JP7013966B2 - 化粧シート、及び化粧シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、化粧シート、及び化粧シートの製造方法に関する。
従来、耐傷付き性や耐摩耗性が求められる部分に使用される化粧シートとしては、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムに絵柄印刷を施したものが主流であった。近年では、環境問題への対応を考慮して、燃焼時の塩化水素又はダイオキシン等の有害物質の発生のおそれが少ない、ポリオレフィン系樹脂等の非塩素系樹脂フィルムを使用した化粧シートも開発され、広く使用される様になりつつある。
上記化粧シートには、耐傷付き性や耐摩耗性が求められることがある。具体的には、上記化粧シートには、物をぶつけたり、移動の際に擦ったりした際に表面に傷がつかないことが求められる。
耐傷付き性や耐摩耗性を備えた非塩素系の材料としては、例えば、特許文献1に記載のメラミン板があるが、メラミン板は大きさにある程度の規定がある。このため、化粧シートの製品加工時にメラミン板をカットして落とす部分が多いと歩留まりが悪くなることがある。また、メラミン板を用いると、枚葉での貼り合せ加工となるため作業の効率性も悪く、その重さゆえの作業性が悪くなることもある。
特開2014-188941号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、メラミン板を備えない化粧シートであってもメラミン板と同等の耐傷付き性能や耐摩耗性能を付与することができ、且つ、加工性や歩留まりにも優れた化粧シート、及びその化粧シートの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る化粧シートは、熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、第1接着剤層、ポリエステル系樹脂層、第2接着剤層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、前記透明熱可塑性樹脂層の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内であり、前記ポリエステル系樹脂層は、2軸延伸されており、前記ポリエステル系樹脂層の厚みは、100μm以上200μm以下の範囲内であり、前記ポリエステル系樹脂層の厚みと、前記透明熱可塑性樹脂層との厚みの合計値は、200μm以上300μm以下の範囲内であり、前記表面保護層は、紫外線硬化型樹脂を含んでいる。
本発明の一態様に係る化粧シートであれば、メラミン板を備えた化粧シートと同等の耐傷付き性能や耐摩耗性能を備え、且つ加工性や歩留まりにも優れた化粧シート、及びその化粧シートの製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係る化粧シートの構成を示す断面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を以下において説明する。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(化粧シート10の構成)
本実施形態の化粧シート10の構造の例を図1に示す。化粧シート10は、木質系基材、無機質系基材、合成樹脂基材、金属系基材等々の基材へ貼り合わせるオレフィン系化粧シートまたはポリエステル系化粧シートであり、特に、耐傷付き性や耐摩耗性が求められる部分に使用される化粧シートである。以下、化粧シート10の構成について、具体的に説明する。
化粧シート10は、熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、第1接着剤層3、ポリエステル系樹脂層4、第2接着剤層5、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。また、少なくとも透明熱可塑性樹脂層6にはエンボスが形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内である。ポリエステル系樹脂層4は、2軸延伸されており、ポリエステル系樹脂層4の厚みは、100μm以上200μm以下の範囲内である。また、ポリエステル系樹脂層4の厚みと、透明熱可塑性樹脂層6との厚みの合計値は、200μm以上300μm以下の範囲内である。また、表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂を含んでいる。
なお、透明熱可塑性樹脂層6は、ポリエステル系樹脂層4側に形成され、第1の樹脂を含む第1の樹脂層6aと、第1の樹脂層6a上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含む第2の樹脂層6bとを備えてもよい。さらに、第1の樹脂は、例えば、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は、例えば、透明ポリプロピレン樹脂であってもよい。
以下、上記各層の詳細について説明する。
〔熱可塑性樹脂基材シート1〕
本実施形態の熱可塑性樹脂基材シート1としては、塩化ビニル樹脂以外の種々材質が可能であるが、例えば、無公害性、価格、性能、着色の容易さ等の点から考慮すると、充填剤と着色顔料とを添加したポリオレフィン系材料が好適に使用できる。
〔絵柄模様層2〕
熱可塑性樹脂基材シート1の表面には、任意の絵柄が印刷された絵柄模様層2が設けられる。絵柄模様層2のなす絵柄の種類は特に限定されず、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、或いはそれらの組み合わせ等である。絵柄模様層2の形成に使用する印刷インキの種類は特に限定されず、化粧シートの形成に使用されている公知の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂系、ブチラール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整した印刷インキであってもよい。
