JP2020175561A - 化粧シート - Google Patents

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【課題】本発明の解決しようとする課題は、加工性、耐摩耗性、生産性、耐傷性、切削性、密着強度を保持しつつ、床暖房用としても使用できる耐熱性を有する化粧シートを提案するものである。【解決手段】熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、第1接着剤層3、ポリエステル系樹脂層4、第2接着剤層5、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順序に積層された化粧シートであって、透明熱可塑性樹脂層にはエンボス9が形成されており、透明熱可塑性樹脂層の厚さは50μm以上150μm以下であり、ポリエステル系樹脂層はポリブチレンテレフタレートを含み、その厚さは50μm以上200μm以下であり、ポリエステル系樹脂層の厚さと透明熱可塑性樹脂層の厚さの合計は、140μm以上350μm以下であり、表面保護層は電離放射線硬化型樹脂を含むことを特徴とする化粧シートである。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シートに関し、特に床材の表面化粧材に必要とされる諸物性を満たし、床暖房用床材の表面化粧材としても好適に用いられる化粧シートに関する。
従来、耐傷付き性や耐摩耗性が必要とされる部分に使用される化粧シートとしては、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムに絵柄印刷を施したものが主流であった。近年では環境問題への対応を考慮して、燃焼時に塩化水素やダイオキシン等の有害物質の発生の恐れが少ないポリオレフィン系樹脂等の非塩素系樹脂フィルムを使用した化粧シートが開発され広く使用されるようになりつつある。
しかしポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートは、それだけでは床材用としての強度が十分でないために、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを補強用として用いることが検討された。ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いた化粧シートは、重歩行用途としても十分な性能を持っている。しかしJAS規格に規定する1類浸漬剥離試験には適合するものの、白化を生じる場合があり、床暖房や強い日差しが想定される用途には不安があった。
一方、床材のように特に耐傷付き性や耐摩耗性が重視される用途にあっては、メラミン樹脂化粧板に代表される熱硬化型樹脂化粧板が知られているが、熱硬化型樹脂化粧板は、枚葉でサイズが決まっているため加工性や施工性において歩留まりが悪く、価格的にも高価になるという問題がある。
特許文献1に記載された化粧シート及び化粧材は、床材用化粧シートにおいて、被着材に起因する不陸の問題、及び温度差に起因する断熱層の凝集破壊の問題を解消しつつ、断熱性、耐傷性、及び耐キャスター性に優れた化粧シート及び化粧材を提案したものである。
特許文献1に記載された化粧シートは、これらの問題を解決するために、化粧層の裏面側に合成樹脂バッカー層と発泡樹脂バッカー層を積層したものである。しかし近年床暖房の普及により、表面床材には断熱性が要求されないばかりか、むしろ床暖房効果を阻害する場合もあることが指摘されている。
特開2014−188941号公報
本発明の解決しようとする課題は、加工性、耐摩耗性、生産性、耐傷性、切削性、密着強度を保持しつつ、床暖房用としても使用できる耐熱性を有する化粧シートを提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、第1接着剤層、ポリエステル系樹脂層、第2接着剤層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順序に積層された化粧シートであって、前記透明熱
可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、透明熱可塑性樹脂層の厚さは50μm以上150μm以下であり、前記ポリエステル系樹脂層はポリブチレンテレフタレートを含み、その厚さは50μm以上200μm以下であり、ポリエステル系樹脂層の厚さと透明熱可塑性樹脂層の厚さの合計は、140μm以上350μm以下であり、前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂を含むことを特徴とする化粧シートである。
本発明に係る化粧シートは、ポリブチレンテレフタレートを含むポリエステル系樹脂層を用いたことにより、床暖房用途の床材に必要とされる各種物性を満足するものとなった。
また、請求項2に記載の発明は、前記透明熱可塑性樹脂層が、前記ポリエステル系樹脂層側に形成され第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に形成され、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層とを備え、前記第1の樹脂は透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、前記第2の樹脂は透明ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートである。
