JP4562162B2 - 色処理方法及び装置とコンピュータプログラム、及びルックアップテーブルの製造方法 - Google Patents

色処理方法及び装置とコンピュータプログラム、及びルックアップテーブルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラープリンタ等のカラー画像を形成する画像形成装置に出力する画像データを処理する処理方法及び装置とコンピュータプログラム、及びルックアップテーブルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、カラープリンタ等において、RGBで表わされる画像信号を、そのカラープリンタにおいて使用されるインク等の色材の色に分解する処理(以下、インク色分解処理と呼ぶ)は、例えば図30のような構成で実現されていた。図30において、1601は輝度濃度変換部で、輝度信号であるRGB信号から濃度信号であるCMY信号を生成している。1602はUCR/BG処理部で、輝度濃度変換部1601から入力したCMY信号に基づいて下色除去処理を行い、黒(K)信号を生成するとともに、C',M',Y',K'信号を出力している。1603はBG量(墨入れ量)設定部であり、1604はUCR量設定部である。
【0003】
以下に上述した各部の動作を説明する。輝度濃度変換部1601は、入力した輝度情報(8ビットデータ)R’G’B’のそれぞれを、以下の式に基づきCMY信号に変換する。
【0004】
C=−αlog(R'/255) …(1)
M=−αlog(G'/255) …(2)
Y=−αlog(B'/255) …(3)
ただし、ここでαは任意の実数である。
【0005】
次に、これらCMYデータは、BG量設定部1603に設定された値β(Min(C,M,Y),μ)、及び、UCR量設定部1604に設定されたUCR係数であるμ(%)により、
C'=C−(μ/100)×Min(C,M,Y) …(4)
M'=M−(μ/100)×Min(C,M,Y) …(5)
Y'=Y−(μ/100)×Min(C,M,Y) …(6)
K'=β(Min(C,M,Y),μ)×(μ/100)×Min(C,M,Y) …(7)
と変換される。ここで、Min(C,M,Y)はCMYの内の最小値を示し、β(Min(C,M,Y),μ)は、Min(C,M,Y)及びμによって変わる実数で、この値により、Kインクの入れ方を設定することができる。
【0006】
そして、これらUCR量及びBG量は、カラープリンタの色再現範囲と、黒(K)インク、即ち墨の入れ方に伴うプリンタの粒状度に大きな影響を及ぼすため、カラープリンタにとって非常に重要なパラメータとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例では、UCR量は、UCR係数μとMin(C,M,Y)の積で一律に設定されるため、グレイラインを構成するインク量は、常にCMYの比率が一定であった。そのため、各インクの特性と印刷メディアの特性に依存して、グレイラインの色味が異なってしまうという問題点が存在した。
【0008】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、目標グレイラインを設定し、この目標グレイライン上の色を実現できる処理方法及び装置とコンピュータプログラム、及びルックアップテーブルの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の色処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
白と黒とを結ぶグレイラインを表す入力色を、第1の色と第2の色とを含む複数の色各々についてそれぞれ同一の色相を示す濃い色材と淡い色材とを含む、複数の色材の色材量に変換する色処理装置であって、
前記グレイラインの目標色を、該グレイラインの階調に応じて設定する目標色設定手段と、
前記階調に応じて、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と黒色の色材とを除いた色材の色材量を設定する色材量設定手段と、
前記色材量設定手段により設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の淡い色材の色材量と前記第2の色の淡い色材の色材量とを含む複数の淡い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第1取得手段と、
前記色材量設定手段により設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の濃い色材の第1の色材量と前記第2の色の濃い色材の第2の色材量とを含む複数の濃い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第2取得手段と、
前記グレイラインに対する前記複数の色材の総色材量を設定する総色材量設定手段と、
前記第1取得手段により取得した前記複数の淡い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量を取得する最大色材量取得手段と、
前記第2取得手段により取得した前記複数の濃い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量と最小色材量とを取得する手段と、
前記取得した第1の色の淡い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最小色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最小色材量との比率とに基づき、前記取得した第1の色の淡い色材の色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の色材量との大小関係、及び、前記取得した第1の色の濃い色材の色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の色材量との大小関係を保つように、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の比率、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の比率について、前記第1の比率と前記第2の比率との比率である第3の比率を求める比率算出手段と、
前記複数の色材の総色材量、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量、前記第3の比率に基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の総色材量、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の総色材量を求める総色材量算出手段と、
前記第1の総色材量と、前記第1の色材量から得られる前記第1の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求め、前記第2の総色材量と、前記第2の色材量から得られる前記第2の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求める手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために本発明の色処理方法は以下のような工程を備える。即ち、
白と黒とを結ぶグレイラインを表す入力色を、第1の色と第2の色とを含む複数の色各々についてそれぞれ同一の色相を示す濃い色材と淡い色材とを含む、複数の色材の色材量に変換する色処理装置の色処理方法であって、
前記色処理装置の目標色設定手段が、前記グレイラインの目標色を、該グレイラインの階調に応じて設定する目標色設定工程と、
前記色処理装置の色材量設定手段が、前記階調に応じて、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量を設定する色材量設定工程と、
前記色処理装置の第1取得手段が、前記色材量設定工程で設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の淡い色材の色材量と前記第2の色の淡い色材の色材量とを含む複数の淡い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第1取得工程と、
