以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。また、各図中のドットが表示された領域はシールされた部分を示している。本発明の実施の形態において「シールする」とは、2つのフィルム同士を接着して2つのフィルム同士の間を気密に封止することを意味する。
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る包装体1の構成について説明する。図1および図2は、内容物10(図6参照)が包装体1に収納される前の状態を示している。本実施の形態に係る包装体1は、第1側面フィルム11と、第2側面フィルム12と、底フィルム13とを有している。第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、例えば、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が互いに重なる方向から見て矩形の形状を有していてもよい。第2側面フィルム12は、第1側面フィルム11に向かい合うように配置されている。また、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々は、同一の寸法を有していてもよい。
底フィルム13は、第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に配置されている。底フィルム13は、包装体1の天地方向(上下方向)HDにおいて包装体1の下端から第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に挿入されている。底フィルム13は、2つ折りの状態で折り目から第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に挿入されている。包装体1は、底フィルム13を底として自立可能に構成されている。すなわち、包装体1は、スタンディングパウチである。
包装体1は、周縁部20と、収納部30と、形状保持部材40とを備えている。周縁部20は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁に配置されている。周縁部20は、周縁シール部21と、底シール部22と、シール予定部23とを含んでいる。周縁シール部21は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の一部をシールしている。本実施の形態では、周縁シール部21は、包装体1の幅方向(左右方向)WDにおいて包装体1の両側の側端に配置されている。
底シール部22は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の各々と底フィルム13とをそれぞれシールしている。底シール部22は、包装体1の天地方向HDにおいて包装体1の下端に配置されている。シール予定部23は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の他部をシールしていない状態で包装体1の外部と収納部30とを連通している。すなわち、内容物10が包装体1に収納される前の状態では、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の一部はシールされており、他部はシールされていない。
シール予定部23は、包装体1の外部から内容物10を収納部30に収納する際に内容物10を通すためのものである。シール予定部23は、内容物10が収納部30に収納される前の状態ではシールされていない。シール予定部23は、包装体1の外部からシール予定部23を通って内容物10が収納部30に収納された後にシールされる。本実施の形態では、シール予定部23は、包装体1の天地方向HDにおいて包装体1の上端に設けられている。なお、シール予定部23の位置は包装体1の上端に限定されない。シール予定部23は、例えば、包装体1の幅方向WDにおいて包装体1の側端に設けられてもよい。
内容物10が収納部30に収納される前の状態では、包装体1の周縁部20は、シールされた領域である周縁シール部21および底シール部22と、シールされていない領域であるシール予定部23を有している。すなわち、内容物10が収納部30に収納される前の状態では、包装体1の周縁部20は、シール予定部23以外においてシールされている。包装体1の周縁部20は、具体的には、例えば、熱溶着によりシールされていてもよい。
第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々は、積層体により構成されていてもよい。具体的には、第1側面フィルム11、第2側面フィルム12および底フィルム13の各々は、例えば、シールされる側からリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、ナイロン(NY)、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)の各層が重ねられた3層構造を有していてもよい。また、これらの各層の厚みは、例えば、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が60μmであり、ナイロン(NY)が25μmであり、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)が12μmであってもよい。
収納部30は内容物10を収納するように構成されている。内容物10は、例えば、ポテトサラダなどの食品であってもよい。収納部30は、周縁部20に囲まれている。具体的には、第1側面フィルム11から第2側面フィルム12に向かう方向において、第1側面フィルム11側から包装体1を見たときに、収納部30は周縁部20に囲まれている。すなわち、平面視(正面視)において、収納部30は周縁部20に囲まれている。