〔第1接着剤層3〕
絵柄模様層2の上には第1接着剤層3が形成されている。第1接着剤層3は、絵柄模様層2の上に、第1接着剤層3を形成するための組成物を塗布して形成してもよい。第1接着剤層3に含まれる接着剤は、透明熱可塑性樹脂層6に含まれる透明熱可塑性樹脂との組み合わせに応じて、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の中から任意に選択可能である。
〔ポリエステル系樹脂層4〕
ポリエステル系樹脂層4は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等が用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。また、第1接着剤層3や表面保護層7との密着性を向上させるため、例えば、易接着層を設けたり、適宜コロナ処理などを施してもよい。
ポリエステル系樹脂層4は、2軸延伸処理がなされた層であることが好ましい。また、ポリエステル系樹脂層4の厚みは、100μm以上200μm以下の範囲内であることが好ましい。
〔第2接着剤層5〕
ポリエステル系樹脂層4の上には第2接着剤層5が形成されている。第2接着剤層5は、ポリエステル系樹脂層4の上に、第2接着剤層5を形成するための組成物を塗布して形成してもよい。第2接着剤層5に含まれる接着剤は、透明熱可塑性樹脂層6に含まれる透明熱可塑性樹脂の組み合わせに応じて、例えば、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の中から任意に選択可能である。
〔透明熱可塑性樹脂層6〕
透明熱可塑性樹脂層6は、エンボスが形成された層であって、例えば、複数層からなるシート状の層である。透明熱可塑性樹脂層6を構成する各層は、絵柄模様層2の絵柄が透けて見えるように、例えば透明な熱可塑性樹脂で形成される。透明熱可塑性樹脂層6に含まれる熱可塑性樹脂は、透明であればよく、例えば、塩化ビニル樹脂以外の種々の樹脂であってもよい。透明熱可塑性樹脂層6を構成する各層の樹脂の組み合わせは、目的とする特性により、様々な組合せが可能である。透明熱可塑性樹脂層6において、層の数は、4層以上も可能だが、押出し機の構造が複雑化し作業の煩雑さが大きくなるため、3層までが好ましい。もちろん、2層であってもよいし、1層であってもよい。
また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内であれば好ましい。また、ポリエステル系樹脂層4の厚みと、透明熱可塑性樹脂層6との厚みの合計値は、200μm以上300μm以下の範囲内であれば好ましい。
図1では、透明熱可塑性樹脂層6は、ポリエステル系樹脂層4側から、予め定めた樹脂(以下、「第1の樹脂」とも呼ぶ)を含んで構成される第1の樹脂層6a、及び第1の樹脂とは異なる樹脂(以下、「第2の樹脂」とも呼ぶ)を含んで構成される第2の樹脂層6bの2層がこの順に積層されて形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6は、第1の樹脂層6a及び第2の樹脂層6bの2層のみで構成されていてもよい。
本実施形態において、第1の樹脂層6aの厚みは、10μm以上であればよく、透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であればよい。第1の樹脂層6aの厚みが10μm未満であれば、第1の樹脂層6aの密着安定性が低下する傾向がある。また、第1の樹脂層6aの厚みが透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%超であれば、化粧シート10全体の表面強度が低下する傾向がある。つまり、第1の樹脂層6aの厚みが10μm以上であり、且つ透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であれば、第1の樹脂層6aの密着安定性を維持しつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。また、第1の樹脂層6aの厚みは、10μm以上であり、且つ第1の樹脂層6a及び第2の樹脂層6bの2層のみで構成された透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であってもよく、その場合であっても第1の樹脂層6aの密着安定性を維持しつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。
また、第1の樹脂層6aに対する透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)は、第2の樹脂層6bに対する透明ポリプロピレン樹脂の含有率(質量%)より大きくてもよい。この場合であっても第1の樹脂層6aの密着安定性を維持しつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。
第1の樹脂及び第2の樹脂としては、例えば、化粧シート10の表面の耐傷性、耐候性、耐汚染性、耐光性、透明性、折り曲げ性、及び熱成形性等を考慮し、更に材料コスト等を考慮すれば、第1の樹脂は好ましくは透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は好ましくは透明ポリプロピレン樹脂である。なお、第2の樹脂層6bは、第2の樹脂である透明ポリプロピレン樹脂とともに、紫外線吸収剤及び光安定剤のいずれか一方を含んで構成される層であってもよい。