前記色処理装置の第2取得手段が、前記色材量設定工程で設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の濃い色材の第1の色材量と前記第2の色の濃い色材の第2の色材量とを含む複数の濃い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第2取得工程と、
前記色処理装置の総色材量設定手段が、前記グレイラインに対する前記複数の色材の総色材量を設定する総色材量設定工程と、
前記色処理装置の最大色材量取得手段が、前記第1取得工程で取得した前記複数の淡い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量を取得する最大色材量取得工程と、
前記色処理装置の手段が、前記第2取得工程で取得した前記複数の濃い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量と最小色材量とを取得する工程と、
前記色処理装置の比率算出手段が、前記取得した第1の色の淡い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最小色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最小色材量との比率とに基づき、前記取得した第1の色の淡い色材の色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の色材量との大小関係、及び、前記取得した第1の色の濃い色材の色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の色材量との大小関係を保つように、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の比率、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の比率について、前記第1の比率と前記第2の比率との比率である第3の比率を求める比率算出工程と、
前記色処理装置の総色材量算出手段が、前記複数の色材の総色材量、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量、前記第3の比率に基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の総色材量、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の総色材量を求める総色材量算出工程と、
前記色処理装置の手段が、前記第1の総色材量と、前記第1の色材量から得られる前記第1の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求め、前記第2の総色材量と、前記第2の色材量から得られる前記第2の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求める工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置における輝度信号からインク色信号(濃度信号)への色分解処理を説明するブロック図である。
【0013】
図1において、101はカラーマッチング処理部で、入力画像データ(RGB)の再現特性と、この画像データに基づいてカラー画像を形成するカラープリンタの色とを合わせるためのカラーマッチング処理を行う。102はインク色分解処理部で、カラーマッチング処理部101からのR'G'B'多値データを、カラー画像形成部であるカラープリンタで使用される色材色C'(シアン)、M'(マセンタ)、Y'(イエロー)、K'(ブラック)、LC'(淡シアン)、LM'(淡マゼンタ)に対応するデータに変換している。103はハーフトーン処理部で、インク色分解処理部102からのC',M',Y',K',LC',LM'の各多値データを、カラープリンタで表現できる階調数の信号に変換している。105はインク色分解テーブル部で、インク色分解処理部102において補間処理を実行するためのルックアップテーブル(LUT)を提供している。104はインク色分解テーブル作成部で、インク色分解テーブル部105に保持されるLUTを作成する。
【0014】
図2は本実施の形態に適用される画像形成システムの構成を示す図である。
【0015】
図2において、1401は入力画像データを保持しているコンピュータ、1402はコンピュータ1401に保持されている画像データ、或いはユーザによる各種操作のためのUI等を表示するためのモニタである。カラープリンタ1403は、コンピュータ1401から送られてくる画像データに基づいてカラー画像を印刷する。1404は入力部で、コンピュータ1401への各種データやコマンド等を入力するのに使用され、この入力部1404は例えばキーボードやマウス等を備えている。
【0016】
以下、図2に示すシステム構成におけるデータの流れと、図1における画像信号の流れとを合わせて説明する。
【0017】
図2に示すコンピュータ1401に保持されている画像データは、カラープリンタ1403で印刷するために、ケーブル或いは図示されていないネットワーク、或いは無線によりカラープリンタ1403に送られる。カラープリンタ1403は、カラーマッチング処理部101(図1)において、ユーザが用いているモニタ1402の色再現特性に合うようにカラーマッチング処理を行なって、その処理済みのR'G'B'データを出力する。こうしてカラーマッチング処理されたR'G'B'データは、インク色分解処理部102に送られ、既に作成されているインク色分解テーブル部105のテーブルデータに基づいて、補間処理によりインク色に分解される。こうしてインク色に分解されたC',M',Y',K',LC',LM'の各多値データは、ハーフトーン処理部103に送られて、カラープリンタ1403で再現可能な階調数の信号(C'',M'',Y'',K'',LC'',LM'')に変換されて印刷される。
【0018】
ここで、インク色分解テーブル部105に格納されているデータは、インク色分解テーブル作成部104において前もって生成されるが、その生成方法に関して、図3以降を参照して以下に詳しく説明する。
【0019】
図3は、インク色分解テーブル部105のルックアップテーブル(LUT)のデータ構成を説明する図で、入力されるRGB信号の色空間を示している。
【0020】
同図に示されるように、入力データR'G'B'に対応して、RGB3次元空間上の立方体300に格子状に分布された格子点に対応するデータがテーブル値として格納されている。インク色分解処理部102では、入力されたR'G'B'データに基づいて、そのテーブルを参照して濃度データを生成する。ここで、その入力されたR'G'B'データが、インク色分解テーブル部105の格子上に無い場合は、近傍の格子点データを用いて補間処理を行い、その補間処理を行った結果を示す濃度信号を出力する。この補間方法としては、四面体補間や立方体補間等多々あるが、本実施の形態に係るインク分解テーブル作成方法及び画像処理は、ある特定の補間方法に依存するものではないため、どのような補間方法を用いても良い。
【0021】
図4は、図6以降を参照して説明する、具体的なインク色分解テーブルの作成方法を説明するための図であり、図3で示された立方体300の8頂点をそれぞれ、W,C,M,Y,R,G,B,Bkとし、W−C,M,Y,R,G,B−Bk、及び、W−Bkを結ぶラインを、実線もしくは点線にて図示している。ここで、インク色分解処理部102の入力データのビット数を「8」とした場合、W,C,M,Y,R,G,B,Bk、各頂点の座標は、
W=(R,G,B)=(255,255,255)で、白(White)、即ちカラープリンタ1403でプリントされるプリントペーパーの色を示している。
【0022】
C=(0,255,255)で、シアン(Cyan)原色を示す。
【0023】
M=(255,0,255)で、マゼンタ(Magenta)原色を示す。
【0024】
Y=(255,255,0)で、イエロー(Yellow)原色を示す。
【0025】
