以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、以下で説明する実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内の第1軸と平行な方向をX軸方向(第1軸方向)とし、第1軸と直交する所定面内の第2軸と平行な方向をY軸方向(第2軸方向)とし、所定面と直交する第3軸と平行な方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。X軸(第1軸)を中心とする回転(傾斜)方向をθX方向とし、Y軸(第2軸)を中心とする回転(傾斜)方向をθY方向とし、Z軸(第3軸)を中心とする回転(傾斜)方向をθZ方向とする。所定面はXY平面を含む。XY平面は、X軸及びY軸を含む。本実施形態において、所定面と水平面とは平行である。Z軸方向は鉛直方向(上下方向)である。Z軸は、XY平面と直交する。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の一例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る電子部品実装装置1が有するヘッドユニット100の一例を模式的に示す斜視図である。図3は、本実施形態に係るヘッドユニット100の一例を示す側面図である。
電子部品実装装置1は、電子部品Cを基板Pに実装する。電子部品実装装置1は、表面実装装置1又はマウンタ1とも呼ばれる。電子部品Cは、リードを有するリード型電子部品(挿入型電子部品)でもよいし、リードを有しないチップ型電子部品(搭載型電子部品)でもよい。リード型電子部品は、基板Pの開口にリードが挿入されることによって基板Pに実装される。チップ型電子部品は、基板Pに搭載されることによって基板Pに実装される。
電子部品実装装置1は、基板Pを搬送する基板搬送装置2と、電子部品Cを供給可能な電子部品供給装置3と、複数の実装ヘッド10を有し電子部品供給装置3から基板Pまで電子部品Cを搬送するヘッドユニット100と、実装ヘッド10のノズル11を移動する移動システム4と、交換されるノズル11を保持する交換ノズル保持装置5と、電子部品実装装置1の少なくとも一部が収容されるチャンバ6と、電子部品実装装置1を制御する制御装置7とを備える。
基板搬送装置2は、電子部品Cが実装される基板Pを搬送する。基板搬送装置2は、Y軸方向に基板Pをガイドするガイド部材2Gと、基板Pを保持可能な基板保持部材2HをZ軸方向に移動可能なアクチュエータとを含む。基板Pは、ガイド部材2GにガイドされてY軸方向に移動可能である。基板搬送装置2は、基板Pを少なくともY軸方向に移動する。なお、基板搬送装置2が、基板PをX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。基板Pの表面の少なくとも一部に電子部品Cが実装される。
基板搬送装置2は、基板Pの表面とヘッドユニット100の少なくとも一部とが対向するように基板Pを移動可能である。基板Pは、基板供給装置(不図示)から電子部品実装装置1に供給される。基板供給装置から供給された基板Pは、ガイド部材2Gの所定位置まで搬送され、基板保持部材2Hで保持される。基板保持部材2Hは、基板Pの表面とXY平面とが平行となるように基板Pを保持する。ヘッドユニット100の実装ヘッド10は、その所定位置に配置された基板Pの表面に電子部品Cを実装する。基板Pに電子部品Cが実装された後、その基板Pは、基板搬送装置2によって次工程の装置に搬送される。
電子部品供給装置3は、電子部品Cを実装ヘッド10に供給する。電子部品供給装置3は、電子部品Cを複数支持する。ヘッドユニット100は、電子部品供給装置3から電子部品Cが供給される電子部品供給エリアと、基板Pが配置される実装エリアとの間を移動可能である。電子部品供給エリアと実装エリアとは異なるエリアである。本実施形態において、電子部品供給装置3は、基板搬送装置2の基板Pの搬送経路の両側(+X側及び−X側)に配置される。実装ヘッド10は、電子部品供給装置3から供給された電子部品Cを基板Pに実装する。電子部品供給装置3から供給される電子部品Cは、同種の電子部品でもよいし、異種の電子部品でもよい。
交換ノズル保持装置5は、複数種類のノズル11を保持する。交換ノズル保持装置5は、実装ヘッド10に対して交換されるノズル11を複数保持する。交換ノズル保持装置5により、実装ヘッド10に装着されるノズル11が交換される。実装ヘッド10は、その装着されたノズル11で電子部品Cを保持する。
図2及び図3に示すように、ヘッドユニット100は、X軸方向に配置される複数の実装ヘッド10と、複数の実装ヘッド10を支持する支持部材12とを有する。実装ヘッド10は、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル11と、ノズル11を支持するノズルシャフト13とを有する。ヘッドユニット100は、ノズルシャフト13を保持するホルダ14と、ホルダ14を支持する支持部材12とを有する。
複数の実装ヘッド10は、X軸方向に一列に配置される。本実施形態において、実装ヘッド10は、複数(4つ)設けられる。複数の実装ヘッド10はそれぞれ、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル11を有する。ノズル11は、電子部品Cを吸着する吸着ノズルであり、ノズルシャフト13の下端部に配置される。ノズル11の下端部には、気体を吸引する吸着孔が設けられている。ノズル11の下端部と電子部品Cとが接触した状態で、吸着孔から気体が吸引されることにより、ノズル11は、電子部品Cを保持する。また、吸着孔からの気体の吸引が停止されることにより、電子部品Cはノズル11から解放される。なお、ノズル11は、電子部品Cを掴んで保持する把持ノズルでもよい。
移動システム4は、ヘッドユニット100をY軸方向に移動するY軸駆動装置8と、ヘッドユニット100をX軸方向に移動するX軸駆動装置9と、実装ヘッド10をZ軸方向に移動するZ軸駆動装置15と、実装ヘッド10をθZ方向に移動(回転)するθZ駆動装置16とを有する。
Y軸駆動装置8は、ヘッドユニット100をY軸方向にガイドするガイド部材8Gと、ヘッドユニット100をY軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。X軸駆動装置9は、ガイド部材8GをX軸方向にガイドするガイド部材9Gと、ガイド部材9GをX軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。X軸駆動装置9によりY軸駆動装置8のガイド部材8GがX軸方向に移動することによって、ガイド部材8Gに支持されているヘッドユニット100がガイド部材8Gと一緒にX軸方向に移動する。
