以下、図1乃至図7を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(袋)
図1及び図2は、本実施の形態における、固形物16を収容するための袋10を、その表面(第1面)側から見た場合を示す正面図である。また図3は、図2に示す袋10をIII−III線に沿って見た場合を示す断面図である。本実施の形態においては、袋10が、扁平な四方シール袋(平パウチ)として構成される例について説明する。
なお、本明細書において、「袋」とは、固形物16が収容された後の状態の袋だけでなく、固形物16が収容される前の状態の袋をも含む概念である。図1においては、固形物16が収容されていない状態の袋であって、袋の上縁を介して固形物16の充填を行うために袋の上縁が未だシールされていない(すなわち未シール部になっている)状態の袋の正面図が示されている。また図2においては、固形物16が収容された状態の袋の正面図が示されている。以下の説明において、図1に示すような、固形物16が収容されておらず、かつ袋の上縁や上縁など固形物16の充填の際に利用される部分が開口部となっている状態の袋には、符号10Aを付す。また、図2に示すような、固形物16が収容されており、かつ密封されている(開口部を有さない)状態の袋には、符号10Bを付す。袋10Aに固形物16を収容した後、固形物16の充填の際に利用された未シール部を熱溶着などによって閉鎖することにより、固形物16が収容された袋10Bが得られる。本願発明は、特に断らない限り、固形物16が収容されておらず、かつ開口部を有している状態の袋10A、および内容物が収容されており、かつ密封されている状態の袋10Bのいずれをも対象としている。なお、袋10Aおよび袋10Bに共通する構成要素について説明する場合、袋に符号10を付す場合がある。
本実施形態においては、固形物16が収容されている状態の袋10Bに外力を加えることによって、袋10Bから取り出される前の固形物16を変形させ、その後、変形された固形物16を袋10Bから取り出す、という袋10の使用方法を想定している。なお、変形とは、固形物16を破砕することなく固形物16の形状を変化させること、及び、固形物16を破砕して複数の個片や流動物にすることの両方を含む概念である。
袋10に収容される固形物16は、食品や医薬品など、人が口にする物品であってもよく、また、洗剤など、人が口にしない物品であってもよい。食品の例としては、ゆで卵や苺など、表面に湾曲面があり、このため袋10Bの内面と固形物16との接触面積が小さいものを挙げることができる。本実施の形態においは、固形物16がゆで卵である例について説明する。
なお、袋10Bには、固形物16以外にも、液体や粘性体や紛体などが収容されていてもよい。例えば、固形物16がゆで卵である場合、マヨネーズなどの調味料が更に袋10Bに収容されていてもよい。
以下、袋10の構成について説明する。まず、袋10の形状について説明する。図1及び図2に示すように、袋10の輪郭は、互いに対向する上縁21a及び下縁22aと、上縁21aから下縁22aに向かう方向に延び、互いに対向する第1側縁23a及び第2側縁24aと、を含んでいる。本実施の形態において、第1側縁23a及び第2側縁24aが延びる方向は、上縁21a及び下縁22aが延びる方向に直交している。すなわち、袋10は、矩形状の輪郭を有している。また、第1側縁23a及び第2側縁24aの長さは、上縁21a及び下縁22aの長さよりも大きい。すなわち、袋10は、長方形状の輪郭を有しているが、正方形状など他の形状の輪郭を有していてもよい。
なお、上縁、下縁、側縁や後述する上縁シール部、下縁シール部、側縁シール部などの用語は、上縁21aが上方に位置するように袋10が保持された状態を基準とする表現であるが、袋10は、自立可能に構成されたものでなくてもよい。例えば袋10の上縁21aが上方に位置する状態は、人が袋10の後述する上縁シール部を保持して袋10を持ち上げることによって実現可能な状態であってもよい。すなわち、上縁、下縁、上縁シール部や下縁シール部という表現は、袋10の各要素における相対的な位置関係を示すにすぎず、使用時の袋10の姿勢を制限するものではない。
次に、袋10の構成について説明する。袋10は、表面(第1面)を構成する第1シート11と、第1面に対向する裏面(第2面)を構成する第2シート12と、第1シート11と第2シート12とを連結する連結部20と、を備える。袋10が四方シール袋である場合、連結部20は、袋10の4つの外縁に沿って延びるシール部である。第1シート11と第2シート12との間であって、連結部20によって囲われた空間に、固形物16を収容するための収容部13が画成される。
なお、上述の「第1シート」及び「第2シート」という用語は、袋10の外面の位置関係に応じて、袋10を構成するシートを区画したものに過ぎず、袋10を製造する際のシートの提供方法が、上述の用語によって限定されることはない。例えば、袋10は、第1シート11と第2シート12とが連設された1枚のシートを用いて製造されてもよく、1枚の第1シート11と1枚の第2シート12とを用いて製造されてもよい。
シール部とは、第1面を構成する第1シート11の内面と第2面を構成する第2シート12の内面とが接合されている部分である。図1、図2などの袋10の平面図においは、シール部にハッチングが施されている。
対向する第1シート11及び第2シート12を接合して袋10を密封することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによって第1シート11の内面及び第2シート12の内面を溶融させ、内面同士を溶着させることによって、シール部を形成してもよい。若しくは、接着剤などを用いて対向する第1シート11の内面と第2シート12の内面とを接着することによって、シール部を形成してもよい。