また、請求項3に記載の発明は、前記第1の樹脂層の厚さが、10μm以上であり、且つ、前記透明熱可塑性樹脂層全体の厚さの20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の化粧シートである。
本発明に係る化粧シートは、従来用いられていたポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに替えてポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを使用したことにより、1類浸漬剥離試験後の白化が抑制され、床暖房用途にも適合するものとなった。
透明熱可塑性樹脂層の厚さを50μm以上150μm以下とし、ポリブチレンテレフタレート樹脂層の厚さを50μm以上200μm以下とし、これら2層の厚さの合計を、140μm以上350μm以下としたことにより、耐摩耗性と加工性を両立させることができた。
請求項2に記載の発明のように、透明熱可塑性樹脂層を2層に分け、ポリエステル系樹脂層側にマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を含む第1の樹脂層を配置し、第1の樹脂層上にポリプロピレン樹脂を含む第2の樹脂層を配置した場合には、透明熱可塑性樹脂層のポリエステル系樹脂層への密着性が向上する。
さらに請求項3に記載の発明のように、第1の樹脂層の厚さを、10μm以上とし、且つ透明熱可塑性樹脂層全体の厚さの20%以下とした場合には、密着性を確保しつつ、高価なマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂が少なくて済むので、経済的に優れている。
図1は、本発明に係る化粧シートの一実施態様における層構成を模式的に示した断面説明図である。 図2は、本発明に係る化粧シートの他の実施態様における層構成を模式的に示した断面説明図である。
以下図面を参照しながら本発明に係る化粧シートについて詳細に説明する。図1は、本発明に係る化粧シート10の一実施態様における層構成を模式的に示した断面説明図であ
る。本発明に係る化粧シート10は、熱可塑性樹脂基材シート1上に、絵柄模様層2、第1接着剤層3、ポリエステル系樹脂層4、第2接着剤層5、透明熱可塑性樹脂層6、及び表面保護層7がこの順序に積層された化粧シートである。透明熱可塑性樹脂層6にはエンボス9が形成されており、透明熱可塑性樹脂層6の厚さは50μm以上150μm以下であり、ポリエステル系樹脂層4はポリブチレンテレフタレートを含み、その厚さは50μm以上200μm以下であり、ポリエステル系樹脂層4の厚さと透明熱可塑性樹脂層6の厚さの合計は、140μm以上350μm以下であり、表面保護層7は電離放射線硬化型樹脂を含むことを特徴とする。
熱可塑性樹脂基材シート1に用いる合成樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプテン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、共重合ポリエステル樹脂(代表的には1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET−G)等のポリエステル系樹脂や、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂や、6−ナイロン、6,6ナイロン、6,10ナイロン、12ナイロン等のポリアミド系樹脂や、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂や、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素系樹脂や、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含塩素系樹脂や、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、またはこれらから選ばれる2種または3種以上の共重合体や混合物を用いることができる。
熱可塑性樹脂基材シート1は、上記の合成樹脂成分に、着色顔料、充填剤、安定剤等を添加して分散均一化し、シート状に成形したものである。熱可塑性樹脂基材シート1の表面には、絵柄模様層2が印刷形成される。印刷方法としては、グラビア印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の印刷法が用いられる。印刷インキとしては、それぞれの印刷法に適した印刷インキを用いる。
次に絵柄模様層2の表面に第1接着剤層3を介してポリエステル系樹脂層4を貼り合わせる。ポリエステル系樹脂層4はポリブチレンテレフタレート樹脂を含むものを使用する。その厚さは50μm以上200μm以下とする。ポリエステル系樹脂層4の厚さが50μm未満であると、耐摩耗性が不十分となる恐れがある。また200μmを超える場合には、化粧シートを基材に貼り合せる際の加工性に問題が生じる。
次にポリエステル系樹脂層4の表面に、第2接着剤層5を介して透明熱可塑性樹脂層6を形成する。透明熱可塑性樹脂層6に用いる熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
透明熱可塑性樹脂層6の表面には、エンボス9を形成することにより、化粧シートの表面に立体感を与え、意匠性を向上させることができる。エンボス9は、透明熱可塑性樹脂