R=(255,0,0)で、赤(Red)原色を示す。
【0026】
G=(0,255,0)で、緑(Green)原色を示す。
【0027】
B=(0,0,255)で、青(Blue)原色を示す。
【0028】
またBk=(0,0,0)で、黒(Black)、即ちプリンタの最暗点を示す。
【0029】
本実施の形態に係るインク色分解テーブルの作成方法は、これらW−C,W−M,W−Y,W−R,W−G,B−Bk、及び、W−Bkを結ぶラインのインク分解テーブルを作成し、その後、内部の格子点に対応するインク色を内部補間処理により求める。こうして、全てのテーブルデータを作成するものである。
【0030】
図5は、墨入れポイントを説明するための図であり、W−Bk、W−C,W−M,W−Y,W−R,W−G,B−Bkの7ライン上の7点により、3次元空間で連続的に墨入れポイントを制御することができることを説明するための図である。
【0031】
図6は、インク色分解テーブル作成部104におけるインク色分解テーブルの作成処理を説明するためのフローチャートである。
【0032】
図6において、インク色分解テーブル部105にダウンロードするためのテーブルの作成が開始されるとまずステップS1に進み、図5におけるW−Bkラインにおける墨(Kインク)入れポイントW0を設定する。これは図2におけるモニタ1402に、墨入れポイントを設定するためのUIを表示し、ユーザが白(White)から黒(Black)へのグレイラインにおける墨入れポイントを、カラープリンタ1403における色再生特性を考慮して決定し指示する。次にステップS2に進み、ステップS1における、W−Bkラインにおける墨(黒インク)入れポイントW0の設定に基づいて、W−Bkラインのインク色分解テーブルを作成する。即ち、ここでは、白から黒へのグレイラインのインク色分解テーブルを作成する。次にステップS3に進み、W−C,W−M,W−Y,W−R,W−G,W−Bラインのインク色分解テーブルを作成する。ここでは、白(W)−シアン(C)、白−マゼンタ(M)、白−イエロー(Y)、白−赤(R)、白−緑(G)、白−青(B)の各ラインのインク色分解テーブルの作成を行なう。次にステップS4に進み、C−Bk,M−Bk,Y−Bk,R−Bk,G−Bk,B−Bkラインにおける墨(Kインク)入れポイントC0,M0,Y0,R0,G0,B0を設定する。即ち、ここでは、図2のモニタ1402に、これらシアン(C)−黒(Bk)、マゼンタ(M)−黒、イエロー(Y)−黒、赤(R)−黒、緑(G)−黒、青(B)−黒ラインのそれぞれにおける墨(黒インク)の入れ始めポイントを設定するための墨入れUIを表示し、ユーザによる操作により、これらポイントを設定する。そしてステップS5に進み、シアン−黒、マゼンタ−黒、イエロー−黒、赤−黒、緑−黒、青−黒ラインのそれぞれのインク色分解テーブルを作成する。そしてステップS6に進み、ステップS1乃至S5までのステップで作成されたインク色分解テ−ブルに対して、更に内部補間処理を実行し、ラインの内部空間の各格子点に対応するインク色分解テ−ブルを作成する。
【0033】
このようにして、色相ごとに最適なUCR量やBG量を設定したインク色分解テ−ブルを作成することにより、カラープリンタ1403の色再現範囲を最大にしつつ、墨による粒状度の影響をできるだけ抑制したインク色分解テーブルを作成して設定することができる。
【0034】
以下、白(W)−黒(Bk)ラインのインク色分解テーブルの作成処理(ステップS2)の内容を詳細に説明する。
【0035】
図7は、W−Bkラインのインク色分解テーブルの作成処理(ステップS2)を示すフローチャートである。
【0036】
図7において、まずステップS11で、目標グレイラインを設定する。ここでは図8に示すように、グリッドごとにL*a*b*の値を設定する。これらグリッド間の値は、設定されたLab値に基づき、補間処理によりグレイラインが構成される。またWのLab値は、インクが全く塗布されていない状態の印刷メディア(記録シート)のLab値であり、黒(Bk)のLabは、黒インクを印刷メディアに最大量塗布した場合のLab値である。次にステップS12に進み、ステップS11で設定されたグリッド毎の目標グレイラインを実現するC,M,Yの3色インク量の組み合わせ、及び、Y,LC,LMの3色インク量の組み合わせを導き出すことにより3色グレイを作成する。次にステップS13に進み、ステップS12で設定されたグリッドごとの目標グレイラインを実現するC,M,Y,Kの4色インク量を算出する。そしてステップS14に進み、C,M,Y,K,LC,LMの計6色で実現するグリッド上の総インク量を設定する。次にステップS15に進み、ステップS12で得られた3色グレイ、及びステップS13で得られた4色分解、及びステップS14で設定された総インク量に基づいて6色への分解処理を実行する。
【0037】
以下、図7のステップS12〜ステップS15の各処理の詳細を説明する。
【0038】
図9乃至図11は、図7のステップS12の3色グレイの作成を説明するための図で、これらを参照して説明する。
【0039】
図9は、3色グレイの作成処理(S12)を示すフローチャートである。
【0040】
図9において、まずステップS21で、プレーン(plane)ごとにYの値を設定する。
【0041】
図10は、各プレーン(plane)毎の、Yの値の設定を説明する図である。
【0042】
プレーン0(plane0)〜4(plane4)の各プレーンのYの値は、各々Y0,Y1,Y2,Y3,Y4である。次にステップS22に進み、各プレーンごとにC,Mのインク量を設定する。図10の例では、プレーン0のCインクは、C00,C01,C02,C03,C04の5通りの値を取り、そしてMインクは、M00,M01,M02,M03,M04の5通りの値を取る。これら全ての組み合わせによる計25通りのインク量が設定されている。以下、同様に、プレーン1からプレーン4のC,Mインク量は、
プレーン1:(C10,C11,C12,C13,C14)×(M10,M11,M12,M13,M14)の計25通り
プレーン2:(C20,C21,C22,C23,C24)×(M20,M21,M22,M23,M24)の計25通り
プレーン3:(C30,C31,C32,C33,C34)×(M30,M31,M32,M33,M34)の計25通り
プレーン4:(C40,C41,C42,C43,C44)×(M40,M41,M42,M43,M44)の計25通り
である。
【0043】
図10は、各プレーンごとのC,M,Yインク量で色パッチを印刷し、それを測色した結果を、Labの3次元空間上にプロットしたものである。
【0044】
次にステップS23に進み、各プレーンと目標グレイライン1000との交点を算出する。ここでは、図10に示されているように、目標グレイライン1000とプレーン0〜4のそれぞれの交点を求める。これら交点の求め方としては、5×5の格子点のうちの近傍3点を用いて三角形を設け、各プレーン毎に、32個の三角形から32個の平面を定義して、目標グレイライン1000との交点を求める。図10の「×」印は、目標グレイライン1000と各プレーンとの交点を示している。次にステップS24に進み、各プレーンと目標グレイライン1000との交点からC,M,Yインク量を算出する。
【0045】
次に図11を用いて、その算出方法を説明する。
【0046】
図11において、点Tは、あるプレーン内の頂点P,Q,Rを有する三角形により定義された平面との交点である。頂点Pの(C,M)インク量は(Cp,Mp)であり、頂点Qの(C,M)インク量は(Cq,Mq)であり、頂点Rの(C,M)インク量は(Cr,Mr)である。またS0は、三角形TRQの面積であり、S1は三角形TPQの面積であり、S2は三角形TPRの面積である。このとき、交点TのC,Mインク量(Ct,Mt)は、以下の式により定義される。
【0047】
Ct=(S0×Cp+S1×Cr+S2×Cq)/(S0+S1+S2)
Mt=(S0×Mp+S1×Mr+S2×Mq)/(S0+S1+S2)
また、交点TのYインク量は、プレーンごとに設定されたYのインク量である。
【0048】