図2に示すように、シール部は、袋10Bの外縁に沿って延びる外縁シール部を有する。外縁シール部は、上縁21aに沿って延びる上縁シール部21、下縁22aに沿って延びる下縁シール部22、第1側縁23aに沿って延びる第1側縁シール部23、及び、第2側縁24aに沿って延びる第2側縁シール部24を含む。なお、図1に示す、固形物16が収容される前(固形物16が収容されておらず、かつ開口部を有している状態)の袋10Aにおいては、後に袋10Aの上縁21aを介して固形物16を充填するために、袋10Aの上縁21aが未だシールされていない。図1において、袋10Aに固形物16が充填された後にシールされて上縁シール部21となる部分(以下、未シール部とも称する)が符号21bで表されている。収容部13は、上縁シール部21または未シール部21b、下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24に囲われた領域に画成される。
ところで、固形物16が、ゆで卵などの、袋10の内面との接触面積が固形物16の寸法に比べて小さいものである場合、袋10Bに外力を加えて固形物16を変形させようとすると、固形物16が袋10Bの内部で変位してしまうことが考えられる。固形物16が袋10Bの内部で変位を繰り返す場合、固形物16を変形させるために要する時間が長くなり、使用者に不快感や不満足感を与えてしまう。このような課題を考慮し、本実施の形態においては、袋10に、収容部13において固形物16が所定の第1方向D1において変位することが制限された制限領域14を収容部13に画定する制限手段30を設けることを提案する。この場合、固形物16の変位が制限手段30によって抑制されるので、使用者が固形物16を変形させ易くなる。
なお、本実施の形態において、固形物16の変位が制限される第1方向D1は、第1側縁23a及び第2側縁24aが延びる方向である。以下の説明において、第1方向D1に直交する方向のことを第2方向D2と称する。固形物16を充填するための未シール部21bが形成されている上縁21aは、第2方向D2に沿って延びている。
(制限手段)
以下、制限手段30について説明する。図1乃至図3に示すように、本実施の形態において、制限手段30は、収容部13を横断するチャックテープ31を有する。チャックテープ31は、第2方向D2に沿って延びるよう設けられている。このようなチャックテープ31を設けることにより、収容部13に、図1乃至図3において符号14及び符号15で表す2つの領域を画成することができる。本実施の形態においては、チャックテープ31によって画成される2つの領域のうち、固形物16が収容される領域を制限領域14と称し、チャックテープ31に対して制限領域14とは反対側に位置する領域をマージン領域15と称する。
制限領域14の寸法は、固形物16の変位を効果的に制限するよう、固形物16の寸法に応じて定められる。固形物16が充填される前の袋10Aを示す図1において、第1方向D1における制限領域14の寸法が符号L2Aで表されている。また、固形物16が充填された後の袋10Bを示す図2において、第1方向D1における制限領域14の寸法が符号L2Bで表され、固形物16の寸法が符号L3で表されている。なお、固形物16が卵のような楕円体である場合、固形物16の寸法L3は、楕円体の長軸方向に直交する方向における固形物16の寸法の最大値として定義される。例えば、楕円体の固形物16の長軸方向をX軸とし、X軸に直交する方向をY軸及びZ軸とする場合、固形物16の寸法L3は、Y軸における固形物16の寸法又はZ軸における固形物16の寸法のうちの大きい方である。また、図2において、長軸方向における固形物16の寸法が符号L4で表されている。
本件発明者が鋭意研究を重ねた結果、後述する実施例によって支持されるように、制限領域14の寸法L2Aと固形物16の寸法L3との間に下記の関係式が成立している場合に、固形物16の変位を効果的に制限することができることを見出した。
1.9×L3≦L2A≦2.5×L3
従って、制限領域14の寸法L2Aは、好ましくは、この関係式を満たすよう、固形物16の寸法に応じて定められる。
マージン領域15の寸法は、袋10Aに固形物16を充填する工程及び袋10Aを下縁22aに沿って封止する工程において収容部13全体に求められる寸法に応じて定められる。固形物16が充填される前の袋10Aを示す図1において、第1方向D1における収容部13の寸法が符号L1Aで表されている。また、固形物16が充填された後の袋10Bを示す図2において、第1方向D1における収容部13の寸法が符号L1Bで表されている。
本件発明者が鋭意研究を重ねた結果、後述する実施例によって支持されるように、収容部13の寸法L1Aと固形物16の寸法L3との間に下記の関係式が成立している場合に、袋10Aに固形物16を充填する工程及び袋10Aを上縁21aに沿って封止する工程を適切に実施することができることを見出した。
L1A≧2.5×L3
従って、収容部13の寸法L1Aは、好ましくは、この関係式を満たすよう、固形物16の寸法に応じて定められる。
本実施の形態によれば、チャックテープ31を設けることにより、固形物16に外力Fを加えた場合の、第1方向D1における固形物16の変位量Mを制限することができる(図3参照)。例えば、袋10Bを介して固形物16に外力Fを加えた時に、固形物16を、チャックテープ31、下縁シール部22、第1側縁シール部23、第2側縁シール部24などに押し付け易くなる。また、制限領域14の寸法が制限されているので、固形物16を、チャックテープ31、下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24のうちの2つに同時に押し付け易くなる。例えば、固形物16を、チャックテープ31及び第1側縁シール部23に同時に押し付けることができる。これによって、袋10Bの内部で固形物16が変位することが抑制された状態で固形物16に外力を加えて、固形物16を変形させることができる。例えば、固形物16を複数の個片に破砕することができる。
