JP6718744B2 - 冷却装置及び冷却方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、例えば、ギフォード・マクマホン膨張機などで構成された寒冷発生機を備え、ジュール・トムソン液化回路を用いて製造した液化ヘリウムを超電導コイルなど超電導機器の冷却に用いる装置が開示されている。
特許文献2には、超電導機器を冷却する液化ガスの温度及び圧力を制御して過冷却状態に保持するようにした冷却システムが開示されている。
特許文献2に開示された冷却システムは、超電導機器を冷却する一次冷媒の冷却を対象とするものであり、一次冷媒の貯留部を囲む熱シールド部に供給される二次冷媒の冷却を対象とするものではない。また、二次冷媒の循環路に設けられたリザーバタンク内の圧力制御のために、複雑な加圧装置及び減圧装置を必要とする。
特許文献3では、蒸発した二次冷媒を冷凍機によって又は液化ヘリウムの冷熱を利用して冷却し液化させ、液化した二次冷媒を熱シールド部に戻すようにしている。しかし、蒸発した二次冷媒は大きな潜熱を保有するため、これを液化させるために容量の大きな冷却設備が必要になる。従って、熱効率が低下すると共に、イニシャルコストが高コストとなる。
低温液化冷媒が充填され、被冷却物が前記低温液化冷媒に浸漬される密閉状態の液室をもつ内槽と、
前記液室に前記低温液化冷媒を供給する液化回路と、
前記内槽を覆う熱シールド部と、
前記熱シールド部に二次冷媒を供給する二次冷媒回路と、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を冷却する冷凍機と、
を備える冷却装置であって、
前記熱シールド部の入口側の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度を検出する温度センサと、
前記熱シールド部の入口側の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度及び圧力を制御し、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持するための制御部と、
を備える。
また、熱シールド部の入口側で二次冷媒の温度及び圧力を検出し、この検出値に基づいて二次冷媒を過冷却状態とすべく二次冷媒の温度及び圧力を制御するため、熱シールド部に供給される二次冷媒を確実に液状でかつ過冷却状態に保持できる。
前記熱シールド部出口側と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられた前記二次冷媒の貯留タンクと、
前記二次冷媒回路から分岐し、前記貯留タンクの気相部に連通する第1加圧路と、
前記第1加圧路に設けられた第1蒸発器と、
前記貯留タンクの前記気相部の圧力を検出する第2圧力センサと、
を備え、
前記制御部は、前記第2圧力センサの検出値が第1閾値未満となったとき、前記第1加圧路を解放して前記第1加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記二次冷媒回路の圧力を前記第1閾値以上とするものである。
上記第2圧力センサの検出値が第1閾値未満となったとき、制御部は、上記第1加圧路を解放して第1加圧路に二次冷媒を導入する。第1加圧路に導入された二次冷媒は上記第1蒸発器で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは上記貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の圧力が増加するため、二次冷媒回路の圧力も増加し、上記第1閾値以上に回復する。こうして、二次冷媒回路を循環する二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。
また、貯留タンクの気相部の圧力を制御対象とすることで、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。また、二次冷媒回路を循環する二次冷媒を液状に保持することで、貯留タンクを小型化できる。
前記二次冷媒が貯留されたバックアップタンクと、
前記貯留タンクと前記バックアップタンクとに接続される二次冷媒供給路と、
前記貯留タンクの気相部と前記バックアップタンクとに接続される第2加圧路と、
前記第2加圧路に設けられた第2蒸発器と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2圧力センサの検出値が前記第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、前記第2加圧路を解放して前記バックアップタンクから前記第2加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記貯留タンクの前記気相部の圧力を前記第2閾値以上とするものである。
