以下に図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態にかかる色分解処理の構成を示すブロック図である。C,M,Y,Kの基本色である4色材の色材値(色材値信号)からC,M,Y,K,Lc,Lmの同じ色調で濃度が薄い色材である淡色を含んだ6色材の色材値(色材値信号)へ色分解を行っている。
同図において、色材量補正部101は、R,G,B各8ビットの画像データから求められたC1,M1,Y1,K1を、C2,M2,Y2,K2に、色材量補正を行う。R,G,Bの画像データからC1,M1,Y1,K1に色分解する方法は、公知の方法を使用して求める。例えば、RGB空間における立方体の頂点を結ぶ所定のライン上の格子点について、パッチの測色値に基づいて格子点データ(色分解データ)を求めるとともに、補間によって求められる。
色材量補正処理は、予め所定面積の記録媒体がその吸収性等を考慮して色材の量を制御すべく、C,M,Y,Kの色材量の合計が、所定の面積の記録媒体が吸収できる最大のインク量である色材量制限値(AmtLIMIT)以下になるように、実行する。その結果、補正後の色材量データC2,M2,Y2,K2を出力する。補正された色材量データの値C2,M2,Y2,K2は、そのままC3,M3,Y3,K3として出力される。
一方、C,M,Y,Kの色材量の合計が、色材量制限値以下である場合には、C1,M1,Y1,K1のデータの値をそのままC2,M2,Y2,K2として出力する。そして、データC2,M2は、出力濃淡合計色材量算出部102で、濃淡分解基本特性テーブル部103に基づき、出力する濃度と、出力する濃インク(C,M)と淡インク(Lc,Lm)との合計色材量を算出する。なお、出力する濃度をそれぞれ、DenC,DenMとし、合計色材量をそれぞれ、AmtCmax,AmtMmaxとする。
そして、102と103とで算出されたAmtCmaxとDenCに基づいてシアン色材濃淡分解部104で後述するマップに基づき濃淡色分解を行い、シアンインクの色分解データC3および淡シアンインクの色分解データLc3とを得る。同様に、102と103とで算出されたAmtMmaxとDenMに基づいてマゼンタ色材濃淡分解部105で後述するマップに基づき濃淡色分解を行い、マゼンタインクの色分解データM3および淡マゼンタインクの色分解データLm3とを得る。
図2は、本発明の実施形態1にかかる印刷システムの構成を示すブロック図であり、図1に示した画像処理装置を構成するプリンタ等の記録装置を含んだシステムである。
図2において、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ201とモニタ等の表示装置202はプリンタ等の記録装置204のホスト装置を構成する。すなわち、コンピュータ201は、モニタ202に表示される画像などをプリンタ204によって印刷するために、印刷のための画像データを保持し、印刷に際してこれをプリンタ204に供給する。また、コンピュータ201は、プリンタの特性を調べるためのパッチデータを保持しており、パッチデータをプリンタ204で印刷するためのドライバ等を格納している。モニタ202には、プリンタの特性を調べるためのパッチパターン203を表示することがでる。また、ユーザによる各種設定を入力するためにドライバによって生成されるユーザインターフェイス(UI)画面を表示することができる。入力される各種設定に基づき、プリンタ204で出力されたサンプルパッチ205はスキャナ等の測色器206で測定される。
図3は、画像処理装置において、C,M,Y,Kの基本色である4色材の色材値からC,M,Y,K,Lc,Lmの淡色を含んだ6色材の色材値へ色分解するための手続きを示すフローチャートである。
ステップS301はスタートステップであり、4色材から6色材へ色分解を行う46変換色分解テーブルの作成を開始する。
ステップS302は、濃淡色材のクロスパッチを印刷するステップである。
図4では、ステップS302で印刷されるクロスパッチの例を示す。同図に示すように、横方向には、左から右に行くに従い、0%から100%まで段階的に濃インクの色材量が増えるようになっている。また、縦方向には、上から下に行くに従い、0%から100%まで段階的に淡インクの色材量が増えるようになっている。
ステップS303では、ステップS302で印刷されたクロスパッチを測色して、濃淡色材の濃度特性を得る。そして、ステップS304では、クロスパッチの測色結果に基づいて、濃度特性と色材量特性のマップを作成する。
図5は、ステップS304で作成されるマップの例を示す図である。濃インクの濃度を横軸に、淡インクの濃度を縦軸にとり、濃インクと淡インクの組合せにより再現される色の濃度が同一である点を結び、かかるラインを等濃度ラインとする。また、濃インクと淡インクとを組合せたインクの量(色材量)が同一である点を結び、かかるラインを等色材量ラインとする。
ステップS305は、濃淡色分解基本特性テーブルを作成する工程である。濃淡色分解基本特性テーブルは、図1を用いて説明したように、出力濃淡合計色材量算出部で、出力する濃度と、出力する濃インク(C,M)と淡インク(Lc,Lm)との合計色材量を算出するために基本となるテーブルである。濃淡色分解基本テーブルは、かかるテーブルに入力される濃インクの色材量データ(0%〜100%)と、色材量特性(C,Lc,M,Lm,Y)とを規定する。
図6から図9は、濃淡色分解基本テーブルに入力される濃インクの色材量データと、出力色材量特性との関係の例を規定したテーブルを示す。テーブルは、横軸に、テーブルに入力される入力色材量を、縦軸に、テーブルに基づいて出力される出力色材量を示す。これらのテーブルは、入力される濃シアンインクの色材量データと、出力される濃シアンの色材量と淡シアンの色材量との関係を示すが、入力される濃マゼンタインクの色材量データと、出力される濃マゼンタの色材量と淡マゼンタの色材量との関係も同様である。
図6および図7は、出力に係る濃淡色材で再現された濃度特性と入力色材量の濃度特性とが等しい関係であるテーブルである。一方、図8および図9は、図10に示すような場合、すなわち、出力に係る濃淡色材で再現された濃度特性が入力色材量の濃度特性よりも大きくなる関係であるテーブルである。
図6では、出力淡シアン色材量と出力濃シアン色材量との合計色材量である出力濃淡シアン合計色材量が、入力シアン色材量が80%のときに最大値をとり、その後減少する特性を有する。すなわち、本テーブルでは、入力シアン色材量データの値が低い所では、出力淡シアンインクの色材量が出力濃シアンインクの色材量よりも大きい。そして、入力シアン色材量が80%以上になった後に、出力濃シアンインクの色材量が出力淡シアンインクの色材量よりも大きくなる色材量特性を有している。したがって、本テーブルは、途中までは、淡シアンインクが濃シアンインクよりも優先となる色分解を実現することが可能となる濃淡分解基本特性テーブルである。
図7では、入力シアン色材量が増加するに従い、出力濃淡シアン合計色材量が単調増加する特性を有する。また、常に入力淡シアン色材量が入力濃シアン色材量よりも大きくなる色材量特性を有している。したがって、本テーブルは、淡シアンインクが濃シアンインクよりも優先となる色分解を実現することが可能となる濃淡分解基本特性テーブルである。入力シアン色材量が増加するに従い、出力濃淡シアン合計色材量が単調増加する特性を有する。
図8は、入力シアン色材量が増加するに従い、出力濃淡シアン合計色材量が単調増加する特性を有する。本テーブルでは、入力シアン色材量データの値が低い所では、出力淡シアンインクの色材量が出力濃シアンインクの色材量よりも大きい。そして、入力シアン色材量が高くなると、出力濃シアンインクの色材量が出力淡シアンインクの色材量よりも大きくなる色材量特性を有している。したがって、本テーブルは、ハイライト側では、淡シアンインクが濃シアンインクよりも優先となり、高濃度になるに従い、濃シアンインクが淡シアンインクよりも優先となる色分解を実現することが可能となる濃淡分解基本特性テーブルである。
図9は、入力シアン色材量が増加するに従い、出力濃淡シアン合計色材量が単調増加する特性を有する。本テーブルでは、常に、出力淡シアンインクの色材量が出力濃シアンインクの色材量よりも大きくなる色材量特性を有している。したがって、本テーブルは、ハイライト側では、淡シアンインクが濃シアンインクよりも優先となり、高濃度になるに従い、濃シアンインクが淡シアンインクよりも優先となる色分解を実現することが可能となる濃淡分解基本特性テーブルである。高濃度側では、濃シアンインクを100%まで使用している。
図10は、図8および図9に示す出力濃度特性および色材量特性との関係を有した濃淡分解基本特性テーブルの、入出力の濃度特性を示すテーブルである。横軸は、入力シアン色材量を示し、縦軸は、出力シアンの濃度を示す。
濃淡のインクに色分解を行わない場合である入力濃シアン濃度に比べ、濃淡のインクに色分解を行う場合の修正濃淡シアン濃度の方が、出力シアン濃度が高くなるのがわかる。したがって、このような濃淡分解基本特性テーブルにより色分解を行った場合には、出力する色再現域を拡大することができる。
再び図3を参照して、ステップS306は、それぞれの格子点のC,M,Y,Kのインク値を決定するにあたり、C,M,Y,Kの初期設定を行う工程である。本実施形態では、各格子点は0%から100%まで10%の間隔の11格子で構成され、合計11×11×11×11=14641の格子点の値を求める。その初期設定として、ステップS306では、C,M,Y,Kの各格子点が0%とする。