(チャックテープ)
以下、チャックテープ31について詳細に説明する。図4は、チャックテープ31を拡大して示す断面図である。図4に示すように、チャックテープ31は、第1嵌合部32、第1嵌合部32と一体の第1土台部33、第2嵌合部34及び第2嵌合部34と一体の第2土台部35を含む。
第1嵌合部32は、第2嵌合部34に嵌合する雄型の部材であり、第2嵌合部34は、第1嵌合部32に嵌合する雌型の部材である。
第1土台部33は、第1嵌合部32を支持する部材である。第1土台部33は、第1シート11の内面11xに固定されている。第2土台部35は、第2嵌合部34を支持する部材である。第2土台部35は、第2シート12の内面12xに固定されている。
第1土台部33は、接合部36によって第1シート11の内面11xに固定されている。接合部36は、例えば、第1土台部33及び第1シート11を加熱することによって第1土台部33及び第1シート11の内面11xが溶融して形成される部分である。また、接合部36は、接着剤であってもよい。同様に、第2土台部35も、接合部36によって第2シート12の内面12xに固定されている。第2土台部35と第2シート12との間の接合部36も、第1土台部33の場合と同様に、溶融によって形成されるものであってもよく、接着剤であってもよい。
好ましくは、第2土台部35のうち制限領域14側に位置する部分が、第2シート12の内面12xから離間可能であるよう、第2土台部35を第2シート12の内面12xに固定する。例えば、図4に示すように、接合部36を、第2土台部35のうち15側に位置する部分にのみ形成し、第2土台部35のうち制限領域14側に位置する部分には形成しない。なお、「第2土台部35のうち制限領域14側に位置する部分」とは、第2土台部35のうち、第1方向D1における第2土台部35の中間点よりも制限領域14側に位置する部分を意味する。
以下、制限領域14側の第2土台部35を第2シート12の内面12xから離間可能とする利点について説明する。ここでは、ゆで卵などの固形物16とともに、マヨネーズなどの流動物が袋10Aに充填されると仮定する。また、固形物16及び流動物を袋10Aに充填するとき、第1嵌合部32は第2嵌合部34に嵌合されていないと仮定する。この場合、充填の際にマヨネーズなどの流動物が第1嵌合部32や第2嵌合部34に付着することが考えられる。流動物が第1嵌合部32や第2嵌合部34に付着した状態で、第1嵌合部32と第2嵌合部34とが嵌合される場合、第1嵌合部32と第2嵌合部34との間の嵌合力が、流動物が付着していない場合に比べて低下してしまう。嵌合力が低下した状態で固形物16がチャックテープ31に接触し、チャックテープ31が固形物16から押されると、第1嵌合部32と第2嵌合部34との嵌合が外れてしまうことが考えられる。
ここで、本実施の形態においては、制限領域14側の第2土台部35が第2シート12の内面12xから離間可能になっている。このため、チャックテープ31が固形物16から押された場合、図5に示すように、押圧力は、制限領域14側の第2土台部35を第2シート12の内面12xから離間させるように作用することができる。すなわち、第2土台部35を第2シート12から離間可能とすることにより、チャックテープ31が固形物16から受ける押圧力が、第1嵌合部32と第2嵌合部34との嵌合を外すように作用することを抑制することができる。これによって、外力によって固形物16を変形させる際に、第1嵌合部32と第2嵌合部34との嵌合がはずれてしまうことを抑制することができる。
なお、図4及び図5においては、制限領域14側の第2土台部35が第2シート12の内面12xから離間可能である例を示したが、その代わりに、又はそれに加えて、制限領域14側の第1土台部33が第1シート11の内面11xから離間可能であってもよい。
(その他の構成要素)
袋10には、袋10を破断して袋10を開封することを容易にするための易開封手段17が設けられていてもよい。図1及び図2に示すように、易開封手段17は、例えば、第1側縁シール部23に形成されたノッチである。易開封手段17は、第1側縁シール部23や第2側縁シール部24などのシール部のうち、マージン領域15に面する部分に形成される。
(第1シート及び第2シート)
以下、第1シート11及び第2シート12の層構成について説明する。図6は、第1シート11及び第2シート12の層構成の一例を示す図である。図6に示すように、第1シート11及び第2シート12は、内面11x,12xを構成するシーラント層3と、シーラント層3よりも外面11y,12y側に位置する基材層4と、を含む。図6に示す例においては、基材層4が第1シート11の外面11y及び第2シート12の外面12yを構成している。
基材層4にシーラント層3を積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材層4の上にシーラント層3を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、図6に示すように、基材層4を構成する基材フィルムと、シーラント層3を構成するシーラントフィルムとを、接着剤層5を用いて貼り合わせる。
シーラント層3を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンを用いることができる。シーラント層3の厚みは、例えば30μm以上且つ100μm以下である。シーラント層3は、単層で構成されていてもよいし、2以上の複数の層で構成されていてもよい。
