JP6714729B2 - 表面実装機、部品認識装置、部品認識方法 - Google Patents

表面実装機、部品認識装置、部品認識方法 Download PDF

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Description

本発明は、発光部から光を射出する部品の当該発光部の位置を認識する技術に関する。
例えば表面実装型のLED(Light Emitting Diode)のように発光部を有する部品を基板に実装する際には、発光部の位置を基板上の所定位置に一致させることが求められる場合がある。そこで、特許文献1の表面実装機では、発光部を構成する蛍光体を励起させる光を照射する照明が具備されている。そして、この照明からの光を受けて発光する発光部を撮像した画像に基づき、発光部の位置が認識される。
特開2015−126216号公報
このように発光部を発光させることで、発光部に隣接するパッケージと発光部との境界が明瞭となるため、発光部の位置を的確に認識することができる。しかしながら、発光部に蛍光体を有さないLEDも存在し、このような部品に対しては、かかる手法は必ずしも有効でなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、部品の発光部が蛍光体を有するか否かに拘わらず、当該発光部の位置を的確に認識することを可能とする技術の提供を目的とする。
本発明に係る表面実装機は、光を射出する発光部と、発光部の周縁に沿って発光部との間に段差を有するパッケージとを有する部品を保持する部品保持部と、部品に向けて光を照射することで、段差に沿って第1の影を生じさせる光照射部と、第1の影を含む画像を撮像する撮像部と、撮像された第1の影の位置から発光部の位置を認識する位置認識部と部品保持部から取り出した部品を基板に実装する実装ヘッドと、位置認識部が認識した発光部の位置に基づき、実装ヘッドが基板に部品を実装する位置を制御する実装制御部とを備える。
本発明に係る部品認識装置は、光を射出する発光部と、発光部の周縁に沿って発光部との間に段差を有するパッケージとを有する部品に向けて光を照射することで、段差に沿って影を生じさせる光照射部と、影を含む画像を撮像する撮像部と、撮像された影の位置から発光部の位置を認識する位置認識部とを備える。
本発明に係る部品認識方法は、光を射出する発光部と、発光部の周縁に沿って発光部との間に段差を有するパッケージとを有する部品に向けて光を照射することで、段差に沿って影を生じさせる工程と、影を含む画像を撮像する工程と、撮像された影の位置から発光部の位置を認識する工程とを備える。
このように構成された本発明(表面実装機、部品認識装置、部品認識方法)は、部品に向けて光を照射することで、部品の発光部とパッケージとの間の段差に沿って影(第1の影)を生じさせる。したがって、発光部に隣接するパッケージと当該発光部との境界が影によって強調されるため、部品の発光部が蛍光体を有するか否かに拘わらず、部品の発光部の位置を的確に認識することが可能となっている。
本発明によれば、部品の発光部が蛍光体を有するか否かに拘わらず、当該発光部の位置を的確に認識することが可能となる。
本発明に係る表面実装機の一例を模式的に示す部分平面図。 撮像部の一例を模式的に示す部分側面図。 図1の表面実装機が備える電気的構成の一例を示すブロック図。 図1の表面実装機が実行する部品実装処理の一例を示すフローチャート。 発光部認識処理で実行される動作を模式的に示す図。 部品外形認識処理で実行される動作を模式的に示す図。
図1は本発明に係る表面実装機の一例を模式的に示す部分平面図である。図1では、鉛直方向に平行なZ方向、それぞれ水平方向に平行なX方向およびY方向からなるXYZ直交座標を示す。この表面実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。そして、表面実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から作業位置Bo(図1の基板Bの位置)に搬入した基板Bに対して部品Pを実装し、部品実装を完了した基板Bをコンベア12により作業位置からX方向の下流側へ搬出する。
