JP6728262B2 - 変速装置 - Google Patents
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Description
前記メインシャフトと平行に配置され、駆動輪と動力伝達可能に接続されるカウンタシャフトと、
該メインシャフトにスライド不能に配置され、第1係合手段を有する固定ギヤと、
該メインシャフトにスライド可能に配置され、前記第1係合手段と係合する第2係合手段を有する可動ギヤと、
変速操作に応じて回動し、外周面にリード溝が設けられたシフトドラムと、
クランクケースに支持されるシフトフォークシャフトと、
前記シフトフォークシャフトに軸方向にスライド可能に軸支され、一端部が前記リード溝に係合し他端部が前記可動ギヤに連結されるシフトフォークと、を備え、
前記シフトドラムの回動により前記シフトフォークが前記可動ギヤをスライドさせ、前記第1係合手段と前記第2係合手段とを係合または非係合させることにより変速段を切り替える、変速装置であって、
前記シフトフォークシャフトの端部は、前記クランクケースに設けられた嵌合部と軸方向にスライド可能に嵌合し、
前記シフトフォークシャフトのシャフト端面と前記嵌合部の底面との間には隙間部が設けられ、
前記変速装置がニュートラル時の前記シフトフォークの位置を基準位置として、前記シフトフォークが前記基準位置に位置する際の前記隙間部の軸方向幅は、変速の際に前記リード溝により前記シフトフォークが前記基準位置から前記軸方向に移動する移動距離よりも短く構成され、
前記シフトフォークシャフトには、位置規制部が前記シフトフォークのフォーク端面と当接可能に設けられ、
前記シフトフォークが前記基準位置に位置する際に、前記フォーク端面と前記位置規制部との距離は、変速の際に前記リード溝により前記シフトフォークが前記基準位置から前記軸方向に移動する前記移動距離よりも短く構成されている。
また、隙間部は、変速の際にリード溝によりシフトフォークが軸方向に移動する移動距離よりも短く構成されるので、シフトフォークシャフトは必ず隙間部の底面によってスライドが規制される。シフトフォークシャフトのスライドが規制された後は、慣性力によってシフトフォークがシフトフォークシャフトを移動するので、シフトフォークがシフトフォークシャフトに一時的に引っ掛かった場合であっても、シフトフォークはスムースな移動が可能となる。
先ず、本発明の第1実施形態の変速装置について図1〜図8を参照しながら説明する。
なお、図面には、左側をL、右側をRとして示し、説明においては、図面を参照して左右の記載をする。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る変速装置10は、自動二輪車のエンジンのクランクケース21に組み込まれており、駆動ギヤ列41と、この駆動ギヤ列41を保持すると共に一端側(図1中右側)に取付けられたクラッチ装置を介してクランクシャフト(不図示)の動力が伝達されるメインシャフト11(図1参照)と、駆動ギヤ列41に噛み合い可能に配置される従動ギヤ列42と、従動ギヤ列42を保持すると共に駆動輪に動力を伝達可能に連結され、メインシャフト11と平行に配置されたカウンタシャフト12(図2参照)と、を備えている。
次に、変速動作について説明する。
(ニュートラル動作)
図3及び図4に示すように、変速装置10がニュートラルの場合は、第1シフトフォーク51、第2シフトフォーク52及び第3シフトフォーク53は、軸方向において各基準位置Np1、Np2、Np3に位置している。これにより、メインシャフト11と同期回転する1速駆動ギヤ41a、3速駆動ギヤ41c、2速駆動ギヤ41bは、いずれも、相対回転可能な状態の1速従動ギヤ42a、3速従動ギヤ42c、2速従動ギヤ42bと噛み合っているので、メインシャフト11とカウンタシャフト12間の動力伝達は行われない。
図5に示すように、変速装置10を1速に入れる場合は、クラッチ装置22を作動させてクランク軸側からの駆動力を一旦切ると共にシフトドラム45を回転させ第2シフトフォーク52を、右方向へ移動距離d1移動させる。これにより、4速従動ギヤ42d(図2参照)が右方向に移動し、4速従動ギヤ42dの第2係合手段42dpが1速従動ギヤ42aの第1係合手段42adに係合する。したがって、1速従動ギヤ42aがカウンタシャフト12と同期回転するので、メインシャフト11と同期回転する1速駆動ギヤ41aの回転が、1速従動ギヤ42aを介してカウンタシャフト12に伝達される。
