JP6733426B2 - 色変換テーブル生成装置、色変換テーブル生成方法、及び、色変換テーブル生成プログラム - Google Patents
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Description
尚、参考例として、特許文献1には、インクドットの粒状性を示す粒状性指数を含む目的関数の値が低くなるようにインク使用量が選択された色変換プロファイルが示されている。
尚、上述のような問題は、インクジェットプリンターのための色変換テーブルを生成する場合に限らず、種々の色材で入力色を再現するための色変換テーブルを生成する場合にも存在する。
前記入力色空間に設けられた既定軸において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置の設定を受け付ける境界位置設定部と、
前記既定軸における前記境界位置に基づいて、前記対応関係を規定する格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する使用可否決定部と、
前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する使用量設定部と、を備える、態様を有する。
前記入力色空間に設けられた既定軸において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置の設定を受け付ける工程と、
前記既定軸における前記境界位置に基づいて、前記対応関係を規定する格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する工程と、
前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する工程と、を含む、態様を有する。
前記入力色空間に設けられた既定軸において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置の設定を受け付ける境界位置設定機能と、
前記既定軸における前記境界位置に基づいて、前記対応関係を規定する格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する使用可否決定機能と、
前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する使用量設定機能と、をコンピューターに実現させる、態様を有する。
まず、図1〜19に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
色変換テーブルの生成時に、インクの使用量の制御を必要とする場合がある。例えば、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)を少なくとも含む複数色のインクを使用する場合において、比較的濃いKインクのドットによる粒状感を改善するためにKインクの使用量を制御することがある。
既知の類似技術として、ICC(International Color Consortium)プロファイルのBtoAデータの生成時におけるKインクの発生制御がある。しかし、これは入力色空間であるCMYK色空間の次元数(4次元)と、ICCプロファイル作成時の色彩値空間(3次元)の次元数と、の差異を利用した技術であり、入力色空間がRGB(レッド、グリーン、及び、ブルー)色空間である色変換テーブルの作成には転用することができない。
また、ユーザーが個々の格子点単位でインク使用量を指定することは、制御性が非常に高いものの、作業が煩雑であるため現実的ではない。
本技術は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、ユーザーが格子点のインク発生を設定する手間を削減することと、実用上において効果的である制御性と、を実現可能である。
尚、インクの種類が異なってもインク使用量を制御するアルゴリズムには実質的な差異はなく、いずれの種類のインクでも同様の手法を適用することができる。
図1,2,13,18に例示される色変換テーブル生成装置100は、境界位置設定部U1、使用可否決定部U2、及び、使用量設定部U3を備え、入力色空間CS1の座標値(図13の例ではRj,Gj,Bj)と複数種類の色材(例えばC、M、Y、及び、Kのインク)の使用量(図13の例ではCj,Mj,Yj,Kj)との対応関係を規定した色変換テーブル400を生成する。前記境界位置設定部U1は、前記入力色空間CS1に設けられた既定軸A0(図2B,14A参照)において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材(例えばKインク)の使用が開始されるか終了する境界位置(例えば発生位置420)の設定を受け付ける。前記使用可否決定部U2は、前記既定軸A0における前記境界位置(420)に基づいて、前記対応関係を規定する格子点GD0(例えば図10B,17に例示する格子点GD2)において前記特定色材を使用するか否かを決定する。前記使用量設定部U3は、前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点GD0における前記特定色材の使用量を設定する(図12A,12B,17参照)。
