JP6821936B2 - ハードコート層積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂基体の表面に熱転写によってハードコート層を転写してなるハードコート層付き付樹脂成型品の製造方法に関する。
樹脂基体の表面に、耐傷性を付与するためのハードコート層を形成した樹脂成型品が、広く用いられている。このようなハードコート層付きの樹脂成型品は、例えば、車両窓等に用いられる場合においては、耐傷性に加えて、耐侯性や透明性をも有するものであることが求められる。
そのようなハードコート層付きの樹脂成型品として、樹脂基材上に、ハードコート層、プライマー層及び接着層がこの順に積層された三次元成形用転写フィルムを用いた積層体であって、ハードコート層が、ポリカーボネート(メタ)アクリレート及びイソシアネート化合物を含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により形成されているハードコート層積層体が開示されている(特許文献1参照)。
特開2015−193248号公報
ところで、上記のようなハードコート層積層体を車両窓として使用する場合、耐傷性、耐侯性、透明性の他、更には、極めて高い耐燃焼性が求められる。特に、鉄道車両の窓については、社団法人日本鉄道車両機械技術協会によって、耐燃焼性の規格が厳格に定められている。しかしながら、ハードコート層は、樹脂基体、接着層及びプライマー層に比べて耐燃焼性が低く、特許文献1に記載の積層体は、耐燃焼性について改良の余地があった。
耐燃焼性を高めるためには、ハードコート層を構成する材料に難燃剤を添加することが考えられる。しかしながら、ハードコート層に多量の難燃剤を添加すると、ハードコート層の耐傷性が劣ることが懸念される。
又、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写する際、熱により樹脂基体が軟化する。熱転写によって転写用ハードコートフィルムにかかる温度は、接着層及びプライマー層のガラス転移温度を超えているため、接着層及びプライマー層は、熱によって軟化した樹脂基体に追従できる。これに対し、ハードコート層は、接着層及びプライマー層ほど柔軟性を有していないため、熱により樹脂基体が軟化すると、ハードコート層は、熱によって軟化した樹脂基体に追従できず、樹脂基体から剥離する可能性がある。又、本発明者らの研究によりこのような剥離は僅かであっても耐燃焼性低下の要因となることが分かった。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐傷性、耐侯性、透明性、耐燃焼性のいずれにも優れるハードコート層積層体、即ち、ハードコート層付きの樹脂成型品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ハードコート層積層体の製造において、転写用ハードコートフィルムを樹脂基体に熱転写した後に、当該樹脂基体に転写用ハードコートフィルムが転写された状態にある積層体を、更に所定の条件で熱プレスすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を開発するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 転写用ハードコートフィルムが、熱可塑性の非結晶性樹脂からなる樹脂基体の表面に積層されてなる、ハードコート層積層体の製造方法であって、前記転写用ハードコートフィルムは、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層の表面にプライマー層と接着層とがこの順で配置されてなる転写層を含んでなる多層フィルムであって、前記樹脂基体の表面に前記転写用ハードコートフィルムの前記接着層を対面させた状態で加熱圧着することにより前記転写層を前記樹脂基体の表面に転写する転写工程と、前記転写工程後に、前記樹脂基体に前記転写層が積層されてなる転写後積層体を、前記樹脂基体が該樹脂基体のガラス転移温度を超えて該樹脂基体の融点温度未満の温度となる加熱温度で、加熱押圧する転写後積層体再プレス工程と、を行うハードコート層積層体の製造方法。
(2) 前記樹脂基体がポリカーボネートであって、前記転写後積層体再プレス工程においては、前記樹脂基体の温度が160℃以上190℃以下となる加熱温度で、前記転写後積層体を加熱する(1)に記載のハードコート層積層体の製造方法。
(3) 前記ハードコート層が、硬化性樹脂と、難燃剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であって、前記硬化物中における前記難燃剤の含有量が30質量%以下である(1)又は(2)に記載のハードコート層積層体の製造方法。
(4) 前記ハードコート層が、硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、難燃剤を含有しない樹脂層である(1)又は(2)に記載のハードコート層積層体の製造方法。
(5) 前記ハードコート層積層体が、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づく区分判定が、不燃性又は極難燃性である、(1)から(4)のいずれかに記載のハードコート層積層体の製造方法。
本発明によれば、耐傷性、耐侯性、透明性、耐燃焼性のいずれにも優れるハードコート層積層体、即ち、ハードコート層付きの樹脂成型品を製造することができる。
本発明のハードコート層積層体の製造方法に用いる転写用ハードコートフィルムの一例について、その層構成を表す断面模式図である。 本発明のハードコート層積層体の製造方法によって製造することができるハードコート層積層体の一実施形態であって、(a)基材フィルムを剥離する前の状態の形態、及び、(b)基材フィルムを剥離した状態の形態、をそれぞれ表す断面模式図である。 社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼試験方法を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではない。本発明は、その目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<ハードコート層積層体>
本発明のハードコート層積層体の製造方法によって製造することができるハードコート層積層体1は、図2に示す通り、転写用ハードコートフィルム10のうち、ハードコート層12を含む積層体部分である転写層15(図1参照)が樹脂基体20上に積層されてなる積層体である。転写層15は、ハードコート層12に、プライマー層13と接着層14とが、この順に積層されてなる積層体である。尚、本明細書における転写層とは、ハードコート層を備える転写用ハードコートフィルムにおける、ハードコート層から、樹脂基体との接着面となる接着層までの全ての層を含む積層体部分のことを意味する。必ずしも図1に示すハードコート層12、プライマー層13及び接着層14の3層のみからなる構造には限定されない。