以上説明したように、図7のステップS12の3色グレイの作成処理は、固定であるYインクの量に対してC,Mのインク量がクロスするように設定して複数のプレーンを設け、各プレーンと目標グレイラインとの交点を算出し、その交点からC,Mインクの量を算出することにより導き出すことができる。また、Y,LC,LMインクによる3色グレイの算出も、LC,LMを各々C,Mに置き換えて、図9のフローチャートで示す処理を実施することにより、同様にして求めることができる。
【0049】
図12は、以上の処理の結果から導かれたC,M,Yインク3色によるグレイラインと、Y,LC,LMインクによるグレイラインを説明する図である。
【0050】
図から明らかなように、上記方法で導き出されたC,M,Yインクによるグレイレベルと、Y,LC,LMインクによるグレイレベルにおけるYインクの量は共通となる。またこれら、C,M,Y,LC,LMの組み合わせは、必ずしもグリッド上に一致しない。従って、グリッドごとの目標とするグレイラインに対応するC,M,Y,LC,LMの各インク量は、図12で得られた組み合わせから補間処理により導き出すことができる。
【0051】
図13は、図7のステップS13で実行される4色分解処理の結果を示す図である。但し、グリッド0〜5までのC,M,Yのグレイレベルは、ステップS12で得られた値であり、4色分解処理の結果は、グリッド6及び7に示されている。
【0052】
この4色分解処理方法は、C,M,Y,Kのそれぞれを、各色毎に9スライスで、合計9×9×9×9=6561通りのパッチで印刷し、その結果を測色して得られる。そして、この4色の分解量は、各グリッドに設定された目標グレイライン1000のLab値とKの値を設定し、CMYKの合計9×9×9×9=6561パッチの測色データに基づき、4次元の補間処理により、残りのCMYインク量を導き出すことができる。この補間処理の方法としては、四面体補間処理や立方体補間処理等が存在する。
【0053】
図14は、こうして得られた結果例を説明する図である。
【0054】
図14において、点線で示されたYLCLMは、Y,LC,LMの合計インク量を示し、同様に、点線で示されたCMYKは、C,M,Y,Kの合計インク量を示している。これら2つの点線によるインク量をガイドラインとして、滑らかにグリッド3からグリッド8までのC,M,Y,K,LC,LM、合計6色の総インク量を設定する。この時、C,M,Y,K,LC,LMの6色(CMYKLCLM)のインク量は、C,M,Y,K4色(CMYK)のインク量より必ず多くなければならない。
【0055】
図16は、図7のステップS15の6色(濃淡)分解処理の内容を説明するためのフローチャートであり、図15は、そのフローチャートを説明するための図である。
【0056】
図16において、まずステップS31で、LC:LMmaxのインク量の比と、C:Mmax,C:Mminインク量の比から、濃淡シアン(C+LC)と濃淡マゼンタ(M+LM)の比率を算出する。
【0057】
図15におけるグリッド5の濃淡シアンと濃淡マゼンタの比(CLC5R:MLM5R)は、グリッド3におけるLCmax:LMmaxと、グリッド6におけるCmax:Mmaxから以下のような線形補間式により求めることができる。
【0058】
CLC5R/MLM5R=(LCmax/LMmax+2×Cmax/Mmax)/3
グリッド6の濃淡シアンと濃淡マゼンタの比は、グリッド3のLCmax:LMmaxと、グリッド6のCmax:Mmaxから求めたが、グリッド7の濃淡シアンと濃淡マゼンタの比は、グリッド6のCmax:Mmaxと、グリッド8のCmin:Mminから同様に線形補間により求めることができる。
【0059】
次にステップS32に進み、濃淡シアン、濃淡マゼンタの比率から濃淡シアン、濃淡マゼンタのインク量を算出する。ここでは、ステップS31で得られた濃淡シアンと濃淡マゼンタの比率から濃淡シアン、濃淡マゼンタのインク量を算出する。
【0060】
図15において、グリッド5のCMYKLCLMのインク量をA5、Cインクのインク量をC5,Mインクのインク量をM5、Yインクのインク量をY5、そして、濃淡シアン(C+LC)のインク量をCLC5、濃淡マゼンタ(M+LM)のインク量をMLM5とすると、
CLC5=CLC5R×(A5−Y5)/(CLC5R+MLM5R)
MLM5=MLM5R×(A5−Y5)/(CLC5R+MLM5R)
となる。次にステップS33に進み、濃淡シアン、濃淡マゼンタのインク量と目標濃度からシアン、マゼンタ各々の濃インク量と淡インク量を算出する。
【0061】
ここで濃淡分解を実行するための目標濃度は、図7のステップS12やステップS13において、C,Mインク量から目標濃度を導く。つまり、図15のグリッド5における濃淡シアン、濃淡マゼンタの目標濃度はそれぞれ、D(C5),D(M5)となる。但し、D(x)は、インク量xのときの濃度を示している。従って、グリッド5のシアンの濃淡分解は、濃淡インク量CLC5と目標濃度D(C5)により決定され、マゼンタの濃淡分解は、濃淡インク量MLM5と目標濃度D(M5)により決定される。
【0062】
図17は、濃淡インク量と目標濃度から濃淡分解を実行し、濃インクと淡インクのインク量の決定方法を説明するための図である。
【0063】
図17において、Cg0,Cg1,…,Cg8は、垂直方向のグリッドg0,g1,…,g8における濃シアン(C)インクのインク量を、LCg0,LCg1,…,LCg8は、水平方向グリッドg0,g1,…,g8における淡シアン(LC)インクのインク量を示している。また斜めの実線は等濃度ラインを示し、上記9×9=81のグリッドの対応する濃淡シアンのインク量のパッチを印刷し、そのパッチの濃度を測定してプロットしたものである。特に太い実線は、D(C5)濃度である。また、斜めの点線は、濃淡インクの合計インク量の等インク量ラインを示し、太い点線のインク量はCLC5である。従って、図15のグリッド5におけるシアンの濃淡分解は、濃淡インク量CLC5と目標濃度D(C5)の交点から導き出され、濃シアンのインク量がC5'で、淡シアンのインク量がLC5'となる。
【0064】
マゼンタの濃淡分解も同様に、図18に示されているように、マゼンタの濃淡インク量MLM5と目標濃度D(M5)により、濃マゼンタ(M)のインク量がM5'で、淡マゼンタ(LM)のインク量LM5'が決定される。
【0065】
こうして図7のステップS15における6色(濃淡)分解処理が終了する。
【0066】
図19は、これら6色(濃淡)分解処理により6色に分解された結果のC,M,Y,K,LC,LMの各インク量を示す図である。
【0067】
次に、図6のステップS6における内部補間処理について説明する。
【0068】
図20(A)〜(F)は、この補間処理を説明するための図である。
【0069】
この内部補間処理は、図20(A)〜(F)に示されるような1つの面が三角形で構成される6つの四面体に分割し、各四面体毎に補間処理を実行する。
【0070】
図20(A)は、頂点W,R,M,Bkを含む四面体を示し、図20(B)は、頂点W,M,B,Bkを含む四面体を示し、図20(C)は頂点W,C,B,Bkを含む四面体を示し、図20(D)は頂点W,Y,R,Bkを含む四面体を示し、図20(E)は頂点W,Y,G,Bkを含む四面体を示し、そして図20(F)は頂点W,C,G,Bkを含む四面体をそれぞれ示している。
【0071】
図21は、図6のステップS6の内部補間処理の具体的な処理を説明するためのフロ−チャートである。
【0072】
図21において、まずステップS41でインク色を選択する。これは以降の処理ステップにて各グリッドに対応するインク量を決定するため、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタのインク色を順次選択するものである。
【0073】
次にステップS42に進み、四面体を選択して複数の三角形に分割する。ここでは図20(A)〜(F)に示された6つの四面体を順次選択し、複数の三角形に分割する。この複数の三角形への分割方法としては、例えば、図20(A)の場合は、まず四面体を構成する三角形WMR、三角形WMBk、三角形WRBk、三角形MRBkの4つの三角形に分割する、次に四面体WMRBkの内部を三角形WRMに平行な面で、グリッド数に応じて、複数の三角形に分割する。
【0074】
次にステップS43に進み、対象となる三角形に対して2次元の補間処理を実行する。
【0075】
この各三角形に対する2次元の補間処理内容を図22以降を参照して詳しく説明する。
【0076】