接着剤層5を構成する材料としては、例えば、ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などを用いることができるが、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との反応物が好ましい。接着剤層5の乾燥後の塗布量としては、1g/m2以上10g/m2以下が好ましく、2g/m2以上5g/m2以下がより好ましい。接着剤層5の乾燥後の厚みとしては、0.95μm以上9.5μm以下が好ましく、1.9μm以上4.8μm以下がより好ましい。
なお、溶融押出法を用いて基材層4にシーラント層3が積層される場合、接着剤層5の代わりにアンカーコート層が設けられる。アンカーコート層を構成する材料としては、例えば、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができるが、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート化合物との反応物が好ましい。また、添加剤としてシランカップリング剤や硝化綿を併用してもよい。アンカーコート層の乾燥後の塗布量としては、0.5g/m2以下が好ましく、0.1g/m2以上0.3g/m2以下がより好ましい。
基材層4を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂を用いることができる。基材層4は単層で構成されていてもよいし、2以上の複数の層で構成されていてもよい。例えば、基材層4の厚みは10μm以上且つ40μm以下である。
図7は、基材層4の層構成の一例を示す図である。基材層4は、好ましくは、ナイロンなどのポリアミド系樹脂からなるポリアミド層4aを含む。これによって、袋10の耐突き刺し性を高めることができる。
ところで、ナイロンなどのポリアミド系樹脂は、水分を吸収し易く、この結果、ポリアミド層4aの形状や寸法が変化し易い。このような課題を考慮し、好ましくは、基材層4は、図7に示すように、ポリアミド層4aよりも外面11y,12y側に位置する第1ポリエステル層4bを更に含む。第1ポリエステル層4bは、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を含む。第1ポリエステル層4bを設けることにより、ポリアミド層4aが水分を吸収することを抑制することができ、このことにより、基材層4の形状安定性を高めることができる。図7に示すように、基材層4は、ポリアミド層4aよりも内面側に位置する第2ポリエステル層4cを更に含んでいてもよい。
ところで、本実施の形態においては、袋10Bに外力を加えることによって、袋10Bから取り出される前の固形物16を変形させる、という袋10の使用方法を想定している。この場合、外力によって第1シート11及び第2シート12が容易に変形して、固形物16に外力が加わり易くなっていることが好ましい。言い換えると、第1シート11及び第2シート12のコシが低いことが好ましい。例えば、第1シート11及び第2シート12の厚みは、例えば、40μm以上且つ150μm以下である。また、第1シート11及び第2シート12のコシは基材層4の影響が大きい。そこで、第1シート11及び第2シート12の基材層4の流れ方向(MD)におけるヤング率が5GPa以下であることが好ましく、垂直方向(TD)におけるヤング率が5GPa以下であることがより好ましい。なお、ヤング率はJIS K7161に準拠して測定したときの値である。また、第1シート11及び第2シート12の流れ方向(MD)における剛性は6gfであることが好ましく、垂直方向(TD)における剛性は6gfであることが好ましい。なお、剛性は、幅15mm、長さ150mmに切り出し、剛性試験機(東洋精機製作所社製、商品名:ループスティフネステスタ)を用いて測定したときの値である。
このような点を考慮し、基材層4は、好ましくは、インフレーション法やT−ダイ法などを用いて共押し出しすることによって作製される。これによって、基材層4にポリアミド層4a及び第1ポリエステル層4bを含有させながら、基材層4の厚みを低減することができる。この結果、第1シート11及び第2シート12のコシを低くすることができる。なお、基材層4を共押し出しによって作製する場合、図7に示すように、ポリアミド層4aと第1ポリエステル層4bとの間や、ポリアミド層4aと第2ポリエステル層4cとの間に、接着剤層が介在されない。
基材層4には、製品情報を示すための印刷表示が施されていてもよい。印刷表示としては、文字、数字、記号、図形、絵柄などを挙げることができる。
なお、第1シート11及び第2シート12の層構成は、上述したものに限定されないことは言うまでもない。
次に、上述の袋10を製造する方法の一例について説明する。
まず、長尺状の第1シート11及び第2シート12を準備する。また、第1シート11の内面11xと第2シート12の内面12xとが向かい合うようにする。なお、第1シート11及び第2シート12は、別個のシートであってもよく、一体のシートであってもよい。また、第1シート11と第2シート12との間にチャックテープ31を配置する。
次に、第1フィルムの内面11xと第2シート12の内面12xとを部分的に接合して、上述の下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24に対応するシール部を形成する。また、チャックテープ31を第1シート11の内面11x及び第2シート12の内面12xに固定する。その後、第1シート11及び第2シート12を、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24に対応するシール部に沿って切断することにより、図1に示す袋10Aを得ることができる。