図6に示すように、変速装置10を1速から2速に入れる場合は、第2シフトフォーク52を基準位置Np2に戻し、第3シフトフォーク53を左方向へ移動距離d2移動させる。これにより、4速従動ギヤ42d(図2参照)が左方向へ移動し、4速従動ギヤ42dの第2係合手段42dpと1速従動ギヤ42aの第1係合手段42adの係合が解除され、5速従動ギヤ42e(図2参照)が左方向へ移動し、5速従動ギヤ42eの第2係合手段42epが2速従動ギヤ42bの第1係合手段42bdに係合する。したがって、2速従動ギヤ42bがカウンタシャフト12と同期回転するので、メインシャフト11と同期回転する2速駆動ギヤ41bの回転が、2速従動ギヤ42bを介してカウンタシャフト12に伝達される。
図7に示すように、変速装置10を2速から3速に入れる場合は、第3シフトフォーク53を基準位置Np3に戻し、第2シフトフォーク52を左方向へ移動距離d3移動させる。これにより、5速従動ギヤ42e(図2参照)が右方向へ移動し、5速従動ギヤ42eの第2係合手段42epと2速従動ギヤ42bの第1係合手段42bdの係合が解除され、4速従動ギヤ42d(図2参照)が左方向へ移動し、4速従動ギヤ42dの第2係合手段42ddが3速従動ギヤ42cの第1係合手段42cdに係合する。したがって、3速従動ギヤ42cがカウンタシャフト12と同期回転するので、メインシャフト11と同期回転する3速駆動ギヤ41cの回転が、3速従動ギヤ42cを介してカウンタシャフト12に伝達される。
変速装置10を3速から4速に入れる場合は、第2シフトフォーク52を基準位置Np2に戻し、第1シフトフォーク51を右方向へ移動距離d4移動させる。これにより、4速従動ギヤ42d(図2参照)が右方向へ移動し、4速従動ギヤ42dの第2係合手段42ddと3速従動ギヤ42cの第1係合手段42cdの係合が解除され、3速駆動ギヤ41c(図1参照)が右方向へ移動し、3速駆動ギヤ41cの第2係合手段41cdが4速駆動ギヤ41dの第1係合手段41dpに係合する。したがって、4速駆動ギヤ41dがメインシャフト11と同期回転し、該回転がカウンタシャフト12と同期回転する4速従動ギヤ42dを介してカウンタシャフト12に伝達される。
図8に示すように、変速装置10を4速から5速に入れる場合は、第1シフトフォーク51を左方向へ移動し、基準位置Np1に戻して、さらに移動距離d5移動させる。これにより、3速駆動ギヤ41c(図1参照)が左方向へ移動し、3速駆動ギヤ41cの第2係合手段41cdと4速駆動ギヤ41dの第1係合手段41dpの係合が解除され、3速駆動ギヤ41cの第2係合手段41cpが5速駆動ギヤ41eの第1係合手段41edに係合する。したがって、5速駆動ギヤ41eがメインシャフト11と同期回転し、該回転がカウンタシャフト12と同期回転する5速従動ギヤ42eを介してカウンタシャフト12に伝達される。
続いて、本発明の第2実施形態の変速装置について図9を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態の変速装置10と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。第1実施形態の変速装置10では、位置規制部63、64、65を、第2シフトフォークシャフト32の外周面に円周方向に沿う溝を形成し、この溝に嵌り込むサークリップにより構成されているものとしたが、第2実施形態の変速装置では、他の構造を採用した。以下、第1実施形態の変速装置10における位置規制部63、64、65と第2実施形態の位置規制部66、67との相違点について詳細に説明する。
図9においては、3個の位置規制部63、66、67を備える第2シフトフォークシャフト32Aを示す。この第2シフトフォークシャフト32Aは、図中において最も右側の位置規制部63は、第1実施形態の構造と同じである。しかし、他の2個の構造が相違する。
前記メインシャフトと平行に配置され、駆動輪と動力伝達可能に接続されるカウンタシャフト(カウンタシャフト12)と、
該メインシャフトにスライド不能に配置され、第1係合手段(第1係合手段41dp、41ed)を有する固定ギヤ(4速駆動ギヤ41d、5速駆動ギヤ41e)と、
該メインシャフトにスライド可能に配置され、前記第1係合手段と係合する第2係合手段(第2係合手段41cd、41cp)を有する可動ギヤ(3速駆動ギヤ41c)と、
変速操作に応じて回動し、外周面にリード溝(リード溝45g)が設けられたシフトドラム(シフトドラム45)と、
クランクケース(クランクケース21)に支持されるシフトフォークシャフト(第1シフトフォークシャフト31)と、