ステップS44では、補間処理結果のインク等高線と、各グリッドと間の距離を算出する。ここでは、各三角形に対して2次元の補間処理(ステップS43)により作成された図22の等高線と、インク色分解テーブル部105に対応するグリッドとの距離を算出する。次にステップS45に進み、対象グリッドのインク量を決定する。ここでは、補間処理結果のインク等高線と、各グリッドとの間の距離を算出し、その結果、算出された距離の最も小さいものを対象グリッドのインク量として決定する。そしてステップS46に進み、未決グリッドが存在するかどうかを判定し、未決定グリッドが存在する場合はステップS44に進み、次のグリッドに対してステップS44とS45に示す処理を実行する。
【0077】
こうしてステップS46で、ステップS43にて対象となった三角形において、全てのグリッドのインク量が決定した場合はステップS47に進み、未処理の三角形があるかどうかを判定する。これはステップS42で分割された複数の三角形の全てに対して処理が終了したがどうかを判定し、未処理の三角形が存在する場合はステップS43に進み、前述したステップS43〜S46までの処理を繰り返す。
【0078】
そしてステップS47で、ステップS42で選択された四面体の全ての三角形に対して処理が終了した場合はステップS48に進み、未処理の四面体が存在するかどうかを判定する。未処理の四面体が存在する場合はステップS42へ進み、前述したステップS42からS47までの処理を繰り返す。
【0079】
こうして全ての四面体に対して処理が終了した場合はステップS48からステップS49に進み、未処理のインク色が存在するかどうかを判定し、未処理のインク色が存在する場合はステップS41に進み、前述のステップS41〜S48までの処理を繰り返す。こうして全てのインク色に対して処理が終了した場合は図6の(3−2)へ戻る。
【0080】
次に、対象となる三角形に対する2次元の補間処理(ステップS43)における具体的な処理の内容を図22以降を用いて説明する。
【0081】
図22は、ある三角形の三辺のインク量が図のようなカーブで示されている場合の内部補間結果のインク等高線を示す図である。同図において、辺OAにおけるインク量の変化が、その辺の右側グラフに示されており、ピークのインク量は90%となる。また辺OBにおけるインク量の変化は、その辺の左上グラフに示されており、ピーク時のインク量は30%である。そして、辺ABにおけるインク量の変化は、その辺の下のグラフに示されており、そのピークは60%である。
【0082】
図23及び図24は、対象三角形に対する2次元の補間処理の実行を詳細に説明するためのフローチャートである。以下、図23及び図24の説明を、図22の場合を例にして記述する。
【0083】
図23において、まずステップS51で、対象三角形の3辺におけるインク量の最大値のポイントを検出する。次にステップS52に進み、3辺の3つの最大値間の大小関係を導く。次にステップS53に進み、3辺の最大値ポイント間の補間を行う。ここでは、3辺における3つの最大値間を直線で結び、その間を両端値から補間演算する。次にステップS54に進み、対象三角形の3辺と3つの最大値ポイントによる3つの直線、計6直線において、インク量の等レベルの点を結んでインク等高線の生成を行う。
【0084】
次に、図24を参照してステップS54(図23)の処理の詳細について説明する。
【0085】
図24は、ステップS54の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0086】
同図において、まずステップS61で、ステップS51とS52の処理結果に基づき、3つの最大値ポイントにおいて、最も大きいポイントを点Dとし、その大きさをd、中間の大きさのポイントを点Hとし、その大きさをh、最も小さいポイントを点Jとし、その大きさをjと設定する。図22の例では、d=90,h=60,j=30となる。次にステップS62に進み、点Dを含む辺と点Hを含む辺の頂点をA、点Hを含む辺と点Jを含む辺の頂点をB、点Jを含む辺と点Dを含む辺の頂点をOに設定する。次にステップS63に進み、生成する等高線の間隔Sと、初期値i=d−Sを設定する。以下、ステップS64からS72のループにおいて、インク量が「0」になるまで順次等高線の作成を行う。
【0087】
まずステップS64では、d>i≧hかどうかを判定し、そうであればステップS66に進み、直線DAと直線DH間、直線DHと直線DJ間、直線DJと直線DO間における値iの点を各々結ぶ。これは図22の例では、等高線の間隔S=15であるため、i=75の等高線はG0−G1−G2−G3と生成され、i=60の等高線は、H0−H−H1−H2と生成される。
【0088】
またステップS64にて条件を満足しない場合はステップS65に進み、h>i≧jかどうかを判定する。そうであればステップS67に進み、直線DAと直線AH間、直線HBと直線HJ間、直線HJと直線DJ間、直線DJと直線DO間における値iの点を各々結ぶ。これは図22の例では、i=45の等高線は、I0−I1,I2−I3−I4−I5と生成され、i=30の等高線は、J0−J1,J2−J−J3と生成される。一方、ステップS65で条件を満足しない場合にはステップS68に進み、直線DAと直線AH間、直線HBと直線BJ間、直線JDと直線DO間における値iの点を各々結ぶ。図22の例では、i=15の等高線が、K0−K1,K2−K3,K4−K5と生成される。
【0089】
こうしてステップS66〜S68のいずれかを実行するとステップS69に進み、i=0かどうかを判定する。そうであれば全ての対象となる三角形の等高線の生成が終了したので、図23の(7−2)へ戻る。そうでない場合にはステップS70に進み、i=i−Sの演算を行ってステップS71に進み、i>0かどうかを判定する。そうであればステップS64に進み、そうでない場合はステップS72に進み、i=0にしてステップS64へ進む。
【0090】
以上説明したように、等高線の値iが「0」となるまで、ステップS64からS72までの処理ループを繰り返し実行する。
【0091】
尚、図22では、説明を分かりやすくするためS=15と設定した場合を例示したが、グリッドの値をより正確にするためには、S=1と設定して、1ステップ毎に等高線を生成しても良いことは言うまでもない。
【0092】
以下、3辺のインク量のカーブが図22の例と異なる場合に関して、図25乃至図27の例を参照して、その動作を説明する。
【0093】
図25は、3辺の最大値がいずれも60%で同じ場合の例を示し、この場合は図24には明記されていないが、ステップS68の等高線の生成ステップのみが実行されて図25のような等高線が生成される。
【0094】
図26は、一つの辺(OB)のインク量が全て「0」の場合で、かつ、他の2つの辺の最大値が共に同じ(60%)場合を示している。この場合は、直線DAと直線AH間、直線HBと直線DO間における値iの点を各々結ぶと図26のようになる。
【0095】
図27は、2つの辺(OA)(OB)の最大値が同じで、かつ、その最大値の点が点Aと重なっている場合を示している。この場合は、図24において、ステップS66で、D,A,Hは同じ点のため等高線が生成されず、ステップS67では、直線DAと直線AH間は、D,A,Hが同じ点のため存在せず、直線HJと直線DJ間は、D,Hが同じ点のため実行されず、直線HBと直線HJ間と直線DJと直線DO間のみにおける値iの点を夫々結ぶ処理がなされる。またステップS68で、直線DAと直線AHは、D,A,Hが同じ点のため存在せず、直線HBと直線BJ間と直線JOと直線DO間のみにおける値iの点を夫々結ぶ処理がなされ、図27に示されるような等高線となる。
【0096】
図28は、図3乃至図5における、頂点W−C−Bkによる三角形内の補間例を説明する図であり、各辺におけるC,M,Y,Kのインク色テーブルの曲線例が示されている。
【0097】
図28では、説明を簡略化してわかり易くするためLC,LMのインク色テーブルの曲線例を省略している。
【0098】
図29(A)〜(D)は、図28のインク色毎の等高線を示した図で、図29(A)はCインクの等高線を示しており、これは図27のケースである。図29(B)は、Mインクの等高線を示しており、これは図26のケースである。図29(C)はYインクの等高線を示しており、これも図26のケースである。図29(D)はKインクの等高線を示しており、これは図26のケースであるが、黒インクが途中から挿入されているため、インク量が「0」の領域が広く存在し、途中からKインクの等高線が生成されている。