冷凍機又は循環ポンプ等の故障によって、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の温度が急激に上昇し、あるいは二次冷媒の圧力が急激に低下した時、上記バックアップタンク内の二次冷媒を上記二次冷媒供給路を介して貯留タンクに供給することで、二次冷媒回路における二次冷媒の循環を維持することができる。
また、制御部によって、上記第2加圧路を解放し、第2加圧路に二次冷媒を導入する。第2加圧路に導入した二次冷媒は上記第2蒸発器で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の気相部の圧力が上記第2閾値以上に回復するため、貯留タンクの気相部と連通した二次冷媒回路の圧力が第2閾値以上に回復し、熱シールド部への二次冷媒の供給を継続できる。
前記液化回路は、
前記液化回路に設けられた圧縮機ユニットと、
前記液化回路の往路及び復路が導設されて前記往路及び前記復路間で冷媒同士の熱交換が行われ、前記往路及び前記復路に対して直列に配置された複数の熱交換器と、
前記内槽入口の前記往路に設けられたジュール・トムソン弁と、
を含み、
前記二次冷媒回路から分岐し前記複数の熱交換器の少なくとも一つに導設される予冷回路を備える。
上記(4)の構成によれば、冷却装置の起動時などにおいて、上記予冷回路に冷凍機で冷却された二次冷媒を循環させることで、圧縮機ユニットから吐出された冷媒ガスの冷却を補助できる。このように、二次冷媒の冷熱を利用することで、冷却装置の成績係数(COP)を向上できる。
前記冷凍機はブレイトンサイクルを構成する冷凍機である。
上記(5)の構成によれば、冷凍機としてブレイトンサイクルを構成する冷凍機を用いることで、熱シールド部に供給可能な低温の二次冷媒液を高効率で製造できる。
前記貯留タンクにおいて、
前記二次冷媒回路の接続部は、前記二次冷媒の液面より下方に配置され、
前記二次冷媒の前記液面と前記接続部との間に設けられ横方向に延在する対流防止板と、
を備え、
前記対流防止板より下方に貯留する前記二次冷媒は前記冷凍機で冷却される。
熱シールド部から貯留タンクに戻った二次冷媒は、上記対流防止板より下方の貯留領域に戻される。対流防止板より下方の領域に貯留する二次冷媒は冷凍機によって冷却されているため、熱シールド部から戻った二次冷媒はこの低温の二次冷媒で冷却される。このように、熱シールド部から戻った二次冷媒は、冷凍機以外に貯留タンクに貯留された二次冷媒によっても冷却されるため、被冷却物が急激に昇温しても冷凍機の負荷が過大にならず、二次冷媒回路を循環する二次冷媒も過冷却状態を保持できる。
低温液化冷媒が充填され、被冷却物が前記低温液化冷媒に浸漬される密閉状態の液室をもつ内槽と、
前記液室に前記低温液化冷媒を供給する液化回路と、
前記内槽を覆う熱シールド部と、
前記熱シールド部に二次冷媒を供給する二次冷媒回路と、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を冷却する冷凍機と、
前記熱シールド部出口側と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられた前記二次冷媒の貯留タンクと、
前記二次冷媒回路から分岐し、前記貯留タンクの気相部に連通する第1加圧路と、
前記第1加圧路に設けられた第1蒸発器と、
前記二次冷媒が貯留されたバックアップタンクと、
前記貯留タンクと前記バックアップタンクとに接続される二次冷媒供給路と、
前記貯留タンクの気相部と前記バックアップタンクとに接続される第2加圧路と、
前記第2加圧路に設けられた第2蒸発器と、
を備える冷却装置を用いる冷却方法であって、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度を検出する温度検出ステップと、
前記貯留タンクの前記気相部の圧力を検出する圧力検出ステップと、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度及び前記貯留タンクの前記気相部の圧力を制御し、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持する制御ステップと、
前記圧力検出ステップにおける検出値が第1閾値未満となったとき、前記第1加圧路を解放して前記第1加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記気相部の圧力を前記第1閾値以上とする第1圧力制御ステップと、
