JP2018037230A - 全固体二次電池用負極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体二次電池用負極シートおよび全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全固体二次電池の負極として用いることにより、優れた容量密度およびサイクル特性を実現できる全固体二次電池用負極シートおよび全固体二次電池を提供する。【解決手段】周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質(A)を含有する固体電解質層を、ヘテロ原子 質量%以下のグラファイトシート(B)上に有する全固体二次電池用負極シート及び全固体二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、全固体二次電池用負極シートおよび全固体二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、負極と、正極と、負極及び正極の間に挟まれた電解質とを有し、両極間にリチウムイオンを往復移動させることにより充放電を可能とした蓄電池である。リチウムイオン二次電池には、従来、電解質として有機電解液が用いられてきた。しかし、有機電解液は液漏れを生じやすく、また、過充電または過放電により電池内部で短絡が生じ発火するおそれもあり、信頼性と安全性のさらなる向上が求められている。
このような状況下、有機電解液に代えて、無機固体電解質を用いた全固体二次電池が注目されている。全固体二次電池は負極、電解質および正極のすべてが固体からなり、有機電解液を用いた電池の課題とされる安全性ないし信頼性を大きく改善することができ、また長寿命化も可能になるとされる。さらに、全固体二次電池は、電極と電解質を直接並べて直列に配した構造とすることができる。そのため、有機電解液を用いた二次電池に比べてエネルギー高密度化が可能となるので、電気自動車や大型蓄電池等への応用が期待されている。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン電池として全固体二次電池の開発計画が進められている。例えば、特許文献1には、活物質を酸化物ガラスで結着して成る正極と負極との間に酸化物系無機固体電解質を介在させて成る発電要素を、グラファイトシートから成る集電体を介して直列に積層して成る極群を有するリチウム電池が、高エネルギー密度を有し、安全性および信頼性にも優れていたことが記載されている。
特開2001−102056号公報
全固体二次電池の開発の進行とともに、容量密度の向上およびサイクル特性の向上等、全固体二次電池の高性能化に対する要求が高まっている。
上記特許文献1記載の技術では、集電体をグラファイトシートの単層で形成することにより、集電体の重量を低く抑え、また電極と集電体との接触抵抗も低減している。しかしながら、上記グラファイトシートは、高分子フィルムを高温(例えば、2400℃)で熱処理して得ているため、ヘテロ原子を多く含有し、グラファイト構造とは異なる部分を有するため、リチウムイオンの吸蔵量(容量密度)が不十分である。また、負極活物質がランダムに配置されていることにより、活物質の体積変化もランダムに発生し、充放電を繰り返すと、活物質間に間隙が生じ、サイクル特性が十分でない。それ故、特許文献1記載の技術では、容量密度の向上およびサイクル特性の向上に対する要求に十分に対応することは困難である。
本発明は、全固体二次電池の負極として用いることにより、優れた容量密度およびサイクル特性を実現できる全固体二次電池用負極シートを提供することを課題とする。また、本発明は、容量密度およびサイクル特性に優れる全固体二次電池を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ヘテロ原子の含有量を特定量以下に抑えたグラファイトシートが、全固体二次電池において、負極集電体として機能するだけでなく、負極活物質層としても機能すること、充放電に伴う体積変化の方向を膜厚方向に規制でき、電池の長寿命化にも資すること、を見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質(A)を含有する固体電解質層を、ヘテロ原子1質量%以下のグラファイトシート(B)上に有する全固体二次電池用負極シート。
<2>固体電解質層が、分散剤(C)を含む<1>に記載の全固体二次電池用負極シート。
<3>分散剤(C)が下記一般式(1)で表される<2>に記載の全固体二次電池用負極シート。
Figure 2018037230
式中、αは環構造を示し、Rは環α構成原子と結合している置換基を示し、mは1以上の整数を示す。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。隣接する環α構成原子に結合するR同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
<4>グラファイトシート(B)が複数の孔を有し、真密度(g/cm)に対する見かけ密度(g/cm)の割合が60〜98%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の全固体二次電池用負極シート。
<5>無機固体電解質(A)が硫化物系無機固体電解質である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の全固体二次電池用負極シート。
<6>正極活物質層と、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の全固体二次電池用負極シートとを具備する全固体二次電池。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、単に「アクリル」又は「(メタ)アクリル」と記載するときは、メタアクリル及び/又はアクリルを意味する。また、単に「アクリロイル」又は「(メタ)アクリロイル」と記載するときは、メタアクリロイル及び/又はアクリロイルを意味する。
本発明の全固体二次電池用負極シートは、全固体二次電池において、優れた容量密度およびサイクル特性を実現できる。また、上記全固体二次電池用負極シートを有する本発明の全固体二次電池は、容量密度およびサイクル特性に優れる。
本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池を模式化して示す縦断面図である。 実施例で作製した全固体二次電池(2032型コイン電池)を模式的に示す縦断面図である。
<好ましい実施形態>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体を兼ねる負極活物質層1(以下、負極1と称する。)、固体電解質層2、正極活物質層3、正極集電体4を、この順に有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位5に電子が供給される。図示した例では、作動部位5に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。
本明細書において、図1の層構成を有する全固体二次電池を全固体二次電池シートと称することもある。
正極活物質層3および固体電解質層2の厚さは特に限定されない。なお、一般的な電池の寸法を考慮すると、1〜1,000μmが好ましく、5μm以上500μm未満がより好ましい。本発明の全固体二次電池においては、正極活物質層3および固体電解質層2の少なくとも1層の厚さが、50μm以上500μm未満であることがさらに好ましい。なお、負極1(グラファイトシート(B))の厚さは後述する。
<全固体二次電池用負極シート>
本発明の全固体二次電池用負極シートは、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質(A)を含有する固体電解質層を、ヘテロ原子1質量%以下のグラファイトシート(B)上に有する。
以下、例えば、「無機固体電解質(A)」を「無機固体電解質」のように、本発明の全固体二次電池用負極シートに含有される成分または含有され得る成分を、符号を付さずに記載することがある。
本発明の全固体二次電池用負極シートは、グラファイトシート上に固体電解質層を有し、全固体二次電池に好適に用いることができる。上述のように、グラファイトシートが負極活物質層と負極集電体の役割を果たす。そのため、通常の全固体二次電池の製造工程である、負極集電体上への負極活物質層の形成を省略することができ、電池製造効率を大幅に向上させることができる。
本発明の全固体二次電池用負極シートは、後述する本発明の固体電解質組成物をグラファイトシート上に製膜(塗布乾燥)して、グラファイトシート上に固体電解質層を形成することにより、得られる。
なお、固体電解質層は、電池性能に影響を与えない範囲内で分散媒体を含有してもよい。具体的には、全質量中0.1ppm以上10000ppm以下含有してもよい。
本発明の全固体二次電池用負極シートは、固体電解質層とグラファイトシートとを有していれば、他の層を有してもよい。他の層としては、例えば、保護層、集電体等が挙げられる。
全固体二次電池用負極シートの固体電解質層の層厚は、上述の、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池において説明した固体電解質層の層厚と同じである。
(固体電解質層)
本発明に用いられる固体電解質層は、固体電解質組成物を用いて形成される。以下、本発明に用いられる固体電解質層を形成するための固体電解質組成物(「本発明の固体電解質組成物」とも称する。)について説明する。なお、固体電解質組成物中の固形成分の含有量は、固体電解質層における固形成分の含有量と同義である。