Y軸駆動装置8は、支持部材12に接続される。支持部材12は、Y軸駆動装置8のガイド部材8GにY軸方向にガイドされる。支持部材12がY軸駆動装置8によってY軸方向に移動されることによって、支持部材12に支持されている複数の実装ヘッド10が、支持部材12と一緒にY軸方向に移動する。支持部材12がY軸駆動装置8のガイド部材8Gを介してX軸駆動装置9によってX軸方向に移動されることによって、支持部材12に支持されている複数の実装ヘッド10が、支持部材12と一緒にX軸方向に移動する。
Z軸駆動装置15は、支持部材12に支持され、ホルダ14をZ軸方向に移動する。Z軸駆動装置15は、回転モータを含む。Z軸駆動装置15は、ボールねじ17を介してホルダ14に接続され、ホルダ14をZ軸方向に移動する。ホルダ14がZ軸方向に移動すると、そのホルダ14に保持されている実装ヘッド10は、ホルダ14と一緒にZ軸方向に移動する。
θZ駆動装置16は、ホルダ14に支持され、ノズルシャフト13をθZ方向に移動(回転)する。θZ駆動装置16は、回転モータを含む。θZ駆動装置16は、ノズルシャフト13の上端部に接続され、ノズルシャフト13をθZ方向に移動する。ノズルシャフト13がθZ方向に移動すると、そのノズルシャフト13に支持されているノズル11は、ノズルシャフト13と一緒にθZ方向に移動する。
複数の実装ヘッド10のそれぞれに対して、ホルダ14、Z軸駆動装置15、及びθZ駆動装置16が配置される。複数の実装ヘッド10(ノズル11)は、Z軸駆動装置15及びθZ駆動装置16の作動により、支持部材12に対して、Z軸方向及びθZ方向の2つの方向に個別に移動可能である。
本実施形態においては、移動システム4により、ノズル11は、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。Y軸駆動装置8及びX軸駆動装置9は、X軸方向及びY軸方向に支持部材12を移動可能なヘッド駆動装置として機能する。Z軸駆動装置15及びθZ駆動装置16は、支持部材12に対して実装ヘッド10(ノズル11)をZ軸方向及びθZ方向に移動可能なノズル駆動装置として機能する。
図3に示すように、ヘッドユニット100は、ノズル11に保持された電子部品Cを検出する部品検出装置18を有する。部品検出装置18は、検出光LBを使って電子部品Cを光学的に検出する。部品検出装置18は、支持部材12に支持される。X軸駆動装置9及びY軸駆動装置8により支持部材12がX軸方向及びY軸方向に移動されることによって、その支持部材12に支持されている部品検出装置18は、支持部材12と一緒に移動する。
部品検出装置18は、ノズル11に保持されている電子部品Cの状態を検出する。電子部品Cの状態は、電子部品Cの形状、及びノズル11で保持されている電子部品Cの姿勢の少なくとも一方を含む。部品検出装置18は、検出光LBを射出する光源を含む射出部18Aと、射出部18Aから射出された検出光LBの少なくとも一部を受光可能な受光素子を含む受光部18Bとを含む。射出部18Aの光源は、検出光LBとしてレーザ光を発生可能である。受光部18Bは、射出部18Aと対向する位置に配置されている。Z軸方向に関して、射出部18Aと受光部18Bとは同じ位置(高さ)に配置されている。部品検出装置18は、ノズル11に保持された電子部品Cに検出光LBを照射して、電子部品Cの状態を検出する。
射出部18Aと受光部18Bとは、Y軸方向に配置される。射出部18Aは、XY平面と平行に検出光LBを射出する。本実施形態において、射出部18Aは、Y軸と平行となるように検出光LBを射出する。
図4は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の一例を示す機能ブロック図である。制御装置7は、実装ヘッド10及び移動システム4に制御信号を出力して、実装ヘッド10及び移動システム4を制御する。記憶装置19及び入力装置20が制御装置7に接続される。
制御装置7は、コンピュータシステムを含む。制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む。また、制御装置7は、実装ヘッド10、移動システム4、記憶装置19、及び入力装置20との間で信号の入出力を実施可能な入出力インターフェース回路を含む。記憶装置19は、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のような内部メモリ及びハードディスク装置のような外部メモリを含む。入力装置20は、作業者により操作される入力デバイスを含む。入力装置20は、キーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくとも一つを含む。
制御装置7のプロセッサは、記憶装置19に記憶されているコンピュータプログラムに従って、電子部品実装装置1を制御するための制御信号を生成する。制御装置7の各種の機能は、プロセッサにより実行される。
制御装置7は、電子部品供給装置3から供給される電子部品Cの外形寸法を示す部品寸法データを取得する部品寸法データ取得部71と、実装ヘッド10の中心軸AXと中心軸AXから最も遠い実装ヘッド10の最外部30との距離である実装ヘッド10の最大外形寸法、及びX軸方向に隣り合う2つの実装ヘッド10の距離を示すヘッド寸法データを取得するヘッド寸法データ取得部72と、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、実装ヘッド10及び移動システム4を制御する制御信号を出力するヘッド制御部74とを有する。
また、制御装置7は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、電子部品Cが他の電子部品Cと干渉するか否かを判定する干渉判定部73を有する。
図5は、本実施形態に係る実装ヘッド10と電子部品供給装置3から供給される電子部品Cとの関係を示す模式図である。実装ヘッド10は、X軸方向に複数配置される。複数の実装ヘッド10の構造及び寸法は、実質的に同一である。複数の実装ヘッド10は、支持部材12に支持される。X軸方向及びY軸方向における複数の実装ヘッド10の相対位置は実質的に変化しない。Z軸駆動装置15及びθZ駆動装置16を含むノズル駆動装置によって、Z軸方向及びθZ方向における複数の実装ヘッド10の相対位置が変化する。
以下の説明において、X軸方向に配置される複数の実装ヘッド10のうち、ある1つの実装ヘッド10を適宜、第1実装ヘッド10A、と称し、X軸方向に関して第1実装ヘッド10Aの隣に配置される実装ヘッド10を適宜、第2実装ヘッド10B、と称する。また、第1実装ヘッド10Aのノズル11を適宜、ノズル11A、と称し、第2実装ヘッド10Bのノズル11を適宜、ノズル11B、と称する。