包装体1は、開封機構として開口予定部50を有している。具体的には、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の少なくともいずれかは、包装体1の外部と収納部30とを連通するように開口するための開口予定部50を含んでいる。開口予定部50は、開口予定部50が開口した後に内容物を取り出すためのものである。内容物10が包装体1に収納される前の状態では開口予定部50は開口していない。開口予定部50は、包装体1の天地方向HDにおいて、形状保持部材40とシール予定部23との間に配置されている。開口予定部50は、包装体1の天地方向HDにおいて、形状保持部材40よりも上側に配置されている。開口予定部50は、包装体1の幅方向WDにおいて、両側の側端の間に配置されている。開口予定部50においては、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の少なくともいずれかの表面にレーザー加工により溝が設けられていてもよい。包装体1の幅方向WDにおいて、開口予定部50を挟むように両側の側端に切り込みCUが設けられている。
切り込みCUは、包装体1の幅方向WDの両端に設けられている。つまり、切り込みCUは、包装体1の幅方向WDの一端1aおよび他端1bにそれぞれ設けられている。切り込みCUは、包装体1の天地方向HDにおいて一端1aおよび他端1bにおいて同じ高さ位置に配置されていてもよい。切り込みCUは、包装体1の幅方向WDの両端の各々において反対側の端に向かって直線状に延在している。なお、切り込みCUは、包装体1の幅方向WDの両端のうちいずれか一方のみに設けられていてもよい。
切り込みCUは、包装体1の天地方向HDにおいて、形状保持部材40とシール予定部23との間に配置されている。シール予定部23がシールされた状態で、切り込みCUから包装体1の幅方向WDに第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断されることにより包装体1が開口される。
開口予定部50は、切り込みCUから包装体1の幅方向WDに第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断された後の包装体1の上端に配置される。つまり、開口は、包装体1の天地方向HDにおいて包装体1の一方端E1と他方端E2との間に配置される。
形状保持部材40は、第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に配置されている。形状保持部材40は、収納部30に対して露出している。つまり、形状保持部材40は収納部30側においてラミネートフィルムによって覆われていない。形状保持部材40は、第1側面フィルム11に取り付けられている。形状保持部材40は、シート状に構成されている。形状保持部材40は、帯状に構成されている。包装体1の天地方向HDにおける形状保持部材40の幅は一定であってもよい。包装体1の天地方向HDにおける形状保持部材40の幅は、例えば3mm以上30mm以下であってもよい。
形状保持部材40は、開口予定部50と底シール部22との間に配置されている。包装体1の天地方向HDにおいて、形状保持部材40は、開口予定部50と底シール部22との間に配置されている。この状態では、形状保持部材40は湾曲していない。形状保持部材40は、第2側面フィルム12から第1側面フィルム11に向かう方向に突出するように湾曲した状態で形状を保持可能である。包装体1の天地方向HDにおいて、形状保持部材40は開口予定部50よりも底シール部22に向けて1mm以上20mm以下の位置に配置されていることが好ましい。
形状保持部材40は、包装体1の幅方向WDの中央に配置されていることが好ましい。また、形状保持部材40は、包装体1の幅方向WDの両端にわたって連続して配置されていることが好ましい。本実施の形態では、形状保持部材40は、包装体1の幅方向WDの両端にわたって連続して配置されている。
図3および図4を参照して、形状保持部材40は、超延伸シートSSと、第1シートS1と、イージーピール層EPとを含んでいる。超延伸シートSSと第1シートS1とイージーピール層EPとは互いに積層されている。超延伸シートSSは、第1シートS1とイージーピール層EPとに挟まれている。超延伸シートSSは、包装体1の天地方向HDに交差する幅方向WDに延在する。
超延伸シートSSは、分子を一軸方向に配向させたものである。超延伸シートSSの分子配向方向は、包装体1の幅方向WDに沿っている。超延伸シートSSは、分子配向方向に沿う折り曲げ線を中心としては屈曲することが容易であり、分子配向方向に交差する折り曲げ線を中心としては屈曲することが困難であるとともに屈曲された状態で形状を保持することが可能に構成されている。したがって、超延伸シートSSが取り付けられた第1側面フィルム11は、デッドホールド性を有する。このデッドホールド性とは屈曲された状態を保持する性質である。
第1シートS1およびイージーピール層EPは超延伸シートSSを第1側面フィルム11と第2側面フィルム12とが向かい合う方向に挟むように構成されている。第1シートS1およびイージーピール層EPの各々は、包装体1の天地方向HDに交差する幅方向WDに延在する。第1シートS1およびイージーピール層EPの各々は、包装体1の天地方向HDにおいて、超延伸シートSSと同じ幅を有していてもよい。