上記態様1では、ユーザーが入力色空間CS1に設けられた既定軸A0において特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置(420)を設定すると、対応関係を規定する格子点GD0において特定色材を使用するか否かが決定される。これにより、ユーザーは、全格子点GD0について特定色材を使用するか否かを設定する必要が無くなる。前記格子点GD0において特定色材を使用すると決定された場合、前記格子点GD0における特定色材の使用量が設定される。従って、本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成する色変換テーブル生成装置を提供することができる。
前記色材は、インク、トナー、等を含む。
前記特定色材は、境界位置が特定色材の使用が開始される位置である場合、CMYKの4色の色材に含まれるKの色材、Cよりも低濃度のLc(ライトシアン)やMよりも低濃度のLm(ライトマゼンタ)とCMYの4色以上の色材に含まれるCやMの色材、Yよりも高濃度のDy(ダークイエロー)とCMYの4色以上の色材に含まれるDyの色材、Kよりも低濃度のLk(ライトブラック)とCMYKの5色以上の色材に含まれるKやLkの色材、Or(オレンジ)やGr(グリーン)とCMYの4色以上の色材に含まれるOrやGrの色材、等を含む。また、前記特定色材は、境界位置が特定色材の使用が終了する位置である場合、LcやLmとCMYの4色以上の色材に含まれるLcやLmの色材、DyとCMYの4色以上の色材に含まれるYの色材、LkとCMYKの5色以上の色材に含まれるLkの色材、等を含む。
格子点(grid point)は入力色空間に配置された仮想の点を意味し、入力色空間における格子点の位置に対応する出力座標値が該格子点に格納されていると想定することにしている。複数の格子点が入力色空間内で均等に配置されるのみならず、複数の格子点が入力色空間内で不均等に配置されることも、本技術に含まれる。
ところで、図12A,17に例示するように、前記使用量設定部U3は、前記既定軸A0の位置を表す値から色材の使用量を表す値を求める関数460を用いることにより、前記格子点GD0における前記特定色材の使用量を設定してもよい。これにより、格子点GD0における特定色材の使用量が容易に設定される。すなわち、本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルをさらに容易に生成する技術を提供することができる。
図6,16に例示するように、前記使用量設定部U3は、前記特定色材の使用量の設定に用いる関数460の設定を受け付ける関数設定部U4を有してもよい。これにより、ユーザーは、格子点GD0における特定色材の使用量を所望の使用量に設定することができる。すなわち、本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルをさらに容易に生成する技術を提供することができる。
図2Bに例示するように、前記既定軸A0は、
前記入力色空間CS1において白点Wから黒点Dに至るグレー軸A0gray、
前記入力色空間CS1において白点Wからイエロー純色点Yを通って黒点Dに至るY経由軸A0y、
前記入力色空間CS1において白点Wからレッド純色点Rを通って黒点Dに至るR経由軸A0r、
前記入力色空間CS1において白点Wからマゼンタ純色点Mを通って黒点Dに至るM経由軸A0m、
前記入力色空間CS1において白点Wからブルー純色点Bを通って黒点Dに至るB経由軸A0b、
前記入力色空間CS1において白点Wからシアン純色点Cを通って黒点Dに至るC経由軸A0c、及び、
前記入力色空間CS1において白点Wからグリーン純色点Gを通って黒点Dに至るG経由軸A0g
の中から選ばれる複数の軸を含んでもよい。前記境界位置設定部U1は、前記複数の軸のそれぞれについて前記境界位置(420)の設定を受け付けてもよい。前記使用可否決定部U2は、前記複数の軸のそれぞれにおける前記境界位置(420)に基づいて、前記格子点GD0において前記特定色材を使用するか否かを決定してもよい。既定軸A0が前記複数の軸を含むことにより、出力画像の画質を向上させるように色変換テーブル400を生成することができる。すなわち、本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成する好適な技術を提供することができる。