第1実装ヘッド10Aの構造及び寸法と第2実装ヘッド10Bの構造及び寸法とは、実質的に同一である。第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10Bはそれぞれ中心軸AXを有する。中心軸AXはZ軸と平行である。
第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10Bはそれぞれフランジ部31を有する。第1実装ヘッド10Aのフランジ部31の外面が、中心軸AXから最も遠い第1実装ヘッド10Aの最外部30である。第2実装ヘッド10Bのフランジ部31の外面が、中心軸AXから最も遠い第2実装ヘッド10Bの最外部30である。実装ヘッド10(第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10B)のうちXY平面内において最も外形寸法が大きい部分が最外部30である。
ノズル11Aは、第1実装ヘッド10Aの最外部30を含むフランジ部31から−Z方向に向かって突出する。XY平面内におけるノズル11Aの外形寸法は、第1実装ヘッド10Aの最外部30の外形寸法(最大外形寸法)よりも小さい。ノズル11Bは、第2実装ヘッド10Bの最外部30を含むフランジ部31から−Z方向に向かって突出する。XY平面内におけるノズル11Bの外形寸法は、第2実装ヘッド10Bの最外部30の外形寸法(最大外形寸法)よりも小さい。
電子部品供給装置3は、第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10Bよりも下方(−Z側)に配置される。電子部品供給装置3は、複数の電子部品Cを供給する。電子部品供給装置3は、複数の電子部品Cを支持する支持面3Sを有する。支持面3Sは、XY平面と実質的に平行である。第1実装ヘッド10Aのノズル11Aは、第1実装ヘッド10Aの最外部30を含むフランジ部31から電子部品供給装置3の支持面3Sに向かって突出する。第2実装ヘッド10Bのノズル11Bは、第2実装ヘッド10Bの最外部30を含むフランジ部31から電子部品供給装置3の支持面3Sに向かって突出する。
電子部品供給装置3は、外形寸法が異なる複数の電子部品Cを供給可能である。図5に示すように、電子部品供給装置3は、第1電子部品Caと、第1電子部品Caよりも外形寸法が大きい第2電子部品Cbとを供給可能である。
部品寸法データ取得部71は、電子部品供給装置3から供給される電子部品Cの外形寸法(第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbの外形寸法)を示す部品寸法データを取得する。
第1電子部品Caの外形寸法は、第1電子部品Caの中心軸CXaとXY平面内において中心軸CXaから最も遠い第1電子部品Caの最外部との距離Raを含む。また、第1電子部品Caの外形寸法は、Z軸方向における第1電子部品Caの上面と下面との距離である高さHaを含む。
第2電子部品Cbの外形寸法は、第2電子部品Cbの中心軸CXbとXY平面内において中心軸CXbから最も遠い第2電子部品Cbの最外部との距離Rbを含む。また、第2電子部品Cbの外形寸法は、Z軸方向における第2電子部品Cbの上面と下面との距離である高さHbを含む。
本実施形態において、第2電子部品Cbの距離Rbは、第1電子部品Caの距離Raよりも大きい。第2電子部品Cbの高さHbは、第1電子部品Caの高さHaよりも大きい(高い)。
ヘッド寸法データ取得部72は、実装ヘッド10の中心軸AXと中心軸AXから最も遠い実装ヘッド10の最外部30との距離である実装ヘッド10の最大外形寸法、及びX軸方向に隣り合う第1実装ヘッド10Aと第2実装ヘッド10Bとの距離を示すヘッド寸法データを取得する。
第1実装ヘッド10Aの最大外形寸法は、第1実装ヘッド10Aの中心軸AXとXY平面内において第1実装ヘッド10Aの中心軸AXから最も遠い第1実装ヘッド10Aの最外部30との距離Fを含む。
第2実装ヘッド10Bの最大外形寸法は、第2実装ヘッド10Bの中心軸AXとXY平面内において第2実装ヘッド10Bの中心軸AXから最も遠い第2実装ヘッド10Bの最外部30との距離Fを含む。
第1実装ヘッド10Aと第2実装ヘッド10Bとの距離は、X軸方向における第1実装ヘッド10Aの中心軸AXと第2実装ヘッド10Bの中心軸AXとの距離Dを含む。また、第1実装ヘッド10Aと第2実装ヘッド10Bとの距離は、X軸方向における第1実装ヘッド10Aの最外部30と第2実装ヘッド10Bの最外部30との間隙の寸法Gを含む。
図5に示すように、Z軸方向における第1実装ヘッド10Aの最外部30(フランジ部31の下面)とノズル11Aの先端部との距離はLである。同様に、Z軸方向における第2実装ヘッド10Bの最外部30(フランジ部31の下面)とノズル11Bの先端部との距離はLである。本実施形態において、ノズル11(ノズル11A及びノズル11B)の周囲にコイルばね32が配置される。コイルばね32により、ノズル11が電子部品Cを保持するときにノズル11及び電子部品Cに作用する衝撃が緩和される。
ヘッド制御部74は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、電子部品供給装置3の支持面3Sに支持されている第1電子部品Caを第1実装ヘッド10Aで支持面3Sから離す動作が実施された後に、電子部品実装装置3の支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbを第2実装ヘッド10Bで支持面3Sから離す動作が実施されるように、第1実装ヘッド10A、第2実装ヘッド10B、及び移動システム4に第1制御信号を出力する。また、ヘッド制御部74は、Z軸方向における第1電子部品Caと支持面3Sとの距離が第2電子部品Cbと支持面3Sとの距離よりも大きくなるように、第1制御信号を出力する。
部品寸法データ及びヘッド寸法データは、記憶装置19に記憶されている。部品寸法データ取得部71は、記憶装置19から部品寸法データを取得する。ヘッド寸法データ取得部72は、記憶装置19からヘッド寸法データを取得する。なお、作業者が入力装置20を操作して、部品寸法データ及びヘッド寸法データを入力してもよい。部品寸法データ取得部71は、入力装置20から部品寸法データを取得してもよい。ヘッド寸法データ取得部72は、入力装置20からヘッド寸法データを取得してもよい。
第1実装ヘッド10Aは、第1電子部品Caを保持する場合、第1実装ヘッド10Aの中心軸AXと第1電子部品Caの中心軸CXaとを一致させた状態で、第1電子部品Caの上面をノズル11Aで保持する。すなわち、第1実装ヘッド10Aは、第1電子部品Caの上面の中心をノズル11Aで保持する。