なお、本明細書において固形分(固形成分)とは、窒素雰囲気下170℃で6時間乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分をいう。典型的には、後述の分散媒体以外の成分を指す。
(無機固体電解質(A))
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことである。主たるイオン伝導性材料として有機物を含むものではないことから、有機固体電解質(ポリエチレンオキシド(PEO)などに代表される高分子電解質、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、通常カチオンおよびアニオンに解離または遊離していない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
本発明において、無機固体電解質は、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有する。上記無機固体電解質は、この種の製品に適用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質は(i)硫化物系無機固体電解質と(ii)酸化物系無機固体電解質が代表例として挙げられる。本発明において、活物質と無機固体電解質との間により良好な界面を形成することができるため、硫化物系無機固体電解質が好ましく用いられる。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物系無機固体電解質は、硫黄原子(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。硫化物系無機固体電解質は、元素として少なくともLi、SおよびPを含有し、リチウムイオン伝導性を有しているものが好ましいが、目的または場合に応じて、Li、SおよびP以外の他の元素を含んでもよい。
例えば下記式(1)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。

a1b1c1d1e1 式(1)

式中、LはLi、NaおよびKから選択される元素を示し、Liが好ましい。Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al及びGeから選択される元素を示す。Aは、I、Br、Cl及びFから選択される元素を示す。a1〜e1は各元素の組成比を示し、a1:b1:c1:d1:e1は1〜12:0〜5:1:2〜12:0〜10を満たす。a1はさらに、1〜9が好ましく、1.5〜7.5がより好ましい。b1は0〜3が好ましく、0〜1がより好ましい。d1はさらに、2.5〜10が好ましく、3.0〜8.5がより好ましい。e1はさらに、0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
各元素の組成比は、下記のように、硫化物系無機固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系無機固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。例えば、Li、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラス、またはLi、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラスセラミックスを用いることができる。
硫化物系無機固体電解質は、例えば硫化リチウム(LiS)、硫化リン(例えば五硫化二燐(P))、単体燐、単体硫黄、硫化ナトリウム、硫化水素、ハロゲン化リチウム(例えばLiI、LiBr、LiCl)及び上記Mであらわされる元素の硫化物(例えばSiS、SnS、GeS)の中の少なくとも2つ以上の原料の反応により製造することができる。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは60:40〜90:10、より好ましくは68:32〜78:22である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。上限は特にないが、1×10−1S/cm以下であることが実際的である。
具体的な硫化物系無機固体電解質の例として、原料の組み合わせ例を下記に示す。たとえばLiS−P、LiS−P−LiCl、LiS−P−HS、LiS−P−HS−LiCl、LiS−LiI−P、LiS−LiI−LiO−P、LiS−LiBr−P、LiS−LiO−P、LiS−LiPO−P、LiS−P−P、LiS−P−SiS、LiS−P−SiS−LiCl、LiS−P−SnS、LiS−P−Al、LiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Al、LiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P、LiS−SiS−P−LiI、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12などが挙げられる。ただし、各原料の混合比は問わない。このような原料組成物を用いて硫化物系無機固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法、溶液法および溶融急冷法を挙げられる。常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系無機固体電解質は、酸素原子(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
具体的な化合物例としては、例えばLixaLayaTiO〔xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7〕(LLT)、LixbLaybZrzbbb mbnb(MbbはAl、Mg、Ca、Sr、V、Nb、Ta、Ti、Ge、In、Snの少なくとも1種以上の元素でありxbは5≦xb≦10を満たし、ybは1≦yb≦4を満たし、zbは1≦zb≦4を満たし、mbは0≦mb≦2を満たし、nbは5≦nb≦20を満たす。)、Lixcyccc zcnc(MccはC、S、Al、Si、Ga、Ge、In、Snの少なくとも1種以上の元素でありxcは0≦xc≦5を満たし、ycは0≦yc≦1を満たし、zcは0≦zc≦1を満たし、ncは0≦nc≦6を満たす。)、Lixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(ただし、1≦xd≦3、0≦yd≦1、0≦zd≦2、0≦ad≦1、1≦md≦7、3≦nd≦13)、Li(3−2xe)ee xeeeO(xeは0以上0.1以下の数を表し、Meeは2価の金属原子を表す。Deeはハロゲン原子または2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。)、LixfSiyfzf(1≦xf≦5、0<yf≦3、1≦zf≦10)、Lixgygzg(1≦xg≦3、0<yg≦2、1≦zg≦10)、LiBO−LiSO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12(ただし、0≦xh≦1、0≦yh≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12(LLZ)等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
無機固体電解質の体積平均粒子径は特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。なお、無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定は、以下の手順で行う。無機固体電解質粒子を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて20mLサンプル瓶中で1質量%の分散液を調製する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、体積平均粒子径を得る。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製しその平均値を採用する。
無機固体電解質の固体電解質組成物中の固形成分における含有量は、全固体二次電池に用いたときの界面抵抗の低減と低減された界面抵抗の維持を考慮したとき、固形成分100質量%において、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが特に好ましい。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(分散剤(C))
本発明の固体電解質組成物は、固体電解質組成物とグラファイトシートとの濡れ性をより高めるため、分散剤(C)を含むことが好ましい。
本発明に用いられる分散剤は、グラファイトシートへの親和性が高い構造と固体電解質への親和性が高い構造を有することが好ましいため、下記一般式(1)で表される分散剤であることが好ましい。
Figure 2018037230
式中、αは環構造を示し、Rは環α構成原子と結合している置換基を示し、mは1以上の整数を示す。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。隣接する環α構成原子に結合するR同士が、互いに結合して環を形成してもよい。
環αは、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素環、飽和、不飽和もしくは芳香族のヘテロ環、またはこれらの環を含んで構成される環が挙げられる。
