JP2017177613A - 転写用ハードコートフィルム、基材フィルム付ハードコート層積層体、及びハードコート層積層体の製造方法 - Google Patents

転写用ハードコートフィルム、基材フィルム付ハードコート層積層体、及びハードコート層積層体の製造方法 Download PDF

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美里 龜井
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Abstract

【課題】耐傷性や耐候性をより向上させつつ、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写させることの可能な転写用ハードコートフィルムを提供する。
【解決手段】このフィルム10は、基材フィルム11上に、少なくとも、ハードコート層121とプライマー層122と接着層123とがこの順に配置されており、ハードコート層121は、硬化性成分と粒子とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。硬化性成分は、硬化性オリゴマーを含み、その含有量は、硬化性成分の総重量に対して80重量部以上である。硬化性オリゴマーは、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含み、3官能以下の硬化性オリゴマーは、硬化性オリゴマーの総重量に対して75重量部以上であり、4官能以上の硬化性オリゴマーは、上記総重量に対して25重量部以下である。そして、粒子は、硬化性成分の総重量に対して20重量部を超える。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写するための、転写用ハードコートフィルム、及び、転写用ハードコートフィルムを用いたハードコート層積層体に関する。
樹脂成形品の表面に耐傷性を付与するために、ハードコート層を樹脂成形品(樹脂基体)の表面に形成することが行われている。耐傷性以外の特性として、ハードコート層付樹脂成型品には、耐侯性や透明性が必要とされる。
ハードコート層を形成する手法として、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写する手法のほか、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を用いて樹脂成型品にハードコート剤を塗布する手法等が知られている。
しかしながら、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法のいずれを採用しても、ハードコート層に対する応力を緩和させる等の目的で、樹脂基体とハードコート層との間にプライマー層を形成しようとすると、プライマー層用組成物の塗布及び乾燥、ハードコート層用組成物の塗布及び乾燥を個別に繰り返す必要があり、ハードコート層を形成するための作業にかかる負担が大きい。そのため、ハードコート層を形成する手法として、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写する手法を採用するのが好ましい。
転写用ハードコートフィルムとして利用可能なハードコート層として、例えば、下記の特許文献1には、電離放射線硬化性樹脂及び紫外線吸収剤を含む樹脂組成物の硬化物からなり、且つ電離放射線硬化性樹脂の総量100質量部当たり、紫外線吸収剤が0.5〜10質量部含まれる態様が提案されている。
特許文献1の電離放射線硬化性樹脂は、(i)3官能以上の電離放射線硬化性樹脂と、(ii)2つの(メタ)アクリロイル基が脂肪族のリンカー領域を介して結合している2官能の(メタ)アクリレートモノマーを含む。3官能以上の電離放射線硬化性樹脂は、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート等の骨格を有したウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましく、3官能以上の電離放射線硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。更に、ハードコート層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよく、実施例では、ブロッキング防止剤として、平均粒径3μmのシリカ粒子がポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体100質量部に対して9質量部含まれている。
また、下記の特許文献2には、ハードコート層として、電離放射線硬化性樹脂、非反応性シリコーン、及び耐傷フィラーを含み、該耐傷フィラーの含有量(F)が該電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜8質量部である電離放射線硬化性樹脂組成物が提案されている。
特許文献2の電離放射線硬化性樹脂は、官能基数2〜15のウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、硬化収縮を防止する観点から、官能基数は、2〜6であることが好ましい。
特許文献2において、耐傷フィラーは、耐傷性や耐候性を向上させるために用いられる。耐傷フィラーとして、無機系と有機系のフィラーが挙げられ、無機物では、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの無機粒子が挙げられる。無機系の耐傷フィラーのうち、シリカ粒子は好ましいものの一つである。一方、有機物のフィラーとしては、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂ビーズが好ましく挙げられる。耐傷フィラーの含有量としては、硬化性樹脂100質量部に対して0.1〜8質量部であることを要し、優れた耐候性と耐傷性、表面保護層の透明性、及びプライマー層との密着性を考慮すると、1〜8質量部が好ましく、より好ましくは2〜7質量部である。
また、下記の特許文献3には、ハードコート層として、電離放射線硬化型樹脂と反応性官能基Aを有するシリコーン化合物とを含む樹脂組成物が提案されている。樹脂組成物は、シリカ等の耐傷フィラーを含有することが好ましい。
特許文献3においては、耐傷フィラーがシリカである場合、シリカとしては従来公知のシリカから適宜選択して用いることが可能であり、例えば、コロイダルシリカを好適に挙げることができる。コロイダルシリカは、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少なく、好ましい。シリカの粒子径としては、1次粒子径が5〜1000nmのものを用いることが好ましく、10〜50nmのものがさらに好ましく10〜30nmのものが特に好ましい。シリカの配合量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜20質量部の割合であることが好ましい。
国際公開2015/041334号パンフレット 特開2014−198317号公報 特開2012−11677号公報
上述したとおり、耐傷性や耐候性をより向上させるため、シリカ等の耐傷フィラーの使用量をさらに増やすことが望まれる。しかしながら、耐傷フィラーの使用量を硬化性樹脂の総質量に対して20質量部を超える量にすると、硬化性樹脂組成物の硬化物が非常に硬くなり、ハードコート層の柔軟性に影響する。
樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写する際、熱により樹脂基体が軟化する。熱転写によって転写用ハードコートフィルムにかかる温度は、接着層及びプライマー層のガラス転移温度を超えているため、接着層及びプライマー層は、熱によって軟化した樹脂基体に追従できる。これに対し、ハードコート層は、接着層及びプライマー層ほど柔軟性を有していないため、熱により樹脂基体が軟化すると、ハードコート層は、熱によって軟化した樹脂基体に追従できず、熱転写工程での屈曲、圧力等により、ハードコート層にクラックが生じ得る。したがって、硬化性樹脂の総質量に対して20質量部を超える量の耐傷フィラーを使用すると、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写するための、転写用ハードコートフィルムとして機能させることが難しい。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐傷性や耐候性をより向上させつつ、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写させることの可能な転写用ハードコートフィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、硬化性樹脂を、3官能以下の硬化性樹脂と、4官能以上の硬化性樹脂とを含むものとし、これら複数種類の硬化性樹脂の割合を所定範囲に設定することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を開発するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されており、前記ハードコート層は、硬化性成分と粒子とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、前記硬化性成分は、硬化性オリゴマーを含み、前記硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性成分の総重量に対して80重量部以上であり、前記硬化性オリゴマーは、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含み、前記3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して75重量部以上100重量部未満であり、前記4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であり、前記粒子の含有量は、硬化性成分の総重量に対して20重量部を超える、転写用ハードコートフィルムである。
