JP5864292B2 - マーキングシートおよびマーキングシートの製造方法 - Google Patents

マーキングシートおよびマーキングシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、屋外での使用に有用なマーキングシート及びこのマーキングシートの製造方法に関する。
屋外の看板等に用いられるマーキングシートには、耐候性、防汚性に優れることが求められる。このため、従来、塩化ビニル系樹脂等からなる主膜層表面にフッ素樹脂層を設けることで、耐候性や防汚性を向上させることが行われてきた。
このフッ素樹脂層は、通常、フッ素樹脂を溶媒に溶解あるいは分散した液(フッ素樹脂含有液)を主膜層上に塗布し、得られた塗膜を乾燥することにより形成される。
しかしながら、マーキングシートを製造する際に、直接主膜層表面にフッ素樹脂含有液を塗布すると、その溶剤が主膜層に浸透して内部に残留し、マーキングシートの劣化等の問題を引き起こし易いという問題があった。
この問題を解決する方法として、先ず、工程シート上にフッ素樹脂層を形成し、次いで、キャスト法により、フッ素樹脂層上に主膜層を形成するという方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、この方法によりマーキングシートを製造する場合には、フッ素樹脂層と主膜層との間の密着性が劣る場合があった。
特開平7−68716号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、耐候性、防汚性に優れ、かつ、フッ素樹脂層と主膜層との間の密着性に優れるマーキングシート、及び、このマーキングシートを効率よく得ることができるマーキングシートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、工程シート上に、ブロックイソシアネート系架橋剤と、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とを含有するフッ素樹脂含有液を塗工し、得られた塗膜をブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度で乾燥して乾燥塗膜を得た後、得られた乾燥塗膜上に主膜層構成樹脂含有液を塗工し、次いで、前記乾燥塗膜と主膜層構成樹脂含有液の塗膜とを、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度以上200℃以下に加熱して、フッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤との架橋反応と、主膜層構成樹脂含有液の塗膜の乾燥とを同時に行うことで、目的の特性を有するマーキングシートが効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(3)のマーキングシート、及び(4)のマーキングシートの製造方法が提供される。
(1)主膜層とフッ素樹脂層から構成される基材と、前記基材の主膜層側に直接又は1層以上の層を介して積層された粘着剤層とを有するマーキングシートであって、
前記フッ素樹脂層が、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応により形成された架橋構造を有するものであり、かつ、
前記主膜層と前記フッ素樹脂層との間の密着性が、JIS K5600−5−6:1999に準じて測定される付着性試験において、分類0であることを特徴とするマーキングシート。
(2)前記主膜層が塩化ビニル系樹脂を含むものである、(1)に記載のマーキングシート。
(3)前記基材が、以下の工程I〜IIIを含む製造方法によって得られるものである、(1)又は(2)に記載のマーキングシート。
工程I:工程シート上に、保護基が解離することで、前記イソシアネート系架橋剤(A)を生成させるブロックイソシアネート系架橋剤、及び、架橋性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂含有液を塗工し、得られた塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度で乾燥する工程
工程II:工程Iで得られた乾燥塗膜上に、主膜層構成樹脂含有液を塗工する工程
工程III:工程Iで得られたフッ素樹脂含有液の乾燥塗膜、及び、工程IIで得られた主膜層構成樹脂含有液の塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度以上200℃以下に加熱する工程
(4)以下の工程I〜IVを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のマーキングシートの製造方法。