第1シートS1は、超延伸シートSSと第1側面フィルム11とに取り付けられている。第1シートS1の融点は、超延伸シートSSの融点よりも低い。イージーピール層EPは、超延伸シートSSと第2側面フィルム12との間において超延伸シートSSに取り付けられている。イージーピール層EPは、超延伸シートSSに第1シートS1と反対側に取り付けられている。イージーピール層EPの融点は、超延伸シートSSの融点よりも低い。
イージーピール層EPは、イージーピール性を有している。イージーピール性とは、シール部が手などで剥離(ピール)し易く、かつ、ある程度の剥離強度を有する性質をいう。JIS-Z0238のヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法の袋の使用目的に応じたヒートシール強さの目安によれば、ヒートシール強さは、イージーピールの袋などでヒートシール強さが小さくてよい場合3N/15mm以上とされ、普通のヒートシール強さを要する場合6N/15mm以上とされている。本実施の形態では、イージーピール層EPのヒートシール強さは、例えば、3N/15mm以上6N/15mm未満である。
イージーピール層EPは、第2側面フィルム12に剥離可能に取り付けられるように構成されている。イージーピール層EPは、凝集剥離することにより第2側面フィルム12から剥離するように構成されている。また、イージーピール層EPは、界面剥離することにより第2側面フィルム12から剥離するように構成されていてもよい。この場合、イージーピール層EPは、超延伸シートSSよりも第2側面フィルム12から剥離し易いように構成されている。さらに、イージーピール層EPが第2側面フィルム12から剥離するために要する力は、第1シートS1が第1側面フィルム11から剥離するために要する力よりも小さい。また、イージーピール層EPは複数の層により構成されていてもよい。この場合、イージーピール層EPは、複数の層で層間剥離することにより第2側面フィルム12から剥離するように構成されていてもよい。
図1および図5を参照して、本実施の形態では、第1シートS1およびイージーピール層EPの各々は、包装体1の幅方向WDの両端に配置されている。包装体1の幅方向WDの両端において、第1シートS1およびイージーピール層EPの各々は、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12に挟まれている。
包装体1の幅方向WDの両端において、第1シートS1は第1側面フィルム11に溶着されており、イージーピール層EPは第2側面フィルム12に溶着されている。なお、この状態においては、イージーピール層EPは、包装体1の幅方向WDの両端以外では、第2側面フィルム12に溶着されていない。
第1シートS1およびイージーピール層EPの各々の融点は超延伸シートSSの融点よりも低いため、第1シートS1およびイージーピール層EPの各々は超延伸シートSSに比べて第1側面フィルム11および第2側面フィルム12に溶着することが容易となる。
また、形状保持部材40が超延伸シートSSのみで構成されている場合には、包装体1の幅方向WDの両端において、第1側面フィルム11と第2側面フィルム12とが溶着される際に、超延伸シートSSの上下に第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間の隙間GPが形成される。
これに対して、本実施の形態では、形状保持部材40が超延伸シートSSを挟む第1シートS1およびイージーピール層EPを有しているため、溶着時に第1シートS1およびイージーピール層EPが溶けることにより超延伸シートSSの上下で第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に形成される隙間GPを埋める。
したがって、本実施の形態では、形状保持部材40が超延伸シートSSのみで構成されている場合よりも、溶着時に形状保持部材40の上下で第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間に形成される隙間GPが小さくなる。つまり、第1シートS1およびイージーピール層EPの埋まりが良くなる。
また、本実施の形態では、第1シートS1およびイージーピール層EPが超延伸シートSSの両側に配置されているため、第1シートS1およびイージーピール層EPのいずれか一方のみが超延伸シートSSの片側に配置されている場合に比べて、溶着時に形状保持部材40の上下で第1側面フィルム11と第2側面フィルムとの間に形成される隙間GPが小さくなる。
本実施の形態では、超延伸シートSSは、ハイデンシティポリエチレン(HDPE)からなるシートである。また、第1シートS1はリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)からなるシートである。また、イージーピール層EPは、ポリエチレン系フィルムからなっている。このポリエチレン系フィルムは、例えば、ポリエチレンにポリプロピレンをブレンドしたブレンド樹脂である。形状保持部材40は、シールされる側から、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、ハイデンシティポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン系フィルムの各層が重ねられた3層構造を有している。また、これらの厚みは、例えば、ハイデンシティポリエチレン(HDPE)が300μmであり、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が30μmであり、ポリエチレン系フィルムが30μmであってもよい。