図9A,12Aに例示するように、前記既定軸A0は、前記グレー軸A0gray、前記Y経由軸A0y、前記R経由軸A0r、前記M経由軸A0m、前記B経由軸A0b、前記C経由軸A0c、及び、前記G経由軸A0gの中から選ばれる第一選択軸A1、第二選択軸A2、及び、第三選択軸A3を含んでもよい。前記使用可否決定部U2は、前記入力色空間CS1において、前記第一選択軸A1における前記境界位置(図12Aでは発生位置Pb)、前記第二選択軸A2における前記境界位置(図12Aでは発生位置Pc)、及び、前記第三選択軸A3における前記境界位置(図12Aでは発生位置Pgray)を結ぶ三角形TR0と、前記格子点GD0と、の位置関係に基づいて、前記格子点GD0において前記特定色材を使用するか否かを決定してもよい。本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成するさらに好適な技術を提供することができる。
図12Aに例示するように、前記第三選択軸A3は、前記グレー軸A0grayでもよい。図10A〜10Cに例示するように、前記使用可否決定部U2は、前記入力色空間CS1において、前記第一選択軸A1が通っている純色点、前記第二選択軸A2が通っている純色点、白点W、及び、黒点Dを頂点として形成される四面体TE0に前記格子点GD0が含まれるか否かを判断し、前記四面体TE0に前記格子点GD0が含まれると判断した場合に、前記三角形TR0と、前記格子点GD0と、の位置関係に基づいて、前記格子点GD0において前記特定色材を使用するか否かを決定してもよい。本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成するさらに好適な技術を提供することができる。
図12A,12Bに例示するように、前記使用量設定部U3は、前記入力色空間CS1において、前記三角形TR0と、前記格子点GD0と、の位置関係に基づいて、前記格子点GD0における前記特定色材の使用量を設定してもよい。この態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成するさらに好適な技術を提供することができる。
図14Aに例示するように、前記入力色空間CS1は、第一入力色(例えばC)の1次元軸、第二入力色(例えばM)の1次元軸、第三入力色(例えばY)の1次元軸、及び、第四入力色(例えばK)の1次元軸を有する色空間(例えばCMYK色空間)でもよい。前記既定軸A0は、前記入力色空間CS1において、前記第一入力色の1次元軸、前記第二入力色の1次元軸、及び、前記第三入力色の1次元軸で構成される仮想の六面体HE0の頂点が前記第四入力色の成分の変化により移動するときの軌跡を表す稜線軸A10を複数含んでもよい。前記境界位置設定部U1は、前記複数の稜線軸A10のそれぞれについて前記境界位置(420)の設定を受け付けてもよい。前記使用可否決定部U2は、前記複数の稜線軸A10のそれぞれにおける前記境界位置(420)に基づいて、前記格子点GD0において前記特定色材を使用するか否かを決定してもよい。既定軸A0が複数の稜線軸A10を含むことにより、出力画像の画質を向上させるように色変換テーブル400を生成することができる。すなわち、本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成する好適な技術を提供することができる。
図14Aに例示するように、前記既定軸A0は、前記仮想の六面体HE0における8箇所の頂点のそれぞれに対応する8本の前記稜線軸A10を含んでもよい。前記使用可否決定部U2は、前記入力色空間CS1において、前記8本の稜線軸A10のそれぞれにおける前記境界位置(420)と、前記格子点GD0と、の位置関係に基づいて、前記格子点GD0において前記特定色材を使用するか否かを決定してもよい。既定軸A0が前記8本の稜線軸A10を含むことにより、出力画像の画質をさらに向上させるように色変換テーブル400を生成することができる。すなわち、本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成するさらに好適な技術を提供することができる。
図17に例示するように、前記使用量設定部U3は、前記入力色空間CS1において、前記8本の稜線軸A10のそれぞれにおける前記境界位置(420)と、前記格子点GD0と、の位置関係に基づいて、前記格子点GD0における前記特定色材の使用量を設定してもよい。本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成するさらに好適な技術を提供することができる。
図2,13,18に例示される色変換テーブル生成方法は、境界位置設定部U1に対応する境界位置設定工程ST1、使用可否決定部U2に対応する使用可否決定工程ST2、及び、使用量設定部U3に対応する使用量設定工程ST3を含む。本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成する色変換テーブル生成方法を提供することができる。本色変換テーブル生成方法は、関数設定部U4に対応する関数設定工程ST4を含んでもよい。