前記貯留タンクの気相部の圧力が前記第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、前記第2加圧路を解放して前記第2加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記気相部の圧力を前記第2閾値以上とする第2圧力制御ステップと、
前記貯留タンクに貯留される前記二次冷媒の液面が閾値を超えたら、前記二次冷媒供給路を介して前記貯留タンクに貯留される前記二次冷媒を前記バックアップタンクに移し、前記液面を前記閾値以下にする液面制御ステップと、
を含む。
こうして、二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。また、貯留タンクの気相部の圧力を制御することで、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。
上記第2圧力制御ステップにおいて、上記第2加圧路を解放し、第2加圧路に二次冷媒を導入することで、第2加圧路に導入された二次冷媒は上記第2蒸発器で蒸発し、貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の気相部の圧力が上記第2閾値以上に回復するため、貯留タンクの気相部と連通した二次冷媒回路の圧力が回復し、二次冷媒回路を循環する二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
内槽12は輻射熱の侵入を防止するために熱シールド部16で覆われる。熱シールド部16に二次冷媒回路18が接続され、二次冷媒回路18から二次冷媒液LR2が供給される。二次冷媒液LR2は二次冷媒回路18を循環し、冷凍機20で冷却される。
低温液化冷媒として、例えば、沸点が非常に低いヘリウム、ネオン等が用いられ、二次冷媒として例えば窒素が用いられる。
また、熱シールド部16の入口側で二次冷媒の温度及び圧力を検出し、この検出値に基づいて二次冷媒を液状でかつ過冷却状態とすべく二次冷媒の温度及び圧力を制御するため、熱シールド部16に供給される二次冷媒を確実に液状でかつ過冷却状態に保持できる。
また、熱シールド部16の外側に真空空間Svを形成することで、外部からの輻射熱の侵入を効果的に抑制できる。
これによって、気相部Sgの圧力は増加して第1閾値以上に回復でき、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR2を液状でかつ過冷却状態に保持できる。また、貯留タンク32の気相部Sgの圧力を制御対象とすることで、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR2の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。また、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒を液状に保持することで、貯留タンク32を小型化できる。
また、第1加圧路34には流量調整弁38が設けられる。図示した実施形態では、制御部26は、圧力センサ24の検出値が第1閾値未満となったとき、流量調整弁38を解放して第1加圧路34に二次冷媒液LR2を導入する。
図1〜図3に示す実施形態では、第1加圧路34は貯留タンク32より下流側の二次冷媒回路18に接続され、図4及び図5に示す実施形態では、第1加圧路34は貯留タンク32より上流側の二次冷媒回路18に接続されている。この相違は冷却装置10の機能に差をもたらすものではない。
冷凍機20や循環ポンプ30等が故障し、二次冷媒回路18から熱シールド部16への二次冷媒液LR2の供給が停止し、前記第2圧力センサ40の検出値が第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、制御部26は、第2加圧路50を解放してバックアップタンク46から第2加圧路50に二次冷媒を導入する。第2閾値は、例えば、冷凍機20又は二次冷媒を循環させる循環ポンプ30等が故障したときの二次冷媒回路18の圧力値に設定される。
第2加圧路50に導入された二次冷媒は、第2蒸発器52で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンク32に流入する。これによって、貯留タンク32の気相部Sgの圧力が第2閾値以上に回復するため、貯留タンク32と連通した二次冷媒回路18の圧力が第2閾値以上に回復し、熱シールド部16への二次冷媒の供給を継続できる。
また、二次冷媒供給路48は貯留タンク32の液相部とバックアップタンク46の液相部との間に接続される。
