JP2014010981A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2014010981A
JP2014010981A JP2012145906A JP2012145906A JP2014010981A JP 2014010981 A JP2014010981 A JP 2014010981A JP 2012145906 A JP2012145906 A JP 2012145906A JP 2012145906 A JP2012145906 A JP 2012145906A JP 2014010981 A JP2014010981 A JP 2014010981A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
electrolyte secondary
secondary battery
battery
mixture layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012145906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5880964B2 (ja
Inventor
Atsushi Saito
淳志 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012145906A priority Critical patent/JP5880964B2/ja
Publication of JP2014010981A publication Critical patent/JP2014010981A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5880964B2 publication Critical patent/JP5880964B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】優れた電池特性を維持しつつ、従来に比べ内部短絡時の温度上昇が抑制された信頼性の高い非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明により、正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が電池ケースに収容された非水電解質二次電池が提供される。そして、正極は正極集電体と該集電体上に形成された正極活物質を含む正極合材層とを備えており、正極合材層はカールフィッシャー法によって、120℃で30分経過後に検出される水分量が300ppm以下であり、300℃で30分経過後に検出される水分量が3000ppm以上10000ppm以下である。
【選択図】図12

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。詳しくは、正極合材層の水分量が制御された非水電解質二次電池に関する。
リチウム二次電池その他の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べ、小型、軽量かつ高エネルギー密度であって、出力密度にも優れる。このため、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や、ハイブリッド車両等の車両駆動用電源として好ましく用いられている。この種の非水電解質二次電池の典型的な構成では、正極と負極と電解液とが電池ケースに収容されている。正負の電極には対応する電極集電体上に電荷担体(典型的にはリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料(活物質)を主体とする電極合材層(活物質)が備えられており、かかる電極間を電荷担体が行き来することによって充電および放電が行われる。
ところで、このような非水電解質二次電池では、外的要因(電池の製造工程における金属粉混入あるいは、使用時における落下等の衝撃や金属物の突き刺し等)やデンドライトの生成等により電池内部で短絡(内部短絡)が発生する場合がある。かかる場合、短絡した部分でジュール熱が発生することによって活物質等が発熱し、該電池の温度が急激に上昇する虞がある。とりわけ車両駆動用電源等に用いられるような高容量や高エネルギー密度の電池ではこのような温度上昇が顕著なため、高い信頼性が確保される必要がある。
上記のような温度上昇を抑制し得る技術としては、電極(正負極)間の抵抗差を大きくする手法が知られている。例えば特許文献1には、正負極のいずれか一方が電池ケースと電気的に導通されており、ケースに導通されていない側の電極が備える電極合材層の電気抵抗が他方よりも顕著に大きいことを特徴とするリチウム二次電池が開示されている。かかる構成によれば、内部短絡が発生した際の短絡電流を流れにくくすることができる。
特開2011−096539号公報 特開2011−034861号公報
しかしながら、上記技術では電極の抵抗を高くする必要があるため電池特性が低下する虞がある。加えて、非水電解質二次電池は近年より一層高容量化や高エネルギー密度化される傾向にあり、このような電池では内部短絡時に瞬間的に流れる短絡電流がこれまで以上に大きい。また、エネルギー密度を高めた電池では一般的に該電池の内部(例えば電極合材層内)に空隙が少ないため、放熱性が低くなっている。このため、内部短絡時の温度上昇の挙動が従来とは異なり、急激な温度上昇や局所的な温度上昇を生じる虞がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた電池特性を維持しつつ、内部短絡時の不具合(温度上昇等)が抑制された信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、内部短絡時の局所的な温度上昇を抑制し得る手法について種々検討した結果、電極合材層に水分を含有させることに想到した。しかし、一般的には電池内に水分が含まれると充放電時にガスが発生したり電池特性が悪化したりするため、該電池の構築時に可能な限り水分を除去することが通例である。そこで、本発明者はさらに鋭意検討を重ね、電極合材層内に含有される水分の量を好適な範囲に調整することで優れた電池特性と高い信頼性(内部短絡時の耐性)とを両立し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、正極と負極とを備えた電極体と非水電解質とが所定の電池ケース内に収容された非水電解質二次電池が提供される。上記正極は、正極集電体と該集電体上に形成された正極活物質を含む正極合材層とを備えている。そして、上記正極合材層はカールフィッシャー法(典型的には水分気化法−電量滴定法)によって、120℃で30分経過後に検出される水分量が300ppm以下であり、300℃で30分経過後に検出される水分量が3000ppm以上10000ppm以下である。なお、本明細書において「ppm」とは、質量分率すなわちppm(質量/質量)をいう。
上記構成の電池では120℃・30分の加熱条件で検出される正極合材層からの脱水量が300ppm以下である。すなわち、電池の通常使用温度域(典型的には100℃以下)における正極合材層中の水分量が低減されているため、通常使用時には抵抗の増大や電池特性の低下を招来することなく高い電池特性を発揮することができる。
また、上記構成の電池では、300℃・30分の加熱条件で検出される正極合材層からの脱水量が3000ppm以上である。このため、内部短絡によって電池内部の温度が上昇した(例えば200℃〜300℃の温度になった)際に、正極活物質層に含まれる水分が脱離し、電池温度の上昇を効果的に抑制することができる。さらに、この水分が相転移して水蒸気となる際に蒸発熱(気化熱)が必要となるため、かかる温度上昇をより一層効果的に抑制することができる。したがって、金属物の釘刺し等によって電池内部に短絡を生じ瞬間的に大電流が流れた場合であっても、急激な温度上昇を回避することができる。
このように、本発明によれば優れた電池特性を維持しつつ内部短絡時の温度上昇を抑制し得る、信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記正極活物質は、一般式:Li1+δ(NiCoMn)O(ここで、Mは、遷移金属元素,典型金属元素およびホウ素(B)から選択される一種または二種以上であり、δは、0≦δ≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値であり、a,b,c,dは、a+b+c+d≒1を満たし、a,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい。)で表されるリチウム遷移金属酸化物を含む。
上記酸化物は、その一部に該酸化物を構成する金属元素(例えばNi、Co、Mn)のオキシ水酸化物(例えばNiOOH、CoOOH、FeOOH)を含有し得る。このオキシ水酸化物は、凡そ200℃〜300℃程度の温度で分解して水を生じ得る。このため、上記酸化物を備えた電池では、内部短絡によって電池内部の温度が上昇した際に、更なる温度上昇を抑制することができる。さらに、上記酸化物はエネルギー密度が高いため、より一層高い電池特性(例えば電池容量)を実現することができる。したがって、優れた電池特性と内部短絡時の信頼性とをより一層高いレベルで両立することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記電極体は、長尺状の正極集電体上に、所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の正極と、長尺状の負極集電体上に、所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の負極と、を備え、上記長尺状の正極と、上記長尺状の負極とが対向した状態で積層され長手方向に捲回されてなる捲回電極体である。
上記構成によって、電池の高容量化を実現し得る。しかしながら、かかる構成ではとりわけ捲回軸方向における中央部分(捲回コア部)の放熱性が低いため、内部短絡が生じた際に捲回コア部で大電流移動に伴う温度上昇が発生しやすい。したがって、本発明の適用が特に有用である。
ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記正極合材層の密度は2.5g/cm以上4g/cm以下である。
正極合材層の密度が従来に比べて高い場合、該合材層内に空隙が少ない。このため、内部短絡時に発生した熱を発散させることが難しく、急激な温度上昇を生じやすい。したがって、上記構成の電池では本発明の適用が特に有用である。