本実施形態の透明なポリプロピレン樹脂としては、例えば、自由末端長鎖分岐を付与したポリプロピレン樹脂(a)と、自由末端長鎖分岐を付与していないポリプロピレン樹脂(b)との混合物で、その混合物の質量平均分子量/数平均分子量として定義される分子量分布Mw/Mnが1以上5以下の範囲内にあり、かつ、そのポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)の混合樹脂の、沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数が、1%以上90%以下の範囲内にあるものを用いるようにしてもよい。これにより、化粧シート10を、例えば鋼板基材に貼り合わせた後の折り曲げ加工において、白化や割れを抑制することができる。
ここで、分子量分布は、分子量Miの分子がNi個存在する場合に、数平均分子量Mn=Σ(Mi×Ni)/ΣNi、質量平均分子量Mw=Σ(Ni×Mi2)/Σ(Ni×Mi)の比、Mw/Mnとして定義される値である。1に近いほど分子量の分布が狭く、均一性が高くなる。この分子量分布が5以下になるようにすれば、分子量を必要十分な大きさに揃えることができ、白化や割れの抑制に寄与するようになる。一般的には、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。
また、沸騰ヘプタン可溶残分率として規定されるアイソタクチック指数は、ポリプロピレン樹脂中の結晶化度を調べる指標として有用である。具体的には、試料を沸騰n-ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出されない部分の質量(%)を求めてアイソタクチックインデックスを算出する。詳しくは、円筒濾紙を110±5℃で2時間乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)8g以上10g以下を入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて精秤する。これをヘプタン約80ccの入った抽出器の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立てる。これをオイルバスまたは電機ヒーターで加熱し、12時間抽出する。加熱は、冷却器からの滴下数が1分間130滴以上であるように調節する。続いて、抽出残分の入った円筒濾紙を取り出し、真空乾燥器にいれて80℃、100mmHg以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後、恒温恒湿中に2時間放置した後、精秤し、(P/Po)×100によりアイソタクチック指数を算出する。ただし、Poは抽出前の試料質量(g)、Pは抽出後の試料質量(g)である。
アイソタクチック指数を90%以下にすることで、ポリプロピレン結晶起因によるシート剛性を抑制することができる。アイソタクチック指数を下げる方法としては、例えば、非晶質ポリプロピレン成分(シンジオタクチックポリプロピレンやアダクチックポリプロピレン等)を一部に使う方法や、エチレンやα-オレフィン等のオレフィンモノマーを1種類以上ランダム共重合させる方法、各種ゴム成分(例えばエチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレンープロピレンージエンゴム(EPDM)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)等の成分)を添加する方法を用いることができる。
また、ポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)との混合樹脂の溶融張力(2.0mm径のノズルキャピラリーレオメーターを用い、温度条件230℃、60mm/分で押し出し、2mm/分で引き取るときの張力)は、100mN以上500mN以下の範囲内にあることが望ましい。500mNを超えると、溶融粘度が高くなりすぎて、安定した成膜ができなくなる。また100mN以下では、長鎖分岐成分が不十分となり、所望の性能を得難い。
また、ポリプロピレン樹脂(a)とポリプロピレン樹脂(b)との混合物の、JIS-K6760にて規定される230℃におけるメルトフローレートが5g/10min以上50g/10min以下の範囲内にすることで、分子量をある一定値以上で、かつ安定的な製膜状態を保持することができる。より好適なメルトフローレートの範囲は、10g/10min以上30g/10min以下の範囲内であり、更に好ましくは10g/10min以上25g/10min以下の範囲内である。メルトフローレートが50g/10minを超えると、Tダイによる溶融押出時に、Tダイから溶融押出された樹脂が、中央に集まろうとする効果(ネックイン)が大きくなり、Tダイから溶融押出された樹脂の端部厚みが増大してしまう。端部の厚み増大は冷却効率の低下と巾方向の厚み安定性に影響を与えるため、安定した製膜がしづらくなる。また、5g/10minよりも低いと、溶融樹脂のドローレゾナンスが悪くなり、Tダイから出た直後の溶融樹脂の速度(初速)と冷却ロールに触れた直後の樹脂の速度とのギャップに溶融樹脂が対応できなくなってしまい、安定した製膜がしづらくなる。
また、透明熱可塑性樹脂層6に添加する紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系等から適宜選定する。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール,2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール,2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を用いることができる。
