JP6728883B2 - 転写用ハードコートフィルム及びその製造方法、ハードコート層積層体 - Google Patents
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(150℃での伸び率の測定方法)
表面が未処理であり、厚さが50μmであるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の一方の面にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、厚さ3μmの塗膜を形成する。そして、表面に塗膜が形成されたフィルムを、幅25mm、長さ150mmにカットして試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、温度150℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、JIS K 7127に準拠した引張試験を行い、ハードコート層が破断する際の伸び率を測定する。ハードコート層の破断は、目視によるクラック発生、及び伸度−応力曲線の変曲点により判断する。
a)基材フィルム上にハードコート層を形成する工程であって、前記ハードコート層は、硬化性樹脂100質量部と、難燃剤20質量部以上35質量部以下とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、前記ハードコート層は、上記(150℃での伸び率の測定方法)に記載の測定方法により測定した150℃での伸び率が10%以上50%以下である。
b)前記ハードコート層上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程。
c)前記プライマー層上に接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程。
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、基材フィルム11上に、少なくとも、ハードコート層12と、プライマー層13と、接着層14とがこの順に配置されている積層体である(図1参照)。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いることにより、樹脂基体20(図2)にハードコート層12を含む転写層が積層されたハードコート層積層体を製造することができる。
基材フィルム11は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。また、上記フィルムのうち延伸フィルムであることが好ましい。基材フィルム11がこれらの樹脂フィルムにより構成されることにより、その上にハードコート層12などを容易に形成でき、また、転写用ハードコートフィルム10を製造する際に熱収縮や、ハードコート層12の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという優れた耐収縮性を有し、転写用ハードコートフィルム10を優れた安定性と効率とで製造することが可能となる。更に、転写用ハードコートフィルム10を樹脂基体20に転写する際の加熱温度による熱収縮が生じることもないので、容易にハードコート層積層体10を製造することができる。
ハードコート層12は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、樹脂基体20に耐傷性を付与する層である。上記硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂100質量部と、難燃剤20質量部以上35質量部以下とを含有する。
硬化性樹脂組成物は、所望に応じて、耐候剤、耐傷粒子、非反応性シリコーン化合物などの滑剤がハードコート層積層体への耐候性及び耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で含まれていてもよい。
ハードコート層12は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等、の硬化物からなる層を好ましく挙げることができる。耐候性や耐傷性の観点から電離放射線硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。
また、ハードコート層12を形成する硬化性樹脂組成物には、難燃剤が含有される。
また、ハードコート層12を形成する硬化性樹脂組成物には、耐傷粒子が含有されていてもよい。耐傷粒子としては、無機系と有機系の粒子があり、無機系粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの粒子が挙げられる。該無機系粒子の形状としては、例えば、球状、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限はないが、ハードコート層12の硬度がより高くなり優れた耐傷性が得られる点で、球状が好ましい。耐傷粒子の粒子径としては特に制限されないが、ハードコート層12の硬度及び平滑性の観点から、0.1μm以上4μm以下、好ましくは0.5μm以上3μm以下が挙げられる。本実施形態において、粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であるものとする。体積平均粒子径は、レーザー回折式、又はレーザー散乱式粒子径分布測定により測定することができる。
ハードコート層12の厚さは、特に限定はないが、1μm以上20μm以下程度である。優れた耐候性とその持続性、更には透明性を得る観点から、好ましくは2μm以上20μm以下であり、より好ましくは2μm以上10μm以下であり、更に好ましくは2μm以上6μm以下である。また、ハードコート層12の厚さをより薄くすることにより硬化収縮の発生を低減することができ、また製造安定性や製造効率を向上させることができるため、特に2μm以上4μm以下とすることが好ましい。
表面が未処理であり、厚さが50μmであるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の一方の面にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、厚さ3μmの塗膜を形成した後、表面に塗膜が形成されたフィルムを、幅25mm、長さ150mmにカットして試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、温度150℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、JIS K 7127に準拠した引張試験を行い、ハードコート層12が破断する際の伸び率が所定範囲内である。
プライマー層13は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成され、ハードコート層12に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層12の密着性を向上させる役割を果たす層である。
本実施形態に関するプライマー層13を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
主剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
HO−[R1−O−(C=O)−O]m1−R1−OH (1)
HO−[R2−O−(C=O)]m2−R2−OH (2)
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートなどのイソシアネート硬化剤が挙げられる。
本実施形態に関するプライマー層13は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
本実施形態に関するプライマー層13の厚さについては、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下、好ましくは0.1μm以上5μm以下、更に好ましくは1μm以上4μm以下が挙げられる。
ハードコート層12の破断伸び率と同様の手法で、プライマー層13の破断伸び率を測定した場合、プライマー層13の破断伸び率は、150℃において10%以上であり、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが特に好ましい。150℃における破断伸び率が過小であると、ハードコート層積層体の燃焼試験時において樹脂基体20が熱によって軟化された際にプライマー層13が追従できず、プライマー層13が樹脂基体20から剥離し、剥離したプライマー層13に着火が発生するため好ましくない。
本実施形態に関する接着層14は、ハードコート層12を樹脂基体20の表面に形成するために、ハードコート層12を樹脂基体20に接着するために設けられる層であり、このようなハードコート層12を樹脂基体20に接着するという機能を有する。また、プライマー層13に粒子が含まれており、プライマー層13の表面に突き出す、いわゆる頭出しが発生している場合は、表面の平坦性を向上させて、透明性の低下を抑制し、優れた光学的性能を確保するという機能をも有する。
ハードコート層12の破断伸び率と同様の手法で、接着層14の破断伸び率を測定した場合、接着層14の破断伸び率は、150℃において10%以上であり、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが特に好ましい。150℃における破断伸び率が過小であると、ハードコート層積層体の燃焼試験時において樹脂基体20が熱によって軟化された際に接着層14が追従できず、接着層14が樹脂基体20から剥離し、剥離した接着層14に着火が発生するため好ましくない。
本発明の転写用ハードコートフィルムでは必須ではないが、ハードコート層積層体の意匠性を向上させるため、必要に応じて転写用ハードコートフィルムの一部又は全面に、更に着色層(加飾層)を設けてもよい。着色層の柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる柄や絵柄等を設けることもできる。
ハードコート層12の破断伸び率と同様の手法で、着色層の破断伸び率を測定した場合、着色層の破断伸び率は、150℃において10%以上であり、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが特に好ましい。150℃における破断伸び率が過小であると、ハードコート層積層体の燃焼試験時において樹脂基体20が熱によって軟化された際に着色層が追従できず、着色層が樹脂基体20から剥離し、剥離した着色層に着火が発生するため好ましくない。
本実施形態に関する転写用ハードコートフィルム10の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも以下の工程を順に有する転写用ハードコートフィルムの製造方法を挙げることができる。
b)ハードコート層12上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層13を形成する工程
c)プライマー層13上に接着層形成用組成物を用いて接着層14を形成する工程
基材フィルム11上に、ハードコート層12を含む転写層形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、硬化後の厚さが通常1μm以上20μm以下程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗布層を予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは電離放射線を照射することが好ましい。
次に、ハードコート層12上プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層13を形成する。プライマー層13は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの塗布方式、或いは転写コーティング法により形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層13の塗膜を形成し、その後にハードコート層12の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うのがよい。
次に、プライマー層13上に接着層形成用組成物を用いて接着層14を形成する。接着層14を形成する方法は、上記b)と同様の方法を用いることができ、特に限定されない。
任意ではあるが、プライマー層13を硬化させてもよい。ここでの硬化とは、プライマー層13に残存している硬化剤を主剤と完全に反応させてしまう工程である。具体的には、従来公知の方法で硬化反応を促進させればよく、硬化剤の種類にもよるが、典型的には、40℃以上60℃以下の温度で、24時間以上72時間以下置くとよい。
ハードコート層積層体とは、樹脂基体20上に、接着層14とプライマー層13とハードコート層12と必要に応じて基材フィルム11とが、この順に配置されて積層された積層体である。樹脂基体20にハードコート層12を含む転写層が積層されることで、樹脂基体20に十分な耐傷性を付与することができる(図2参照)。「樹脂基体上」とは、樹脂基体20上に直接に転写層が積層される場合はもちろん、印刷層などを介して間接的に積層される場合も含む意味である。
樹脂基体20を構成する樹脂は、用途に応じて適宜選択できる。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、耐傷性、耐侯性、透明性、耐燃焼性のいずれにも優れ、熱転写によるハードコート層12の剥離を抑えられることから、樹脂基体20は、有機ガラスであることが好ましく、車両用の有機ガラスであることがより好ましく、鉄道車両用の有機ガラスであることが特に好ましい。
本実施形態のハードコート層積層体は、極めて高い耐燃焼性を有する。具体的に、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づいた区分判定に準拠した燃焼性規格が、極難燃性以上である。
図3は、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼試験方法を示す模式図である。
