固体電解質は、酸素原子(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
具体的な化合物例としては、例えばLixaLayaTiO〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕(LLT)、LixbLaybZrzbbb mbnb(MbbはAl、Mg、Ca、Sr、V、Nb、Ta、Ti、Ge、In、Snの少なくとも1種以上の元素でありxbは5≦xb≦10を満たし、ybは1≦yb≦4を満たし、zbは1≦zb≦4を満たし、mbは0≦mb≦2を満たし、nbは5≦nb≦20を満たす。)、Lixcyccc zcnc(MccはC、S、Al、Si、Ga、Ge、In、Snの少なくとも1種以上の元素でありxcは0≦xc≦5を満たし、ycは0≦yc≦1を満たし、zcは0≦zc≦1を満たし、ncは0≦nc≦6を満たす。)、Lixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(ただし、1≦xd≦3、0≦yd≦1、0≦zd≦2、0≦ad≦1、1≦md≦7、3≦nd≦13)、Li(3−2xe)ee xeeeO(xeは0以上0.1以下の数を表し、Meeは2価の金属原子を表す。Deeはハロゲン原子または2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。)、LixfSiyfzf(1≦xf≦5、0<yf≦3、1≦zf≦10)、Lixgygzg(1≦xg≦3、0<yg≦2、1≦zg≦10)、LiBO−LiSO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiOおよびLi0.33La0.55TiO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12(ただし、0≦xh≦1、0≦yh≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12(LLZ)等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、混合する全無機固体電解質粒子中、無機固体電解質(A)が、平均粒子径が最大の無機固体電解質粒子であることが好ましい。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、無機固体電質粒子(A)と無機固体電解質粒子(B)間のイオン伝導度の低下をより抑制できるため、無機固体電解質粒子(B)が、無機固体電解質粒子(A)を微細化したものであることが好ましい。微細化する方法としては、例えば、メカニカルミリング法、グローミル法が挙げられる。
無機固体電解質の平均粒子径(体積平均粒子径)は特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法においては、特に、無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径が、1μm〜15μmであることがさらに好ましい。また、無機固体電解質粒子(B)の平均粒径が1μm未満であるであることがさらに好ましい。無機固体電解質粒子(A)の平均粒径及び/又は無機固体電解質粒子(B)の平均粒径が上記範囲内にあることで、本発明の固体電解質含有シートにおいて、無機固体電解質粒子(A)により、より高いイオン伝導度を実現でき、無機固体電解質粒子(B)により、より高い膜充填度を実現できるからである。
無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径と無機固体電解質粒子(B)の平均粒径との比(無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径:無機固体電解質粒子(B)の平均粒径)は、特に制限されないが、1.1〜100:1が好ましく、2〜50:1がより好ましく、3〜10:1が特に好ましい。
なお、無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定は、以下の手順で行う。無機固体電解質粒子を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて20mLサンプル瓶中で1質量%の分散液を調製する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、体積平均粒子径および粒度分布を得る。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用する。
無機固体電解質粒子の粒度分布は狭いことが好ましい。累積粒度分布の微粒子側から、累積10%の粒径をD10とし、累積90%の粒径をD90としたとき、粒度分布D90/D10の値が、20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましい。
本発明の固体電解質含有シートにおける無機固体電解質の全混合量は、全固体二次電池に用いたときの界面抵抗の低減と低減された界面抵抗の維持を考慮したとき、固形成分100質量%において、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、同様の観点から、99.5質量%以下であることが好ましく、99.3質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、無機固体電解質粒子(A)の混合量と、無機固体電解質粒子(B)の混合量の合計に占める、無機固体電解質粒子(B)の混合量は特に制限されないが、10質量%以上が好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。上限は特に制限されないが、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。無機固体電解質粒子(B)の混合量が上記範囲内にあることで、本発明の固体電解質含有シートにおいて、より高い膜の充填度と、より高い膜のイオン伝導度を両立できるからである。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法に用いられる各無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において固形分(固形成分)とは、窒素雰囲気下140℃で6時間乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分をいう。典型的には、後述のヘテロ環化合物(B)及び分散媒体以外の成分を指す。