また、トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソ-オクチルオキシフェニル)-s-トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を用いることができる。
さらに、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾンや変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。イソシアネート添加による架橋による樹脂成分との結合を望めるため、紫外線吸収剤としては、特に、水酸基を有するものが適している。添加部数は、所望の耐候性に応じて設定すればよいが、樹脂固形分に対して0.1%以上50%以下の範囲内、好ましくは1%以上30%以下の範囲内とする。
また、透明熱可塑性樹脂層6に添加する光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ポペリジニル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等を用いることができる。
添加部数は、所望の耐候性に応じて添加すればよいが、樹脂固形分に対して0.1質量%以上50質量%以下の範囲内、好ましくは1質量%以上30質量%以下の範囲内とする。
上記以外では、例えば、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等を添加してもよい。熱安定剤としては、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]-プロピオネート、2、4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等やこれらの混合物、つまり、1種、または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。
また、難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等を用いることができる。さらに、ブロッキング防止剤としては、例えば、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミド等の有機系ブロッキング防止剤等を用いることができる。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚さは、50μm以上150μm以下の範囲内が好適である。
〔表面保護層7〕
表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂を含むことが好ましい。具体的には、表面保護層7の材料としては、例えば、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂(UV硬化型樹脂)との混合物(ブレンド樹脂)が好ましい。このように、表面保護層7は、熱硬化型樹脂と紫外線硬化型樹脂、つまり、硬度が高い樹脂を含むため、表面に露出した表面保護層7によって、化粧シート10の耐傷性を向上できる。また、溶剤としては、酢酸エチル、酢酸nブチルを用いることができる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、化粧シート10の変形追従性、耐擦傷性等を考慮すれば、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタン結合を有する熱硬化型樹脂を用いるのが好ましい。
2液硬化型ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂を用いることができる。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものであって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオールを用いることができる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。多価イソシアネートとしては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートを用いることができる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等がある。なお、上記イソシアネートにおいて脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートは、耐候性、耐熱黄変性も良好にできる点で好ましく、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートを使用できる。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エポキシ系樹脂を使用できる。
〔プライマー層8〕
プライマー層8としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、これらの混合物等を使用することができる。更に、ポリオールとイソシアネートによる2液タイプにすることで、熱可塑性樹脂基材シート1とプライマー層8との密着性及びプライマー層8自体の凝集力が向上する。ポリオールとしては、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタンジイソシアネートといった芳香族系、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートといった脂肪族系が挙げられる。反応性の早さの点、耐熱性の点で芳香族系のポリオールが好ましい。