二次冷媒供給路48に流量調整弁54が設けられ、第2加圧路50に流量調整弁56が設けられる。制御部26はこれら流量調整弁54、56の開度を制御することで、二次冷媒供給路48及び第2加圧路50に導入される二次冷媒の流量を制御できる。制御部26は、第2圧力センサ40の検出値が第2閾値未満となったとき、流量調整弁56を解放して第2加圧路50に二次冷媒を導入する。
また、バックアップタンク46には、気相部Sgの圧力を検出する第3圧力センサ57と、バックアップタンク46に貯留される二次冷媒液の液面レベルを検出する液面センサ58が設けられる。これらセンサの検出値は制御部26に入力される。
放出路64は、メンテナンス時などにおいて二次冷媒回路18から二次冷媒を放出する場合などに用いられる。また、冷却装置10の運転開始時において、二次冷媒を室温から予冷する際に、開閉弁60及び66を開放し、開閉弁62を閉鎖して、バックアップタンク46から貯留タンク32を介して二次冷媒回路18に二次冷媒液を供給すると共に、放出路64から蒸発ガスを放出する方法を採用できる。
内槽12の入口側の往路14aにジュール・トムソン弁74が設けられ、複数の熱交換器72で順々に冷却された一次冷媒ガスGは、最後にジュール・トムソン弁74を通って膨張し冷却されて液化し、低温液化冷媒LR1となった後、熱シールド部16に供給される。
予冷回路76を備えることで、冷却装置10(10C)の起動時などにおいて、予冷回路76に二次冷媒液LR2を循環させることで、圧縮機ユニット70から吐出された一次冷媒ガスGの冷却を補助できる。これによって、冷却装置10(10C)の成績係数(COP)を向上できる。
図3に示す実施形態では、予冷回路76には流量調整弁78が設けられる。制御部26が流量調整弁78の開閉を制御することで、必要時に予冷回路76に二次冷媒液LR2を循環させることができる。
図6において、電動機80の共通の出力軸80aの両端に低段圧縮機81及び中段圧縮機82が設けられる。低段圧縮機81で加圧された冷媒ガスは、熱交換器83で冷却水wによって冷却された後、さらに、中段圧縮機82で加圧される。中段圧縮機82で加圧された二次冷媒ガスは熱交換器84で冷却水wによって冷却された後、さらに、高段圧縮機85で加圧される。高段圧縮機85で加圧された冷媒ガスは、熱交換器86で冷却水wによって冷却された後、さらに、冷熱回収熱交換器87で冷却部90から戻る冷媒ガスによって冷却され、膨張機88に送られる。
冷凍機20に用いられる冷媒は、例えば、低沸点を有するヘリウム、ネオン等が用いられる。従って、液化回路14で用いられる一次冷媒と共通の冷媒を用いることができる(ブレイトンサイクルを用いる冷凍機の詳細は、例えば、特開2014−219125号公報などを参照)。
上記構成において、熱シールド部16から貯留タンク32に戻った二次冷媒は、接続部P1から対流防止板92より下方の貯留領域に戻される。貯留タンク32内に流入した二次冷媒は比較的温度が高いので、上方へ移動しようとするが、上方への移動は対流防止板92で阻止される。
図5に示す実施形態では、復路18bはその端部が対流防止板92より下方の貯留タンク32の底部32bに接続され、往路18aは貯留タンク32の底部32bの一方側に接続されている。
往路18aには循環ポンプ30が設けられる。循環ポンプ30は往路18aを介して熱シールド部16に冷却した二次冷媒液LR2を圧送し、被冷却物Mが収納された液室12aに輻射熱が侵入するのを抑制する。二次冷媒液LR2は熱シールド部16から復路18bを介して貯留タンク32に戻る。
これによって、接続部P1から貯留タンク32に流入する二次冷媒液LR2は、貯留タンク32に貯留される二次冷媒液との熱交換によって冷却されるだけでなく、冷却部96によっても冷却される。そのため、被冷却物Mが急激に昇温しても冷凍機20の負荷が過大にならず、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR2も過冷却状態を保持できる。
図4に示すように、配管100には冷凍機20から往復配管98を介して冷媒が導入される。冷凍機20の作動は制御部26によって制御される。
冷却部96によって、対流防止板92よりも下方であって対流防止板92に近接して温度が上昇した二次冷媒液LR2を効果的に冷却できる。
導出ポンプ110によって導出管106を介して導出された貯留タンク32内の二次冷媒液LR2は、冷凍機20で冷却され、導入管108を介して貯留タンク32に戻される。このように、導出管106及び導入管108は循環ループ112を形成し、二次冷媒液LR2は導出ポンプ110によって循環ループ112を循環するように構成されている。