また、本発明によると、正負極を備えた電極体と非水電解質とが所定の電池ケース内に収容された非水電解質二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、(1)少なくとも正極活物質とバインダと含む正極合材層形成用組成物を用意すること;(2)上記正極合材層形成用組成物を正極集電体上に付与して、正極合材層を備えた正極を作製すること;(3)上記正極を、水分が供給される環境下に置くこと;(4)上記水分が供給された正極を、50℃以上であって上記バインダの融点以下の温度で乾燥させること;(5)上記乾燥させた正極を用いて非水電解質二次電池を構築すること;を包含する。
かかる方法によれば、正極合材層の水分量を好適な範囲に調製することができる。したがって、優れた電池特性と高い信頼性(内部短絡時の耐性)とを兼ね備えた非水電解質二次電池を好ましく製造することができる。
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、上記正極への水分の供給は、相対湿度50%以上100%以下の環境に24時間以上240時間以下保持することによって行う。
かかる方法によれば、所定の湿度環境下に比較的短時間保持するという簡便な作業によって、正極(より具体的には正極合材層)に好適な量の水分を付与することができる。このため作業効率や製造コストの観点からも好ましい。
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、上記水分が供給された正極の乾燥は、60℃以上120℃以下の乾燥炉で行う。
かかる方法によれば電池特性を悪化させる虞のある水分、すなわち電池の通常使用時に正極合材層に存在する水分を好適に低減することができる。加えて、内部短絡時の温度上昇を抑制し得る水分、すなわち電池の温度が200℃〜300℃程度になった場合に正極合材層に存在する水分を好適な範囲に調整することができる。
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、上記正極活物質として、一般式:Li1+δ(NiCoMn)O(ここで、Mは、遷移金属元素,典型金属元素およびホウ素(B)から選択される一種または二種以上であり、δは、0≦δ≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値であり、a,b,c,dは、a+b+c+d≒1を満たし、a,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい。)で表されるリチウム遷移金属酸化物を用いる。
リチウム遷移金属酸化物に含まれるオキシ水酸化物は、凡そ200℃〜300℃程度の温度で分解して水を生じ得る。このため、上記酸化物を正極活物質として用いた電池では、内部短絡時に温度上昇が生じた際に該オキシ水酸化物が分解して水を生成し更なる温度上昇が抑制され得る。また上記酸化物はエネルギー密度が高いため、より一層高い電池特性を実現することができる。したがって、上記構成の電池は、優れた電池特性と内部短絡時の信頼性とをより一層高いレベルで両立することができる。
ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記非水電解質二次電池の電池容量は20Ah以上である。また、ここで開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記非水電解質二次電池のエネルギー密度は230kWh/m以上である。
このような高容量および/または高エネルギー密度の非水電解質二次電池では、短絡箇所に瞬間的に大きな電流が流れ、かかる電流の移動に伴う不具合(例えば急激な温度上昇)が発生しやすい。このため、本発明の適用が特に有用である。
また、本発明によると、ここで開示される非水電解質二次電池(単電池)を複数組み合わせた組電池が提供される。
ここで開示される非水電解質二次電池は信頼性(典型的には内部短絡時の耐性)が向上しているため、該電池を直列および/または並列に複数個接続してなる組電池として好適に使用し得る。
さらに、本発明によると、上記組電池を駆動用電源として備える車両が提供される。
ここで開示される組電池は優れた電池特性と内部短絡時の耐性とを高いレベルで両立し得る。したがって、高い電池特性や安全性が要求される用途で好適に使用し得る。かかる用途としては、例えば車両(典型的にはプラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車)に搭載されるモーター駆動のための動力源(駆動用電源)が挙げられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1の非水電解質二次電池のII−II線における断面構造を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池(単電池)を複数組み合わせた組電池を模式的に示す斜視図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。 図6は、加熱温度120℃で検出される水分量(ppm)と電池容量(相対値)との関係を表すグラフである。 図7は、加熱温度120℃で検出される水分量(ppm)と電池抵抗(相対値)との関係を表すグラフである。 図8は、例1における釘刺し試験時の温度変化を表すグラフである。 図9は、例2における釘刺し試験時の温度変化を表すグラフである。 図10は、例3における釘刺し試験時の温度変化を表すグラフである。 図11は、例4における釘刺し試験時の温度変化を表すグラフである。 図12は、加熱温度300℃で検出される水分量(ppm)と、釘刺し試験時の最高到達温度(℃)との関係を示すグラフである。
以下、ここで開示される非水電解質二次電池の好適な実施形態について説明する。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。かかる構造の非水電解質二次電池は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。以下、リチウム二次電池である場合を典型例としてより詳しく説明する場合があるが、本発明の適用対象をかかる電池に限定する意図ではない。
本明細書において「非水電解質二次電池」とは、非水電解質(典型的には、非水溶媒中に支持塩を含む電解液)を備えた電池をいう。また、「リチウム二次電池」とは、非水電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンの移動(電荷の移動)により充放電が実現される二次電池をいう。一般にリチウムイオン二次電池、リチウムポリマー電池、リチウムイオンキャパシタ等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、本明細書において「活物質」とは、正極側又は負極側において電荷担体となる化学種(リチウム二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る物質(化合物)をいう。
ここで開示される非水電解質二次電池(典型的には、リチウムイオン二次電池)は、正極と負極を備えた電極体と、非水電解質と、が所定の電池ケース内に収容された構成である。
以下、該電池の構成要素について順に説明する。
ここで開示される非水電解質二次電池の正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された少なくとも正極活物質を含む正極合材層と、を備えている。この実施形態では、正極活物質層は正極活物質と導電性を高めるための導電材とを含み、これらがバインダ(結着剤)によって上記正極集電体上に固着されている。
正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材が好ましく用いられる。集電体の形状は構築される電池の形状等に応じて異なり得るため特に限定されないが、例えば棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。なお、後述する捲回電極体を備えた電池では、主に箔状体が用いられる。箔状集電体の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから5μm〜50μm(より好ましくは8μm〜30μm)程度のものを用いることができる。
正極活物質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。このような正極活物質としては、典型的には、一般式:
Li1+δ(NiCoMn)O
(ここで、Mは、遷移金属元素,典型金属元素およびホウ素(B)から選択される一種または二種以上であり;δは、0≦δ≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値であり;a,b,c,dは、a+b+c+d≒1を満たし、a,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい。)
で表されるリチウム遷移金属酸化物が挙げられ、層状構造のものやスピネル構造のもの等を適宜選択して使用することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物(典型的にはLiNiO)、リチウムコバルト系酸化物(典型的にはLiCoO)、リチウムマンガン系酸化物(典型的にはLiMn)から選択される一種または二種以上のリチウム遷移金属酸化物を使用することができる。なお、本明細書において「a+b+c+d≒1」とは、概ね0.9≦a+b+c+d≦1.2(典型的には0.9<a+b+c+d<1.2、例えば0.95≦a+b+c+d≦1.1)であり得、例えばa+b+c+d=1である。
上記一般式に示すように、リチウム遷移金属複合酸化物は構成元素としてリチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)以外に他の少なくとも一種の金属元素Mを含んでもよい(すなわち、d<0となり得る。)し、含まなくてもよい(すなわち、d=0となり得る。)。該金属元素Mは、典型的にはNi、Co、Mn以外の遷移金属元素、典型金属元素等から選択される一種または二種以上であり得る。より具体的には、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pb)、白金(Pt)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ランタン(La)、セリウム(Ce)等が挙げられ、例えば、Zr、Mg、Caを好ましく採用し得る。なお、M元素の量(上記一般式におけるdの値)は特に限定されないが、例えば、0≦d≦0.02とすることができる。