層6のみに留まらず、他の層に及んでも良い。エンボス9を形成する方法としては、各層を貼り合せた後に全体を加熱してエンボスロールを押し当てる後エンボス方法や、透明熱可塑性樹脂層をTダイから押し出してエンボスロールに押し当てる押し出し同時エンボス法等を用いることができる。
透明熱可塑性樹脂層6の厚さは50μm以上、150μm以下とするのが良い。50μm未満では、耐摩耗性、耐傷性能が得られない。一方透明熱可塑性樹脂層6の厚さが150μmを超えると製造時の生産性が劣り、コスト的にも不利である。
ポリエステル系樹脂層4の厚さと透明熱可塑性樹脂層6の厚さの合計は、140μm以上350μm以下とするのが良い。140μm未満では耐摩耗性に不安が生じる、350μmを超える場合には化粧板に加工する際のロールラミネート適性に問題が生じる。
透明熱可塑性樹脂層6の表面には、表面保護層7を設ける。表面保護層7は、化粧シート10の表面物性を向上させるものであり、化粧シート表面に耐傷性や耐汚染性、滑り性等を付与し、艶、触感等に影響する。表面保護層7としては、紫外線硬化型塗料や電子線硬化型塗料等の電離放射線硬化型塗料を用いる。
図2は、本発明に係る化粧シート10の他の実施態様における層構成を模式的に示した断面説明図である。この例では、透明熱可塑性樹脂層6は、ポリエステル系樹脂層4側に形成され第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層6−1と、第1の樹脂層上に形成され、第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層6−2とを備え、第1の樹脂は透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、第2の樹脂は透明ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする。
このようにポリエステル系樹脂層4に対する接着性に優れた第1の樹脂層6−1を設けることにより、絵柄模様層2上の透明樹脂層全体の密着性が高まり、より優れた物性を発揮することが可能となる。2層からなる透明熱可塑性樹脂層6を形成する方法としては、2軸押出機を用いて第1の樹脂層と第2の樹脂層を2層同時に押し出して貼り合わせる方法が適している。
第1の樹脂層6−1の厚さは10μm以上とし、透明熱可塑性樹脂層全体の厚さの20%以下とするのが望ましい。10μm未満では接着性の効果が十分発揮されない恐れがある。20%を超える場合には、接着効果としては飽和しており、むしろコスト面で不利である。以下実施例に基づいて本発明に係る化粧シートについてさらに具体的に説明する。
<実施例1>
熱可塑性樹脂基材シートとして厚さ55μmのポリオレフィン系無機充填シートを用い、表面側にグラビア印刷法によって木目模様を印刷して絵柄模様層を形成した。続いてこの絵柄模様層面に、予めコロナ処理を施した厚さ130μmのポリブチレンテレフタレートフィルムを、接着剤を用いてドライラミネートし、ポリエステル系樹脂層とした。
ポリエステル系樹脂層上にウレタン樹脂系接着剤を塗布し温風乾燥して第2接着剤層を形成した。続いてこの第2接着剤層上に溶融した2層の透明熱可塑性樹脂を多軸エクストルーダーを用いてTダイより押し出して透明熱可塑性樹脂層を形成した。第1の樹脂としては、透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を用い、第2の樹脂としては、ポリプロピレン樹脂100重量部にフェノール系酸化防止剤を0.2重量部、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量部添加した透明樹脂を用いた。
2層からなる透明熱可塑性樹脂層を形成するのと同時に全層を導管エンボス版とゴムロールでニップして、図2に示したような熱可塑性樹脂基材シート、絵柄模様層、第1接着剤層、ポリエステル系樹脂層、第2接着剤層、透明熱可塑性樹脂層からなる積層体を得た。第1の樹脂層の厚さは15μm、第2の樹脂層の厚さは85μmとした。
この積層体のエンボス面に表面処理を施した後、表面保護層としてウレタン系樹脂100重量部に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤を1重量部添加した樹脂組成物をグラビアコートで乾燥後の塗布量が7g/mとなるように塗布乾燥し、さらにアクリル系紫外線硬化型樹脂をグラビアコートで7g/mとなるように塗布し、直ちに紫外線を照射して硬化させて表面保護層とした。
熱可塑性樹脂基材シートの裏面に表面処理を施した後、ポリオール100重量部に対してシリカ10重量部、イソシアネート3重量部を添加したものをプライマー塗工液としてグラビアコートで乾燥後の塗布量が3g/mとなるように塗布、乾燥しプライマー層とした。以上により、化粧シートが完成した。
<実施例2>
ポリエステル系樹脂層の厚さを200μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<実施例3>
ポリエステル系樹脂層の厚さを50μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<実施例4>
ポリエステル系樹脂層の厚さを130μmとし、透明熱可塑性樹脂層の厚さを150μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<実施例5>
ポリエステル系樹脂層の厚さを130μmとし、透明熱可塑性樹脂層の厚さを50μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<比較例1>
