JP7067343B2 - 平滑化処理方法、平滑化処理装置、及び、平滑化処理プログラム - Google Patents
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Description
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出工程と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化工程と、を含み、
前記多項式近似係数には、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める重み付け多項式近似式に用いられる重み付け多項式近似係数が含まれ、
前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点に対応付けられている色彩値に基づいて前記第一対象格子点の重みを決定し、該重みに基づいて前記重み付け多項式近似係数を求め、
さらに、前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点のうち前記位置に対する色彩値が前記第一の処理方向における両端の端部格子点に対応付けられた色彩値よりも大きい又は小さい極値となる極値格子点が1個存在する場合、前記第一対象格子点の重みのうち前記極値格子点の重みを最も大きくして前記重み付け多項式近似係数を求める、態様を有する。
また、本発明は、機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理方法であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出工程と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化工程と、を含み、
前記複数の格子点は、前記格子点配置領域の内部に配置された複数の内部格子点を含み、
前記平滑化処理方法は、前記多項式近似式を用いる平滑化処理とは異なる平滑化処理により前記内部格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する内部平滑化工程をさらに含む、態様を有する。
さらに、本発明は、機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理方法であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出工程と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化工程と、
前記多項式近似式を用いる平滑化の強度を受け付ける平滑化強度受付工程と、を含み、
前記平滑化工程では、前記多項式近似式を用いた前記近似値に対する重みを前記強度に応じた割合として、前記第一対象格子点における前記近似値と、前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値と、の加重平均値を前記第一対象格子点に対応付ける、態様を有する。
さらに、本発明は、上述した平滑化処理方法の各工程に対応する機能をコンピューターに実現させる平滑化処理プログラムの態様を有する。
まず、図1~16に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。「本発明に含まれる技術の概要」において、括弧内は直前の語の補足説明を意味する。
また、本願において、数値範囲「Min~Max」は、最小値Min以上、且つ、最大値Max以下を意味する。
本技術の一態様に係る平滑化処理方法は、機器従属色空間CS1に配置された複数の格子点P1に対応付けられた色彩値(例えば図1に示すLab色空間の成分値Li,ai,bi)を補正する平滑化処理方法であって、図4に例示されるように係数算出工程ST1と平滑化工程ST2を含む。ここで、図1に例示する色彩値ziは、成分値Li,ai,biを総称している。前記複数の格子点P1は、前記機器従属色空間CS1において、例えば立方体の格子点配置領域500に、前記複数の格子点P1が配置されており、前記格子点配置領域500の表面510に配置された複数の表面格子点P2を含んでいる。前記係数算出工程ST1では、前記複数の表面格子点P2のうち前記機器従属色空間CS1において第一の処理方向D1へ並んでいる複数の第一対象格子点P10について、前記機器従属色空間CS1の前記第一の処理方向D1における位置(例えば図1に示す位置xi)に対する色彩値(例えば図1に示す色彩値zi)の近似値(例えば図1に示す近似値yi)を求める多項式近似式に用いられる、多項式近似係数(a0,…,ad)を求める。ここで、多項式近似係数は、定数a0を含み、図1に例示する行列式Aの値を用いて、算出することができる。前記第一対象格子点P10に対応付けられた色彩値(zi)を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点P10に対応付けられた色彩値(zi)を平滑化する。
また、一つの格子点に対して、第一の処理方向として1方向のみ設定されて係数算出工程及び平滑化工程が実施されてもよいし、第一の処理方向として2方向設定されて係数算出工程及び平滑化工程が実施されてもよい。従って、例えば、或る格子点について、まず、R軸方向へ並んだ複数の第一対象格子点の一つとして係数算出工程及び平滑化工程が実施され、次に、G軸方向へ並んだ複数の第一対象格子点の一つとして係数算出工程及び平滑化工程が実施されてもよい。
むろん、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する効果は、或る第一の処理方向について係数算出工程及び平滑化工程が1回行われると得られる。第一の処理方向として2方向設定されて係数算出工程及び平滑化工程が実施される場合、さらに滑らかな階調表現を実現することができる。