(2)また、本発明は、前記3官能以下の硬化性オリゴマーが3官能以下の電離放射線硬化性オリゴマーであり、前記4官能以上の硬化性オリゴマーが4官能以上の電離放射線硬化性オリゴマーである、(1)に記載の転写用ハードコートフィルムである。
(3)また、本発明は、以下の測定方法により測定した前記ハードコート層の常温での伸び率が20%以上であり、以下の測定方法により、JIS K7136に準拠して測定した、前記ハードコート層の表面における曇価(ヘイズ値)の増加量が5%未満である、(1)又は(2)に記載の転写用ハードコートフィルムである。
(常温での伸び率の測定方法)
表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜いた試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定する。
(曇価の増加量の測定方法)
テーバー式摩耗試験機を用いて、JIS R3212に準拠し、前記ハードコート層の表面に対し、摩耗輪CS−10F、荷重500gで1000回転の摩耗試験を行う。そして、試験前に対する試験後の曇価(ヘイズ値)の増加量をヘイズメータ(日本電色工業製 NDH−2000)を用いてJIS K7136に記載の方法に従って測定する。
(4)また、本発明は、樹脂基体上に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置されており、前記ハードコート層は、硬化性成分と粒子とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、前記硬化性成分は、硬化性オリゴマーを含み、前記硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性成分の総重量に対して80重量部以上であり、前記硬化性オリゴマーは、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含み、前記3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して75重量部以上100重量部未満であり、前記4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であり、前記粒子の含有量は、硬化性成分の総重量に対して20重量部を超える、基材フィルム付ハードコート層積層体である。
(5)また、本発明は、樹脂基体と、(1)から(3)のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムの前記接着層とを対向させ、加熱されたロールを用いて、前記樹脂基体と前記転写用ハードコートフィルムとを加熱加圧する工程を含む、ハードコート層積層体の製造方法である。
(6)また、本発明は、少なくとも以下の工程を順に有する、ハードコート層積層体の製造方法である。
a)(1)から(3)のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程であって、前記基材フィルムの表面が前記固定型の表面に接するように前記転写用ハードコートフィルムを前記固定型にセットする工程
b)前記接着層の裏面に、射出成形の可動型をセットする工程
c)前記接着層の裏面に、樹脂基体形成用組成物を射出し、前記転写用ハードコートフィルムと、樹脂基体とを射出一体化する工程
本発明によると、耐傷性や耐候性をより向上させつつ、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写させることの可能な転写用ハードコートフィルムを提供することができる。
本発明の転写用ハードコートフィルムの一実施形態であって、層構成を表す断面模式図である。 本発明のハードコート層積層体の一実施形態であって、(a)基材フィルムが存在する実施態様、(b)基材フィルムを剥離した実施態様、を表す断面模式図である。 熱転写ロールを用いて、上記転写用ハードコートフィルムの転写層12を樹脂基体に転写して、上記ハードコート層積層体を製造する方法の一例を示す模式図である。 上記転写用ハードコートフィルムの転写層12と、樹脂基体形成用組成物とを射出一体化して、上記ハードコート層積層体を製造する方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<転写用ハードコートフィルム>
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、少なくとも、基材フィルム11上に、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123とがこの順に配置されている積層体である(図1参照)。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いることにより、樹脂基体20(図2)にハードコート層121を含む転写層12が積層されたハードコート層積層体を製造することができる。
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、本発明の転写用ハードコートフィルムの一実施態様である。本発明における「この順に配置」とは、基材フィルム11とハードコート層121とプライマー層122と接着層123のみが積層されている構成に限定されない意味である。例えば、本発明の効果を妨げない範囲で、基材フィルム11とハードコート層121との間に離型層や着色層(加飾層)などの他の層が積層されていても本発明の積層順を充足する限り本発明の範囲である。
また、本発明における「転写層12」とは、接着層123からハードコート層121までのすべての層を含む意味であり、3層に限定されない。よって、転写層12が4層以上で構成される場合には、転写層12の厚さとは4層以上の総厚さを意味するものである。
以下、本実施形態の転写用ハードコートフィルムを構成する基材フィルム11と、転写層12(ハードコート層121、プライマー層122、及び接着層123)について各々説明する。
〔基材フィルム〕
基材フィルム11は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。また、上記フィルムのうち延伸フィルムであることが好ましい。基材フィルム11がこれらの樹脂フィルムにより構成されることにより、その上にハードコート層121などを容易に形成でき、また、転写用ハードコートフィルム10を製造する際に熱収縮や、ハードコート層121の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという優れた耐収縮性を有し、転写用ハードコートフィルム10を優れた安定性と効率とで製造することが可能となる。更に、転写用ハードコートフィルム10を樹脂基体20に転写する際の加熱温度による熱収縮が生じることもないので、容易にハードコート層積層体10を製造することができる。
ポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体などのポリエステル樹脂からなるフィルムが好ましく挙げられる。これらの中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン熱可塑性エラストマーなどのポリオレフィン樹脂からなり、延伸された樹脂フィルムが好ましく挙げられる。また、これらの中でも、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであることが好ましい。
延伸ポリオレフィン樹脂は、一軸延伸されたもの、二軸延伸されたもののいずれでもよいが、転写用ハードコートフィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、二軸延伸されたものであることが好ましい。二軸延伸ポリオレフィン樹脂のシートは、通常、長手方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、好ましくは5倍以上30倍以下程度延伸し、次いで、幅方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して幅方向へ好ましくは5倍以上30倍以下延伸して得られる。また、延伸倍率が上記範囲内であると、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくくなる。