環αは、飽和、不飽和もしくは芳香族の炭化水素環またはこれらの炭化水素環に、エポキシ環またはオキセタン環が縮環した環が好ましい。
また、環αを構成する環は、単環、縮合多環、架橋式環、スピロ環が挙げられる。これらの環を構成する個々の環は、3〜7員環が好ましく、5または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。環αの環構成原子数は、3〜100が好ましく、5〜80がより好ましく、6〜60がさらに好ましい。
環αの代表的な例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、一部の炭素原子は酸素原子、硫黄原子および窒素原子などのヘテロ原子で置換されていても良い。
また、以下の例では、ベンゼン環以外の飽和または不飽和の炭化水素環を有する環を飽和炭化水素環で示したが、これらの環は、単結合を二重結合に置き換えた環、およびエポキシ環またはオキセタン環が縮環した環も含む。
Figure 2018037230
本発明では、環αは、なかでも、1〜4つの環からなることが好ましく、3または4つの環からなることがより好ましく、2つ以上の環からなる場合、縮環構造であることが好ましい。
は環α構成原子と結合している置換基を表す。置換基の具体例としては、後述する置換基Pの例が挙げられるが、少なくとも1つのRは、下記官能基群(I)から選択される官能基もしくはこの官能基を含む基であることが好ましい。
官能基群(I):酸性基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、メルカプト基、アミノ基、ヒドロキシ基
官能基当量(官能基群(I)から選択される官能基1個あたりの、分散剤の分子量)は特に制限されないが、30〜3,000が好ましく、50〜2,000がより好ましく、50〜1,000が特に好ましい。
ここで、上記官能基群(I)におけるエポキシ基およびオキセタニル基は、分散剤の基本骨格が環構造である場合、この環にエポキシ環またはオキセタン環が縮環した場合も包含する。
上記官能基群(I)の中で、酸性基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、エポキシ基、シアノ基およびヒドロキシ基が好ましく、酸性基、エポキシ基、シアノ基およびヒドロキシ基がより好ましく、酸性基およびヒドロキシ基が特に好ましい。
酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基およびホウ酸基ならびにこれらの塩が挙げられる。このうち、カルボキシ基もしくはその塩、スルホ基もしくはその塩、または、ホウ酸基もしくはその塩が好ましく、カルボキシ基もしくはその塩がより好ましい。
なお、塩としては、リチウム塩、カリウム塩またはナトリウム塩が好ましい。
ここで、官能基群(I)から選択される官能基を含む基は、連結基を介して、官能基群(I)から選択される官能基が、環αに置換する基である。また、官能基群(I)から選択される官能基を含む基は、官能基群(I)から選択される官能基を2種以上含んでいてもよい。
連結基は2価の連結基または3価の連結基が好ましく、2価の連結基がより好ましい。
官能基群(I)から選択される官能基を含む基は、下記一般式(L)で表される基が好ましい。
一般式(L)
−L−RL1
一般式(L)中、RL1は、官能基群(I)から選択される官能基を表し、Lは、2価の連結基を表す。
における2価の連結基としては、−O−、−S−、−N(RR2)−、−C(=O)−、−SO−、−SO−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチレン、エチレン、メチルエチレン(プロピレン)、3−メチルプロピレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−もしくは2,2−ジメチルエチレン、テトラメチレン、オクタメチレン、デカメチレン、ヘキサデカメチレン、シクロプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンなどが挙げられる。)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニレン、2−ブテニレン、3−ペンテニレンなどが挙げられる。)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニレン、プロパルギレン、3−ペンチニレンなどが挙げられる。)およびアリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニレン、p−メチルフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイルなどが挙げられる。)、ならびにこれらが組み合わされた基が挙げられる。なお、RR2は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアシル基を表す。
ここで、上記の個々の基が組み合わされた基としては、例えば、*−O−C(=O)−、*−C(=O)−O−、*−N(RR2)−C(=O)−、*−C(=O)−N(RR2)−、*−SO−N(RR2)−、*−N(RR2)−SO−、*−O−(アルキレン−O)nα−、*−(アルキレン−O)nα−、*−アルキレン−O−C(=O)−アルキレン−、*−C(=O)−アルキレン−O−、*−N(RR2)−C(=O)−アルキレン−、*−C(=O)−O−アルキレン−、*−O−アルキレン−、*−アルキレン−C(=O)−N(RR2)−アルキレンおよび*−アルキレン−C(=O)−N(RR2)−アルキレン−N(RR2)−アルキレン−が挙げられる。
ここで、nαは、1以上の整数(好ましくは1〜30の整数)を表す。また、*は環αと結合する結合手を示す。
なお、*−O−(アルキレン−O)nα−または*−(アルキレン−O)nα−におけるアルキレン(アルキレン基)は、エチレンまたはプロピレンが好ましく、これらの基の総炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜10である。
が、官能基群(I)から選択される官能基もしくはこの官能基を含む基以外の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、ホルミル基、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ナフトイルなどが挙げられる。)、ホルミルオキシ基、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシなどが挙げられる。)、ハロゲン原子などが挙げられる。
mは1以上の整数を表すが、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が特に好ましい。
mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
なお、Rは、=Oまたはアルキリデン基であってもよい。ここで、アルキリデン基は、=C(RD3)(RD4)が好ましい。なお、RD3およびRD4は各々独立に、水素原子または置換基(好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基)を表す。
また、隣接する環α構成原子に置換するRが互いに結合して、環を形成してもよい。
このような環としては、5または6員環の単環もしくは縮合環が挙げられ、飽和環、不飽和環または芳香または芳香環のいずれでもよい。また、炭化水素環、ヘテロ環のいずれでも構わないが、本発明では、炭化水素環が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(DA)または(DB)のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure 2018037230
一般式(DA)中、Arはベンゼン環を表す。nは0〜8の整数を表す。nは0〜6の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましい。R11〜R16は各々独立に、水素原子または置換基を表す。XおよびXは各々独立に、水素原子または置換基を表す。ここで、R11〜R16、XおよびXにおいて、互いに隣接する基が結合して、5または6員環を形成してもよい。ただし、R11〜R16、XおよびXのいずれか1つは、nが1の場合、R11〜R16、XおよびXにおいて、互いに隣接する少なくとも2つが結合して、ベンゼン環を形成する。また、R11〜R16、XおよびXが置換基を表す場合、置換基としては後述する置換基Pが挙げられるが、R11〜R16、XおよびXのいずれか1つの置換基は、官能基群(I)から選択される官能基もしくはこの官能基を含む基であることが好ましい。
Figure 2018037230
一般式(DB)中、YおよびYは各々独立に、水素原子、メチル基またはホルミル基を表す。R21、R22、R23およびR24は各々独立に、置換基を表し、a、b、cおよびdは各々独立に、0〜4の整数を表す。置換基としては後述する置換基Pが挙げられる。
ここで、A環は、飽和環、二重結合を1もしくは2個有する不飽和環または芳香環であってもよく、B環およびC環は、二重結合を1もしくは2個有する不飽和環であってもよい。また、A環〜D環のいずれかが、エポキシ環またはオキセタン環で縮環されていてもよい。
なお、a、b、cまたはdの各々において、2〜4の整数の場合、互いに隣接する置換基が結合して環を形成してもよく、また、同一の炭素原子に結合する置換基が共同して、=Oまたはエチリデン基を形成してもよい。
ただし、A環〜D環のいずれかが、エポキシ環またはオキセタン環で縮環されていない場合、a、b、cまたはdのいずれかは少なくとも1であり、かつR21、R22、R23およびR24いずれか1つの置換基は、官能基群(I)から選択される官能基もしくはこの官能基を含む基であることが好ましい。