(バインダー(C)及び(D))
本発明で使用するバインダーは、有機ポリマーであれば特に限定されない。
本発明に用いることができるバインダーは、特に制限はなく、例えば、以下に述べる樹脂からなるバインダーが好ましい。
含フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニレンジフルオリド(PVdF)、ポリビニレンジフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVdF−HFP)が挙げられる。
炭化水素系熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ブチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンが挙げられる。
アクリル樹脂としては、各種の(メタ)アクリルモノマー類、(メタ)アクリルアミドモノマー類、およびこれら樹脂を構成するモノマーの共重合体(好ましくは、アクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体)が挙げられる。
また、そのほかのビニル系モノマーとの共重合体(コポリマー)も好適に用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸メチルとスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとアクリロニトリルとの共重合体、(メタ)アクリル酸ブチルとアクリロニトリルとスチレンとの共重合体が挙げられる。本願明細書において、コポリマーは、統計コポリマーおよび周期コポリマーのいずれでもよく、ブロックコポリマーが好ましい。
その他の樹脂としては例えばポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体樹脂等が挙げられる。
その中でも含フッ素樹脂、炭化水素系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体樹脂が好ましく、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーの形状は特に限定されず、粒子状であっても不定形状であってもよく、無機固体電解質粒子の全表面を被覆せずに、無機固体電解質粒子間の結着性を向上させることで、本発明の固体電解質含有シートのイオン伝導性を向上させることができるため、粒子状であることが好ましく、マクロモノマー成分を含有したバインダー粒子であることがより好ましい。
なお、本発明に用いられるバインダーは市販品を用いることができる。また、常法により調製することもできる。
本発明に用いられるバインダーの水分濃度は、100ppm(質量基準)以下が好ましい。
また、本発明に用いられるバインダーは、固体の状態で使用しても良いし、ポリマー粒子分散液またはポリマー溶液の状態で用いてもよい。
本発明に用いられるバインダーの質量平均分子量は5,000以上が好ましく、8,000以上がより好ましく、10,000以上がさらに好ましい。上限としては、1,000,000以下が実質的であるが、この範囲の質量平均分子量を有するバインダーが架橋された態様も好ましい。
−分子量の測定−
本発明においてバインダーの分子量については、特に断らない限り、質量平均分子量をいい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレン換算の質量平均分子量を計測する。測定法としては、基本として下記条件1又は条件2(優先)の方法により測定した値とする。ただし、バインダー種によっては適宜適切な溶離液を選定して用いればよい。
(条件1)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−H(商品名)を2本つなげる。
キャリア:10mMLiBr/N−メチルピロリドン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0mL/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
(条件2)優先
カラム:TOSOH TSKgel Super HZM−H(商品名)、TOSOH TSKgel Super HZ4000(商品名)、TOSOH TSKgel Super HZ2000(商品名)をつないだカラムを用いる。
キャリア:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0mL/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
本発明の固体電解質含有シートの製造方法におけるバインダーの混合量は、全固体二次電池に用いたときの界面抵抗の低減と低減された界面抵抗の維持を考慮すると、固形成分100質量%において、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限としては、電池特性の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、バインダーの混合量が多すぎると、膜の強度が上がるが、イオン伝導度が低下してしまう。膜強度のイオン伝導度の両立するため、無機固体電解質粒子(A)の混合量とバインダー(C)の混合量との合計において、バインダー(C)の混合量が、0.3〜10質量%占めることが好ましく、0.5〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。
本発明において、バインダーが分散媒(E)に対して不溶のポリマー粒子であることがバインダーによるイオン伝導度低下の抑制の観点から好ましい。ここで、「ポリマー粒子が分散媒(E)に対して不溶の粒子である」とは、30℃の分散媒体に添加し、24時間静置しても、平均粒子径が5nm以上であることであり、10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましい。
(分散媒(E))