また、上記一般式中のa,b,cは、a+b+c+d≒1、およびa,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい、という条件を満たす限りにおいて特に限定されず、a,b,cのうちどの数字が最も大きくなってもよい。換言すれば、Ni,Co,Mnのうちの第一元素(原子数基準で最も多く含まれる元素)は、Ni,CoおよびMnのいずれであってもよい。例えば、aは0.1以上(典型的には0.3以上)であって1未満(典型的には0.9以下、例えば0.6以下)となり得る。bは0以上(典型的には0.1以上、例えば0.3以上)であって0.6以下(典型的には0.5以下、例えば0.4以下)となり得る。cは0以上(典型的には0.1以上、例えば0.3以上)であって0.6以下(典型的には0.5以下、例えば0.4以下)となり得る。
なかでも、a,b,c>0である(Ni,Co,Mnの全ての元素を含む)、層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を好ましく用いることができる。好ましい一態様では、a>bかつa>c(換言すれば、第一元素がNi)である。また、好ましい他の一態様では、a,b,c(すなわち、Ni,Co,Mnの量)が概ね同程度である。例えばa=b=cかつd=0である、LiNi1/3Co1/3Mn1/3を好ましく用いることができる。かかる酸化物は、他の化合物に比べて理論エネルギー密度が高いため、本発明の適用が特に有用である。
また、例えば、一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O・(1−x)LiMeO
(ここで、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす。)
で表されるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物を用いることもできる。
さらに、例えば、一般式:
LiMAO
(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnから成る群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVから成る群から選択される元素である。)
で表されるポリアニオン型化合物を用いることができる。より具体的には、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等を用いることができる。
このような化合物は、その一部に該酸化物を構成する金属元素(例えばNi、Co、Mn)のオキシ水酸化物(例えばNiOOH、CoOOH、FeOOH)を含有し得る。かかるオキシ水酸化物は凡そ200℃〜300℃程度の温度で分解し、水を生じ得る。より具体的には、例えばオキシ水酸化ニッケルは220℃〜230℃付近で、4NiOOH→4NiO+2HO+Oの反応により水を生じ得る。このため、上記酸化物を備えた電池では、内部短絡時に温度上昇が生じた際に該オキシ水酸化物が分解して水を生じることで、更なる温度上昇を抑制し得る。
このような化合物は、従来公知の方法で調製して用意することができる。例えば、目的の正極活物質の組成に応じて選択される原料化合物(例えばリチウム源と遷移金属元素源と)を所定の割合で混合し、その混合物を適切な手段によって焼成する。これを適宜粉砕、造粒、分級することによって、正極活物質を構成する所望の化合物を調製することができる。
また、このような化合物は典型的には粒子状(粉末状)である。該粒子の性状は特に限定されないが、例えば粒径を20μm以下(典型的には0.1μm以上20μm以下、例えば0.5μm以上15μm以下、好ましくは1μm以上10μm以下)とすることができる。また、例えば該粒子の比表面積は0.1m/g以上(典型的には0.5m/g以上、例えば1m/g以上)であって、30m/g以下(典型的には20m/g以下、例えば10m/g以下)とすることができる。正極活物質粒子の性状が上記範囲にある場合、緻密で導電性の高い正極合材層を作製し得る。また該正極合材層内に適度な空隙を保持することができるため、非水電解質が浸漬し易く、電池抵抗を低減することができる。
なお、本明細書において「粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく粒度分布測定により測定した体積基準の粒度分布において、微粒子側からの累積50%に相当する粒径(D50粒径、メジアン径ともいう。)を示す。また、本明細書において「比表面積」とは、窒素ガスを用いたBET法(好ましくはBET多点法)によって測定された比表面積(BET比表面積)を言う。
正極合材層全体に占める正極活物質の割合は特に限定されないが、50質量%以上(典型的には70質量%以上100質量%未満、例えば80質量%以上99質量%以下)であることが好ましい。
導電材としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック等)、コークス、活性炭、黒鉛(天然黒鉛およびその改質体、人造黒鉛)、炭素繊維(PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維)、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン等の炭素材料から選択される、一種または二種以上であり得る。なかでも、比較的粒径が小さく比表面積が大きいカーボンブラック(典型的には、アセチレンブラック)を好ましく用いることができる。あるいは金属繊維(例えばAl繊維、ステンレス鋼(SUS)繊維等)、導電性金属粉末(例えばAg、Ni、Cu等の金属粉末)、金属酸化物(例えばZnO、SnO等)、金属で表面被覆した合成繊維等であってもよい。
正極合材層全体に占める導電材の割合は特に限定されないが、例えば0.1質量%以上15質量%以下(典型的には1質量%以上10質量%以下、例えば2質量%以上7質量%以下)とすることができる。
バインダとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、有機溶剤系のスラリー(分散媒の主成分が有機溶媒である溶剤系スラリー)を用いて正極合材層を形成する場合には、有機溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。あるいは、水系のスラリーを用いて正極合材層を形成する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系ポリマー;ポリウレタン等のウレタン系ポリマー;等が挙げられる。また、水に分散する(水分散性の)ポリマー材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のビニル系重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のエチレン系ポリマー;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;等が挙げられる。
正極合材層全体に占めるバインダの割合は特に限定されないが、例えば0.1質量%以上10質量%以下(典型的には1質量%以上7質量%以下)とすることができる。
また、ここで調製される正極合材スラリーには、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、各種添加剤を添加することもできる。かかる一例として、過充電時(充電深度(SOC)が100%を超えた状態)にガスを発生させる無機化合物や分散剤として機能し得る材料等が挙げられる。分散剤としては、疎水性鎖と親水性基をもつ高分子化合物(例えばアルカリ塩、典型的にはナトリウム塩);硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等を有するアニオン性化合物;アミン等のカチオン性化合物;等を用いることができる。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチラール、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ等を用いることができる。
ここで開示される正極の作製方法は特に限定されないが、例えば、
(S1)正極活物質と導電材とバインダとを適当な溶媒中で混合してスラリー状(ペースト状、インク状のものを包含する、以下同様。)の組成物を調製すること;
(S2)上記調製したスラリーを正極集電体上に塗布して、正極合材層を備えた正極を作製すること;
(S3)上記正極合材層を備えた正極を、水分が供給される環境下に置くこと;
(S4)上記水分が供給された正極を、50℃以上であって上記バインダの融点以下の温度で乾燥させること、
によって作製することができる。
<S1;正極合材スラリーの調製>
まず、上述したような正極活物質と導電材とバインダとを用いて、これらを適当な溶媒中で混合し、スラリー状の組成物(以下、「正極合材スラリー」という。)を調製する。かかる調製には、例えばボールミル、ミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の種々の攪拌・混合装置を適宜用いることができる。
なお、特許文献2には、カールフィッシャー法を用いて300℃で検出される水分量が0.2質量%以下(2000ppm以下)である正極活物質(リチウム複合酸化物)が記載されている。水分量を上記範囲としたのは、電極合材層形成用スラリーを調製する際に該正極活物質に含まれる水分が多いとスラリー調製用の溶媒(有機溶媒)等と反応してゲル化を引き起こす虞があるためである(特許文献2の段落0039)。上記の通り、正極合材層を形成する際(典型的には、上記スラリーの調製時)には正極活物質に含まれる水分が問題となり得る。したがって、本発明に記載されるような水分が含まれる正極活物質は、一般にはそのまま用いられることはない。また、たとえ用いられたとしても、正極合材層の形成の過程(例えば、上記S1およびS2の工程)でその水分が保持されることは考え難い。そこで、ここで開示されるような正極合材層を得るためには該正極合材層の形成後に何らかの特別な工程(例えば、S3)を経ることが必要となる。
溶媒としては、スラリー形成に用いる材料を均一に分散または溶解し得る限りにおいて特に限定されないが、例えば従来から非水電解質二次電池の製造に用いられている溶媒のうち一種または二種以上を用いることができる。かかる溶媒は、有機溶剤と水系溶媒とに大別される。有機溶剤としては、例えば、アミド系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミン系溶剤、エーテル系溶剤、ニトリル系溶剤、環状エーテル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられる。より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アセトニトリル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられ、典型的にはNMPを用いることができる。水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒であることが好ましい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の80質量%以上(より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒(例えば水)が挙げられる。