ステップS307は、R,G,Bから変換されたC1,M1,Y1,K1の色材量の合計が、制限値をオーバーしているか否かを判断する工程である。制限量をオーバーしている場合には、ステップS308のC,M,Y,K色材量補正処理を行い、S311に進む。すなわち、制限量をオーバーしている場合には、制限量までC,M,Y,Kの合計色材量を減らし、Lc,Lmに色分解を行う必要がないことから、S311に進む。制限量をオーバーしていない場合には、ステップS308を経ずに、C1=C2,M1=M2,Y1=Y2,K1=K2となり、ステップS309に進む。
ステップS308は、図1の色材量補正部で、C,M,Y,K色材量補正処理を行う工程である。ここで、総色材量制限値をAmtLIMITとし、C,M,Y,Kの色材量の合計をAmt(C,M,Y,K)とする。色材量補正処理後の色材量C2,M2,Y2,K2はそれぞれ、
C2=C1×((AmtLIMIT−Amt(0,0,0,K1))/Amt(C1,M1,Y1,0))
M2=M1×((AmtLIMIT−Amt(0,0,0,K1))/Amt(C1,M1,Y1,0))
Y2=Y1×((AmtLIMIT−Amt(0,0,0,K1))/Amt(C1,M1,Y1,0))
K2=K1
となる。
この結果、色材量制限値を超えた合計色材量を、Kの色材量を維持しつつ、C,M,Yのそれぞれの色材量の割合に応じて減ずることができる。出力されたC2,M2,Y2,K2の値が、格子点データとして入力される。
ステップS309は、図1に示す出力濃淡合計色材量算出部102で濃淡分解基本特性テーブル部103を使用し、入力色材量に基づき濃淡合計色材量(AmtCmax,AmtMmax)を算出する工程である。本工程では、濃色材と淡色材との合計色材量を、総色材量制限値と、対象となる色の濃色材と淡色材以外の色材の色材量とにより求める。
ここで、AmtCupをシアン色材の増加可能量、AmtMupをマゼンタ色材の増加可能量とする。すなわち、AmtCupおよびAmtMupは、色分解前の色材量から色分解後まで、どの位合計色材量が増加可能であるかを示す値である。図6から図9で示すように、AmtCup,AmtMupはそれぞれ、
AmtCup=出力濃淡シアン合計色材量−入力シアン色材量
AmtMup=出力濃淡マゼンタ合計色材量−入力マゼンタ色材量
である。
そして、AmtCmax,AmtMmaxはそれぞれ、
AmtCmax=(AmtLIMIT−Amt(C2,M2,Y2,K2))×(AmtCup/(AmtCup+AmtMup))+Amt(C2,0,0,0)
AmtMmax=(AmtLIMIT−Amt(C2,M2,Y2,K2))×(AmtMup/(AmtCup+AmtMup))+Amt(0,M2,0,0)
である。
また、図8、9に示すような出力に係る濃淡色分解基本テーブルを使用する場合には、図10に示す入出力の濃度特性を示すテーブルを使用する。すなわち、図8および図9のテーブルを用いた場合、入出力の濃度特性は異なることとなる。そこで、図8に示す修正濃淡シアン濃度を、出力シアン濃度(DenC)とする。同様に、濃淡マゼンタ濃度も、出力マゼンタ濃度(DenM)となる。
ステップS310は、出力濃度および出力濃淡合計色材量から濃淡分解処理を行う工程であり、S304で作成した濃度特性と色材量特性のマップを用いて行う。ステップS309で求められたAmtCmax,DenCから、マップを参照することによりC2を、C3およびLc3に色分解する。すなわち、AmtCmaxに該当する等色材量ラインを検出し、DenCに該当する等濃度ラインを検出して、濃淡インク値を決定する。同様に、AmtMmax,DenMから、マップを参照することによりM2を、M3およびLm3に色分解する。かかるマップを参照して出力された値を含む、C3,M3,Y3,K3,Lc3,Lm3の値が、格子点データとして入力される。
ステップS311では、次の格子点についてインク値を決定するために、C,M,Y,Kのインクリメント行う工程である。本実施形態では、それぞれ10%ずつ増やすことにより行う。
ステップS312では、46変換テーブルの全ての格子点について、インク値を決定したか否かを判断する工程であり、全てが終了していなければ、ステップS307からステップS311の工程を繰り返す。
ステップS312により、全ての格子点について、インク値を決定したと判断した場合には、ステップS313により、46変換テーブル作成処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態では、出力となる濃度特性と濃淡合計色材量に基づき濃淡分解処理を実行するため、従来技術により生じていた総色材量制限値以下とするため引き起こされる大幅な濃度低下を解決することができる。また、上記従来技術では、CMYK4次元の入力データに対して、シアン、マゼンタの高々1次元の濃淡分解テーブルで6次元に変換するため、4次元の階調性の滑らかさや最適化を保証することが出来ないという問題点が存在した。しかしながら、本実施例では、総色材量制限値(AmtLIMIT)までの余裕となる色材量をシアン、マゼンタの色材増加可能量(AmtCup,AmtMup)の比率に応じて振り分けて出力濃淡合計色材量を求める。そして、その結果から46変換テーブルを算出するため、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック4色の色材量を考慮した上での最適な色分解が可能となる。
(実施形態1の変形例)
上述の実施形態では、濃淡色分解基本特性テーブルを使用した色分解方法について述べたが、本実施形態は、これに限られず、図11に示すように、46変換テーブル部1103を具えた処理であってもよい。すなわち、本実施形態で行った処理を、テーブルとして有し、入力されたR0,G0,B0のデータまたはC0,M0,Y0,K0のデータをコントローラ部1101でC1,M1,Y1,K1に変換する。そして、46変換補間演算処理部1102で、46変換テーブル部1103を使用して、図3に示すステップS301からS313までの処理を行うことにより、色分解を行ってもよい。
また、図2に示されるように、実施形態はコントローラ部1101が内蔵されたタイプのプリンタ204を用いた実施に限らず、図12に示されているような構成であってもよい。すなわち、コンピュータ1201とプリンタ1205の中間に位置するコントローラ1204のような実施形態により不図示のネットワーク等を利用して実施することも可能である。また、図11のコントローラ1101の機能がコンピュータ内に実装される、あるいは、ソフトウエアにより処理されるような実施形態であっても良い。
また、本実施形態に示されている色分解処理装置、方法が適用される画像形成装置は、インクジェットプリンタ、電子写真プリンタ、そして、熱昇華型プリンタなどであってもよい。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの基本4色に淡シアン、淡マゼンタなどの色材が追加されたシステムであるならば、どのような形態の画像形成装置にて利用することが可能である。
さらに、本実施形態では、淡い色材色としてシアン、マゼンタを用いた色材システムを利用して説明したが、淡い色材色は、これに限らず、淡イエローや淡ブラックの色材を用いた画像形成装置に対しても適用することが可能である。
本実施形態では、色材がインクの場合について説明したが、本発明は、インクに限定されず、トナー等の他の色材であっても適用することができる。
また、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、そして、ブラックの基本4色材システムから淡シアン、淡マゼンタ色材を含む濃淡6色材システムへ色分解処理するため構成例を用いて実施した。しかしながら、本発明は、これに限らず、図13で示されているように、基本4色材から濃淡8色材へ色分解処理するための装置構成であってもよい。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロー、そして、ブラックの基本4色材システムから淡シアン、淡マゼンタ、淡イエロー、および淡ブラック色材を含む濃淡8色材システムへ色分解処理するための装置構成例も可能である。
同図において、1301は色材量補正部であり、C1,M1,Y1,K1の色材量データを色材量制限値(AmtLIMIT)以下になるように色材量補正処理を実行し、シアンC2,マゼンタM2,イエローY2,ブラックK2の色材量データを出力する。1302は出力濃淡合計色材量算出部であり、1303濃淡分解基本特性テーブル部に基づき、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの色材色に対し、濃淡の合計色材量の算出を実行する。1303は、濃淡分解基本特性テーブル部であり、それぞれの色ごとに濃淡分解するための濃淡の基本色材量、及び濃淡分解後の出力濃度特性が格納さている。
1304はシアン色材濃淡分解部であり、濃淡分解基本特性テーブル部1303からのシアン出力濃度(DenC)と出力濃淡合計色材量算出部1302からの濃淡シアンの合計色材量(AmtCmax)に基づき濃淡分解する。そして、シアンC3、淡シアンLc3を出力する。同様に、1305はマゼンタ色材濃淡分解部であり、マゼンタの出力濃度(DenM)と濃淡マゼンタの合計色材量(AmtMmax)に基づき濃淡分解し、マゼンタM3,淡マゼンタLm3を出力する。
同様に、1306はイエロー色材濃淡分解部であり、イエローの出力濃度(DenY)と濃淡イエローの合計色材量(AmtYmax)に基づき濃淡分解し、イエローY3、淡イエローLy3を出力する。
同様に、1307はブラック色材濃淡分解部であり、ブラックの出力濃度(DenK)と濃淡ブラックの合計色材量(AmtKmax)に基づき濃淡分解し、ブラックK3,淡ブラックLk3を出力する。
