JP5716207B1 - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の破損、冷凍回路の緊急停止およびエネルギーの浪費を招くことなく、冷却対象を充分に冷却可能な極低温まで熱媒液を短時間で冷却する。【解決手段】水素ガス冷却装置1は、高温側冷凍回路10における蒸発器14によって低温側冷凍回路20の凝縮器22を冷却すると共に低温側冷凍回路20における蒸発器24によってブライン(熱媒液)を冷却可能に構成された二元冷凍回路を有する冷凍ユニット2と、冷凍ユニット2および水素ガス冷却用熱交換器3の間でブラインを循環させるブライン循環路を構成するブライン配管5とを備え、高温側冷凍回路10は、ブラインを冷却可能な蒸発器16と、蒸発器14,16への冷媒の供給量を調整する電磁弁13a,15aおよび電子膨張弁13b,15bとを備え、ブライン配管5は、ブラインが蒸発器16,24をこの順で通過するように両蒸発器16,24を相互に接続する配管5bを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍ユニットによって冷却した熱媒液を冷却対象に供給して冷却対象を冷却可能に構成された循環型の冷却装置に関するものである。
例えば、下記の特許文献1には、燃料としての水素ガスを自動車等に充填する燃料充填装置が開示されている。この場合、この種の燃料充填装置が設置されるガスステーションでは、充分な量の水素ガスを蓄えておくことができるように、現地で生成した水素ガス(オンサイト型ステーションの場合)、または、別所で生成されて搬送された水素ガス(オフサイト型ステーションの場合)を充分に圧縮した状態でガスタンク内に蓄えておく構成が採用されている。また、自動車等に水素ガスを充填する際には、ガスステーションのガスタンク(以下、「貯留タンク」ともいう)から、給気配管および給気ノズル等を介して自動車のガスタンク(以下、「車両側タンク」ともいう)に水素ガスが流入させられる。
この際に、水素ガスは、給気配管等に配設されている各種の弁などの通過に際して断熱膨張させられたときに、ジュールトムソン効果によって温度上昇する性質を有していることが知られている。このため、単に貯留タンクから車両側タンクに水素ガスを充填したときには、給気配管等の通過時に温度上昇した高温の水素ガスが車両側タンクに流入することとなる。また、水素ガスが消費されて低圧となっている車両側タンク内にガスステーションから水素ガスを流入させたときには、流入した水素ガスが車両側タンク内において断熱膨張してさらに温度上昇することとなる。このため、車両側タンクへの水素ガスの充填効率が低下する結果、充分な量の水素ガスを車両側タンクに充填するのが困難となる。したがって、特許文献1に開示の燃料充填装置では、車両側タンクへの充填に先立って水素ガスを冷却することで充填効率の低下を回避する構成が採用されている。
具体的には、特許文献1に開示の燃料充填装置では、水素ガス貯留タンク(貯留タンク)から自動車等に水素ガスを供給する供給経路に、流量調整弁、積算流量計および遮断弁などが配設されると共に、自動車等に接続される連絡管(フレキシブルホース)と上記の遮断弁との間に水素ガス冷却用の冷却手段(熱交換器)が配設されている。この場合、この燃料充填装置では、上記の冷却手段として、エチレングリコールを冷媒とするチラー冷却器などが採用されている。これにより、この燃料充填装置では、貯留タンク内の水素ガスが、流量調整弁、積算流量計および遮断弁などの通過に際して断熱膨張するものの、冷却手段においてエチレングリコールと熱交換させられて温度低下した状態で連絡管を介して車両側タンクに流入させられるため、充填効率の低下をある程度回避することが可能となっている。
一方、出願人は、特許文献1に開示の燃料充填装置の構成と同様にしてチラー冷却器によって冷却したエチレングリコール等の冷媒(以下、冷凍回路中の冷媒と区別するために「熱媒液」ともいう)によって水素ガスを冷却した後に車両側タンクに充填する構成の装置を試作して水素ガスの充填を試みた。しかしながら、エチレングリコールを熱媒液として使用するチラー冷却器(冷凍回路によって冷却する熱媒液の下限温度がエチレングリコールの凍結温度よりも高いチラー冷却器)では、水素ガスを短時間で充分に冷却することができず、車両側タンクへの水素ガスの充填効率を充分に向上させるのが困難であることが判明した。そこで、出願人は、エチレングリコールよりも凍結温度が低い熱媒液を採用すると共に、そのような極低温まで熱媒液を冷却可能な不活性ガスを冷媒として使用する冷凍回路を搭載したチラー冷却器によって熱媒液を冷却して水素ガスを冷却する構成を試みた。
しかしながら、熱媒液を極低温まで冷却可能な冷凍回路を有するチラー冷却器では、冷凍回路内の冷媒温度が外気温と同程度まで温度上昇している状態(例えばチラー冷却器を長時間に亘って停止させていた状態)において熱媒液の冷却を開始したときに、蒸発器の温度を充分に低下させて熱冷媒を極低温まで冷却可能な状態となるまでに非常に長い時間を要する。このため、出願人は、熱冷媒を極低温まで冷却する冷凍回路(以下、「低温側冷凍回路」ともいう)の凝縮器を、常温域における冷凍能力が高い冷凍回路(以下、「高温側冷凍回路」ともいう)の蒸発器によって冷却することで低温側冷凍回路の冷却効率を向上させる「二元冷凍回路」を有する冷凍ユニットを備えたチラー冷却器によって熱媒液を冷却して水素ガスを冷却する構成を試みた。これにより、例えばチラー冷却器を長時間に亘って停止させていた状態からでも、熱媒液を極低温まで冷却するのに要する時間を充分に短縮することが可能となった。
特開2004−116619号公報(第4−10頁、第1−6図)
ところが、出願人が、水素ガスの冷却を目的として上記の特許文献1に開示の燃料充填装置におけるチラー冷却器の構成を改良したチラー冷却器(二元冷凍回路を有するチラー冷却器)には、以下のような改善すべき課題が存在する。すなわち、出願人が開発したチラー冷却器では、例えばチラー冷却器を長時間に亘って停止させたときに低温側冷凍回路内の冷媒が外気温と同程度まで温度上昇していても、低温側冷凍回路の凝縮器を高温側冷凍回路の蒸発器によって冷却することで低温側冷凍回路の冷却効率を向上させ、これにより、低温側冷凍回路の蒸発器を極低温まで温度低下させるのに要する時間を充分に短縮することが可能となっている。
しかしながら、チラー冷却器を長時間に亘って停止させたときには、両冷凍回路内の冷媒だけでなく、熱媒液の温度も外気温と同程度まで温度上昇する。また、この種のチラー冷却器によって冷却した熱媒液によって水素ガスを冷却する場合、単位時間あたりに冷却する水素ガスの量が多いとき(例えば、複数台の自動車に対して水素ガスを連続して充填したとき)にも熱媒液の温度が上昇する。このように温度上昇した熱媒液を低温側冷凍回路の蒸発器によって冷却したときには、低温側冷凍回路の蒸発器内における冷媒の気化量が増加する結果、低温側冷凍回路内の冷媒圧力が過剰に高くなってしまう。
