JP6722394B2 - 蓄電素子及び蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電素子及び蓄電装置に関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車がその需要を拡大させている。このハイブリッド自動車や電気自動車においては、リチウムイオン二次電池などの各種蓄電素子が広く活用されている。蓄電素子としては、正極と負極とを備えた発電要素が電解液とともにケースに収容されたものが知られている(下記特許文献1参照)。
蓄電素子の充放電においては、通常、正極と負極との間で電解液を介してイオンの授受が行われる。そこで、例えば、リチウムイオン二次電池の正極を構成する金属箔は、リチウムイオンを放出可能な活物質が塗布されている。一方、負極を構成する金属箔は、正極から放出されたリチウムイオンを受容可能な活物質が塗布されている。
発電要素としては、活物質が塗布された金属箔を正極用及び負極用にそれぞれ複数枚用意してこれらを交互に積層した積層型のものが知られている。また、発電要素としては、帯状の正極と帯状の負極とが積層されてなる帯状の積層体を巻回した巻回型のものが知られている。
特開2015−133330号公報
蓄電素子には、充放電におけるエネルギーロスを低減することが求められている。このため電極間の電気抵抗値は低い方が好ましい。近年、蓄電素子を備えた蓄電装置には、種々の形状を有することが求められるようになってきており、従来に比べて高さを低くすることが要望されたりしている。そのようなことから、蓄電素子は、従来に比べて高さを低くして横幅を広げることが要望されたりしている。ところが、巻回型の電極体を備えた蓄電素子では、従来のものよりも電極体の幅を広げると、電極間の電気抵抗値が蓄電素子の使用中に上昇する場合がある。そこで、本発明は、このような電気抵抗値の上昇を抑制することを目的とする。
本発明の蓄電素子は、
正極と負極とを備えた電極体と、電解液と、該電解液及び前記電極体を収容するケースとを備え、
該電極体は、巻回型の電極体で、且つ、該電極体の幅方向が巻回軸の方向となっており、
前記正極及び前記負極が活物質を含む活物質層を備え、
少なくとも前記電極体の幅方向中央部では、活物質層に含まれている前記活物質が下記式(1)及び式(2)の少なくとも一方を満たす蓄電素子である。

Ep ≦ 1% ・・・(1)
En ≦ 3% ・・・(2)