詳しい処理フローは、図3のフローチャートを用いて処理される。本実施形態の場合は、淡シアンと淡マゼンタのみの形態であったが、淡イエローと淡ブラックの色材が追加される場合には、ステップS309およびステップS310で使用される演算式には淡イエローと淡ブラックに相当するパラメータが追加される。
さらにまた、上述した実施形態では、色材量の再現特性として濃度を用いて色分解を行なったが、本発明はこれに限られず、明度や輝度等の値やCIEのLab等の値を用いて色分解を行なってもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、出力濃淡合計色材量算出部102で、1次元の濃淡分解基本特性テーブル103に基づいて出力する濃度と、出力する濃インクと淡インクとの合計色材量を算出して、濃淡色分解を行なった。しかしながら、本発明はこれに限られず、3次元の濃淡分解基本特性テーブルを用意して濃淡色分解を行なってもよい。
図14は、本発明の実施形態2にかかる色分解処理の構成を示すブロック図である。C,M,Y,Kの基本色である4色材の色材値からC,M,Y,K,Lc,Lmの淡色を含んだ6色材の色材値へ色分解を行っている。
同図において、色材量補正部1401は実施形態1における図1の色材量補正部101と同様に、R,G,B各8ビットの画像データから求められたC1,M1,Y1,K1を、C2,M2,Y2,K2に、色材量補正を行う。
すなわち、色材量補正処理は、C,M,Y,Kの色材量の合計が、所定の面積の記録媒体が吸収できる最大のインク量である色材量制限値(AmtLIMIT)以下になるように実行し、補正後の色材量データC2,M2,Y2,K2を出力する。
本実施形態では、データC2,M2は、出力濃淡合計色材量算出部1402で、3次元濃淡分解基本特性テーブル部1403に基づき、出力する濃度と、出力する濃インク(C,M)と淡インク(Lc,Lm)との合計色材量を算出する。データY2は、3次元濃淡分解基本特性テーブル部1403に規定されるイエローの入出力特性に基づいて、Y3を出力する。データK2は、そのままK3として出力される。
ここで、後述する図15のS1506で作成される3次元濃淡分解基本特性テーブル部1403は、色材量比率を規定した1次元濃淡分解基本特性テーブル部1404により作成される。3次元濃淡分解基本特性テーブル部1403は、CMYの3次元空間における立方体の頂点を結ぶ7本のラインについて規定された濃淡分解基本特性テーブルに基づき、CMY空間の全ての格子点について、入出力の色材量比率が求められる。ここで7本のラインとは、White-Cyan Line, White-Magenta Line, White-Yellow Line, White-Red Line, White-Green Line, White-Blue Lineである。
そして、1402と1403とで算出されたAmtCmaxとDenCに基づいてシアン色材濃淡分解部1405で、後述するマップに基づき濃淡色分解を行い、シアンインクの色分解データC3および淡シアンインクの色分解データLc3とを得る。同様に、1402と1403とで算出されたAmtMmaxとDenMに基づいてマゼンタ色材濃淡分解部1406で後述するマップに基づき濃淡色分解を行い、マゼンタインクの色分解データM3および淡マゼンタインクの色分解データLm3とを得る。
図15は、画像処理装置において、C,M,Y,Kの基本色である4色材の色材値からC,M,Y,K,Lc,Lmの淡色を含んだ6色材の色材値へ色分解するための手続きを示すフローチャートである。本実施形態における色分解は、上述した実施形態1に加え、濃淡分解基本特性テーブルから、全ての格子点について、色材量特性(C, Lc, M, Lm, Y)を算出する工程(ステップS1506)が加えられたものである。
以下、本実施形態における濃淡分解基本テーブルを作成するステップS1505とS1506について説明する。
ステップS1505は、濃淡分解基本特性テーブルを作成する工程である。本実施形態において、濃淡分解基本特性テーブルは、図14の1404にて説明したように、CMYの3次元空間における立方体の頂点を結ぶラインについて、入出力の色材量比率を規定した1次元のテーブルである。かかるテーブルは、図14の1403にて説明したように、入出力の色材量比率を3次元へ拡張したのち、出力する濃度と、出力濃淡合計色材量算出部1402で出力する濃インク(C,M)と淡インク(Lc,Lm)との合計色材量とを算出することになる。濃淡分解基本特性テーブルは、かかるテーブルに入力される濃インク(C, M, Y)の色材量データ(0%〜100%)と、色材量特性(C, Lc, M, Lm, Y)とを規定する。
図16は、CMY空間上における立方体のWhite0%とCyan100%との頂点を結ぶWhite-Cyan Line(プライマリライン)について規定された1次色の濃淡分解基本特性テーブルの例を示す。同図は、入力される濃インクの色材量と、出力される濃インクの色材量と淡インクの色材量との関係を規定している。横軸にテーブルに入力される入力色材量(C, M, Y)を、縦軸にテーブルに基づいて出力される出力色材量(C, Lc, M, Lm, Y)を示している。ただし、White-Cyan Lineでは、入力色材量(M, Y)が0%であるため、同図において、出力される出力色材量(M, Lm, Y)も0%である。
また、同図は、White-Cyan Lineについて規定された濃淡分解基本特性テーブルの例を示している。しかしながら、CMY空間上における立方体のWhite0%とMagenta100%との頂点を結ぶWhite-Magenta Line(プライマリライン)についても同様である。すなわち、入力されるマゼンタの濃インクの色材量と、出力されるマゼンタの濃インクの色材量と淡インクの色材量との関係も同様である。さらに、CMY空間上における立方体のWhite0%とYellow100%との頂点を結ぶWhite-Yellow Line(プライマリライン)は、入力されるYellowインクの色材量と出力されるYellowインクの色材量との関係は変化しない。
図17は、図16に示す出力濃度特性および色材量特性との関係を有した濃淡分解基本特性テーブルの、入出力の濃度特性を示すテーブルである。横軸は、入力シアン色材量を示し、縦軸は、出力シアンの濃度を示す。
図16は、出力にかかる濃シアンインクと淡シアンインクとの合計色材量が、総色材量制限を越えないように、図17に示すような出力に係る濃淡色材で再現された濃度特性と入力色材量の濃度特性とが等しい関係であるテーブルである。同図は、入力シアン色材量が増加するに従い、出力濃淡シアン合計色材量が単調増加する特性を有する。本テーブルでは、入力シアン色材量データの値が低い所では、出力淡シアンインクの色材量が出力濃シアンインクの色材量よりも大きい。そして、入力シアン色材量が高くなると、出力濃シアンインクの色材量が出力淡シアンインクの色材量よりも大きくなる色材量特性を有している。したがって、本テーブルは、ハイライト側では、淡シアンインクが濃シアンインクよりも優先となり、高濃度になるに従い、濃シアンインクが淡シアンインクよりも優先となる色分解を実現することが可能となる濃淡分解基本特性テーブルである。
また、図17に示されるように、入力濃シアン濃度と、濃淡のインクに色分解を行う場合の出力濃淡シアン濃度とは、等濃度として近似されているのがわかる。したがって、このような濃淡分解基本特性テーブルにより色分解を行った場合には、粒状性を低減することができる。
図18は、CMY空間上における立方体のWhite0%とGreen100%との頂点を結ぶWhite-Green Line(プライマリライン)について規定された2次色の濃淡分解基本特性テーブルの例を示す。2次色の濃淡分解基本特性テーブル作成方法は、以下のようにして求める。
White-Cyan Lineについて生成された濃淡分解基本特性(図16)と、Yに関して、離散的な色材量がクロス状に分布されたn行×n列のパッチ(クロスパッチ) をプリンタ等の画像出力装置で印刷し、その印刷物を測色する。次に、測色して得られた離散的なLab値を補間手段によって、m行×m列のセルで構成されるLab特性マップを生成する。前記印刷物に対応する色材量を補間手段によって、m行×m列のセルで構成される色材量特性マップを生成する。続いて、総色材量制限値と、前記m行×m列のセルで構成される連続的な2種類のLab特性マップと色材量特性マップから、目標とする入力の濃色材のLabと色差最小とされる出力の濃淡色材のセルをLab特性マップから探索する。前記探索したセルを淡色材と濃色材およびイエローの色材量の組合せとする。前記淡色材と濃色材およびイエローの組合せを、目標とする入力の濃色材の色再現領域(紙白0%からベタ100%まで)に対して探索することにより、White-Green Lineの色材量比率を規定した濃淡分解基本特性テーブルを得る。
なお、図18は、White-Green Lineについて規定された濃淡分解基本特性テーブルの例を示すが、他の2次色(White-Red Line, White-Blue Line)についても同様にして得られる。
ステップS1506は、図14の1404で示すように、CMYの3次元空間における立方体の頂点を結ぶ7本のラインについて規定された濃淡分解基本特性テーブルを用意する。そして、前記濃淡分解基本特性テーブルから、全ての格子点座標について、色材量特性(C, Lc, M, Lm, Y)を算出する工程である。以下に、詳細を記す。
図19は、7本の濃淡分解基本特性テーブルに基づいて、全格子点の色材量特性(3D−LUT)を作成するための手続きを示すフローチャートである。