前記シフトフォークシャフトに軸方向にスライド可能に軸支され、一端部が前記リード溝に係合し他端部が前記可動ギヤに連結されるシフトフォーク(第1シフトフォーク51)と、を備え、
前記シフトドラムの回動により前記シフトフォークが前記可動ギヤをスライドさせ、前記第1係合手段と前記第2係合手段とを係合または非係合させることにより変速段を切り替える、変速装置(変速装置10)であって、
前記シフトフォークシャフトの端部(端部31t)は、前記クランクケースに設けられた嵌合部(嵌合部28)と軸方向にスライド可能に嵌合し、
前記シフトフォークシャフトのシャフト端面(シャフト端面31e)と前記嵌合部の底面(底面28b)との間には隙間部(隙間部S)が設けられ、
該隙間部の軸方向幅(軸方向幅W5、W6)は、変速の際に前記リード溝により前記シフトフォークが前記軸方向に移動する移動距離(移動距離d4、d5)よりも短く構成され、
前記シフトフォークシャフトには、位置規制部(位置規制部61、62)が前記シフトフォークのフォーク端面(フォーク端面51e)と当接可能に設けられ、
前記変速装置がニュートラル時の前記シフトフォークの位置を基準位置(基準位置Np1)として、前記シフトフォークが前記基準位置に位置する際に、前記フォーク端面と前記位置規制部との距離(距離W7、W8)は、変速の際に前記リード溝により前記シフトフォークが前記軸方向に移動する移動距離(移動距離d4、d5)よりも短く構成されている、変速装置。
また、隙間部は、変速の際にリード溝によりシフトフォークが軸方向に移動する移動距離よりも短く構成されるので、シフトフォークシャフトは必ず隙間部の底面によってスライドが規制される。シフトフォークシャフトのスライドが規制された後は、慣性力によってシフトフォークがシフトフォークシャフトを移動するので、シフトフォークがシフトフォークシャフトに一時的に引っ掛かった場合であっても、シフトフォークはスムースな移動が可能となる。
前記シフトフォークシャフトの一端側の前記嵌合部の軸方向幅(軸方向幅W3)と、前記シフトフォークシャフトの他端側の前記嵌合部の軸方向幅(軸方向幅W4)は、いずれも、前記シフトフォークシャフトの一端側の前記隙間部の軸方向幅(軸方向幅W5)と前記シフトフォークシャフトの他端側の前記隙間部の軸方向幅(軸方向幅W6)との和よりも長い、変速装置。
前記シフトフォークは、前記シフトフォークシャフトに軸方向にスライド可能に軸支される2つのシフトフォーク(第2シフトフォーク52、第3シフトフォーク53)を有し、
前記位置規制部(位置規制部64、66)は、前記2つのシフトフォーク間に設けられている、変速装置。
前記第1係合手段と前記第2係合手段が係合状態から非係合状態となるために必要な前記シフトフォークの移動距離(移動距離r2、r1)よりも、前記シフトフォークの移動方向側における前記隙間部の軸方向幅(軸方向幅W5、W6)は長い、変速装置。
前記シフトフォークの前記位置規制部方向への移動可能距離(移動可能距離k4、k5)は、前記シフトフォークの前記フォーク端面と前記位置規制部との距離(距離W7、W8)と、前記シフトフォークの移動方向側における前記隙間部の軸方向幅(軸方向幅W5、W6)との和よりも短い、変速装置。
11 メインシャフト
12 カウンタシャフト
21 クランクケース
28 嵌合部
31 第1シフトフォークシャフト
31e シャフト端面
31t 端部
32 第2シフトフォークシャフト
32e シャフト端面
32t 端部
41a 1速駆動ギヤ
41b 2速駆動ギヤ
41c 3速駆動ギヤ(可動ギヤ)
41cd、41cp 第2係合手段
41d 4速駆動ギヤ(固定ギヤ)
41dp 第1係合手段
41e 5速駆動ギヤ(固定ギヤ)
41ed 第1係合手段
42a 1速従動ギヤ(固定ギヤ)
42ad 第1係合手段
42b 2速従動ギヤ(固定ギヤ)
42bd 第1係合手段
42c 3速従動ギヤ(固定ギヤ)
42cd 第1係合手段
42d 4速従動ギヤ(可動ギヤ)
42dd、42dp 第2係合手段
42e 5速従動ギヤ(可動ギヤ)
42ep 第2係合手段
45 シフトドラム
45g リード溝
51 第1シフトフォーク(シフトフォーク)
51e フォーク端面
52 第2シフトフォーク(シフトフォーク)
52e フォーク端面
53 第3シフトフォーク
53e フォーク端面
61、62、63、64、65、66、67 位置規制部
d1、d2、d3、d4、d5 シフトフォーク移動距離
k1、k2、k3、k4、k5 シフトフォーク移動可能距離
m1、m2、m3、m4、m5 所定距離
Np1、Np2、Np3 基準位置
r1、r2、r3、r4、r5 移動距離
S 隙間部
W3、W4 嵌合部の軸方向幅