ハードコート層12は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層である。このハードコート層12を樹脂基体20上に積層することにより、ハードコート層積層体1に優れた耐傷性を備えさせることができる。尚、「樹脂基体上に積層」とは、転写用ハードコートフィルム10のうちハードコート層12を含む部分が、直接、樹脂基体20上に、積層される形態はもちろん、印刷層等を介して間接的に積層される形態のものも含む。又、ハードコート層の積層は、樹脂基体20の一方の面に行う形態に限定されず、ハードコート層が樹脂基体の両面に積層された形態であってもよい。このような層構成のハードコート層積層体とすることにより、樹脂基体20の両面に好ましい耐傷性を付与することができる。
転写用ハードコートフィルム10は、図1に示す通り、ハードコート層12に転写層15と、更に必要に応じて基材フィルム11が積層されてなる多層フィルムである。ハードコート層積層体1は、この転写用ハードコートフィルム10を用いて、転写層15を、プライマー層13及び接着層14を介して樹脂基体20に圧着し、少なくとも転写層15を含む部分を樹脂基体20上に転写し、その後、基材フィルム11については使用過程における任意の段階で転写層15から剥離することで得ることができる(図2参照)。尚、転写用ハードコートフィルム10の詳細及びそれを用いたハードコート層積層体の製造方法の詳細については後述する。
〔樹脂基体〕
ハードコート層積層体1を構成する樹脂基体20に用いる熱可塑性樹脂は透明性に優れる非結晶性樹脂からなる有機ガラスであり、耐熱性の観点から、ガラス転移温度Tgが80℃を超え、且つ、融点が150℃を超えるものであればよく、ガラス転移温度Tgが120℃を超え、且つ、融点が200℃を超えるものであることが好ましい。耐熱性と透明性を求められる樹脂基体20を構成する樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等のアクリル系樹脂が好ましい樹脂の具体例として挙げられる。中でも、透明性と耐衝撃性に優れるポリカーボネート樹脂が、樹脂基体20を構成する樹脂として特に好ましい。上記樹脂を材料として押出成形や射出成形を行うことにより樹脂基体20を得ることができる。尚、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度Tgは150℃程度であり、融点は250℃程度、又、ABS樹脂については、ガラス転移温度Tgは100℃程度であり、融点は160℃程度である。
樹脂基体20の厚さは、通常1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上10mm以下であることがより好ましい。樹脂基体20が薄すぎると、面剛性等の実用的な強度が不十分となり、樹脂基体20が厚すぎると、樹脂基体20の加工性に影響する。樹脂基体20の形状は、有機ガラスの用途に応じて適宜選択すればよく、板状のものには限られない。
〔転写用ハードコートフィルム〕
転写用ハードコートフィルム10は、上述の通り、基材フィルム11上に、転写層15が積層されてなる多層フィルムである。ハードコート層12、プライマー層13及び接着層14がこの順で積層されてなる転写層15は、ハードコート層12の側の面が基材フィルム11の表面に対面する態様で、基材フィルム11に積層されている。尚、転写用ハードコートフィルム10は、基材フィルム11と転写層15の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の層が積層されていてもよい。その他の層の例としては、基材フィルム11とハードコート層12との間の中間層部分に離型層や着色層(加飾層)が配置されている例等を挙げることができる。
(基材フィルム)
転写用ハードコートフィルム10を構成する基材フィルム11は、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。又、上記フィルムのうち延伸フィルムであることがより好ましい。基材フィルム11をこれらの延伸フィルムにより構成することにより、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の加熱処理や電離放射線の照射による架橋処理等に起因する収縮を抑制して、転写用ハードコートフィルム10及びハードコート層積層体1の形状及び寸法の安定性を高めることができる。
ポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂を好ましい例として挙ることができる。これらの中でも、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいこと等を考慮すると、PET、PBTが好ましく、特にPETが好ましい。
ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいこと等を考慮すると、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂からなり、延伸された樹脂フィルムが好ましく挙げられる。又、これらの中でも、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであることが好ましい。
延伸ポリオレフィン樹脂は、一軸延伸されたもの、二軸延伸されたもののいずれでもよいが、転写用ハードコートフィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいこと等を考慮すると、二軸延伸されたものであることが好ましい。二軸延伸ポリオレフィン樹脂のシートは、通常、長手方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、好ましくは5倍以上30倍以下程度延伸し、次いで、幅方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して幅方向へ好ましくは5倍以上30倍以下延伸して得られる。又、延伸倍率が上記範囲内であると、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくくなる。
基材フィルム11の厚さは、特に限定されないが、4μm以上200μm以下であればよい。4μm以上であればカールやシワが入りにくくなり、200μm以下であればコストを安価に抑えられ、熱伝導効率が低下することがなく、転写後に基材フィルム11を剥離する際に各層がとられることがないため、優れた転写性が得られる。基材フィルム11は、複層構成でもよい。その場合、複層構成全体で上記厚みの範囲にあることが好ましい。