かかる状態では、圧縮機に大きな負担が掛り、その耐用寿命の低下を招くおそれがあるだけでなく、冷媒圧力の上昇に起因する圧縮機の破損を回避するために低温側冷凍回路を緊急停止させる必要が生じて熱媒液を冷却することができなくなるおそれがある。また、熱媒液を極低温まで冷却可能な低温側冷凍回路は、高温の熱媒液を冷却する際の冷却効率が低いことが知られている。このため、長時間に亘るチラー冷却器の停止や、大量の水素ガスの冷却に伴って温度上昇している高温の熱媒液について、水素ガスを充分に冷却可能な極低温まで冷却するのに長時間を要すると共に、両冷凍回路を長時間に亘って動作させるためにエネルギー(電力)が浪費されているという現状がある。このため、この点を改善するのが好ましい。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、圧縮機の破損、冷凍回路の緊急停止およびエネルギーの浪費を招くことなく、冷却対象を充分に冷却可能な極低温まで熱媒液を短時間で冷却し得る冷却装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1記載の冷却装置は、高温側冷凍回路における第1の蒸発器によって低温側冷凍回路の凝縮器を冷却すると共に当該低温側冷凍回路における第2の蒸発器によって熱媒液を冷却可能に構成された二元冷凍回路を有する冷凍ユニットと、前記冷凍ユニットおよび冷却対象の間で前記熱媒液を循環させる熱媒液循環路を構成する熱媒液配管と、前記冷凍ユニットの動作を制御する制御部とを備え、前記高温側冷凍回路は、前記熱媒液を冷却可能な第3の蒸発器と、前記第1の蒸発器および前記第3の蒸発器への冷媒の供給量を調整する冷媒供給量調整弁とを備え、前記熱媒液配管は、前記熱媒液が前記第3の蒸発器および前記第2の蒸発器をこの順で通過するように当該両蒸発器を相互に接続し、前記制御部は、前記熱媒液循環路内の予め規定された第1の位置における前記熱媒液の温度が予め規定された温度以上になっているとの第1の条件が実質的に満たされているときに、前記第2の蒸発器による前記熱媒液の冷却を行うことなく前記第3の蒸発器によって当該熱媒液を冷却する第1の処理を実行すると共に、前記予め規定された第1の位置における前記熱媒液の温度が前記予め規定された温度を下回っているとの第2の条件が実質的に満たされているときに、前記冷媒供給量調整弁を制御して前記第1の蒸発器への冷媒の供給量を前記第1の処理の実行時よりも増加させて当該第1の蒸発器によって前記凝縮器を冷却しつつ前記第2の蒸発器によって前記熱媒液を冷却する第2の処理を実行する
請求項記載の冷却装置は、請求項記載の冷却装置において、前記予め規定された第1の位置に配設されて前記熱媒液の温度を検出する第1の温度センサを備え、前記制御部は、前記第1の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した前記熱媒液の温度が前記予め規定された温度以上になっているときに前記第1の条件が満たされているとして前記第1の処理を実行すると共に、前記第1の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した前記熱媒液の温度が前記予め規定された温度を下回っているときに前記第2の条件が満たされているとして前記第2の処理を実行する。
請求項記載の冷却装置は、請求項または記載の冷却装置において、前記制御部は、前記第1の処理において、前記第3の蒸発器への冷媒供給量を調整して当該第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる。
請求項記載の冷却装置は、請求項記載の冷却装置において、前記熱媒液循環路内の予め規定された第2の位置に配設されて前記熱媒液の温度を検出する第2の温度センサを備え、前記制御部は、前記第1の処理において、前記第2の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した前記熱媒液の温度の低下に応じて前記第3の蒸発器への冷媒供給量を調整して当該第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる。
請求項記載の冷却装置は、請求項1からのいずれかに記載の冷却装置において、前記熱媒液配管は、前記冷却対象としての水素ガス冷却用熱交換器に前記熱媒液を供給可能に接続されている。
請求項1記載の冷却装置では、低温側冷凍回路の凝縮器を冷却するための第1の蒸発器に加え、熱媒液を冷却可能な第3の蒸発器と、第1の蒸発器および第3の蒸発器への冷媒の供給量を調整する冷媒供給量調整弁とを備えて高温側冷凍回路が構成されると共に、熱媒液が高温側冷凍回路における第3の蒸発器および低温側冷凍回路における第2の蒸発器をこの順で通過するように熱媒液配管によって両蒸発器が相互に接続されている。また、制御部が、予め規定された第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度以上になっているとの第1の条件が実質的に満たされているときに、第2の蒸発器による熱媒液の冷却を行うことなく第3の蒸発器によって熱媒液を冷却する第1の処理を実行すると共に、予め規定された第1の位置における熱媒液の温度が実質的に予め規定された温度を下回っているとの第2の条件が満たされているときに、冷媒供給量調整弁を制御して第1の蒸発器への冷媒の供給量を第1の処理の実行時よりも増加させて第1の蒸発器によって凝縮器を冷却しつつ第2の蒸発器によって熱媒液を冷却する第2の処理を実行する。
したがって、請求項1記載の冷却装置によれば、第2の蒸発器によって熱媒液を冷却する際に、第2の蒸発器に対して熱媒液流路の上流側に配設されている第3の蒸発器によって熱媒液を冷却することにより、冷凍ユニットに供給される熱媒液を低温側冷凍回路の第2の蒸発器によって直接冷却する構成と比較して、高温の熱媒液を冷凍ユニットによって冷却する際に第3の蒸発器によって冷却されて温度低下した熱媒液が熱媒液配管を介して第2の蒸発器に供給される分だけ、低温側冷凍回路内の冷媒圧力の上昇量を軽減することができる。これにより、低温側冷凍回路の圧縮機に掛かる負担を充分に軽減して圧縮機が破損する事態や、圧縮機の破損を回避するために低温側冷凍回路を緊急停止させる事態を好適に回避することができる。また、熱媒液の温度を極低温まで低下させるのに要する時間を充分に短縮することができると共に、熱媒液を目標温度まで低下させるのに要するエネルギー量も少量化することができる。