分散媒(E)の具体例としては下記のものが挙げられる。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶媒としては、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等)、ジアルキルエーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等)、アルキルアリールエーテル(アニソール)、テトラヒドロフラン、ジオキサン(1,2−、1,3−および1,4−の各異性体を含む)、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、が挙げられる。
アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
アミノ化合物溶媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトンなどが挙げられる。
芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタンなどが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルなどが挙げられる。
分散媒は常圧(1気圧)での沸点が50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。上限は250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがさらに好ましい。上記分散媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の固体電解質含有シートにおける分散媒(E)の混合量は特に制限されないが、無機固体電解質(A)又は(B)100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましく、3〜10質量部が特に好ましい。
(分散剤)
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、分散剤を混合してもよい。分散剤を添加することで活物質及び硫化物系無機固体電解質のいずれかの濃度が高い場合、並びに、粒子径が細かく表面積が増大する場合においてもその凝集を抑制し、均一な活物質層及び固体電解質層を形成することができる。分散剤としては、全固体二次電池に通常使用されるものを適宜選定して用いることができる。一般的には粒子吸着と立体反発および/または静電反発を意図した化合物が好適に使用される。
(リチウム塩)
本発明の固体電解質含有シートの製造方法において、リチウム塩を混合してもよい。
リチウム塩としては、特に制限はなく、例えば、特開2015−088486号公報の段落0082〜0085記載のリチウム塩が好ましい。
リチウム塩の含有量は、混合される全無機固体電解質粒子100質量部に対して0質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
[全固体二次電池の用途]
本発明の全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車(電気自動車等)、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、上記のLi−P−S系ガラス、LLTおよびLLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に有機化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質のバインダーや添加剤として有機化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLi−P−S系ガラス、LLTおよびLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがある。上記のイオン輸送材料としての電解質と区別する際には、これを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては、例えばLiTFSIが挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。なお、「室温」は25℃を意味する。
<硫化物系無機固体電解質の合成>
硫化物系無機固体電解質として、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.HamGa,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235およびA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873の非特許文献を参考にして、Li−P−S系ガラスを合成した。
具体的には、アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42g、五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、乳鉢に投入した。LiS及びPはモル比でLiS:P=75:25とした。メノウ製乳鉢上において、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66g投入し、上記混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、25℃で、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行うことで黄色粉体の硫化物系無機固体電解質(Li−P−S系ガラス、LPS)6.20gを得た。
<粒子状バインダーの調製(ポリウレタン樹脂の合成)>
ポリウレタン樹脂を合成するため、まず末端ジオールポリメタクリル酸ドデシルを合成した。
具体的には、500mL3つ口フラスコ中にメチルエチルケトン20mLを仕込み、窒素気流下、75℃に加熱した。一方、500mLメスシリンダーにドデシルメタクリレート(和光純薬工業社製)70gとメチルエチルケトン110gとを仕込み、10分撹拌した。これに連鎖移動剤としてチオグリセロール(和光純薬工業社製)2.9gとラジカル重合開始剤V−601(和光純薬工業社製)3.2gとを加え、さらに10分撹拌した。得られたモノマー溶液を2時間かけて、上記500mL3つ口フラスコに滴下し、ラジカル重合を開始させた。さらに、滴下終了後、75℃で6時間加熱撹拌を続けた。得られた重合液を減圧濃縮し、メチルエチルケトンを留去した後、固形物をヘプタンに溶解して、末端ジオール変性ポリメタクリル酸ドデシルの25質量%ヘプタン溶液292gを得た。得られたポリマーの質量平均分子量は3200であった。