スラリー調製時の固形分濃度(NV)は特に限定されないが、例えば50質量%〜80質量%(好ましくは55質量%〜65質量%、より好ましくは55質量%〜60質量%)とすることができる。
<S2;正極合材層の形成>
次に、上記調製したスラリーを既に上述したような正極集電体の表面に塗布し、正極合材層(正極活物質層ともいう。)を形成する。これにより正極合材層を備えた正極を作製することができる。かかる正極合材層の形成には、例えばスリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の従来公知の塗布装置を用いることができる。正極合材スラリーの塗布は、正極集電体の表裏(両面)に行ってもよいし、いずれか一方の面(片面)に行ってもよい。単位面積当たりに塗布する正極合材スラリーの質量(片面あたりの質量)は特に限定されないが、10mg/cm〜50mg/cm程度(典型的には10mg/cm〜40mg/cm、例えば15mg/cm〜30mg/cm)とすることができる。
上記正極合材層を付与した正極を適当な乾燥手法で乾燥し、溶媒等の余分な成分を除去する。乾燥手法としては、例えば熱風装置、低湿風装置、真空装置、各種赤外線装置、電磁誘導装置、マイクロ波装置等の適当な乾燥装置や、送風機等の乾燥促進手段を単独または組み合わせて用いることができる。乾燥の条件(例えば乾燥温度や所要時間)は、正極合材スラリーの固形分率や該正極合材層の形成厚み等に応じて適宜決定することが好ましい。
そして、典型的には上記正極に適宜プレス処理を施すことによって、正極合材層の厚みや密度を調整することができる。プレス処理には、例えばロールプレス法、平板プレス法等、従来公知の各種プレス方法を採用することができる。プレス処理後の正極合材層の厚み(正極集電体の両面に正極合材層を有する構成では片面あたりの厚み)は、例えば40μm以上(典型的には45μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とすることができる。また、プレス処理後の正極合材層の密度は、例えば2g/cm以上(典型的には2.5g/cm以上)であって、4g/cm以下(典型的には3.5g/cm以下)とすることができる。上記範囲を満たす正極合材層は、高い電池特性(例えば高いエネルギー密度や出力密度)を実現し得るため好ましい。また、正極合材層の密度が従来に比べて高い場合、該合材層内に空隙が少ない。このため、内部短絡等で発生した熱を発散させることが難しく、急激な温度上昇を生じやすい。したがって、このような電池では本発明の適用が特に有用である。
<S3;正極への水分の供給>
次に、上記作製した正極を、水分が供給される環境下に一定期間保持する。一般的には、非水電解質二次電池の容器内に水分が含まれると充放電時にガスが発生したり電池特性が悪化したりするため好ましくない。とりわけ、多孔質構造からなる正極合材層を有する正極は、容器内に水分を持ち込む大きな原因となりがちである。このため従来、上記S2工程後は高度な乾燥条件下(例えば、露点温度−30℃以下の環境)で正極を取り扱い、容器内に収容される水分量をできるだけ少なくした状態で電池を構築することが通例であった。したがって、本工程はここで開示される製造方法において特徴的なものである。すなわち、ここで開示される正極を得るためには、本工程のような何らかの特別な工程を経ることが必要不可欠である。
正極への水分の供給方法は特に限定されないが、例えば一定の湿度に保たれた恒温恒湿槽内に該正極を一定時間保持することによって行うことができる。かかる方法によれば、所定の湿度環境下に所定の時間保持(放置)するという簡便な作業によって、正極(より具体的には正極合材層)に好適な量の水分を付与することができる。あるいは、正極合材層の表面に直接水を噴霧(スプレー)した後に一定時間保持する方法を採用することもできる。
ここで、「正極に水分が供給される環境」とは、少なくとも上記S2工程後の正極合材層以上に水分濃度の高い(水分のある)環境を指す。より具体的には、湿度が10%RH以上(典型的には30%RH以上、例えば40%RH以上、好ましくは50%RH以上)であって、100%RH以下(典型的には95%RH以下、例えば90%RH以下)の環境であり得る。換言すれば、露点温度が−10℃以上(典型的には5℃以上、例えば10℃以上)であって、25℃以下(典型的には24℃以下、例えば23℃以下)の環境であり得る。そして、かかる環境下で保持する時間を適宜調節することにより、目標の水分量となるように水分を含ませる(加湿する)ことができる。好適な保持時間は、正極の曝される湿度や正極合材層を構成する材料の親水性の度合い、該正極合材層の厚みや密度等によっても異なり得る。したがって水分の供給に要する時間は、実際に正極合材層からサンプルを採取して従来公知の手法によって水分量を測定し決定することが好ましい。あるいは、簡単な予備実験等を行うことにより適切な保持時間を予測することができる。なお、水分の供給に際しては、かかる供給を促進し得るような操作(例えば、真空引き等による圧力の付与や加熱)を適宜併用することもできる。
ここで開示される好ましい一態様では、上記正極への水分の供給は湿度50%RH以上100%RH以下(露点温度5℃以上25℃以下)の環境に、24時間以上240時間以下(好ましくは24時間以上120時間)保持することによって行う。かかる方法によれば、所定の湿度環境下に比較的短時間保持するという簡便な作業によって、正極(より具体的には正極合材層)に好適な量の水分を付与することができる。このため作業効率や製造コストの観点からも好ましい。
<S4;正極の乾燥>
そして、上記水分が供給された正極を、所定の温度で乾燥させる。かかる乾燥には既に上述した手法を適宜用いることができ、なかでも上記乾燥装置のうち加熱機能を有するものを好ましく用いることができる。かかる乾燥温度は、バインダの融点以下であれば特に限定されないが、典型的には40℃以上(例えば50℃以上、好ましくは60℃以上)であって200℃以下(例えば170℃以下、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下)であり得る。なお、バインダの融点は、例えばJIS K 7121の規定に準じた示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry;DSC)により把握することができる。乾燥に要する時間は、正極合材層の厚みや密度、上記S3における正極合材層への水分供給量等によっても異なり得る。このため、実際に正極合材層からサンプルを採取して従来公知の手法によって水分量を測定し決定することが好ましいが、例えば2時間以上(典型的には5時間以上、例えば10時間以上)であって、240時間以下(典型的には120時間以上、例えば100時間以下)とすることができる。なお、乾燥を促進し得るような操作(例えば、真空引き等による圧力の付与や風速1〜15m/秒程度の送風)を適宜併用することもできる。
ここで開示される好ましい一態様では、上記水分が供給された正極の乾燥は、50℃以上(典型的には60℃以上)120℃以下の乾燥炉で行う。かかる方法によれば、電池特性を悪化させる虞のある水分(換言すればカールフィッシャー法によって120℃・30分の加熱条件で検出される正極合材層からの脱水量)を好適に低減することができる。このため、通常使用温度域で正極合材層内に存在する水分量を好適に低減することができる。また、かかる方法によれば内部短絡時に温度上昇を抑制し得る水分(換言すれば、カールフィッシャー法によって300℃・30分の加熱条件で検出される正極合材層からの脱水量)を好適な範囲に調整することができる。このため、内部短絡等によって電池内部の温度が上昇した(例えば電池内部が200℃〜300℃になった)際に、正極活物質層から水分が脱離し温度上昇を抑制することができる。したがって、かかる方法によれば、通常使用時における抵抗の増大や電池特性の低下がなく、かつ内部短絡時の耐性を備えた電池を製造することができる。
ここで開示される正極合材層は、カールフィッシャー法(典型的には水分気化法−電量滴定法)によって120℃で30分経過後に検出される水分量が300ppm以下である。正極合材層からの脱水量がかかる値以下に抑制されている場合、電池の通常使用温度域(典型的には100℃以下)において正極合材層中に存在する水分量が低減されている。このため、通常使用時には抵抗の増大や電池特性の低下を招来することなく、高い電池特性を発揮することができる。
また、ここで開示される正極合材層は、カールフィッシャー法(典型的には水分気化法−電量滴定法)によって300℃で30分経過後に検出される水分量が3000ppm以上10000ppm以下(典型的には3000ppm以上7000ppm以下、例えば3000ppm以上5000ppm以下)である。正極合材層からの脱水量が3000ppm以上と従来に比べて多い場合、内部短絡等によって電池温度が上昇した(例えば200℃〜300℃の温度になった)際に、正極活物質層に含まれる水分が脱離する。そして、該水分によって電池の内部が冷やされ、電池温度の上昇を効果的に抑制することができる。さらに、この水分が相転移して水蒸気となる際に蒸発熱(気化熱)が必要となるため、かかる温度上昇をより一層効果的に抑制することができる。したがって、金属物の釘刺し等によって電池内部に短絡を生じ瞬間的に大電流が流れた場合であっても、急激な温度上昇を回避することができる。
なお、水分の検出方法としてここではカールフィッシャー法を用いたが、例えば従来公知の示差熱−熱重量同時測定(Thermogravimetry−Differential Thermal Analysis;TG−DTA)の手法によっても、概ね同等の値を得ることができる。より具体的には、一般的なTG−DTAの装置を用いて、酸素ガス(O)雰囲気下において所定の昇温速度(例えば10℃/min)で測定対象(正極合材層)を昇温し、かかる際の重量減少(ppm(重量比))から水分以外の要因(例えばバインダの分解)に係る重量減少分を差し引くことで、水分(脱水)量を算出することができる。
次に、ここで開示される非水電解質二次電池の負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された少なくとも負極活物質を含む負極合材層と、を備えている。この実施形態では負極活物質層は負極活物質を含み、バインダによって上記負極集電体上に固着されている。
負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料が好ましく用いられる。また負極集電体の形状は正極集電体の形状と同様であり得る。