工程I:工程シート上に、保護基が解離することで、前記イソシアネート系架橋剤(A)を生成させるブロックイソシアネート系架橋剤、及び、架橋性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂含有液を塗工し、得られた塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度で乾燥する工程
工程II:工程Iで得られた乾燥塗膜上に、主膜層構成樹脂含有液を塗工する工程
工程III:工程Iで得られたフッ素樹脂含有液の乾燥塗膜、及び、工程IIで得られた主膜層構成樹脂含有液の塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度以上200℃以下に加熱することにより、主膜層とフッ素樹脂層から構成される基材を形成する工程
工程IV:工程IIIで得られた基材の主膜層側に、直接又は1層以上の層を介して、粘着剤層を積層する工程
本発明のマーキングシートは、耐候性、防汚性に優れ、かつ、フッ素樹脂層と主膜層との間の密着性に優れるマーキングシートである。本発明のマーキングシートは、このような特性を有するため、屋外の看板等を作製する場合に好適に用いられる。
本発明のマーキングシートの製造方法によれば、前記マーキングシートを効率よく製造することができる。
本発明のマーキングシートの製造工程断面図である。
以下、本発明を、1)マーキングシート、及び、2)マーキングシートの製造方法、に項分けして詳細に説明する。
1)マーキングシート
本発明のマーキングシートは、主膜層とフッ素樹脂層から構成される基材と、前記基材の主膜層側に、直接又は1層以上の層を介して積層された粘着剤層とを有するマーキングシートであって、前記フッ素樹脂層が、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応により形成された架橋構造を有するものであり、かつ、前記主膜層と前記フッ素樹脂層との間の密着性が、JIS K5600−5−6:1999に準じて測定される付着性試験において、分類0であることを特徴とする。
(基材)
本発明のマーキングシートの基材は、主膜層とフッ素樹脂層から構成され、さらに、フッ素樹脂層中に、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応により形成された架橋構造を有するものである。
主膜層は、従来のマーキングシートの基材フィルムと同様の樹脂成分を含む層である。
主膜層を構成する樹脂(以下、「主膜層構成樹脂」と略記することがある。)は、マーキングシートの強度、柔軟性、外観等を考慮して、適宜選択することができる。
また、主膜層構成樹脂の数平均重合度は、特に限定されないが、800〜2500程度のものが好ましい。
主膜層構成樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。なかでも、耐候性に優れるマーキングシートが得られることから、塩化ビニル系樹脂が好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル由来の繰り返し単位を有する重合体である。
塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル;エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−ハロゲン化オレフィン共重合体等の塩化ビニルを主体とする共重合体;等が挙げられる。塩化ビニルを主体とする共重合体において、塩化ビニル由来の繰り返し単位の量は、全繰り返し単位中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。
塩化ビニル系樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、塩化ビニル系樹脂は、他の樹脂と併用することができる。他の樹脂としては、塩化ビニル系樹脂と相溶性の樹脂が好ましい。かかる樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂と他の樹脂とを併用する場合、他の樹脂の配合量は、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、通常、1〜50質量部、好ましくは、5〜30質量部である。
主膜層は、前記主膜層構成樹脂に加えて添加剤を含有していてもよい。用いる添加剤としては、可塑剤;鉛塩系安定剤、金属せっけん系安定剤、有機すず系安定剤等の安定剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;光安定剤;柔軟性付与剤;難燃剤;帯電防止剤;発泡剤;滑剤;充填剤;着色剤;等が挙げられる。添加剤を含有する場合、添加剤の配合量は塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、通常、1〜50質量部である。