表面実装機1では、Y方向に延びる一対のY軸レール21、21と、Y方向に延びるY軸ボールネジ22と、Y軸ボールネジ22を回転駆動するY軸モーターMyとが設けられ、ヘッド支持部材23が一対のY軸レール21、21にY方向に移動可能に支持された状態でY軸ボールネジ22のナットに固定されている。ヘッド支持部材23には、Y方向に直交するX方向に延びるX軸ボールネジ24と、X軸ボールネジ24を回転駆動するX軸モーターMxとが取り付けられており、ヘッドユニット3がヘッド支持部材23にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ24のナットに固定されている。したがって、Y軸モーターMyによりY軸ボールネジ22を回転させてヘッドユニット3をY方向に移動させ、あるいはX軸モーターMxによりX軸ボールネジ24を回転させてヘッドユニット3をX方向に移動させることができる。
一対のコンベア12、12のY方向の両側それぞれでは2つの部品供給部25がX方向に並んでおり、各部品供給部25に対しては、X方向に並ぶ複数のテープフィーダー26が着脱可能に装着されている。各テープフィーダー26には、Y方向に並ぶ複数のポケットのそれぞれに部品Pを収容するテープが装填されており、各テープフィーダー26は、このテープをY方向(コンベア12側)に送り出すことで、コンベア12側のそれぞれの先端に設けられた部品取出位置に部品Pを供給する。
ヘッドユニット3は、X方向に並ぶ複数(4本)の実装ヘッド31を有する。各実装ヘッド31はZ方向に延びた長尺形状を有し、その下端に係脱可能に取り付けられたノズルによって部品を吸着・保持することができる。つまり、実装ヘッド31は部品取出位置の上方へ移動して、テープフィーダー26により部品取出位置に供給された部品Pを吸着する。続いて、実装ヘッド31は作業位置Boの基板Bの上方に移動して部品Pの吸着を解除することで、基板Bに部品Pを実装する。こうして、実装ヘッド31は、テープフィーダー26により部品取出位置に供給された部品Pを取り出して基板Bに実装する部品実装を実行する。
また、表面実装機1は、それぞれ上方を向いたカメラを有する2個の上方認識部5A、5Bを備える。これらのうち、上方認識部5Aは、Y方向の一方側(図1の上側)でX方向に並ぶ2個の部品供給部25の間で基台11に固定され、上方認識部5BはY方向の他方側(図1の下側)でX方向に並ぶ2個の部品供給部25の間で基台11に固定される。そして、上方認識部5A、5Bのそれぞれは、上方を通過する実装ヘッド31が吸着する部品Pをカメラにより撮像する。
さらに、表面実装機1は、ヘッドユニット3に取り付けられた下方認識部6を備える。この下方認識部6は、ヘッドユニット3に伴ってX方向およびY方向へ移動可能であり、作業位置Boに搬入された基板Bに付されたフィデューシャルマークFや、テープフィーダー26に保持される部品Pを撮像するために用いられる。
図2は撮像部の一例を模式的に示す部分側面図である。上述の通り、下方認識部6は下方に配置された部品PやフィデューシャルマークFといった撮像対象物Jを撮像する。この下方認識部6は、撮像対象物Jに上方から対向するカメラ61を有する。カメラ61は、CCDイメージセンサーあるいはCOMSイメージセンサー等の固体撮像素子62を内蔵し、固体撮像素子62により上方から撮像対象物Jを撮像する。カメラ61の光軸A61はZ方向(鉛直方向)に平行であり、カメラ61はZ方向から撮像対象物Jに対向する。なお、表面実装機1では、撮像対象物Jである部品PおよびフィデューシャルマークFは水平に保持されるため、撮像対象物Jの表面の法線は、カメラ61の光軸A61およびZ方向と平行である。
さらに、下方認識部6は光照射部65を有する。光照射部65は、カメラ61に取り付けられたフレーム66を有する。フレーム66はカメラ61の下方に配置され、カメラ61が対向する位置に円形の開口661を有する。したがって、カメラ61は開口661を介して撮像対象物Jを撮像する。また、照射部65は、開口661を挟んだX方向の両側でフレーム66に取り付けられた照明67を有する。各照明67は、光を射出する複数の発光素子(例えばLED)を二次元的に配列した構成を有しており、Y方向において撮像対象物Jよりも広い範囲から光を射出する。各照明67の光軸A67はカメラ61の光軸A61に対して傾斜しており、カメラ61の光軸A61との間に鋭角θで交わる。換言すれば、各照明67の光軸A67の撮像対象物Jに対する入射角θは、撮像対象物Jの法線に対して傾いており、各照明67は、撮像対象物Jに斜め上方から光を照射する。