次に、上縁21aの未シール部21bを介して収容部13に固形物16を充填する充填工程を実施する。このとき、第1嵌合部32は第2嵌合部34に嵌合されていない。その後、袋10Aを上縁21aに沿って封止する工程を実施する。例えば、上縁21aに沿って第1シート11及び第2シート12を加熱して、内面11x及び内面12xを溶融させて上縁シール部21を形成する。その後、チャックテープ31の第1嵌合部32と第2嵌合部34とを嵌合させる。このようにして、固形物16が収容された袋10Bを得ることができる。
ここで、本実施の形態においては、袋10Aの寸法L1Aは、L1A≧2.5×L3という関係式を満たすように定められている。これによって、充填工程及び封止工程が、固形物16に起因する収容部13の盛り上がりによって阻害されてしまうことを抑制することができる。
また、本実施の形態においては、袋10の制限領域14の寸法L2Aは、L2A≧1.9×L3という関係式を満たすように定められている。これによって、チャックテープ31の第1嵌合部32と第2嵌合部34とを嵌合させる作業が、固形物16に起因する制限領域14の盛り上がりによって阻害されてしまうことを抑制することができる。
(袋の使用方法)
次に、袋10Bの使用方法の一例について説明する。まず、使用者は、袋10Bに収容された固形物16に袋10Bの外部から力を加える。これによって、固形物16を変形させることができる。例えば、固形物16を複数の個片に破砕することができる。
次に、使用者は、易開封手段17に沿って袋10Bを破断させる。また、チャックテープ31の第1嵌合部32を第2嵌合部34から外して、袋10Bを開封する。その後、使用者は、破砕された状態の固形物16を袋10Bの外部に取り出す。
このように本実施の形態によれば、袋10にチャックテープ31を設けて制限領域14を画成することにより、袋10Bの内部で固形物16が移動することを抑制したり、固形物16の移動量を低減したりすることができる。また、固形物16を、チャックテープ31、下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24の少なくとも1つに容易に押し付けることができる。従って、使用者が固形物16を変形させることの容易性を高めることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1変形例)
上述の実施の形態においては、収容部13に制限領域14を画成する制限手段30が、収容部13を横断するチャックテープ31を含む例を示した。本変形例においては、制限手段30が、第1シート11の内面11xと第2シート12の内面12xとを部分的に接合して制限領域14を画成する制限用接合部37を含む例について説明する。
図8は、固形物16が収容される前(固形物16が収容されておらず、かつ開口部を有している状態)の袋10Aを示す正面図である。また、図9は、固形物16が収容された後の袋10Bを示す正面図である。図8及び図9に示すように、制限用接合部37は、第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24に接続されたシール部である。制限用接合部37は、第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24から袋10の中心側へ突出するよう延びている。本変形例において、制限用接合部37が延びる方向は、第2方向D2に平行である。また、固形物16を充填するための未シール部21bは、上縁21aに沿って設けられている。
なお、図8及び図9においては、制限用接合部37が第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24の両方に設けられる例を示したが、これに限られることはない。制限用接合部37は、第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
本変形例において、制限領域14は、収容部13のうち制限用接合部37よりも下縁22a側に位置する領域として定義される。また、マージン領域15は、収容部13のうち制限用接合部37よりも上縁21a側に位置する領域として定義される。
制限領域14の寸法は、第1方向D1における固形物16の変位を効果的に制限するよう、固形物16の寸法に応じて定められる。本件発明者が鋭意研究を重ねた結果、後述する実施例によって支持されるように、制限領域14の寸法L2Aと固形物16の寸法L3との間に下記の関係式が成立している場合に、固形物16の変位を効果的に制限することができることを見出した。
1.3×L3≦L2A≦2.3×L3
従って、制限領域14の寸法L2Aは、好ましくは、この関係式を満たすよう、固形物16の寸法に応じて定められる。
収容部13の寸法L1Aと固形物16の寸法L3との間に好ましく成立する関係式は、上述の実施の形態の場合と同様に、L1A≧2.5×L3である。
図8において、符号S1は、第2方向D2における制限用接合部37の寸法を表す。制限用接合部37の寸法S1は、袋10Bに外力を加えたときに固形物16が制限用接合部37に効果的に引っかかるように設定されている。制限用接合部37の寸法S1は、例えば15mm以上である。また、寸法S1の上限は、L1A−2×S1が寸法S2の最小値よりも大きくなるよう、定められる。なお、制限用接合部37の寸法S1が大きくなり過ぎると、袋10Aに固形物16を充填する工程の手間が増加してしまうことが考えられる。この点を考慮し、制限領域14とマージン領域15との間の境界部分での、第2方向D2における収容部13の寸法S2は、好ましくは1.3×L4以上である。L4は、上述のとおり、長軸方向における固形物16の寸法である。また、寸法S2の上限は、L1A−S2が寸法S1の最小値を2倍した値よりも小さくなるよう、定められる。