図20は、1濃淡分解基本特性テーブルを設定するためのUI画面を示す図である。2001は1次元濃淡分解基本特性テーブル設定部、2002は2次元濃淡分解基本特性テーブル設定部、2003は3次元濃淡分解基本特性テーブル設定部をそれぞれ示している。1次元濃淡分解基本テーブル設定部2001において、ユーザが1次元濃淡分解基本特性テーブルを用意している場合には、「参照」ボタンをクリックする。「参照」ボタンをクリックすることにより、予め用意されたテーブルが保存されているホルダ等からファイル名を選択して、1次元色分解基本特性テーブル設定部2001に指定することができる。ファイル名が指定されることにより、予め用意されている1次元濃淡分解基本特性テーブルを読み込み、設定を行なう。
また、ユーザが新規に1次元濃淡分解基本特性テーブルを作成する場合には、「作成」ボタンをクリックし、1次元濃淡分解基本特性テーブルを作成することができる。この場合、例えば、クロスパッチから作成されたテーブルと打込量が規定されたファイルから、新たな1次元濃淡分解特性テーブルを作成する。そして、新たに作成されたテーブルにファイル名が付けられ、1次元色分解基本特性テーブル設定部2001に指定され、設定を行なう。
また、「編集」ボタンをクリックして、予め用意された1次元濃淡分解基本特性テーブルを編集して設定することができる。すなわち、予め用意された1次元濃淡分解基本特性テーブルのインク値を変更することにより、新たにファイル名が付けられ、1次元色分解基本特性テーブル設定部2001に指定されることにより、設定を行なう。
また、2次元濃淡分解基本テーブル設定部2002において、予め用意された2次元濃淡分解基本特性テーブルを選択して設定することができる。また3次元濃淡分解基本テーブル設定部2003では、1次元濃淡分解基本テーブル設定部2001と同様に、3次元濃淡分解基本特性テーブルを参照、作成または編集されることにより、テーブルを設定することができる。
1次元色分解基本特性テーブル設定部2001、2次元色分解基本特性テーブル設定部2002、3次元色分解基本特性テーブル設定部2003の設定が終了すると、「新規作成」ボタンをクリックすることにより、3D−LUTが作成される。
なお、本実施形態では、1次元、2次元および3次元濃淡分解基本特性テーブルを参照、作成および編集することにより3D−LUTが作成されるが、本発明はこのような作成方法に限定されず、以前に作成して使用したテーブルを読み出して使用してもよい。
また、本実施形態において2次元濃淡分解基本特性テーブルの設定は、予め用意されたテーブルを参照することにより設定するものであるが、本発明はこのような形態に限定されない。すなわち、1次元濃淡分解基本特性テーブルや3次元濃淡分解基本特性テーブルのように、作成、編集をすることができるものであってもよい。
さらに、1次元濃淡分解基本特性テーブルおよび3次元濃淡分解基本特性テーブルについては、参照、作成および編集の全てを行なうことができるものに限定されない。すなわち、参照のみにより設定できるものであっても、新に作成することにより設定できるものであっても、編集のみにより設定できるものであってもよく、また、これらを組み合わせたものであってもよい。
入力された各テーブルに基づいて、以下のステップが処理される。
ステップS1901はスタートステップであり、CMY空間の全格子点、すなわち、四面体表面と四面体内部の色材量特性(3D−LUT)の作成を開始する。ステップS1902は、それぞれの格子点のC,M,Yのインク値を決定するにあたり、C,M,Yの初期設定を行なう工程である。ステップS1903は、入力色材量の設定を行なう工程である。ステップS1904は、入力色材量とから、この入力色材量を包含する四面体の判定を行なう工程である。ステップS1905は、四面体上の濃淡分解基本特性テーブルから四面体表面および四面体内部の出力色材量を計算する工程である。ステップS1906は、ステップS1906で計算した四面体の出力色材量を3D−LUTに設定する工程である。
図21は、CMYの3次元空間を6つの四面体に分割した図である。以下に、各四面体における格子点上の色材量算出方法を図22から図30を参照して説明する。
図22は、四面体(WCGK)(図21の(1)に相当する)に従属するC,M,Yの出力色材量の算出方法を説明する図である。
図22(a)において、WCG平面上のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、下記の演算式により求められる。すなわち、Cの出力色材量Cxの算出方法は、図16に示すWhite-Cyan Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図18に示すWhite-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、下記のような演算式により求められる。
Cx=(d1C2b+d2C2a)/(d1+d2) ・・・(1)
C2a=White-Cyan LineのC色材量
C2b=White-Green LineのC色材量
d1=Cxの格子点とC2aの格子点との距離
d2=Cxの格子点とC2bの格子点との距離
Mについては、WCG平面上で、入力色材量が0であるため、出力されるM, Lmの出力色材量は0となる。
Yの出力色材量の算出方法は、White-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のYを用いる。例えば、図22(a)に示すWCG平面において、WGからGCに垂線を引いた個所の出力色材量を、White-Green Lineの出力色材量と等量の色材量を用いることにより、Yの出力色材量を算出する。
図22(b)において、WCK平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図16に示すWhite-Cyan Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用い、同様に、Yの出力色材量の算出方法もWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のYを用いる。
図22(c)において、WKG平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図18に示すWhite-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用いる。
Yの出力色材量の算出方法は、図18に示すWhite-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。
図22(d)において、GCK平面状及び四面体(WCGK)の内部のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量Cxの算出方法は、下記のような演算式により、求められる。
Cx=(CcSc+CgSg+CkSk)/(Sc+Sg+Sk) ・・・(2)
ここで、Cxは、任意の格子点xにおけるCの出力色材量を表し、xのCに対するグリッド値をyとする。そして、White-Cyan Lineの入力yに対するCをCc、White-Green Lineの入力yに対するCをCg、White-Black Lineの入力yに対するCをCk、三角形の面積をそれぞれSc,Sg,Skとする。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineと等量のMを用いる。
Yの出力色材量の算出方法は、WGK平面で算出したYを使用する。
図24は、四面体(WCBK)(図21の(2)に相当する)に従属するC,M,Yの出力色材量の算出方法を説明する図である。
図24(a)において、WBC平面上のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図16に示すWhite-Cyan Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図25に示すWhite-Blue Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Blue Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用いる。Yについては、WBC平面上で、入力色材量が0であるため、出力されるYの出力色材量は0となる。
図24 (b)において、WCK平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図16に示すWhite-Cyan Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用い、同様に、Yの出力色材量の算出方法もWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のYを用いる。
図24(c)において、WKB平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図25に示すWhite-Blue Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。Mの出力色材量の算出方法も同様である。
Yの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のYを用いる。
図24(d)において、BCK平面状及び四面体(WCBK)の内部のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、演算式(2)と同様に、面積Sc,Sb,Skの加重平均により求められる。Mの出力色材量の算出方法は、WBK平面で算出したMを用いる。Yの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineと等量のYを用いる。