後述するように、主膜層は、主膜層構成樹脂や添加剤を含有する主膜層構成樹脂含有液を調製し、これを用いるキャスト法により形成することができる。
主膜層の厚みは、通常、25〜300μmである。
フッ素樹脂層は、主膜層表面に配置されることで、マーキングシートの耐候性、防汚性を向上させる役割を果たす。
フッ素樹脂層は、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応によって形成される層である。
架橋性官能基は、イソシアネート基と反応して架橋構造を形成し得る基であり、例えば、水酸基やカルボキシル基、アミノ基が挙げられる。なかでも、反応性に優れることから、水酸基が好ましい。
架橋性官能基を有するフッ素樹脂(以下、「フッ素樹脂」と略記することがある。)としては、分子内に、フッ素含有単量体由来の繰り返し単位を有し、かつ、架橋性官能基を有する高分子であれば特に限定されず、例えば、フッ素含有単量体と架橋性官能基を有する単量体との共重合体が挙げられる。該共重合体は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
フッ素含有単量体としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン(三フッ化エチレン)、1−ヒドロペンタフルオロプロピレン、2−ヒドロペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
架橋性官能基を有する単量体としては、水酸基含有アクリル系単量体やカルボキシル基含有アクリル系単量体が挙げられる。
水酸基含有アクリル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
カルボキシル基含有アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
また、フッ素樹脂は、その他の単量体由来の繰り返し単位をさらに有するものであってもよい。
その他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシアルキルビニルエーテル;ヒドロキシアルキルアリルエーテル;ヒドロキシカルボン酸ビニルエステル;ヒドロキシカルボン酸アリルエステル;N−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
フッ素樹脂中における、フッ素含有単量体由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、10〜60モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましい。また、架橋性官能基を有する単量体由来の繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましい。
フッ素樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、5000〜500000、好ましくは10000〜250000である。
なお、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
フッ素樹脂は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
フッ素樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は、特に限定されないが、好ましくは200以下であり、より好ましくは0超200以下であり、さらに好ましくは20〜80である。また、フッ素樹脂の酸価(mgKOH/g)は、特に現に限定されないが、好ましくは10〜200であり、より好ましくは50〜150であり、さらに好ましくは80〜120である。
水酸基価や酸価が上記範囲にあることで、工程シートを剥離する際にフッ素樹脂層の凝集破壊が抑制され、さらに、耐候性や耐溶剤性に優れるマーキングシートを得ることができる。なお、水酸基価及び酸価の値は、JIS K0070:1992に記載の中和滴定法により測定された値である。
また、フッ素樹脂は、他の樹脂と併用することができる。他の樹脂としては、架橋性官能基を有するフッ素樹脂と相溶性の樹脂が好ましい。例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
フッ素樹脂と他の樹脂とを併用する場合、他の樹脂の配合量は、フッ素樹脂100質量部に対して、通常、1〜50質量部、好ましくは、5〜30質量部である。