(但し、「Ep」は、正極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表し、「En」は、負極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表している。)
蓄電素子に用いられている活物質は、通常、充放電に際して膨張・収縮する。そして、例えば、充電時に活物質が膨張すると正極と負極との間の圧力が上昇して電極体中に含浸されている電解液が電極体の外に追い出される。本発明の蓄電素子は、少なくとも電極体の幅方向中央部において活物質層に含まれている活物質が充放電時に所定以下の膨張率を示す。従って、本発明の蓄電素子は、充放電に際して電解液が電極体の外に追い出され難い。
活物質の膨張によって電極体から追い出された電解液は、通常、膨張した活物質が元の状態に戻る際に再び電極体に含浸される。このとき、積層型の電極体は、電極体の略全周から電解液を含浸させ得る。一方で巻回型の電極体では、実質的に巻回軸方向両端部からしか電解液が含浸されない。そして、電極体の巻回軸方向の長さが長いと電極体の中央部まで電解液が到達し難くなる。そのため、単に電極体を巻回軸方向に延びた横長形状にすると中央部において電解液が不足し易くなってしまう。そして、電極体における電解液の不足は、電極間の電気抵抗値を上昇させる原因となる。これに対し、本発明の蓄電素子は、電解液が電極体の外に追い出され難いため、電極間の電気抵抗値が上昇し難い。即ち、本発明の蓄電素子は、従来のものに比べて高さが低く横幅を広げた形状にしても、電極間の電気抵抗値が使用中に上昇することを抑制できる。
電極体の幅は、該電極体の高さの2倍以上であってもよい。蓄電素子に備えられる電極体の幅が該電極体の高さの2倍以上であることで、蓄電素子は、従来のものに比べて高さが低く横幅を広げた形状とすることができる。
少なくとも電極体の幅方向中央部では、負極及び正極の内の少なくとも一方の活物質層に電解液を収容可能な孔を有する活物質が含まれていてもよい。蓄電素子は、孔を有する活物質を活物質層に含むことで電解液が不足することを防止でき、電極間の電気抵抗値が上昇することをさらに抑制し得る。
電極体は、前記正極と前記負極とがセパレータを介して積層された積層体であり、且つ、孔を有する前記活物質が活物質層の表面に露出して前記セパレータに接していてもよい。セパレータに接する活物質は、セパレータを介して電解液が供給され易い。そのため蓄電素子は、孔を有する活物質がセパレータに接していることで電極間の電気抵抗値が上昇することをさらに抑制し得る。
蓄電素子は、前記式(2)を満たす負極の活物質が0.340nm以上の面間隔(d002)を有する非晶質炭素であってもよい。面間隔の広い非晶質炭素は、膨張率が低く負極の活物質層に含有させる活物質として好ましいものである。
蓄電素子は、前記非晶質炭素の平均粒子径(D50)が10μm以下であってもよい。膨張率が同じ場合、粒径の小さい活物質の方が膨張時に増加する体積の絶対量が小さくなる。そのため、蓄電素子は、負極の活物質として用いる非晶質炭素の平均粒子径(D50)が10μm以下であることで充放電時に電解液が不足してしまうことをより確実に抑制し得る。
本発明の蓄電装置は、上記のような蓄電装置を備えている。そのため、高さを低くするといったような形状に対する要望に応じることが容易である。
本発明によれば、巻回型の電極体を備えた蓄電素子において電極間の電気抵抗値が蓄電素子の使用中に上昇することを抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII―III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の分解図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び端子部を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図7は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図8は、蓄電装置の概要を示した斜視図である。 図9は、蓄電素子を備えた蓄電装置の斜視図である。 図10は、蓄電装置の構造を示した斜視図である。 図11は、活物質の膨張率を測定する要領を示した図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図7を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子は、図1〜図7に示すように、正極23及び負極24を含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子4であって電極体2と導通する外部端子4と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子4の他に、電極体2と外部端子4とを導通させる集電体5等を有する。蓄電素子は、電解液をさらに備えている。ケース3は、電極体2とともに電解液を収容している。
以下においては、図において「矢印X」で示されている方向における蓄電素子の寸法を「幅」と称し、「矢印Y」で示されている方向における蓄電素子の寸法を「厚み」と称し、「矢印Z」で示されている方向における蓄電素子の寸法を「高さ」と称する。
図に示されているように本実施形態の蓄電素子は、厚みの薄い扁平な直方体形状を有する。また、本実施形態の蓄電素子は、幅に比べて高さが低い横長形状を有する。
電極体は、蓄電素子よりも一回り小さな直方体形状を有する。電極体2は、正極23と負極24とが互いに絶縁された状態で積層された積層体22である。本実施形態の電極体2は、帯状の正極23と帯状の負極24と積層された積層体である。本実施形態の電極体2は、帯状の積層体が巻回されることによって形成された巻回型の電極体2である。図5に示したように、ケース内に収容された電極体2の巻回軸2aは、蓄電素子の幅方向に沿っている。従って、電極体は、上縁部と下縁部とが丸みを帯びた扁平直方体である。言い換えれば、電極体は、長円筒形である。
正極23は、金属箔と、金属箔の上に形成された活物質層(以下、「正極活物質層」ともいう)と、を有する。金属箔は帯状である。本実施形態の金属箔は、例えば、アルミニウム箔である。正極23は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)231を有する。正極23において正極活物質層が形成される部位を被覆部232と称する。
前記正極活物質層は、粒状の正極活物質と、バインダーと、を有する。
前記正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiMe(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。本実施形態の正極活物質は、LiNi1/3Co1/3Mn1/3である。
少なくとも電極体2の幅方向中央部において正極活物質層に含まれている正極活物質は、下記式(1)を満たす。電極体2の幅方向中央部とは、図5に示したように電極体2の幅をwとした場合、通常、電極体2の幅方向一端縁から0.5wの位置を意味する。本実施形態の電極体は、少なくとも幅方向一端縁から0.4w以上0.6w以下の範囲に下記式(1)を満たす活物質が含まれており、正極活物質層の幅方向全域に下記式(1)を満たす活物質が含まれている。本実施形態においては、下記式(1)を満たす活物質は、正極活物質全体の50体積%以上を占めており、好ましくは、90体積%以上を占めている。

Ep ≦ 1% ・・・(1)