かかる構成を備えた下方認識部6は、光照射部65によって斜め上方から撮像対象物Jに光を照射しつつ、カメラ61によって撮像対象物Jを撮像する。こうして、撮像対象物Jの撮像画像が下方認識部6によって取得される。
図3は図1の表面実装機が備える電気的構成の一例を示すブロック図である。表面実装機1は、装置全体の構成を統括的に制御する主制御部100を備え、主制御部100は、演算処理部110、記憶部120、認識制御部130および駆動制御部140を有する。演算処理部110はCPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等で構成されたコンピューターである。また、記憶部120はHDD(Hard Disk Drive)等で構成されており、表面実装機1での部品実装の手順を規定する実装プログラムや、後述する図4のフローチャートの手順を規定するプログラム等が記憶されている。
認識制御部130は、上方認識部5A、5B、6を用いた認識処理を制御する。つまり、認識制御部130は、上方認識部5A、5B、6に撮像制御信号を出力し、上方認識部5A、5B、6は受信した撮像制御信号に応じたタイミングで撮像対象物Jを撮像する。そして、認識制御部130は、上方認識部5A、5B、6それぞれの撮像画像に基づき、撮像対象物Jの位置に関する情報を取得する。
例えば、フィデューシャルマークFの位置を認識する場合には、光照射部65は、基板Bに設けられたフィデューシャルマークFに対して光を照射し、カメラ61は、光照射部65から光が照射されたフィデューシャルマークFを撮像する。そして、認識制御部130は、カメラ61が撮像した画像からフィデューシャルマークFの位置を算出した結果に基づき、作業位置Boに搬入された基板Bの位置を認識する。あるいは、部品Pの位置を認識する場合には、図4〜図6を用いて後に詳述する処理が認識制御部130により実行される。
駆動制御部140は、X軸モーターMxおよびY軸モーターMyを制御することで、ヘッドユニット3をX方向およびY方向へ移動させる。具体的には、駆動制御部140は、部品実装の実行時において、ヘッドユニット3に搭載された実装ヘッド31を部品供給部25と基板Bとの間で移動させる。この際、駆動制御部140は、認識制御部130により認識された部品Pの位置に基づき、実装ヘッド31のXY位置を補正する。
さらに、表面実装機1は、例えば液晶ディスプレイで構成された表示部150と、例えばマウスやキーボードで構成された入力操作部160とを備える。したがって、作業者は表示部150の表示を確認することで表面実装機1の状態を確認できるとともに、入力操作部160へ入力操作を行うことで表面実装機1に指令を入力できる。ちなみに、表示部150と入力操作部160とを別体で構成する必要は無く、例えばタッチパネルディスプレイによりこれらを一体的に構成しても良い。
図4は図1の表面実装機が実行する部品実装処理の一例を示すフローチャートである。図4のフローチャートは、主制御部100による制御によって実行される。ステップS101で、部品供給部25のテープフィーダー26がその部品取出位置に部品Pを供給すると、ステップS102で下方認識部6のカメラ61がこの部品Pの上方へ移動する。
ステップS103では、部品取出位置の部品Pに対して発光部認識処理が実行される。図5は発光部認識処理で実行される動作を模式的に示す図であり、図5の「断面図」の欄では部品の部分断面図が示され、図5の「平面図」の欄では部品の部分平面図が示されている。図5に示す部品Pは、いわゆる表面実装型のLEDである。
この部品Pは、光を射出する発光部Eと、発光部Eを支持するパッケージKとを有する。パッケージKは平面視で矩形状の外形を有しており、パッケージKの中央部には、直方体形状を有する凹部Kcが設けられている。そして、この凹部Kcの底部に発光部Eが配置されている。テープフィーダー26により部品Pが保持された状態では、凹部Kcの表面Ksおよび発光部Eの表面Esはそれぞれ水平に保持される。発光部Eの周縁Eeに隣接しつつ当該周縁Eeを囲む凹部Kcの内壁は、発光部Eの表面Esよりも突出して、発光部Eとの間に段差Sを形成する。このように、パッケージKは、発光部Eの周縁Eeに沿って発光部Eとの間に段差Sを有する。