フッ素樹脂層は、層中に、フッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応により形成された架橋構造を有するものである。
かかる架橋構造としては、イソシアネート系架橋剤(A)のイソシアネート基と、フッ素樹脂の水酸基が反応して形成された化学結合(ウレタン結合:−O−C(=O)NH−)、イソシアネート系架橋剤(A)のイソシアネート基と、フッ素樹脂のカルボキシル基が反応して形成された化学結合(−C(=O)O−C(=O)−NH−)、イソシアネート系架橋剤(A)のイソシアネート基と、フッ素樹脂のアミノ基が反応して形成された化学結合(−NH−C(=O)−NH−)が挙げられる。なかでも、ウレタン結合(−O−C(=O)NH−)が好ましい。
イソシアネート系架橋剤(A)は、ポリイソシアネート化合物(1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物)からなる。
イソシアネート系架橋剤(A)としては、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
これらのイソシアネート系架橋剤(A)は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの誘導体としては、イソシアヌレート体、ビウレット体、ウレトジオン体等の変性物等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネ−ト化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、3,3,5−トリメチル−1−イソシアナト−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン、1,6−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ビス(4,4’イソシアナトシクロヘキシル)メタン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
本発明のマーキングシートは、フッ素樹脂層と主膜層との間の密着性に優れるものであるが、この特性を得るためには、架橋反応を適切に制御することが重要になる。
本発明のマーキングシートが好ましい物性を有するためには、後述するように、イソシアネート系架橋剤(A)として、加熱することで保護基が解離し、イソシアネート系架橋剤(A)が生成するブロックイソシアネート系架橋剤の形で用いることが好ましい。
ブロックイソシアネート系架橋剤は、ブロックイソシアネートからなり、ブロック解離温度以上に加熱することにより保護基が解離して、活性なイソシアネート系架橋剤(A)を生ぜしめるものである。
ブロック解離温度は、ブロックイソシアネートの保護基が解離して、活性なイソシアネート系架橋剤(A)を生じせしめる温度である。この温度は、示差熱−熱重量同時測定(TG/DTA)を、Nガス雰囲気下、昇温速度10℃/分にて、300℃まで行ったときのDTA曲線のピーク温度として求めることができる。
本発明に用いるブロックイソシアネート系架橋剤は、ブロック解離温度が、90〜150℃のものが好ましく、100〜140℃のものがより好ましい。ブロック解離温度がこの温度範囲にあることで、フッ素樹脂層を未架橋のまま乾燥させることができ、また、主膜層の乾燥と同時に、フッ素樹脂層中に架橋を容易に形成させることができる。
特に、ブロック解離温度が200℃を超える場合、製膜工程において高い温度を長い時間かけなければ十分に架橋が形成しないため、フィルムの機械的強度が十分に得られない場合がある。
ブロックイソシアネート系架橋剤は、ポリイソシアネート化合物とブロック化剤との付加反応生成物であり、従来公知の方法により製造し、入手することができる。
用いるブロック化剤としては、活性水素原子を1個以上有するものが好ましい。例えば、フェノール、チオフェノール、クレゾール、レゾルシノール等のフェノール類;ジフェニルアミン、キシリジン等の芳香族第2級アミン類;ピラゾール、ジメチルピラゾールなどの環状アミン類;フタル酸イミド類;カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類;アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム類;酸性亜硫酸ソーダ;等が挙げられる。
また、ブロックイソシアネート系架橋剤として、市販品をそのまま用いることもできる。市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ社のDURANATEシリーズ、昭和電工社のカレンズMOI−BM、BP等が挙げられる。