(但し、「Ep」は、正極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表している。)
上記(1)を満たす活物質の体積割合については、例えば、活物質層を層の厚み方向に切断して断面観察を行って確認することができる。具体的には、この体積割合は、例えば、活物質層の断面に占める全ての活物質の面積(S0)に対する上記(1)を満たす活物質の面積(S1)の割合(S1/S0)を複数の断面について求め、得られた複数の割合(S1/S0)の値を算術平均することにより求めることができる。
正極活物質の膨張率は、通常、0.1%以上である。
なお、正極活物質の膨張率とは、以下に示すように、1つの粒子の体積変化に基づいて求められる値である。
(膨張率測定方法)
1.測定試料の調製
リチウムイオン二次電池から正極を取り出し、正極活物質層を金属箔から削り落として粉末を得る。このとき得られる粉末は、単独の活物質粒子ではなく、複数の活物質粒子がバインダーで一体化したものになっている場合がある。その場合、バインダーを溶解可能な溶媒(例えば、N−メチルピロリドンなど)に粉末を浸漬させてバインダーを除去し、さらに粉末をジメチルカーボネートで洗浄した後、乾燥することで個々に分離した状態になった活物質を得ることができる。
正極活物質の膨張率は、まず、測定試料として得られる複数の粒子から無作為に選択した1つの粒子に対して充放電を行い、その体積変化を光学顕微鏡(例えば、キーエンス社製「VHX−1000」)などで観測することから求められる。
2.集電プローブの作製
選択した粒子に充放電を行うには集電プローブを用いる。集電プローブは、太さ(直径)20μmの白金線をガラスで被覆し、両端部を研磨して白金線を露出させて作製することができる。また、太さ(直径)直径10μmの金線をガラスで被覆し、両端部を研磨して金線を露出させることで得られたものも集電プローブとして用いることができる。
3.測定装置
活物質の膨張率の測定には、図11に示した装置が用いられる。該装置は、ポテンショスタットa1(例えば、バイオロジック社製「SP−200」)と光学顕微鏡b1とを有する。装置は、測定試料となる活物質を散布するためのガラスペーパーc4と、ガラスペーパーc4を下から支持するガラス板c3とを有する。この装置では、ガラスペーパーc4に散布された活物質が試験極とされる。装置は、対極となるリチウム金属材a14をさらに備えている。装置は、ガラスペーパーc4を載置したガラス板c3及びリチウム金属材a14を収容可能な内容積を有し、且つ、電解液c2を収容可能な容器c1を有する。装置は、ガラスペーパーc4に散布された活物質の内、1粒の活物質に対して先端を当接させた状態で集電プローブa12を固定するためのアームa15を備えたマイクロマニピュレーターを有している。装置は、集電プローブa12の基端側において白金線(金線)とポテンショスタットa1とを電気的に接続する銅線a11を有し、リチウム金属材a14とポテンショスタットa1とを電気的に接続するニッケル線a13をさらに有する。
4.測定方法
(1)セルの構成
露点が−70℃以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス内においてガラスペーパーc4に活物質を散布する。ガラスペーパーc4を載せたガラス板c3と、電極面積が1cmとなるように調製されたリチウム金属材a14とを容器c1に収容する。エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合溶媒にLiPFを溶解させて電解液c2を調製する。この電解液c2を容器c1に導入し、ガラス板c3とリチウム金属材a14とを電解液に浸漬させ測定用のセルを構成させる。
(2)集電プローブのサイクリックボルタンメトリー
活物質の膨張率の測定前に集電プローブa12を試験極としてサイクリックボルタンメトリーを実施する。具体的には、周囲温度25℃にて、走査速度を5mV/sで自然電位から貴な方向に4.3V vs.Li/Li まで掃引し、折り返して2.75V vs.Li/Li まで掃引した後、再び自然電位まで掃引する。
(3)充放電、及び、膨張率の算出
光学顕微鏡b1で測定用セルを確認しながらガラスペーパー上に散布した活物質の内の一つを無作為に選び出し、集電プローブa12の先端をこの一粒の活物質に接触させて充放電を行う。具体的には、周囲温度25℃にて、所定の電流で4.3V vs.Li/Li まで定電流充電し、4.3V vs.Li/Li で3時間の定電位充電を実施する。充電完了後、10分間の休止時間を設け、活物質の画像を撮影する。その後、所定の電流(1〜10CnA相当)で3.0V vs.Li/Li まで放電した後、10分間の休止時間を設け、再び、活物質の画像を撮影する。撮影した充電時の画像と放電時の画像とに対して画像解析を行い、それぞれにおける活物質の体積を求める。画像解析では、活物質の画像の面積を求め、同じ面積となる円の半径を算出する。そして、この半径を有する真球の体積を活物質の体積として認定する。そして、4.3Vの電位における活物質の体積と、3.0Vの電位における活物質の体積とを比べ、大きい方の体積をVL、小さい方の体積をVSとし、下記式に基づいて粒子の膨張率を算出する。同様に複数の粒子に対して膨張率の測定を実施し、算術平均値を活物質の膨張率として求める。