以下に、本発明に用いられる分散剤の具体例を挙げるが、本発明で採用することができる分散剤はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、aおよびbは共重合体におけるモル組成比を表し、aおよびbは0〜1の任意の値をとるが、aとbの和は1である。
Figure 2018037230
Figure 2018037230
なお、本発明に用いられる分散剤としては、例えば、市販品を用いることができる。
本発明で用いられる分散剤の含有量は特に制限されないが、固体電解質組成物の固形成分100質量%中、0.00001〜10質量%が好ましく、0.001〜5質量%がより好ましく、0.01〜3質量%がさらに好ましい。
本明細書において化合物の表示(例えば、化合物と末尾に付して呼ぶとき)については、この化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、所望の効果を奏する範囲で、置換基を導入するなど一部を変化させた誘導体を含む意味である。
本明細書において置換または無置換を明記していない化合物ないし基については、その化合物ないし基に適宜の置換基を有していてもよい意味である。これは置換または無置換を明記していない化合物についても同義である。好ましい置換基としては、下記置換基Pが挙げられる。
置換基Pとしては、下記のものが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等、ただし本明細書においてアルキル基というときには通常シクロアルキル基を含む意味である。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、アラルキル基(好ましくは炭素数7〜23のアラルキル基、例えば、ベンジル、フェネチル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、好ましくは、環構成原子として酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選択される少なくとも1つを有する5又は6員環のヘテロ環基が好ましく、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、ピロリドン基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等、ただし本明細書においてアルコキシ基というときには通常アリーロイル基を含む意味である。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、3−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェノキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含み、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルファモイル基、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル等)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等)、アリーロイル基(好ましくは炭素原子数7〜23のアリーロイル基、例えば、ベンゾイル等、ただし本明細書においてアシル基というときには通常アリーロイル基を含む意味である。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ等)、アリーロイルオキシ基(好ましくは炭素原子数7〜23のアリーロイルオキシ基、例えば、ベンゾイルオキシ等、ただし本明細書においてアシルオキシ基というときには通常アリーロイルオキシ基を含む意味である。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、アルキルスルファニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルスルファニル基、例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ベンジルスルファニル等)、アリールスルファニル基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールスルファニル基、例えば、フェニルスルファニル、1−ナフチルスルファニル、3−メチルフェニルスルファニル、4−メトキシフェニルスルファニル等)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素原子数6〜22のアリールスルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル等)、アルキルシリル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキルシリル基、例えば、モノメチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル等)、アリールシリル基(好ましくは炭素原子数6〜42のアリールシリル基、例えば、トリフェニルシリル等)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシシリル基、例えば、モノメトキシシリル、ジメトキシシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル等)、アリールオキシシリル基(好ましくは炭素原子数6〜42のアリールオキシシリル基、例えば、トリフェニルオキシシリル等)、ホスホリル基(好ましくは炭素原子数0〜20のホスホリル基、例えば、−OP(=O)(R)、ホスホニル基(好ましくは炭素原子数0〜20のホスホニル基、例えば、−P(=O)(R)、ホスフィニル基(好ましくは炭素原子数0〜20のホスフィニル基、例えば、−P(R)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルイミノ基((メタ)アクリルアミド基)、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、リン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、シアノ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。
また、これらの置換基Pで挙げた各基は、上記の置換基Pがさらに置換していてもよい。
化合物、置換基および連結基等がアルキル基、アルキレン基、アルケニル基、アルケニレン基、アルキニル基および/またはアルキニレン基等を含むとき、これらは環状でも鎖状でもよく、また直鎖でも分岐していてもよく、上記のように置換されていても無置換でもよい。
(バインダー(D))
本発明の固体電解質組成物はバインダーを含有してもよい。
本発明で使用するバインダーは、有機ポリマーであれば特に限定されない。
本発明に用いることができるバインダーは、特に制限はなく、例えば、以下に述べる樹脂からなるバインダーが好ましい。
含フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニレンジフルオリド(PVdF)、ポリビニレンジフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(PVdF−HFP)が挙げられる。
炭化水素系熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ブチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンが挙げられる。
アクリル樹脂としては、各種の(メタ)アクリルモノマー類、(メタ)アクリルアミドモノマー類、およびこれら樹脂を構成するモノマーの共重合体(好ましくは、アクリル酸とアクリル酸メチルとの共重合体)が挙げられる。
また、そのほかのビニル系モノマーとの共重合体(コポリマー)も好適に用いられる。例えば、(メタ)アクリル酸メチルとスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとアクリロニトリルとの共重合体、(メタ)アクリル酸ブチルとアクリロニトリルとスチレンとの共重合体が挙げられる。本願明細書において、コポリマーは、統計コポリマーおよび周期コポリマーのいずれでもよく、ブロックコポリマーが好ましい。
その他の樹脂としては例えばポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体樹脂等が挙げられる。
その中でも含フッ素樹脂、炭化水素系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体樹脂が好ましく、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が特に好ましい。
これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダーの形状は特に限定されず、固体電解質組成物および全固体二次電池用負極シート中において粒子状であっても不定形状であってもよく、粒子状であることが好ましい。
なお、本発明に用いられるバインダーは市販品を用いることができる。また、常法により調製することもできる。
本発明に用いられるバインダーの水分濃度は、100ppm(質量基準)以下が好ましい。
また、本発明に用いられるバインダーは、固体の状態で使用しても良いし、ポリマー粒子分散液またはポリマー溶液の状態で用いてもよい。