そして、発光部認識処理では、テープフィーダー26により保持される部品Pに向けて、下方認識部6の光照射部65から光Lが照射される。これによって、部品P(パッケージKの表面Ksおよび発光部Eの表面Es)に対して部品Pの外側から斜めに入射する光Lが発光部Eを含む範囲に照射される。この際、光Lの一部が段差Sに遮られるため、発光部Eの周縁部Reに入射する光Lの量は、パッケージKの表面Ksに入射する光Lや発光部Eの中央部Rcに入射する光Lの量に比較して少なくなる。したがって、図5の「平面図」において斜線で示すように、発光部Eの周縁部Reには段差Sの影H1が生じる。つまり、下方認識部6の光照射部65は、段差Sに沿って(換言すれば、発光部Eの周縁Eeに沿って)影H1を生じさせる機能を果たす。その結果、パッケージKの表面Ksに比較して、発光部Eの周縁部Reが暗くなるコントラストが生じる。そして、ステップS103の発光部認識処理では、こうして生じた影H1を含む画像を下方認識部6のカメラ61が撮像することで、図5の「平面図」に示す撮像画像が取得されて、この撮像画像が認識制御部130に出力される。
ステップS104では、部品取出位置の部品Pに対して部品外形認識処理が実行される。図6は部品外形認識処理で実行される動作を模式的に示す図であり、図6の「断面図」の欄では部品とこれを収容するテープの部分断面図が示され、図6の「平面図」の欄では部品とこれを収容するテープの部分平面図が示されている。
テープフィーダー26に装填・保持されるテープTでは、それぞれ平面視で矩形状を有する複数のポケットTpがY方向に一列に並んでおり、各ポケットTpに部品Pが収容される。また、X方向およびY方向のそれぞれにおいて、ポケットTpは部品PのパッケージKより大きく、ポケットTpに収容された部品PのパッケージKと、ポケットTpの内壁Twとの間には隙間dが空いている。
そして、部品外形認識処理では、部品取出位置で部品Pを収容するポケットTpに向けて、下方認識部6の光照射部65から光Lが照射される。これによって、ポケットTpに収容される部品P(パッケージKの表面Ks)に対してポケットTpの外側から斜めに入射する光LがポケットTpを含む範囲に照射される。この際、光Lの一部がポケットTpの周縁部Te遮られるため、ポケットTpの内壁Twと部品PのパッケージKとの隙間dに入射する光Lの量は、パッケージKの表面Ksに入射する光LやテープTの周縁部Teに入射する光Lの量に比較して少なくなる。したがって、図6の「平面図」において斜線で示すように、ポケットTpの内壁Twと部品PのパッケージKとの隙間dには影H2が生じる。つまり、下方認識部6の光照射部65は、部品PのパッケージKの外形に沿って影H2を生じさせる機能を果たす。その結果、部品PのパッケージKの表面KsおよびテープTの周縁部Teに比較して、ポケットTpの内壁Twと部品PのパッケージKとの隙間dが暗くなるコントラストが生じる。そして、ステップS104の部品外形認識処理では、こうして生じた影H2を含む画像を下方認識部6のカメラ61が撮像することで、図6の「平面図」に示す撮像画像が取得されて、この撮像画像が認識制御部130に出力される。
ステップS105では、ステップS103で撮像された影H1の位置と、ステップS104で撮像された影H2の位置とに基づいて、パッケージKの外形に対する発光部Eの位置が認識制御部130により算出される。具体的には、影H1を撮像した画像(図5の「平面図」の画像)から、パッケージKの表面Ksと影H1との境界が、発光部Eの周縁Ee(換言すれば、輪郭)として抽出される。この発光部Eの周縁Eeの抽出は、パッケージKの表面Ksと影H1との明るさの差(すなわちコントラスト)に対して例えばエッジ検出を施すことで実行できる。また、影H2を撮像した画像(図6の「平面図」の画像)から、影H2とパッケージKの表面Ksとの境界が、パッケージKの周縁Ke(換言すれば、輪郭)として抽出される。このパッケージKの周縁Keの抽出は、パッケージKの表面Ksと影H2との明るさの差(すなわちコントラスト)に対して例えばエッジ検出を施すことで実行できる。そして、発光部Eの周縁Eeの位置およびパッケージKの周縁Keの位置のそれぞれを抽出した結果に基づき、パッケージKの外形に対する発光部Eの位置が算出される。