イソシアネート系架橋剤(A)及びブロックイソシアネート架橋剤の使用量は、ブロック解離時におけるイソシアネート基とフッ素樹脂の架橋性官能基の数の比(イソシアネート基:架橋性官能基)が、0.15:1〜2.5:1が好ましく、0.25:1〜1.5:1がより好ましい。特に、フッ素樹脂が架橋性官能基として水酸基を有する場合、水酸基とカルボキシル基の両方を有する場合を含む)をイソシアネート基とフッ素樹脂の水酸基の数の比(イソシアネート基:水酸基)が、0.3:1〜5:1が好ましく、0.5:1〜3:1がより好ましい。
後述するように、フッ素樹脂層は、フッ素樹脂及びブロックイソシアネート系架橋剤等を含有するフッ素樹脂含有液を用いる、公知の方法により形成することができる。
得られるフッ素樹脂層の厚みは、通常、0.5〜20μmである。
(粘着剤層)
本発明のマーキングシートの粘着剤層は、屋外用のマーキングシートの粘着剤層として公知の粘着剤層と同様のものである。
粘着剤層は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等の粘着剤を用いて、公知の方法により形成することができる。
なかでも、耐候性、コストなどの観点から、アクリル系粘着剤の使用が好ましい。
粘着剤層の厚みは、通常、15〜50μm、好ましくは、20〜40μmである。
粘着剤層は、基材の主膜層上に粘着剤を直接塗工して形成してもよく、また、剥離シート上に粘着剤層を形成した後、これを基材と貼合してもよい。
(剥離シート)
本発明のマーキングシートは、さらに、粘着剤層を保護する剥離シートを有するものであってもよい。
剥離シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム基材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンのフィルム基材;クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の紙基材;これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙などの片面に離型処理されているもの;等が挙げられる。離型処理剤としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離シートの厚みは特に制限されず、通常、10〜150μmである。
長尺状のマーキングシートを製造し、これをロール状に巻き取る場合、剥離シートの裏面(離型処理をしていない面)に凹凸があると、凹凸が剥離シートに接するフッ素樹脂層に転写されることがある。この問題を解消するために、フィルム基材の剥離シートを使用することが好ましい。
(その他の層)
本発明のマーキングシートは、基材の主膜層と粘着剤層との間にプライマー層等のその他の層を有していてもよい。プライマー層を有することで、主膜層と粘着剤層との間の密着性が向上する場合がある。
また、本発明のマーキングシートにおいては、基材の粘着剤層が設けられている側の反対面に、必要に応じ、アクリル系高分子型紫外線吸収層などの耐候層、印刷層、着色樹脂層などの中から選ばれる少なくとも1層を設けることができる。
本発明のマーキングシートは、主膜層とフッ素樹脂層との間の密着性が、JIS K5600−5−6:1999に準じて測定される付着性試験において、分類0(カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。)であることを特徴とする。
本発明のマーキングシートは、主膜層とフッ素樹脂層との間の密着性が高いものであるため、上記付着性試験において分類0になる。
一方、主膜層とフッ素樹脂層との間の密着性が低い場合は、上記付着性試験で分類0にならなかったり、フッ素樹脂層が剥がれるため試験片を作製できず、試験を行うことができないこともある。
2.マーキングシートの製造方法
本発明のマーキングシートの製造方法は、以下の工程I〜IIIを含む方法により基材を作成し、次いで、得られた基材を用いてマーキングシートを製造するものである(工程IV)。
工程I:工程シート上に、保護基が解離することで、前記イソシアネート系架橋剤(A)を生成させるブロックイソシアネート系架橋剤、及び、架橋性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂含有液を塗工し、得られた塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度で乾燥する工程
工程II:工程Iで得られた乾燥塗膜上に、主膜層構成樹脂含有液を塗工する工程
工程III:工程Iで得られた乾燥塗膜、及び工程IIで得られた塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度以上200℃以下に加熱することにより、主膜層とフッ素樹脂層から構成される基材を形成する工程