次に、図6~図8を参照して、内容物10が収納部30に収納された状態における包装体1の構成について説明する。図6に示されるように、この状態では、包装体1は、収納部30に収納された内容物10をさらに備えている。内容物10が収納部30に収納された状態において、シール予定部23では、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の他部がシールされている。シール予定部23では、具体的には、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12は互いに熱溶着によりシールされていてもよい。これにより、全ての周縁部20がシールされている。したがって、内容物10が収納部30に収納された状態において収納部30は密閉されている。
図7および図8に示されるように、内容物10が収納部30に収納された状態において、イージーピール層EPは第2側面フィルム12に取り付けられている。具体的には、イージーピール層EPは第2側面フィルム12に溶着されている。また、第1シートS1は第1側面フィルム11に溶着されている。したがって、内容物10が収納部30に収納された状態で、包装体1の天地方向HDにおいて形状保持部材40よりも上側に内容物10が入ることが抑制される。また、包装体1の天地方向HDにおいて形状保持部材40よりも上側での第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間の空間が小さくなる。
次に、図9~図12を参照して、包装体1が開口予定部50で開口された状態における包装体1の構成について説明する。この包装体1が開口予定部50で開口された状態では、包装体1の天地方向HDにおいて開口よりも上端側の第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の部分は切り取られている。この状態では、図6~図8に示された状態と同様に、包装体1は、収納部30に収納された内容物10をさらに備えている。開口予定部50は、包装体1の外部と収納部30とを連通するように開口している。
図9に示されるように、包装体1の使用者によって、切り込みCUから包装体1の幅方向WDに第1側面フィルム11および第2側面フィルム12が切断されることにより包装体1が開口予定部50で開口される。
図10および図11に示されるように、包装体1が開口予定部50で開口された後に、包装体1の使用者によって、イージーピール層EPは包装体1の幅方向WDの中央において第2側面フィルム12から剥離される。したがって、イージーピール層EPは、幅方向WDの中央において第2側面フィルム12から剥離されている。
続いて、図12に示されるように、包装体1が開口予定部50で開口された後に、包装体1の使用者によって、図12中矢印Aで示されるように、形状保持部材40が第2側面フィルム12と反対側に突出するように湾曲した状態に変形される。これにより、形状保持部材40が取り付けられた第1側面フィルム11は、形状保持部材40の形状にあわせて第2側面フィルム12と反対側に突出するように湾曲した状態に変形される。このとき、図12中矢印Bで示されるように、包装体1の天地方向HDの上端において、周縁シール部21は、包装体1の幅方向WDにおける両端が互いに近づくように変形される。これにより、図12中矢印Cで示されるように、開口を構成する第2側面フィルム12は、第1側面フィルム11が湾曲する方向に対して反対側に湾曲する。このようにして開口が拡げられる。そして、この開口が拡げられた状態で形状保持部材40が形状を保持することにより、包装体1の天地方向HDの上端に設けられた開口の形状が保持される。このようにし、開口が拡げられた状態が保持される。
次に、本実施の形態に係る包装体1の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る包装体1によれば、形状保持部材40は、開口予定部50と底シール部22との間に配置されており、かつ包装体1の幅方向WDに延在する超延伸シートSSを含んでいる。超延伸シートSSの分子配向方向は、包装体1の幅方向WDに沿っている。超延伸シートSSは、分子配向方向に沿う折り曲げ線を中心としては屈曲することが容易であり、分子配向方向に交差する折り曲げ線を中心としては屈曲することが困難であるとともに屈曲された状態で形状を保持することが可能である。したがって、超延伸シートSSは、第1側面フィルム11と第2側面フィルム12とが向かい合う方向に屈曲させた状態で形状を保持することが可能である。このため、超延伸シートSSの形状にあわせて第1側面フィルム11および第2側面フィルム12を変形させた状態で形状を保持することが可能である。このようにして、包装体1が開口予定部50で開口されたときに、形状保持部材40によって開口が拡げられた状態を保持することができる。したがって、開口から内容物10を取り出すことが容易となる。また、収納部30への食器の出し入れを簡単に行うことが可能となる。
また、形状保持部材40のイージーピール層EPは、イージーピール性を有し、かつ第2側面フィルム12に剥離可能に取り付けられるように構成されている。このため、内容物10が収納された状態において、イージーピール層EPが第2側面フィルム12に取り付けられることにより、内容物10が形状保持部材40と開口予定部50との間に入ることを抑制することが可能となる。また、イージーピール層EPが第2側面フィルム12から剥離されることにより内容物10を開口から取り出すことが可能となる。
本実施の形態に係る包装体1では、イージーピール層EPにより形状保持部材40と開口予定部50との間に内容物10が入ることを抑制することができる。したがって、包装体1が開口予定部50で開封される時に、内容物10が邪魔にならないため、包装体1を開封し易くすることができる。なお、ポテトサラダなどの粘度が高い内容物10は、包装体1の収容部30内において上部へ押し上がる。本実施の形態に係る包装体1では、このような粘度が高い内容物10であっても形状保持部材40よりも上側に内容物10が押し上がることを抑制することができるため包装体1を開封し易くすることができる。