ポリエステル系樹脂層として厚さ190μmの2軸延伸処理を施していないポリエチレンテレフタレート(A−PET)樹脂フィルムを用い、透明熱可塑性樹脂層の厚さを100μmとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
以上得られた7種類の化粧シートを、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン型接着剤を用いて厚さ6mmのMDF(中密度木質繊維板)に貼り合わせて化粧板とした。化粧シートと化粧板を用いて以下の評価試験を実施した。
<耐摩耗性>
化粧板をフローリングの日本農林規格(JAS)に規定する摩耗試験機にかけ、柄の消失が始まるまでの回転数を確認した。1000回転毎に研磨紙を新しいものと交換した。
◎:3000回転以上
〇:2500〜3000回転
△:2000〜2500回転
×:2000回転未満
<耐傷性>
化粧板を、JIS K 5600に規定する鉛筆硬度試験機にかけ、傷の付き方を確認した。
◎:7H以上
〇:4H〜6Hで傷なし
△:H〜3Hで傷なし
×:Hより柔らかいレベルで傷なし
<加工性>
化粧シートを化粧板に加工する際に選定可能な方法について確認した。
◎:インラインでのロールラミネート可能
〇:インラインでのロールラミネートは可能だが加工にやや慎重性を要する
△:インラインでのロールラミネートは可能だが加工にかなりの慎重性を要する
×:ロールラミネート不可。枚葉での貼り合わせのみ可能
<切削性1>
化粧板に対して丸鋸による切断加工と、ハンドルーターによるMDFに達する切削加工を行い、化粧シートのバリの発生状態を確認した。
◎:バリが発生しない
〇:バリが一部に見られるが容易に修正可能
△:バリが一部に見られ、修正が必要
×:バリがほぼ全面に発生し、手作業での修正も困難
<切削性2>
化粧板に対して丸鋸による切断加工と、ハンドルーターによるMDFに達する切削加工を行い、化粧シートのポリエステル樹脂層の凝集破壊の発生状態を確認した。
◎:ポリエステル樹脂層の凝集破壊が発生しない
〇:ポリエステル樹脂層の凝集破壊が一部見られるが容易に修正可能
△:ポリエステル樹脂層の凝集破壊が一部見られ、修正が必要
×:ポリエステル樹脂層の凝集破壊がほぼ全端部に発生し修正も困難
<生産性>
透明熱可塑性樹脂層を押し出し積層する際の生産のし易さを確認した。
◎:安定して生産可能
〇:◎よりは生産に気を配る必要があるが、安定して生産可能
△:ロングラン生産時、経時でロールとられ等の可能性があり、生産に慎重性を要する
×:皺の発生やロールとられ等があり、生産は非常に困難
<密着強度>
ポリエステル樹脂層と透明熱可塑性樹脂層間の密着強度を確認した
◎:密着強度が19.6N/cmより大きく、十分にある
×:密着強度が19.6N/cm以下で強度が十分にない
<一類浸漬剥離試験>
化粧板についてJASに規定する一類浸漬剥離試験を実施し、表面状態を確認する
◎:白化しない
×:白化する
以上の評価結果を表1にまとめた。
Figure 2020175561
この結果から分かるように、本発明に係る化粧シートは、シートの生産性や化粧板に加工する際の加工性、化粧板とした時の諸物性においてバランスが取れており、熱や日照にさらされる床暖房用床材の化粧シートとして有用である。
1・・・熱可塑性樹脂基材シート
2・・・絵柄模様層
3・・・第1接着剤層
4・・・ポリエステル系樹脂層
5・・・第2接着剤層
6・・・透明熱可塑性樹脂層
6−1・・・透明熱可塑性樹脂層(第1の樹脂層)
6−2・・・透明熱可塑性樹脂層(第2の樹脂層)
7・・・表面保護層
8・・・プライマー層
9・・・エンボス
10・・・化粧シート

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂基材シート上に、絵柄模様層、第1接着剤層、ポリエステル系樹脂層、第2接着剤層、透明熱可塑性樹脂層、及び表面保護層がこの順序に積層された化粧シートであって、
    前記透明熱可塑性樹脂層にはエンボスが形成されており、透明熱可塑性樹脂層の厚さは50μm以上150μm以下であり、
    前記ポリエステル系樹脂層はポリブチレンテレフタレートを含み、その厚さは50μm以上200μm以下であり、
    ポリエステル系樹脂層の厚さと透明熱可塑性樹脂層の厚さの合計は、140μm以上350μm以下であり、
    前記表面保護層は電離放射線硬化型樹脂を含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明熱可塑性樹脂層は、前記ポリエステル系樹脂層側に形成され第1の樹脂を含んで形成される第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に形成され、前記第1の樹脂とは異なる第2の樹脂を含んで形成される第2の樹脂層とを備え、前記第1の樹脂は透明マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、前記第2の樹脂は透明ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記第1の樹脂層の厚さは、10μm以上であり、且つ、前記透明熱可塑性樹脂層全体の厚さの20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の化粧シート。
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