本発明に用いられるバインダーの質量平均分子量は5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましく、30,000以上がさらに好ましい。上限としては、1,000,000以下が実質的であるが、この範囲の質量平均分子量を有するバインダーが架橋された態様も好ましい。
−分子量の測定−
本発明においてバインダーの分子量については、特に断らない限り、質量平均分子量をいい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレン換算の質量平均分子量を計測する。測定法としては、基本として下記条件1又は条件2(優先)の方法により測定した値とする。ただし、バインダー種によっては適宜適切な溶離液を選定して用いればよい。
(条件1)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−H(商品名)を2本つなげる。
キャリア:10mMLiBr/N−メチルピロリドン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0mL/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
(条件2)優先
カラム:TOSOH TSKgel Super HZM−H(商品名)、TOSOH TSKgel Super HZ4000(商品名)、TOSOH TSKgel Super HZ2000(商品名)をつないだカラムを用いる。
キャリア:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0mL/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
バインダーの固体電解質組成物中での含有量は、全固体二次電池に用いたときの界面抵抗の低減と低減された界面抵抗の維持を考慮すると、固形成分100質量%において、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限としては、電池特性の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
本発明では、バインダーの質量に対する、無機固体電解質と活物質の合計質量(総量)の質量比[(無機固体電解質の質量+活物質の質量)/バインダーの質量]は、1,000〜1の範囲が好ましい。この比率はさらに500〜2がより好ましく、100〜10がさらに好ましい。
(リチウム塩(E))
本発明の固体電解質組成物は、リチウム塩を含有してもよい。
リチウム塩としては、特に制限はなく、例えば、特開2015−088486号公報の段落0082〜0085記載のリチウム塩が好ましい。
リチウム塩の固体電解質組成物中での含有量は、無機固体電解質100質量部に対して0質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
(導電助剤(F))
本発明の固体電解質組成物は、導電助剤を含有してもよい。導電助剤としては、特に制限はなく、一般的な導電助剤として知られているものを用いることができる。例えば、電子伝導性材料である、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック類、ニードルコークスなどの無定形炭素、気相成長炭素繊維やカーボンナノチューブなどの炭素繊維類、グラフェンやフラーレンなどの炭素質材料であっても良いし、銅、ニッケルなどの金属粉、金属繊維でも良く、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン誘導体など導電性高分子を用いても良い。またこれらの内1種を用いても良いし、2種以上を用いても良い。
(分散媒体(G))
本発明の固体電解質組成物においては、上記の各成分を分散させる分散媒体を用いてもよい。分散媒体の具体例としては下記のものが挙げられる。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶媒としては、例えば、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等)、ジアルキルエーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等)、アルキルアリールエーテル(アニソール)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテルが挙げられる。
アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドが挙げられる。
アミノ化合物溶媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミンが挙げられる。
ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンが挙げられる。
脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ペンタン、シクロペンタン、シクロオクタンが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピロニトリル、ブチロニトリルが挙げられる。
分散媒体は常圧(1気圧)での沸点が50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。上限は250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがさらに好ましい。上記分散媒体は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(グラファイトシート(B))
本発明に用いられるグラファイトシートは、膨張黒鉛シートと呼称されることもある。膨張黒鉛とは、グラフェン層間に、有機分子などが挿入された黒鉛相関化合物を急速に加熱することで、挿入された化合物がガス化し、グラフェン層間を広げることで、体積が膨張した黒鉛である。この黒鉛を圧延することにより、グラファイト層がシート内に平行に配列してなり、炭素原子を主成分として含むグラファイトシートを得ることが出来る。
グラファイトシートの厚さは特に制限されないが、5〜1、000μmが好ましく、10〜800μmがより好ましく、10〜500μmが特に好ましい。
本発明に用いられるグラファイトシートは、ヘテロ原子の含有量が1質量%以下である。ヘテロ原子の含有量が1質量%を超えると、グラファイト構造とは異なり、リチウムイオンを吸蔵することができにくくなるからである。ヘテロ原子の含有量は、0.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。ヘテロ原子の含有量は、0質量%に近い程好ましいが、0質量%を超えることが実際的であり、0.00001質量%以上含有されていてもよく、0.0001質量%以上含有されていてもよい。
なお、ヘテロ原子とは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ホウ素原子、ハロゲン原子を意味し、ヘテロ原子の含有量は、元素分析により求めることができる。
本発明に用いられるグラファイトシートは、孔(凹部)を有することが好ましい。シート中の孔の数は特に制限されないが、複数であることが好ましく、グラファイトシート1cm当たり2〜10,000個であることがより好ましく、10〜3,000個であることがさらに好ましい。孔は、グラファイトシートを貫通していても貫通していなくてもよいが、少なくとも固体電解質層と接する面側に孔(凹部)を有することが好ましい。
本明細書において、「貫通」とは、グラファイトシートを表面から裏面まで、連続孔が存在することを意味する。
グラファイトシートが孔を有することにより、全固体二次電池において、グラファイトシートと固体電解質層間での周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオン(例えば、リチウムイオン)の挿入放出がより効率的になるからである。
本発明の全固体二次電池用負極シートにおいて、孔を有するグラファイトシートの真密度(g/cm)に対する孔を有するグラファイトシートの見かけ密度(g/cm)の割合(見かけ密度/真密度×100)が50〜100%であることが好ましく、60〜98%がより好ましく、70〜95%が特に好ましい。
以下、孔を有するグラファイトシートの真密度と孔を有するグラファイトシートの見かけ密度について記載する。
孔を有するグラファイトシートの真密度(g/cm)は、グラファイトシートの孔以外の部分(つまりグラファイト部分)の密度である。したがって、孔を有するグラファイトシートの真密度と孔を有さないグラファイトシートの真密度は同じ値となる。
孔を有するグラファイトシートの見かけ密度(g/cm)は下記式(1)により算出される。
孔を有するグラファイトシートの見かけ密度(g/cm)=孔を有するグラファイトシートの質量(g)/孔を有するグラファイトシートの体積(cm)・・・・式(1)
「孔を有するグラファイトシートの体積」は、孔を含めたグラファイトシートの体積(グラファイト部分と孔部分の体積の合計)を意味する。
孔の形状は特に制限されないが、例えば、グラファイトシートの固体電解質層に接する表面から反対方向に向けて直径0.1〜0.5mmの円柱状、底面の直径0.1〜0.5mmの円錐状の孔であることが好ましい。円柱、円錐の代わりに、三角柱四角柱などの角柱状、角錐状でもよい。また、孔の深さは、固体電解質層の厚さの1/10〜1/1であることが好ましく、1/5〜1/1であることがより好ましい。