ハードコート層積層体の製造方法は、特に制限されるものではないが、押出成形や射出成形により樹脂基体20を得た後、樹脂基体20の表面に本実施形態の転写用ハードコートフィルム10の接着層14と対向するようにニップロール等によって、加熱加圧することで積層し(熱転写方法)、基材フィルム付ハードコート層積層体を製造することができる。また、その後、基材フィルム11を剥離することでハードコート層積層体を製造することができる。なお、樹脂基体20の両面に耐傷性を付与する観点から樹脂基体20の両面から転写用ハードコートフィルム10をそれぞれ用いて、樹脂基体20の両面にハードコート層12を含む転写層を積層させてもよい。
基材フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム(製品名:A4100,東洋紡株式会社製)を用い、該基材フィルムの一方の面に、表2及び表3に示すハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(層厚:3μm)を形成した。
(A)硬化性樹脂
(A1)6官能以上の硬化性樹脂
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量(Mw):約1,000)
多官能ウレタンアクリレート(重量平均分子量(Mw):22,000)
ペンタエリスリトール多官能アクリレート
(A2)3官能以下の硬化性樹脂
2官能カプロタクトン系ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量(Mw):数千)
3官能ポリカーボネートジオールウレタンアクリレート
(B)難燃剤
ハロゲン系リン酸エステル難燃剤(製品名:CR−570,大八化学社製)
(C)紫外線吸収剤
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(製品名:Tinuvin479,BASFジャパン社製)
(D)光安定剤
反応性官能基を有する光安定剤(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート,製品名:サノールLS−3410,日本乳化剤株式会社製)
(E)シリコーン化合物
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル)
(F)粒子
耐傷フィラー(シリカ粒子,平均粒子径:2μm)
(プライマー層形成用樹脂組成物)
・ ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体*1:100質量部
・ ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤*2:17質量部
・ ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤*3:13質量部
・ ヒンダードアミン系光安定剤*4:8質量部
・ ブロッキング防止剤*5:9質量部
・ 硬化剤(ヘキサンメチレンジイソシアネート):25質量部
*1,ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は70/30である。
*2,チヌビン400(商品名)、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*3,チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*4,チヌビン123(商品名)、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート)、BASFジャパン株式会社製
*5,シリカ粒子、平均粒径:3μm
厚み5mmのポリカーボネート板を、150℃のホットプレートを用いて加熱した。実施例及び比較例の転写用ハードコートフィルムを用いて、加熱したポリカーボネート板の片面に転写フィルムを接着層がポリカーボネート板側になるように配置した上で、230℃の熱ラミロールにて3回加熱ラミネート加工した。その後、基材フィルムを剥離することにより、ポリカーボネート板、接着層、プライマー層、及びハードコート層がこの順で積層されている実施例及び比較例のハードコート層積層体を得た。
〔参考例1〕樹脂基体のみ
厚み5mmのポリカーボネート板そのものを参考例1とした。
片面に離形層を設けたPETフィルムの離形層側の面に、上記プライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、ブロッキングしない程度に表面を乾燥させてプライマー層(厚さ:3μm)を形成した。その後、プライマー層上に、上記アクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw):7.6×104)を用いて接着層(厚さ:4μm)を積層させることで、参考例2の転写用フィルムを得た。
片面に離形層を設けたPETフィルムの離形層側の面に、上記アクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw):7.6×104)を用いて接着層(厚さ:4μm)を積層させることで、参考例3の転写用フィルムを得た。
片面に離形層を設けたPETフィルムの離形層側の面に、上記プライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、ブロッキングしない程度に表面を乾燥させてプライマー層(厚さ:10μm)を形成した。その後、基材フィルムから、プライマー層を剥離することにより、厚さ10μmのプライマー層の単層膜を作製した。
片面に離形層を設けたPETフィルムの離形層側の面に、上記接着層形成用樹脂組成物を塗布して、ブロッキングしない程度に表面を乾燥させてプライマー層(厚さ:10μm)を形成した。その後、基材フィルムから、接着層を剥離することにより、厚さ10μmの接着層の単層膜を作製した。
実施例、比較例及び参考例の積層体について、常温及び150℃での伸び率、耐燃焼性、透明性、耐傷性、及び耐侯性を評価した。
表面が未処理であり、厚さが50μmであるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の一方の面に、実施例及び比較例のハードコート層形成用樹脂組成物(参考例2ではプライマー層形成用樹脂組成物、参考例3では接着層形成用樹脂組成物)を塗布し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、厚さ3μmの塗膜を形成した。そして、表面に塗膜が形成されたフィルムを、幅25mm、長さ150mmにカットして試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、常温又は温度150℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、JIS K 7127に準拠した引張試験を行い、ハードコート層が破断する際の伸び率を測定した。ハードコート層の破断は、目視によるクラック発生、及び伸度−応力曲線の変曲点により判断した。結果を表4及び表5に示す。