第2実装ヘッド10Bは、第2電子部品Cbを保持する場合、第2実装ヘッド10Bの中心軸AXと第2電子部品Cbの中心軸CXbとを一致させた状態で、第2電子部品Cbの上面をノズル11Bで保持する。すなわち、第2実装ヘッド10Bは、第2電子部品Cbの上面の中心をノズル11Bで保持する。
図5において、距離Raと距離Rbとの和が距離D以下であるとき、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aで第1電子部品Caを保持する動作と第2実装ヘッド10Bのノズル11Bで第2電子部品Cbを保持する動作とが同時に実施されても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉(接触)は回避される。
距離Raと距離Rbとの和が距離Dよりも大きいとき、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aで第1電子部品Caを保持する動作と第2実装ヘッド10Bのノズル11Bで第2電子部品Cbを保持する動作とが同時に実施されると、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとが干渉(接触)する可能性が高くなる。
一方、距離Raと距離Rbとの和が距離Dよりも大きくても、支持面3Sに支持されている第1電子部品Caを第1実装ヘッド10Aで保持して上昇させるタイミングと、支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbを第2実装ヘッド10Bで保持して上昇させるタイミングとが調整されることにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉(接触)が回避される。
干渉判定部73は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されることにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されるか否かを判定する。
ヘッド制御部74は、干渉判定部73により、干渉が回避されると判定された場合、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されるように、第1制御信号を出力する。
次に、図6から図12を参照して、電子部品実装装置1を用いて電子部品Cを基板Pに実装する方法について説明する。図6は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。図7から図12は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の動作の一例を示す模式図である。
ヘッドユニット100を用いる実装処理のスケジュールが決定される(ステップSP1)。
部品寸法データ取得部71は、電子部品供給装置3から供給される電子部品Cの距離R(Ra,Rb)及び高さH(Ha,Hb)を含む部品寸法データを取得する。ヘッド寸法データ取得部72は、距離F及び距離Dを含むヘッド寸法データを取得する(ステップSP2)。
干渉判定部73は、部品寸法データ取得部71で取得された部品寸法データとヘッド寸法データ取得部72で取得されたヘッド寸法データとに基づいて、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されても第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されるか否かを判定する(ステップSP3)。
距離Raと距離Rbとの和が距離D以下であるとき、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aで第1電子部品Caを保持する動作と第2実装ヘッド10Bのノズル11Bで第2電子部品Cbを保持する動作とが同時に実施されても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉は回避される。干渉判定部73は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aによる支持面3Sに支持されている第1電子部品Caの保持動作と第2実装ヘッド10Bのノズル11Bによる支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbの保持動作とが同時に実施可能か否かを判定する。
ステップSP3において、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されると第1電子部品Caと第2電子部品Cbとが干渉すると判定された場合(ステップSP3:No)、干渉判定部73は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されることにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されるか否かを判定する(ステップSP4)。
距離Raと距離Rbとの和が距離Dよりも大きくても、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aで第1電子部品Caを保持する動作と第2実装ヘッド10Bのノズル11Bで第2電子部品Cbを保持する動作との順序が調整されることにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避される可能性がある。干渉判定部73は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aによる支持面3Sに支持されている第1電子部品Caの保持動作と、第2実装ヘッド10Bのノズル11Bによる支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbの保持動作との順序を調整することにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されるか否かを判定する。