図1,2,13,18に例示される色変換テーブル生成プログラムPR0は、境界位置設定部U1に対応する境界位置設定機能FU1、使用可否決定部U2に対応する使用可否決定機能FU2、及び、使用量設定部U3に対応する使用量設定機能FU3をコンピューターに実現させる。本態様は、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成する色変換テーブル生成プログラムPR0を提供することができる。本色変換テーブル生成プログラムPR0は、関数設定部U4に対応する関数設定機能FU4をコンピューターに実現させてもよい。
図1は、色変換テーブル生成装置の構成例を模式的に示している。図1に示す色変換テーブル生成装置100は、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、記憶装置114、表示装置115、入力装置116、測色装置117、通信I/F(インターフェイス)118、等が接続されて互いに情報を入出力可能とされている。本具体例の色変換テーブル生成装置100は、図13,18に例示するような色変換テーブル400を生成するものとする。例えば、図13に示す色変換テーブル400は、RGB(レッド、グリーン、及び、ブルー)の量を表す入力値(Rj,Gj,Bj)とCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラック)のインク(色材の例)の使用量を表す出力値(Cj,Mj,Yj,Kj)との対応関係を各格子点GD0について規定したLUT(ルックアップテーブル)である。ここで、変数jは、各格子点GD0を識別する変数である。入力値(Rj,Gj,Bj)と出力値(Cj,Mj,Yj,Kj)は、例えば、256階調や216階調等の階調値で表現することができる。格子点GD0の数は、RGBそれぞれ17段階にする場合には173=4913個、RGBそれぞれ32段階にする場合には323=32768個、と多数となる。図18に示す色変換テーブル400のように入力色空間CS1が4次元である場合、格子点GD0の数は、さらに多くなる。
印刷装置200は、色変換テーブル生成装置100が生成した出力画像に基づく印刷用データを入手し、該印刷用データに基づいて前記出力画像に対応する印刷画像を被印刷物に形成する。印刷装置200は、複写機、ファクシミリ、等の機能を備えてもよい。
まず、図2A,2Bに示す例を参照して、インク発生位置420及びインク使用量を求めるための模式的な入力色空間CS1を説明する。
第一の具体例の入力色空間CS1は、3次元のRGB色空間であるものとする。図2Aにおいて、縦軸は概ね明度を模式的に示し、明度軸に交差する2本の両矢印は概ね彩度を模式的に示し、このような模式的な座標空間に3次元の入力色空間CS1を立方体として模式的に示している。この入力色空間CS1には、8箇所の頂点W,D,Y,R,M,B,C,Gが設定されている。ここで、頂点Wは最も明度が高い白点を示し、頂点Dは明度が最も低い黒点を示し、頂点Yはイエロー純色点を示し、頂点Rはレッド純色点を示し、頂点Mはマゼンタ純色点を示し、頂点Bはブルー純色点を示し、頂点Cはシアン純色点を示し、頂点Gはグリーン純色点を示している。図2Aには、白点Wとイエロー純色点Yを結ぶ稜線RLy、黒点Dとレッド純色点Rを結ぶ稜線RLr、頂点Wとマゼンタ純色点Mを結ぶ稜線RLm、黒点Dとブルー純色点Bを結ぶ稜線RLb、頂点Wとシアン純色点Cを結ぶ稜線RLc、及び、黒点Dとグリーン純色点Gを結ぶ稜線RLgを示している。尚、稜線RLy,RLr,RLm,RLb,RLc,RLgを稜線RL1と総称する。
(1)白点Wから黒点Dに至るグレー軸A0gray
(2)白点Wからイエロー純色点Yを通って黒点Dに至るY経由軸A0y(イエローの色相において入力色空間CS1の表面を通る軸)
(3)白点Wからレッド純色点Rを通って黒点Dに至るR経由軸A0r(レッドの色相において入力色空間CS1の表面を通る軸)
(4)白点Wからマゼンタ純色点Mを通って黒点Dに至るM経由軸A0m(マゼンタの色相において入力色空間CS1の表面を通る軸)
(5)白点Wからブルー純色点Bを通って黒点Dに至るB経由軸A0b(ブルーの色相において入力色空間CS1の表面を通る軸)
(6)白点Wからシアン純色点Cを通って黒点Dに至るC経由軸A0c(シアンの色相において入力色空間CS1の表面を通る軸)
(7)白点Wからグリーン純色点Gを通って黒点Dに至るG経由軸A0g(グリーンの色相において入力色空間CS1の表面を通る軸)
図2Bには、軸A0gray,A0y,A0r,A0m,A0b,A0c,A0gのそれぞれに設定されるインク発生位置Pgray,Py,Pr,Pm,Pb,Pc,Pgも模式的に示している。
尚、白点Wを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置(境界位置の例)を設定する場合には、発生位置420を発生終了位置に読み替えれば良い。