負極活物質としては、従来から非水電解質二次電池に用いられる物質の一種または二種以上の材料を特に限定することなく使用することができる。特に限定されるものではないが、具体的には、天然黒鉛(石墨)、人造黒鉛、ハードカーボン(難黒鉛化炭素)、ソフトカーボン(易黒鉛化炭素)、カーボンナノチューブ等の炭素材料;酸化ケイ素、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化ニオブ、酸化錫、リチウムケイ素複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物(Lithium Titanium Composite Oxide:LTO、例えばLiTi12、LiTi、LiTi)、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム錫複合酸化物等の金属酸化物材料;窒化リチウム、リチウムコバルト複合窒化物、リチウムニッケル複合窒化物等の金属窒化物材料;スズ、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、リチウム等の金属もしくはこれらの金属元素を主体とする金属合金からなる金属材料;等が挙げられる。なかでも、高いエネルギー密度が得られることから、黒鉛系の材料(典型的にはグラファイト)を好ましく使用することができる。
負極合材層全体に占める負極活物質の割合は特に限定されないが、通常は凡そ50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは90質量%以上以下99質量%(例えば95質量%以上99質量%以下)である。
バインダとしては、上記正極合材層用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。具体的には、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示される。
負極合材層全体に占めるバインダの割合は特に限定されないが、例えば1質量%以上10質量%以下(好ましくは2質量%以上5質量%以下)とすることができる。
その他、既に上述した各種添加剤(例えば、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC))や導電材等を適宜使用することもできる。
ここで開示される負極の作製方法は特に限定されないが、例えば、負極活物質とバインダとを適当な溶媒中で混合してスラリー状の組成物を調製すること;上記調製したスラリーを負極集電体上に塗布して、負極合材層を備えた負極を作製すること;によって作製することができる。
より具体的には、まず上述したような負極活物質とバインダとを用いて、これらを適当な溶媒中で混合し、スラリー状の組成物(以下、「負極合材スラリー」という。)を調製する。負極合材スラリーの調製方法等は、上述した正極の場合と同様の手法であり得る。該スラリーの固形分濃度(NV)は特に限定されないが、例えば40質量%〜65質量%(好ましくは45質量%〜55質量%、より好ましくは45質量%〜50質量%)とすることができる。次に、上記調製したスラリーを既に上述したような負極集電体の表面に塗布・乾燥し、負極合材層(負極活物質層ともいう。)を形成する。これにより負極合材層を備えた負極を作製することができる。負極合材層の形成方法や乾燥方法は、上述した正極の場合と同様の手法であり得る。単位面積当たりに塗布する負極合材スラリーの質量(負極集電体の両面に負極合材層を有する構成では片面の質量)は特に限定されないが、5mg/cm〜30mg/cm程度(典型的には5mg/cm〜20mg/cm)程度とすることができる。
そして、典型的には上記負極に適宜プレス処理を施すことによって、負極合材層の厚みや密度を調整することができる。プレス処理後の負極合材層の厚み(負極集電体の両面に負極合材層を有する構成では片面あたりの厚み)は、例えば40μm以上(典型的には50μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とすることができる。また、プレス処理後の負極合材層の密度は特に限定されないが、例えば1.0g/cm以上(典型的には1.1g/cm以上)であって、2.0g/cm以下(典型的には1.5g/cm以下)とすることができる。上記範囲を満たす場合、従来に比べ高いエネルギー密度を実現することができる。
上記のように作製した正極と負極とを積層して、電極体を作製する。かかる電極体の形状は特に限定されないが、例えば、長尺状の正極集電体上に所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の上記正極と、長尺状の負極集電体上に所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の上記負極と、が積層され捲回されてなる捲回電極体とすることができる。上記構成により高容量化を実現し得る。また、かかる電池では内部短絡時に大電流移動に伴う温度上昇が発生しやすいため、本発明の適用が特に有用である。
なお、ここで開示される典型的な構成では、正極と負極との間にセパレータが介在される。該セパレータとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられるものと同様の各種多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(polyethylene:PE)、ポリプロピレン(polypropylene:PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム、不織布等)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造であってもよい。例えば、総厚みが5〜30μm程度であって、PE層の両面にPP層が積層された三層構造(PP/PE/PP)の多孔質セパレータシートを好ましく用いることができる。なお、固体状の非水電解質を用いた二次電池(リチウムポリマー電池)では、上記非水電解質がセパレータを兼ねる構成としてもよい。
そして、上記捲回電極体を非水電解質とともに電池ケース内に収容し、電池ケースの開口部を封止することにより、非水電解質二次電池が構築される。
電池ケースとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる材料や形状を用いることができる。該ケースの材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は特に限定されず、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。また、該ケースには電流遮断機構(電池の過充電時に、内圧の上昇に応じて電流を遮断し得る機構)等の安全機構を設けることもできる。
非水電解質としては、少なくとも支持塩を含むものが用いられる。かかる非水電解質は、典型的には適当な非水溶媒中に支持塩(リチウム二次電池ではリチウム塩。)を含有させた組成を有するが、例えば液状の非水電解質にポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものであってもよい。
非水溶媒としては、従来から非水電解質二次電池に用いられるもののうち一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。典型的には、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒が挙げられる。より具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコール、ジメチルエーテル、エチレングリコール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。例えば、カーボネート類を主体とする非水溶媒は、初回充電処理において負極活物質表面に好適に被膜を形成し得るため、好ましい。なかでも比誘電率の高いECや、酸化電位が高い(電位窓の広い)DMCやEMC等を好適に用いることができる。例えば、非水溶媒として一種または二種以上のカーボネート類を含み、それらカーボネート類の合計体積が非水溶媒全体の体積の60体積%以上(より好ましくは75体積%以上、さらに好ましくは90体積%以上であり、実質的に100体積%であってもよい。)を占める非水溶媒を好ましく用いることができる。
支持塩としては、非水電解質二次電池の支持電解質として機能し得ることが知られている各種の材料を適宜採用することができる。例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiClO等の各種のリチウム塩から選択される一種または二種以上を用いることができ、なかでもLiPFを好ましく用いることができる。かかる支持塩の濃度は特に制限されないが、極端に低すぎると電解質に含まれる電荷担体(典型的にはリチウムイオン)の量が不足し、イオン伝導性が低下する傾向がある。また極端に高すぎると、室温以下の温度域(例えば0℃〜30℃)において電解質の粘度が高くなり、内部抵抗が増大する傾向がある。このため、支持塩の濃度は、例えば0.1mol/L以上2mol/L以下(好ましくは、0.8mol/L以上1.5mol/L以下)とすることが好ましい。
ここで開示される技術における非水電解質は、本発明の効果を大きく損なわない限度で、上述した支持塩やガス発生剤、非水溶媒以外の成分を適宜含有することもできる。かかる任意成分の一例として、例えばビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等の被膜形成剤;ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の過充電時にガスを発生させ得る化合物;カルボキシメチルセルロース(CMC)等の分散剤;増粘剤;等の各種添加剤が挙げられる。
なお、電解液の注液方法や電池ケースの封止方法等は、従来の非水電解質二次電池と同様にして行うことができる。その後、該電池のコンディショニング(初期充放電)、ガス抜き、品質検査等の操作を必要に応じて適宜行うことができる。