格子点は入力色空間としての機器従属色空間に配置された仮想の点を意味し、入力色空間における格子点の位置に対応する出力座標値としての色彩値が該格子点に格納されていると想定する。複数の格子点が入力色空間内で均等に配置されるのみならず、複数の格子点が入力色空間内で不均等に配置されることも、本技術に含まれる。
色彩値には、格子点の色を表すパッチを測色した結果である測色値、パッチの色を表す計算値、また、それらの値から補間演算により算出した補正値、等が含まれる。
多項式近似式は、各第一対象格子点に同じ重み付けをした多項式近似により求められてもよいし、複数の第一対象格子点のうち一部の格子点に異なる重み付けをした重み付け多項式近似により求められてもよい。すなわち、多項式近似式には、重み付け多項式近似式が含まれる。また、多項式近似式は、複数の第一対象格子点の全てを用いた多項式近似により求められてもよいし、複数の第一対象格子点から選ばれた一部の第一対象格子点を用いた多項式近似により求められてもよい。
尚、最終的に第一対象格子点に対応付けられる補正値を第一補正値と呼ぶことにすると、この第一補正値は、近似値そのものでもよいし、近似値と色彩値とを用いて計算される値でもよい。
色域の表面は色域の外殻と呼ばれることがあり、格子点配置領域の表面は格子点配置領域の外殻と呼ばれることがある。
上述した付言は、以下の態様においても適用される。
前記第一の処理方向は、複数の表面格子点を通る方向であれば前記機器従属色空間に含まれる複数の軸のいずれとも異なる方向でもよいが、図1等に例示するように、前記機器従属色空間CS1に含まれる複数の軸AX1のいずれかに沿った方向でもよい。図1には第一の処理方向D1がR軸方向であることが示されているが、第一の処理方向D1は、G軸方向やB軸方向に設定されてもよいし、CMYK色空間内であればC軸方向やM軸方向やY軸方向やK軸方向に設定されてもよい。本態様は、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な技術を提供することができる。
図1等に例示するように、前記機器従属色空間CS1は、3本以上であるD本の軸AX1を有するD次元でもよい。前記格子点配置領域500は、2D個の頂点520を有していてもよい。前記格子点配置領域500の表面510は、前記頂点520同士を繋ぐ稜線530を複数有してもよく、前記複数の稜線530により仕切られた複数の区画面540を有してもよい。前記複数の表面格子点P2のうち前記区画面540に配置された複数の区画面格子点P4は、第一の軸方向、及び、該第一の軸方向とは異なる第二の軸方向へ並べられてもよい。第一の軸方向、及び、第二の軸方向は、区画面540の位置に応じて決まる。例えば、区画面540がRG平面に沿っている場合、R軸方向を第一の軸方向に当てはめ、G軸方向を第二の軸方向に当てはめることができる。本平滑化処理方法では、図5等に例示するように、前記複数の区画面格子点P4に対して、前記第一の処理方向D1を前記第一の軸方向に設定して前記係数算出工程ST1と前記平滑化工程ST2とを行い、前記第一の処理方向D1を前記第二の軸方向に設定して前記係数算出工程ST1と前記平滑化工程ST2とを行ってもよい。
本態様は、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現するさらに好適な技術を提供することができる。
図1,9,10に例示するように、前記多項式近似係数には、前記機器従属色空間CS1の前記第一の処理方向D1における位置(xi)に対する色彩値(zi)の近似値を求める重み付け多項式近似式に用いられる重み付け多項式近似係数が含まれてもよい。前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点P10に対応付けられている色彩値(zi)に基づいて前記第一対象格子点P10の重み(例えばwi)を決定し、該重み(wi)に基づいて前記重み付け多項式近似係数を求めてもよい。重み付け多項式近似係数を用いた重み付け多項式近似処理により、本態様は、複数の表面格子点に対応付けられた色彩値を平均する場合と比べて、元の色域表面の形状の変化を抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な平滑化処理方法を提供することができる。
図1,9,10に例示するように、前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点P10のうち前記位置(xi)に対する色彩値(zi)が前記第一の処理方向D1における両端の端部格子点P11に対応付けられた色彩値(z1,zn)よりも大きい又は小さい極値となる極値格子点P13が1個存在する場合、前記第一対象格子点P10の重み(例えばwi)のうち前記極値格子点P13の重み(wm)を最も大きくして前記重み付け多項式近似係数を求めてもよい。これにより、格子点配置領域500の表面510において、元の色域表面の形状の変化を少なくすることができる。その結果、本態様は、複数の表面格子点に対応付けられた色彩値を平均する場合と比べて、元の色域表面の形状の変化を抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な平滑化処理方法を提供することができる。
ここで、極値は、極大値と極小値を含む。この付言は、以下の態様においても適用される。