ステップSP4において、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されることにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されると判定された場合(ステップSP4:No)、ヘッド制御部74は、電子部品供給装置3の支持面3Sに支持されている第1電子部品Caを第1実装ヘッド10Aで支持面3Sから離す動作が実施された後に支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbを第2実装ヘッド10Bで支持面3Sから離す動作が実施されるように、実装ヘッド10(第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10B)及び移動システム4に第1制御信号を出力する。第1制御信号が出力されることにより、小さい第1電子部品Caが第1実装ヘッド10Aのノズル11Aに保持されて上昇された後、大きい第2電子部品Cbが第2実装ヘッド10Bのノズル11Bに保持されて上昇される(ステップSP5)。
図7、図8、及び図9は、ステップSP5の動作を示す模式図である。ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aの中心軸AXと第1電子部品Caの中心軸CXaとが一致するように、X軸駆動装置9及びY軸駆動装置8の少なくとも一方を制御して、XY平面内におけるヘッドユニット100(支持部材12)の位置を調整する。第1実装ヘッド10Aの中心軸AXと第1電子部品Caの中心軸CXaとが一致した後、ヘッド制御部74は、Z軸駆動装置15を制御して、支持部材12に対して第1実装ヘッド10Aを−Z方向に移動(下降)する。これにより、図7に示すように、第1実装ヘッド10Aの中心軸AXと第1電子部品Caの中心軸CXaとが一致された状態で、支持面3Sに支持されている第1電子部品Caが第1実装ヘッド10Aのノズル11Aに保持される。
支持面3Sに支持されている第1電子部品Caが第1実装ヘッド10Aのノズル11Aに保持された後、ヘッド制御部74は、Z軸駆動装置15を制御して、第1実装ヘッド10Aを+Z方向に移動(上昇)する。これにより、支持面3Sに支持されている第1電子部品Caは、支持面3Sから離れる。
第1電子部品Caが第1実装ヘッド10Aに保持された状態で支持面3Sから離れた後、ヘッド制御部74は、第2実装ヘッド10Bの中心軸AXと第2電子部品Cbの中心軸CXbとが一致するように、X軸駆動装置9及びY軸駆動装置8の少なくとも一方を制御して、XY平面内におけるヘッドユニット100(支持部材12)の位置を調整する。第2実装ヘッド10Bの中心軸AXと第2電子部品Cbの中心軸CXbとが一致した後、ヘッド制御部74は、Z軸駆動装置15を制御して、支持部材12に対して第2実装ヘッド10Bを−Z方向に移動(下降)する。これにより、図8に示すように、第2実装ヘッド10Bの中心軸AXと第2電子部品Cbの中心軸CXbとが一致された状態で、支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbが第2実装ヘッド10Bのノズル11Bに保持される。
支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbが第2実装ヘッド10Bのノズル11Bに保持された後、ヘッド制御部74は、Z軸駆動装置15を制御して、第2実装ヘッド10Bを+Z方向に移動(上昇)する。これにより、図9に示すように、支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbは、支持面3Sから離れる。
図9に示すように、ヘッド制御部74は、Z軸方向における第1電子部品Caの下面と支持面3Sとの距離が第2電子部品Cbの下面と支持面3Sとの距離よりも大きくなるように、第1制御信号を出力する。すなわち、ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品Caが第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品Cbよりも上方に配置されるように、Z軸駆動装置15を制御する。これにより、支持面3Sに支持されていた第1電子部品Caは支持面3Sから第1距離だけ離れ、支持面3Sに支持されていた第2電子部品Cbは支持面3Sから第1距離よりも短い第2距離だけ離れる。
図9に示すように、ヘッド制御部74は、Z軸方向における第1実装ヘッド10Aの最外部30と支持面3Sとの距離A1が、第2電子部品Cbを保持する第2実装ヘッド10Bのノズル11Bの先端部(第2電子部品Cbの上面)と支持面3Sとの距離A2よりも大きくなるように、第1制御信号を出力する。図9に示すように、本実施形態において、ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aに保持された第1電子部品Caの下面が、第2実装ヘッド10Bに保持された第2電子部品Cbの上面よりも上方に配置されるように、第1制御信号を出力する。
第1実装ヘッド10Aに保持された第1電子部品Caが支持面3Sから離れ、第2実装ヘッド10Bに保持された第2電子部品Cbが支持面3Sから離れた後、ヘッド制御部74は、Z軸方向の第1実装ヘッド10Aと第2実装ヘッド10Bとの相対位置が維持された状態で、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbが支持面3Sと対向する位置から基板Pの表面と対向する位置に移動するように、移動システム4に第4制御信号を出力する。第4制御信号が出力されることにより、支持部材12に対する第1実装ヘッド10Aのノズル11Aと第2実装ヘッド10Bのノズル11Bとの相対位置が維持された状態で、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbが、支持面3Sと対向する位置を含む電子部品供給エリアから基板Pの表面と対向する位置を含む実装エリアに搬送される。
図10は、第1実装ヘッド10Aに保持された第1電子部品Ca及び第2実装ヘッド10Bに保持された第2電子部品Cbが基板Pの表面と対向する位置に移動された状態を示す図である。
支持部材12に部品検出装置18が支持されている。部品検出装置18と支持部材12との相対位置は固定されている。Z軸方向における基板Pの表面と部品検出装置18の射出部18Aから射出される検出光LBとの距離はAである。
部品検出装置18は、第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品Cbと基板Pとが離れた状態で、第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品Cbに検出光LBを照射して、第2電子部品Cbの状態を検出する(ステップSP6)。