基材フィルム11の厚さは、特に限定されないが、4μm以上200μm以下であればよい。4μm以上であればカールやシワが入りにくくなり、200μm以下であればコストを安価に抑えられ、熱伝導効率が低下することがなく、転写後に基材フィルム11を剥離する際に各層がとられることがないため、優れた転写性が得られる。基材フィルム11は、複層構成でもよい。その場合、複層構成全体で上記厚みの範囲にあることが好ましい。
なお、基材フィルム11は、転写する際のハードコート層121との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム11表面に公知の離型処理を施したり、シリコーン樹脂などの離型層を設けてもよい。また、逆にハードコート層121との密着性を向上させるためにコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン/紫外線処理、易接着コート剤を塗布するなどの表面処理を施してもよい。
〔ハードコート層〕
ハードコート層121は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、樹脂基体20に耐傷性を付与する層である。
ハードコート層121は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等、の硬化物からなる層を好ましく挙げることができる。耐傷性や耐候性の観点から電離放射線硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより硬化する硬化性樹脂であり、電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も用いられる。
ハードコート層121に使用できる電離放射線硬化性樹脂としては、従来から電離放射線硬化性を有する樹脂として慣用されている重合性オリゴマー(プレポリマー)、重合性ポリマーの中から適宜選択して用いることができ、良好な硬化特性を得る観点から、ブリードアウトしにくく、固形分基準として95%以上100%以下程度としても塗布性を有し、かつ硬化させてハードコート層121を形成する際に硬化収縮を生じにくいものが好ましい。
そして、本実施形態では、上記硬化性樹脂組成物が、硬化性成分と粒子とを含有し、硬化性成分は、硬化性オリゴマーを含み、硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性成分の総重量に対して80重量部以上であることを特徴とする。本実施形態において、硬化性成分とは、分子中に重合性不飽和基を持ち、ラジカル重合等によって硬化可能なモノマー、オリゴマー、及びポリマーをいう。
[硬化性オリゴマー]
硬化性オリゴマーは、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含む。
(3官能以下の硬化性オリゴマー)
3官能以下の硬化性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが好ましく挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
硬化性オリゴマーの官能基数は、3以下である限り、特に制限されないが、官能基数としては、2以上3以下が高架橋密度による耐傷性付与の点で好ましい。
ハードコート層121を樹脂基体20に熱転写する際に、ハードコート層121が積層体から剥離するのを回避するため、3官能以下の硬化性オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、100以上3000以下であることが好ましく、500以上2500以下であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が過小であると、ハードコート層121の硬度が不足する結果、十分な耐傷性が得られない可能性がある。これに対し、重量平均分子量(Mw)が過大であると、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体20にハードコート層121が追従できず、ハードコート層121が樹脂基体20から剥離する可能性があるため、好ましくない。
なお、本実施形態において、重量平均分子量は、GPC法によって測定し、かつ、標準ポリスチレン換算された値である。
3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して75重量部以上100重量部未満であり、85重量部以上95重量部以下であることが好ましい。3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量が過少であると、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体20にハードコート層121が追従できず、ハードコート層121が樹脂基体20から剥離する、または転写時にクラックが入る可能性がある。3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量が過大であると、ハードコート性能が低下する可能性がある。
3官能以上の硬化性オリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマー)
4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーもまた、3官能以下の硬化性オリゴマーと同様に、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが好ましく挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。
硬化性オリゴマーの官能基数は、4以上9以下である限り、特に制限されないが、官能基数としては、硬化収縮を生じにくいという点から、4以上8以下がより好ましい。硬化性オリゴマーの官能基数が10以上であると、10官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であったとしても、適正なハードコート性能を得られない可能性があるため、好ましくない。また、10官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部を超えると、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体20にハードコート層121が追従できず、ハードコート層121が樹脂基体20から剥離する、または転写時にクラックが入る可能性がある。
ハードコート層121を樹脂基体20に熱転写する際に、ハードコート層121が積層体から剥離するのを回避するため、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーの重量平均分子量(Mw)は、200以上50,000以下であることが好ましく、1,000以上30,000以下であることがより好ましく、3,000以上20,000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が過小であると、ハードコート層121の硬度が不足する結果、十分な耐傷性が得られない可能性がある。これに対し、重量平均分子量(Mw)が過大であると、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体20にハードコート層121が追従できず、ハードコート層121が樹脂基体20から剥離する可能性があるため、好ましくない。
4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であることが好ましく、5重量部以上20重量部以下であることがより好ましい。4官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が過少であると、ハードコート性能が低下する可能性がある。4官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が過大であると、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体20にハードコート層121が追従できず、ハードコート層121が樹脂基体20から剥離する、または転写時にクラックが入る可能性がある。
4官能以上の硬化性オリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[他の硬化性成分]
また、本発明の目的に反しない限りにおいて、ハードコート層121を構成する硬化性樹脂組成物は、他の硬化性成分(硬化性モノマー、10官能以上の硬化性オリゴマー、硬化性ポリマー)を含有してもよい。
他の硬化性成分の含有量は、硬化性成分の総重量に対して20重量部未満であればよいが、15重量部未満であることが好ましく、10重量部未満であることがより好ましく、5重量部未満であることが特に好ましい。