【0099】
このように本実施の形態では、インク色ごとに三角形の3辺のインク量曲線に基づき内部補間を適応的に実行し、3辺のインク量曲線から最適な独立なインクの等高線を生成することができる。従って、グレー軸と6つの色相における墨入れポイント、即ち、W−Bk,C−Bk,M−Bk,Y−Bk,R−Bk,G−Bk,B−Bkの7ラインのテーブルにおける7点の墨入れポイントを制御することにより、三角形W0−R0−M0,三角形W0−M0−B0,三角形W0−B0−C0、三角形W0−C0−G0,三角形W0−G0−Y0,三角形W0−Y0−R0の計6つの面により、インク色分解テーブル部105のテーブルを入力色空間において、3次元連続的に墨入れポイントを制御することが可能となる。
【0100】
[実施の形態2]
前述の実施の形態1では、グレイラインの目標色として、CIEのLab均等色空間を用いたが、色空間はこれに限らず、例えばLuv等の3次元の色空間であってもよい。
【0101】
なお本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0102】
また本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0103】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0104】
以上説明したように本実施の形態によれば、目標とするグレイラインを設定し、その目標色を実現するインク色分解をテーブルを作成するため、対象とする画像形成装置のインクや印刷メディアの特性が異なっている場合にも所望のグレイラインを作成することができる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、目標グレイラインを設定し、この目標グレイライン上の色を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理装置における機能構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【図3】本実施の形態に係るインク色分解テーブル部のルックアップテーブルの作成を説明する図で、RGB色空間を示している。
【図4】本実施の形態に係るなインク色分解テーブルの作成方法を説明するための図で、図3の入力立方体を6つの四面体に分割の仕方を示している。
【図5】本実施の形態における墨入れポイントを説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係るインク色分解テーブル作成部におけるテーブル作成処理を示すフローチャートである。
【図7】図6のW−Bkラインのインク色分解テーブルの作成処理(ステップS2)を実現する処理を説明するフローチャートである。
【図8】目標グレイラインが3次元のL*a*b*色空間上にプロットされた例を示す図である。
【図9】図7のステップS12における3色グレイの作成処理を示すフローチャートである。
【図10】図9の3色グレイの作成方法を説明するための図で、各プレーンごとのC,M,Yインク量でパッチを印刷し、それを測色した結果をLab3次元空間上にプロットして示している。
【図11】目標グレイラインと複数のプレーンとの交点からCMYインク量の算出方法を説明するための図である。
【図12】図7の3色グレイの作成処理(ステップS12)で作成されたC,M,Y3色によるグレイラインと、Y,LC,LM3色によるグレイラインを示す図である。
【図13】図7のステップS13で実行される4色分解処理の結果例を示す図である。
【図14】図7の総インク量の設定処理(ステップS14)にて設定された総インク量ラインを示す図である。
【図15】図7のステップS15の6色(濃淡)分解処理を説明するための具体例を示す図である。
【図16】図7のステップS15の6色(濃淡)分解処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】濃淡インク量と目標濃度から濃淡分解を実行し、濃インク(C)と淡インク(LC)のインク量の決定方法を説明するための図である。
【図18】マゼンタの濃淡インク量と目標濃度から濃淡分解を実行し、濃マゼンタ(M)のインク量と淡マゼンタ(LM)のインク量の決定方法を説明するための図である。
【図19】本実施の形態に係る6色(濃淡)分解処理により6色に分解された結果のC,M,Y,K,LC,LMの各インク量を示す図である。
【図20】頂点W,R,M,Bkで構成された四面体(A)、頂点W,M,B,Bkで構成される四面体(B)、頂点W,C,B,Bkで構成される四面体(C)、頂点W,Y,R,Bkで構成される四面体(D)、頂点W,Y,G,Bkで構成される四面体(E)、及び頂点W,C,G,Bkで構成される四面体(F)をそれぞれ示す図である。
【図21】図6の内部補間処理(ステップS6)の処理を詳しく説明するためのフローチャートである。
【図22】三角形の三辺のインク量が変化曲線が例示されている場合の内部補間結果のインク等高線を示す図である。
【図23】図21のステップS43に示す、対象三角形に対する2次元の補間処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】図23のステップS54に示す、対象三角形の3辺と3つの最大値ポイントによる3つの直線の計6直線において、インク量の等レベルの点を結んでインク等高線を生成する処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】3辺の最大値が同じ場合の対象三角形の等高線生成を説明するための図である。
【図26】2辺の最大値の大きさが同じで、かつ、1辺の最大値の大きさが0の場合の対象三角形の等高線生成を説明するための図である。
【図27】対象三角形の2辺の最大値の大きさが同じで、かつ、一つの頂点に重なった場合の対象三角形の等高線生成を説明するための図である。
【図28】図3乃至5における頂点W−C−Bkによる三角形内の補間例を説明する図であり、各辺におけるC,M,Y,Kのインク量の曲線例が示されている。
【図29】図28の対象三角形におけるCインクの等高線(A)、Mインクの等高線(B)、Yインクの等高線(C),及びKインクの等高線(D)の各例を示す図である。
【図30】従来のカラープリンタの色材色に分解する処理を説明するための図である。

Claims (7)

  1. 白と黒とを結ぶグレイラインを表す入力色を、第1の色と第2の色とを含む複数の色各々についてそれぞれ同一の色相を示す濃い色材と淡い色材とを含む、複数の色材の色材量に変換する色処理装置であって、
    前記グレイラインの目標色を、該グレイラインの階調に応じて設定する目標色設定手段と、
    前記階調に応じて、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と黒色の色材とを除いた色材の色材量を設定する色材量設定手段と、
    前記色材量設定手段により設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の淡い色材の色材量と前記第2の色の淡い色材の色材量とを含む複数の淡い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第1取得手段と、
    前記色材量設定手段により設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の濃い色材の第1の色材量と前記第2の色の濃い色材の第2の色材量とを含む複数の濃い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第2取得手段と、
    前記グレイラインに対する前記複数の色材の総色材量を設定する総色材量設定手段と、
    前記第1取得手段により取得した前記複数の淡い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量を取得する最大色材量取得手段と、