本変形例においても、袋10に制限用接合部37を設けて制限領域14を画成することにより、袋10Bの内部で固形物16が移動することを抑制したり、固形物16の移動量を低減したりすることができる。また、固形物16を、制限用接合部37、下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24の少なくとも1つに容易に押し付けることができる。従って、使用者が固形物16を変形させることの容易性を高めることができる。
(第2変形例)
図10は、固形物16が収容される前(固形物16が収容されておらず、かつ開口部を有している状態)の、本変形例による袋10Aを示す正面図である。
上述の第1変形例においては、制限用接合部37が第2方向D2に平行に延びる例を示したが、これに限られることはない。図10に示すように、制限用接合部37は、第2方向D2に対して傾斜する方向に延びていてもよい。図10に示す例において、制限用接合部37は、第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24から離れるにつれて下縁22a側へ向かうように、すなわち制限領域14側へ向かうように、第2方向D2に対して傾斜している。
(第3変形例)
図11は、固形物16が収容される前(固形物16が収容されておらず、かつ開口部を有している状態)の、本変形例による袋10Aを示す正面図である。また、図12は、固形物16が収容された後の、本変形例による袋10Bを示す正面図である。
上述の第1変形例及び第2変形例においては、制限用接合部37が第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24に接続されている例を示したが、これに限られることはない。図11及び図12に示すように、制限用接合部37は、第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24から離間するように形成されていてもよい。
図11において、符号S3は、袋10Aの中心側に位置する制限用接合部37の端部から第1側縁シール部23の内縁又は第2側縁シール部24の内縁までの距離を表す。距離S3は、袋10Bに外力を加えたときに固形物16が制限用接合部37に効果的に引っかかるように設定されている。距離S3は、例えば15mm以上である。また、寸法S3の上限は、L1A−2×S1が寸法S2の最小値よりも大きくなるよう、定められる。
図11において、符号S4は、制限用接合部37と第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24との間の隙間を表す。隙間S4は、固形物16が隙間S4を通ることができないように設定されている。隙間S4は、例えば0.1×L3以下である。
(第4変形例)
図13は、固形物16が収容される前(固形物16が収容されておらず、かつ開口部を有している状態)の、本変形例による袋10Aを示す正面図である。また、図14は、固形物16が収容された後の、本変形例による袋10Bを示す正面図である。
上述の実施の形態及び各変形例においては、制限領域14において固形物16の変位が制限される方向である第1方向D1が、第1側縁23a及び第2側縁24aが延びる方向である例を示した。言い換えると、第1方向D1が、固形物16を充填するための未シール部21bに直交する方向である例を示した。しかしながら、第1方向D1が上述の例に限られることはない。本変形例においては、第1方向D1が、未シール部21bに平行する方向である例について説明する。
図13及び図14に示すように、本変形例においては、収容部13に制限領域14を区画するための制限用接合部37を、下縁シール部22に設ける。制限用接合部37は、下縁シール部22から袋10の中心側へ突出するよう延びている。本変形例において、制限用接合部37が延びる方向は、第1側縁23a及び第2側縁24aが延びる方向に平行である。
本変形例において、制限領域14は、収容部13のうち制限用接合部37よりも第1側縁23a側又は第2側縁24a側に位置する領域として定義される。図13及び図14に示す例において、制限領域14は、収容部13のうち制限用接合部37よりも第1側縁23a側に位置する領域である。この場合、制限用接合部37によって固形物16の変位が抑制される第1方向D1は、下縁シール部22に平行な方向である。すなわち、第1方向D1は、未シール部21bに平行な方向である。
本変形例においても、制限領域14の寸法L2Aは、第1方向D1における固形物16の変位を効果的に制限するよう、固形物16の寸法に応じて定められる。上述の第1の変形例の場合と同様に、好ましくは、第1方向D1における制限領域14の寸法L2Aと固形物16の寸法L3との間に下記の関係式が成立する。
1.3×L3≦L2A≦2.3×L3
本変形例においても、袋10に制限用接合部37を設けて制限領域14を画成することにより、袋10Bの内部で固形物16が移動することを抑制したり、固形物16の移動量を低減したりすることができる。また、固形物16を、制限用接合部37、下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24の少なくとも1つに容易に押し付けることができる。従って、使用者が固形物16を変形させることの容易性を高めることができる。
(第5変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、袋10Bが1つの固形物16を収容する例を示した。本変形例においては、袋10Bが複数の固形物16を収容する例について説明する。