また、熱媒液の温度が高温のときに低温側冷凍回路による熱媒液の冷却を実行しないことにより、低温側冷凍回路の圧縮機が破損する事態や、圧縮機の破損を回避するために低温側冷凍回路を緊急停止させる事態を確実に回避することができるだけでなく、熱媒液の温度が高温のときに第1の処理を実行して高温の熱媒液の冷却効率が高い高温側冷凍回路(第3の蒸発器)によって熱媒液を冷却することで高温の熱媒液を短時間で温度低下させ、低温側冷凍回路によって好適に冷却可能な温度まで熱媒液の温度が低下したときに第2の処理を実行して低温側冷凍回路(第2の蒸発器)によって熱媒液を冷却することで熱媒液を目標温度まで冷却することができるため、高温の熱媒液を目標温度まで短時間で確実に冷却することができる。
請求項記載の冷却装置では、制御部が、第1の位置に配設された第1の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した熱媒液の温度が予め規定された温度以上になっているときに第1の条件が満たされているとして第1の処理を実行すると共に、第1の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した熱媒液の温度が予め規定された温度を下回っているときに第2の条件が満たされているとして第2の処理を実行する。
したがって、請求項記載の冷却装置によれば、例えば、第1の位置とは異なる位置の熱媒液の温度を監視して第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度以上であるか、予め規定された温度を下回っているかを演算し、演算した温度に基づいて第1の条件や第2の条件が満たされているかを判別して第1の処理および第2の処理のいずれかを実行する構成の冷却装置とは異なり、第1の温度センサからのセンサ信号によって特定した熱媒液の温度に基づいて第1の条件や第2の条件を満たしているか否かを直接的に判別することができるため、煩雑な演算処理を実行することなく、第1の処理および第2の処理のいずれかを的確に実行して熱媒液を効率良く冷却することができる。
請求項記載の冷却装置によれば、第1の処理において、第3の蒸発器への冷媒供給量を調整して第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることにより、第1の処理の開始直後から第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を極低温とする構成の冷却装置とは異なり、第1の処理の開始時点からの経過時間が短く、熱媒液の温度が高いときには、高温の熱媒液との熱交換が可能な充分な量の冷媒を第3の蒸発器に供給して高温の熱媒液を充分に冷却することができ、また、第1の処理を継続することで熱媒液の温度が徐々に低下するほど第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることで熱媒液の温度を極低温まで充分に冷却することができる。
請求項記載の冷却装置によれば、第1の処理において、第2の位置に配設された第2の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した熱媒液の温度の低下に応じて第3の蒸発器への冷媒供給量を調整して第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることにより、例えば、第1の処理の開始時点からの経過時間に応じて第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる構成とは異なり、第3の蒸発器において冷却する熱媒液の温度の低下に応じて冷媒蒸発温度を徐々に低下させることで、冷媒蒸発温度を過剰に低下させて第3の蒸発器における熱媒液の冷却効率を低下させる事態や、冷媒蒸発温度が高過ぎて第3の蒸発器において熱媒液を充分に冷却することが困難となる事態を招くことなく、冷却すべき熱媒液の温度に適した冷媒蒸発温度でこれを冷却することができるため、第1の処理において一層短時間で、かつ一層確実に熱媒液を冷却することができる。
請求項記載の冷却装置によれば、冷却対象としての水素ガス冷却用熱交換器に熱媒液を供給可能に熱媒液配管を接続したことにより、極低温まで冷却する必要がある水素ガスを冷却するための水素ガス冷却用熱交換器に対して、充分に冷却した熱媒液を確実に供給することができる。
本発明の実施の形態に係る水素ガス冷却装置1の構成を示す構成図である。
以下、添付図面を参照して、冷却装置の実施の形態について説明する。
最初に、水素ガス冷却装置1の構成について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す水素ガス冷却装置(水素ガス冷却用チラー)1は、「冷却装置」の一例であって、冷凍ユニット2、水素ガス冷却用熱交換器3、ブラインタンク4、ブライン配管5、液送ポンプ6および制御部7を備え、水素ガス冷却用熱交換器3において水素ガスを冷却することができるように構成されている。
なお、同図では、水素ガス冷却装置1とガスステーション側設備Xとの関係に関する理解を容易とするために、ガスステーション側設備Xについては、水素ガスを貯留しておくためのガスタンク(貯留タンク)Xa、図示しない水素燃料電池車などの自動車などに設けられている給気口に接続可能なディスペンサーXb、およびガスタンクXaとディスペンサーXbとを相互に接続するガス配管Xcだけを図示すると共に、ガス配管Xcに配設された流量調整弁、流量計および遮断弁などの図示を省略している。
一方、冷凍ユニット2は、高温側冷凍回路10および低温側冷凍回路20からなる「二元冷凍回路」を備えてブライン(熱媒液)を冷却可能に構成されている。また、高温側冷凍回路10は、圧縮機11、凝縮器12、電磁弁13a、電子膨張弁13b、蒸発器14、電磁弁15a、電子膨張弁15bおよび蒸発器16を備えて構成されている。この場合、凝縮器12には、制御部7の制御に従って凝縮器12を冷却する凝縮器ファン(図示せず)が取り付けられ、蒸発器14における冷媒の入口には、冷媒温度を検出してセンサ信号S14aを出力する温度センサ14aが取り付けられている。さらに、低温側冷凍回路20は、圧縮機21、凝縮器22、電子膨張弁23および蒸発器24を備えて構成されている。なお、水素ガス冷却装置1(冷凍ユニット2)の構成についての理解を容易とするために、高温側冷凍回路10や低温側冷凍回路20における上記の各構成要素以外の構成要素に関する図示および説明を省略する。