ステップS106では、実装ヘッド31がステップS103、S104の実行対象となった部品Pの上方に移動して、当該部品を吸着する。そして、ステップS107の部品認識処理では、実装ヘッド31は、上方認識部5A、5Bのうち近い方の撮像部の上方へ移動し、当該撮像部が上方を通過する部品PのパッケージKの底面を撮像して認識制御部130へ送信する。これによって、実装ヘッド31に吸着される部品PのパッケージKと当該実装ヘッド31との位置関係が認識制御部130により認識される。
そして、ステップS108の部品実装では、ステップS105で求められたパッケージKに対する発光部Eの位置と、ステップS107で求められた実装ヘッド31に対するパッケージKの位置とに基づき、駆動制御部140が基板Bに対する実装ヘッド31の位置をX方向およびY方向に制御する。この際、フィデューシャルマークFに基づき認識された基板Bの位置が参照される。これによって、発光部Eが所定のXY位置に一致するように、部品Pが基板Bに実装される。そして、全部品実装が完了するまで(ステップS109で「YES」と判断されるまで)、ステップS101〜S108が繰り返し実行される。
このように構成された実施形態は、部品Pに向けて光Lを照射することで、部品Pの発光部EとパッケージKとの間の段差Sに沿って影H1(第1の影)を生じさせる(ステップS103の発光部認識処理)。したがって、発光部Eに隣接するパッケージKと当該発光部Eとの境界(周縁Ee)が影H1によって強調されるため、部品Pの発光部Eが蛍光体を有するか否かに拘わらず、部品Pの発光部Eの位置を的確に認識することが可能となっている。
ちなみに、部品認識処理は、蛍光体を有する発光部Eおよび蛍光体を有しない発光部Eのいずれに対しても適応できる。なお、発光部Eが蛍光体を有しない場合は、光照射部65の照明67は、固体撮像素子62が検出できる波長範囲(検出波長範囲)の光L(例えば可視光)を照射すれば良い。
あるいは、所定の励起波長範囲内の波長を有する光の照射により励起する蛍光体を発光部Eが有する場合には、光照射部65の照明67は、検出波長範囲内であって励起波長範囲外の波長を有し(すなわち、励起波長範囲内の波長を有さず)、蛍光体を励起させない光を照射すると良い。これによって、発光部Eの蛍光体が励起・発光することで、部品Pの発光部EとパッケージKとの間の段差Sに沿って生じる影H1が薄くなるのを防止できる。したがって、発光部Eに隣接するパッケージKと当該発光部Eとの境界を影H1によって強調して、部品Pの発光部Eの位置を的確に認識することが可能となる。
ちなみに、発光部Eの蛍光体を励起させるためには、励起波長範囲内の波長を有し、なおかつ所定値以上の光量を有する光を当該蛍光体に照射する必要がある場合がある。このような場合、励起波長範囲内の波長を有する光を照射しても、当該光の光量が所定値未満であれば、発光部Eの蛍光体は励起しない。そこで、光照射部65の照明67は、検出波長範囲内であって励起波長範囲内の波長の光を所定値未満の光量で、部品Pに照射しても良い。これによっても、発光部Eの蛍光体が励起・発光することで影H1が薄くなるのを防止でき、部品Pの発光部Eの位置を的確に認識することが可能となる。
また、ステップS104の部品外形認識処理では、部品Pに向けて光Lを照射することで、部品Pを収容するポケットTpの内壁Twと部品PのパッケージKとの隙間dに影H2(第2の影)を生じさせる。したがって、部品PのパッケージKが有する外形(周縁Ke)が影H2によって強調されるため、部品PのパッケージKの位置を的確に認識でき、その結果、パッケージKに対する発光部Eの位置を的確に認識することもできる。そして、かかる認識結果に基づき、実装ヘッド31が基板Bに部品Pを実装するXY位置が制御されるため、部品Pの発光部Eを基板B上の適切なXY位置に実装することが可能となる。
また、フィデューシャルマークFおよび部品Pそれぞれの認識を下方認識部6および認識制御部130で実行している。このように、フィデューシャルマークFおよび部品Pそれぞれの認識を実行する構成を共通化することで、表面実装機1の装置構成の簡素化が図られている。