グラファイトシートの孔形成方法は特に制限されないが、例えば、グラファイトシートから一部を削り取って孔を形成する方法、分解性の物質をあらかじめ埋めこんでおき、除く方法およびハンドパンチのように打ち抜く方法が挙げられる。具体的には、直径0.1〜0.5mmの円柱状の針を複数用いて多孔質化する方法が挙げられる。
(固体電解質組成物の調製)
本発明に用いられる固体電解質組成物は、例えば、無機固体電解質(A)を分散媒体(G)の存在下で分散して、スラリー化することで調製することができる。
スラリー化は、各種の混合機を用いて無機固体電解質と、分散媒体とを混合することにより行うことができる。混合装置としては、特に限定されないが、例えば、ボールミル、ビーズミル、プラネタリミキサ―、ブレードミキサ―、ロールミル、ニーダーおよびディスクミルが挙げられる。混合条件は特に制限されないが、例えば、ボールミルを用いた場合、150〜700rpm(rotation per minute)で1時間〜24時間混合することが好ましい。
バインダー等の成分を含有する固体電解質組成物を調製する場合には、上記の無機固体電解質(A)の分散工程と同時に添加及び混合してもよく、別途添加及び混合してもよい。
(正極用組成物の調製)
また、本発明の全固体二次電池を構成する正極活物質層を形成するための正極用組成物は、上記固体電解質組成物の調製において、後述の正極活物質(H)を無機固体電解質(A)の分散工程と同時にまたは別途添加及び混合することにより調製することができる。
正極用組成物で形成される正極活物質層は、好ましくは、含有する成分種及びその含有量比について、正極用組成物の固形分におけるものと同じである。
(正極活物質(H))
正極活物質(H)としては、周期律表第1族又は第2族に属する金属元素のイオンの挿入放出が可能な正極活物質が挙げられ、金属酸化物(好ましくは遷移金属酸化物)が好ましい。
正極活物質(H)は、可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できるものが好ましい。その材料は、上記特性を有するものであれば、特に制限はなく、遷移金属酸化物や、有機物、硫黄などのLiと複合化できる元素や硫黄と金属の複合物などでもよい。
中でも、正極活物質としては、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、遷移金属元素M(Co、Ni、Fe、Mn、CuおよびVから選択される1種以上の元素)を有する遷移金属酸化物がより好ましい。また、この遷移金属酸化物に元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、PまたはBなどの元素)を混合してもよい。混合量としては、遷移金属元素Mの量(100mol%)に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Maのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
遷移金属酸化物の具体例としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物および(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物等が挙げられる。
(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])およびLiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiMn(LMO)、LiCoMnO4、LiFeMn、LiCuMn、LiCrMnおよびLiNiMnが挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、LiFePOおよびLiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類ならびにLi(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、LiFePOF等のフッ化リン酸鉄塩、LiMnPOF等のフッ化リン酸マンガン塩およびLiCoPOF等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、LiFeSiO、LiMnSiOおよびLiCoSiO等が挙げられる。
本発明では、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物が好ましく、LCO又はNMCがより好ましい。
正極活物質の形状は特に制限されないが粒子状が好ましい。正極活物質の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は特に限定されない。例えば、0.1〜50μmとすることができる。正極活物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質粒子の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定することができる。
上記正極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質層を形成する場合、正極活物質層の単位面積(cm)当たりの正極活物質の質量(mg)(目付量)は特に限定されるものではない。設計された電池容量に応じて、適宜に決めることができる。
正極活物質の、正極用組成物中における含有量は、特に限定されず、固形分100質量%において、10〜95質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、50〜85質量がさらに好ましく、55〜80質量%が特に好ましい。
正極活物質の表面は別の金属酸化物で表面被覆されていてもよい。表面被覆剤としてはTi、Nb、Ta、W、Zr、Al、SiまたはLiを含有する金属酸化物等が挙げられる。具体的には、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物、ニオブ酸リチウム系化合物等が挙げられ、具体的には、LiTi12、LiTi、LiTaO、LiNbO、LiAlO、LiZrO、LiWO、LiTiO、Li、LiPO、LiMoO、LiBO、LiBO、LiCO、LiSiO、SiO、TiO、ZrO、Al、B等が挙げられる。
また、正極活物質を含む電極表面は硫黄またはリンで表面処理されていてもよい。
さらに、正極活物質の粒子表面は、上記表面被覆の前後において活性光線または活性気体(プラズマ等)により表面処理を施されていても良い。
[全固体二次電池用正極シート]
本発明の全固体二次電池に用いられる全固体二次電池用正極シートは、集電体としての金属箔上に正極活物質層を有する電極シートである。この電極シートは、通常、集電体及び活物質層を有するシートである。
本発明の全固体二次電池に用いられる全固体二次電池用正極シートを構成する正極活物質層の層厚は、上述の、本発明の全固体二次電池において説明した正極活物質層の層厚と同じである。
全固体二次電池用正極シートは、上述の正極用組成物を金属箔上に製膜(塗布乾燥)して、金属箔上に活物質層を形成することにより、得られる。
[全固体二次電池]
本発明の全固体二次電池は、正極と、この正極に対向する負極と、正極及び負極の間の固体電解質層とを有する。正極は、正極集電体上に正極活物質層を有する。負極は、グラファイトシートである。
〔集電体(金属箔)〕
正極集電体4は、電子伝導体が好ましい。
正極集電体を形成する材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルおよびチタンなどの他に、アルミニウムまたはステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの(薄膜を形成したもの)が好ましく、その中でも、アルミニウムおよびアルミニウム合金がより好ましい。
集電体の形状は、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
集電体の厚みは、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
本発明において、固体電解質層、正極活物質層及び正極集電体の各層の間又はその外側には、機能性の層や部材等を適宜介在ないし配設してもよい。また、各層は単層で構成されていても、複層で構成されていてもよい。
〔筐体〕
上記の各層を配置して全固体二次電池の基本構造を作製することができる。用途によってはこのまま全固体二次電池として使用してもよいが、乾電池の形態とするためにはさらに適当な筐体に封入して用いる。筐体は、金属性のものであっても、樹脂(プラスチック)製のものであってもよい。金属性のものを用いる場合には、例えば、アルミニウム合金およびステンレス鋼製のものを挙げることができる。金属性の筐体は、正極側の筐体と負極側の筐体に分けて、それぞれ正極集電体及び負極集電体と電気的に接続させることが好ましい。正極側の筐体と負極側の筐体とは、短絡防止用のガスケットを介して接合され、一体化されることが好ましい。
[全固体二次電池及び全固体二次電池用負極シートの製造]
全固体二次電池及び全固体二次電池用負極シートの製造は、常法によって行うことができる。具体的には、全固体二次電池及び全固体二次電池用負極シートは、本発明の固体電解質組成物等を用いて、上記の各層を形成することにより、製造できる。以下、詳述する。
本発明の全固体二次電池は、本発明の固体電解質組成物を、グラファイトシート上に塗布し、塗膜を形成(製膜)する工程を含む(介する)方法により、製造できる。