図8に例示するように、前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点P10に対応付けられている色彩値(zi)に基づいて前記複数の第一対象格子点P10に含まれる格子点P1が前記多項式近似係数の算出に使用しない除外格子点P15であるか否かを判断し、前記複数の第一対象格子点P10から前記除外格子点P15を除いて前記多項式近似係数を求めてもよい。本態様は、不適切な色彩値を有する格子点を除外することにより、真値に近い近似曲線を求めることができ、それにより、その後の処理における多項式近似(多項式近似は重み付け多項式近似を含む)による平滑化処理により、元の色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な平滑化処理方法を提供することができる。
図1等に例示するように、前記機器従属色空間CS1は、3本以上であるD本の軸AX1を有するD次元でもよい。前記格子点配置領域500は、2D個の頂点520を有してもよい。前記格子点配置領域500の表面510は、前記頂点520同士を繋ぐ稜線530を複数有してもよく、前記複数の稜線530により仕切られた複数の区画面540を有してもよい。図5に例示するように、本平滑化処理方法では、前記複数の表面格子点P2のうち前記稜線530に配置された複数の稜線格子点P3に対して前記係数算出工程と前記平滑化工程を行った後、前記複数の表面格子点P2のうち前記区画面540に配置された複数の区画面格子点P4に対して前記係数算出工程と前記平滑化工程を行ってもよい。本態様は、複数の稜線格子点P3に対応付けられている色彩値が平滑化された後に区画面格子点P4に対応付けられている色彩値が平滑化されるので、複数の表面格子点に対応付けられた色彩値を平均する場合と比べて、元の色域表面の形状の変化を抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な平滑化処理方法を提供することができる。
図2等に例示するように、前記複数の格子点P1は、前記格子点配置領域500の内部550に配置された複数の内部格子点P5を含んでいてもよい。本平滑化処理方法は、図4に例示するように、前記多項式近似式を用いる平滑化処理とは異なる平滑化処理により前記内部格子点P5に対応付けられた色彩値(zi)を平滑化する内部平滑化工程ST3をさらに含んでいてもよい。本態様は、内部格子点P5に対応付けられた色彩値に対して多項式近似とは異なる平滑化が行われ、表面格子点に対応付けられた色彩値の平滑化は多項式近似(多項式近似は重み付け多項式近似を含む)による平滑化処理により行われるので、元の色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な平滑化処理方法を提供することができる。
図2,14等に例示するように、前記内部平滑化工程では、前記複数の内部格子点P5のうち前記機器従属色空間CS1において第二の処理方向D2へ並んでいる複数の第二対象格子点P20について、前記第二の処理方向D2において隣接する格子点を含む各格子点に対応付けられた色彩値の加重平均値(yi)を前記第二対象格子点P20に対応付けてもよい。この態様は、内部格子点P5に対応付けられた色彩値が第二の処理方向D2において隣接する格子点P1の色彩値を含む加重平均値(yi)に補正される。
ここで、各格子点に対応付けられた色彩値の加重平均値は、係数0を含む場合に計算される値、及び、全ての係数が同じ場合に計算される値を含む。従って、本態様9は、処理対象の内部格子点に対応付けられた色彩値に対する係数が1であることにより処理対象の内部格子点に対応付けられた元の色彩値が加重平均値となること、及び、全ての係数が同じであることにより各格子点に対応付けられた元の色彩値の単純平均値が加重平均値となることを含む。本態様は、内部格子点P5に対応付けられた色彩値に対して加重平均を用いて平滑化が行われ、表面格子点に対応付けられた色彩値の平滑化は多項式近似(多項式近似は重み付け多項式近似を含む)による平滑化処理により行われるので、元の色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な平滑化処理方法を提供することができる。
また、一つの格子点に対して、第二の処理方向として1方向のみ設定されて内部平滑化工程が実施されてもよいし、第二の処理方向として2方向以上設定されて内部平滑化工程が実施されてもよい。従って、例えば、或る格子点について、まず、R軸方向へ並んだ複数の第二対象格子点の一つとして内部平滑化工程が実施され、次いで、G軸方向へ並んだ複数の第二対象格子点の一つとして内部平滑化工程が実施され、B軸方向へ並んだ複数の第二対象格子点の一つとして内部平滑化工程が実施されてもよい。
上述した付言は、以下の態様においても適用される。
前記第二の処理方向は、複数の内部格子点を通る方向であれば前記機器従属色空間に含まれる複数の軸のいずれとも異なる方向でもよいが、図2等に例示するように、前記機器従属色空間CS1に含まれる複数の軸AX1のいずれかに沿った方向でもよい。図2には第二の処理方向D2がR軸方向であることが示されているが、第二の処理方向D2は、G軸方向やB軸方向に設定されてもよいし、CMYK色空間内であればC軸方向やM軸方向やY軸方向やK軸方向に設定されてもよい。本態様は、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する好適な技術を提供することができる。
図1等に例示するように、前記機器従属色空間CS1は、3本以上であるD本の軸AX1を有するD次元でもよい。図2等に例示するように、前記複数の内部格子点P5は、前記D本の軸AX1に沿った軸方向へ並べられてもよい。本平滑化処理方法では、前記複数の内部格子点P5に対して、前記第二の処理方向D2を前記D本の軸AX1に沿った軸方向の中から順次設定し、設定した軸方向を前記第二の処理方向D2として前記内部平滑化工程ST3を行ってもよい。
本態様は、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現するさらに好適な技術を提供することができる。