硬化性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つモノマー、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの硬化性モノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬化性ポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のポリマーなどが好ましく挙げられ、ポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート又はウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。これらのポリマーを単独で、あるいは複数を組合せて用いてもよい。
[粒子]
本実施形態は、ハードコート層121を形成する硬化性樹脂組成物に、大量の粒子(耐傷粒子)が含まれることを特徴とする。
樹脂基体(図2の符号20)に転写層12が転写されると、樹脂基体20の表面に、少なくとも、接着層123とプライマー層122とハードコート層121と基材フィルム11とがこの順に配置されることになる(図2の(a)参照)。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いて、樹脂基体20に転写層12を転写すれば、ハードコート層121の表面には、基材フィルム11が設けられている。そのため、ハードコート層121の成分が揮発することはなく、これにより、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられている側の面における平滑性を保つことができる。
これに対し、従来の手法では、硬化性樹脂組成物に、大量の粒子(耐傷粒子)が含まれると、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を用いて、樹脂基体の表面に、ハードコート剤を塗布、乾燥して、ハードコート層を形成することになる。この手法では、ハードコート剤を塗布後、乾燥する際に、ハードコート層の成分が揮発し、ハードコート層の層厚が減少する。一方、ハードコート層に含まれる粒子(耐傷粒子)は、乾燥によっても揮発することはない。その結果、従来の手法でハードコート層を形成すると、粒子がハードコート層から突き出して、ハードコート層の平滑性の低下に繋がり得る。
以上のとおりであるため、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、硬化性樹脂組成物に、大量の粒子(耐傷粒子)が含まれる場合であっても、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられている側の面における表面を略均一にすることができる。
粒子としては、無機系と有機系の粒子がある。無機系粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、ジルコニア、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの粒子が挙げられる。該無機系粒子の形状としては、例えば、球状、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限はないが、ハードコート層121の硬度がより高くなり優れた耐傷性が得られる点で、球状が好ましい。
一方、有機系粒子としては、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。
中でも、耐傷性を向上させ、かつ、ハードコート層121の透明性を阻害しないことから、粒子は、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。シリカ粒子としては、従来公知のシリカ粒子から適宜選択して用いることが可能であり、コロイダルシリカ粒子なども好適に挙げられる。コロイダルシリカ粒子は、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少ない。
粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、ハードコート層121に好適な耐傷性を付与するという観点から、平均粒子径は、1nm以上4000nm(4μm)以下であることが好ましく、10nm以上2000nm(2μm)以下であることがより好ましい。さらに、粒子がハードコート層121から突き出して、粒子自体がハードコート層121に傷を与えることを回避するため、平均粒子径は、1000nm(1μm)以下であることが好ましい。そして、ハードコート層121の透明性を保つという観点から、平均粒子径は、500nm以下であることが特に好ましい。本実施形態において、粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であるものとする。体積平均粒子径は、レーザー回折式、又はレーザー散乱式粒子径分布測定により測定することができる。
本実施形態は、ハードコート層121を形成する硬化性樹脂組成物に、大量の粒子が含まれることを特徴とする。具体的に、粒子の含有量は、硬化性成分の総重量に対して20重量部を超え、25重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましい。粒子の含有量が過少であると、透明性を保つという観点から粒子径が小さいが故にハードコート層121に対して十分な耐傷性を付与できない。
粒子の含有量の上限は、特に限定されないが、ハードコート層121に樹脂基体20(図2参照)への追従性を与え、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写させることを可能にするため、粒子の含有量は、硬化性成分の総重量に対して150重量部以下であることが好ましく、120重量部以下であることがより好ましい。
[他の添加剤]
硬化性樹脂組成物は、所望に応じて、滑剤、耐候性改善剤、重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などの添加剤が、ハードコート層積層体への耐候性及び耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で含まれていてもよい。
滑剤は、耐傷性及び耐候性を向上させ、優れた透明性を付与するために用いられる。滑剤として、非反応性シリコーン化合物、耐候性改善剤などが知られている。非反応性シリコーン化合物は、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、アリル基などの反応性官能基を有しないシリコーン化合物であれば特に制限はなく、例えば、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのほか、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイルなどが好ましく挙げられる。なお、上記のような反応性官能基を分子中に有する反応性シリコーン化合物は、硬化収縮が生じやすくなるので、硬化性樹脂組成物に含有させないことが好ましい。
非反応性シリコーン化合物の含有量としては、硬化性成分100重量部に対して、0.05重量部以上30重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05重量部以上10重量部以下であり、更に好ましくは0.1重量部以上5重量部以下である。非反応性シリコーン化合物の含有量が上記範囲内であると、優れた耐傷性及び耐候性が得られ、硬化収縮が生じることがない。
また、ハードコート層121の形成に用いられる硬化性樹脂組成物は、優れた耐候性を得るため、耐候性改善剤を含んでもよい。耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤などがあり、紫外線吸収剤は有害な紫外線を吸収し、ハードコート層積層体の長期にわたる耐候性、安定性を向上させる。また、光安定剤は、これ自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線により生じる有害なフリーラジカルを効率よく捕捉することにより安定化が得られるというものである。