例えば、グラファイトシート上に、本発明の固体電解質組成物を塗布して固体電解質層を形成し、全固体二次電池用負極シートを作製する。次いで、この固体電解質層の上に、正極用組成物を塗布して、正極活物質層を形成する。正極活物質層の上に、正極集電体(金属箔)を重ねることにより、正極活物質層と負極集電体兼負極活物質層との間に固体電解質層が挟まれた構造の全固体二次電池を得ることができる。必要によりこれを筐体に封入して所望の全固体二次電池とすることができる。
また、各層の形成方法を逆にして、正極集電体上に、正極活物質層、固体電解質層及び負極活物質層兼負極集電体を重ねて、全固体二次電池を製造することもできる。
別の方法として、次の方法が挙げられる。すなわち、上記のようにして、全固体二次電池用負極シートを作製する。また、正極集電体である金属箔上に、正極用組成物を塗布して正極活物質層を形成し、全固体二次電池用正極シートを作製する。次いで、全固体二次電池用負極シートの固体電解質層上に、全固体二次電池用正極シートを、固体電解質層と正極活物質層とが接するように積層する。このようにして、全固体二次電池を製造することができる。
(各層の形成(成膜))
固体電解質組成物および正極用組成物の塗布方法は、特に限定されず、適宜に選択できる。例えば、塗布(好ましくは湿式塗布)、スプレー塗布、スピンコート塗布、ディップコート、スリット塗布、ストライプ塗布およびバーコート塗布が挙げられる。
このとき、固体電解質組成物および正極用組成物は、それぞれ塗布した後に乾燥処理を施してもよいし、重層塗布した後に乾燥処理をしてもよい。乾燥温度は特に限定されない。下限は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましく、200℃以下がさらに好ましい。このような温度範囲で加熱することで、分散媒体を除去し、固体状態にすることができる。また、温度を高くしすぎず、全固体二次電池の各部材を損傷せずに済むため好ましい。これにより、全固体二次電池において、優れた総合性能を示し、かつ良好な結着性を得ることができる。
固体電解質組成物および/または正極用組成物を塗布した後、又は、全固体二次電池を作製した後に、各層又は全固体二次電池を加圧することが好ましい。また、各層を積層した状態で加圧することも好ましい。加圧方法としては油圧シリンダープレス機等が挙げられる。加圧力としては、特に限定されず、一般的には50〜1500MPaの範囲であることが好ましい。なお、加圧によって、グラファイトシートの体積が最大で約10%程度減少することがある。この場合、上記の真密度及び見かけ密度は、加圧後の状態におけるものである。
また、塗布した固体電解質組成物および正極用組成物は、加圧と同時に加熱してもよい。加熱温度としては、特に限定されず、一般的には30〜300℃の範囲である。無機固体電解質のガラス転移温度よりも高い温度でプレスすることもできる。
加圧は塗布溶媒又は分散媒体をあらかじめ乾燥させた状態で行ってもよいし、溶媒又は分散媒体が残存している状態で行ってもよい。
なお、各組成物は同時に塗布しても良いし、塗布乾燥プレスを同時および/または逐次行っても良い。別々の基材に塗布した後に、転写により積層してもよい。
加圧中の雰囲気としては、特に限定されず、大気下、乾燥空気下(露点−20℃以下)および不活性ガス中(例えばアルゴンガス中、ヘリウムガス中、窒素ガス中)などいずれでもよい。
プレス時間は短時間(例えば数時間以内)で高い圧力をかけてもよいし、長時間(1日以上)かけて中程度の圧力をかけてもよい。全固体二次電池用シート以外、例えば全固体二次電池の場合には、中程度の圧力をかけ続けるために、全固体二次電池の拘束具(ネジ締め圧等)を用いることもできる。
プレス圧はシート面等の被圧部に対して均一であっても異なる圧であってもよい。
プレス圧は被圧部の面積や膜厚に応じて変化させることができる。また同一部位を段階的に異なる圧力で変えることもできる。
プレス面は平滑であっても粗面化されていてもよい。
(初期化)
上記のようにして製造した全固体二次電池は、製造後又は使用前に初期化を行うことが好ましい。初期化は、特に限定されず、例えば、プレス圧を高めた状態で初充放電を行い、その後、全固体二次電池の一般使用圧力になるまで圧力を開放することにより、行うことができる。
[全固体二次電池の用途]
本発明の全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車(電気自動車等)、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下のような各応用形態が導かれる。
〔1〕固体電解質層がリチウム塩を含有する全固体二次電池。
〔2〕固体電解質層が、分散媒体によって、リチウム塩および硫化物系無機固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し製膜される全固体二次電池の製造方法。
〔3〕固体電解質層がリチウム塩および導電助剤を含有する全固体二次電池。
〔4〕固体電解質層が、分散媒体によって、導電助剤および硫化物系無機固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し製膜される全固体二次電池の製造方法。
上記好ましい実施形態の〔2〕および〔4〕に記載するように、本発明の全固体二次電池および全固体二次電池用負極シートの好ましい製造方法は、いずれも湿式プロセスである。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、上記のLi−P−S系ガラス、LLTまたはLLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に有機化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質のバインダーや添加剤として有機化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLi−P−S系ガラス、LLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがある。上記のイオン輸送材料としての電解質と区別する際には、これを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては、例えばLiTFSIが挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。以下の実施例において組成を表す「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
なお、表中において使用する「−」は、その列の組成を含有しないこと等を意味し、表中における「含有量(質量%)」は、分散媒体を除いた全固形分を100質量%とした質量比を意味する。
[実施例および比較例]
<硫化物系無機固体電解質(Li−P−S系ガラス)の合成>
硫化物系無機固体電解質は、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.Hama,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235およびA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873の非特許文献を参考にして合成した。
具体的には、アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42g、五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳鉢を用いて、5分間混合した。なお、LiSおよびPはモル比でLiS:P=75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、上記硫化リチウムと五硫化二リンの混合物全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行い、黄色粉体の硫化物固体電解質材料(Li−P−S系ガラス)6.20gを得た。
<正極用組成物(P−1)の調製>
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス3.0g、分散媒体としてヘプタン12.3gを投入した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間混合した。その後、活物質としてLCO(LiCoO、日本化学工業社製、体積平均粒子径15μm)7.0gを容器に投入し、同様に、遊星ボールミルP−7に容器をセットし、温度25℃、回転数100rpmで10分間混合を続け、正極用組成物(P−1)を調製した。
下記表1に記載の組成に変えたこと以外は、正極用組成物(P−1)と同様にして正極用組成物(P−2)を調製した。
Figure 2018037230
<表の注>
NMC:LiNi0.33Co0.33Mn0.33、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム、体積平均子粒径10μm
Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
<負極用組成物(N−1)の調製>
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス4.0g、分散媒体としてヘプタン12.3gを投入した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間混合した。その後、活物質として黒鉛(CGB20、商品名、日本黒鉛社製、平均粒子径20μm)6.0gを容器に投入し、同様に、遊星ボールミルP−7に容器をセットし、温度25℃、回転数200rpmで15分間混合を続け、負極用組成物(N−1)を調製した。
下記表2に記載の組成に変えたこと以外は、負極用組成物(N−1)と同様にして負極用組成物(N−2)を調製した。