図4に例示するように、本平滑化処理方法は、前記平滑化の強度(例えば図12に示す割合c)の設定を受け付ける平滑化強度受付工程ST4をさらに含んでいてもよい。前記平滑化工程ST2では、前記多項式近似式を用いた前記近似値に対する重みを前記強度に応じた割合(c)として、前記第一対象格子点P10における前記近似値(yi)と、前記第一対象格子点P10に対応付けられた色彩値(zi)と、の加重平均値(例えば図12に示す第一補正値ri)を前記第一対象格子点P10に対応付けてもよい。本態様は、ユーザーの好みに応じて内部格子点の色彩値を平滑化可能な技術を提供することができる。
ところで、本技術の一態様に係る平滑化処理装置(例えば図3に示すホスト装置100)は、係数算出工程ST1に対応する係数算出部U1、及び、平滑化工程ST2に対応する平滑化部U2を含む。本態様は、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する平滑化処理装置を提供することができる。本平滑化処理装置は、内部平滑化工程ST3に対応する内部平滑化部U3、及び、平滑化強度受付工程ST4に対応する平滑化強度受付部U4を含んでいてもよい。
また、本技術の一態様に係る平滑化処理プログラムPR0は、係数算出工程ST1に対応する係数算出機能FU1、及び、平滑化工程ST2に対応する平滑化機能FU2をコンピューター(例えば図3に示すホスト装置100)に実現させる。本態様は、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する平滑化処理プログラムPR0を提供することができる。本平滑化処理プログラムPR0は、内部平滑化工程ST3に対応する内部平滑化機能FU3、及び、平滑化強度受付工程ST4に対応する平滑化強度受付機能FU4をコンピューターに実現させてもよい。
図1は、機器従属色空間CS1において複数の格子点P1が配置された格子点配置領域500を模式的に例示している。図1の下部には、格子点配置領域500の表面510において第一の処理方向D1へ並んだ複数の第一対象格子点P10が模式的に例示されている。図1に示す第一の処理方向D1はR軸方向であるが、第一の処理方向D1は、G軸方向やB軸方向に変わり得る。図2は、図1のA1-A1の位置における格子点配置領域500の断面を模式的に例示している。図2の下部には、格子点配置領域500の内部550を通る位置において第二の処理方向D2へ並んだ複数の第二対象格子点P20が模式的に例示されている。図2に示す第二の処理方向D2はR軸方向であるが、第二の処理方向D2は、G軸方向やB軸方向に変わり得る。図1,2において、RはR軸を示し、GはG軸を示し、BはB軸を示し、KはR成分とG成分とB成分が最も少ない黒点を示し、WはR成分とG成分とB成分が最も多い白点を示している。
ここで、軸方向における格子点P1の位置が0を起点とした整数で表される場合、この位置の最大値を(n-1)で割り切れないことがある。この場合、格子点P1同士の間隔は、位置の最大値を(n-1)で割った商になるときと、前記小に1を加えた値になるときとがある。このような場合も、軸方向において格子点P1が略等間隔に並べられていることに含まれる。
図1,2に示す格子点配置領域500の表面510は、各軸方向に沿った複数の稜線530を含み、複数の稜線530により仕切られた区画面540を複数含んでいる。格子点配置領域500の頂点520は、稜線530同士が交わる位置にある。すなわち、稜線530は、頂点520同士を繋いでいる。後述する処理の都合上、稜線530は頂点520を含むものとし、区画面540は稜線530を含まないものとする。D次元の機器従属色空間CS1において、格子点配置領域500の頂点520は、2D個存在する。3次元のRGB色空間において、格子点配置領域500は、直方体とみなされ、23=8個の頂点520を有し、12本の稜線530を有し、8面の区画面540を有する。図示することはできないが、4次元のCMYK色空間において、格子点配置領域500は、24=16個の頂点520を有し、32本の稜線530を有し、24面の区画面540を有する。
複数の格子点P1は、格子点配置領域500の表面510に配置された複数の表面格子点P2、及び、格子点配置領域500の内部550に配置された複数の内部格子点P5を含んでいる。複数の表面格子点P2は、稜線530に配置された複数の稜線格子点P3、及び、区画面540に配置された複数の区画面格子点P4を含んでいる。複数の表面格子点P2のうち多項式近似を行う複数の第一対象格子点P10は、複数の軸方向のいずれかに沿った方向である第一の処理方向D1へ並んでいるものとする。図1に示す複数の第一対象格子点P10は、第一の処理方向D1の例であるR軸方向において両端にある2個の端部格子点P11、及び、端部格子点P11間にある複数の介在格子点P12を含んでいる。格子点配置領域500の内部550を通る位置において加重平均を行う複数の第二対象格子点P20は、複数の軸方向のいずれかに沿った方向である第二の処理方向D2へ並んでいるものとする。図2に示す複数の第二対象格子点P20は、第二の処理方向D2の例であるR軸方向において両端にある2個の区画面格子点P4、及び、区画面格子点P4間にある複数の内部格子点P5を含んでいる。
yi=a4xi 4+a3xi 3+a2xi 2+a1xi+a0 …(1)
ここで、a0,a1,a2,a3,a4は、それぞれ、xi 0,xi 1,xi 2,xi 3,xi 4の多項式近似係数を表す。図1には、多項式近似の次数dが4であることが示されている。むろん、次数dは、3でもよいし、5以上でもよい。
A=(X’WX)-1X’WZ …(2)
ここで、行列Xは、n行d+1列の行列であり、i行目にd+1個の成分、例えば、xi 0,xi 1,xi 2,xi 3,xi 4を有する。行列X’は、行列Xの転置行列である。行列Zは、n行1列の行列であり、i行目に色彩値ziを有する。行列Wは、n行n列の行列であり、i行目のi列目に重みを有し、残りの成分が0である。尚、全ての重みが1である場合は重み無し多項式近似が行われ、1でない重みがある場合は重み付き多項式近似が行われることになる。