このように上記の実施形態では、表面実装機1が本発明の「表面実装機」の一例に相当し、テープフィーダー26が本発明の「部品保持部」の一例に相当し、部品Pが本発明の「部品」の一例に相当し、発光部Eが本発明の「発光部」の一例に相当し、周縁Eeが本発明の「発光部の周縁」の一例に相当し、パッケージKが本発明の「パッケージ」の一例に相当し、段差Sが本発明の「段差」の一例に相当し、光照射部65が本発明の「光照射部」の一例に相当し、光Lが本発明の「光」の一例に相当し、影H1が本発明の「第1の影」の一例に相当し、カメラ61が本発明の「撮像部」の一例に相当し、認識制御部130が本発明の「位置認識部」の一例に相当し、実装ヘッド31が本発明の「実装ヘッド」の一例に相当し、基板Bが本発明の「基板」の一例に相当し、駆動制御部140が本発明の「実装制御部」の一例に相当し、テープTが本発明の「テープ」の一例に相当し、ポケットTpが本発明の「ポケット」の一例に相当し、内壁Twが本発明の「ポケットの壁面」の一例に相当し、隙間dが本発明の「隙間」の一例に相当し、影H2が本発明の「第2の影」の一例に相当し、フィデューシャルマークFが本発明の「フィデューシャルマーク」の一例に相当し、下方認識部6および認識制御部130で構成される部品認識装置6X(図3)が本発明の「部品認識装置」の一例に相当する。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、図4のフローチャートでは、ステップS103の発光部認識処理を行ってから、ステップS104の部品外形認識処理を行っていた。しかしながら、これらの実行順序は逆でも良い。
あるいは、発光部認識処理と部品外形認識処理とで、光照射部65から照射する光の強度が等しくできる場合、すなわち同じ強度の光によって影H1および影H2を同時に生じさせることができる場合には、発光部認識処理と部品外形認識処理とを同時に行っても良い。これによって、影H1および影H2を一回的に効率的に撮像することができる。
あるいは、発光部認識処理と部品外形認識処理とを個別のタイミングで行う場合には、発光部認識処理で光照射部65から照射する光よりも、部品外形認識処理で光照射部65から照射する光を強くしても良い。かかる構成では、ポケットTpの内壁Twと部品PのパッケージKとの隙間dと、部品PのパッケージKとのコントラストを確保して、部品PのパッケージKが有する外形を影H2によって強調することができる。
さらに、発光部認識処理および部品外形認識処理それぞれで光照射部65から照射する光の強度は、種々の調整が可能である。そこで、発光部認識処理では、パッケージKの表面Ksで反射される光の強度が固体撮像素子62の検出可能範囲の上限値以上となり、パッケージKの表面Ksの画像が白飛び(blown-out highlights)するような光Lを光照射部65から照射しても良い。これによって、パッケージKの表面Ksと影H1とのコントラストをより確実に確保して、発光部Eをより的確に認識できる。同様に、部品外形認識処理でも、パッケージKの表面Ksの画像が白飛びするような光Lを光照射部65から照射することで、パッケージKの表面Ksと影H2とのコントラストをより確実に確保して、パッケージKの外形をより的確に認識できる。なお、パッケージKの表面Ksの画像を白飛びさせる光Lは、光Lの強度あるいは露光時間を調整することで得ることができる。
また、発光部認識処理での撮像画像(図5の「平面図」の画像)を表示部150に表示するように構成しても良い。これによって、発光部認識処理で影H1を適切に抽出できないような場合に、作業者が表示部150に表示された撮像画像を確認しつつ例えば光照射部65から照射する光Lの強度や露光時間を調整することができる。
また、部品外形認識処理での撮像画像(図6の「平面図」の画像)を表示部150に表示するように構成しても良い。これによって、部品外形認識処理で影H2を適切に抽出できないような場合に、作業者が表示部150に表示された撮像画像を確認しつつ例えば光照射部65から照射する光Lの強度や露光時間を調整することができる。
また、照明67の配置箇所、幅あるいは個数についても適宜変更が可能である。例えば、上記の例では、平面視において対向する2個の光照射部65から部品Pに光を照射していた。しかしながら、平面視において90度の間隔を空けて開口661を囲むように配列された4個の光照射部65から部品Pに光を照射しても良い。あるいは、開口661を囲むように円環状に照明67を配置しても良い。さらに、照明67の光軸A67の部品Pに対する入射角θも適宜調整が可能である。そこで、例えば入射角θが50度〜65度の範囲、換言すれば照明67の光軸A67と部品Pの発光部Eとの角度が25度〜40度の範囲となるように、照明67を配置しても良い。