この場合、本例の冷凍ユニット2では、高温側冷凍回路10の蒸発器14が「第1の蒸発器」に相当し、「低温側冷凍回路の凝縮器」に相当する凝縮器22を冷却する。また、本例の冷凍ユニット2では、低温側冷凍回路20の蒸発器24が「第2の蒸発器」に相当し、後述するようにブライン配管5を介して供給されるブラインを冷却する。さらに、本例の冷凍ユニット2では、高温側冷凍回路10の蒸発器16が「第3の蒸発器」に相当し、後述するようにブライン配管5を介して供給されるブライン(熱媒液)を冷却する。なお、本例の冷凍ユニット2では、一例として、カスケードコンデンサ30によって上記の蒸発器14および凝縮器22が一体的に構成され、これにより、後述するように蒸発器14によって凝縮器22を冷却する構成が採用されている。
また、本例の冷凍ユニット2では、電磁弁13a,15aおよび電子膨張弁13b,15bによって「冷媒供給量調整弁」が構成されている。具体的には、本例の冷凍ユニット2では、電磁弁13aの開閉状態、および電子膨張弁13bの開度を変更することで蒸発器14への冷媒の供給量が調整され、電磁弁15aの開閉状態、および電子膨張弁15bの開度を変更することで蒸発器16への冷媒の供給量が調整される構成が採用されている。なお、本例の冷凍ユニット2における電子膨張弁13b,15bを全閉状態に移行させたときに冷媒の通過を完全に遮断することができる場合には、電磁弁13a,15aを不要とすることもできる。また、電子膨張弁13b,15bに代えて、「冷凍回路」における「膨張弁」としてキャピラリーチューブを配設することもできるが、その場合には、キャピラリーチューブよりも上流側に電磁弁13a,15aと同様の「開閉弁」を設けて蒸発器14,16への冷媒の供給量を調整可能に構成するのが好ましい(図示せず)。
水素ガス冷却用熱交換器3は、「冷却対象としての水素ガス冷却用熱交換器」の一例であって、ガスステーション側設備XにおけるガスタンクXaおよびディスペンサーXbの間(ガス配管Xc)に配設されている。この水素ガス冷却用熱交換器3は、冷凍ユニット2によって冷却されてブライン配管5を介して供給されるブラインと、ガス配管Xcを介してガスタンクXaから供給される水素ガスとの間で熱交換させることにより、ディスペンサーXbから自動車などに充填される直前の水素ガスを予め規定された温度(一例として、−33℃〜−40℃の温度範囲内の温度)まで冷却する。なお、本例の水素ガス冷却装置1では、「冷却対象」の一例である水素ガス冷却用熱交換器3を一体的に備えて構成されているが、水素ガス冷却装置1の構成から水素ガス冷却用熱交換器3を除外して、外部機器で構成された「冷却対象(水素ガス冷却用熱交換器等)」にブラインを供給する構成を採用することもできる。
ブラインタンク4は、水素ガス冷却用熱交換器3から回収したブラインを貯液して冷凍ユニット2に供給するための貯液槽であって、水素ガス冷却用熱交換器3におけるブラインの流出口と、冷凍ユニット2におけるブラインの導入口との間に配設されている。この場合、本例の水素ガス冷却装置1では、ブラインタンク4内を「熱媒液循環路内の予め規定された第1の位置」および「熱媒液循環路内の予め規定された第2の位置」として、このブラインタンク4内のブラインの温度を検出可能な温度センサ4a(「第1の温度センサ」および「第2の温度センサ」の一例)がブラインタンク4内に配設されている(「第1の位置」および「第2の位置」が同じ位置の構成の例)。
ブライン配管5は、「熱媒液循環路を構成する熱媒液配管」の一例であって、ブラインタンク4と冷凍ユニット2の蒸発器16とを相互に接続する配管5a、冷凍ユニット2の蒸発器16,24を相互に接続する配管5b(「熱媒液が第3の蒸発器および第2の蒸発器をこの順で通過するように両蒸発器を相互に接続している」との構成の一例)、冷凍ユニット2の蒸発器24と水素ガス冷却用熱交換器3とを相互に接続する配管5c、および水素ガス冷却用熱交換器3とブラインタンク4とを相互に接続する配管5dを備えて、ブラインタンク4、冷凍ユニット2および水素ガス冷却用熱交換器3の間でブラインを循環させることができるように構成されている。
また、本例の水素ガス冷却装置1では、上記の配管5cおよび配管5dを連結する配管5e(バイパス配管)を備えると共に、この配管5eに制御弁V(一例として、開度を変更可能に構成された流量調整弁)が配設されている。これにより、本例の水素ガス冷却装置1では、制御弁Vの開度を充分に小さくする(例えば、閉塞状態に移行させる)ことで冷凍ユニット2から配管5cを介して水素ガス冷却用熱交換器3にブラインが供給されて水素ガス冷却用熱交換器3から配管5dを介してブラインタンク4にブラインが回収されると共に、制御弁Vの開度を充分に大きくする(例えば、開口状態に移行させる)ことで冷凍ユニット2からのブラインの大半が水素ガス冷却用熱交換器3に供給されることなく配管5eを介して配管5cから配管5dに流入してブラインタンク4に回収させることが可能となっている。
液送ポンプ6は、ブライン配管5における上記の配管5aに配設されて、ブラインタンク4から冷凍ユニット2にブラインを液送(圧送)する。この場合、本例の水素ガス冷却装置1では、上記したようにブライン配管5の各配管5a〜5eによって形成される「ブライン循環路(熱媒液循環路)」が閉鎖流路のため、液送ポンプ6によってブラインタンク4から冷凍ユニット2にブラインを液送する圧力によって冷凍ユニット2から水素ガス冷却用熱交換器3(または、ブラインタンク4)にブラインが圧送される(供給される)と共に水素ガス冷却用熱交換器3からブラインタンク4にブラインが圧送される(回収される)。
制御部7は、「制御部」の一例であって、水素ガス冷却装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部7は、冷凍ユニット2における圧縮機11,21、電磁弁13a,15aおよび電子膨張弁13b,15bを制御して高温側冷凍回路10の冷凍能力や低温側冷凍回路20の冷凍能力を変化させる(制御する)。また、制御部7は、液送ポンプ6を制御してブラインタンク4から冷凍ユニット2にブラインを液送させる。さらに、制御部7は、制御弁Vを制御して開度を変化させることで、冷凍ユニット2から水素ガス冷却用熱交換器3へのブラインの供給量を変化させる(制御する)。
この水素ガス冷却装置1では、例えば、ガスステーション側設備Xおよび水素ガス冷却装置1が設置されているガスステーションの開店に先立って水素ガス冷却装置1が起動されたときに、制御部7が、冷凍ユニット2を制御してブラインの冷却処理を開始させると共に、液送ポンプ6を制御してブラインタンク4から冷凍ユニット2へのブラインの液送を開始させる。これに応じて、高温側冷凍回路10の圧縮機11および低温側冷凍回路20の圧縮機21による冷媒の圧縮処理を開始されると共に、ブラインタンク4から配管5aを介して冷凍ユニット2にブラインが供給される。