さらに、第1圧力制御ステップS16では、検出した圧力検出値が第1閾値未満となった時、第1加圧路34を解放して二次冷媒を導入する。第1加圧路34に導入された二次冷媒は第1蒸発器36で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンク32に流入する。これによって、貯留タンク32内の気相部Sgの圧力が増加するため、気相部Sgに連通する二次冷媒回路18の圧力が増加し、二次冷媒回路18の二次冷媒の圧力が第1閾値以上に回復する。
また、冷凍機20又は循環ポンプ30等の故障によって、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒の温度が急激に上昇し、あるいは二次冷媒の圧力が急激に低下した時、バックアップタンク46内の二次冷媒を二次冷媒供給路48を介して貯留タンク32に供給することで、二次冷媒回路18における二次冷媒の循環を維持できる。
こうして、貯留タンク32の気相部Sgと連通した二次冷媒回路18の圧力が回復し、二次冷媒回路18における二次冷媒の循環を維持し、熱シールド部16に対する二次冷媒のを供給を継続できる。
逆に、バックアップタンク46では二次冷媒が蒸発するため、貯留される二次冷媒液の液面が低下する。これに対し、貯留タンク32から二次冷媒液が供給されることで、所定の液量を維持できる。
これによって、貯留タンク32及びバックアップタンクに貯留される二次冷媒の液面を所定レベルに維持できる。
12 内槽
12a 液室
14 液化回路
16 熱シールド部
18 二次冷媒回路
18a 往路
18b 復路
20 冷凍機
22、42 温度センサ
24 第1圧力センサ
26 制御部
28 真空容器
30 循環ポンプ
32 貯留タンク
34 第1加圧路
36 第1蒸発器
38、54、56、78 流量調整弁
40 第2圧力センサ
44、58 液面センサ
46 バックアップタンク
48 二次冷媒供給路
50 第2加圧路
52 第2蒸発器
57 圧力センサ
60、62、66 開閉弁
64 放出路
70 圧縮機ユニット
72(72a、72b、72c) 熱交換器
74 ジュール・トムソン弁
76 予冷回路
92 対流防止板
94 外側槽
96 冷却部
98 往復配管
100 配管
102 案内流路
102a 方向転換流路
104 敷板
106 導出管
108 導入管
110 導出ポンプ
112 循環ループ
G 一次冷媒ガス
M 被冷却物
LR1 低温液化冷媒
LR2、LR2’ 二次冷媒液
P1、P2 接続部
Sg 気相部
Sv 真空空間
s 隙間
Claims (8)
- 低温液化冷媒が充填され、被冷却物が前記低温液化冷媒に浸漬される密閉状態の液室をもつ内槽と、
前記液室に前記低温液化冷媒を供給する液化回路と、
前記内槽を覆う熱シールド部と、
前記熱シールド部に二次冷媒を供給する二次冷媒回路と、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を冷却する冷凍機と、
を備える冷却装置であって、
前記熱シールド部の入口側の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度を検出する温度センサと、
前記熱シールド部の入口側の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度及び圧力を制御し、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持するための制御部と、
を備えることを特徴とする冷却装置。 - 前記熱シールド部出口側と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられた前記二次冷媒の貯留タンクと、
前記二次冷媒回路から分岐し、前記貯留タンクの気相部に連通する第1加圧路と、
前記第1加圧路に設けられた第1蒸発器と、
前記貯留タンクの前記気相部の圧力を検出する第2圧力センサと、
を備え、
前記制御部は、前記第2圧力センサの検出値が第1閾値未満となったとき、前記第1加圧路を解放して前記第1加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記二次冷媒回路の圧力を前記第1閾値以上とするものであることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。 - 前記二次冷媒が貯留されたバックアップタンクと、
前記貯留タンクと前記バックアップタンクとに接続される二次冷媒供給路と、
前記貯留タンクの気相部と前記バックアップタンクとに接続される第2加圧路と、