尚、基材フィルム11は、転写する際のハードコート層12との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム11表面に公知の離型処理を施すか、或いは、シリコーン樹脂等の離型層を設けたものであってもよい。又、逆にハードコート層12との密着性を向上させるために、必要に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン/紫外線処理、易接着コート剤を塗布する等の表面処理を施してもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層12は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、樹脂基体20に耐傷性を付与する層である。硬化性樹脂組成物は、主として硬化性樹脂からなり、必要に応じて、硬化物中における難燃剤の含有量、即ち、硬化性樹脂組成物の樹脂固形分中の質量比で35質量%以下の割合で難燃剤を含有する。難燃剤の上記含有量は、上記質量比において10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。難燃剤の含有量が、硬化性樹脂35質量%を超えると、耐傷性の低下が起こるため好ましくない。
一方で、本発明の製造方法によれば、ハードコート層12を構成する硬化物中における難燃剤の含有量が0質量%であっても(難燃剤を含有しないでも)、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づく区分判定において、不燃の判定を得ることが可能である。難燃剤の添加が不要になることによれば、先ず、材料コストの低減や製造プロセスの簡易化による経済性の向上を望むことができる。更に、例えば、ハードコート層12が電離放射線硬化性樹脂の硬化物等、架橋処理による硬化物からなるものである場合、難燃剤の添加がハードコート層12の架橋密度を低下させてしまうリスクがある。難燃剤を添加しなくても、十分な不燃性を確保することができれば、そのような架橋密度の低下による高度の機械強度や長期耐候性の低下リスクを回避することができる。このような「難燃剤を含有しない」ハードコート層12は、例えば特段の長期耐候性が求められるような用途において特に有利な効果を発揮する。
ハードコート層12を形成する硬化性樹脂組成物は、その他、必要に応じて、耐候剤、耐傷粒子、非反応性シリコーン化合物等の滑剤が、ハードコート層積層体1の耐候性及び耐傷性を損なわない範囲で含まれていてもよい。
ハードコート層12は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等、の硬化物からなる層を好ましい例として挙げることができる。又、ハードコート層12は、耐候性や耐傷性の観点からは、電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる層であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより硬化する硬化性樹脂である。電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線も用いられる。
ハードコート層12に使用することができる電離放射線硬化性樹脂としては、従来から電離放射線硬化性を有する樹脂として慣用されている重合性オリゴマー(プレポリマー)や重合性ポリマーの中から適宜選択して用いることがでる。良好な硬化特性を得る観点から、ブリードアウトしにくく、固形分基準として95%以上100%以下程度としても塗布性を有し、且つ、硬化させてハードコート層12を形成する際に硬化収縮を生じにくいものが好ましい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマー等が好ましく挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。尚、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
これらのオリゴマーのうち、多官能の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2以上15以下が高架橋密度による耐傷性付与の点で好ましく、硬化収縮を生じにくいという点から、2以上8以下がより好ましく、更に好ましくは2以上6以下である。又、単官能の重合性オリゴマーとしては、例えば、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート等のような高分子ウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
重合性ポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のポリマー等が好ましく挙げられ、ポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート又はウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。尚、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。これらのポリマーを単独で、或いは複数を組合せて用いてもよい。
ハードコート層12に含まれる樹脂の重量平均分子量(Mw)については、その種類に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば200〜100,000、好ましくは500〜50,000、更に好ましくは1,000〜30,000が挙げられる。重量平均分子量(Mw)が過小であると、ハードコート層12の硬度が不足する結果、十分な耐傷性や耐溶剤性が得られない可能性がある。これに対し、重量平均分子量(Mw)が過大であると、種類によっては、架橋密度を十分に高めることができず、ハードコート層12の硬度が不足する結果や、硬化前のインキの粘度が上昇し、塗布適正が低下する可能性がある。又、重量平均分子量(Mw)が過小、過大であると、ハードコート層12に含まれる難燃剤の含有量が適正であったとしても、十分な耐燃焼性が得られない。これは、難燃剤のブリードアウトや、層内で偏在化しているためと推測される。尚、本明細書における樹脂の重量平均分子量は、GPC法によって測定し、且つ、標準ポリスチレン換算された値である。
硬化性樹脂組成物に難燃剤が含有される場合、その種類は、特に限定されない。難燃剤として、ハロゲン系化合物、リン系化合物、無機水酸化物、シリコーン系化合物が挙げられる。
ハロゲン系化合物は、ラジカルトラップ効果を有し、硬化性樹脂組成物の硬化物の熱分解生成物(気相)の活性ラジカルの安定化ならびに酸素との反応を遮断する機能を有する。ハロゲン系化合物として、塩素系化合物、臭素系化合物等が挙げられる。塩素系化合物として、塩化アンモニウム、デクロラン等が挙げられる。又、臭素系化合物として、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン、ペンタブロモジフェニルエーテル、テトラブロモエタン、臭化アンモニウム等が挙げられる。