この場合、水素ガス冷却装置1を停止させてからある程度の時間が経過していたときには、ブラインタンク4内やブライン配管5内のブラインの温度が、水素ガスの冷却に適した温度よりも高温(一例として、外気温と同程度の25℃程度)となっている。このような高温のブラインを冷凍ユニット2における低温側冷凍回路20の蒸発器24によって冷却しようとしたとき(高温のブラインが液送されている状態において低温側冷凍回路20を動作させたとき)には、前述したように、蒸発器24内における冷媒の気化量が増加して低温側冷凍回路20内の冷媒圧力が過剰に高くなり、圧縮機21に大きな負担が掛かるだけでなく、高温のブラインを短時間で温度低下させるのが困難であることに起因して、水素ガスを好適に冷却し得る状態になるまでに長時間を要することとなる。したがって、本例の水素ガス冷却装置1では、制御部7がブラインタンク4に設置されている温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいてブラインタンク4内のブラインの温度を特定し、特定した温度に応じて冷凍ユニット2の動作状態を変更する構成が採用されている。
具体的には、制御部7は、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定したブラインタンク4内のブラインの温度(「第1の位置における熱媒液の温度」の一例)が、一例として、−33℃以上になっているとの条件(「第1の条件」の一例)が満たされているときに、低温側冷凍回路20(蒸発器24)によるブラインの冷却を行うことなく、高温側冷凍回路10(蒸発器16)によってブラインを冷却する「第1の処理」を実行する。また、制御部7は、センサ信号S4aに基づいて特定したブラインタンク4内のブラインの温度が、−33℃を下回っているとの条件(「第2の条件」の一例)が満たされているときに、電磁弁13a,15aおよび電子膨張弁13b,15bを制御して蒸発器14への冷媒の供給量を上記の「第1の処理」の実行時よりも増加させて蒸発器14によって低温側冷凍回路20の凝縮器22を冷却しつつ低温側冷凍回路20(蒸発器24)によってブラインを冷却する「第2の処理」を実行する。
この際に、長時間に亘る停止状態の後の起動直後であることに起因してブラインの温度が25℃程度となっている本例では、制御部7が「第1の処理」を実行する。具体的には、制御部7は、まず、制御弁Vの開度を充分に小さくする。この際には、ブラインタンク4、冷凍ユニット2および水素ガス冷却用熱交換器3をこの順で循環する循環路が形成され、液送ポンプ6によってブラインタンク4から配管5aを介して冷凍ユニット2に供給されたブラインが、配管5cを介して水素ガス冷却用熱交換器3に供給された後に、配管5dを介してブラインタンク4内に回収される。
また、制御部7は、電子膨張弁23を制御して開度を低下させることで蒸発器24への冷媒の吐出量を減少させる。これにより、低温側冷凍回路20によるブラインの冷却が実質的に停止した状態となり、配管5a,5bを介して蒸発器24に高温のブラインが供給されても、蒸発器24内における冷媒の気化量が過剰に増加する事態(低温側冷凍回路20内の冷媒圧力が過剰に高くなる事態)が回避される。さらに、制御部7は、電磁弁13aを制御して凝縮器12から電子膨張弁13b(蒸発器14)への冷媒の通過を遮断させると共に、電磁弁15aを制御して凝縮器12から電子膨張弁15b(蒸発器16)への冷媒の通過を許容させる。これにより、凝縮器12において凝縮された冷媒が電子膨張弁15bを介して蒸発器16に供給される結果、配管5aを介して蒸発器16に供給されるブラインが蒸発器16において好適に冷却される。
また、蒸発器16において冷却されたブラインは、配管5bを介して蒸発器24に供給されるものの、電子膨張弁23の開度が低下させられて蒸発器24への冷媒吐出量が減少させられているため、蒸発器24によって殆ど冷却されることなく、配管5c、水素ガス冷却用熱交換器3および配管5dを介してブラインタンク4内に回収される。さらに、ブラインタンク4内に回収されたブラインは、液送ポンプ6によって再び冷凍ユニット2に供給される。また、制御部7は、センサ信号S4aに基づいて特定したブラインタンク4内のブラインの温度が−33℃を下回るまで(「第1の条件」が満たされている間)、上記の「第1の処理」を継続して実行する。これにより、ブラインタンク4および冷凍ユニット2の間で循環させられているブラインの温度が徐々に低下する。
この場合、本例の水素ガス冷却装置1では、後述するように、ブラインタンク4内のブラインの温度が−55℃程度となるようにこれを冷却すると共に、上記したように、ブラインタンク4内のブラインの温度が−33℃を下回るまで「第1の処理」を継続して実行する構成が採用されている。この際に、「第1の処理」の開始直後においてブラインの温度が充分に低下していない状態で、蒸発器16における冷媒蒸発温度を−33℃よりも低温とするために電子膨張弁13bの開度を低下させたときには、配管5aを介して蒸発器16に供給される高温のブラインとの熱交換が可能な蒸発器16内の冷媒の量が少量であることに起因して、高温のブラインを好適に冷却するのが困難となる。このため、高温のブラインを−33℃まで冷却するのに要する時間が長くなるだけでなく、冷凍ユニット2や液送ポンプ6によってエネルギーが浪費される。
したがって、本例の水素ガス冷却装置1では、「第1の処理」において、ブラインの温度が高い状態においては、蒸発器16における冷媒蒸発温度を過剰に低くすることなく、充分な量の冷媒を蒸発器16に供給して高温のブラインを好適に冷却すると共に、ブラインの温度低下に応じて蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることで、ブラインを充分に低い温度まで冷却する構成が採用されている。
具体的には、制御部7は、「第1の処理」において温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいてブラインタンク4内のブラインの温度(すなわち、配管5aを介して蒸発器16に供給されるブラインの温度)を特定すると共に、温度センサ14aからのセンサ信号S14aに基づいて蒸発器14における冷媒の入口の冷媒温度を特定する処理を繰り返し実行する。また、制御部7は、センサ信号S4aに基づいて特定したブラインの温度と、センサ信号S14aに基づいて特定した冷媒の温度とが、予め規定された範囲内の温度差となるように(一例として、ブラインの温度に対して冷媒の温度が5℃から10℃の範囲内で低温となるように)電子膨張弁13bの開度を調整して蒸発器16への冷媒供給量を調整する。