膨張率(%)= [(VL−VS)/(VS)]×100
本実施形態の正極活物質は、複数の1次粒子が凝集してなる凝集粒子である。該凝集粒子は、中空部を備え、且つ、該中空部を表面において開口させている。即ち、正極活物質は、内部に向かう孔を有している。本実施形態の正極活物質が有する孔は、電解液を収容可能な広さを備えている。孔は、正極活物質の内部に向かって先細りするものであってもよく、広がっているものであってもよい。
正極活物質層に用いられるバインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
電解液を収容可能な孔を有する正極活物質の一部又は全部は、バインダーに完全に覆われることなく、活物質層の表面に露出している。
前記正極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の正極活物質層は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極24は、金属箔と、金属箔の上に形成された活物質層(以下、「負極活物質層」ともいう)と、を有する。金属箔は帯状である。本実施形態の金属箔は、例えば、銅箔である。負極24は、帯形状の短手方向である幅方向の他方(正極23の非被覆部231と反対側)の端縁部に、負極活物質層の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)241を有する。負極24の被覆部(負極活物質層が形成される部位)242の幅は、正極23の被覆部232の幅よりも大きい。
前記負極活物質層は、粒状の負極活物質と、バインダーと、を有する。
前記負極活物質は、例えば、グラファイト、難黒鉛化炭素、及び易黒鉛化炭素などの炭素材、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などのリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。負極活物質は、1種単独ではなく2種以上を併用しても良い。
少なくとも電極体2の幅方向中央部において負極活物質層に含まれている負極活物質は、下記式(2)を満たす。電極体2の幅方向中央部とは、図5に示したように電極体2の幅をwとした場合、通常、電極体2の幅方向一端縁から0.5wの位置を意味する。本実施形態の電極体は、少なくとも幅方向一端縁から0.4w以上0.6w以下の範囲に下記式(2)を満たす活物質が含まれており、負極活物質層の幅方向全域に下記式(2)を満たす活物質が含まれている。本実施形態においては、下記式(2)を満たす活物質は、負極活物質全体の50質量%以上を占めており、好ましくは、75質量%以上を占めている。

En ≦ 3% ・・・(2)