本実施の形態に係る包装体1では、イージーピール層EPにより形状保持部材40と開口予定部50との間に内容物10が入ることを抑制することができる。したがって、包装体1が開口予定部50で開封される時に、内容物10が使用者の手に付着することを抑制することができる。これにより、包装体1の開封時に使用者の手を汚れ難くすることができる。さらに、包装体1の開封時に内容物10に使用者の手が接触することによる衛生の悪化を抑制することができる。本実施の形態に係る包装体1では、粘度が高い内容物10であっても包装体1の開封時に内容物10が使用者の手に付着することを抑制することができる。
本実施の形態に係る包装体1では、イージーピール層EPにより形状保持部材40と開口予定部50との間に内容物10が入ることを抑制することができる。したがって、形状保持部材40と開口予定部50との間での第1側面フィルム11と第2側面フィルム12との間の空間を小さくすることができる。このため、包装体1の開封時のカット性を向上させることができる。これにより、易開封性を向上させることができる。
本実施の形態に係る包装体1では、形状保持部材40に沿って開口予定部50において包装体1を開口することができる。このため、開口予定部50において包装体1を開口することが容易である。これによっても、易開封性を向上させることができる。
本実施の形態に係る包装体1では、イージーピール層EPが第2側面フィルム12に取り付けられるため、形状保持部材40と底シール部22との間に内容物10を封止することができる。したがって、形状保持部材40に対して底シール部22と反対側に配置された開口予定部50においてバリア性を低下させることが可能となる。このため、開口予定部50においてレーザー加工により溝を設けることが可能となる。この溝により開口予定部50において包装体1を開口することが容易となる。これによっても、易開封性を向上させることができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、超延伸シートSSはハイデンシティポリエチレンからなり、イージーピール層EPはポリエチレン系フィルムからなっている。このため、超延伸シートSSにイージーピール層EPを熱ラミネート加工により直接接着することができる。したがって、包装体1の生産性を向上させることができる。また、超延伸シートSSにイージーピール層EPを接着剤により接着しないため、包装体1内に接着剤が浸み出すことを防止することができる。
本実施の形態に係る包装体1では、イージーピール層EPはポリエチレン系フィルムからなっているため、シール予定部23をシールするときにイージーピール層EPを一緒にシールすることができる。したがって、包装体1の生産性を向上させることができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、形状保持部材40は包装体1の幅方向WDの両端にわたって連続して配置されている。このため、第1側面フィルム11に取り付けられた形状保持部材40が第2側面フィルム12と反対側に湾曲されることにより、形状保持部材40の剛性によって第2側面フィルム12が第1側面フィルム11と反対側に湾曲する。これにより、包装体1を開口させることが容易となる。また、包装体1の幅方向WDの中央を湾曲させることにより包装体1の幅方向WDの両端にわたって包装体1を開口させることが容易となる。さらに、形状保持部材40を包装体1の幅方向WDの両端にわたって連続して形成することにより、形状保持部材40の製造が容易となる。
また、包装体1の幅方向WDの両端において、イージーピール層EPは第2側面フィルム12に溶着されている。超延伸シートSSはハイデンシティポリエチレンからなり、イージーピール層EPはポリエチレン系フィルムからなっている。このため、イージーピール層EPの融点を超延伸シートSSの融点よりも低くすることができる。したがって、溶着時にイージーピール層EPが溶けることにより、超延伸シートSSの上下で第1側面フィルムと第2側面フィルム12との間に形成される隙間GPが埋められる。よって、この隙間GPから空気、水蒸気、内容物10などが漏れることを抑制することができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、内容物10が収納部30に収納された状態において、シール予定部23では、第1側面フィルム11および第2側面フィルム12の互いの周縁の他部がシールされている。このため、内容物10が収納部30に収納された状態において、収納部30を密閉することができる。また、内容物10が収納部30に収容された状態において、イージーピール層EPが第2側面フィルム12に取り付けられている。このため、形状保持部材40と開口予定部50との間に内容物10が入ることを抑制することができる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、開口予定部50は、包装体1の外部と収納部30とを連通するように開口している。このため、開口予定部50が開口した状態において、開口が拡げられた状態を形状保持部材40によって保持することができる。また、イージーピール層EPは、幅方向WDの中央において第2側面フィルム12から剥離されているため、開口から内容物10を取り出すことができる。
(実施の形態2)
図13を参照して、本発明の実施の形態2に係る包装体1の構成について説明する。本実施の形態に係る包装体1は、実施の形態1に係る包装体1に比べて、包装体1の外形が主に異なっている。具体的には、包装体1の幅方向WDの両端の形状が主に異なっている。