図26は、四面体(WBMK)(図21の(3)に相当する)に従属するC,M,Yの出力色材量の算出方法を説明する図である。
図26(a)において、WBM平面上のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、図25に示すWhite-Blue Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Blue Lineの濃淡分解基本特性テーブルとWhite-Magenta Lineの濃淡分解基本特性テーブル(不図示)から算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。Yについては、入力色材量が0であるため、出力されるYの出力色材量は0となる。
図26(b)において、WMK平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用いる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルとWhite-Magenta Lineの濃淡分解基本特性テーブル(不図示)から、演算式(1)と同様に求められ、Yの出力色材量の算出方法も同様に求められる。
図26(c)において、WKB平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図25に示すWhite-Blue Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。Mの出力色材量の算出方法も同様である。
Yの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のYを用いる。
図26(d)において、GCK平面状及び四面体(WBMK)の内部のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、WBK平面で算出したCを用いる。Mの出力色材量の算出方法は、演算式(2)と同様に、面積Sm,Sb,Skの加重平均により求められる。Yの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineと等量のYを用いる。
図27は、四面体(WMRK)(図21の(4)に相当する)に従属するC,M,Yの出力色材量の算出方法を説明する図である。
図27(a)において、WRM平面上のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量は、入力色材量が0であるため、出力されるCの出力色材量は0となる。
Mの出力色材量の算出方法は、図27に示すWhite-Red Lineの濃淡分解基本特性テーブルとWhite-Magenta Lineの濃淡分解基本特性テーブル(不図示)から算出される。すなわち、演算式(1)と同様に求められる。Yについては、White-Red Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のYを用いる。
図27(b)において、WMK平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルとWhite-Magenta Lineの濃淡分解基本特性テーブル(不図示)から、演算式(1)と同様に求められ、Yの出力色材量の算出方法も同様に求められる。
図27(c)において、WKR平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。
Mの出力色材量の算出方法は、図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図28に示すWhite-Red Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。Yの出力色材量の算出方法も同様である。
図27(d)において、MRK平面状及び四面体(WMRK)の内部のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineと等量のCを用いる。Mの出力色材量の算出方法は、演算式(2)と同様に、面積Sm,Sr,Skの加重平均により求められる。Yの出力色材量の算出方法は、WRK平面で算出したYを用いる。
図29は、四面体(WRYK)(図21の(5)に相当する)に従属するC,M,Yの出力色材量の算出方法を説明する図である。
図29(a)において、WYR平面上のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量は、入力色材量が0であるため、出力されるCの出力色材量は0となる。
Mの出力色材量の算出方法は、図28に示すWhite-Red Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用いる。Yの出力色材量の算出方法は、White-Red Lineの濃淡分解基本特性テーブルとWhite-Yellow Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。
図29(b)において、WYK平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。Mの出力色材量の算出方法も同様に求められる。Yの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図示していないWhite-Yellow Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。
図29(c)において、WKR平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。
Mの出力色材量の算出方法は、図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図28に示すWhite-Red Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。Yの出力色材量の算出方法も同様である。
図29(d)において、YRK平面状及び四面体(WYRK)の内部のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineと等量のCを用いる。Mの出力色材量の算出方法は、WRK平面で算出したMを使用する。Yの出力色材量の算出方法は、演算式(2)と同様に、面積Sy,Sr,Skの加重平均により求められる。
図30は、四面体(WYGK)(図21の(6)に相当する)に従属するC,M,Yの出力色材量の算出方法を説明する図である。
図30(a)において、WGY平面上のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量は、White-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。
Mの出力色材量は、入力色材量が0であるため、出力されるMの出力色材量は0となる。
Yの出力色材量の算出方法は、White-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルとWhite-Yellow Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。
図30(b)において、WYK平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のCを用いる。Mの出力色材量の算出方法も同様に求められる。Yの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図示していないWhite-Yellow Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。
図30(c)において、WKG平面状のC,M,Yの出力色材量を算出する。この場合、Cの出力色材量の算出方法は、図22に示すWhite-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから算出される。すなわち、演算式(1)と同様により求められる。
Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルと等量のMを用いる。
Yの出力色材量の算出方法は、図22に示すWhite-Green Lineの濃淡分解基本特性テーブルと図23に示すWhite-Black Lineの濃淡分解基本特性テーブルから、演算式(1)と同様に求められる。
図30(d)において、YGK平面状及び四面体(WYGK)の内部のC,M,Yの出力色材量を算出する場合、Cの出力色材量の算出方法は、WKG平面で算出したCを用いる。Mの出力色材量の算出方法は、White-Black Line と等量のMを用いる。Yの出力色材量の算出方法は、演算式(2)と同様に、面積Sy,Sr,Skの加重平均により求められる。
本実施形態では、図16に示す1次色の濃淡分解基本特性テーブルを例に説明したが、濃淡色分解基本特性テーブルを作成するにあたり、濃インクの色材量データと、出力色材量特性との関係はこのようなテーブルに限定されない。
ステップS1506において3次元濃淡分解基本特性テーブルの作成が終了すると、ステップS1507において、それぞれの格子点のC,M,Y,Kのインク値を決定するにあたり、C,M,Y,Kの初期設定を行う。そして、実施形態1と同様に、各格子点のC,M,Y,Kのインク値を決定する。