リン系化合物は、リン酸によるラジカルトラップ効果ならびに、脱水、炭化によってハードコート層12の表面にバリア層を形成する機能を有する。これにより、バリア層が断熱層として機能し、硬化物の熱分解を抑制するとともに、硬化性樹脂組成物の硬化物の熱分解生成物がハードコート層12の層外に拡散するのを防止できる。リン系化合物として、リン酸水素二アンモニウム、リン酸エステル、リン酸二水素アンモニウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸グアニジン等が挙げられる。
無機水酸化物は、吸熱反応により、硬化性樹脂組成物の硬化物の熱分解を防ぐ機能を有する。無機水酸化物に熱が加わると、無機水酸化物は、脱水分解し、その際に大きな吸熱を伴う。そのため、硬化性樹脂組成物の硬化物に熱が加わるのを抑えることができ、結果として、硬化性樹脂組成物の硬化物の熱分解を防ぐことができる。無機水酸化物の例として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
シリコーン系化合物は、ハードコート層12の表面に、ケイ素系表面バリア層を形成する機能を有する。これにより、バリア層が断熱層として機能し、硬化物の熱分解を抑制するとともに、硬化性樹脂組成物の硬化物の熱分解生成物がハードコート層12の層外に拡散するのを防止できる。
中でも、ハロゲン系リン酸エステルは、ハロゲン系化合物とリン系化合物の双方の難燃機能を有するため、同一添加量あたりの難燃効果が高い傾向にある。難燃剤のハードコート層12への添加箇所が特に限定されず、難燃剤の添加量も比較的少なく抑えられることから、難燃剤添加による、硬化層の物性低下ならびに難燃剤の揮発生成物による環境負荷を抑えることができる観点から、難燃剤は、ハロゲン系リン酸エステルであることが好ましい。
ハロゲン系リン酸エステルの例として、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、2,2−ビス(クロロメチル)−1,3−プロパンビス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、2,2−ビス(クロロメチル)トリメチレンビス(ビス(2−クロロエチル)ホスフェート)、ポリオキシアルキレンビスジクロロアルキルホスフェート等が挙げられる。
又、ハードコート層12を形成する硬化性樹脂組成物には、耐傷粒子が含有されていてもよい。耐傷粒子としては、無機系と有機系の粒子があり、無機系粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の粒子が挙げられる。該無機系粒子の形状としては、例えば、球状、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、ハードコート層12の硬度がより高くなり優れた耐傷性が得られる点で、球状が好ましい。耐傷粒子の粒子径としては特に制限されないが、ハードコート層12の硬度及び平滑性の観点から、0.1μm以上4μm以下であることが好ましく、好0.5μm以上3μm以下であることがより好ましい。粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であるものとする。体積平均粒子径は、レーザー回折式、又はレーザー散乱式粒子径分布測定により測定することができる。
ハードコート層12の厚さは、特に限定されないが、1μm以上20μm以下程度であることが好ましい。優れた耐候性とその持続性、更には透明性を得る観点から、より好ましくは2μm以上20μm以下であり、更に好ましくは2μm以上10μm以下であり、最も好ましくは2μm以上6μm以下である。又、ハードコート層12の厚さをより薄くすることにより硬化収縮の発生を低減することができ、又、製造安定性や製造効率を向上させることができるため、特に2μm以上4μm以下とすることが好ましい。
(プライマー層)
プライマー層13は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成され、ハードコート層12に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層12の密着性を向上させる役割を果たす層である。
プライマー層13を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
プライマー層13を構成するバインダー樹脂の主剤は、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、又、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂の高分子鎖中に更にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂であることが、耐候性及び耐久性の観点からより好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン成分とアクリル成分との共重合体であるウレタンアクリル共重合体、ポリウレタンを構成するポリオール成分又はポリイソシアネート成分としてヒドロキシル基又はイソシアネート基を有するアクリル樹脂があり、なかでもウレタンアクリル共重合体が好ましい。ウレタンアクリル共重合体は、例えば、1分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂にポリオール化合物及びイソシアネート化合物を反応させる方法(特開平6−100653号公報等参照)や、不飽和二重結合を両末端に有するウレタンプレポリマーにアクリルモノマーを反応させる方法(特開平10−1524号公報等参照)等によって得ることができる。
上記の高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂のなかでも、高分子鎖中に、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するものが、ハードコート層との密着性の観点から好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有し、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体、又は、ポリエステル系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリエステル系ウレタンアクリル共重合体がより好ましく、より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を用いることが特に好ましい。これらのポリウレタンは、1種単独で使用してもよく、又、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリカーボネート系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。又、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、アクリル骨格を有するジオールに、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、上記アクリル骨格を有するジオールとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、或いはこれらがラジカル重合したオリゴマー又はプレポリマー(重合度2以上10以下程度)に、2つの水酸基が導入されている化合物が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系インシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネート等の脂環式系インシアネートが挙げられる。又、上記カーボネートジオールとしては、具体的には、下記一般式(1)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)−O]m−R−OH (1)