ここで、sは加重平均を行う範囲を表す正の整数であり、例えば、s=1の場合は第二の処理方向D2において両隣の格子点を含む3個の格子点を使用することを意味し、s=2の場合は第二の処理方向D2において両隣の格子点に隣接する格子点まで含む5個の格子点を使用することを意味する。変数jは、使用する格子点を識別する変数であり、-s~sの整数である。zi+jは、加重平均に使用する格子点の色彩値を表す。wjは、加重平均に使用する格子点に対する重みを表す。尚、重みwjが全て例えば1と同じである場合、得られるyiは単純平均値となる。この単純平均値も、加重平均値yiに含まれる。
図3は、平滑化処理システムSY1の構成を模式的に例示している。平滑化処理システムSY1は、平滑化処理装置の例であるホスト装置100、表示装置130、測色装置120、及び、インクジェットプリンター200を含んでいる。ホスト装置100は、CPU111、ROM112、RAM113、記憶装置114、入力装置115、通信I/F 118、測色装置用I/F 119、等が接続されて互いに情報を入出力可能とされている。ここで、CPUはCentral Processing Unitの略称であり、ROMはRead Only Memoryの略称であり、RAMはRandom Access Memoryの略称であり、I/Fはインターフェイスの略称である。ROM112とRAM113と記憶装置114はメモリーであり、少なくともROM112とRAM113は半導体メモリーである。表示装置130は、ホスト装置100からの表示データに基づいて該表示データに対応する画面を表示する。表示装置130には、液晶表示パネル等を用いることができる。
測色装置120は、カラーチャートCH1が形成される媒体の例である被印刷物(print substrate)ME1に形成された各カラーパッチPA1や、図示していないが表示装置に表示されるカラーチャートの各カラーパッチを測色して、測色値を出力可能である。パッチは、色票とも呼ばれる。測色値は、例えば、CIE Lab色空間における明度L及び色度座標a,bを表す値とされる。ホスト装置100は、測色装置120から測色データを取得して各種処理を行う。
ホスト装置100のCPU111は、記憶装置114に記憶されている情報を適宜、RAM113に読み出し、読み出したプログラムを実行することにより各種処理を行う。CPU111は、RAM113に読み出された平滑化処理プログラムPR0を実行することにより、上述した機能FU1~FU4に対応する処理を行う。平滑化処理プログラムPR0は、コンピューターであるホスト装置100を、係数算出部U1、表面の平滑化部U2、内部平滑化部U3、及び、平滑化強度受付部U4として機能させる。また、平滑化処理プログラムPR0を実行するホスト装置100は、係数算出工程ST1、表面の平滑化工程ST2、内部平滑化工程ST3、及び、平滑化強度受付工程ST4を実施する。これらの工程ST1~ST4は、機器従属色空間CS1に配置された複数の格子点P1に対応付けられた色彩値を補正する処理をコンピューターにより行う平滑化処理方法に含まれる。上述した機能FU1~FU4をコンピューターに実現させる平滑化処理プログラムPR0を記憶したコンピューター読み取り可能な媒体は、ホスト装置の内部の記憶装置に限定されず、ホスト装置の外部の記録媒体でもよい。
図4は、図3に示すホスト装置100で行われる平滑化処理を例示している。尚、ホスト装置100は、マルチタスクにより複数の処理を並列して実行している。ここで、ステップS102は、平滑化強度受付工程ST4、平滑化強度受付機能FU4、及び、平滑化強度受付部U4に対応している。ステップS104~S106は、係数算出工程ST1、係数算出機能FU1、及び、係数算出部U1に対応している。ステップS106は、表面の平滑化工程ST2、表面の平滑化機能FU2、及び、表面の平滑化部U2に対応している。ステップS110~S112は、内部平滑化工程ST3、内部平滑化機能FU3、及び、内部平滑化部U3に対応している。以下、「ステップ」の記載を省略する。
平滑化処理では、S104~S108において表面格子点P2の色彩値が平滑化された後、S110~S114において内部格子点P5の色彩値が平滑化される。図4には、表面格子点P2の色彩値を平滑化するS104~S108の処理が破線で囲まれ、内部格子点P5の色彩値を平滑化するS110~S114の処理が破線で囲まれ、両方の破線が実線で囲まれていることが示されている。
色彩値の入力について、各格子点P1に対応付けられた色彩値(Lp.ap,bp)を有する色変換テーブル400が記憶装置114に記憶されている場合、ホスト装置100は、記憶装置114からRAM113に色変換テーブル400を読み出せばよい。色変換テーブル400を新たに作成する場合、ホスト装置100は、各格子点P1の色に対応するパッチをプリンターや表示装置に形成させ、得られる各パッチを測色装置120に測色させて測色装置120から測色値である色彩値を取得し、各格子点P1に色彩値を対応付けて色変換テーブルを作成すればよい。むろん、ホスト装置100は、外部の装置や記録媒体から色変換テーブル400を取得してもよい。
以上より、S102において、多項式近似係数a0,…,adに基づいた補正の割合cに対応する平滑化強度の設定が受け付けられるのと同時に、内部格子点P5の色彩値に対する平滑化の強度の設定が受け付けられる。
A=(X’X)-1X’Z …(4)
その後のS308において、ホスト装置100は、各第一対象格子点P10について、暫定近似値yiから色彩値ziまでの距離Δziを算出する。
Δzi=|zi-yi| …(5)
以上のようにして、複数の第一対象格子点P10の色彩値に基づいて第一対象格子点P10が除外格子点P15であるか否かが判断され、後述する重み付き多項式近似を行う時に複数の第一対象格子点P10から除外格子点P15が除外される。