特に限定することを意図したものではないが、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の概略構成として、扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と、非水電解質と、を扁平な直方体形(角形)の容器に収容した形態の非水電解質二次電池(単電池)を例とし、図1〜3にその概略構成を示す。以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池100の外形を模式的に示す斜視図である。また図2は、上記図1に示した非水電解質二次電池のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す図である。本実施形態に係る非水電解質二次電池100は、捲回電極体80と、電池ケース(外容器)50とを備える。この電池ケース50は、上端が開放された扁平な直方体形状(角形)の電池ケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。電池ケース50の上面(すなわち蓋体54)には、捲回電極体80の正極シートと電気的に接続する正極端子70、および該電極体の負極シートと電気的に接続する負極端子72が設けられている。また、蓋体54には電池ケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁55が備えられている。
図2に示すように、電池ケース50の内部には、長尺状の正極シート10と長尺状の負極シート20とが長尺状のセパレータシート40を介して扁平に捲回された形態の電極体(捲回電極体)80が、(図示しない)非水電解質とともに収容されている。正極シート10は、その長手方向に沿う一方の端部において正極合材層14が設けられておらず(あるいは除去されて)、正極集電体12が露出するよう形成されている。同様に、捲回される負極シート20は、その長手方向に沿う一方の端部において負極合材層24が設けられておらず(あるいは除去されて)、負極集電体22が露出するように形成されている。
図3は、捲回電極体80を組み立てる前段階における長尺状のシート構造(電極シート)を模式的に示す図である。長尺状の正極集電体12の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って正極合材層14が形成された正極シート10と、長尺状の負極集電体22の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って負極合材層24が形成された負極シート20とを、長尺状のセパレータシート40とともに重ね合わせて長尺方向に捲回し、捲回電極体を作製する。このとき、正極シート10の正極合材層非形成部分と負極シート20の負極合材層非形成部分とがセパレータシート40の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート10と負極シート20とを幅方向にややずらして重ね合わせる。かかる捲回電極体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体80が得られる。
捲回電極体80の捲回軸方向における中央部分には、捲回コア部分82(すなわち正極シート10の正極合材層14と負極シート20の負極合材層24とセパレータシート40とが密に積層された部分)が形成される。また、捲回電極体80の捲回軸方向の両端部には、正極シート10および負極シート20の電極合材層非形成部分がそれぞれ捲回コア部分82から外方にはみ出ている。かかる正極側のはみ出し部分(すなわち正極合材層14の非形成部分)および負極側のはみ出し部分(すなわち負極合材層24の非形成部分)には、正極集電板および負極集電板がそれぞれ付設されており、上述の正極端子70および負極端子72とそれぞれ電気的に接続されている。
図4は、非水電解質二次電池(単電池)100が直列および/または並列に接続されてなる組電池200の一例を示す。ここで開示される電池(単電池)は従来の電池に比べ優れた電池特性を維持しつつ、信頼性(内部短絡時の耐性)が向上していることを特徴とする。したがって、これら単電池を複数個相互に(典型的には直列に)接続してなる組電池では、一層高い電池特性を発揮し得る。図4に示す形態では、組電池200は複数個(典型的には10個以上、好ましくは10〜30個程度、例えば20個)の非水電解質二次電池(単電池)100を、それぞれの正極端子70および負極端子72が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、電池ケース50の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列されている。そして、当該配列された単電池100の間には所定形状の冷却板110が挟み込まれている。この冷却板110は、使用時に各単電池100内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池100の間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。熱伝導性の良い金属製もしくは軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製の冷却板が好適である。
上記配列させた単電池100および冷却板110の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)120が配置されている。また、上記冷却板110とエンドプレート120との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材150を一枚又は複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池100、冷却板110およびスペーサ部材150は、両エンドプレートの間を架橋するように取り付けられた締め付け用の拘束バンド130によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、拘束バンド130の端部をビス155によりエンドプレート120に締付且つ固定することによって、上記単電池等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池100の電池ケース50の内部に収容されている捲回電極体80にも拘束圧がかかる。そして、隣接する単電池100間において、一方の正極端子70と他方の負極端子72とが、接続部材(バスバー)140によって電気的に接続されている。このように各単電池100を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築されている。
ここで開示される技術の好ましい適用対象として、電池容量が20Ah以上という比較的高容量タイプの非水電解質二次電池(典型的にはリチウム二次電池)が挙げられる。例えば、電池容量が20Ah以上(典型的には25Ah以上、例えば30Ah以上)であって、100Ah以下の非水電解質二次電池が例示される。あるいは、他の好ましい適用対象として、エネルギー密度が230kWh/m以上の非水電解質二次電池(典型的にはリチウム二次電池)が挙げられる。例えば、エネルギー密度が230kWh/m以上(典型的には250kWh/m以上、例えば300kWh/m以上)であって、500kWh/m以下の非水電解質二次電池が例示される。このような高容量タイプの非水電解質二次電池では、短絡箇所に瞬間的に大きな電流が流れ、かかる電流の移動に伴う不具合(例えば急激な温度上昇)が発生しやすい。このため、本発明の適用が特に有用である。
ここで開示される電池は、上記のとおり内部短絡時における耐性が高く、且つ良好な電池特性(例えば電池容量)を示すことから、高い電池特性や信頼性が要求される用途で好適に使用され得る。かかる用途として、例えば自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源が挙げられる。したがって本発明により、例えば図5に模式的に示すように、かかる非水電解質二次電池(特にリチウム二次電池)を複数接続してなる組電池200を電源として備える車両1が提供される。車両1の種類は特に限定されないが、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、電気トラック、原動機付自転車、電動アシスト自転車、電動車いす、電気鉄道等が例示される。なお、ここでは単電池100が直列および/または並列に複数個接続されてなる組電池200を用いたが、勿論、単電池100を単独で使用することも可能である。
以下、本発明に関するいくつかの例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極シートの作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比率がNCM:AB:PVdF=91:6:3となるよう混練機に投入し、固形分濃度(NV)が50質量%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)で粘度を調製しながら混練し、正極活物質スラリーを調製した。このスラリーを、厚み15μmの長尺シート状のアルミニウム箔(正極集電体)に目付(両面)27.0mg/cmで帯状に塗布して乾燥(乾燥温度80℃、5分間)することによって、正極集電体の両面に正極合材層が設けられた正極シートを計4枚作製した。そして、作製した正極シートを圧延プレスして、正極合材層の密度が2.6〜3.0g/cmとなるよう調整した。なお、圧延プレス後の正極合材層の厚みは片面あたり凡そ50μm(両面で100μm)だった。
上記作製した正極シートをそれぞれ表1に示す環境下に一定期間保持した後、例1および例3については表1に示す条件で乾燥させた。
[正極合材層の水分含有量測定]
正極シート(例1〜4)を表1のような条件で処理した後、この正極シートから正極合材層を一部削り取って、一般的なカールフィッシャー法(水分気化法−電量滴定法)により、かかるサンプルに含まれる水分量を測定した。測定条件は以下の通りである。結果を表2の該当欄に示す。
測定条件;(1)加熱条件:120℃で30分
(2)加熱条件:300℃で30分
表2に示す水分含有量測定の結果より、正極の保管環境の湿度が50%RHと高かった(すなわち、正極合材層に水分が供給され得る環境にあった)例1,2では、加熱温度:300℃において検出される水分量が相対的に多く、3000ppm以上だった。また、湿度が50%RHの環境下で保管した後に乾燥を行った例1および保管環境の湿度が1%程度と低かった例3,4では、加熱温度:120℃において検出される水分量が相対的に少なく、300ppm以下(典型的には250ppm以下、例えば100ppm以上300ppm以下)だった。
<負極シートの作製>
次に、負極活物質としてのアモルファスコートグラファイト(C、粒径25μm、比表面積2.5m/g)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比がC:SBR:CMC=98:1:1となるよう混練機に投入し、固形分濃度(NV)が45質量%となるようにイオン交換水で粘度を調製しながら混練し、負極活物質スラリーを調製した。このスラリーを、厚み10μmの長尺シート状の長尺状銅箔(負極集電体)に目付(両面)14.7mg/cmで帯状に塗布して乾燥(乾燥温度80℃、5分間)することにより、負極集電体の両面に負極合材層が設けられた負極シートを計4枚作製した。そして、作製した負極シートを圧延プレスして、負極合材層の密度が1.1〜1.3g/cmとなるように調整した。なお、圧延プレス後の負極合材層の厚みは、片面あたり凡そ60μm(両面で120μm)だった。