図3は、図1に示す色変換テーブル生成装置100で行われる色変換テーブル生成処理の例を示している。ここで、ステップS106〜S108は発生位置設定部U1、関数設定部U4、発生位置設定工程ST1、関数設定工程ST4、発生位置設定機能FU1、及び、関数設定機能FU4に対応し、ステップS110は使用可否決定部U2と使用可否決定工程ST2と使用可否決定機能FU2に対応し、ステップS112は使用量設定部U3と使用量設定工程ST3と使用量設定機能FU3に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。尚、各ステップS102〜S114の処理順は、図3に示す順番に限定されない。
続くS104では、単位面積当たりに出力可能なインク量の上限を表すインク量上限ULを設定する。
スライダーコントロール612は、既定軸A0に含まれる7本の軸の各インク発生位置420を表す設定値をまとめて設定するための操作部であり、スライダーバー612bに沿ってスライダー612sを移動させる操作をすることが可能である。図5に示すスライダーコントロール612は、印刷画像の発色(色再現域)を重視する設定0から印刷画像のドットの粒状感を重視する(低減させる)設定4まで段階的に又は連続的に設定操作可能である。詳細設定入力欄613には、スライダー612sの位置に応じた設定値が表示されてもよい。Kインクについて7本の軸の発生位置420を設定する場合、一般に、発色を重視する側となるほど発生位置420が白点W側となり、粒状性を重視する側となるほど発生位置420が黒点D側となる。
尚、発生開始位置設定画面は、スライダーコントロール612と詳細設定入力欄613の一方が無くてもよい。
関数形状選択欄662は、7本の軸について発生位置420から黒点DまでのKインクの発生率を表す関数460の形状を選択するための操作部である。関数460は、線形関数、二次関数、シグモイド関数、スプライン関数、等を挙げることができるが、これらの関数に限定されない。図6に示す関数形状選択欄662は、「線形関数」、「非線形−発生多め」、「非線形−発生少なめ」、及び、「非線形−カスタム」の中からいずれか一つの項目を選択する操作をすることが可能である。尚、「非線形」は非線形関数を意味し、「非線形−発生多め」とは複数用意される非線形関数のうち例えば図7Aに示す「ゲイン3」のように入力に対するインク使用量が比較的多い形状の非線形関数を選択することを意味し、「非線形−発生少なめ」とは複数用意される非線形関数のうち例えば図7Aに示す「ゲイン7」のように入力に対するインク使用量が比較的少ない形状の非線形関数を選択することを意味する。
スライダーコントロール664は、関数形状選択欄662で「非線形−カスタム」が選択され場合において、設定色相選択欄663で選択された軸に設定する関数の形状を表す設定値を設定するための操作部であり、スライダーバー664bに沿ってスライダー664sを移動させる操作をすることが可能である。図6に示すスライダーコントロール664は、Kインクの発生が多い設定0からKインクの発生が少ない設定4まで段階的に又は連続的に設定操作可能である。
色変換テーブル生成装置100は、入力装置116による保存ボタン666の操作を受け付けると、選択欄662,663及びスライダーコントロール664で受け付けた操作に応じた7本の軸の関数461,462,463,…を表す設定値を記憶して、処理を図3のS110に進める。すなわち、関数設定画面660で設定を受け付ける色変換テーブル生成装置100は、Kインクの使用量の設定に用いる関数460の設定を受け付けることになる。
ここで、eは自然対数の底であり、nは関数の最大値、aはゲイン、cは関数の中央値となる独立変数、をそれぞれ表す。ゲインaは、関数形状に寄与する定数である。また、独立変数tは、7本の軸の中から選ばれる入力チャンネルについて設定値0を0.0、設定値255を1.0として表す媒介変数である。
このとき、ゲインaの値を大きくすれば、従属変数は線形関数に比べて小さい値となり、ゲインaの値を小さくすれば、従属変数は線形関数に近づいていく。
このようにして求められたシグモイド関数の例を図7Aに示す。
ただ、既定軸A0を除く位置にあるKインク発生可否判断対象の格子点GD0をどの三角形TR0と比較すべきかを特定する必要がある。実現手段は様々考えられるが、本具体例では図10Aに例示するように入力色空間CS1を分割した四面体のどれに処理対象の格子点が含まれるのかを判断することにより三角形TR0を特定することにする。
黒点Dからnvp方向へ距離lだけ離れた点Qは、以下の式により表される。
点Qの座標を(QC,QM,QY)で表すと、要素別に以下の式により表される。
この場合の点Qは、図10Cに示す交点P’となる。
右辺の項は全て既知であるため、代入することで距離lが求められる。求めた距離lを式(7)に代入すると、交点P’の座標が求められる。
尚、ベクトルDP’とベクトルDPは同一直線上にあるので、2ベクトルの内積が大きさの比に等しい。
以上説明したようにして、三角形TR0と処理対象格子点GD0との位置関係が媒介変数tとして導かれ、例えばRAM113に記憶される。