又、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリカーボネート系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。前記アクリルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1以上6以下程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、エステルジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリエステル系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。或いは、アクリル骨格を有するジオールに、エステルジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、アクリル骨格を有するジオール及びジイソシアネートは、前記ポリカーポネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。又、エステルジオールとしては、具体的には、下記一般式(2)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)]m−R−OH (2)
又、ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリエステル系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。アクリルモノマーとしては、上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。
上記プライマー層に用いられるポリウレタンは、優れた耐候性を備えさせるために、アクリル成分の含有量が1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。ここで、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量とは、ポリウレタンの総質量当たり、アクリル骨格を構成するモノマーが占める割合(質量%)である。より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量として、好ましくは5質量%以上20質量%以下が挙げられる。ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量は、ポリウレタンのNMRスペクトルを測定し、全ピーク面積に対するアクリル成分に帰属されるピーク面積の割合を求めることによって算出される。
上記プライマー層において、上記ポリウレタンと他のバインダー樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの混合比については、特に制限されないが、例えば、バインダー樹脂の総量100質量部当たり、上記ポリウレタンが50質量部以上、好ましくは70質量部以上、更に好ましくは85質量部以上となるように設定すればよい。
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等のイソシアネート硬化剤が挙げられる。硬化剤の使用量は、主剤となる樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下が更に好ましい。
プライマー層13は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
本実施形態に関するプライマー層13の厚さについては、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下、好ましくは0.1μm以上5μm以下、更に好ましくは1μm以上4μm以下が挙げられる。
(接着層)
本実施形態に関する接着層14は、ハードコート層12を樹脂基体20に接着するために設けられる層であり、このようなハードコート層12を樹脂基体20に接着するという機能を有する。又、プライマー層13に粒子が含まれており、プライマー層13の表面に突き出す、いわゆる頭出しが発生している場合は、表面の平坦性を向上させて、透明性の低下を抑制し、優れた光学的性能を確保するという機能をも有する。
接着層14に使用できる接着性の樹脂としては、樹脂基体20の材質や転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱融着樹脂が好ましく、樹脂基体20の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種又は2種以上の樹脂が選定される。プライマー層13に含まれる粒子との屈折率差が小さく透明性に優れ、透明性と耐候性向上の点から、上記熱融着樹脂としては、アクリル樹脂を単体で用いることが特に好ましい。
上記接着層14の厚さについては、プライマー層13よりも厚いことが好ましいが、上記ハードコート層12を含む転写層を樹脂基体20に接着するという機能と、優れた透明性を確保するという観点から、1μm以上7μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上6μm以下である。
又、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、接着層14の上にポリエチレン樹脂等の樹脂からなるカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくことも可能である。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、カバーフィルムを設ける場合、このカバーフィルムを剥がし、接着層14を露出し、この接着層14の面を介して樹脂基体20に転写される。
(着色層)
ハードコート層積層体1の意匠性を向上させるため、必要に応じて転写用ハードコートフィルムの一部又は全面に、更に着色層(加飾層)を設けてもよい。着色層の柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字等からなる柄や絵柄等を設けることもできる。