ヘッド制御部74は、射出部18Aから検出光LBが射出されている状態で、Z軸駆動装置15を制御して、第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品Cbを検出光LBに対してZ軸方向に移動する。また、ヘッド制御部74は、射出部18Aから検出光LBが射出されている状態で、θZ駆動装置16を制御して、第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品CbをθZ方向に回転する。第2電子部品CbがZ軸方向及びθZ方向に移動しながら第2電子部品Cbに検出光LBが照射されることにより、第2電子部品Cbの状態が高精度に検出される。
検出光LBを用いて第2電子部品Cbの状態が検出された後、ヘッド制御部74は、移動システム4を制御して、第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品Cbを−Z方向に移動(下降)する。これにより、図11に示すように、第2電子部品Cbが基板Pに実装される。
図11に示すように、第1電子部品Caが基板Pの表面から所定距離だけ離れた状態で、第2電子部品Cbが基板Pに実装される。所定距離は、距離Aを含む。部品検出装置18は、第2電子部品Cbが基板Pに実装される動作と並行して、基板Pの表面から所定距離だけ離れた第1電子部品Caに検出光LBを照射して第1電子部品Caの状態を検出する。
ヘッド制御部74は、射出部18Aから検出光LBが射出されている状態で、Z軸駆動装置15を制御して、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品Caを検出光LBに対してZ軸方向に移動する。また、ヘッド制御部74は、射出部18Aから検出光LBが射出されている状態で、θZ駆動装置16を制御して、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品CaをθZ方向に回転する。第1電子部品CaがZ軸方向及びθZ方向に移動しながら第1電子部品Caに検出光LBが照射されることにより、第1電子部品Caの状態が高精度に検出される。
検出光LBを用いて第1電子部品Caの状態が検出された後、ヘッド制御部74は、移動システム4を制御して、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品Caを−Z方向に移動(下降)する。これにより、図12に示すように、第1電子部品Caが基板Pに実装される。
このように、ヘッド制御部74は、第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを基板Pに実装する動作が実施された後に第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを基板Pに実装する動作が実施されるように、実装ヘッド10(第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10B)及び移動システム4に第5制御信号を出力する。第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbが基板Pの表面と対向する位置に移動した後、第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbが基板Pに実装され、第2電子部品Cbが第2実装ヘッド10Bで基板Pに実装された後、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caが基板Pに実装される。第5制御信号が出力されることにより、第2実装ヘッド10Bのノズル11Bに保持されている大きい第2電子部品Cbが下降されて基板Pに実装された後、第1実装ヘッド10Aのノズル11Aに保持されている小さい第1電子部品Caが下降されて基板Pに実装される(ステップSP7)。
実装ヘッド10(第1実装ヘッド10A及び第2実装ヘッド10B)のノズル11(ノズル11A及びノズル11B)は、実装ヘッド10の最外部30を含むフランジ部31から基板Pに向かって突出する。XY平面内におけるノズル11の外形寸法は、実装ヘッド10の最外部30の外形寸法(最大外形寸法)よりも小さい。
図11に示すように、Z軸方向における第2実装ヘッド10Bの最外部30とノズル11Bの先端部(第2電子部品Cbの上面)との距離をL、Z軸方向における第1電子部品Caの寸法(高さ)をHa、Z軸方向における第2電子部品Cbの寸法をHb、Z軸方向における基板Pの表面と検出光LBとの距離をAとしたとき、
L≧A+Ha−Hb …(1)
の条件を満足するように、ノズル11Bの距離Lが定められている。(1)式の条件が満足されることにより、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品Caと基板Pに実装された第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品CaをZ軸方向に移動しながら第1電子部品Caに検出光LBを照射して、第1電子部品Caの状態を検出することができる。
ステップSP3において、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されても第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されると判定された場合、すなわち、距離Raと距離Rbとの和が距離D以下であると判定された場合(ステップSP3:Yes)、ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されるように、第3制御信号を出力する。第3制御信号が出力されることにより、支持面3Sに支持されている第1電子部品Caが第1実装ヘッド10Aのノズル11Aに保持された状態で支持面3Sから離れる動作と、支持面3Sに支持されている第2電子部品Cbが第2実装ヘッド10Bのノズル11Bに保持された状態で支持面3Sから離れる動作とが同時に実施される(ステップSP9)。
ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品Ca及び第2実装ヘッド10Bに保持されている第2電子部品Cbを電子部品供給エリアから実装エリアに移動する。実装エリアに移動された第1電子部品Caの状態及び第2電子部品Cbの状態が部品検出装置18で検出される(ステップSP10)。部品検出装置18による検出動作が終了した後、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbは基板Pに実装される(ステップSP11)。
ステップSP4において、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されないと判定された場合(ステップSP4:Yes)、ヘッドユニット100を用いる実装処理のスケジュールが変更され、再決定される(ステップSP1)。