包装体1は、包装体1の天地方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの幅が大きくなるように構成されている。すなわち、包装体1は、包装体1の天地方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの寸法が大きくなるテーパ形状を有している。また収納部30も包装体1の天地方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの幅が大きくなるように構成されている。したがって、収納部30の包装体1の幅方向WDの断面における断面積は、包装体1の天地方向HDにおいて下端から開口に向かって大きくなる。
本実施の形態に係る包装体1によれば、包装体1は、包装体1の天地方向HDにおいて下端から上端に向かって包装体1の幅方向WDの寸法が大きくなるテーパ形状を有しているため、開口が拡げられた状態でより安定する。
なお、上記の実施の形態1および2は適宜組み合わせることができる。
以下、本発明の実施例について比較例と対比して説明する。なお、特に言及しない限り、本発明の実施例は上記の実施の形態の包装体と同様の構成を備えている。
実施例および比較例1~2の各々の包装体を用いて、比較官能評価を実施した。実施例は本発明の実施例である。比較例1~2は、本発明の実施例に対する比較例である。実施例および比較例1~2の各々の包装体は、第1側面フィルムと、第2側面フィルムと、底フィルムとを有するスタンディングパウチである。実施例および比較例1~2の各々の内容物は、ポテトサラダである。実施例および比較例1~2の包装体では、包装体を外部と収納部とを連通するように開口させた状態で比較官能評価を行った。
実施例および比較例1~2の各々の包装体は天地方向において下端から上端に向かって包装体の幅方向の寸法が大きくなるテーパ形状を有している。実施例および比較例1~2の各々の包装体の収納部には内容物が収納されている。実施例および比較例1~2の各々の包装体の天地方向の全長は100mmであり、包装体の上端での幅方向の全幅は150mmであり、包装体の下端での幅方向の全幅は140mmである。
第1側面フィルム、第2側面フィルムおよび底フィルムの各々は、シールされる側からリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、ナイロン(NY)、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)の各層がシールされる側から重ねられた3層構造を有している。また、これらの各層の厚みは、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が60μmであり、ナイロン(NY)が25μmであり、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)が12μmである。
形状保持部材の第1シート、超延伸シート、イージーピール層の各々は、シールされる側から、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)、ハイデンシティポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン系フィルムの各層が重ねられた3層構造を有している。また、これらの厚みは、例えば、ハイデンシティポリエチレン(HDPE)が300μmであり、リニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)が30μmであり、ポリエチレン系フィルムが30μmである。
実施例の包装体では、形状保持部材が設けられている。実施例の包装体では、第1側面フィルムに形状保持部材が取り付けられている。実施例の包装体では、形状保持部材はイージーピール層を含んでいる。比較例1の包装体では、第1側面フィルムに形状保持部材が取り付けられている。比較例1の包装体では、形状保持部材はイージーピール層を含んでいない。比較例2の包装体では、形状保持部材が設けられていない。
比較官能評価の結果を表1に示す。表1に示されるように、比較官能評価では、開口性、易開封性、手の汚れ難さ、総合評価の各々を評価した。開口性は、開口予定部の開口のし易さである。易開封性は、包装体の開封のし易さである。手の汚れ難さは、包装体の開封時における内容物の使用者の手への付着し難さである。総合評価は、開口性、易開封性、手の汚れ難さの平均値である。これらの評価は数字1~5を用いて5段階で評価した。具体的には、最も悪い場合には1とし、最も良い場合には5とし、中間は3として評価した。評価者は5人とした。評価の数値は5人の平均値とした。
比較官能評価の結果、実施例は比較例1~2よりも開封性の評価が高くなった。実施例では、イージーピール層により形状保持部材と開口予定部との間に内容物が入ることが抑制される。このため、包装体の開封時に内容物が邪魔にならない。したがって、実施例は比較例1~2に比べて開封し易いことがわかった。また、実施例は比較例1~2よりも手の汚れ難さの評価が高くなった。実施例では、イージーピール層により形状保持部材と開口予定部との間に内容物が入ることが抑制される。このため、包装体の開封時に内容物が手に付着することが抑制される。これにより、実施例は比較例1~2に比べて手が汚れ難いことがわかった。また、実施例は比較例2よりも開口性の評価が高くなった。実施例では、形状保持部材により開口が拡げられた状態が保持される。これにより、実施例は比較例2に比べて開口予定部を開口し易いことがわかった。なお、実施例は比較例1~2よりも総合評価が高くなった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。