    前記第2取得手段により取得した前記複数の濃い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量と最小色材量とを取得する手段と、
    前記取得した第1の色の淡い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最小色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最小色材量との比率とに基づき、前記取得した第1の色の淡い色材の色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の色材量との大小関係、及び、前記取得した第1の色の濃い色材の色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の色材量との大小関係を保つように、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の比率、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の比率について、前記第1の比率と前記第2の比率との比率である第3の比率を求める比率算出手段と、
    前記複数の色材の総色材量、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量、前記第3の比率に基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の総色材量、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の総色材量を求める総色材量算出手段と、
    前記第1の総色材量と、前記第1の色材量から得られる前記第1の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求め、前記第2の総色材量と、前記第2の色材量から得られる前記第2の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求める手段と、
    を有することを特徴とする色処理装置。
  2. 前記第1の色がシアン、前記第2の色がマゼンタ、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材がイエローの色材であることを特徴とする請求項1に記載の色処理装置。
  3. 前記第1取得手段は、
    前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材について、前記階調に応じて各プレーンを設定するプレーン設定手段と、
    前記プレーン設定手段により設定されたプレーンごとに前記第1及び第2の色の淡い色材の色材量を設定するプレーン色材量設定手段と、
    前記各プレーンと前記グレイラインとの各交点を算出する交点算出手段と、
    前記交点算出手段により算出された各交点における前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材、前記第1及び第2の色の淡い色材の色材量を算出する色材量算出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の色処理装置。
  4. 前記第2取得手段は、
    前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材にいて、前記階調に応じて各プレーンを設定するプレーン設定手段と、
    前記プレーン設定手段により設定されたプレーンごとに前記第1及び第2の色の濃い色材の色材量を設定するプレーン色材量設定手段と、
    前記各プレーンと前記グレイラインとの各交点を算出する交点算出手段と、
    前記交点算出手段により算出された各交点における前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材、前記第1及び第2の色の濃い色材の色材量を算出する色材量算出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の色処理装置。
  5. 白と黒とを結ぶグレイラインを表す入力色を、第1の色と第2の色とを含む複数の色各々についてそれぞれ同一の色相を示す濃い色材と淡い色材とを含む、複数の色材の色材量に変換する色処理装置の色処理方法であって、
    前記色処理装置の目標色設定手段が、前記グレイラインの目標色を、該グレイラインの階調に応じて設定する目標色設定工程と、
    前記色処理装置の色材量設定手段が、前記階調に応じて、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量を設定する色材量設定工程と、
    前記色処理装置の第1取得手段が、前記色材量設定工程で設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の淡い色材の色材量と前記第2の色の淡い色材の色材量とを含む複数の淡い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第1取得工程と、
    前記色処理装置の第2取得手段が、前記色材量設定工程で設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の濃い色材の第1の色材量と前記第2の色の濃い色材の第2の色材量とを含む複数の濃い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第2取得工程と、
    前記色処理装置の総色材量設定手段が、前記グレイラインに対する前記複数の色材の総色材量を設定する総色材量設定工程と、
    前記色処理装置の最大色材量取得手段が、前記第1取得工程で取得した前記複数の淡い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量を取得する最大色材量取得工程と、
    前記色処理装置の手段が、前記第2取得工程で取得した前記複数の濃い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量と最小色材量とを取得する工程と、
    前記色処理装置の比率算出手段が、前記取得した第1の色の淡い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最小色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最小色材量との比率とに基づき、前記取得した第1の色の淡い色材の色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の色材量との大小関係、及び、前記取得した第1の色の濃い色材の色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の色材量との大小関係を保つように、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の比率、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の比率について、前記第1の比率と前記第2の比率との比率である第3の比率を求める比率算出工程と、
    前記色処理装置の総色材量算出手段が、前記複数の色材の総色材量、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量、前記第3の比率に基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の総色材量、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の総色材量を求める総色材量算出工程と、
    前記色処理装置の手段が、前記第1の総色材量と、前記第1の色材量から得られる前記第1の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求め、前記第2の総色材量と、前記第2の色材量から得られる前記第2の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求める工程と、