図15は、チャックテープ31を備えた袋10Bが、2つの固形物16を収容する例を示す図である。また、図16は、下縁シール部22に設けられた制限用接合部37を備えた袋が、2つの固形物16を収容する例を示す図である。なお、図16に示す例においては、収容部13のうち制限用接合部37よりも第1側縁23a側に位置する領域、及び、収容部13のうち制限用接合部37よりも第2側縁24a側に位置する領域のいずれもが、第1方向D1における固形物16の変位を制限する制限領域14として機能できる。
(第6変形例)
上述の実施の形態及び各変形例においては、袋10が矩形状の輪郭を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、袋10が矩形状以外の輪郭を有していてもよい。本変形例においては、袋10の制限領域14が、第1方向D1における端部に向かうにつれて先細になる例について説明する。図17は、固形物16が収容される前の、本変形例による袋10Aを示す正面図である。また、図18は、固形物16が収容された後の、本変形例による袋10Bを示す正面図である。
図17及び図18に示すように、袋10の制限領域14は、第1方向D1における端部(ここでは下縁22a)に向かうにつれて第2方向D2における幅が小さくなる先細部分14aを含む。例えば、第1側縁シール部23及び第1側縁23aは、少なくとも部分的に、下縁22aに向かうにつれて第2側縁シール部24及び第2側縁24aに近づくように第1方向D1に対して傾斜した部分を含む。同様に、第2側縁シール部24及び第2側縁24aは、少なくとも部分的に、下縁22aに向かうにつれて第1側縁シール部23及び第2側縁23aに近づくように第1方向D1に対して傾斜した部分を含む。この結果、袋10の制限領域14は、先細部分14aを含むようになる。
図17及び図18に示すように、制限領域14は、先細部分14aよりも第1方向D1における端部側(ここでは下縁22a側)に位置し、第2方向D2における幅が一定になる幅狭部分14bを更に含んでいてもよい。
本変形例においては、ノッチなどの上述の易開封手段17を、制限領域14の先細部分14a又は幅狭部分14bに面する第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24に形成する。この場合、易開封手段17を利用して袋10を破断すると、変形された(例えば破砕された)固形物16を取り出すための取出口が、幅が狭められた先細部分14a又は幅狭部分14bに形成される。破砕された固形物16を、先細部分14a又は幅狭部分14bを通した後に外部へ取り出すことにより、例えば、破砕された固形物16を絞り出すという作業が容易になる。
本変形例において、制限手段30は、例えば、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24に設けられた制限用接合部37を含む。制限用接合部37はそれぞれ、第1側縁シール部23又は第2側縁シール部24から袋10の中心側へ突出するよう延びている。
図17において、符号S5は、第2方向D2における幅狭部分14bの寸法(若しくは、第2方向D2における先細部分14aの寸法の最小値)を表す。寸法S5は、好ましくは、制限領域14とマージン領域15との間の境界部分での、第2方向D2における収容部13の寸法S2よりも小さい。例えば、寸法S5は、0.3×S2以下である。
本変形例においても、制限用接合部37などの制限手段30を袋10に設けて制限領域14を画成することにより、袋10Bの内部で固形物16が移動することを抑制したり、固形物16の移動量を低減したりすることができる。また、固形物16を、制限用接合部37、下縁シール部22、第1側縁シール部23及び第2側縁シール部24の少なくとも1つに容易に押し付けることができる。従って、使用者が固形物16を変形させることの容易性を高めることができる。
なお、図18においては、袋10Bが複数の固形物16を収容する例を示したが、これに限られることはなく、袋10Bが1つの固形物16を収容していてもよい。
(袋の変形例)
上述の本実施の形態においては、袋10が、四方シール袋として構成される例を示したが、これに限られることはない。例えば、図示はしないが、袋10が三方シール袋(平パウチ)やピロー袋として構成されていてもよい。すなわち、袋10を封止することができる限りにおいて、連結部20の構成はシール部には限られない。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
上述の図1に示す袋10Aでの、第1方向D1における制限領域14の寸法L2Aを変化させて、使用者が固形物16を変形させることができるか否かを評価した。固形物16としては、1個のゆで卵を用いた。
まず、ゆで卵の寸法を測定した。具体的には、6個のゆで卵を準備し、6個のゆで卵のそれぞれについて、長軸方向における長軸寸法、及び、長軸方向(X軸方向)に直交する短軸方向(Y軸方向)における短軸寸法L3を測定した。1個のゆで卵につき、長軸寸法及び短軸寸法L3を3点で測定した。従って、長軸寸法及び短軸寸法L3それぞれについて、合計で18個の測定データが得られた。測定データの平均を算出した結果、長軸寸法の平均値は58mmであり、短軸寸法L3の平均値は44mmであった。下記の評価においては、短軸寸法L3の値として44mmを用いている。なお、長軸方向(X軸方向)及び短軸方向(Y軸方向)の両方に直交する厚み方向(Z軸方向)においてゆで卵の寸法を測定したところ、厚み方向における寸法は、短軸方向における寸法と同一であった。
次に、第1方向D1における制限領域14の寸法L2Aが44mm(1.0×L3)、83.6mm(1.9×L3)、88mm(2.0×L3)、101mm(2.3×L3)、110mm(2.5×L3)、及び118.8mm(2.7×L3)である袋10Aをそれぞれ作製した。第2方向D2における制限領域14の寸法は、いずれも125mmとした。また、第1方向D1における収容部13全体の寸法L1Aは、いずれも115mmとした。