着色層は、例えばプライマー層と接着層との間に積層されるが、これに限定されず、接着性を有する材料の場合には接着層の上に形成されていてもよい。着色層の形成方法は、例えば、プライマー層13の上に、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の樹脂をバインダーとし、適当な色の顔料又は染料を着色剤として含有する印刷インキによる印刷を行うことで形成することができる。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷法が挙げられる。着色層の厚みは、意匠性の観点から5μm以上40μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
<転写用ハードコートフィルムの製造方法>
本実施形態に関する転写用ハードコートフィルム10は、以下の(a)〜(d)の工程を順に行う転写用ハードコートフィルムの製造方法によって製造することができる。
(a)基材フィルム11上にハードコート層12を形成する工程
(b)ハードコート層12上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層13を形成する工程
(c)プライマー層13上に接着層形成用組成物を用いて接着層14を形成する工程
(d)プライマー層を硬化する工程
〔(a)基材フィルム上に、ハードコート層を形成する工程〕
基材フィルム11上に、ハードコート層12を含む転写層形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、硬化後の厚さが通常1μm以上20μm以下程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機等により塗布層を予め加熱乾燥してから、更に加熱処理、或いは電離放射線を照射することが好ましい。
ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70kV以上300kV以下、照射線量は5Mrad以上10Mrad以下で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
〔(b)プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程〕
次に、ハードコート層12上プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層13を形成する。プライマー層13は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の塗布方式、或いは転写コーティング法により形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層13の塗膜を形成し、その後にハードコート層12の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うのがよい。
又、本実施形態に関するプライマー層13を形成する際に、ハードコート層12とプライマー層13との間の密着性を向上させるために、ハードコート層12の硬化を半硬化の状態にとどめ、その後、プライマー層13形成用の樹脂組成物を塗布した後にハードコート層12の硬化を完全硬化することにより、ハードコート層12とプライマー層13との間の密着性を高めることもできる。
プライマー層13は、未硬化の状態を維持できる範囲で、硬化物面の乾燥を行ってもよい。ここで、未硬化の状態とは、プライマー層中に未反応の硬化剤が残存している状態であり、その残存率が多い程、プライマー層13の透明性低下を防止する観点から好ましい。硬化剤のイソシアネート部分に該当する赤外スペクトル2260cm−1のピーク強度が、プライマー層塗布直後のピーク強度を基準として50%以上である状態が好ましい。
〔(c)接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程〕
次に、プライマー層13上に接着層形成用組成物を用いて接着層14を形成する。接着層14を形成する方法は、上記(b)と同様の方法を用いることができ、特に限定されない。
〔(d)プライマー層を硬化する工程〕
この工程は任意ではあるが、必要に応じてプライマー層13を硬化させてもよい。ここでの硬化とは、プライマー層13に残存している硬化剤を主剤と完全に反応させてしまう工程である。具体的には、従来公知の方法で硬化反応を促進させればよく、硬化剤の種類にもよるが、典型的には、40℃以上60℃以下の温度で、24時間以上72時間以下置くとよい。
ハードコート層積層体1は、樹脂基体20の表面に、転写用ハードコートフィルム10を、その接着層14が対向するように配置して、ニップロール等によって加熱圧着することで(熱転写方法)、基材フィルム付きのハードコート層積層体を製造することができる。
<ハードコート層積層体の製造方法>
本発明のハードコート層積層体の製造方法は、例えば、上記の転写用ハードコートフィルムの製造方法によって得ることができる転写用ハードコートフィルム10と樹脂基体20とを用いて、以下の(A)及び(B)の工程を順に行うことにより、耐燃焼性に極めて優れるハードコート層積層体1を製造することができるハードコート層積層体の製造方法である。本発明の製造方法は、(A)及び(B)の各工程において、それぞれ樹脂基体20の温度が所定の温度に達するような温度での加熱を行う方法であるが、加熱温度の制御は、各工程における樹脂基体20の表面温度を、赤外線放射温度計等の非接触型の温度計で、測定し、この温度情報を加熱手段にフィードバックする。
(A)転写工程
(B)転写後積層体再プレス工程
[(A)転写工程]
基材フィルム11が積層されている状態の転写用ハードコートフィルム10(図1参照)を、樹脂基体20の表面にニップロール等の転写ロールによって加熱圧着することにより転写層15を転写する。この加熱圧着は、転写用ハードコートフィルム10の接着層14を樹脂基体20の表面に対面させた状態で行う(図2参照)。尚、この転写のための加熱温度は、樹脂基体20の温度が当該樹脂基体のガラス転移温度Tg以上となる加熱温度であることが必要である。よって、転写ロールの温度は樹脂基体20のガラス転移温度Tg以上の適温に予め加熱しておくことが必要である。
尚、上記の加熱圧着に先行して、樹脂基体の表面温度を予めヒーター等で加熱圧着温度に近い温度まで加熱しておく予備加熱処理をしておくことが望ましい。例えば、上記の加熱圧着を160℃で行う場合、この予備加熱処理は樹脂基体の表面温度が150℃程度になるような加熱処理であることが好ましい。
尚、転写用ハードコートフィルムとしては、先に詳しく説明した転写用ハードコートフィルム10に限らず、硬化性樹脂からなるハードコート層の表面にプライマー層と接着層とがこの順で配置されてなる転写層を含んでなる多層フィルムを広く用いることができる。樹脂基体については上述の通り、ポリカーボネート樹脂等、所定の熱物性を有する透明性に優れる非結晶性樹脂を材料樹脂とし、これらを押出成形や射出成形を行うことにより得ることができるものを用いることができる。