色変換テーブル生成装置100は、全格子点GD0の中にS206〜S210の処理を行っていない格子点が残っている場合にはS206〜S210の処理を繰り返し、全格子点GD0についてS206〜S210の処理を行った場合には特定色材使用可否決定処理を終了させる。
尚、白点Wを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定する場合には、発生位置420を発生終了位置に読み替え、ベクトルvp=(vpC,vpM,vpY)を黒点Dではなく白点Wを基点としたベクトルに変え、その単位ベクトルをnvp=(nvpC,nvpM,nvpY)とすれば良い。その他の処理は同様のまま、白点Wを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定することができる。
また、ベクトルv1,v2の外積vcを求める。
点Pの入力チャンネル座標から点Pの局所座標を求めるように式(15)を変形すると、以下の式となる。
ベクトルvpを用いて書き直すと、以下の式を得る。
尚、前提条件から点Pは三角形TRt上の点であるため、Pwは常に0である。そのため、式(18)ではPwの項を省略した。また、インク使用量IPがインク量上限ULを超える場合には、インク使用量IPをインク量上限ULに置き換えることにする。
尚、上述したように、白点Wを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定する場合には、黒点Dを白点Wに読み替え、発生位置420を発生終了位置に読み替えれば良い。
次に、図14A,14Bに示す例を参照して、インク発生位置420及びインク使用量を求めるための模式的な4次元入力色空間CS1を説明する。
第二の具体例の入力色空間CS1は、C(第一入力色の例)の1次元軸、M(第二入力色の例)の1次元軸、Y(第三入力色の例)の1次元軸、及び、K(第四入力色の例)の1次元軸を有するCMYK色空間であるものとする。図14Aに示すCMYK色空間は、Cの1次元軸、Mの1次元軸、及び、Yの1次元軸で構成される仮想の六面体HE0をKの成分の変化により移動させるように模式的に例示している。
尚、既定軸A0に沿った方向において最も明度が高い頂点Wを有する六面体HE0を基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定する場合には、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksを発生終了位置に読み替えれば良い。
第二の具体例における色変換テーブル生成処理も、図3で示した色変換テーブル生成処理に従って行うことができる。そこで、図3を参照して、第二の具体例における色変換テーブル生成処理を説明する。
尚、発生開始位置設定画面は、スライダーコントロール612と詳細設定入力欄613の一方が無くてもよい。
媒介変数pは、処理対象格子点Pの位置を、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksにおいて0、終点位置We,Ce,Me,Ye,Re,Ge,Be,Keにおいて1となるように規格化して表すものとする。例えば、頂点C,Ceを結ぶ稜線軸A0cにおいて、発生位置Csと終点位置Ceの中点であれば、p=0.5となる。このような媒介変数pを用いて処理対象格子点PのKチャンネル値をKとし、各頂点の発生位置及び終了位置と媒介変数pとを用いて六面体補間したとき、以下の式が成り立つ。
これをpについて変形すると、以下の式を得る。
尚、式(22)を図19にも示す。
以上説明したようにして、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksと処理対象格子点GD0との位置関係が媒介変数pとして導かれ、例えばRAM113に記憶される。ここで、媒介変数pが0未満であれば、処理対象格子点GD0が全体として発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,KsよりもK入力0%側にあると判断し、Kインクを使用しないことにする。媒介変数pが0以上であれば、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,KsからK入力100%側にあると判断し、Kインクを使用することにする。色変換テーブル生成装置100は、全格子点GD0について、Kインクの使用可否を判断する。