なお、本実施形態において、7本のラインにおける格子点のインク値はそれぞれ調整可能である。
図31は、前記7本のラインにおける格子点のインク値を調整するためのUI画面を示す図である。ラインプロット部3101では、格子点のインク値をライン毎にプロットし、濃淡分解基本特性テーブルをグラフィカルに表示する。テーブルデータ部3102では、横軸を各格子点、縦軸を各ラインとしてインク値を表形式に表示する。ユーザはプロットされたインク値または表形式のインク値に対して、格子点毎にインク値を指定することが可能である。すなわち、表示された格子点に対応するインク値を、ラインプロット部3101に表示されたラインのカーブを視覚的に確認しながら、変更することにより、調整をすることができる。そして、指定されたインク値は濃淡分解基本特性テーブルに保存される。
なお、図31に示すUI画面は3次元濃淡分解基本特性テーブルに関するものであるが、1次元濃淡分解基本特性テーブルおよび2次元濃淡分解基本特性テーブルであっても同様に表示されることにより、調整することができる。
このような濃淡分解基本特性テーブルの編集は、図20に示すUI画面において、「編集」ボタンをクリックすることにより、行なうことができる。
以上説明したように、本実施形態では、出力となる濃度特性と濃淡合計色材量に基づき濃淡分解処理を実行するため、従来技術により生じていた総色材量制限値以下とするため引き起こされる大幅な濃度低下という問題点を解決することが出来る。また、上記従来技術では、CMYK4次元の入力データに対して、シアン、マゼンタの高々1次元の濃淡分解テーブルで6次元に変換するため、4次元の階調性の滑らかさや最適化を保証することが出来ないという問題点が存在した。しかしながら、本実施例では、総色材量制限値(AmtLIMIT)までの余裕となる色材量をシアン、マゼンタの色材増加可能量(AmtCup,AmtMup)の比率に応じて振り分けて出力濃淡合計色材量を求める。そして、46変換テーブルを算出するため、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック4色の色材量を考慮した上での最適な色分解が可能となる。
(実施形態2の変形例)
実施形態2では、CMY空間の7本のラインについて規定された濃淡分解基本特性テーブルを予め用意し、前記濃淡分解基本特性テーブルから、全ての格子点について、色材量特性を算出する濃淡分解基本特性テーブルの3D−LUT作成について述べた。しかしながら本実施形態はこれに限らず、W−C,M,Yの1次色の濃淡分解基本特性テーブルで代替してもよい。すなわち、W−C,M,Y,R,G,Bの2次色、W−C,M,Y,R,G,B,K3次色の濃淡分解基本特性テーブルを用意していない場合は、1次色の濃淡分解基本特性テーブルで代替してもよい。かかる場合、図20に示すUI画面においてユーザが2次色、3次色それぞれのテーブル設定部で濃淡分解基本特性テーブルを指定しないことにより、1次色の濃淡分解基本特性テーブルで代替することが可能である。その結果、ユーザは濃淡分解基本特性テーブルの調整度合いを変更することが可能となる。
図32は、濃淡分解基本特性テーブルの3D−LUT作成について、1次色、2次色および3次色の濃淡分解基本テーブルを有するか否かを判断して作成するフローチャートである。ステップS3201では、1次色の濃淡分解基本特性テーブルのWhite-Cyan Line, White-Magenta Line, White-Yellow Lineの3本のラインを入力する。そして、ステップS3203では、2次色の濃淡分解基本特定テーブルを用意しているか否かを判断する。2次色の濃淡分解基本特定テーブルを用意している場合には、ステップS3204からS3206において、2次色の濃淡分解基本特性テーブルの3本のラインを入力する。すなわち、White-Red Line, White-Green Line, White-Blue Lineのラインを入力する。一方、2次色の濃淡分解基本特定テーブルを用意していない場合には、ステップS3207からS3209において、1次色の濃淡分解基本特性テーブルを代わりに使用して格子点の値を算出する。すなわち、White-Cyan Line, White-Magenta Line, White-YellowをWhite-Red Line, White-Green Line, White-Blue Lineから色材値を算出する。そして、ステップS3208では、3次色の濃淡分解基本特性テーブルを用意しているか否かを判断する。3次色の濃淡分解基本特性テーブルを用意している場合には、ステップS3209において、3次色の濃淡分解基本特性テーブルのWhite-Black Lineを入力する。すなわち、前述した3次色の濃淡分解基本特性テーブルを有する場合の実施形態と同様の結果となる。一方、3次色の濃淡分解基本特定テーブルを用意していない場合には、ステップS3210において、1次色の濃淡分解基本特性テーブルを代わりに使用して格子点の値を算出する。すなわち、White-Cyan Line, White-Magenta Line, White-YellowをWhite-Black Lineから色材値を算出する。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、上述した実施形態1および2の、C,M,Y,Kの4色材からC,M,Y,K,Lc,Lmの6色材への色分解において、さらに平滑化処理を行なう。
すなわち、濃淡色分解が別のテーブルを用いて行なわれる場合には、平滑化処理において、テーブルによって得られるそれぞれの色材量を関連付けることができない。その結果、平滑化処理を行っても、最終的に得られる色材量が格子点間で滑らかに変化しない場合もある。
ここで、C,M,Y,K,Lc,Lmの色材量を関連付けて出力できるテーブルを考慮できたとしても、次のような問題が新たに派生する。スムージング処理では、フィルタリング処理の後に総色材量を総色材量制限値以下にする補正を行っていることから、フィルタリング後に色材量の値が修正される。そのため、スムージング処理の後に、再び総色材量が総色材量制限値を超えることがある。
さらに、スムージング処理を行った後に総色材量を超えた格子点に対して総色材量を補正した場合、先に行ったスムージング処理により保たれた滑らかさが損なうこととなり、擬似輪郭が生じるおそれがある。
したがって、本実施形態の色分解では、さらに画像信号間で平滑化処理を行うことにより、4次元の階調性や最適化を保持した色分解を実現することができる。
図33は、画像処理装置において、平滑化処理を加えたC,M,Y,Kの基本色である4色材からC,M,Y,K,Lc,Lmの淡色を含んだ6色材へ色分解するための手続きを示すフローチャートである。なお、図33では、図3のステップS301からS305およびステップS313、図15のステップS1501からS1506およびステップS1504に対応する手続は省略している。
以下、本実施形態における、平滑化処理を行う工程であるS3307からS3309について説明する。
ステップS3306により、全ての格子点について、インク値を決定したと判断した場合には、ステップS3307により、N×N×N×N(Nは定数)のフィルタを用いて平滑化処理を行う。本実施形態における平滑化処理では、3×3×3×3のフィルタを用いる。
図34は、本実施形態のフィルタの構成を示す図である。フィルタ係数a1111からa3333は、ローパスフィルタの特性を有するものが好ましいが、他のフィルタの特性を有するものであってもよい。入力する格子点の座標を(C,M,Y,K)=(i、j、k、l)とする。図34に示すフィルタは、横方向にCおよびYを変化させ、縦方向にMおよびKを変化させている。そして、平滑化前の出力シアン色材量をC_ink(i、j、k、l)とし、平滑化後の出力シアン色材量をC_ink_sm(i、j、k、l)とする。また、a1111からa3333の合計値をsamとする。図34に示すフィルタにより、画像信号毎に平滑化を行うと、
C_ink_sm(i、j、k、l)=
{a1111×C_ink(i-1,j-1,k-1,l-1)+a2111×C_ink(i,j-1,k-1,l-1)+a3111×C_ink(i+1,j-1,k-1,l-1)
+a1211×C_ink(i-1,j,k-1,l-1)+a2211×C_ink(i,j,k-1,l-1)+a3211×C_ink(i+1,j,k-1,l-1)
+a1311×C_ink(i-1,j+1,k-1,l-1)+a2311×C_ink(i,j+1,k-1,l-1)+a3311×C_ink(i+1,j+1,k-1,l-1)
+a1121×C_ink(i-1,j-1,k,l-1)+a2121×C_ink(i,j-1,k,l-1)+a3121×C_ink(i+1,j-1,k,l-1)
+a1221×C_ink(i-1,j,k,l-1)+a2221×C_ink(i,j,k,l-1)+a3221×C_ink(i+1,j,k,l-1)
+a1321×C_ink(i-1,j+1,k,l-1)+a2321×C_ink(i,j+1,k,l-1)+a3321×C_ink(i+1,j+1,k,l-1)
+a1131×C_ink(i-1,j-1,k+1,l-1)+a2131×C_ink(i,j-1,k+1,l-1)+a3131×C_ink(i+1,j-1,k+1,l-1)
+a1231×C_ink(i-1,j,k+1,l-1)+a2231×C_ink(i,j,k+1,l-1)+a3231×C_ink(i+1,j,k+1,l-1)
+a1331×C_ink(i-1,j+1,k+1,l-1)+a2331×C_ink(i,j+1,k+1,l-1)+a3331×C_ink(i+1,j+1,k+1,l-1)