重み決定処理が開始された直後のS402において、ホスト装置100は、除外格子点P15を除いた各第一対象格子点P10の重みwiを1に設定する。この時点で除外格子点P15は複数の第一対象格子点P10から除かれているが、除外格子点P15の重みを0に設定すれば、除外格子点P15を残して後の重み付け多項式近似処理を行ってもよい。
図10の結果2の場合、複数の介在格子点P12のうち端部格子点P11の色彩値z0,znよりも小さい色彩値zmの極小値の位置xmに極値格子点P13が1個存在する。そこで、極値格子点P13の重みwmは1よりも大きくなる。
図10の結果3の場合、複数の介在格子点P12に極値格子点P13が2個存在する。これらの極値格子点P13の内、zm<z0である極値格子点の重みwmは1よりも大きくなり、z0<zm<znである極値格子点の重みwmは1のままとなる。
図10の結果4の場合、複数の介在格子点P12の内、zm<z0<znである極小値の位置とz0<zn<zmである極大値の位置とに極値格子点P13が存在する。この場合、これらの極値格子点P13の重みwmは1のままとなる。
図10の結果5の場合、複数の介在格子点P12に2個の極値格子点P13が存在する。いずれの極値格子点P13の重みwmも、色彩値zmがz0<zm<znであるので、1のままとなる。
重み付け多項式近似処理が開始された直後のS502において、ホスト装置100は、色彩値の成分L,a,bから処理対象の成分を設定する。ここでも、色彩値ziは、処理対象の成分の色彩値を示している。
重み付け多項式近似係数a0,…,a4は、上述した式(2)、すなわち、A=(X’WX)-1X’WZとなる。
ri=c×yi+(1-c)×zi …(6)
ここで、補正割合cが1である場合、複数の第一対象格子点P10の第一補正値riは端部格子点P11を除いて近似値yiとなる。補正割合cが0である場合、複数の第一対象格子点P10の第一補正値riは元の色彩値ziのままとなる。
また、先に全ての稜線530が線分として設定されることにより、複数の稜線格子点P3に対して多項式近似係数a0,…,adが求められて多項式近似式により色彩値が補正された後、複数の区画面格子点P4に対して多項式近似係数a0,…,adが求められて多項式近似式により色彩値が補正される。稜線530にある端部格子点P11の色彩値は保持されるので、区画面540を通る位置における稜線格子点P3及び区画面格子点P4の色彩値の補正値は線分の設定順に依存しない。先に全ての稜線530が線分として設定されることにより、色再現範囲の減少がより適切に抑制される。
処理対象の線分が格子点配置領域500の内部550を通る場合、図2に示すように、複数の第二対象格子点P20の内、第二の処理方向D2において両端にある表面格子点P2は区画面格子点P4であり、残りの格子点は内部格子点P5である。
CMYK色空間における格子点配置領域の稜線は、Lab色空間における色域の表面に対応する。従って、図16に示す色度座標a,bは、色変換テーブルの色域の表面形状に対応する。
尚、表面格子点P2の色彩値が多項式近似により補正された後に内部格子点P5の色彩値が補正されることにより、色域表面の形状の変化をなるべく損なわずに、色域の内部の色彩値が平滑化される。これにより、色域表面の形状の変化がなるべく抑えられながら滑らかな階調表現が実現される。また、内部格子点P5の色彩値に加重平均が適用されることにより、内部格子点P5の色彩値が迅速に補正される。
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、出力デバイスは、インクジェットプリンター200に限定されず、色材としてトナーを使用するレーザープリンターといった電子写真方式のプリンター、3次元プリンター、表示装置、等でもよい。
画像を形成する色材の種類は、C,M,Y,Kに限定されず、C,M,Y,Kに加えて、Cよりも低濃度のLc、Mよりも低濃度のLm、Yよりも高濃度のDY、Or、Gr、Kよりも低濃度のLk、画質向上用の無着色の色材、等を含んでいてもよい。ここで、Lcはライトシアンを意味し、Lmはライトマゼンタを意味し、DYはダークイエローを意味し、Orはオレンジを意味し、Grはグリーンを意味し、Lkはライトブラックを意味する。
上述した実施形態では表面格子点P2の色彩値に対する平滑化強度を内部格子点P5の色彩値に対する平滑化強度に対応付けたが、表面格子点と内部格子点とでそれぞれ平滑化強度を別々に受け付けてもよい。
また、端部格子点P11の位置x0,xnにおける近似値y0,ynが元の色彩値z0,ynとなるように多項式近似係数a0,…,adが決められてもよい。
そこで、複数の内部格子点P5の色彩値が多項式近似係数に基づいて多項式近似処理により近似値が算出されて平滑化されたり、複数の内部格子点P5の色彩値が補正されなかったりする場合も、上述した効果が得られる。
また、複数の表面格子点P2の色彩値に重み付け多項式近似が行われず、複数の表面格子点P2の色彩値に重み付け無しの多項式近似が行われる場合も、上述した効果が得られる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、色域表面の形状の変化をなるべく抑えながら滑らかな階調表現を実現する技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
Claims (16)
- 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理方法であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出工程と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化工程と、を含み、