続いてポリウレアコロイド粒子を合成した。
具体的には、末端ジオール変性ポリメタクリル酸ドデシル25質量%のヘプタン溶液260gを、1Lの3つ口フラスコに加え、ヘプタン110gで希釈した。これにイソホロンジイソシアネート(和光純薬工業社製)11.1gとネオスタンU−600(商品名、日東化成社製)0.1gとを加え、75℃で5時間加熱撹拌した。その後、イソホロンジアミン(アミン化合物)0.4gのヘプタン125g希釈液を1時間かけて滴下した。ポリマー溶液は、滴下開始後10分で透明から薄い黄色の蛍光色を有する溶液へと変化した。この変化により、ウレアコロイドが形成したことを確認した。反応液を室温に冷却し、ポリウレアコロイド粒子MM−3の15質量%ヘプタン溶液506gを得た。
ポリウレアコロイド粒子のポリウレアの質量平均分子量は、9,600であった。
次に、ポリウレアコロイド粒子を用いてポリウレタン樹脂を合成した。
具体的には、50mLサンプル瓶にm−フェニレンジイソシアネート(東京化成社製)3.2g、ポリエチレングリコール(質量平均分子量400、Aldrich社製)8.0gを加えた。これにポリウレアコロイド粒子の15質量%ヘプタン溶液32.0gを加え、50℃で加温しながらホモジナイザーで30分間分散した。この間、混合液は微粒子化し、薄橙色のスラリーとなった。得られたスラリーを、あらかじめ温度80℃に加熱した200mL3つ口フラスコに投入し、ネオスタンU−600(商品名、日東化成社製)0.1gを加えて、温度80℃、回転数400rpmで3時間加熱撹拌した。スラリーは、白色乳濁状となった。これより、ポリウレタン樹脂からなるバインダー粒子が形成されたことが推定された。白色乳濁状のスラリーを冷却し、ポリウレタン樹脂からなる粒子状バインダー(バインダー粒子)のヘプタン分散液を得た。バインダー粒子の質量平均分子量は、16000であった。
<正極シートの作製>
ニッケルマンガンコバルト酸リチウムと、硫化物系無機固体電解質と、アセチレンブラックと、粒子状バインダー(ポリウレタン樹脂)とを、質量比で70:27:1:2になるように混合し、プラネタリーミキサー(TKハイビスク社製)に加えた。このプラネタリーミキサーに、分散媒として、ヘプタンを固形分が濃度40質量%になるように加え、50rpmで、1時間室温で撹拌を行い、正極用組成物を得た。
得られた正極用組成物スラリーを、カーボンコートした、厚み20μmのアルミ箔上に、アプリケータ(商品名:SA−201ベーカー式アプリケーター、テスター産業社製)により塗布し、100℃1時間加熱乾燥することで正極シートを得た。正極活物質層の厚さは、100μmであった。
(実施例1)
−工程(1)−
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを160個投入し、硫化物系無機固体電解質4.0g、粒子状バインダーを0.2g、分散媒としてトルエン8.0g添加した後に、フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、室温、回転数150rpmで60分湿式混合を行い、固体電解質組成物のスラリー1を得た。
硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μmであった。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は、上述の方法で測定した。
−工程(a)−
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを160個投入し、硫化物系無機固体電解質4.0g、分散媒としてトルエン8.0g添加した後に、フリッチュ社製遊星ボールミルP−7に容器をセットし、室温、回転数350rpmで60分湿式分散を行い、固体電解質組成物のスラリー2を得た。
硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は0.9μmであった。
−工程(2)−
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを160個投入し、スラリー1を6.1g、スラリー2を6g添加した後に、フリッチュ社製遊星ボールミルP−7に容器をセットし、室温、回転数150rpmで5分湿式混合を行い、実施例1で使用する固体電解質組成物のスラリーを得た。
スラリーを、縦100mm、横30mm、厚み20μmのアルミ箔上に、上記アプリケータにより塗布し、100℃1時間加熱乾燥し、固体電解質含有シートを得た。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(実施例2)
工程(2)において、スラリー2を4g用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(実施例3)
工程(a)において、さらに粒子状バインダーを0.1g用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例1)
工程(1)において粒子状バインダーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例2)
工程(1)において、粒子状バインダーを0.1g用い、工程(a)において、さらに粒子状バインダーを0.1g用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例3)
工程(a)及び(2)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例4)
工程(1)を行わず、工程(a)において、さらに粒子状バインダーを0.2g用いたこと、及び工程(2)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例5)
工程(1)を行わず、工程(a)において、さらに粒子状バインダーを0.6g用いたこと、及び工程(2)を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例5の固体電解質含有シートを得た。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例6)