次に、上縁21aの未シール部21bを介して収容部13に固形物16を充填した。その後、袋10Aを下縁22aに沿って封止して下縁シール部22を形成して、固形物16が収納された袋10Bを作製した。
次に、袋10Bの制限領域14における固形物16の収容性を評価した。結果を図19に示す。図19の「固形物の収容性」の欄において、○は、制限領域14に固形物16が収容されたことを意味する。×は、制限領域14に固形物16が適切に収容されなかったこと、ここでは、チャックテープ31の第1嵌合部32を第2嵌合部34に嵌合させることができなかったことを意味する。
次に、袋10Bの制限領域14に外力を加えた場合の、固形物16の収容性を評価した。結果を図19に示す。図19の「固形物の変形性」の欄において、○は、袋10Bを1回押圧したとき、制限領域14における固形物16の変位がチャックテープ31によって制限されたことを意味する。×は、固形物16がチャックテープ31に接触するまでに袋10Bを2回以上押圧する必要があったことを意味する。
図19に示すように、制限領域14の寸法L2Aと固形物16の寸法L3との間に下記の関係式が成立している場合に、制限領域14に適切に固形物16を収容し、且つ、固形物16の変位を効果的に制限することができた。
1.9×L3≦L2A≦2.5×L3
(実施例2)
上述の図8に示す袋10Aでの、第1方向D1における制限領域14の寸法L2Aを変化させて、使用者が固形物16を変形させることができるか否かを評価した。固形物16としては、実施例1の場合と同様に、1個のゆで卵を用いた。
第1方向D1における制限領域14の寸法L2Aが44mm(1.0×L3)、57mm(1.3×L3)、66mm(1.5×L3)、88mm(2.0×L3)、101mm(2.3×L3)、及び110mm(2.5×L3)であり、制限用接合部37の寸法S1が20mmである袋10Aをそれぞれ作製した。第2方向D2における制限領域14の寸法は、いずれも125mmとした。また、第1方向D1における収容部13全体の寸法L1Aは、いずれも140mmとした。
次に、上縁21aの未シール部21bを介して収容部13に固形物16を充填した。その後、袋10Aを上縁21aに沿って封止して上縁シール部21を形成して、固形物16が収納された袋10Bを作製した。
次に、袋10Bの制限領域14における固形物16の収容性を評価した。結果を図20に示す。図20の「固形物の収容性」の欄において、○は、制限領域14に固形物16が収容されたことを意味する。×は、制限領域14に固形物16が適切に収容されなかったこと、ここでは、固形物16が、制限用接合部37によって画成される制限領域14から部分的にマージン領域15へはみ出していたことを意味する。
次に、袋10Bの制限領域14に外力を加えた場合の、固形物16の収容性を評価した。結果を図20に示す。図20の「固形物の変形性」の欄において、○は、袋10Bを1回押圧したとき、制限領域14における固形物16の変位が制限用接合部37によって制限されたことを意味する。×は、固形物16が制限用接合部37に接触するまでに袋10Bを2回以上押圧する必要があったことを意味する。
図20に示すように、制限領域14の寸法L2Aと固形物16の寸法L3との間に下記の関係式が成立している場合に、制限領域14に適切に固形物16を収容し、且つ、固形物16の変位を効果的に制限することができた。
1.3×L3≦L2A≦2.3×L3
(実施例3)
第1方向D1における収容部13全体の寸法L1Aを変化させて、固形物16が充填された袋10Aの未シール部を適切に封止することができるか否かを評価した。固形物16としては、1個のゆで卵を用いた。袋10Aとしては、図8に示す、制限用接合部37を備える袋10Aを用いた。
第1方向D1における収容部13全体の寸法L1Aが66mm(1.5×L3)、88mm(2.0×L3)、110mm(2.5×L3)、及び132mm(3.0×L3)であり、制限用接合部37の寸法S1が20mmである袋10Aをそれぞれ作製した。第2方向D2における制限領域14の寸法は、いずれも125mmとした。また、第1方向D1における制限領域14の寸法L2Aは、いずれも57mmとした。
上縁21aの上縁シール部21を介して収容部13に固形物16を充填し、その後、袋10Aを上縁21aに沿って封止して上縁シール部21を適切に形成できるか否かを評価した。結果を図21に示す。
図21の「袋の封止性(手動)」の欄において、○は、袋10Aに手動で固形物16を詰め、そして上縁21aを手動で加熱して上縁シール部21を形成することができたことを意味する。×は、袋10Aに手動で固形物16を詰めること、又は、上縁21aを手動で加熱して上縁シール部21を形成することができなかったことを意味する。
また、図21の「袋の封止性(装置)」の欄において、○は、充填装置を用いて袋10Aに固形物16を充填し、そして充填装置を用いて上縁21aを加熱して上縁シール部21を形成することができたことを意味する。×は、充填装置を用いて袋10Aに固形物16を充填すること、又は、充填装置を用いて上縁21aを加熱して上縁シール部21を形成することができなかったことを意味する。
図21に示すように、収容部13全体の寸法L1Aが固形物16の寸法L3の2.5倍以上である場合、手動で固形物16を充填し、手動で袋10Aを封止することができた。また、収容部13全体の寸法L1Aが固形物16の寸法L3の3.0倍以上である場合、充填装置を用いて固形物16を充填し、充填装置を用いて袋10Aを封止することができた。従って、L1Aは、2.5×L3以上であることが好ましく、3.0×L3以上であることが更に好ましい。