また、上記の例では、部品PおよびフィデューシャルマークFのそれぞれの認識を、同一の光照射部65から光を照射することで行っていた。この際、部品Pの認識において光照射部65から照射する光の照度と、フィデューシャルマークFの認識において光照射部65から照射する光の照度とを変更しても良い。あるいは、部品Pを認識する場合と、フィデューシャルマークFを認識する場合とで、光を照射する角度θ(図2)を変更しても良く、具体的には、フィデューシャルマークFを撮像するときの角度θを、部品Pの発光部Eを撮像するときの角度θよりも小さくしても良い。また、発光部Eに光を照射する角度θを可変とするために、各光照射部65の取付角度を自動的に変更できるように下方認識部6を構成しても良いし、異なる角度θのそれぞれに対応して光照射部65を下方認識部6に設けても良い。
また、部品Pの具体的な形状は図5および図6の例に限られない。したがって、例えば平面視において発光部EあるいはパッケージKが円形を有する部品Pを認識するにあたっても、上記の実施形態を適用できる。
また、部品Pを供給する具体的構成はテープフィーダー26に限られない。したがって、スティックフィーダーや、トレイフィーダーによって供給される部品Pを認識するにあたっても、上記の実施形態を適用できる。
また、下方認識部6においてカメラ61を取り付ける角度も適宜変更が可能である。
具体例を示して上述したように、本発明に対しては例えば下記に示す種々の変形を適宜加えることができる。
つまり、部品保持部は、部品を収容するポケットを有するテープを保持し、光照射部は、部品に向けて光を照射することで、ポケットの壁面と部品のパッケージとの隙間に第2の影を生じさせ、撮像部は、第2の影を含む画像を撮像し、位置認識部は、撮像された第1の影および第2の影それぞれの位置から、パッケージに対する発光部の位置を認識し、実装制御部は、位置認識部が認識したパッケージに対する発光部の位置に基づき、実装ヘッドが基板に部品を実装する位置を制御するように、表面実装機を構成しても良い。かかる構成は、部品に向けて光を照射することで、部品を収容するポケットの壁面と部品のパッケージとの隙間に第2の影を生じさせる。したがって、部品のパッケージが有する外形が第2の影によって強調されるため、部品のパッケージの位置を的確に認識でき、その結果、パッケージに対する発光部の位置を的確に認識することもできる。そして、かかる認識結果に基づき、実装ヘッドが基板に部品を実装する位置が制御されるため、部品の発光部を基板上の適切な位置に実装することが可能となる。
また、光照射部は、部品に向けて光を照射することで、第1の影および第2の影を同時に生じさせ、撮像部は、第1の影および第2の影を同時に撮像するように、表面実装機を構成しても良い。かかる構成では、第1の影および第2の影を一回的に効率的に撮像することができる。
また、照射部が部品に向けて光を照射することで第1の影を生じさせつつ撮像部が第1の影を含む画像を撮像し、照射部が第1の影を生じさせるときより強い光を部品に向けて照射することで第2の影を生じさせつつ撮像部が第2の影を含む画像を撮像するように、表面実装機を構成しても良い。このような構成では、ポケットの壁面と部品のパッケージとの隙間と、部品のパッケージとのコントラストを確保して、部品のパッケージが有する外形を第2の影によって強調することができる。
また、発光部は、所定範囲の波長を有する光の照射により励起する蛍光体を有し、照射部は、所定範囲外の波長を有して蛍光体を励起させない光を部品へ照射するように、表面実装機を構成しても良い。かかる構成では、発光部が励起・発光することで、部品の発光部とパッケージとの間の段差に沿って生じる影が薄くなるのを防止できる。したがって、発光部に隣接するパッケージと当該発光部との境界を影によって強調して、部品の発光部の位置を的確に認識することが可能となる。
また、照射部は、基板に設けられたフィデューシャルマークに対して光を照射し、撮像部は、照射部から光が照射されたフィデューシャルマークを撮像し、位置認識部は、撮像部が撮像したフィデューシャルマークの位置から基板の位置を認識するように、表面実装機を構成しても良い。かかる構成では、発光部に隣接するパッケージと当該発光部との境界を影の撮像と、基板のフィデューシャルマークの撮像とに用いる照射部および撮像部を共通化でき、装置構成の簡素化を図ることができる。