+a1112×C_ink(i-1,j-1,k-1,l)+a2112×C_ink(i,j-1,k-1,l)+a3112×C_ink(i+1,j-1,k-1,l)
+a1212×C_ink(i-1,j,k-1,l)+a2212×C_ink(i,j,k-1,l)+a3212×C_ink(i+1,j,k-1,l)
+a1312×C_ink(i-1,j+1,k-1,l)+a2312×C_ink(i,j+1,k-1,l)+a3312×C_ink(i+1,j+1,k-1,l)
+a1122×C_ink(i-1,j-1,k,l)+a2122×C_ink(i,j-1,k,l)+a3122×C_ink(i+1,j-1,k,l)
+a1222×C_ink(i-1,j,k,l)+a2222×C_ink(i,j,k,l)+a3222×C_ink(i+1,j,k,l)
+a1322×C_ink(i-1,j+1,k,l)+a2322×C_ink(i,j+1,k,l)+a3322×C_ink(i+1,j+1,k,l)
+a1132×C_ink(i-1,j-1,k+1,l)+a2132×C_ink(i,j-1,k+1,l)+a3132×C_ink(i+1,j-1,k+1,l)
+a1232×C_ink(i-1,j,k+1,l)+a2232×C_ink(i,j,k+1,l)+a3232×C_ink(i+1,j,k+1,l)
+a1332×C_ink(i-1,j+1,k+1,l)+a2332×C_ink(i,j+1,k+1,l)+a3332×C_ink(i+1,j+1,k+1,l)
+a1113×C_ink(i-1,j-1,k-1,l+1)+a2113×C_ink(i,j-1,k-1,l+1)+a3113×C_ink(i+1,j-1,k-1,l+1)
+a1213×C_ink(i-1,j,k-1,l+1)+a2213×C_ink(i,j,k-1,l+1)+a3213×C_ink(i+1,j,k-1,l+1)
+a1313×C_ink(i-1,j+1,k-1,l+1)+a2313×C_ink(i,j+1,k-1,l+1)+a3313×C_ink(i+1,j+1,k-1,l+1)
+a1123×C_ink(i-1,j-1,k,l+1)+a2123×C_ink(i,j-1,k,l+1)+a3123×C_ink(i+1,j-1,k,l+1)
+a1223×C_ink(i-1,j,k,l+1)+a2223×C_ink(i,j,k,l+1)+a3223×C_ink(i+1,j,k,l+1)
+a1323×C_ink(i-1,j+1,k,l+1)+a2323×C_ink(i,j+1,k,l+1)+a3323×C_ink(i+1,j+1,k,l+1)
+a1133×C_ink(i-1,j-1,k+1,l+1)+a2133×C_ink(i,j-1,k+1,l+1)+a3133×C_ink(i+1,j-1,k+1,l+1)
+a1233×C_ink(i-1,j,k+1,l+1)+a2233×C_ink(i,j,k+1,l+1)+a3233×C_ink(i+1,j,k+1,l+1)
+a1333×C_ink(i-1,j+1,k+1,l+1)+a2333×C_ink(i,j+1,k+1,l+1)+a3333×C_ink(i+1,j+1,k+1,l+1)}/sum
となる。同様に、
平滑化前の出力マゼンタ色材量をM_ink(i、j、k、l)、平滑化後の出力マゼンタ色材量をM_ink_sm(i、j、k、l)、
平滑化前の出力イエロー色材量をY_ink(i、j、k、l)、平滑化後の出力イエロー色材量をY_ink_sm(i、j、k、l)、
平滑化前の出力ブラック色材量をK_ink(i、j、k、l)、平滑化後の出力ブラック色材量をK_ink_sm(i、j、k、l)、
平滑化前の出力淡シアン色材量をLc_ink(i、j、k、l)、平滑化後の出力淡シアン色材量をLc_ink_sm(i、j、k、l)、
平滑化前の出力淡マゼンタ色材量をLm_ink(i、j、k、l)、平滑化後の出力淡マゼンタ色材量をLm_ink_sm(i、j、k、l)、
として、上述と同様にそれぞれ平滑化を行う。
ここで、平滑化処理により、各出力色材量の値が変更されることから、格子点の総色材量Amt(C,M,Y,K,Lc,Lm)が目標総色材量制限値を超えることがある。ステップS3308では、平滑化処理の後、全格子点の総色材量が目標総色材量制限値を超えていないかを判断する。全格子点について、総色材量が総色材量制限値を超えていない場合には、色分解テーブルの作成処理を終了する。一方、1つの格子点でも、総色材量が総色材量制限値を超えた場合には、ステップS3309に進む。
ステップS3309では、総色材量制限値を超えた格子点について、目標総色材量制限値を更新する。更新される目標総色材量制限値は、AmtLIMIT´(C,M,Y,K)=α×AmtLIMIT(C,M,Y,K)(0<α<1)とする。そして、総色材量制限値を超えた格子点については、目標総色材量をAmtLIMIT´(C,M,Y,K)とし、S3302からS3308を繰り返す。
これらの工程により、αが1に近い値の場合には、S3302からS3308の工程を何度も繰り返す場合があるものの、総色材量制限値に対して精度のよい補正を実行することができる。
以上により、淡インクを含むインクの色分解を行う場合であって、平滑化処理により、各出力色材量の値が変更され、総色材量制限値を超えた場合であっても、補正により総色材量制限値を超えないような色分解を行なうことができる。
すなわち、濃淡色分解が別のテーブルを用いて行なわれる場合には、平滑化処理において、テーブルによって得られるそれぞれの色材量を関連付けることができない。その結果、平滑化処理を行っても、最終的に得られる色材量が格子点間で滑らかに変化しない場合もあった(特許文献5参照)。また、C,M,Y,K,Lc,Lmの色材量を関連付けて出力できるテーブルを考慮できたとしても、次のような問題が新たに派生した。スムージング処理では、フィルタリング処理の後に総色材量を総色材量制限値以下にする補正を行っていることから、フィルタリング後に色材量の値が修正される。そのため、スムージング処理の後に、再び総色材量が総色材量制限値を超えることがあった。
さらに、スムージング処理を行った後に総色材量を超えた格子点に対して総色材量を補正した場合、先に行ったスムージング処理により保たれた滑らかさが損なうこととなり、擬似輪郭が生じるおそれがあった。
これらの問題に対して、上述の構成により、出力となる濃度特性を保持しつつ、総色材量が総色材量制限値を超えないような色分解を実現するテーブルを提供することができる。また、4次元の階調性の滑らかさや最適化を保持した色分解を実現するテーブルを提供することができる。
(実施形態3の変形例)
実施形態3では、ステップS3307の平滑化処理において、ローパスフィルタ等を用いた平滑化処理を全てに色材に対して行った。しかしながら、本発明は全色材について平滑化処理を行わなくてもよく、濃淡色分解処理方法に応じて、特定の色材のみ、また選択した複数の色材について平滑化処理を行ってもよい。例えば、ブラックの色材は、加工修正処理がなされないため、平滑化処理を行わなくてもよい。
(実施形態4)
本発明の実施形態4は、上述した実施形態1、2および3の、C,M,Y,Kの4色材の色材値からC,M,Y,K,Lc,Lmの6色材の色材値への色分解において、さらに光沢度を考慮した色分解処理を行なう。
すなわち、記録画像の光沢度を考慮した色分解を行っていないことから、色材量に応じて光沢度特性が変化する場合、光沢度が不均一となり、画像品質が劣化することがある。すなわち、目標となる濃度特性を再現するように色分解を行なっており、光沢度特性を実現する色分解を行なっていないため、例えば、電子写真画像等では、光沢度の再現が劣ることがある。
したがって、本発明の色分解では、色材の光沢度特性を考慮した色分解処理を行うことにより、出力となる濃度特性と光沢度特性とを保持しつつ、総色材量が総色材量制限値を超えないような色分解を実現するテーブルを提供することができる。また、4次元の階調性の滑らかさや最適化を保持した色分解を実現することができる。
図35は、画像処理装置において、光沢度特性を考慮したC,M,Y,Kの基本色である4色材の色材値からC,M,Y,K,Lc,Lmの淡色を含んだ6色材の色材値へ色分解するための手続きを示すフローチャートである。 図35は、本実施形態における色分解テーブルを作成するためのフローチャートである。ステップS3501はスタートステップであり、46色変換分解テーブルの作成を開始する。
ステップS3502は、濃淡色材クロスパッチの印刷をするステップであり、上述の実施形態と同様に、図4に示すクロスパッチを印刷する。
ステップS3503は、ステップS3502で印刷された濃淡色材クロスパッチを測色するステップである。測色器により測定し、濃度特性を得る。
ステップS3504は、ステップS3502で印刷された濃淡色材クロスパッチの光沢度を測定するステップである。濃淡クロスパッチの光沢度を測定し、濃淡色材クロスパッチに対応した光沢度特性を得ることができる。
ステップS3505は、ステップS3503及びS3504で得た濃度特性及び光沢度特性に基づき、濃度−色材量マップ(第2マップ)及び光沢度−色材量マップ(第1マップ)を作成するステップである。
図36は、ステップS3505で作成される光沢度−色材量マップ(第1マップ)の例を示す図である。濃インクの濃度を横軸に、淡インクの濃度を縦軸にとり、濃インクと淡インクの組合せにより再現される色の光沢度が同一である点を結び、かかるラインを等光沢度ラインとする。