工程IV:工程IIIで得られた基材の主膜層側に、直接又は1層以上の層を介して、粘着剤層を積層する工程
以下、図1を参照しながら詳細に説明する。なお、図1の説明においては、「フッ素樹脂層」は、その乾燥状態や架橋状態に関わらず、「フッ素樹脂含有液を塗工して得られた層」を意味するものであり、「主膜層」は、その乾燥状態に関わらず、「主膜層構成樹脂含有液を塗工して得られた層」を意味する。
(工程I)
先ず、図1(a)に示すように、ブロックイソシアネート系架橋剤及びフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂含有液を、工程シート(1)上に塗工する。
フッ素樹脂含有液は、ブロックイソシアネート系架橋剤とフッ素樹脂を含有する溶液又は分散液である。フッ素樹脂含有液は、その他の樹脂や添加剤を含有してもよい。
フッ素樹脂含有液に用いられる溶剤としては、例えば、トルエン等の芳香族系溶媒や酢酸エチル等のエステル系溶媒が挙げられる。
工程シート(1)としては、特に限定されず、公知の工程シートを用いることができる。例えば、各種紙、またはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる樹脂フィルムを、シリコーン系、ポリエステル系、アクリル系、アルキド系、ウレタン系等の剥離剤または合成樹脂で剥離処理したものが挙げられる。
工程シート(1)の厚みは、通常、10〜200μmであり、好ましくは25〜150μmである。
フッ素樹脂含有液を工程シート(1)上に塗工する方法は特に制限されず、公知の方法を利用することができる。例えば、グラビヤコーター、マイヤーバー、ダイコーター、ナイフコーター等を用いて塗工することができる。
次に、図1(b)に示すように、上記で得たフッ素樹脂含有溶液の塗膜(フッ素樹脂層(2a))を、ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度で乾燥することにより、フッ素樹脂層(2b)を形成させる。
前記塗膜の乾燥温度が、ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度であることで、未反応のブロックイソシアネート系架橋剤を残存させた状態でフッ素樹脂層(2a)を乾燥することができ、後述するように、結果として、後の工程での加熱処理によって、フッ素樹脂層(2)と主膜層(3)との密着性を高めることができる。乾燥温度が、上記解離温度よりも10℃以上低い温度であるとより好ましい。
ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度は、通常、90〜150℃である。したがって、好ましい乾燥条件は、通常、80〜120℃で、30秒〜3分である。
(工程II)
その後、図1(c)に示すように、主膜層構成樹脂含有液を、工程Iで得られた乾燥塗膜(フッ素樹脂層(2b))上に塗工する。
主膜層構成樹脂含有液は、主膜層構成樹脂、及び必要に応じて添加剤を含有する溶液又は分散液である。
主膜層構成樹脂や添加剤としては、先に例示したものと同様のものが挙げられる。主膜層としては、塩化ビニル系樹脂が好ましい。
主膜層構成樹脂含有液に用いられる溶剤としては、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。
主膜層構成樹脂含有液をフッ素樹脂層(2b)上に塗工する方法は特に制限されず、公知の方法を利用することができる。例えば、工程Iで説明した方法が挙げられる。
(工程III)
次いで、図1(d)に示すように、工程Iで得られたフッ素樹脂含有液の乾燥塗膜〔フッ素樹脂層(2b)、及び工程IIで得られた主膜層構成樹脂含有液の塗膜(3a)を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度以上200℃以下に加熱する。
工程IIIを行うことで、主膜層構成樹脂含有液の塗膜(3a)を乾燥して、主膜層(3)が形成されるのと同時に、フッ素樹脂含有液の乾燥塗膜(2b)中で架橋反応が進行して、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応により架橋構造が形成される。
工程IIIにおける加熱温度は、好ましくは、150〜200℃、より好ましくは160〜200℃である。加熱時間は、通常、30秒〜3分、好ましくは、30秒〜2分である。
このようにして、主膜層(3)とフッ素樹脂層(2)とを同時に形成することで、2つの層の密着性に優れる基材(4)を得ることができる。
(工程IV)
その後、図1(e)に示すように、工程IIIで得られた、主膜層(3)とフッ素樹脂層(2)から構成される基材(4)の主膜層側に、粘着剤層(5)を積層する。