ステップSP4において、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されないと判定された場合、再決定されたスケジュールにおいて、ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bよりも第1実装ヘッド10Aから遠い第3実装ヘッド10Bbで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されるように、第2制御信号を出力する。第3実装ヘッド10Bbは、例えば第2実装ヘッド10Bの−X側に配置されている実装ヘッド10である。第3制御信号が出力されることにより、電子部品供給装置3において、第1電子部品Caが第1実装ヘッド10Aで実装され、第2電子部品Cbが第3実装ヘッド10Bbで実装される。
なお、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されても第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されない状態とは、第2電子部品Cbの高さHbが高すぎて、第1電子部品Caを保持した第1実装ヘッド10AをZ軸方向に関する可動範囲の上限まで移動させても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとが干渉してしまったり、第2電子部品Cbと第1実装ヘッド10Aとが干渉してしまったりする状態が例示される。また、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されない状態とは、第1電子部品Caの距離Ra及び第2電子部品Cbの距離Rbの一方又は両方が大き過ぎて、第1電子部品Caを保持した第1実装ヘッド10AをZ軸方向に関する可動範囲の上限まで移動させても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとが干渉してしまう状態が例示される。
ステップSP7又はステップSP11が終了した後、電子部品供給装置3の支持面3Sに支持されている全ての電子部品Cの実装が終了したか否かが判定される(ステップSP8)。ステップSP8において、全ての電子部品Cの実装が終了していないと判定された場合(ステップSP8:No)、スケジュールの再決定が実施され(ステップSP1)、全ての電子部品Cの実装が終了したと判定された場合(ステップSP8:Yes)、実装処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、外形寸法が小さい第1電子部品Ca及び外形寸法が大きい第2電子部品Cbが電子部品供給装置3から供給された場合、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1電子部品Caと支持面3Sとの距離が第2電子部品Cbと支持面3Sとの距離よりも大きくなるように、第1電子部品Caを第1実装ヘッド10Aで支持面3Sから離す動作が実施された後に、第2電子部品Cbを第2実装ヘッド10Bで支持面3Sから離す動作が実施されることにより、第1電子部品Caの中心軸CXaとその中心軸CXaから最も遠い第1電子部品Caの最外部との距離Raと第2電子部品Cbの中心軸CXbとその中心軸CXbから最も遠い第2電子部品Cbの最外部との距離Rbとの和が、第1実装ヘッド10Aの中心軸AXと第2実装ヘッド10Bの中心軸AXとの距離Dより大きくても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、電子部品供給装置3から供給された第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbをヘッドユニット100で一括して保持し、基板Pまで搬送することができる。そのため、電子部品供給装置3から基板Pまでのヘッドユニット100の1回の搬送動作において搬送できる電子部品Cの数が少なくなることが抑制され、可能な限り多くの電子部品Cが搬送されるので、電子部品実装装置1の生産性の低下が抑制される。
また、本実施形態によれば、ヘッド制御部74は、Z軸方向における第1実装ヘッド10Aの最外部30と支持面3Sとの距離が第2電子部品Cbを保持する第2実装ヘッド10Bのノズル11Bの先端部と支持面3Sとの距離よりも大きくなるように、第1制御信号を出力する。これにより、第2電子部品Cbの高さHbが高くても、第1実装ヘッド10Aと第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbをヘッドユニット100で一括して保持することができる。
また、本実施形態によれば、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されることにより第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されるか否かを判定する干渉判定部73が設けられる。干渉判定部73において第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されると判定された場合、ヘッド制御部74は、第1制御信号を出力する。干渉判定部73において第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されないと判定された場合、ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bよりも第1実装ヘッド10Aから遠い第3実装ヘッド10Cで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されるように第2制御信号を出力する。第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作が実施された後に第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作が実施されても、部品寸法データ及びヘッド寸法データによっては、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避できない可能性がある。部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されないと判定された場合、第1電子部品Caを第1実装ヘッド10Aで保持し、第2電子部品Cbを第3実装ヘッド10Bbで保持することにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbをヘッドユニット100で一括して搬送することができる。