Figure 2018037230
−固体電解質組成物(E−1)の調製−
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス10.0g、分散媒体としてヘプタン15.0gを投入した。その後、フリッチュ社製遊星ボールミルP−7に容器をセットし、温度25℃、回転数300rpmで2時間攪拌を続け、固体電解質組成物(E−1)を調製した。
−固体電解質組成物(E−2)〜(E−7)の調製−
下記表3に記載の組成に変えたこと以外は、固体電解質組成物(E−1)と同様にして、固体電解質組成物(E−2)〜(E−7)を調製した。
Figure 2018037230
<表1の注>
(1)Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
(2)LLZ:LiLaZr12
(3)A−2、A−16、D−27:上記例示化合物
<グラファイトシート>
グラファイトシートA:厚さ127μm、密度1.1g/cm、グラフテック社製、商品名:GTA
グラファイトシートA−1:グラファイトシートAに直径0.3mm針で貫通処理を実施し、密度0.9g/cmとしたシート。
グラファイトシートA−2:グラファイトシートAに直径0.3mm針で貫通処理を実施し、密度0.8g/cmとしたシート。
グラファイトシートB:厚さ25μm、密度1.9g/cm、パナソニック社製グラファイトシート
グラファイトシートB−1:グラファイトシートBに直径0.2mm針で貫通処理を実施し、密度1.7g/cmとしたシート。
グラファイトシートB−2:グラファイトシートBに直径0.2mm針で貫通処理を実施し、密度1.5g/cmとしたシート。
貫通処理は以下のように実施した。10cm四方のグラファイトシートの二辺を固定し、5kg/cmの引張り応力をかけた後、表面に直径0.3mmの針が1cm当たり1本設置された直径140mmの円柱を針が貫通するまで押し付けた。この操作を上記密度になるまで必要な回数行った。
(試験No.101の全固体二次電池の製造)
−全固体二次電池用負極シートの作製−
グラファイトシートA上に、アプリケーター(商品名:SA−201ベーカー式アプリケータ、テスター産業社製)により固体電解質組成物(E−1)を塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、加熱(120℃)しながら加圧し(20MPa、1分間)、固体電解質層/負極活物質層兼集電体の積層構造を有する全固体二次電池用負極シートを作製した。
−全固体二次電池用正極シートの作製−
上記で調製した正極用組成物(P−1)を厚み20μmのアルミ箔上に、アプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、加熱(120℃)しながら加圧(20MPa、1分間)し、正極活物質層/アルミ箔の積層構造を有する全固体二次電池用正極シートを作製した。
上記で製造した全固体二次電池用負極シートを直径14.5mmの円板状に切り出し、直径13.0mmの円板状に切り出した全固体二次電池用正極シートの正極活物質層と、全固体二次電池用負極シートの固体電解質層が向かい合うように、スペーサーとワッシャー(ともに図2において図示しない)を組み込んだステンレス製の2032型コインケースに入れた。このようにして、下記表4に記載の試験No.101の全固体二次電池(図2の構成を有する2032型コイン電池)を製造した。
2032型コインケース中の全固体二次電池シートは、図1の構成を有し、全固体二次電池用負極シートと全固体二次電池用正極シートの積層構造、すなわち、負極集電体兼負極活物質層/固体電解質層/正極活物質層/アルミ箔の積層構造を有する。正極活物質層および固体電解質層の層厚は、それぞれ順に100μm、50μmであった。
(試験No.102〜111の全固体二次電池の製造)
下記表4に記載の組成に変えた以外は、試験No.101の全固体二次電池と同様にして試験No.102〜111の全固体二次電池を製造した。
(試験No.c11の全固体二次電池の製造)
以下のように全固体二次電池用負極シートの製造したこと以外は、試験No.101の全固体二次電池と同様にして試験No.c11の全固体二次電池を製造した。
厚み18μmの銅箔上に、アプリケーター(商品名:SA−201ベーカー式アプリケータ、テスター産業社製)により負極用組成物(N−1)を塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、加熱(120℃)しながら加圧し(20MPa、1分間)、集電体である銅箔上に負極活物質層を作製した。続いて、負極活物質層上に、固体電解質組成物(E−1)を塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、加熱(120℃)しながら加圧し(20MPa、1分間)、固体電解質層/負極活物質層/銅箔の積層構造を有する全固体二次電池用負極シートを作製した。
試験No.c11の全固体二次電池の正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層の層厚は、それぞれ順に100μm、125μm、150μmであった。
(試験No.c12〜c14の全固体二次電池の製造)
下記表4に記載の組成に変えた以外は、試験No.c11の全固体二次電池と同様にして試験No.c12〜c14の全固体二次電池を製造した。
上記で製造した試験No.101〜111およびc11〜c14の全固体二次電池について、以下の評価を行った。
−容量密度の評価−
上記で製造した全固体二次電池の放電容量を、東洋システム社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)により測定した。
充電は電池電圧が4.2Vになるまで、電流値0.2mAで行い、放電は電池電圧が3.0Vになるまで、電流値0.2mAで行った。この充放電を1サイクルとして同様の充放電を繰り返し、3サイクル目の放電容量を電池の放電容量とした。この放電容量を負極活物質層兼集電体、固体電解質層、正極活物質層およびアルミ箔の合計質量で割った値を容量密度とした。なお、容量密度30Ah/kg以上が本試験の合格レベルである。
−サイクル特性の評価−
上記で製造した全固体二次電池のサイクル特性を、東洋システム社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)により測定した。充電は電池電圧が4.2Vになるまで、電流値0.2mAで行い、放電は電池電圧が3.0Vになるまで、電流値0.2mAで行った。この充放電を1サイクルとして同様の充放電を繰り返し、3サイクル目の放電容量の80%を維持できる最大の充放電サイクル数を測定し、下記評価基準により電池のサイクル特性を評価した。なお、サイクル特性C以上が本試験の合格レベルである。
(評価基準)
A:50回以上
B:40回以上50回未満
C:30回以上40回未満
D:10回以上30回未満
E:10回未満
Figure 2018037230
<表の注>
密度の割合:孔を有するグラファイトシートの真密度(g/cm)に対する見かけ密度(g/cm)の割合
表4から明らかなように、比較例の全固体二次電池は、いずれも電池評価が低かった。特に、試験No.c14の全固体二次電池の結果から、負極活物質層が黒鉛を主成分とする場合であっても、本発明の規定を超えるヘテロ原子を含有すると、負極集電体を用いても電流密度が低く、サイクル特性が劣ることが分かる。
これに対し、実施例の全固体二次電池は、いずれも電流密度が大きく、サイクル特性に優れた。特に、試験No.104と110の全固体二次電池の結果の対比から、孔を有するグラファイトシートを用いると、より電流密度が大きくなることが分かる。これは、グラファイトシートと固体電解質層間でのリチウムイオンの挿入放出がより効率的になったためと考えられる。
1 負極集電体兼負極活物質層(負極)
2 固体電解質層
3 正極活物質層
4 正極集電体
5 作動部位
10 全固体二次電池
11 2032型コインケース
12 全固体二次電池用シート
13 イオン伝導度測定用治具または全固体二次電池

Claims (6)

  1. 周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質(A)を含有する固体電解質層を、ヘテロ原子1質量%以下のグラファイトシート(B)上に有する全固体二次電池用負極シート。
  2. 前記固体電解質層が、分散剤(C)を含む請求項1に記載の全固体二次電池用負極シート。
  3. 前記分散剤(C)が下記一般式(1)で表される請求項2に記載の全固体二次電池用負極シート。
    Figure 2018037230
    式中、αは環構造を示し、Rは環α構成原子と結合している置換基を示し、mは1以上の整数を示す。mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。隣接する環α構成原子に結合するR同士は、互いに結合して環を形成してもよい。
  4. 前記グラファイトシート(B)が複数の孔を有し、真密度(g/cm)に対する見かけ密度(g/cm)の割合が60〜98%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池用負極シート。
  5. 前記無機固体電解質(A)が硫化物系無機固体電解質である請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池用負極シート。
  6. 正極活物質層と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体二次電池用負極シートとを具備する全固体二次電池。
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