プライマー層8の厚みは、1μm以上が好ましい。プライマー層8の厚みは1μm未満となると接着剤の溶剤種によっては溶解してしまい、プライマー層8が消失することから密着性が向上しないことがある。
(化粧シート10の製造方法)
以下、化粧シート10の製造方法について簡単に説明する。
まず、熱可塑性樹脂基材シート1上に、例えば、印刷によって絵柄模様層2を形成する。
その後、その絵柄模様層2上に、ポリエステル系樹脂層4をドライラミネーションにて貼り合わせる。次に、ポリエステル系樹脂層4上に、溶融した透明熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を多層押出機から押し出して形成した複数の層を積層することで、透明熱可塑性樹脂層6、即ち第1の樹脂層6a及び第2の樹脂層6bを形成する。次に、透明熱可塑性樹脂層6にエンボス加工を行う。最後に、エンボス加工が施された透明熱可塑性樹脂層6上に、例えば、ウレタン系樹脂に、硬化剤、紫外線吸収剤及び光安定剤を添加した樹脂組成物を塗布した後、その樹脂組成物を乾燥させて表面保護層7を形成する。こうして、本実施形態に係る化粧シート10を製造する。
なお、本実施形態に係る化粧シート10の製造方法では、絵柄模様層2とポリエステル系樹脂層4との間に第1接着剤層3を形成する工程を含んでもよい。また、ポリエステル系樹脂層4と透明熱可塑性樹脂層6との間に第2接着剤層5を形成する工程を含んでもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態の化粧シート10は、熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、第1接着剤層3、ポリエステル系樹脂層4、第2接着剤層5、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順に積層されている。また、少なくとも透明熱可塑性樹脂層6にはエンボスが形成されている。また、透明熱可塑性樹脂層6の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内である。ポリエステル系樹脂層4は、2軸延伸されており、ポリエステル系樹脂層4の厚みは、100μm以上200μm以下の範囲内である。ポリエステル系樹脂層4の厚みと、透明熱可塑性樹脂層6との厚みの合計値は、200μm以上300μm以下の範囲内である。また、表面保護層7は、紫外線硬化型樹脂を含んでいる。
このような構成であれば、メラミン板を備えた化粧シートと同等の耐傷付き性や耐摩耗性を備え、且つ加工性や歩留まりにも優れた化粧シートを提供することが可能となる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる透明熱可塑性樹脂層6は、ポリエステル系樹脂層4側に形成され、第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層6aと、第1の樹脂層6a上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層6bとを備えていてもよい。また、第1の樹脂は、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であってもよく、第2の樹脂は、透明ポリプロピレン樹脂であってもよい。
このような構成であれば、第1の樹脂層6aが熱可塑性樹脂基材シート1との接着性を担保し、第2の樹脂層6bが層の主要部分となって、その他の物性を担うなど、材料の設計の巾を広げることが可能となる。第1の樹脂層6aを、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を含んだ層とすることで、熱可塑性樹脂基層との接着性を良くすることができる。また、第2の樹脂層6bを、透明ポリプロピレン樹脂を含んだ層とすることで、第2の樹脂層6b内部の耐脆化に効果をあらわすことができる。
また、本実施形態の化粧シート10に備わる第1の樹脂層6aの厚みは、10μm以上であり、且つ、透明熱可塑性樹脂層6全体の厚みの20%以下であってもよい。
このような構成であれば、第1の樹脂層6aの密着安定性を向上させつつ、化粧シート10全体の表面強度を維持することができる。
また、本実施形態の化粧シート10の製造方法は、上述した化粧シート10の製造方法であって、熱可塑性樹脂基材シート1上に、印刷によって絵柄模様層2を形成し、その絵柄模様層2上にポリエステル系樹脂層4をドライラミネーションにて貼り合わせた後、溶融した透明熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を多層押出機から押し出して形成した複数の層を積層することで透明熱可塑性樹脂層6を形成し、透明熱可塑性樹脂層6にエンボス加工を行う。
このような構成であれば、塩化ビニル樹脂で得ていたような柔軟性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性、耐傷性、透明感を主体とする意匠性等の特性を得、再現性に優れたエンボスを形成することができる。
(実施例)
〔実施例1〕
熱可塑性樹脂基材シート1として55μmのポリオレフィン系無機充填シート(リケンテクノス(株)製「OW」)を用い、表面側にグラビア印刷法によって木目模様を印刷して絵柄模様層2を形成した。
続いて、あらかじめコロナ処理を施した125μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製「ルミラーT60」)をドライラミネートし、第1接着剤層3及びポリエステル系樹脂層4を得た。
続いて、このポリエステル系樹脂層4上に、ウレタン樹脂系接着剤を塗布し温風乾燥で第2接着剤層5を形成した。