また、本実施形態によれば、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されても第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されると判定された場合、ヘッド制御部74は、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されるように、第3制御信号を出力する。部品寸法データ及びヘッド寸法データによっては、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されても、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避できる場合がある。部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉が回避されると判定された場合、第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを支持面3Sから離す動作と第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを支持面3Sから離す動作とが同時に実施されることにより、電子部品供給装置3から供給された複数の電子部品Cをヘッドユニット100で保持する動作の時間が短縮されるので、電子部品実装装置1の生産性の低下が抑制される。
また、本実施形態によれば、ヘッド制御部74は、Z軸方向の第1実装ヘッド10Aと第2実装ヘッド10Bとの相対位置が維持された状態で、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbが支持面3Sと対向する位置を含む電子部品供給エリアから基板Pの表面と対向する位置を含む実装エリアに移動するように、第4制御信号を出力する。これにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、ヘッドユニット100で一括して保持された第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbを基板Pまで搬送することができる。
また、本実施形態によれば、ヘッド制御部74は、第2実装ヘッド10Bで第2電子部品Cbを基板Pに実装する動作が実施された後に第1実装ヘッド10Aで第1電子部品Caを基板Pに実装する動作が実施されるように、第5制御信号を出力する。これにより、第1電子部品Caと第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、第1電子部品Ca及び第2電子部品Cbを基板Pに実装することができる。
また、本実施形態によれば、第1電子部品Caが基板Pの表面から所定距離だけ離れた状態で第2電子部品Cbが基板Pに実装され、第2電子部品Cbが基板Pに実装される動作と並行して、部品検出装置18により基板Pの表面から所定距離だけ離れた第1電子部品Caに検出光LBが照射される。第2電子部品Cbが基板Pに実装される動作と並行して、部品検出装置18による第1電子部品Caの検出動作が実施されることにより、電子部品実装装置1の生産性の低下が抑制される。
また、本実施形態によれば、大きい第2電子部品Cbを保持する第2実装ヘッド10Bのノズル11Bは、(1)式の条件を満足するように設けられる。これにより、基板Pに実装された第2電子部品Cbとの干渉を回避しつつ、第1実装ヘッド10Aに保持されている第1電子部品CaをZ軸方向に移動しながら第1電子部品Caに検出光LBを照射して第1電子部品Caの状態を検出することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図13は、本実施形態に係る第1実装ヘッド10C及び第2実装ヘッド10Dの一例を示す模式図である。第1実装ヘッド10Cと第2実装ヘッド10Dとは、X軸方向に配置される。
第1実装ヘッド10Cは、最外部30を含むフランジ部31と、フランジ部31から基板Pに向かって突出するノズル11Cとを有する。第2実装ヘッド10Dは、最外部30を含むフランジ部31と、フランジ部31から基板Pに向かって突出するノズル11Dとを有する。
本実施形態において、ノズル11(ノズル11C及びノズル11D)の周囲にコイルばねは配置されていない。XY平面内におけるノズル11Cの外形寸法は、第1実装ヘッド10Cの最外部30の外形寸法(最大外形寸法)よりも小さい。XY平面内におけるノズル11Dの外形寸法は、第2実装ヘッド10Dの最外部30の外形寸法(最大外形寸法)よりも小さい。
本実施形態において、第1実装ヘッド10Cに保持される第1電子部品Ccの外形寸法と、第2実装ヘッド10Dに保持される第2電子部品Cdの外形寸法とは、実質的に同一である。第1電子部品Ccの高さHcと、第2電子部品Cdの高さHdとは、実質的に同一である。
上述の実施形態と同様、第1実装ヘッド10C及び第2実装ヘッド10Dの動作は、ヘッド制御部74に制御される。ヘッド制御部74は、部品寸法データとヘッド寸法データとに基づいて、電子部品供給装置3の支持面3Sに支持されている第1電子部品Ccを第1実装ヘッド10Cで支持面3Sから離す動作が実施された後に支持面3Sに支持されている第2電子部品Cdを第2実装ヘッド10Dで支持面3Sから離す動作が実施されるように第1制御信号を出力する。ヘッド制御部74は、Z軸方向における第1電子部品Ccと支持面3Sとの距離が第2電子部品Cdと支持面3Sとの距離よりも大きくなるように第1制御信号を出力する。
Z軸方向における第2実装ヘッド10Dの最外部30とノズル11Dの先端部との距離をL、Z軸方向における第1電子部品Ccの寸法(高さ)をHc、Z軸方向における第2電子部品Cdの寸法をHd、Z軸方向における基板Pの表面と部品検出装置18の検出光LBとの距離をAとしたとき、
L≧A+Hc−Hd …(2)
の条件を満足する。
以上説明したように、第1電子部品Ccの外形寸法と第2電子部品Cdの外形寸法とが同一でも、(2)式の条件を満足するように、ノズル11の距離Lが定められることにより、第1実装ヘッド10Cに保持されている第1電子部品Ccと、基板Pに実装された第2電子部品Cdとの干渉を回避しつつ、第1実装ヘッド10Cに保持されている第1電子部品CcをZ軸方向に移動しながら第1電子部品Ccに検出光LBを照射して、第1電子部品Ccの状態を検出することができる。
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態において、所定面(XY平面)は、水平面と平行であることとした。所定面は、水平面に対して傾斜していてもよい。