実施例及び比較例のハードコート積層体について、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼試験方法にしたがって、耐燃焼性を評価した(燃焼時間:約90秒)。評価が不燃性となったものについては、耐燃焼性をさらに確認するため、純エチルアルコールの量を0.7ccに増量し、同様の試験を実施し燃焼時間120秒までの状況を観察する、追加試験を実施した。結果を表4及び表5に示す。
ヘイズメータ(日本電色工業製NDH−2000)を用いて、JIS K7136に記載の方法に従ってヘイズ値を測定した。結果を表4及び表5に示す。
学振型摩耗試験機を用いて、前記ハードコート層の表面に対し、スチールウール(製品名:ボンスター#0000(商品名),日本スチールウール株式会社製)で、荷重1000g、1000往復の学振摩耗試験を行った。そして、試験前に対する試験後の曇価(ヘイズ値)の増加量を測定した。曇価(ヘイズ値)の増加量が2%未満である場合を「AA」とし、曇価(ヘイズ値)の増加量が2%以上5%未満である場合を「A」とした。曇価(ヘイズ値)の増加量が5%以上10%未満である場合を「B」とし、曇価(ヘイズ値)の増加量が10%以上である場合を「C」とした。結果を表4及び表5に示す。
サンシャインウェザーメーター(WEL−300型,スガ試験株式会社製)を用いて、JIS K 7350−4(2008)に記載の方法でデイライトフィルタ(屋外)仕様、降雨プロセスありの条件で、2000時間試験を実施した。試験後のサンプルについて、外観(着色、クラックの有無)を評価するとともに、下記密着試験を行った。外観が良好であり、密着試験で剥離が認められなかった場合を「良」とし、外観及び密着試験のいずれかで不良であった場合を「不良」とした。結果を表4及び表5に示す。
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 プライマー層
14 接着層
20 樹脂基体
Claims (5)
- 基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されており、
前記ハードコート層は、硬化性樹脂100質量部と、難燃剤20質量部以上35質量部以下とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、
前記難燃剤は、ハロゲン型化合物、リン系化合物、又は、シリコーン系化合物のいずれかであって、
前記ハードコート層は、以下の測定方法により、JIS K 7127に準拠して測定した150℃での伸び率が10%以上50%以下である、ポリカーボネート樹脂基体用の転写用ハードコートフィルム。
(150℃での伸び率の測定方法)
表面が未処理であり、厚さが50μmであるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の一方の面にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、厚さ3μmの塗膜を形成する。そして、表面に塗膜が形成されたフィルムを、幅25mm、長さ150mmにカットして試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、温度150℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、JIS K 7127に準拠した引張試験を行い、ハードコート層が破断する際の伸び率を測定する。ハードコート層の破断は、目視によるクラック発生、及び伸度−応力曲線の変曲点により判断する。 - 前記硬化性樹脂が電離放射線硬化性樹脂である、請求項1に記載の転写用ハードコートフィルム。
- ポリカーボネート樹脂基体上に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層がこの順に配置されており、
前記ハードコート層は、硬化性樹脂100質量部と、難燃剤20質量部以上35質量部以下とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、
前記難燃剤は、ハロゲン型化合物、リン系化合物、又は、シリコーン系化合物のいずれかであって、
前記ハードコート層は、以下の測定方法により測定した150℃での伸び率が10%以上50%以下である、ハードコート層積層体。
(150℃での伸び率の測定方法)
表面が未処理であり、厚さが50μmであるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の一方の面にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、厚さ3μmの塗膜を形成する。そして、表面に塗膜が形成されたフィルムを、幅25mm、長さ150mmにカットして試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、温度150℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、JIS K 7127に準拠した引張試験を行い、ハードコート層が破断する際の伸び率を測定する。ハードコート層の破断は、目視によるクラック発生、及び伸度−応力曲線の変曲点により判断する。 - 社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づく区分判定が、不燃性又は極難燃性である、請求項3に記載のハードコート層積層体。
- 少なくとも以下の工程を順に有するポリカーボネート樹脂基体用の転写用ハードコートフィルムの製造方法。
a)基材フィルム上にハードコート層を形成する工程であって、前記ハードコート層は、硬化性樹脂100質量部と、難燃剤20質量部以上35質量部以下と、を含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、前記難燃剤は、ハロゲン型化合物、リン系化合物、又は、シリコーン系化合物のいずれかであって、前記ハードコート層は、以下の測定方法により測定した150℃での伸び率が10%以上50%以下である。
b)前記ハードコート層上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程。
c)前記プライマー層上に接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程。
(150℃での伸び率の測定方法)
表面が未処理であり、厚さが50μmであるポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)の一方の面にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、厚さ3μmの塗膜を形成する。そして、表面に塗膜が形成されたフィルムを、幅25mm、長さ150mmにカットして試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、温度150℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、JIS K 7127に準拠した引張試験を行い、ハードコート層が破断する際の伸び率を測定する。ハードコート層の破断は、目視によるクラック発生、及び伸度−応力曲線の変曲点により判断する。
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