(但し、「En」は、負極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表している。)
負極活物質の膨張率は、開回路電位を0.5Vとした場合、及び85mV、とした場合で測定を行うこと以外は正極活物質と同様に測定できる。具体的には、周囲温度25℃にて、開回路電位が85mVとなるまで定電流充電した後、3時間の定電位充電を実施し、10分間の休止時間を設けた後に撮影した活物質の画像と、開回路電位が0.5Vとなるまで放電し、10分間の休止時間を設けた後に撮影した活物質の画像とに基づいて負極活物質の膨張率を求めることができる。なお、負極活物質の膨張率を測定するのに際しては開回路電位を厳密に0.5Vと85mVとする必要はない。放電時の開回路電位が0.5V±10mVの範囲内で、且つ、充電時の開回路電位が85mV±10mVの範囲内で測定を行えば、これらを0.5V及び85mVとして測定した結果と実質的に同じ測定結果を得ることができる。負極活物質の膨張率は、通常、1%以上である。
本実施形態の負極活物質は、中空部を備え、且つ、該中空部を表面において開口させている。即ち、負極活物質は、内部に向かう孔を有している。本実施形態の負極活物質が有する孔は、電解液を収容可能な広さを備えている。孔は、負極活物質の内部に向かって先細りするものであってもよく、広がっているものであってもよい。
本実施形態の負極活物質の一部又は全部は、0.340nm以上の面間隔(d002)を有する非晶質炭素である。本実施形態の非晶質炭素の面間隔(d002)は、例えば、好ましくは、0.350nm以上0.400nm以下であり、より好ましくは、0.360nm以上0.390nm以下である。本実施形態の負極活物質としては、グラファイトと式(2)を満たす非晶質炭素とが併用されている。
非晶質炭素の面間隔は、JIS R 7651:2007に準じて測定することができる。
非晶質炭素の平均粒子径は、通常、10μm以下である。非晶質炭素の平均粒子径は、好ましくは、1μm以上10μm以下である。
負極活物質などの平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折散乱法で測定することができる。具体的には、測定装置としてレーザー回折式粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社MT3000EXII)、測定制御ソフトとしてマイクロトラック専用アプリケーションソフトフェアDMS(ver.2)を用いて測定することができる。具体的な測定手法としては、散乱式の測定モードを採用し、測定試料(活物質)が分散溶媒中に分散する分散液が循環する湿式セルを2分超音波環境下に置いた後に、レーザー光を照射し、測定試料から散乱光分布を得る。そして、散乱光分布を対数正規分布により近似し、その粒度分布(横軸、σ)において最小を0.021μm、最大を2000μmに設定した範囲の中で累積度50%(D50)にあたる粒径を求める。また、分散液は界面活性剤と分散剤としてのSNディスパーサント 7347−CまたはトリトンX−100(登録商標)とを含む。分散液には、分散剤を数滴加える。また、試料が浮遊する場合、湿潤材としてSNウェット 366を加えて測定する。なお、完成したリチウムイオン二次電池について活物質の平均粒子径を求める場合は、活物質層から採取した試料に対してバインダーを除去する処理を施して上記のような測定を行えばよい。バインダーが水系のものである場合、当該バインダーの除去は、例えば、水を用いて実施することができる。バインダーが有機系のものである場合、当該バインダーの除去は、例えば、N−メチルピロリドンを用いて実施することができる。
負極活物質層に用いられるバインダーは、正極活物質層に用いられたバインダーと同様のものである。
電解液を収容可能な孔を有する負極活物質の一部又は全部は、バインダーに完全に覆われることなく、活物質層の表面に露出している。
前記負極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極23と負極24とがセパレータ25によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極23、負極24、及びセパレータ25の積層体22が巻回される。セパレータ25は、絶縁性を有する部材である。セパレータ25は、正極23と負極24との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極23と負極24とが互いに絶縁される。また、セパレータ25は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ25を挟んで交互に積層される正極23と負極24との間を移動する。
セパレータ25は、帯状である。セパレータ25は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。セパレータ25は、SiO粒子、Al粒子、ベーマイト(アルミナ水和物)等の無機粒子を含んだ無機層を、多孔質膜によって形成された基材の上に設けることで形成されてもよい。本実施形態のセパレータ25は、例えば、ポリエチレンによって形成される。セパレータの幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極24の被覆部242の幅より僅かに大きい。セパレータ25は、被覆部232同士が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極23と負極24との間に配置される。このとき、正極23の非被覆部231と負極24の非被覆部241とは重なっていない。即ち、正極23の非被覆部231が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極24の非被覆部241が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向(正極23の非被覆部231の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極23、負極24、及びセパレータ25、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極23の非被覆部231又は負極24の非被覆部241のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
前記のように正極23及び負極24の活物質層には、孔を有する活物質が含まれている。そして、孔を有する活物質は、活物質層の表面に露出している。従って、孔を有する活物質は、セパレータ25に接している。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。本実施形態の非被覆積層部26は、巻回された正極23、負極24、及びセパレータ25の巻回中心方向視において、中空部27(図4参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
本実施形態の電極体2の幅(w)は、高さ(h)の2倍以上である。電極体2の寸法は、通常、放電状態において測定される。例えば、電極体2の寸法は、開回路電圧が3.0Vの状態において測定することができる。
電極体2の高さ(h)は、正極23の被覆部232と負極24の被覆部242とが重なるように巻回されている部位においてノギスなどによって寸法を測定して求めることができる。電極体2の高さ(h)は、複数箇所の測定値を算術平均値して求められる。
電極体の幅(w)も、電極体2の高さ(h)と同様にノギスなどによって測定できる。なお、電極体の幅方向両端部に変形などが生じていて正確な測定が難しい場合、電極体の幅(w)は、例えば、正極23の内の負極24に重なっていない部分の幅23wと負極24の幅24wとを加算することによって求めることができる(図7参照)。
本実施形態の電極体の高さ(h)は、通常、50mm〜200mmである。電極体の幅(w)は、通常、80mm〜300mmである。本実施形態の電極体の厚み(t)は、通常、10mm〜100mmである。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極23の非被覆部231のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極の非被覆積層部を構成し、負極24の非被覆部241のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。本実施形態のケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
前記電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5の割合で調整した混合溶媒に、1mol/LのLiPFを溶解させたものである。
電極体中に含浸されている電解液は、正極23や負極24の活物質層に含まれている活物質が下記式(1)及び式(2)を満たすため、充放電に際して電極体から排出されにくい。

Ep ≦ 1% ・・・(1)
En ≦ 3% ・・・(2)