尚、六面体HE0の頂点W,C,M,Y,R,G,B,Kを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定する場合には、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksを発生終了位置に読み替え、終点位置We,Ce,Me,Ye,Re,Ge,Be,Keを開始位置W,C,M,Y,R,G,B,Kに読み替えれば良い。発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksを設定する場合は終点位置We,Ce,Me,Ye,Re,Ge,Be,Keの入力値が100%であるが、発生終了位置を設定する場合は開始位置W,C,M,Y,R,G,B,Kの入力値が0%である。従って、式(19)〜(22)のWe,Ce,Me,Ye,Re,Ge,Be,Keは、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksを設定する場合に100%とし、発生終了位置を設定する場合に0%とすればよい。その他の処理は同様のまま、頂点W,C,M,Y,R,G,B,Kを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定することができる。
ただし、インク使用量IPがインク量上限ULを超える場合には、インク使用量IPをインク量上限ULに置き換える。
色変換テーブル生成装置100は、全格子点GD0について、Kインクの使用量を決定する。
尚、上述したように、六面体HE0の頂点W,C,M,Y,R,G,B,Kを基点として特定色材の使用が終了する発生終了位置を設定する場合には、発生位置Ws,Cs,Ms,Ys,Rs,Gs,Bs,Ksを発生終了位置に読み替え、終点位置We,Ce,Me,Ye,Re,Ge,Be,Keを開始位置W,C,M,Y,R,G,B,Kに読み替えれば良い。
尚、既定軸A0は8本の稜線軸に限定されないことから、補間は六面体補間に限定されない。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、インクの種類は、CMYKに限定されず、CMYKに加えて、Lc、Lm、Dy、Or、Gr、Lk、画質向上用の無着色の色材、等を含んでもよい。また、CMYKの一部のインクを使用しない場合にも、本技術を適用可能である。
上述した処理は、順番を入れ替える等、適宜、変更可能である。
以上より、ユーザーは、全格子点GD0についてLkインクを使用するか否かを設定する必要が無くなる。既定軸A0を除く位置の格子点GD2においてLkインクを使用すると決定された場合、入力色空間CS1の格子点GD2の位置におけるLkインクの使用量が設定される。従って、本変形例も、印刷画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成することが可能となる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、出力画像の画質を向上させる色変換テーブルを容易に生成する技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
Claims (11)
- 入力色空間の座標値と複数種類の色材の使用量との対応関係を規定した色変換テーブルを生成する色変換テーブル生成装置であって、
前記入力色空間に設けられた既定軸において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置の設定を受け付ける境界位置設定部と、
前記既定軸における前記境界位置に基づいて、前記対応関係を規定する格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する使用可否決定部と、
前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する使用量設定部と、を備え、
前記使用量設定部は、前記既定軸の位置を表す値から色材の使用量を表す値を求める関数を用いることにより、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する、色変換テーブル生成装置。 - 前記使用量設定部は、前記特定色材の使用量の設定に用いる関数の設定を受け付ける関数設定部を有する、請求項1に記載の色変換テーブル生成装置。
- 前記既定軸は、
前記入力色空間において白点から黒点に至るグレー軸、
前記入力色空間において白点からイエロー純色点を通って黒点に至るY経由軸、
前記入力色空間において白点からレッド純色点を通って黒点に至るR経由軸、
前記入力色空間において白点からマゼンタ純色点を通って黒点に至るM経由軸、
前記入力色空間において白点からブルー純色点を通って黒点に至るB経由軸、
前記入力色空間において白点からシアン純色点を通って黒点に至るC経由軸、及び、
前記入力色空間において白点からグリーン純色点を通って黒点に至るG経由軸、
の中から選ばれる複数の軸を含み、
前記境界位置設定部は、前記複数の軸のそれぞれについて前記境界位置の設定を受け付け、
前記使用可否決定部は、前記複数の軸のそれぞれにおける前記境界位置に基づいて、前記格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する、請求項1又は請求項2に記載の色変換テーブル生成装置。 - 前記既定軸は、前記グレー軸、前記Y経由軸、前記R経由軸、前記M経由軸、前記B経由軸、前記C経由軸、及び、前記G経由軸の中から選ばれる第一選択軸、第二選択軸、及び、第三選択軸を含み、