前記多項式近似係数には、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める重み付け多項式近似式に用いられる重み付け多項式近似係数が含まれ、
前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点に対応付けられている色彩値に基づいて前記第一対象格子点の重みを決定し、該重みに基づいて前記重み付け多項式近似係数を求め、
さらに、前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点のうち前記位置に対する色彩値が前記第一の処理方向における両端の端部格子点に対応付けられた色彩値よりも大きい又は小さい極値となる極値格子点が1個存在する場合、前記第一対象格子点の重みのうち前記極値格子点の重みを最も大きくして前記重み付け多項式近似係数を求める、平滑化処理方法。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理方法であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出工程と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化工程と、を含み、
前記複数の格子点は、前記格子点配置領域の内部に配置された複数の内部格子点を含み、
前記平滑化処理方法は、前記多項式近似式を用いる平滑化処理とは異なる平滑化処理により前記内部格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する内部平滑化工程をさらに含む、平滑化処理方法。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理方法であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出工程と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化工程と、
前記多項式近似式を用いる平滑化の強度を受け付ける平滑化強度受付工程と、を含み、
前記平滑化工程では、前記多項式近似式を用いた前記近似値に対する重みを前記強度に応じた割合として、前記第一対象格子点における前記近似値と、前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値と、の加重平均値を前記第一対象格子点に対応付ける、平滑化処理方法。 - 前記第一の処理方向は、前記機器従属色空間に含まれる複数の軸のいずれかに沿った方向である、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の平滑化処理方法。
- 前記機器従属色空間は、3本以上であるD本の軸を有するD次元であり、
前記格子点配置領域は、2 D 個の頂点を有し、
前記格子点配置領域の表面は、前記頂点同士を繋ぐ稜線を複数有し、前記複数の稜線により仕切られた複数の区画面を有し、
前記複数の表面格子点のうち前記区画面に配置された複数の区画面格子点は、第一の軸方向、及び、該第一の軸方向とは異なる第二の軸方向へ並べられ、
前記複数の区画面格子点に対して、前記第一の処理方向を前記第一の軸方向に設定して前記係数算出工程と前記平滑化工程とを行い、前記第一の処理方向を前記第二の軸方向に設定して前記係数算出工程と前記平滑化工程とを行う、請求項4に記載の平滑化処理方法。 - 前記係数算出工程では、前記複数の第一対象格子点に対応付けられている色彩値に基づいて前記複数の第一対象格子点に含まれる格子点が前記多項式近似係数の算出に使用しない除外格子点であるか否かを判断し、前記複数の第一対象格子点から前記除外格子点を除いて前記多項式近似係数を求める、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の平滑化処理方法。
- 前記機器従属色空間は、3本以上であるD本の軸を有するD次元であり、
前記格子点配置領域は、2 D 個の頂点を有し、
前記格子点配置領域の表面は、前記頂点同士を繋ぐ稜線を複数有し、前記複数の稜線により仕切られた複数の区画面を有し、
前記複数の表面格子点のうち前記稜線に配置された複数の稜線格子点に対して前記係数算出工程と前記平滑化工程を行った後、前記複数の表面格子点のうち前記区画面に配置された複数の区画面格子点に対して前記係数算出工程と前記平滑化工程を行う、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の平滑化処理方法。 - 前記内部平滑化工程では、前記複数の内部格子点のうち前記機器従属色空間において第二の処理方向へ並んでいる複数の第二対象格子点について、前記第二の処理方向において隣接する格子点を含む各格子点に対応付けられた色彩値の加重平均値を前記第二対象格子点に対応付ける、請求項2に記載の平滑化処理方法。
- 前記第二の処理方向は、前記機器従属色空間に含まれる複数の軸のいずれかに沿った方向である、請求項8に記載の平滑化処理方法。
- 前記機器従属色空間は、3本以上であるD本の軸を有するD次元であり、
前記複数の内部格子点は、前記D本の軸に沿った軸方向へ並べられ、
前記複数の内部格子点に対して、前記第二の処理方向を前記D本の軸に沿った軸方向の中から順次設定し、設定した軸方向を前記第二の処理方向として前記内部平滑化工程を行う、請求項9に記載の平滑化処理方法。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理装置であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出部と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化部と、を含み、