<非水電解質二次電池の構築>
上記作製した正極シートと負極シートとを、2枚のセパレータシート(ここでは、ポリエチレン(PE)層の両面にポリプロピレン(PP)層が積層された三層構造の多孔質シート(総厚み20μm)を用いた。)を介して対面に配置し捲回した後、扁平形状に成形して捲回電極体を作製した。該電極体の正極集電体端部(正極合材層の未塗工部)に正極端子を、負極集電体の端部(負極合材層の未塗工部)に負極端子を、それぞれ溶接により接合した。かかる電極体を角形の電池ケースに収容し、非水電解質(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。)を注入した。そして、該電池ケースを封口(密閉)して、角形の非水電解質二次電池(例1〜4)を構築した。
<電池特性測定>
上記構築した例1〜4の二次電池に対して、25℃の温度環境下において、適当なコンディショニング処理(ここでは、1Cの定電流で正負極の端子間電圧が4.1Vに到達するまで充電した後、5分間休止し、1.5時間の定電圧充電を行う操作。)を行った。そして、該電池を0.3Cの定電流で正負極の端子間電圧が3Vに到達するまで放電させ、初期容量(mAh/g)を確認した。結果を図6および表2の「初期容量」の欄に示す。なお、表2中の「初期容量」の欄において、「○」は目標とする電池容量が得られたことを、「×」は目標とする電池容量が得られなかったことを、それぞれ表している。
次に、該電池の入出力特性(IV抵抗)を評価した。具体的には、25℃の温度環境下において、まず上記例1〜4の電池に対して1Cの定電流でSOC20%まで定電流充電した後、2時間の定電圧充電を行ってSOCを調整した。そして、この電池を5Cの定電流で放電し、10秒後の電圧降下からIV抵抗を求めた。結果を図7および表2の「入出力特性」の欄に示す。なお、表2中の「入出力特性」の欄において、「○」は目標とする電池抵抗よりも低かったことを、「×」は目標とする電池抵抗よりも高かったことを、それぞれ表している。また、SOCとは、可逆的に充放電可能な電圧範囲において、その上限となる電圧(ここでは4.1V)が得られる充電状態を100%とし、下限となる電圧(ここでは3.0V)が得られる充電状態を0%としたときの充電状態を示すものである。
図6、図7および表2から明らかなように、例2の電池は目標とする電池特性に達しなかった。この原因として、電池内(典型的には正極合材層内)に存在する水分が電解質等と反応して炭酸リチウムとなり、正極合材層表面に高抵抗の被膜を形成したことが考えられる。これに対し、例1,3,4の電池では目標とする電池特性を満足していた。したがって、加熱温度120℃で検出される水分量が300ppm以下(典型的には250ppm以下)と相対的に少ない場合、すなわち電池の通常使用温度域(典型的には100℃以下)において正極合材層に存在する水分の量が低減されている場合、抵抗の増大や電池特性の低下を招来することなく高い電池特性を発揮することができることが示された。
<釘刺し試験>
上記例1〜4の非水電解質二次電池に対し、まず上記理論容量を5時間で供給し得る電流値(1/5C)で充電上限電圧(4.2V)まで定電流充電を行い、さらに初期の電流値の1/10になるまで定電圧充電を行った。そして、上記充電後の非水電解質二次電池に対して釘刺し試験を行った。釘刺し試験は、25℃の試験温度で、充電後の非水電解質二次電池の中央付近(図1の×で示す部位)に直径3mmの鉄製の釘を10mm/secの速度で貫通させた。また、電池ケースの外表面に2枚の熱電対を貼り付けて、各試験実施時の電池温度(最高到達温度)を測定した。
結果を図8〜図12に示す。図8は例1の結果、図9は例2の結果、図10は例3の結果、図11は例4の結果、をそれぞれ示している。また、図12は300℃で検出される水分量(ppm)と、釘刺し試験時の最高到達温度(℃)との関係を示している。なお、図8〜図11中に示す矢印は、釘を貫通させた地点を表している。さらに、試験時に測定された電池温度の変化や最高到達温度等に基づいて、本発明の効果の有無を検討した。結果を表2の「釘刺し試験」の欄に示す。なお、表2中の「釘刺し試験−判定」の欄において、「○」は効果が認められた(典型的には、最高到達温度が400℃未満に抑えられた)ことを、「×」は効果が認められなかった(典型的には、最高到達温度が400℃以上に達した)ことを、それぞれ表している。
図12および表2から明らかなように、正極合材層の形成後に湿度の高い環境下に曝さなかった(すなわち、正極合材層に水分を供給しなかった)例3,4の電池では、最高到達温度が400℃以上と高かった。これに対し、例1,2の電池では最高温度が400℃以下に抑えられていた。この理由としては、電池内部の温度が上昇した(例えば200℃〜300℃の温度になった)際に正極活物質層に含まれる水分が脱離し、その水分によって電池温度の上昇が好適に抑制されたことが考えられる。したがって、加熱温度300℃で検出される水分量が3000ppm以上と従来に比べ相対的に多い場合には、内部短絡時の温度上昇を抑制し得ることが示された。
このように、本発明によれば、優れた電池特性を維持しつつ内部短絡時の温度上昇を抑制し得る、信頼性の高い非水電解質二次電池を提供することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 自動車(車両)
10 正極シート(正極)
12 正極集電体
14 正極合材層
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極合材層
40 セパレータシート(セパレータ)
50 電池ケース
52 電池ケース本体
54 蓋体
55 安全弁
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
82 捲回コア部分
100 非水電解質二次電池
110 冷却板
120 エンドプレート
130 拘束バンド
140 接続部材
150 スペーサ部材
155 ビス
200 組電池

Claims (12)

  1. 正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が所定の電池ケース内に収容された非水電解質二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体と、該集電体上に形成された正極活物質を含む正極合材層と、を備え、
    前記正極合材層は、カールフィッシャー法によって、
    120℃で30分経過後に検出される水分量が300ppm以下であり、
    300℃で30分経過後に検出される水分量が3000ppm以上10000ppm以下であることを特徴とする、非水電解質二次電池。
  2. 前記正極活物質は、一般式(1):
    Li1+δ(NiCoMn)O (1)
    (ここで、Mは、遷移金属元素,典型金属元素およびホウ素(B)から選択される一種または二種以上であり、δは、0≦δ≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値であり、a,b,c,dは、a+b+c+d≒1を満たし、a,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい。)
    で表されるリチウム遷移金属酸化物を含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記電極体は、
    長尺状の正極集電体上に、所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の正極と、
    長尺状の負極集電体上に、所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の負極と、を備え、
    前記長尺状の正極と、前記長尺状の負極とが対向した状態で積層され長手方向に捲回されてなる捲回電極体である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記正極合材層の密度は2.5g/cm以上4g/cm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 正極と負極とを備えた電極体と、非水電解質と、が所定の電池ケース内に収容された非水電解質二次電池を製造する方法であって:
    少なくとも正極活物質とバインダと含む正極合材層形成用組成物を用意すること;
    前記正極合材層形成用組成物を正極集電体上に付与して、正極合材層を備えた正極を作製すること;
    前記正極を、水分が供給される環境下に置くこと;
    前記水分が供給された正極を、50℃以上であって前記バインダの融点以下の温度で乾燥させること;
    前記乾燥させた正極を用いて非水電解質二次電池を構築すること;
    を包含する、非水電解質二次電池の製造方法。
  6. 前記正極への水分の供給は、相対湿度50%以上100%以下の環境に24時間以上240時間以下保持することによって行う、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記水分が供給された正極の乾燥は、60℃以上120℃以下の乾燥炉で行う、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 前記正極活物質として、一般式(1):
    Li1+δ(NiCoMn)O (1)
    (ここで、Mは、遷移金属元素,典型金属元素およびホウ素(B)から選択される一種または二種以上であり、δは、0≦δ≦0.2で電荷中性条件を満たすように定まる値であり、a,b,c,dは、a+b+c+d≒1を満たし、a,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい。)
    で表されるリチウム遷移金属酸化物を用いる、請求項5から7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記非水電解質二次電池の電池容量は20Ah以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池、または請求項5から8のいずれか一項に記載の製造方法により得られた非水電解質二次電池。
  10. 前記非水電解質二次電池のエネルギー密度は230kWh/m以上である、請求項1から4,9のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池、または請求項5から8のいずれか一項に記載の製造方法により得られた非水電解質二次電池。