前記使用可否決定部は、前記入力色空間において、前記第一選択軸における前記境界位置、前記第二選択軸における前記境界位置、及び、前記第三選択軸における前記境界位置を結ぶ三角形と、前記格子点と、の位置関係に基づいて、前記格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する、請求項3に記載の色変換テーブル生成装置。 - 前記第三選択軸が前記グレー軸であり、
前記使用可否決定部は、前記入力色空間において、前記第一選択軸が通っている純色点、前記第二選択軸が通っている純色点、白点、及び、黒点を頂点として形成される四面体に前記格子点が含まれるか否かを判断し、前記四面体に前記格子点が含まれると判断した場合に、前記三角形と、前記格子点と、の位置関係に基づいて、前記格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する、請求項4に記載の色変換テーブル生成装置。 - 前記使用量設定部は、前記入力色空間において、前記三角形と、前記格子点と、の位置関係に基づいて、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する、請求項4又は請求項5に記載の色変換テーブル生成装置。
- 前記入力色空間は、第一入力色の1次元軸、第二入力色の1次元軸、第三入力色の1次元軸、及び、第四入力色の1次元軸を有する色空間であり、
前記既定軸は、前記入力色空間において、前記第一入力色の1次元軸、前記第二入力色の1次元軸、及び、前記第三入力色の1次元軸で構成される仮想の六面体の頂点が前記第四入力色の成分の変化により移動するときの軌跡を表す稜線軸を複数含み、
前記境界位置設定部は、前記複数の稜線軸のそれぞれについて前記境界位置の設定を受け付け、
前記使用可否決定部は、前記複数の稜線軸のそれぞれにおける前記境界位置に基づいて、前記格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する、請求項1又は請求項2に記載の色変換テーブル生成装置。 - 前記既定軸は、前記仮想の六面体における8箇所の頂点のそれぞれに対応する8本の前記稜線軸を含み、
前記使用可否決定部は、前記入力色空間において、前記8本の稜線軸のそれぞれにおける前記境界位置と、前記格子点と、の位置関係に基づいて、前記格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する、請求項7に記載の色変換テーブル生成装置。 - 前記使用量設定部は、前記入力色空間において、前記8本の稜線軸のそれぞれにおける前記境界位置と、前記格子点と、の位置関係に基づいて、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する、請求項8に記載の色変換テーブル生成装置。
- 入力色空間の座標値と複数種類の色材の使用量との対応関係を規定した色変換テーブルを生成する色変換テーブル生成方法であって、
前記入力色空間に設けられた既定軸において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置の設定を受け付ける工程と、
前記既定軸における前記境界位置に基づいて、前記対応関係を規定する格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する工程と、
前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する工程と、を含み、
前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する工程は、前記既定軸の位置を表す値から色材の使用量を表す値を求める関数を用いることにより、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する、色変換テーブル生成方法。 - 入力色空間の座標値と複数種類の色材の使用量との対応関係を規定した色変換テーブルを生成するための色変換テーブル生成プログラムであって、
前記入力色空間に設けられた既定軸において、前記複数種類の色材に含まれる特定色材の使用が開始されるか終了する境界位置の設定を受け付ける境界位置設定機能と、
前記既定軸における前記境界位置に基づいて、前記対応関係を規定する格子点において前記特定色材を使用するか否かを決定する使用可否決定機能と、
前記特定色材を使用すると決定された場合に、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する使用量設定機能と、をコンピューターに実現させ、
前記使用量設定機能は、前記既定軸の位置を表す値から色材の使用量を表す値を求める関数を用いることにより、前記格子点における前記特定色材の使用量を設定する、色変換テーブル生成プログラム。
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