紫外線吸収剤としては、二酸化チタンや酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機系のものや、ベンゾトリアゾール系やトリアジン系の有機系の紫外線吸収剤が好ましく挙げられ、なかでもトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。また、光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)が好ましく挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤のなかでも、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、ヒンダードアミン系の光安定剤としては、反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましい。反応性官能基としては、電離放射線硬化性樹脂と反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)などが好ましく挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化性樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上5重量部以下添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することがきできる。
[厚さ]
ハードコート層121の厚さは、特に限定はないが、1μm以上20μm以下程度である。優れた耐候性とその持続性、更には透明性を得る観点から、好ましくは2μm以上20μm以下であり、より好ましくは2μm以上10μm以下であり、更に好ましくは2μm以上6μm以下である。また、ハードコート層121の厚さをより薄くすることにより硬化収縮の発生を低減することができ、また製造安定性や製造効率を向上させることができるため、特に2μm以上4μm以下とすることが好ましい。
[伸び率]
ハードコート層121は、以下の測定方法により測定した常温での伸び率が20%以上である。常温での伸び率が過小であると、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体20にハードコート層121が追従できず、熱転写工程での屈曲、圧力等により、ハードコート層121にクラックが生じ得るため、好ましくない。
(常温での伸び率の測定方法)
表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜いた試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定した。
[曇価]
以下の測定方法により、JIS K7136に準拠して測定した、ハードコート層121の表面における曇価(ヘイズ値)の増加量は、5%未満である。曇価の増加量が過大であると、ハードコート層121が十分な耐傷性を有しているとはいえない点で、好ましくない。
(曇価の増加量の測定方法)
テーバー式摩耗試験機を用いて、JIS R3212に準拠し、前記ハードコート層の表面に対し、摩耗輪CS−10F、荷重500gで1000回転の摩耗試験を行う。そして、試験前に対する試験後の曇価(ヘイズ値)の増加量をヘイズメータ(日本電色工業製 NDH−2000)を用いてJIS K7136に記載の方法に従って測定する。
〔プライマー層〕
プライマー層122は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成され、ハードコート層121に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層121と接着層123との密着性を向上させる役割を果たす層である。
[バインダー樹脂]
本実施形態に関するプライマー層122を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
[主剤]
主剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂の高分子鎖中に更にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂であることが、耐候性及び耐久性の観点からより好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン成分とアクリル成分との共重合体であるウレタンアクリル共重合体、ポリウレタンを構成するポリオール成分又はポリイソシアネート成分としてヒドロキシル基又はイソシアネート基を有するアクリル樹脂があり、なかでもウレタンアクリル共重合体が好ましい。ウレタンアクリル共重合体は、例えば、1分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂にポリオール化合物及びイソシアネート化合物を反応させる方法(特開平6−100653号公報等参照)や、不飽和二重結合を両末端に有するウレタンプレポリマーにアクリルモノマーを反応させる方法(特開平10−1524号公報等参照)等によって得ることができる。
上記の高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂のなかでも、高分子鎖中に、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するものが、ハードコート層との密着性の観点から好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有し、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体、又は、ポリエステル系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリエステル系ウレタンアクリル共重合体がより好ましく、より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を用いることが特に好ましい。これらのポリウレタンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリカーボネート系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、アクリル骨格を有するジオールに、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、上記アクリル骨格を有するジオールとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、或いはこれらがラジカル重合したオリゴマー又はプレポリマー(重合度2以上10以下程度)に、2つの水酸基が導入されている化合物が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系インシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネート等の脂環式系インシアネートが挙げられる。また、上記カーボネートジオールとしては、具体的には、下記一般式(1)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)−O]m−R−OH (1)
また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリカーボネート系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。前記アクリルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1以上6以下程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、エステルジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリエステル系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。あるいは、アクリル骨格を有するジオールに、エステルジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、アクリル骨格を有するジオール及びジイソシアネートは、前記ポリカーポネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。また、エステルジオールとしては、具体的には、下記一般式(2)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)]m−R−OH (2)
また、ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリエステル系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。アクリルモノマーとしては、上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。
上記プライマー層に用いられるポリウレタンは、優れた耐候性を備えさせるために、アクリル成分の含有量が1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。ここで、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量とは、ポリウレタンの総質量当たり、アクリル骨格を構成するモノマーが占める割合(重量%)である。より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量として、好ましくは5重量%以上20重量%以下が挙げられる。ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量は、ポリウレタンのNMRスペクトルを測定し、全ピーク面積に対するアクリル成分に帰属されるピーク面積の割合を求めることによって算出される。