  11. 請求項1から4,9,10のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池、または請求項5から8のいずれか一項に記載の製造方法により得られた非水電解質二次電池、を複数個組み合わせた組電池。
  12. 請求項11に記載の組電池を駆動用電源として備える車両。
JP2012145906A 2012-06-28 2012-06-28 非水電解質二次電池 Active JP5880964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012145906A JP5880964B2 (ja) 2012-06-28 2012-06-28 非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012145906A JP5880964B2 (ja) 2012-06-28 2012-06-28 非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014010981A true JP2014010981A (ja) 2014-01-20
JP5880964B2 JP5880964B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=50107510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012145906A Active JP5880964B2 (ja) 2012-06-28 2012-06-28 非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5880964B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015103273A1 (de) 2014-04-18 2015-10-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sekundärbatterie mit nichtwässrigem Elektrolyt und Herstellungsverfahren hierfür
JP2018067465A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 トヨタ自動車株式会社 負極の製造方法
US10096818B2 (en) 2014-09-30 2018-10-09 Seiko Epson Corporation Electrode complex, method of producing electrode complex, and lithium battery
US10439209B2 (en) 2015-01-15 2019-10-08 Denso Corporation Electrode and non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2019535110A (ja) * 2016-10-11 2019-12-05 ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド リチウムイオン電池用アノードスラリー
JP2020155409A (ja) * 2014-05-29 2020-09-24 株式会社半導体エネルギー研究所 電極、蓄電池及び電気機器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001223030A (ja) * 2000-02-09 2001-08-17 Ngk Insulators Ltd リチウム二次電池
JP2007227310A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Toyota Motor Corp リチウムイオン二次電池、及びその製造方法
WO2008139578A1 (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Panasonic Corporation 非水電解質二次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001223030A (ja) * 2000-02-09 2001-08-17 Ngk Insulators Ltd リチウム二次電池
JP2007227310A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Toyota Motor Corp リチウムイオン二次電池、及びその製造方法
WO2008139578A1 (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Panasonic Corporation 非水電解質二次電池

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015103273A1 (de) 2014-04-18 2015-10-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sekundärbatterie mit nichtwässrigem Elektrolyt und Herstellungsverfahren hierfür
CN105024077A (zh) * 2014-04-18 2015-11-04 丰田自动车株式会社 非水电解质二次电池及其制造方法
JP2020155409A (ja) * 2014-05-29 2020-09-24 株式会社半導体エネルギー研究所 電極、蓄電池及び電気機器
US11165066B2 (en) 2014-05-29 2021-11-02 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for forming electrode, electrode, storage battery, and electric device
JP2022103407A (ja) * 2014-05-29 2022-07-07 株式会社半導体エネルギー研究所 電極
US11735738B2 (en) 2014-05-29 2023-08-22 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for forming electrode, electrode, storage battery, and electric device
US10096818B2 (en) 2014-09-30 2018-10-09 Seiko Epson Corporation Electrode complex, method of producing electrode complex, and lithium battery
US10439209B2 (en) 2015-01-15 2019-10-08 Denso Corporation Electrode and non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2019535110A (ja) * 2016-10-11 2019-12-05 ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド リチウムイオン電池用アノードスラリー
JP2018067465A (ja) * 2016-10-19 2018-04-26 トヨタ自動車株式会社 負極の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5880964B2 (ja) 2016-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5896218B2 (ja) 密閉型非水電解質二次電池
KR102473873B1 (ko) 비수전해질 이차 전지용 부극재 및 부극 활물질 입자의 제조 방법
JP6268293B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極材及び負極活物質粒子の製造方法
JP6098878B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR101918644B1 (ko) 비수계 이차 전지
JP5668993B2 (ja) 密閉型非水電解質二次電池及びその製造方法
WO2015063979A1 (ja) 負極活物質、負極活物質の製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池
JP5928800B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP6305263B2 (ja) 非水電解質電池、組電池、電池パック及び車
JP6011888B2 (ja) 非水電解液二次電池
WO2013080379A1 (ja) リチウム二次電池とその製造方法
JP5880964B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2013235653A (ja) 密閉型非水電解質二次電池
JP7085147B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP7096979B2 (ja) リチウムイオン二次電池
US9917296B2 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP2014049390A (ja) 非水電解液二次電池
JP2013062089A (ja) リチウムイオン二次電池
JP5835617B2 (ja) 密閉型リチウム二次電池
JP5672501B2 (ja) 密閉型リチウム二次電池
JP5618156B2 (ja) 密閉型リチウム二次電池の製造方法
JP5725372B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2015032383A (ja) 非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池
JPWO2013080379A1 (ja) リチウム二次電池とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150723

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5880964

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151