続いて、この第2接着剤層5上に、溶融した透明熱可塑性樹脂を含んでなる複数層を多軸エクストルーダーよりTダイで押し出して積層することで、透明熱可塑性樹脂層6を形成した。第1の樹脂には、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(理研ビタミン(株)製)を用い、第2の樹脂には、ポリプロピレン樹脂にフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「IRGANOX1010」)を0.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN622」)を0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN326」)を0.5重量部添加した樹脂を用いた。
同時に、導管エンボス版とゴムロールとによって、熱可塑性樹脂基材シート1、絵柄模様層2、第1接着剤層3、ポリエステル系樹脂層4、第2接着剤層5、及び透明熱可塑性樹脂層6の積層体をニップして、エンボス加工とラミネートとを同時に行った。ここで、第1の樹脂層6aの厚さは15μmとし、第2の樹脂層6bの厚さは85μmとした。
この化粧シート10のエンボス面に表面処理を施した後、トップコート樹脂としてウレタン系樹脂(東洋インキ(株)製「URV238ワニス」)に硬化剤(東洋インキ(株)製「UR150Bワニス」)を10重量部添加したものに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN326」)0.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(チバスペシャルティケミカルズ(株)製「TINUVIN622」)を1重量部添加したものを、グラビアコートで乾燥後の塗布量が5g/mとなるようにコートし表面保護層7を得た。
更に、熱可塑性樹脂基材シート1の裏面に表面処理を施した後、この面にポリオール(東洋インキ(株)製「ラミスターEM」)100重量部に対して、シリカ10重量部を添加して含有させ、イソシアネート(東洋インキ(株)製「LPNYB硬化剤」)3重量部を加えたものをプライマー塗工液とし、グラビアコートで乾燥後の塗布量が3g/mとなるようにコートしプライマー層8を得た。
このような手順により、実施例1の化粧シートを形成した。
〔実施例2〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを188μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例3〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを100μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例4〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを125μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔実施例5〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを188μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを50μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例1〕
ポリエステル系樹脂層4を、延伸処理を施していないポリエチレンテレフタレート(A-PET)とした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例2〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを250μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを50μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例3〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを75μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例4〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを100μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを200μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例5〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを188μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを25μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例6〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを188μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを150μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
〔比較例7〕
ポリエステル系樹脂層4の厚みを100μm、透明熱可塑性樹脂層6の厚みを75μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを形成した。