(但し、「Ep」は、正極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表し、「En」は、負極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表している。)
このような機能については、正極23及び負極24の両方の活物質が上記のような式を満足する必要性はなく、一方のみが上記の式を満足していれば良い。また、このような機能については、活物質層の幅方向全域に式(1)や式(2)を満たす活物質が含まれている必要はなく、少なくとも幅方向中央部においてこのような活物質が含まれていればよい。
即ち、本実施形態の蓄電素子は、正極と負極とを備えた電極体と、電解液と、該電解液及び前記電極体を収容するケースとを備え、該電極体は、巻回型の電極体で、且つ、該電極体の幅方向が巻回軸の方向となっており、前記正極及び前記負極が活物質を含む活物質層を備え、少なくとも電極体の幅方向中央部では、活物質層に含まれている前記活物質が下記式(1)及び式(2)の少なくとも一方を満たすものであればよい。

Ep ≦ 1% ・・・(1)
En ≦ 3% ・・・(2)

(但し、「Ep」は、正極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表し、「En」は、負極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表している。)
正極及び負極の内の少なくとも一方の活物質が電極体の幅方向中央部において上記の式を満足する蓄電素子は、従来のものに比べて高さが低く幅広な形状(横長形状)としても幅方向中央部において電解液が不足し難い。即ち、蓄電素子は、電解液の不足を原因とした電気抵抗値の上昇が生じ難い。
特に従来の蓄電素子では、電極体の幅を該電極体の高さの2倍以上とすると電気抵抗値の上昇が生じ易いが、本実施形態の蓄電素子は、このような電極体を有する場合においても電気抵抗値の上昇が生じ難い。
実施形態の蓄電素子は、少なくとも電極体の幅方向中央部では、負極及び正極の両方の活物質層に電解液を収容可能な孔を有する活物質が含まれている。活物質の孔は、単に電解液を収容可能であるばかりでなく、活物質の膨張に際しても電解液を収容可能な容積を有していることが好ましく、活物質の膨張に伴って容積を拡大することがより好ましい。蓄電素子は、このような孔を有する活物質が活物質層に含まれていることで充放電に際して電極体中に電解液が不足することを防止できる。
このような機能については、正極23及び負極24の内の少なくとも一方の活物質が電解液を収容可能な孔を有することで発揮され得る。
本実施形態の電極体は、正極と負極とがセパレータを介して積層されている積層体であり、且つ、孔を有する活物質が活物質層の表面に露出してセパレータに接している。
セパレータに接する活物質は、セパレータを介して電解液が供給され易い。そのため、本実施形態の蓄電素子は、電解液の不足が生じにくく、電極間の電気抵抗値が上昇することをさらに抑制し得る。このような機能についても、正極23及び負極24の内の少なくとも一方において、孔を有する活物質がセパレータと接していることによって発揮され得る。
本実施形態の蓄電素子は、前記式(2)を満たす負極の活物質が0.340nm以上の面間隔(d002)を有する非晶質炭素である。本実施形態における負極は、面間隔の広い非晶質炭素を活物質として採用していることから充放電に際して活物質の膨張が生じ難い。
本実施形態の蓄電素子は、この非晶質炭素の平均粒子径(D50)が10μm以下である。そのため、本実施形態の負極では、充放電に際して活物質に膨張が生じても、活物質の体積増加の絶対量を低くすることができる。そのため、蓄電素子は、負極の活物質として用いる非晶質炭素の平均粒子径(D50)が10μm以下であることで充放電時に電解液が不足してしまうことをより確実に抑制し得る。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子(例えば電池)は、図8に示すように、蓄電装置10(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材18と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
次に、蓄電素子1を備える蓄電装置の一実施形態について、図8〜図10を参照しつつ説明する。この蓄電装置10は、複数の蓄電素子を備え、これら複数の蓄電素子のうちの少なくとも一つが上述の蓄電素子1である。本実施形態の蓄電装置10では、前記複数の蓄電素子の全てが上述の蓄電素子1である。複数の蓄電素子1は、当該蓄電素子1の厚み方向(Y軸方向)に並んでいる。
蓄電装置10は、Y軸方向に並ぶ複数の蓄電素子1と、蓄電素子1と隣り合う複数の隣接部材12と、複数の蓄電素子1及び複数の隣接部材12を保持する保持部材14と、複数の蓄電素子1と保持部材14との間に配置されるインシュレータ16と、蓄電素子1の外部端子4に接続されるバスバ18と、を備える。複数の蓄電素子1は、Y軸方向から見た形状が共通している。複数の蓄電素子1は、互いの輪郭が揃うように配されている。
隣接部材12は、Y軸方向に並ぶ蓄電素子1の間、又は蓄電素子1と該蓄電素子1に対してY軸方向に並ぶ部材(本実施形態の例では、保持部材14の一部)との間に配置される。この隣接部材12は、複数種の隣接部材を含む。本実施形態の隣接部材12は、蓄電装置10のY軸方向の途中位置に配置される蓄電素子1と隣り合う第一隣接部材121と、Y軸方向に並ぶ複数の蓄電素子1のうちの最も端にある蓄電素子1と隣り合う第二隣接部材125と、を含む。
第一隣接部材121は、Y軸方向に隣り合う蓄電素子1の間に配置される。これにより、第一隣接部材121を介してY軸方向に並ぶ蓄電素子1の間に、所定の間隔(沿面距離等)が確保される。具体的に、第一隣接部材121は、蓄電素子1(ケース本体31)と隣り合う第一本体部122と、第一本体部122と隣り合う蓄電素子1の該第一本体部122に対する移動を規制する第一規制部123と、を有する。
第一本体部122は、Y軸方向(蓄電素子の厚み方向)から見て蓄電素子1(ケース3)に対応する矩形の輪郭を有する。また、第一本体部122は、Y軸方向に隣り合う蓄電素子1との間に温度調整用の流体(本実施形態の例では空気)を通過させる流路124を形成する。