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを160個及び上記合成した硫化物系無機固体電解質4.0gを投入し、この容器をフリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)にセットし、室温、回転数130rpmで60分乾式ミリングを行い、体積平均粒子径が7μmの硫化物系無機固体電解質粒子を得た。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを160個及び上記合成した硫化物系無機固体電解質4.0gを投入し、この容器をフリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)にセットし、室温、回転数350rpmで80分乾式ミリングを行い、体積平均粒子径が0.9μmの硫化物系無機固体電解質粒子を得た。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを160個投入し、さらに、体積平均粒子径が7μmの硫化物系無機固体電解質粒子2.0gと、体積平均粒子径が0.9μmの硫化物系無機固体電解質粒子2.0gを投入した。この容器をフリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)にセットし、室温、回転数130rpmで10分乾式ミリングを行い、体積平均粒子径が7μmの硫化物系無機固体電解質粒子と体積平均粒子径が0.9μmの硫化物系無機固体電解質粒子との混合物を得た。
このようにして得た混合物を、縦100mm、横30mm、厚み20μmのアルミ箔上に配置し、プレス圧50MPaをかけて、プレス成型することにより、固体電解質含有シートを得た。固体電解質層の厚さは50μmであった。
このようにして得た各固体電解質含有シートについて、マンドレル試験、イオン伝導度測定、及び電池の短絡試験を実施した。結果を下記表1に示す。
−マンドレル試験−
固体電解質含有シートを、直径1mm〜10mmまで1mm間隔で用意した棒に、固体電解質層が接するように巻きつけ、剥した後、固体電解質層表面に割れが発生しない、棒の直径の最小値を調べた。なお、割れの有無は目視で判断した。
−イオン伝導度測定−
固体電解質含有シートを直径10mmφの円盤状に2枚打ち抜き、それぞれの固体電解質層を対向させて、SUS製の棒で拘束することで測定セルとした。固体電解質含有シート間に350MPaの圧力をかけた後、固体電解質含有シート間に50MPaの圧力をかけた状態で、30℃の恒温槽中で交流インピーダンス法により、イオン伝導度を求めた。
−電池短絡試験−
固体電解質含有シートを、正極シートの上に、固体電解質層が、正極活物質層と対向するにように載せ、積層方向に20MPaでプレス処理を行った。プレス後、固体電解質含有シートのアルミ箔を剥がすと、正極シートに固体電解質層が転写される。
固体電解質層を転写した正極シートの上に、負極として厚さ15μmのインジウム箔と厚さ15μmのリチウム箔を重ね合わせたシート(InLiシート)を固体電解質層とインジウム箔とが接するように載せ、InLiシートの上から、SUSの棒で50MPaの圧力を加えて短絡の有無を、正負間の電圧の確認により行った。圧力を加えた状態で、開放電圧を測定し、正負極間の電位差が0.1V以上あり、この電位差が0.03V以下に低下しない(値が安定している)場合を短絡「無」、電位差が0.03Vを超えて低下する(値が安定していない)場合を短絡「有」と評価した。各固体電解質含有シートについて、10枚のInLiシートを作製し、各InLiシートについて、短絡の有無を確認した。短絡が発生したInLiシートの数が、1枚以下が合格である。
なお、得られた各固体電解質含有シートを転写した正極シートにおける固体電解質層の厚さはいずれも30μmであった。
Figure 0006734801
<表の注>
イオン伝導度は実施例1の固体電解質含有シートのイオン伝導度を1とした相対値を示す。
比較例1及び6における「マンドレル試験×」は、10mmで割れが発生したことを意味する。また、比較例6における、「イオン伝導度×」は、円盤状に打ち抜いた時点で固体電解質層の膜が破損し、測定できなかったことを意味する。
表1から、本発明の固体電解質含有シートの製造方法で得られた固体電解質含有シートは、膜強度及びイオン伝導性に優れ、全固体二次電池において短絡を抑制することができることがわかる。
比較例1の固体電解質含有シートは、バインダーを含有しないため、膜強度が低く、電池短絡試験では、全て短絡する結果となった。
比較例2の固体電解質含有シートは、工程(2)において、式(I)を満たさないバインダーを用いたため、平均粒子径の大きい無機固体電解質粒子に対して、強度を確保するためのバインダーの量が不足し、膜の強度が低く、電池短絡試験が不合格であった。
比較例3の固体電解質含有シートは、固体電解質層が、平均粒子径の大きな無機固体電解質粒子のみで構成された膜であるために、膜の充填率が低くなり、電池短絡試験が不合格であった。
比較例4の固体電解質含有シートは、工程(1)を行わず、平均粒子径の小さい無機固体電解質粒子に対して、強度を確保するためのバインダーの量が不足し、電池短絡試験が不合格であった。
比較例5の固体電解質含有シートは、工程(1)を行わず、平均粒子径の小さい無機固体電解質粒子に対して、多量のバインダーを用いたため、イオン伝導度が大きく低下する結果となった。
比較例6の固体電解質含有シートは、工程(1)及び工程(2)において、バインダーを用いなかったため、全ての試験結果が著しく劣った。
(実施例4)
工程(a)において、回転数を250rpmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の固体電解質含有シートを作製した。
工程(1)における硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μmであった。工程(a)における硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は、1.8μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例7)
工程(1)において、粒子状バインダーを0.1g用い、工程(a)において、粒子状バインダーを0.1g用いたこと以外は、実施例4と同様にして比較例7の固体電解質含有シートを作製した。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び1.8μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(実施例5)