    を有することを特徴とする色処理方法。
  6. 白と黒とを結ぶグレイラインを表す入力色を、第1の色と第2の色とを含む複数の色各々についてそれぞれ同一の色相を示す濃い色材と淡い色材とを含む、複数の色材の色材量に変換する色処理装置によるルックアップテーブルの製造方法であって、
    前記色処理装置の目標色設定手段が、前記グレイラインの目標色を、該グレイラインの階調に応じて設定する目標色設定工程と、
    前記色処理装置の色材量設定手段が、前記階調に応じて、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量を設定する色材量設定工程と、
    前記色処理装置の第1取得手段が、前記色材量設定工程で設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の淡い色材の色材量と前記第2の色の淡い色材の色材量とを含む複数の淡い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第1取得工程と、
    前記色処理装置の第2取得手段が、前記色材量設定工程で設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の濃い色材の第1の色材量と前記第2の色の濃い色材の第2の色材量とを含む複数の濃い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第2取得工程と、
    前記色処理装置の総色材量設定手段が、前記グレイラインに対する前記複数の色材の総色材量を設定する総色材量設定工程と、
    前記色処理装置の最大色材量取得手段が、前記第1取得工程で取得した前記複数の淡い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量を取得する最大色材量取得工程と、
    前記色処理装置の手段が、前記第2取得工程で取得した前記複数の濃い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量と最小色材量とを取得する工程と、
    前記色処理装置の比率算出手段が、前記取得した第1の色の淡い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最小色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最小色材量との比率とに基づき、前記取得した第1の色の淡い色材の色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の色材量との大小関係、及び、前記取得した第1の色の濃い色材の色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の色材量との大小関係を保つように、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の比率、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の比率について、前記第1の比率と前記第2の比率との比率である第3の比率を求める比率算出工程と、
    前記色処理装置の総色材量算出手段が、前記複数の色材の総色材量、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量、前記第3の比率に基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の総色材量、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の総色材量を求める総色材量算出工程と、
    前記色処理装置の手段が、前記第1の総色材量と、前記第1の色材量から得られる前記第1の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求め、前記第2の総色材量と、前記第2の色材量から得られる前記第2の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求める工程と、
    を有することを特徴とするルックアップテーブルの製造方法。
  7. コンピュータを、白と黒とを結ぶグレイラインを表す入力色を、第1の色と第2の色とを含む複数の色各々についてそれぞれ同一の色相を示す濃い色材と淡い色材とを含む、複数の色材の色材量に変換する色処理装置として機能させるために、当該コンピュータを、
    前記グレイラインの目標色を、該グレイラインの階調に応じて設定する目標色設定手段と、
    前記階調に応じて、前記複数の色材のうち、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量を設定する色材量設定手段と、
    前記色材量設定手段により設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の淡い色材の色材量と前記第2の色の淡い色材の色材量とを含む複数の淡い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第1取得手段と、
    前記色材量設定手段により設定された色材量と組合せることにより前記目標色を再現可能である、前記第1の色の濃い色材の第1の色材量と前記第2の色の濃い色材の第2の色材量とを含む複数の濃い色材の色材量を前記複数の色の各々について取得する第2取得手段と、
    前記グレイラインに対する前記複数の色材の総色材量を設定する総色材量設定手段と、
    前記第1取得手段により取得した前記複数の淡い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量を取得する最大色材量取得手段と、
    前記第2取得手段により取得した前記複数の濃い色材の色材量のうち、それぞれの色材の最大色材量と最小色材量とを取得する手段と、
    前記取得した第1の色の淡い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最大色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最大色材量との比率と、前記取得した第1の色の濃い色材の最小色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の最小色材量との比率とに基づき、前記取得した第1の色の淡い色材の色材量と前記取得した第2の色の淡い色材の色材量との大小関係、及び、前記取得した第1の色の濃い色材の色材量と前記取得した第2の色の濃い色材の色材量との大小関係を保つように、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の比率、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の比率について、前記第1の比率と前記第2の比率との比率である第3の比率を求める比率算出手段と、
    前記複数の色材の総色材量、前記第1の色の色材と前記第2の色の色材と前記黒色の色材とを除いた色材の色材量、前記第3の比率に基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第1の総色材量、及び、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量との第2の総色材量を求める総色材量算出手段と、
    前記第1の総色材量と、前記第1の色材量から得られる前記第1の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第1の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求め、前記第2の総色材量と、前記第2の色材量から得られる前記第2の色の濃い色材の濃度とに基づき、前記第2の色について前記濃い色材の色材量と前記淡い色材の色材量とを求める手段とを有する色処理装置として機能させるためのコンピュータプログラム。
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