例えば、剥離シート上に粘着剤を塗工することで得られる、剥離層(6)と粘着剤層(5)からなる粘着シートを、前記基材(4)の主膜層(5)と、粘着シートの粘着剤層(5)とが対向するように貼合することにより、図1(e)の積層体を得ることができる。
また、基材の主膜層上に、粘着剤層を形成し、所望により、粘着剤層上に剥離層を積層する方法を採用してもよい。
剥離シートや粘着剤については、先に説明したものを用いることができる。
この場合、工程IVを行う前に、主膜層(3)の表面に対して、コロナ放電処理やプライマー処理を施してもよい。かかる処理を行うことで、主膜層(3)と粘着剤層(5)との密着性を高めることができる。
上記方法により、本発明のマーキングシート(A)を製造することができる。
また、本発明のマーキングシートを製造する際は、任意の段階で工程シート(1)を剥離することができる。したがって、本発明のマーキングシートは、図1(f)に示すマーキングシート(B)であってもよい。
工程シート上にフッ素樹脂層を形成し、次いで主膜層を形成する方法においては、乾燥不良の問題は解決されるものの、フッ素樹脂層と主膜層との密着性が低下し易くなる。
しかしながら、上記のようにブロックイソシアネート架橋剤を用い、架橋反応を適切に制御することで、乾燥不良の問題が解決されるのと同時に、フッ素樹脂層と主膜層との密着性に優れるマーキングシートを効率よく得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例になんら限定されるものではない。
重量平均分子量、酸価、水酸基価、ブロック解離温度は、それぞれ、先に説明した方法によって測定した。
〔実施例1〕
フッ素樹脂(三フッ化エチレン/ブチルアクリレート(BA)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)/アクリル酸(AA)/メチルメタクリレート(MMA)=30/30/15/15/10(モル比)を用いて得られた樹脂、重量平均分子量50000、酸価110、水酸基価61、固形分30質量%)100質量部と、ブロックイソシアネート系架橋剤(旭化成ケミカルズ社製、DURANATE SBN−70D、ブロック解離温度110℃、以下、「架橋剤1」と略記する。)とを、ブロックイソシアネート系架橋剤のイソシアネート基とフッ素樹脂中の水酸基の数の比(イソシアネート基:水酸基)が、1:1になるように、酢酸エチル中で混合することにより、フッ素樹脂含有液を調製した。
次いで、工程シート(シリコーン変性アルキッド樹脂を塗布したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:50μm)上に、上記で得たフッ素樹脂含有液を、ナイフコーターを用いて塗布し、得られた塗膜を90℃にて90秒間乾燥して、乾燥塗膜(厚さ:10μm)を得た。
一方、塩化ビニル系樹脂(PolyOneCorporation社製、Geon178)100質量部、ポリエステル系可塑剤(大日精化工業社製、ファインサイザーNS−4070)35質量部、金属せっけん系安定剤(勝田化工社製、B−9301)4質量部、及び、溶媒としてエチレングリコールモノブチルエーテル40質量部を混合して、主膜層構成樹脂含有液を調製した。
次いで、工程シート付乾燥塗膜の乾燥塗膜上に、主膜層構成樹脂含有液をナイフコーターを用いて塗布した。得られた積層体を、90℃にて90秒間、次いで190℃にて30秒間加熱した。加熱後の主膜層の厚みは55μmであった。
その後、上記で形成した主膜層の上に、剥離紙上にアクリル溶剤系粘着剤(リンテック社製、PA−10)を主成分とする粘着剤層(厚さ20μm)が形成されてなる粘着シートを主膜層と粘着剤層とが対向するように貼り合わせて、工程シート付マーキングシート1を作製した。
〔実施例2〕
架橋剤量をイソシアネート基と水酸基の数の比(イソシアネート基:水酸基)が、2:1になるように変更したことを除いて、実施例1と同様にして工程シート付マーキングシート2を作製した。
〔実施例3〕
架橋剤として、架橋剤1に代えて、ブロックイソシアネート系架橋剤(旭化成ケミカルズ社製、DURANATE TPA−B80E、ブロック解離温度130℃、以下、「架橋剤2」と略記する。)を、イソシアネート基と水酸基の数の比(イソシアネート基:水酸基)が2:1になるように用いたことを除いて、実施例1と同様にして工程シート付マーキングシート3を作製した。
〔比較例1〕
架橋剤として、架橋剤1に代えて、非ブロック型イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHL、以下、「架橋剤3」と略記する。)を、イソシアネート基と水酸基の数の比(イソシアネート基:水酸基)が2:1になるように用いたことを除いて、実施例1と同様にして工程シート付マーキングシート4を作製した。