この場合、例えば、ブラインの温度が25℃程度のときには、冷媒の温度が20℃〜15℃の範囲内の温度となるように電子膨張弁13bがある程度大きく開口されて25℃のブラインと熱交換可能な充分な量の冷媒が蒸発器16内に吐出されて、ブラインが冷却される(冷媒蒸発温度がある程度高い温度の状態)。また、蒸発器16おける冷却に伴ってブラインの温度が例えば20℃程度まで温度低下したときには、冷媒の温度が15℃〜10℃の範囲内の温度となるように電子膨張弁13bの開度が低下させられて電子膨張弁13bから蒸発器14の冷媒出口までの間の圧力が低下する結果、冷媒蒸発温度が低下して、20℃のブラインをさらに冷却することが可能な状態となる。このように、蒸発器16に供給されるブラインの温度に応じて蒸発器16への冷媒の供給量(本例では、電子膨張弁13bの開度)を調整して蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることにより、ブラインの温度を比較的短時間で目標温度に近付けることが可能となる。
一方、上記の「第1の処理」を継続することで、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定されるブラインタンク4内のブラインの温度が−33℃を下回ったときに、制御部7は、「第2の条件」が満たされたとして「第2の処理」を実行する。具体的には、制御部7は、制御弁Vの開度を小さくした状態を維持しつつ、電磁弁15aを制御して凝縮器12から電子膨張弁15b(蒸発器16)への冷媒の通過を遮断させると共に、電磁弁13aを制御して凝縮器12から電子膨張弁13b(蒸発器14)への冷媒の通過を許容させる。これにより、凝縮器12において凝縮された冷媒が電子膨張弁13bを介して蒸発器14に供給される結果、蒸発器14と一体化されている凝縮器22が蒸発器14によって好適に冷却され、低温側冷凍回路20(蒸発器24)においてブラインを冷却するのに必要とされる充分な量の冷媒が凝縮器22において凝縮される。
また、制御部7は、電子膨張弁23を制御して開度を増加させることで蒸発器24への冷媒の吐出量を増加させる。これにより、ブラインタンク4から配管5a、蒸発器16および配管5bを介して蒸発器24に供給されるブラインが蒸発器24内の冷媒と熱交換させられて充分に冷却され、配管5c、水素ガス冷却用熱交換器3および配管5dを介してブラインタンク4内に回収される。この場合、本例の水素ガス冷却装置1では、低温側冷凍回路20の蒸発器24によってブラインを冷却する「第2の処理」に先立って高温側冷凍回路10の蒸発器16によってブラインを冷却する「第1の処理」が実行されて、「第2の処理」に際して蒸発器24に供給されるブラインの温度が−33℃を下回る充分に低い温度となっている。したがって、蒸発器24内における冷媒の気化量が過剰に高くなって低温側冷凍回路20内の冷媒圧力が過剰に高くなる事態を招くことなく、ブラインを好適に冷却することが可能となる。
また、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定されるブラインタンク4内のブラインの温度が−40℃まで低下した時点において、制御部9は、制御弁Vの開度を充分に大きくする。この際には、ブラインタンク4および冷凍ユニット2の間でブラインが循環する循環路が形成され、液送ポンプ6によってブラインタンク4から配管5aを介して冷凍ユニット2に供給されて配管5cに流れ込んだブラインの大半が、水素ガス冷却用熱交換器3に供給されることなく配管5eを介して配管5dに流入してブラインタンク4内に回収される状態となる。この後、「第2の処理」を継続して実行することにより、ブラインタンク4内のブラインの温度が−55℃程度となるようにブラインが充分に冷却された状態となる。
なお、「第2の処理」における高温側冷凍回路10の制御に関しては、「第3の蒸発器」に相当する蒸発器16への冷媒の供給を停止すると共に「第1の蒸発器」に相当する蒸発器14への冷媒の供給を開始することにより、蒸発器16によってブラインを冷却することなく蒸発器14によって凝縮器22を冷却する上記の制御方法だけでなく、「第2の処理」を開始してからの経過時間が短いとき(高温側冷凍回路10の冷却可能温度の下限よりもブラインの温度が高いとき:一例として、ブライン温度が−40℃以上のとき)には、蒸発器16への冷媒の供給量を減少させると共に蒸発器14への冷媒の供給を開始することにより、蒸発器16によるブラインの冷却を継続しつつ蒸発器14によって凝縮器22を冷却する方法を採用することもできる。
さらに、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定されるブラインタンク4内のブラインの温度が−55℃になったときに、制御部7は、ブラインの温度が−55℃になったと特定した時点から予め規定された時間(数十秒から数百秒:一例として、300秒)が経過した時点において、センサ信号S4aに基づいて特定されるブラインタンク4内のブラインの温度が−55℃を下回る温度を維持しているか否かを判別する。この際に、−55℃を下回る温度を維持しているときには、液送ポンプ6を停止させると共に、冷凍ユニット2を停止させて上記の「第2の処理」を終了させる。これにより、液送ポンプ6や冷凍ユニット2を不要に動作させることに起因するエネルギーの浪費が回避される。
この場合、水素ガス冷却装置1における各構成要素は、外気の熱や地熱によるブラインの温度上昇を回避するために断熱材で覆われているものの、液送ポンプ6や冷凍ユニット2を停止させた状態では、ブラインタンク4内やブライン配管5内のブラインの温度が徐々に上昇する。したがって、制御部7は、冷凍ユニット2や液送ポンプ6を停止させた後にも温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づくブラインタンク4内のブラインの温度を監視し、センサ信号S4aに基づいて特定される温度が予め規定された温度(一例として、−52℃)以上まで温度上昇したときに、液送ポンプ6によるブラインの液送、および冷凍ユニット2によるブラインの冷却を再開する。
この場合、制御部7は、停止状態の冷凍ユニット2を再稼働させるときに、ブラインタンク4内のブライン温度に拘わらず、低温側冷凍回路20(蒸発器24)によるブラインの冷却を行うことなく高温側冷凍回路10(蒸発器16)によってブラインを冷却する「第1の処理」を実行する。また、制御部7は、「第1の処理」を開始してから予め規定された時間(一例として、300秒)が経過した時点において、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいてブラインタンク4内のブラインの温度を特定し、特定した温度が−33℃を下回っているときには、「第2の条件」が満たされていると判別して、上記の「第2の処理」を実行する。これにより、ブラインタンク4内のブラインの温度が−55℃となるように水素ガス冷却装置1内のすべてのブラインが再び冷却された状態となり、後述するように水素ガス冷却用熱交換器3において水素ガスを充分に冷却可能な極低温のブライン(−55℃から−52℃の範囲内のブライン)がブラインタンク4に貯液された状態が維持される。