ステップS3505で作成される濃度−色材量マップは、図5と同様である。すなわち、等合計色材量ラインと等濃度ラインが規定されたマップである。ステップS3506は、濃淡分解基本特性テーブルを作成するステップである。この濃淡色分解基本特性テーブルは、図1に示した出力濃淡合計色材量算出部102が、出力する濃度と、出力する濃インク(C,M)と淡インク(Lc,Lm)の色材量を求める際に参照する基本となるテーブルである。すなわち、入力される濃インクの色材量(入力濃色材量)(0%〜100%)に対して、出力濃度特性及び出力光沢度特性に対応した出力濃インクと出力淡インクの色材量を規定するものである。
図37、39、41、43、45のそれぞれは、濃淡色分解基本テーブルに入力される濃インクの色材量データと、出力光沢度特性との関係の例を規定したテーブルを示す。テーブルは、横軸に、テーブルに入力される出力シアン色材量を、縦軸に、テーブルに基づいて出力される濃淡光沢度を示す。これらのテーブルは、入力される濃シアンの色材量データと、出力される濃淡シアン光沢度との関係を示すが、入力される濃マゼンタインクの色材量データと、出力される濃淡マゼンタ光沢度との関係も同様である。
また、図38、40、42、44、46は、ステップS3506で作成される濃淡色分解基本テーブルを示す。濃淡色分解基本テーブルは、入力される濃インクの色材量データと、出力色材量特性との関係の例を規定したテーブルである。テーブルは、横軸にテーブルに入力される入力色材量を、縦軸にテーブルに基づいて出力される出力色材量を示す。これらの図には、それぞれ入力シアン色材量に対し、出力濃シアン色材量、出力淡シアン色材量、出力濃淡シアン合計色材量、入力シアン色材量のグラフが示されている。これらの基本テーブルは、ステップS3505で作成される図36に示す光沢度−色材量マップと図38、40、42、44、46に示す入力濃度−光沢度の関係に基づいて作成される。
例えば、図37において、入力シアン色材量が80%の場合の光沢度をAとする。そして、図36を参照して、光沢度がAである等光沢度ラインを検索する。光沢度は図36から明らかなように、濃インクと淡インクの合計が同じとき同じ光度を示す。従って、光沢度Aの等光沢度ラインに対応した出力濃淡シアン合計色材量を求める。このようにして、図38に示す、入力シアン色材量に対する出力濃淡シアン合計色材量の関係を求めることができる。
これらのテーブルは、入力される濃シアンインクの色材量データと、出力される濃シアンの色材量と淡シアンの色材量との関係を示すが、入力される濃マゼンタインクの色材量データと、出力される濃マゼンタの色材量と淡マゼンタの色材量との関係も同様である。
図37から図40は、出力に係る濃淡色材で再現された濃度特性と入力色材量の濃度特性とが等しい関係であるテーブルである。すなわち、実施形態1にて使用した図10において、入力濃シアン濃度により示す濃度特性を有する。一方、図41から図46は、出力に係る濃淡色材で再現された濃度特性が入力色材量の濃度特性よりも大きくなる関係であるテーブルである。すなわち、図10において、修正濃淡シアン濃度により示す濃度特性を有する。この場合、濃淡色材で表現された濃度特性が大きくなることから、出力される色再現域を拡大することができる。
図38に示すテーブルにおいて、出力濃度特性は、入出力の濃度特性が同じであるため、図10の入力濃シアン濃度により示されている濃度特性となる。図38において、出力濃淡シアン合計色材量は、上述したように、図37の光沢度特性に基づき図36に示す光沢度−色材量マップから導かれる。
そしてこのように求めた、出力濃淡シアン合計色材量と図10にて上述した出力濃度から図5の濃度-色材量マップに基づき出力濃シアン色材量と出力淡シアン色材量が求められる。
図38のタイプは、入出力の濃度特性が同一となりつつ、入力シアン色材量が増すに従って、光沢度特性は途中で飽和するものの単調に増加するタイプである。また、出力濃淡シアン合計色材量も同様に途中で飽和するものの単調に増加するタイプである。従って、高濃度領域にて色材量の消費量を押さえつつ比較的低光沢な印刷を実現することが出来る。
図40に示すテーブルは図38と同様に、出力濃度特性は、入出力の濃度特性が同じ物であるため、図10の入力濃シアン濃度により示されている濃度特性となる。図40のタイプは、入出力の濃度特性が同一となりつつ、入力シアン色材量が増すに従って、光沢度特性は途中で飽和することなく最後まで単調に増加するタイプである。また、出力濃淡シアン合計色材量も同様に途中で飽和することなく最後まで単調に増加するタイプである。従って、高濃度領域にて色材量の消費量を多くして高光沢な印刷を実現することが出来る。
図42に示すテーブルでは、出力濃度特性は、入力の濃度特性より大きくなるため、図10の修正濃淡シアン濃度により示されているような濃度特性となる。図42のタイプでは、入力の濃度特性より出力の濃度特性が大きくなる特性を有するものであり、且つ、光沢度特性は途中で飽和するものの単調に増加するタイプである。また、出力濃淡シアン合計色材量も同様に途中で飽和するものの単調に増加するタイプである。従って、高濃度領域にて色材量の消費量を押さえつつ比較的低光沢な印刷を実現することが出来る。
図44に示すテーブルは図42と同様に、出力濃度特性は、入力の濃度特性より大きくなるため、図10の修正濃淡シアン濃度により示されているような濃度特性となる。図44のタイプでは、入力の濃度特性より出力の濃度特性が大きくなる特性を有するものであり、且つ、光沢度特性は途中で飽和することなく単調に増加するが最高光沢度までは増加しないタイプである。また、出力濃淡シアン合計色材量も同様に途中で飽和することなく単調に増加するが最高色材量までは使用しないタイプである。従って、高濃度領域にて色材量の消費量を若干押さえつつ中光沢な印刷を実現することが出来る。
図46に示すテーブルは図42及び図44と同様に、出力濃度特性は、入力の濃度特性より大きくなるため、図10の修正濃淡シアン濃度により示されているような濃度特性となる。図46のタイプでは、入力の濃度特性より出力の濃度特性が大きくなる特性を有するものであり、且つ、光沢度特性は途中で飽和することなく単調に増加し最高光沢度まで増加するタイプである。また、出力濃淡シアン合計色材量も同様に途中で飽和することなく単調に増加し最高色材量まで使用するタイプである。従って、高濃度領域にて色材量の消費量は多いものの高光沢な印刷を実現することが出来る。
そして、図35においてステップS3107からS3114では、上述した実施形態と同様に濃淡色分解基本特性テーブルを作成し、各格子点の色材量を求める。
以上により、淡インクを含むインクの色分解を行なう場合であっても、出力される濃度特性および光沢度特性と、出力される濃インクと淡インクの合計色材量に基づき、RGBの画像信号から濃インクと淡インクとを含む色材への色分解を行うことができる。
すなわち、例えば特許文献5に示される色分解では、記録画像の光沢度を考慮した色分解を行っていないことから、色材量に応じて光沢度特性が変化する場合、光沢度が不均一となり、画像品質が劣化することがあった。この色分解では、目標となる濃度特性を再現するように色分解を行なっており、光沢度特性を実現する色分解を行なっていないため、例えば、電子写真画像等では、光沢度の再現が劣ることがある。
これらの問題に対して、上述の構成により、出力となる濃度特性と光沢度特性とを保持しつつ、総色材量が総色材量制限値を超えないような色分解を実現するテーブルを提供することができる。また、4次元の階調性の滑らかさや最適化を保持した色分解を実現するテーブルを提供することができる。
(実施形態4の変形例)
上述の実施形態では、ステップS3508における総色材量制限値AmtLIMITは同様の値を使用した。しかしながら、総色材量制限値AmtLIMITは異なる値を使用してもよい。
例えば、総色材量制限値が250%である場合において、入力総色材量が100%の時に、総色材量制限値が250%である一方で、入力総色材量が150%の時に、総色材量制限値が200%となることがある。すなわち、ステップS3509では、入力総色材量が総色材量制限値を超えた場合、一律に補正を行っている。一方、ステップS3510では、入力総色材量が総色材量制限値を超えていないため、総色材増加可能量まで濃淡色材色分解を行なっている。このため、入力総色材量が増加するのに対して、光沢度が減少する場合が生じる。
図47は、総色材量制限値と光沢度との関係を示す図である。濃淡色材分解後の総色材量が増加すると、光沢度も増加する。したがって、入力総色材量が100%のとき、すなわち、総色材量制限値が250%のときに比べて、入力総色材量が150%のとき、すなわち総色材量制限値が200%のとき、光沢度が低くなる。このような色分解では、記録媒体の画像において、光沢度の不均一が生じ記録画質の光沢度が劣化することがある。
図48は、入力総色材量と、修正総色材量制限値AmtLIMIT2の関係の例を示すグラフである。ステップS3519において、上述した実施形態で使用する総色材量制限値AmtLIMITの代わりに、AmtLIMT2を使用することにより、総色材量の滑らかな変化を実現し、光沢度が均一となる画像処理を行うことができる。
(他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態の機能を実現する、図3、15、19、32、33および35に示したフローチャートの手順を実現するプログラムコード、またはそれを記憶した記憶媒体によっても実現することができる。また、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSが実際の処理の一部または全部を行うものであってもよい。
更に、プログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、CPUなどが実際の処理の一部または全部を行うものであってもよい。