W5、W6 隙間部の軸方向幅
W7、W8、W9、W10、W11 フォーク端面と位置規制部との距離
Claims (5)
- 駆動源と動力伝達可能に接続されるメインシャフト(11)と、
前記メインシャフトと平行に配置され、駆動輪と動力伝達可能に接続されるカウンタシャフト(12)と、
該メインシャフト(11)にスライド不能に配置され、第1係合手段(41dp、41ed)を有する固定ギヤ(41d、41e)と、
該メインシャフト(11)にスライド可能に配置され、前記第1係合手段(41dp、41ed)と係合する第2係合手段(41cd、41cp)を有する可動ギヤ(41c)と、
変速操作に応じて回動し、外周面にリード溝(45g)が設けられたシフトドラム(45)と、
クランクケース(21)に支持されるシフトフォークシャフト(31)と、
前記シフトフォークシャフト(31)に軸方向にスライド可能に軸支され、一端部が前記リード溝(45g)に係合し他端部が前記可動ギヤ(41c)に連結されるシフトフォーク(51)と、を備え、
前記シフトドラム(45)の回動により前記シフトフォーク(51)が前記可動ギヤ(41c)をスライドさせ、前記第1係合手段(41dp、41ed)と前記第2係合手段(41cd、41cp)とを係合または非係合させることにより変速段を切り替える、変速装置(10)であって、
前記シフトフォークシャフト(31)の端部(31t)は、前記クランクケース(21)に設けられた嵌合部(28)と軸方向にスライド可能に嵌合し、
前記シフトフォークシャフト(31)のシャフト端面(31e)と前記嵌合部(28)の底面(28b)との間には隙間部(S)が設けられ、
前記変速装置(10)がニュートラル時の前記シフトフォーク(51)の位置を基準位置(Np1)として、前記シフトフォーク(51)が前記基準位置(Np1)に位置する際の前記隙間部(S)の軸方向幅(W5、W6)は、変速の際に前記リード溝(45g)により前記シフトフォーク(51)が前記基準位置(Np1)から前記軸方向に移動する移動距離(d4、d5)よりも短く構成され、
前記シフトフォークシャフト(31)には、位置規制部(61、62)が前記シフトフォーク(51)のフォーク端面(51e)と当接可能に設けられ、
前記シフトフォーク(51)が前記基準位置(Np1)に位置する際に、前記フォーク端面(51e)と前記位置規制部(61、62)との距離(W7、W8)は、変速の際に前記リード溝(45g)により前記シフトフォーク(51)が前記基準位置(Np1)から前記軸方向に移動する前記移動距離(d4、d5)よりも短く構成されている、変速装置(10)。 - 請求項1に記載の変速装置(10)であって、
前記シフトフォークシャフト(31)の一端側の前記嵌合部(28)の軸方向幅(W3)と、前記シフトフォークシャフト(31)の他端側の前記嵌合部(28)の軸方向幅(W4)は、いずれも、前記シフトフォークシャフト(31)の一端側の前記隙間部(S)の軸方向幅(W5)と前記シフトフォークシャフト(31)の他端側の前記隙間部(S)の軸方向幅(W6)との和よりも長い、変速装置(10)。 - 請求項1または2に記載の変速装置(10)であって、
前記シフトフォークは、前記シフトフォークシャフト(32)に前記軸方向にスライド可能に軸支される2つのシフトフォーク(52、53)を有し、
前記位置規制部(64、66)は、前記2つのシフトフォーク(52、53)間に設けられている、変速装置(10)。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の変速装置(10)であって、
前記第1係合手段(41dp、41ed)と前記第2係合手段(41cd、41cp)とが係合状態から非係合状態となるために必要な前記シフトフォーク(51)の移動距離(r2、r1)よりも、前記シフトフォーク(51)の移動方向側における前記隙間部(S)の軸方向幅(W5、W6)は長い、変速装置(10)。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の変速装置(10)であって、
前記シフトフォーク(51)が移動開始位置から前記位置規制部(61、62)方向へ移動可能な最大距離である移動可能距離(k4、k5)は、前記シフトフォーク(51)の前記フォーク端面(51e)と前記位置規制部(61、62)との距離(W7、W8)と、前記シフトフォーク(51)の移動方向側における前記隙間部(S)の軸方向幅(W5、W6)と、の和よりも短い、変速装置(10)。
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