[(B)転写後積層体再プレス工程]
上記の転写工程(A)を行った後に、樹脂基体20に転写層15が積層されてなる転写後積層体を、樹脂基体20が、当該樹脂基体のガラス転移温度Tgを超えて当該樹脂基体の融点温度未満の温度となる加熱温度で加熱押圧する転写後積層体再プレス工程を行う。これにより、転写工程において生じ得る熱によって軟化した樹脂基体からのハードコート層の微細な剥離を防止することができる。この剥離防止の効果は、例えば、樹脂基体20のベース樹脂がポリカーボネート樹脂である場合、先ず、当該樹脂の温度が再加熱により100℃を超えた段階で転写層内の微細気泡が成長し、160℃近辺の温度で当該樹脂が軟化した状態で加圧することで、当該微細気泡が除去されるという作用によるものである。これにより、難燃剤を全く用いないか、或いは、用いた場合であっても所定範囲の少量の難燃剤の使用により、極めて耐燃焼性に優れるハードコート層積層体を製造することができる。
尚、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、150℃程度であり、その融点は250℃程度である。例えば、樹脂基体20のベース樹脂がポリカーボネート樹脂である場合、転写後積層体再プレス工程における上記の加熱温度は、150℃以上250℃未満であればよいが、本発明の効果を十分に発現させつつ、過剰な加熱による積層体の変形不良の発生を避けて、効率よく品質安定性の高いハードコート層積層体を製造する観点から、上記の加熱温度は、160℃以上190℃以下であることが好ましい。
<燃焼性規格>
ハードコート層積層体は、極めて高い耐燃焼性を有する。具体的に、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づいた区分判定に準拠した燃焼性規格が、極難燃性以上である。
[燃焼試験方法]
図3は、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼試験方法を示す模式図である。
B5判の供試材(182mm×257mm)を45°傾斜に保持し、燃料容器の底の中心が、供試材の下面(燃焼面)中心の垂直下方25.4mm(1インチ)のところにくるように、コルクのような熱伝導率の低い材質の台にのせ、純エチルアルコール0.5ccを入れて着火し、燃料が燃え尽きるまで放置する(燃焼時間約90秒)。
燃焼判定は、アルコールの燃焼中と燃焼後とに分けて、燃焼中は供試材への着火、着炎、発煙状態、炎の状態等を観察し、燃焼後は、残炎、残じん、炭化、変形状態を調査する。評価基準は、下記表1の通りである。
Figure 0006821936
耐燃焼性を更に確認するため、純エチルアルコールの量を0.7ccに増量し、同様の試験を実施し燃焼時間120秒までの状況を観察する、追加試験を実施することが好ましい。
後述の実施例において、実証される通り、本発明のハードコート層積層体製造方法によれば、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づく区分判定が、不燃性である、ハードコート層積層体を製造することできる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<転写用ハードコートフィルムの製造>
以下の通り、実施例及び比較例のハードコート層積層体の製造に用いる転写用ハードコートフィルムを製造した。
(ハードコート層の形成)
基材フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム(「E5101(商品名)」、東洋紡社製)を用い、この基材フィルムの一方の面に、下記のハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(層厚:3μm)を形成した。
下記の硬化性樹脂(A)と、難燃剤(B)と、下記(C)〜(F)の添加剤とからなる樹脂組成物を実施例及び比較例の転写用ハードコートフィルムの硬化性樹脂として用いた。難燃剤の含有量は硬化性樹脂組成物の固形分中の質量比で表2に記載の含有量比となるように調製した。(C)〜(F)の添加量は、全ての実施例及び比較例において、同じく下記の含有量比となるように調製した。
(A)硬化性樹脂
6官能の電離放射線硬化性樹脂:6官能のウレタンアクリレート(分子量約1,000)60質量部と2官能の下プロラクトン変性ウレタンアクリレート(分子量数千程度)40質量部の混合物
(B)難燃剤
ハロゲン系リン酸エステル難燃剤(製品名:CR−570、大八化学社製)
(C)紫外線吸収剤
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(製品名:Tinuvin479、BASFジャパン社製)。各実施例、比較例において、硬化性樹脂組成物の固形分中の質量比で0.7質量%含有。
(D)光安定剤
反応性官能基を有する光安定剤(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、製品名:サノールLS−3410、日本乳化剤株式会社製)。各実施例、比較例において、硬化性樹脂組成物の固形分中の質量比で4.2質量%含有。
(E)シリコーン化合物
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル)。各実施例、比較例において、硬化性樹脂組成物の固形分中の質量比で0.3質量%含有。
(F)粒子
耐傷フィラー(シリカ粒子,平均粒子径:2μm)。各実施例、比較例において、硬化性樹脂組成物の固形分中の質量比で0.8質量%含有。
(プライマー層の形成)
次いで、ハードコート層の面にコロナ放電処理をした上に、下記の組成からなるプライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、ブロッキングしない程度に表面を乾燥させてプライマー層(厚さ:3μm)を形成した。
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体*1:100質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤*2:17質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤*3:13質量部
ヒンダードアミン系光安定剤*4:8質量部
ブロッキング防止剤*5:9質量部
硬化剤(ヘキサンメチレンジイソシアネート):25質量部
*1,ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は70/30である。
*2,チヌビン400(商品名)、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*3,チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*4,チヌビン123(商品名)、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、BASFジャパン株式会社製