上記プライマー層において、上記ポリウレタンと他のバインダー樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの混合比については、特に制限されないが、例えば、バインダー樹脂の総量100重量部当たり、上記ポリウレタンが50重量部以上、好ましくは70重量部以上、更に好ましくは85重量部以上となるように設定すればよい。
[硬化剤]
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートなどのイソシアネート硬化剤が挙げられる。
硬化剤の使用量は、応力緩和性能や表面保護層と接着層との密着性を向上の観点から、主剤となる樹脂100重量部に対して、1重量部以上40重量部以下が好ましく、10重量部以上30重量部以下がより好ましく、20重量部以上30重量部以下がさらに好ましい。
[各種添加剤]
本実施形態に関するプライマー層122は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
[厚さ]
本実施形態に関するプライマー層122の厚さについては、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下、好ましくは0.1μm以上8μm以下、更に好ましくは1μm以上5μm以下が挙げられる。
〔接着層〕
接着層123は、ハードコート層121を樹脂基体の表面に形成するために、ハードコート層121を樹脂基体20上に接着するために設けられる層である。接着層123は、ハードコート層121を樹脂基体20に接着するという機能に加えて、プライマー層122に含まれる粒子がプライマー層122の表面に突き出す、いわゆる頭出しを和らげて透明性の低下を抑制し、優れた光学的性能を確保するという機能も有する。
本実施形態に関する接着層123に使用できる接着性の樹脂としては、樹脂基体20の材質や転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂などの熱融着樹脂が好ましく、樹脂基体20の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種又は2種以上の樹脂が選定される。プライマー層122に含まれる粒子との屈折率差が小さく透明性に優れ、透明性と耐候性向上の点から、上記熱融着樹脂としては、アクリル樹脂を単体で用いることが特に好ましい。
上記接着層123の厚さについては、プライマー層122よりも厚いことが好ましいが、上記ハードコート層121を含む転写層12を樹脂基体20に接着するという機能と、優れた透明性を確保するという観点から、1μm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上7μm以下である。
また、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、接着層123の上にポリエチレン樹脂などの樹脂からなるカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくことが、製品を保管する上で好ましい。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、カバーフィルムを設ける場合、このカバーフィルムを剥がし、接着層123を露出し、この接着層123の面を介して樹脂基体20に転写される。
[着色層]
本発明の転写用ハードコートフィルムでは必須ではないが、ハードコート層積層体の意匠性を向上させるため、必要に応じて転写用ハードコートフィルムの一部又は全面に、更に着色層(加飾層)を設けてもよい。着色層の柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる柄や絵柄等を設けることもできる。
着色層は、例えばプライマー層と接着層との間に積層されるが、これに限定されず、接着性を有する材料の場合には接着層の上に形成されていてもよい。
着色層の形成方法は、例えば、プライマー層122の上に、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適当な色の顔料又は染料を着色剤として含有する印刷インキによる印刷を行うことで形成することができる。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法が挙げられる。着色層の厚みは、意匠性の観点から5μm以上40μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
<転写用ハードコートフィルムの製造方法>
本実施形態に関する転写用ハードコートフィルム10の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも以下の工程を順に有する転写用ハードコートフィルムの製造方法を挙げることができる。
a)基材フィルム11上にハードコート層121を形成する工程
b)ハードコート層121上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する工程
c)プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する工程
以下各工程について説明する。
〔a)基材フィルム上に、ハードコート層を形成する工程〕
基材フィルム11上に、ハードコート層121を含む転写層12形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、硬化後の厚さが通常1μm以上20μm以下程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗布層を予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは電離放射線を照射することが好ましい。
ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70kV以上300kV以下、照射線量は5Mrad以上10Mrad以下程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
〔b)プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程〕
次に、ハードコート層121上プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する。プライマー層122は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの塗布方式、或いは転写コーティング法により形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層122の塗膜を形成し、その後にハードコート層121の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うのがよい。
プライマー層122は、未硬化の状態を維持できる範囲で、表面の乾燥を行ってもよい。ここで、未硬化の状態とは、プライマー層中に未反応の硬化剤が残存している状態であり、その残存率が多い程、プライマー層122の透明性低下を防止する観点から好ましい。硬化剤のイソシアネート部分に該当する赤外スペクトル2260cm−1のピーク強度が、プライマー層塗布直後のピーク強度を基準として50%以上である状態が好ましい。
〔c)接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程〕
次に、プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する。接着層123を形成する方法は、上記b)と同様の方法を用いることができ、特に限定されない。
〔d)プライマー層を硬化する工程〕
任意ではあるが、プライマー層122を硬化させてもよい。ここでの硬化とは、プライマー層122に残存している硬化剤を主剤と完全に反応させてしまう工程である。具体的には、従来公知の方法で硬化反応を促進させればよく、硬化剤の種類にもよるが、典型的には、40℃以上60℃以下の温度で、24時間以上72時間以下置くとよい。
<ハードコート層積層体、基材フィルム付ハードコート層積層体>
ハードコート層積層体とは、樹脂基体20上に、接着層123とプライマー層122とハードコート層121と必要に応じて基材フィルム11とが、この順に配置されて積層された積層体である。樹脂基体20にハードコート層121を含む転写層12が積層されることで、樹脂基体20に十分な耐傷性を付与することができる(図2参照)。「樹脂基体上」とは、樹脂基体20上に直接に転写層12が積層される場合はもちろん、印刷層などを介して間接的に積層される場合も含む意味である。
〔樹脂基体〕
樹脂基体20を構成する樹脂は、用途に応じて適宜選択できる。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、耐傷性、耐侯性、透明性のいずれにも優れることから、