前記第2加圧路に設けられた第2蒸発器と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2圧力センサの検出値が前記第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、前記第2加圧路を解放して前記バックアップタンクから前記第2加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記貯留タンクの前記気相部の圧力を前記第2閾値以上とするものであることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。 - 前記液化回路は、
前記液化回路に設けられた圧縮機ユニットと、
前記液化回路の往路及び復路が導設されて前記往路及び前記復路間で冷媒同士の熱交換が行われ、前記往路及び前記復路に対して直列に配置された複数の熱交換器と、
前記内槽入口の前記往路に設けられたジュール・トムソン弁と、
を含み、
前記二次冷媒回路から分岐し前記複数の熱交換器の少なくとも一つに導設される予冷回路を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却装置。 - 前記冷凍機はブレイトンサイクルを構成する冷凍機であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の冷却装置。
- 前記貯留タンクにおいて、
前記二次冷媒回路の接続部は、前記二次冷媒の液面より下方に配置され、
前記二次冷媒の前記液面と前記接続部との間に設けられ横方向に延在する対流防止板と、
を備え、
前記対流防止板より下方に貯留する前記二次冷媒は前記冷凍機で冷却されることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷却装置。 - 前記熱シールド部の出口と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒を前記冷凍機に向けて送給するための循環ポンプと、
をさらに備え、
前記温度センサおよび前記第1圧力センサは、前記冷凍機と前記熱シールド部の入口との間の前記二次冷媒回路に設けられる
請求項1乃至6の何れか一項に記載の冷却装置。 - 低温液化冷媒が充填され、被冷却物が前記低温液化冷媒に浸漬される密閉状態の液室をもつ内槽と、
前記液室に前記低温液化冷媒を供給する液化回路と、
前記内槽を覆う熱シールド部と、
前記熱シールド部に二次冷媒を供給する二次冷媒回路と、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を冷却する冷凍機と、
前記熱シールド部出口側と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられた前記二次冷媒の貯留タンクと、
前記二次冷媒回路から分岐し、前記貯留タンクの気相部に接続される第1加圧路と、
前記第1加圧路に設けられた第1蒸発器と、
前記二次冷媒が貯留されたバックアップタンクと、
前記貯留タンクと前記バックアップタンクとに接続される二次冷媒供給路と、
前記貯留タンクの気相部と前記バックアップタンクとに連通する第2加圧路と、
前記第2加圧路に設けられた第2蒸発器と、
を備える冷却装置を用いる冷却方法であって、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度を検出する温度検出ステップと、
前記貯留タンクの前記気相部の圧力を検出する圧力検出ステップと、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度及び前記貯留タンクの前記気相部の圧力を制御し、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持する制御ステップと、
前記圧力検出ステップにおける検出値が第1閾値未満となったとき、前記第1加圧路を解放して前記第1加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記気相部の圧力を前記第1閾値以上とする第1圧力制御ステップと、
前記貯留タンクの気相部の圧力が前記第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、前記第2加圧路を解放して前記第2加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記気相部の圧力を前記第2閾値以上とする第2圧力制御ステップと、
前記貯留タンクに貯留される前記二次冷媒の液面が閾値を超えたら、前記二次冷媒供給路を介して前記貯留タンクに貯留される前記二次冷媒を前記バックアップタンクに移し、前記液面を前記閾値以下にする液面制御ステップと、
を含むことを特徴とする冷却方法。
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