第一規制部123は、第一本体部122からY軸方向に延び、第一本体部122と隣り合う蓄電素子1(詳しくはケース3)とX−Z面(X軸とZ軸とを含む面)方向の外側から当接することによって該蓄電素子1の第一本体部122に対するX−Z面方向への相対移動を規制する。この第一規制部123は、第一本体部122の少なくとも各角部からY軸方向に延びる。また、本実施形態の第一規制部123は、第一本体部122のY軸方向の一方側と他方側とにそれぞれ配置されている。
第二隣接部材125は、Y軸方向において蓄電素子1と保持部材14との間に配置される。これにより、第二隣接部材125を介してY軸方向に並ぶ蓄電素子1と保持部材14との間に、所定の間隔(沿面距離等)が確保される。具体的に、第二隣接部材125は、蓄電素子1と保持部材14との間において該蓄電素子1(ケース本体31)と隣り合う第二本体部126と、第二本体部126と隣り合う蓄電素子1の該第二本体部126に対する移動を規制する第二規制部127と、を有する。
第二本体部126は、Y軸方向から見て蓄電素子1(ケース3)に対応する矩形の輪郭を有する。また、第二本体部126は、Y軸方向に隣り合う蓄電素子1との間に温度調整用の流体(本実施形態の例では空気)を通過させる流路128を形成する。
第二規制部127は、第二本体部126からY軸方向に延び、第二本体部126と隣り合う蓄電素子1(詳しくはケース3)とX−Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子1の第二本体部126に対するX−Z面方向への相対移動を規制する。この第二規制部127は、第二本体部126の少なくとも各角部からY軸方向に延びる。
保持部材14は、複数の蓄電素子1と複数の隣接部材12(本実施形態の例では、第一隣接部材121及び第二隣接部材125)との周囲を囲むことにより、これら複数の蓄電素子1と複数の隣接部材12とをひとまとめに保持する。この保持部材14は、導電性を有する部材によって構成される。具体的に、保持部材14は、Y軸方向において複数の蓄電素子1が間に位置するように配置される一対の終端部材141と、複数の蓄電素子1とY軸方向に対向した状態で一対の終端部材141同士を接続する対向部材145と、を備える。本実施形態の蓄電装置10では、一対の終端部材141が、Y軸方向の端に配置された蓄電素子1との間に第二隣接部材125を挟み込んだ状態で配置され、一対の対向部材145がY軸方向に並ぶ複数の蓄電素子1のX軸方向の両側に配置される。
一対の終端部材141のそれぞれは、X−Z面方向に広がる。具体的に、一対の終端部材141のそれぞれは、蓄電素子1と対応する輪郭(本実施形態では矩形状の輪郭)を有する本体142と、本体142から第二隣接部材125の第二本体部126に向けて突出し且つ該第二隣接部材125に当接する圧接部143と、を有する。
一対の対向部材145のそれぞれは、Y軸方向に延び且つZ軸方向に間隔をあけて配置される一対の梁部146と、一対の梁部146の端部同士を連結する一対の第一連結部147と、Y軸方向における途中位置において一対の梁部146同士を連結する第二連結部148と、を有する。
インシュレータ16は、絶縁性を有する。このインシュレータ16は、少なくとも対向部材145とY軸方向に並ぶ複数の蓄電素子1との間に配置される。具体的に、インシュレータ16は、保持部材14における少なくとも複数の蓄電素子1と対向する領域を覆う。詳しくは、インシュレータ16は、梁部146とY軸方向に並ぶ複数の蓄電素子1との間に配置される第一絶縁部161と、第一連結部147と終端部材141との間に配置される第二絶縁部162と、第二連結部148と蓄電素子1との間に配置される第三絶縁部163と、を有する。
バスバ18は、金属等の導電性を有する板状の部材によって構成される。本実施形態の蓄電装置10は、複数のバスバ18を備える。この複数のバスバ18は、蓄電装置10に含まれる複数の蓄電素子1の全てを直列に接続する(導通させる)。具体的に、複数のバスバ18のそれぞれは、第一隣接部材121を介して隣り合う蓄電素子1の外部端子4同士を導通させる。本実施形態のバスバ18は、外部端子4の面40に溶接されている。
本実施形態においては、蓄電素子1の高さを低くすることができるため、蓄電装置10の高さを従来のものよりも低くすることができる。従って、本実施形態の蓄電装置10は、設置場所が制約されたりすることを抑制することができる。尚、本発明の蓄電装置は、上記例示のものに種々の変更を加え得るものであり、上記例示に何等限定されるものではない。
下記表に示すような寸法を有する巻回型の電極体を作製した。横長で厚み方向に扁平な直方体形状を有するケースに電極体と電解液とを収容し、リチウムイオン二次電池を作製した。なお、電極体は、巻回軸方向が幅方向となるようにケースに収容した。なお、正極の活物質にはNCM111を用いた。また、負極の活物質にはグラファイト(GF)、易黒鉛化炭素(SC、d002:3.40nm)、及び、難黒鉛化炭素(HC、d002:3.70nm)を用いた。正極活物質及び負極活物質の膨張率(Ep,En)、平均粒子径(D50)、及び、孔の有無などを併せて表1に示す。
「事例1」などでは、正極の中央部とそれ以外とで膨張率の異なる活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製しているが、ここでの“中央部”とは、電極体の幅をw(mm)としたときに正極の端縁から0.4w〜0.6wの範囲を意味する。
但し、「事例8」及び「事例9」では、幅方向両端部とは異なる活物質を用いる“中央部”の範囲を「事例1」とは異ならせている。
具体的には、「事例8」では、0.45w〜0.55wとなる範囲とそれ以外(0.45w未満及び0.55w超)とで膨張率の異なる活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。
さらに、「事例9」では、0.3w〜0.7wとなる範囲とそれ以外(0.3w未満及び0.7w超)とで膨張率の異なる活物質を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。
このリチウムイオン二次電池に対して充放電(3CA−3CA、3.0V−4.2V、25℃)を100サイクル実施し、電極間の直流抵抗の上昇率を測定した。
結果を表1に示す。
この結果から、本発明の蓄電素子においては電極間の電気抵抗値が上昇し難いことがわかる。
1:蓄電素子、10:蓄電装置、2:電極体、3:ケース、23:正極、24:負極