〔比較例2〕
フッ素樹脂層の乾燥温度を120℃に変更したことを除いて、実施例2と同様にして工程シート付マーキングシート5を作製した。
〔工程シートを剥離したときの界面〕
実施例1〜3及び比較例1、2で得られた工程シート付マーキングシート1〜5のそれぞれを10cm×10cmの大きさで5枚切り出し、次いで、工程シートを剥がした。
赤外線吸収スペクトル法によって、工程シートの剥離面のフッ素樹脂の有無を調べた。フッ素樹脂が検出された枚数を第1表に示す。フッ素樹脂が検出された場合、フッ素樹脂層と主膜層の層間密着性が低いと判断することができる。
〔付着性試験〕
実施例1〜3で得られた工程シート付マーキングシート1〜3のそれぞれを10cm×10cmの大きさで切り出し、次いで、工程シートを剥がした。
これを試験片として用いて、JIS K5600−5−6:1999に準じて、フッ素樹脂層と主膜層との密着力を評価した。
密着力は、剥がれが全くないもの(分類0)から、剥がれの程度が大きいもの(分類5)の6段階で評価した。
なお、比較例1、2の工程シート付マーキングシート4、5は、工程シートを剥がすときにフッ素樹脂層も剥離したため、試験を行うことができなかった。
Figure 0005864292
第1表より、実施例1〜3においては、ブロックイソシアネートを用いた結果、比較例1よりも、フッ素樹脂層と主膜層との密着性が高いマーキングシートが得られた。
一方、非ブロックイソシアネート系架橋剤を用いて製造した比較例1の工程シート付マーキングシート4は、フッ素樹脂層と主膜層との密着性が低く、工程シートを剥がす段階で、フッ素樹脂層が剥離した。また、フッ素樹脂層の乾燥温度をブロックイソシアネートの解離温度よりも高くして製造した比較例2の工程シート付マーキングイート5もフッ素樹脂層と主膜層との密着性が低く、工程シートを剥がす段階で、フッ素樹脂層が剥離した。
1・・・・工程シート
2a・・・フッ素樹脂層(乾燥前)
2b・・・フッ素樹脂層(乾燥後)
2・・・・フッ素樹脂層(架橋形成後)
3a・・・主膜層(乾燥前)
3・・・・主膜層(乾燥後)
4・・・・基材
5・・・・粘着剤層
6・・・・剥離層
A,B・・マーキングシート

Claims (5)

  1. 主膜層とフッ素樹脂層から構成される基材と、前記基材の主膜層側に直接又は1層以上の層を介して積層された粘着剤層とを有し、
    前記フッ素樹脂層が、架橋性官能基を有するフッ素樹脂とイソシアネート系架橋剤(A)との架橋反応により形成された架橋構造を有するものであり、
    前記主膜層と前記フッ素樹脂層との間の密着性が、JIS K5600−5−6:1999に準じて測定される付着性試験において、分類0であるマーキングシートの製造方法であって、
    以下の工程I〜IIIを含むことを特徴とするマーキングシートの製造方法。
    工程I:工程シート上に、保護基が解離することで、前記イソシアネート系架橋剤(A)を生成させるブロックイソシアネート系架橋剤、及び、架橋性官能基を有するフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂含有液を塗工し、得られた塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度未満の温度で乾燥する工程
    工程II:工程Iで得られた乾燥塗膜上に、主膜層構成樹脂含有液を塗工する工程
    工程III:工程Iで得られたフッ素樹脂含有液の乾燥塗膜、及び、工程IIで得られた主膜層構成樹脂含有液の塗膜を、前記ブロックイソシアネート系架橋剤のブロック解離温度以上200℃以下に加熱することにより、主膜層とフッ素樹脂層から構成される基材を形成する工程
  2. 前記主膜層が塩化ビニル系樹脂を含むものである、請求項1に記載のマーキングシートの製造方法
  3. 前記ブロックイソシアネート系架橋剤として、ブロック解離温度が、90〜150℃のものを用いる、請求項1又は2に記載のマーキングシートの製造方法。
  4. 前記ブロックイソシアネート系架橋剤の使用量が、ブロック解離時におけるイソシアネート基とフッ素樹脂の架橋性官能基の数の比(イソシアネート基:架橋性官能基)が、0.15:1〜2.5:1となる量である、請求項1〜3のいずれかに記載のマーキングシートの製造方法。
  5. さらに、以下の工程IVを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のマーキングシートの製造方法。
    工程IV:工程IIIで得られた基材の主膜層側に、直接又は1層以上の層を介して、粘着剤層を積層する工程
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