Figure 0007013966000001
以下、表1に示された評価項目について説明する。なお、「2軸延伸の有無」の欄では、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、即ちポリエステル系樹脂層が2軸延伸されている場合には、「○」と表記した。また、延伸処理を施していないポリエチレンテレフタレート、即ちポリエステル系樹脂層が2軸延伸されていない場合には、「×」と表記した。
<評価項目>
6mmのMDF(中密度繊維板)にエチレン-酢酸ビニル共重合エマルジョン型接着剤を塗布し、化粧シートと貼り合せ化粧板を得た。そして、各実施例及び各比較例の化粧板及び化粧シート単体を用いて、以下の試験を実施した。
〔耐摩耗性〕
化粧板を JAS フローリングの日本農林規格に規定される耐摩耗試験において、絵柄の消失が始まるまでの回転数を確認した。摩耗紙の交換は1000回転毎とした。
◎:3000回転以上
○:2500回転以上3000回転未満
△:2000回転以上2500回転未満
×:2000回転未満
〔耐傷性〕
化粧板を JIS K 5600に規定される鉛筆硬度試験にかけ、傷の付き方を確認した。
◎:7H以上で傷なし
○:4H~6Hで傷なし
△:H~3Hで傷なし
×:Hより軟らかいレベルで傷なし
〔加工性〕
化粧シートを化粧板に加工する際に選定可能な方法について確認した。
◎:インラインでのロールラミネート可能。
○:インラインでのロールラミネート可能。加工にやや慎重性を要する。
△:インラインでのロールラミネート可能だが、加工にかなりの慎重性を要する。
×:ロールラミネート不可。枚葉での貼り合せのみ。
〔切削性〕
化粧板を丸ノコで切断加工及びハンドルータにより表面がMDFに達する切削加工試験を行い、シートのバリの発生の有無を確認した。
◎:バリが発生しない。
○:バリが一部見られるが容易に修正可能。
△:バリが一部見られ、修正が必要。
×:バリがほぼ全面に発生し、手作業での修正も困難。
〔生産性〕
透明熱可塑性樹脂層6を押出積層する際の生産のしやすさを確認した。
◎:安定して生産可能。
○:◎よりは生産に気を配る必要があるが、安定して生産可能。
△:ロングラン生産で経時でロールとられの可能性があり、生産に慎重性を要する。
×:シワの発生やロールとられなどがあり、生産は非常に困難。
表1に示すように、本実施例に係る化粧シートは、耐傷付き性能や耐摩耗性能を備え、且つ、加工性や歩留まりにも優れた化粧シートである。
本実施形態の化粧シート及び本実施形態の化粧シートの製造方法により製造された化粧シートは、建築物の床面、壁面、天井等の内装、家具、各種キャビネット等の表面装飾材料、建具の表面化粧、車両の内装等に用いる表面化粧用として利用が可能である。
1:熱可塑性樹脂基材シート
2:絵柄模様層
3:第1接着剤層
4:ポリエステル系樹脂層
5:第2接着剤層
6:透明熱可塑性樹脂層
6a:透明熱可塑性樹脂層(第1の樹脂層)
6b:透明熱可塑性樹脂層(第2の樹脂層)
7:表面保護層
8:プライマー層
10:化粧シート

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、第1接着剤層、ポリエステル系樹脂層、第2接着剤層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順に積層され、
    少なくとも前記透明熱可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、
    前記透明熱可塑性樹脂層の厚みは、50μm以上150μm以下の範囲内であり、
    前記ポリエステル系樹脂層は、2軸延伸されており、
    前記ポリエステル系樹脂層の厚みは、100μm以上200μm以下の範囲内であり、
    前記ポリエステル系樹脂層の厚みと、前記透明熱可塑性樹脂層との厚みの合計値は、200μm以上300μm以下の範囲内であり、
    前記表面保護層は、紫外線硬化型樹脂を含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明熱可塑性樹脂層は、前記ポリエステル系樹脂層側に形成され、第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に形成され、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層とを備え、
    前記第1の樹脂は、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、
    前記第2の樹脂は、透明ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記第1の樹脂層の厚みは、10μm以上であり、且つ、前記透明熱可塑性樹脂層全体の厚みの20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の化粧シート。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シートの製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂基材シート上に、印刷によって前記絵柄模様層を形成し、前記絵柄模様層上に前記ポリエステル系樹脂層をドライラミネーションにて貼り合わせた後、溶融した透明熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を多層押出機から押し出して形成した複数の層を積層することで、前記透明熱可塑性樹脂層を形成し、前記透明熱可塑性樹脂層にエンボス加工を行うことを特徴とする化粧シートの製造方法。
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