*5,シリカ粒子、平均粒径:3μm
(接着層の形成)
その後、プライマー層上に、アクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw):7.6×10)を用いて接着層(厚さ:5μm)を積層させることで、実施例及び比較例の転写用ハードコートフィルムを得た。
<ハードコート層積層体の製造>
上記の転写用ハードコートフィルムを用いて、以下の方法により、各実施例及び比較例に係るハードコート層積層体の製造を行った。
(予備加熱)
樹脂基体として厚み5mmのポリカーボネート板(ガラス転移温度Tgは150℃、融点は250℃)を用い、これを、ホットプレートを用いて加熱した。各実施例、比較例における、この加熱温度は、転写用ハードコートフィルムの転写時の各樹脂基体温度が、それぞれ表2に示す転写工程時の樹脂基体温度となるような温度とした。
(転写)
加熱した樹脂基体(ポリカーボネート板)の片面に上述の転写用ハードコートフィルムを、接着層がポリカーボネート板側になるように配置した上で、熱ラミロールにより加熱圧着する転写工程を行った。
(再プレス)
転写工程後、速やかに、樹脂基体に転写用ハードコートフィルムが積層されている状態の積層体を、再度、加熱押圧する転写後積層体再プレス工程を行った。各実施例、比較例における同工程実施時の加熱温度は、再プレス時の各樹脂基体温度が、それぞれ表2に示す転写後積層体再プレス工程時の樹脂基体温度となるような温度とした。但し、比較例1のハードコート層積層体については転写工程後のこの転写後積層体再プレス工程を行わなわなかった。
〔耐燃焼性〕
実施例及び比較例の各製造方法で製造した各ハードコート層積層体について、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼試験方法にしたがって、耐燃焼性を評価した(燃焼時間:約90秒)。不燃性であるものを「A」、試験開始から、60秒以上90秒未満経過したときに着火する場合(極難燃性である場合)を「B」とし、試験開始から、60秒未満で着火する場合(難燃性である場合)を「C」とした。結果を表2に示す。尚、比較例5及び6については、それぞれ190℃での加熱時に樹脂基体が再プレス等によっても回復不能な程度にまで変形して不良品化してしまったため、この試験は行っていない。
〔耐傷性〕
学振型摩耗試験機を用いて、ハードコート層の表面に対し、スチールウール(製品名:ボンスター#0000(商品名)、日本スチールウール株式会社製)で、荷重1000g、1000往復の学振摩耗試験を行った。そして、試験前に対する試験後の曇価(ヘイズ値)の増加量を測定した。曇価(ヘイズ値)の増加量が5%未満である場合を「A」とした。曇価(ヘイズ値)の増加量が5%以上10%未満である場合を「B」とし、曇価(ヘイズ値)の増加量が10%以上である場合を「C」とした。結果を表2に示す。
Figure 0006821936
表2より、転写後に所定の加熱温度で再プレスを行う本発明の製造方法によれば、難燃剤を用いずとも、或いは、30質量%以下の含有量の難燃剤の添加により、極めて優れた耐燃焼性を有し、耐傷性においても優れるハードコート層積層体を得ることができるということが分かる。
1 ハードコート層積層体
10 転写用ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 プライマー層
14 接着層
15 転写層
20 樹脂基体

Claims (5)

  1. 転写用ハードコートフィルムが、熱可塑性の非結晶性樹脂からなる樹脂基体の表面に積層されてなる、ハードコート層積層体の製造方法であって、
    前記転写用ハードコートフィルムは、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層の表面にプライマー層と接着層とがこの順で配置されてなる転写層を含んでなる多層フィルムであり、
    前記ハードコート層が、硬化性樹脂と、難燃剤とを含んでなる硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であって、前記硬化物中における前記難燃剤の含有量が30質量%以下であり、
    前記樹脂基体がポリカーボネートであり、
    前記樹脂基体の表面に前記転写用ハードコートフィルムの前記接着層を対面させた状態で加熱圧着することにより前記転写層を、前記樹脂基体が該樹脂基体のガラス転移温度以上であって188℃以下の温度となる加熱温度で、前記樹脂基体の表面に転写する転写工程と、前記転写工程後に、前記樹脂基体に前記転写層が積層されてなる転写後積層体を、前記樹脂基体が該樹脂基体のガラス転移温度を超えて188℃以下の温度となる加熱温度で、加熱押圧する転写後積層体再プレス工程と、を行うハードコート層積層体の製造方法。
  2. 前記転写後積層体再プレス工程においては、前記樹脂基体の温度が160℃以上188℃以下となる加熱温度で、前記転写後積層体を加熱する請求項1に記載のハードコート層積層体の製造方法。
  3. 前記ハードコート層積層体が、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づく区分判定が、不燃性又は極難燃性である、請求項1又は2に記載のハードコート層積層体の製造方法。
  4. 転写用ハードコートフィルムが、熱可塑性の非結晶性樹脂からなる樹脂基体の表面に積層されてなる、車両窓用のハードコート層積層体の製造方法であって、
    前記ハードコート層積層体が、社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料の燃焼規格に基づく区分判定が、不燃性又は極難燃性であり、
    前記転写用ハードコートフィルムは、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層の表面にプライマー層と接着層とがこの順で配置されてなる転写層を含んでなる多層フィルムであり、
    前記ハードコート層が、硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、難燃剤を含有しない樹脂層であり、
    前記樹脂基体がポリカーボネートであり、
    前記樹脂基体の表面に前記転写用ハードコートフィルムの前記接着層を対面させた状態で加熱圧着することにより前記転写層を、前記樹脂基体が該樹脂基体のガラス転移温度以上であって188℃以下の温度となる加熱温度で、前記樹脂基体の表面に転写する転写工程と、前記転写工程後に、前記樹脂基体に前記転写層が積層されてなる転写後積層体を、前記樹脂基体が該樹脂基体のガラス転移温度を超えて188℃以下の温度となる加熱温度で、加熱押圧する転写後積層体再プレス工程と、を行う車両窓用のハードコート層積層体の製造方法。
  5. 前記転写後積層体再プレス工程においては、前記樹脂基体の温度が160℃以上188℃以下となる加熱温度で、前記転写後積層体を加熱する請求項4に記載の車両窓用のハードコート層積層体の製造方法。
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