工程(1)において、粒子状バインダーに代えてPVdF(Aldrich社製、質量平均分子量18万)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の固体電解質含有シートを作製した。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
(比較例8)
工程(1)において、PVdFを0.1g用い、工程(a)において、さらにPVdFを0.1g用いたこと以外は、実施例5と同様にして比較例8の固体電解質含有シートを作製した。硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径は7μm及び0.9μmであった。固体電解質層の厚さは60μmであった。
Figure 0006734801
Figure 0006734801
実施例4と比較例7との比較から、混合する硫化物系無機固体電解質の体積平均粒子径を変えても、本発明の効果が示されることが分かる。実施例5と比較例8との比較から、バインダーを変更しても、本発明の効果が示されることが分かる。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池

Claims (13)

  1. 下記工程(1)及び(2)を含む固体電解質含有シートの製造方法。
    工程(1):
    下記式(I)を満たす混合量で、無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合する工程、
    工程(2):
    下記式(I)を満たす混合量で、前記工程(1)で得た混合物と、前記無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径よりも平均粒子径の小さな無機固体電解質粒子(B)と、バインダー(D)とを混合する工程。
    式(I):
    前記無機固体電解質粒子(A)の混合量/前記バインダー(C)の混合量<前記無機固体電解質粒子(B)の混合量/前記バインダー(D)の混合量
    ただし、前記工程(1)において前記無機固体電解質粒子(A)の混合量と前記バインダー(C)の混合量との合計に占める前記バインダー(C)の混合量の割合は0.3〜10質量%であり、前記工程(2)における前記バインダー(D)の混合量は前記工程(1)における前記バインダー(C)の混合量未満である。
    前記混合量の単位は、質量部である。
  2. 分散媒(E)中で、前記工程(1)を行う請求項1に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  3. 前記工程(2)が、前記工程(1)で得た分散液と前記無機固体電解質粒子(B)と前記バインダー(D)とを混合する工程である、請求項2に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  4. 前記無機固体電解質粒子(B)が、前記無機固体電解質粒子(A)を微細化したものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  5. 前記無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径が、1μm〜15μmである請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  6. 前記無機固体電解質粒子(B)の平均粒子径が1μm未満である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  7. 前記工程(1)及び(2)を経て得た混合物を基材上に適用し、厚さが10μm〜100μmの固体電解質層を形成する工程を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  8. 前記無機固体電解質粒子(A)及び/又は前記無機固体電解質粒子(B)が、硫化物系無機固体電解質粒子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  9. 前記工程(1)において、前記無機固体電解質粒子(A)の混合量と前記バインダー(C)の混合量との合計に占める前記バインダー(C)の混合量が、0.5〜5質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  10. 前記工程(1)における前記無機固体電解質粒子(A)の混合量と、前記工程(2)における前記無機固体電解質粒子(B)の混合量との合計に占める、前記無機固体電解質粒子(B)の混合量が10〜50質量%である請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  11. 前記バインダー(C)及び/又は(D)が、粒子状である請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解質含有シートの製造方法。
  12. 正極活物質層と負極活物質層と固体電解質層とを具備する全固体二次電池の製造方法であって、前記固体電解質層を下記工程(1)及び(2)を経て形成することを含む、全固体二次電池の製造方法。
    工程(1):
    下記式(I)を満たす混合量で、無機固体電解質粒子(A)とバインダー(C)とを混合する工程、
    工程(2):
    下記式(I)を満たす混合量で、前記工程(1)で得た混合物と、前記無機固体電解質粒子(A)の平均粒子径よりも平均粒子径の小さな無機固体電解質粒子(B)と、下記式(I)を満たすバインダー(D)とを混合する工程。
    式(I):
    前記無機固体電解質粒子(A)の混合量/前記バインダー(C)の混合量<前記無機固体電解質粒子(B)の混合量/前記バインダー(D)の混合量
    ただし、前記工程(1)において前記無機固体電解質粒子(A)の混合量と前記バインダー(C)の混合量との合計に占める前記バインダー(C)の混合量の割合は0.3〜10質量%であり、前記工程(2)における前記バインダー(D)の混合量は前記工程(1)における前記バインダー(C)の混合量未満である。
    前記混合量の単位は、質量部である。
  13. 前記工程(1)及び(2)を経て形成した固体電解質層を正極活物質層上及び/又は負極活物質層上に転写する工程を含む、請求項12に記載の全固体電池二次電池の製造方法。
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