樹脂基体20は、有機ガラスであることが好ましい。
樹脂基体20が有機ガラスである場合、樹脂基体20を構成する樹脂は、高い透明性を有することが好ましい。高い透明性を有する樹脂として、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、耐衝撃性に優れることから、樹脂基体20を構成する樹脂は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
樹脂基体20の厚さは、通常1mm以上20mm以下であることが好ましく、2mm以上15mm以下であることがより好ましい。樹脂基体20が薄すぎると、面剛性などの実用的な強度が不十分となり、樹脂基体20が厚すぎると、樹脂基体20の加工性に影響する。
樹脂基体20の形状は、有機ガラスの用途に応じて適宜選択すればよく、板状のものには限られない。
〔ハードコート層積層体の製造方法〕
図3は、本実施形態のハードコート層積層体の製造方法の一例を示す模式図であり、図4は、本実施形態のハードコート層積層体の製造方法の他の一例を示す模式図である。本実施形態のハードコート層積層体は、高い耐傷性及び耐候性を有しつつ、樹脂基体20への追従性も有するため、熱により樹脂基体20が軟化しても、熱転写工程での屈曲、圧力等により、ハードコート層にクラックが生じることがない。したがって、本実施形態の製造方法は、極めて高い耐傷性及び耐候性を有するにもかかわらず、ハードコート層積層体を熱転写によって供給できるという顕著な効果を奏する。
図3は、熱転写ロールを用いて、転写用ハードコートフィルムの転写層12を樹脂基体20に転写して、ハードコート層積層体を製造する方法の一例を示す模式図である。
この方法では、押出機41での押出成形等によって樹脂基体20を得た後、樹脂基体20の表面に、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10の接着層123と対向するようにニップロール43等によって、加熱加圧することで積層し(熱転写方法)、基材フィルム付ハードコート層積層体を得る。また、その後、基材フィルム11を剥離することでハードコート層積層体を製造することができる。なお、樹脂基体20の両面に耐傷性を付与する観点から樹脂基体20の両面から転写用ハードコートフィルム10をそれぞれ用いて、樹脂基体20の両面にハードコート層121を含む転写層12を積層させてもよい。
図4は、転写用ハードコートフィルムの転写層12と、樹脂基体形成用組成物20’とを射出一体化して、ハードコート層積層体を製造する方法の一例を示す模式図である。この方法は、樹脂基体20の表面が曲面や凹凸状であり、ハードコート層121を曲面や凹凸に対して積層する場合に好適である。
この方法は、少なくとも以下の工程を順に有する。
a)転写用ハードコートフィルム10を射出成形の固定型51Aにセットする工程であって、基材フィルム11の表面が固定型51Aの表面に接するように転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aにセットする工程
b)接着層123の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型52Bをセットする工程
c)接着層123の裏面に、樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体20とを射出一体化する工程
[a)転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程]
工程a)では、まず、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)を、射出成形の固定型51Aに向けて、ヒーター52によって接着層123側から転写用ハードコートフィルム10を加熱する(図4の(a1))。
転写用ハードコートフィルム10を加熱する温度は、基材フィルム11のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常は、ガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、基材フィルム11として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に、70〜130℃程度である。
続いて、転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aの形状に沿うように予備成形(真空成形)し、転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aに密着させる(図4の(a2)。
固定型51Aの成形面は、滑らかな曲面であり、固定型51Aの成形面によって転写される形状が、基材フィルム付ハードコート層積層体の表面の形状となる。
[b)接着層123の裏面に可動型52Bをセットする工程]
次いで、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)に射出成形の可動型51Bをセットし、型締めする(図4の(b))。可動型51Bの成形面によって転写される形状が、基材フィルム付ハードコート層積層体の裏面の形状となる。
[c)転写用ハードコートフィルムと樹脂基体とを射出一体化する工程]
次いで、接着層123の裏面に、樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体20とを射出一体化する(図4の(c))。
本実施形態では、好適な樹脂基体形成用組成物20’(例えば、ポリカーボネート樹脂組成物)は、熱可塑性であるため、加熱溶融によって流動状態にして射出する。その後、樹脂基体形成用組成物20’を冷却して固化させる。これによって、転写用ハードコートフィルム10が、形成された樹脂基体20と一体化して貼り付き、基材フィルム付ハードコート層積層体となる。樹脂基体形成用組成物20’の加熱温度は、樹脂基体形成用組成物20’の種類によるが、一般に、180〜320℃程度である。
[d)後工程]
基材フィルム付ハードコート層積層体を形成した後、基材フィルム付ハードコート層積層体を射出成形型51(固定型51A及び可動型52A)から取り出す(図4の(d))。その後、必要に応じて、基材フィルム11をプライマー層12から剥離し、ハードコート層積層体を得る。なお、基材フィルム付ハードコート層積層体を射出成形型51から取り出すと同時に、基材フィルム11をプライマー層12から剥離してもよい。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<転写用ハードコートフィルムの製造>
基材フィルム11として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム(「東洋紡エステルフィルムE5101(商品名)」,東洋紡株式会社製)を用い、基材フィルム11の一方の面に、表1に示すハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層12(層厚:3μm)を形成した。
Figure 2017177613
表1において、上段の数値は、硬化性成分と粒子との総重量を100重量部としたときの各種成分の割合を示し、単位は、重量部である。下段におけるかっこ書きの数値は、硬化性成分の総重量を100重量部としたときの各種成分の割合を示し、単位は、重量部である。
表1における材料は、以下の通りである。
(A)硬化性樹脂
(A1)3官能以下の硬化性オリゴマー
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(製品名:EBECRYL 204,官能数:3,重量平均分子量(Mw):2,000,ダイセル・オルネクス株式会社製)
(A2)4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマー
7官能ウレタンアクリレートオリゴマー(製品名:UV−6300B,官能数:7,重量平均分子量(Mw):3,700,日本合成化学社製)
(A3)10官能以上の硬化性オリゴマー
10官能ウレタンアクリレートオリゴマー(製品名:KRM 8452,官能数:10,重量平均分子量(Mw):2,000,ダイセル・オルネクス株式会社製)
(B)粒子
耐傷フィラー(体積平均粒子径が50nmであり、PI<0.2であるシリカ粒子)
(C)紫外線吸収剤
ヒドロキシフェニルトリアジン
(D)光安定剤
反応性官能基を有する光安定剤
(E)シリコーン化合物
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル)
次いで、ハードコート層12の面にコロナ放電処理をした上に、以下のプライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、プライマー層13(層厚:3μm)を形成し、更に、熱融着樹脂(アクリル樹脂・ガラス転移温度Tg105℃)を用いて接着層14(層厚6μm)を、順次積層して、基材フィルム11、ハードコート層121、プライマー層122、及び接着層123を順に有する転写用ハードコートフィルム10を得た。