Claims (6)

  1. 正極と負極とを備えた電極体と、電解液と、該電解液及び前記電極体を収容するケースとを備えるリチウムイオン二次電池であって
    該電極体は、巻回型の電極体で、且つ、該電極体の幅方向が巻回軸の方向となっており、
    前記電極体は、高さ及び幅に比べて厚みが小さい扁平な形状を有し、
    前記電極体の幅は、該電極体の高さの2倍以上であり、
    前記正極及び前記負極が活物質を含む活物質層を備え、
    少なくとも前記電極体の幅方向中央部では、活物質層に含まれている前記活物質が下記式(1)及び式(2)の少なくとも一方を満たす蓄電素子。

    Ep ≦ 1% ・・・(1)
    En ≦ 3% ・・・(2)

    (但し、「Ep」は、正極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表し、「En」は、負極の活物質の充放電における膨張率の絶対値を表している。)
  2. 少なくとも電極体の幅方向中央部では、負極及び正極の内の少なくとも一方の活物質層に前記電解液を収容可能な孔を有する活物質が含まれている請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記電極体は、前記正極と前記負極とがセパレータを介して積層された積層体であり、且つ、
    孔を有する前記活物質が活物質層の表面に露出して前記セパレータに接している請求項2に記載の蓄電素子。
  4. 前記式(2)を満たす負極の活物質が0.340nm以上の面間隔(d002)を有する非晶質炭素である請求項1乃至の何れか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記非晶質炭素の平均粒子径(D50)が10μm以下である請求項に記載の蓄電素子。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載の蓄電素子を備えた蓄電装置。
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