一方、ガスステーションにおいて水素燃料電池車などの自動車に水素ガスを充填する際には、一例として、ガスステーション側設備Xから水素ガス冷却装置1の制御部7に給気開始信号が出力され、これに伴い、制御部7が、水素ガス冷却用熱交換器3における水素ガスの冷却処理を開始する。この際に、制御部7は、まず、液送ポンプ6が停止状態のときには、液送ポンプ6を制御してブラインの液送を開始させる。また、制御部7は、水素ガス冷却用熱交換器3内のブラインの温度が−33℃〜−40℃の範囲内の温度となるように制御弁Vの開度を調整して水素ガス冷却用熱交換器3へのブラインの供給量を調整する。これにより、ブラインタンク4から冷凍ユニット2および配管5cを介して水素ガス冷却用熱交換器3に必要充分な量のブラインが供給される。
また、ガスステーション側設備Xにおいては、ガスタンクXaからディスペンサーXbにガス配管Xcを介して水素ガスが供給されてディスペンサーXbから自動車の燃料タンク(ガスタンク:車両側タンク)内に充填される。この際に、水素ガスが水素ガス冷却用熱交換器3を通過させられる際に水素ガス冷却用熱交換器3内の−33℃〜−40℃の範囲内のブラインと熱交換させられて冷却されるため、充分に温度低下した水素ガス(−33℃〜−40℃の水素ガス)が車両側タンク内に充填される結果、その充填効率を充分に向上させることが可能となる。
また、水素ガス冷却用熱交換器3において水素ガスを冷却することで温度上昇したブラインは、配管5dを介してブラインタンク4に回収される。このため、水素ガスの冷却時には、温度上昇したブラインが流入することでブラインタンク4内のブラインの温度が上昇する。したがって、水素ガスの冷却を開始した時点において冷凍ユニット2を停止させていたときには、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定されるブラインタンク4内のブラインの温度が−52℃以上となったときに、制御部7が、停止状態の冷凍ユニット2の動作を動作させて上記の「第1の処理」を実行する。
また、制御部7は、「第1の処理」を開始してから予め規定された時間(本例では、300秒)が経過した時点において、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいてブラインタンク4内のブラインの温度を特定する。この際に、制御部7は、後述するように、特定した温度が−33℃以上のときには、「第1の処理」を継続して実行し、その後に予め規定された時間(300秒)が経過した時点において、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいてブラインタンク4内のブラインの温度を再び特定する。また、特定した温度が−33℃を下回っているときには、「第2の条件」が満たされていると判別して、上記の「第2の処理」を実行する。これにより、冷凍ユニット2によって冷却されたブラインが配管5cを介して水素ガス冷却用熱交換器3に供給される結果、水素ガスが充分に冷却される。
また、自動車(車両側タンク)への水素ガスの充填が完了したときには、ガスステーション側設備Xから水素ガス冷却装置1の制御部7に給気終了信号が出力され、これに伴い、制御部7が、水素ガス冷却用熱交換器3における水素ガスの冷却処理を終了する。この際に、制御部7は、制御弁Vの開度を大きくする。これにより、ブラインタンク4と冷凍ユニット2との間でブラインを循環させる循環路が形成されて、水素ガスの冷却によって温度上昇したブラインタンク4内のブラインが、冷凍ユニット2によって−55℃〜−52℃の範囲内まで充分に冷却される。
なお、水素ガスを充填した車両側タンクの容量が大きいときや、複数台の車両に対して水素ガスの充填を連続して実行したときには、水素ガス冷却用熱交換器3において大量の水素ガスを冷却したことで高温のブラインがブラインタンク4に大量に流入することに起因してブラインタンク4内のブラインの温度が−33℃以上となることがある。この際に、制御部7は、前述した「第1の条件」が満たされたとして、前述した「第1の処理」を実行する。これにより、−33℃よりも高い温度まで温度上昇してしまったブラインタンク4内のブラインを短時間で−33℃まで冷却することができ、その後に、ブラインタンク4内のブラインの温度が−33℃を下回ったとき(「第2の条件」が満たされたとき)に「第2の処理」を実行することで、ブラインタンク4内にブラインを−55℃まで充分に冷却することができる。
このように、この水素ガス冷却装置1では、低温側冷凍回路20の凝縮器22を冷却するための蒸発器14に加え、ブラインを冷却可能な蒸発器16と、蒸発器14,16への冷媒の供給量を調整する電磁弁13a,15aおよび電子膨張弁13b,15bとを備えて高温側冷凍回路10が構成されると共に、ブラインが高温側冷凍回路10における蒸発器16および低温側冷凍回路20における蒸発器24をこの順で通過するようにブライン配管5(配管5b)によって両蒸発器16,24を相互に接続されている。
したがって、この水素ガス冷却装置1によれば、蒸発器24によってブラインを冷却する際に、蒸発器24に対してブライン循環路の上流側に配設されている蒸発器16によってブラインを冷却することにより、「冷凍ユニット」に供給されるブラインを「低温側冷凍回路」の「第2の蒸発器」によって直接冷却する構成と比較して、高温のブラインを冷凍ユニット2によって冷却する際に蒸発器16によって冷却されて温度低下したブラインがブライン配管5(配管5b)を介して蒸発器24に供給される分だけ、低温側冷凍回路20内の冷媒圧力の上昇量を軽減することができる。これにより、圧縮機21に掛かる負担を充分に軽減して圧縮機21が破損する事態や、圧縮機21の破損を回避するために低温側冷凍回路20を緊急停止させる事態を好適に回避することができる。また、ブラインの温度を極低温まで低下させるのに要する時間を充分に短縮することができると共に、ブラインを目標温度まで低下させるのに要するエネルギー量も少量化することができる。
また、この水素ガス冷却装置1では、制御部7が、予め規定された「第1の位置(本例では、ブラインタンク4内)」におけるブラインの温度が予め規定された温度以上になっているとの「第1の条件」が満たされているときに、蒸発器24によるブラインの冷却を行うことなく蒸発器16によってブラインを冷却する「第1の処理」を実行すると共に、予め規定された「第1の位置」におけるブラインの温度が予め規定された温度を下回っているとの「第2の条件」が満たされているときに、電磁弁13a,15aおよび電子膨張弁13b,15bを制御して蒸発器14への冷媒の供給量を「第1の処理」の実行時よりも増加させて蒸発器14によって凝縮器22を冷却しつつ蒸発器24によってブラインを冷却する「第2の処理」を実行する。