(プライマー層形成用樹脂組成物)
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100重量部
(ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は70/30である。)
ブロッキング防止剤(シリカ粒子(平均粒子径2μm)):2重量部
硬化剤:ヘキサンメチレンジイソシアネート:25重量部
さらに、上記の、基材フィルム/ハードコート層/プライマー層/接着層の積層体を、40℃温度下に72時間置くことにより、未硬化のプライマー層を硬化させることで、実施例及び比較例の転写用ハードコートフィルムを得た。
<評価>
実施例及び比較例の転写用ハードコートフィルムについて、ハードコート層121の常温での伸び率、曇価(ヘイズ)の増加量を測定した。
〔常温での伸び率の測定方法〕
表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜いた試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定した。結果を表2に示す。
〔曇価の増加量の測定方法〕
テーバー式摩耗試験機を用いて、JIS R3212に準拠し、転写用ハードコートフィルムのハードコート層の表面に対し、摩耗輪CS−10F、荷重500gで1000回転の摩耗試験を行った。そして、試験前に対する試験後の曇価(ヘイズ値)の増加量をヘイズメータ(日本電色工業製 NDH−2000)を用いてJIS K7136に記載の方法に従って測定した。結果を表2に示す。
Figure 2017177613
ハードコート層121に含まれる硬化性樹脂組成物の硬化性成分が硬化性オリゴマーを含み、硬化性オリゴマーが、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含み、3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量が、硬化性オリゴマーの総重量に対して80重量部以上100重量部未満であり、4官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が、硬化性オリゴマーの総重量に対して20重量部未満であると、粒子の含有量が極めて多く、ハードコート層121の耐傷性及び耐候性を顕著に高めた場合であっても、ハードコート層121が柔軟性を有し、樹脂基体20上に熱転写によってハードコート層121を転写するための、転写用ハードコートフィルムとして利用できることが確認された(実施例1〜4)。
これに対し、3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量が多すぎると、適切なハードコート性能を得られない可能性がある(比較例1)。
また、3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量が少なすぎると、ハードコート層121が十分な柔軟性を有しておらず、粒子の含有量が多いと、熱転写によってはハードコート層121を転写できないことが確認された(比較例2、3)。
また、4官能以上の硬化性オリゴマーに関し、官能数が10以上であると、10官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であったとしても、適正なハードコート性能を得られない可能性がある(比較例4)。
また、10官能以上の硬化性オリゴマーの含有量が硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部を超えると、樹脂基体上に熱転写によってハードコート層を転写する際、熱によって軟化された樹脂基体にハードコート層が追従できず、ハードコート層が樹脂基体から剥離する、または転写時にクラックが入る可能性がある(比較例5及び6)。
10 転写用ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 プライマー層
14 接着層
20 樹脂基体

Claims (6)

  1. 基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されており、
    前記ハードコート層は、硬化性成分と粒子とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、
    前記硬化性成分は、硬化性オリゴマーを含み、
    前記硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性成分の総重量に対して80重量部以上であり、
    前記硬化性オリゴマーは、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含み、
    前記3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して75重量部以上100重量部未満であり、
    前記4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であり、
    前記粒子の含有量は、硬化性成分の総重量に対して20重量部を超える、転写用ハードコートフィルム。
  2. 前記3官能以下の硬化性オリゴマーは、3官能以下の電離放射線硬化性オリゴマーであり、
    前記4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーは、4官能以上9官能以下の電離放射線硬化性オリゴマーである、請求項1に記載の転写用ハードコートフィルム。
  3. 以下の測定方法により測定した前記ハードコート層の常温での伸び率が20%以上であり、以下の測定方法により、JIS K7136に準拠して測定した、前記ハードコート層の表面における曇価(ヘイズ値)の増加量が5%未満である、請求項1又は2に記載の転写用ハードコートフィルム。
    (常温での伸び率の測定方法)
    表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜いた試験用シートとし、該試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度100mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定する。
    (曇価の増加量の測定方法)
    テーバー式摩耗試験機を用いて、JIS R3212に準拠し、前記ハードコート層の表面に対し、摩耗輪CS−10F、荷重500gで1000回転の摩耗試験を行う。そして、試験前に対する試験後の曇価(ヘイズ値)の増加量をヘイズメータ(日本電色工業製 NDH−2000)を用いてJIS K7136に記載の方法に従って測定する。
  4. 樹脂基体上に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置されており、
    前記ハードコート層は、硬化性成分と粒子とを含有する硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、
    前記硬化性成分は、硬化性オリゴマーを含み、
    前記硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性成分の総重量に対して80重量部以上であり、
    前記硬化性オリゴマーは、3官能以下の硬化性オリゴマーと、4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーとを含み、
    前記3官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して75重量部以上100重量部未満であり、
    前記4官能以上9官能以下の硬化性オリゴマーの含有量は、硬化性オリゴマーの総重量に対して25重量部以下であり、
    前記粒子の含有量は、硬化性成分の総重量に対して20重量部を超える、基材フィルム付ハードコート層積層体。
  5. 樹脂基体と、請求項1から3のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムの前記接着層とを対向させ、加熱されたロールを用いて、前記樹脂基体と前記転写用ハードコートフィルムとを加熱加圧する工程を含む、ハードコート層積層体の製造方法。
  6. 少なくとも以下の工程を順に有する、ハードコート層積層体の製造方法。
    a)請求項1から3のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程であって、前記基材フィルムの表面が前記固定型の表面に接するように前記転写用ハードコートフィルムを前記固定型にセットする工程
    b)前記接着層の裏面に、射出成形の可動型をセットする工程
    c)前記接着層の裏面に、樹脂基体形成用組成物を射出し、前記転写用ハードコートフィルムと、樹脂基体とを射出一体化する工程
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