前記多項式近似係数には、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める重み付け多項式近似式に用いられる重み付け多項式近似係数が含まれ、
前記係数算出部は、前記複数の第一対象格子点に対応付けられている色彩値に基づいて前記第一対象格子点の重みを決定し、該重みに基づいて前記重み付け多項式近似係数を求め、
さらに、前記係数算出部は、前記複数の第一対象格子点のうち前記位置に対する色彩値が前記第一の処理方向における両端の端部格子点に対応付けられた色彩値よりも大きい又は小さい極値となる極値格子点が1個存在する場合、前記第一対象格子点の重みのうち前記極値格子点の重みを最も大きくして前記重み付け多項式近似係数を求める、平滑化処理装置。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理装置であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出部と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化部と、を含み、
前記複数の格子点は、前記格子点配置領域の内部に配置された複数の内部格子点を含み、
前記平滑化処理装置は、前記多項式近似式を用いる平滑化処理とは異なる平滑化処理により前記内部格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する内部平滑化部をさらに含む、平滑化処理装置。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行う平滑化処理装置であって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出部と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化部と、
前記多項式近似式を用いる平滑化の強度を受け付ける平滑化強度受付部と、を含み、
前記平滑化部は、前記多項式近似式を用いた前記近似値に対する重みを前記強度に応じた割合として、前記第一対象格子点における前記近似値と、前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値と、の加重平均値を前記第一対象格子点に対応付ける、平滑化処理装置。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行うための平滑化処理プログラムであって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出機能と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化機能と、をコンピューターに実現させ、
前記多項式近似係数には、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める重み付け多項式近似式に用いられる重み付け多項式近似係数が含まれ、
前記係数算出機能は、前記複数の第一対象格子点に対応付けられている色彩値に基づいて前記第一対象格子点の重みを決定し、該重みに基づいて前記重み付け多項式近似係数を求め、
さらに、前記係数算出機能は、前記複数の第一対象格子点のうち前記位置に対する色彩値が前記第一の処理方向における両端の端部格子点に対応付けられた色彩値よりも大きい又は小さい極値となる極値格子点が1個存在する場合、前記第一対象格子点の重みのうち前記極値格子点の重みを最も大きくして前記重み付け多項式近似係数を求める、平滑化処理プログラム。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行うための平滑化処理プログラムであって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出機能と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化機能と、をコンピューターに実現させ、
前記複数の格子点は、前記格子点配置領域の内部に配置された複数の内部格子点を含み、
前記平滑化処理プログラムは、前記多項式近似式を用いる平滑化処理とは異なる平滑化処理により前記内部格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する内部平滑化機能をさらに前記コンピューターに実現させる、平滑化処理プログラム。 - 機器従属色空間に配置された複数の格子点に対応付けられた色彩値に平滑化処理を行うための平滑化処理プログラムであって、
前記複数の格子点は、前記機器従属色空間において前記複数の格子点が配置されている格子点配置領域の表面に配置された複数の表面格子点を含み、
前記複数の表面格子点のうち前記機器従属色空間において第一の処理方向へ並んでいる複数の第一対象格子点について、前記機器従属色空間の前記第一の処理方向における位置に対する色彩値の近似値を求める多項式近似式に用いられる多項式近似係数を求める係数算出機能と、
前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する場合に前記多項式近似式を用いて前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値を平滑化する平滑化機能と、
前記多項式近似式を用いる平滑化の強度を受け付ける平滑化強度受付機能と、をコンピューターに実現させ、
前記平滑化機能は、前記多項式近似式を用いた前記近似値に対する重みを前記強度に応じた割合として、前記第一対象格子点における前記近似値と、前記第一対象格子点に対応付けられた色彩値と、の加重平均値を前記第一対象格子点に対応付ける、平滑化処理プログラム。
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