この発明は、発光部から光を射出する部品の当該発光部の位置を認識する技術全般に適用可能である。
1…表面実装機、26…テープフィーダー(部品保持部)、31…実装ヘッド、6X…部品認識装置、6…下方認識部、65…光照射部、61…カメラ(撮像部)、130…認識制御部(位置認識部)、140…駆動制御部(実装制御部)、P…部品、E…発光部、Ee…周縁、K…パッケージ、S…段差、L…光、H1…影(第1の影)、H2…影(第2の影)、B…基板、T…テープ、Tp…ポケット、Tw…内壁(ポケットの壁面)、d…隙間、F…フィデューシャルマーク

Claims (8)

  1. 光を射出する発光部と、前記発光部の周縁に沿って前記発光部との間に段差を有するパッケージとを有する部品を保持する部品保持部と、
    前記部品に向けて光を照射することで、前記段差に沿って第1の影を生じさせる光照射部と、
    前記第1の影を含む画像を撮像する撮像部と、
    撮像された前記第1の影の位置から前記発光部の位置を認識する位置認識部と
    前記部品保持部から取り出した前記部品を基板に実装する実装ヘッドと、
    前記位置認識部が認識した前記発光部の位置に基づき、前記実装ヘッドが前記基板に前記部品を実装する位置を制御する実装制御部と
    を備える表面実装機。
  2. 前記部品保持部は、前記部品を収容するポケットを有するテープを保持し、
    前記光照射部は、前記部品に向けて光を照射することで、前記ポケットの壁面と前記部品の前記パッケージとの隙間に第2の影を生じさせ、
    前記撮像部は、前記第2の影を含む画像を撮像し、
    前記位置認識部は、撮像された前記第1の影および前記第2の影それぞれの位置から、前記パッケージに対する前記発光部の位置を認識し、
    前記実装制御部は、前記位置認識部が認識した前記パッケージに対する前記発光部の位置に基づき、前記実装ヘッドが前記基板に前記部品を実装する位置を制御する請求項1に記載の表面実装機。
  3. 前記光照射部は、前記部品に向けて光を照射することで、前記第1の影および前記第2の影を同時に生じさせ、
    前記撮像部は、前記第1の影および前記第2の影を同時に撮像する請求項2に記載の表面実装機。
  4. 前記光照射部が前記部品に向けて光を照射することで前記第1の影を生じさせつつ前記撮像部が前記第1の影を含む画像を撮像し、前記光照射部が前記第1の影を生じさせるときより強い光を前記部品に向けて照射することで前記第2の影を生じさせつつ前記撮像部が前記第2の影を含む画像を撮像する請求項2に記載の表面実装機。
  5. 前記発光部は、所定範囲の波長を有する光の照射により励起する蛍光体を有し、
    前記光照射部は、前記所定範囲外の波長を有して前記蛍光体を励起させない光を前記部品へ照射する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表面実装機。
  6. 前記光照射部は、前記基板に設けられたフィデューシャルマークに対して光を照射し、
    前記撮像部は、前記光照射部から光が照射されたフィデューシャルマークを撮像し、
    前記位置認識部は、前記撮像部が撮像した前記フィデューシャルマークの位置から前記基板の位置を認識する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の表面実装機。
  7. 光を射出する発光部と、前記発光部の周縁に沿って前記発光部との間に段差を有するパッケージとを有する部品に向けて光を照射することで、前記段差に沿って影を生じさせる光照射部と、
    前記影を含む画像を撮像する撮像部と、
    撮像された前記影の位置から前記発光部の位置を認識する位置認識部と
    を備える部品認識装置。
  8. 光を射出する発光部と、前記発光部の周縁に沿って前記発光部との間に段差を有するパッケージとを有する部品に向けて光を照射することで、前記段差に沿って影を生じさせる工程と、
    前記影を含む画像を撮像する工程と、
    撮像された前記影の位置から前記発光部の位置を認識する工程と
    を備える部品認識方法。
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