したがって、この水素ガス冷却装置1によれば、ブラインの温度が高温のときに低温側冷凍回路20によるブラインの冷却を実行しないことにより、圧縮機21が破損する事態や、圧縮機21の破損を回避するために低温側冷凍回路20を緊急停止させる事態を確実に回避することができるだけでなく、ブラインの温度が高温のときに「第1の処理」を実行して高温のブラインの冷却効率が高い高温側冷凍回路10(蒸発器16)によってブラインを冷却することで高温のブラインを短時間で温度低下させ、低温側冷凍回路20によって好適に冷却可能な温度までブラインの温度が低下したときに「第2の処理」を実行して低温側冷凍回路20(蒸発器24)によってブラインを冷却することでブラインを目標温度まで冷却することができるため、高温のブラインを目標温度まで短時間で確実に冷却することができる。
さらに、この水素ガス冷却装置1では、制御部7が、「第1の位置」に配設された温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定したブラインの温度が予め規定された温度以上になっているときに「第1の条件」が満たされているとして「第1の処理」を実行すると共に、温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定したブラインの温度が予め規定された温度を下回っているときに「第2の条件」が満たされているとして「第2の処理」を実行する。
したがって、この水素ガス冷却装置1によれば、例えば、「第1の位置」とは異なる位置のブラインの温度を監視して「第1の位置」におけるブラインの温度が予め規定された温度以上であるか、予め規定された温度を下回っているかを演算し、演算した温度に基づいて「第1の条件」や「第2の条件」が満たされているかを判別して「第1の処理」および「第2の処理」のいずれかを実行する構成の「冷却装置」とは異なり、温度センサ4aからのセンサ信号S4aによって特定したブラインの温度に基づいて「第1の条件」や「第2の条件」を満たしているか否かを直接的に判別することができるため、煩雑な演算処理を実行することなく、「第1の処理」および「第2の処理」のいずれかを的確に実行してブラインを効率良く冷却することができる。
また、この水素ガス冷却装置1によれば、「第1の処理」において、蒸発器16への冷媒供給量を調整して蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることにより、「第1の処理」の開始直後から「第3の蒸発器」における冷媒蒸発温度を極低温とする構成の「冷却装置」とは異なり、「第1の処理」の開始時点からの経過時間が短く、ブラインの温度が高いときには、高温のブラインとの熱交換が可能な充分な量の冷媒を蒸発器16に供給して高温のブラインを充分に冷却することができ、また、「第1の処理」を継続することでブラインの温度が徐々に低下するほど蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることでブラインの温度を極低温まで充分に冷却することができる。
さらに、この水素ガス冷却装置1によれば、「第1の処理」において、「第2の位置(本例では、ブラインタンク4内)」に配設された温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定したブラインの温度の低下に応じて蒸発器16への冷媒供給量を調整して蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させることにより、例えば、「第1の処理」の開始時点からの経過時間に応じて蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる構成とは異なり、蒸発器16において冷却するブラインの温度の低下に応じて冷媒蒸発温度を徐々に低下させることで、冷媒蒸発温度を過剰に低下させて蒸発器16におけるブラインの冷却効率を低下させる事態や、冷媒蒸発温度が高過ぎて蒸発器16においてブラインを充分に冷却することが困難となる事態を招くことなく、冷却すべきブラインの温度に適した冷媒蒸発温度でこれを冷却することができるため、「第1の処理」において一層短時間で、かつ一層確実にブラインを冷却することができる。
また、この水素ガス冷却装置1によれば、「冷却対象」としての水素ガス冷却用熱交換器3にブラインを供給可能にブライン配管5を接続したことにより、極低温まで冷却する必要がある水素ガスを冷却するための水素ガス冷却用熱交換器3に対して、充分に冷却したブラインを確実に供給することができる。
なお、「冷却装置」の構成は、上記の水素ガス冷却装置1の構成に限定されない。例えば、上記の水素ガス冷却装置1では、冷凍ユニット2によって冷却するブラインの温度が高いとき(ブラインタンク4内のブラインの温度が−33℃以上のとき)に、低温側冷凍回路20によってブラインを冷却することなく高温側冷凍回路10の蒸発器16によってブラインを冷却する構成が採用されているが、このような構成に代えて、ブラインの温度が高いときにも、高温側冷凍回路10(蒸発器16)および低温側冷凍回路20(蒸発器24)の双方によってブラインを冷却する構成を採用することができる。
このような構成の「冷却装置」においても、冷凍ユニット2に供給されるブラインが蒸発器16,24をこの順で通過するようにブライン配管5を接続することにより、「冷凍ユニット」に供給されるブラインを「低温側冷凍回路」の「第2の蒸発器」によって直接冷却する構成と比較して、高温のブラインを冷凍ユニット2によって冷却する際に蒸発器16によって冷却されて温度低下したブラインがブライン配管5(配管5b)を介して蒸発器24に供給される分だけ、低温側冷凍回路20内の冷媒圧力の上昇量を軽減することができる。これにより、圧縮機21に掛かる負担を充分に軽減して圧縮機21が破損する事態や、圧縮機21の破損を回避するために低温側冷凍回路20を緊急停止させる事態を好適に回避することができる。また、ブラインの温度を極低温まで低下させるのに要する時間を充分に短縮することができると共に、ブラインを目標温度まで低下させるのに要するエネルギー量も少量化することができる。
また、ブラインタンク4内を「熱媒液循環路内の予め規定された第1の位置」および「熱媒液循環路内の予め規定された第2の位置」としてブラインタンク4内のブラインの温度を特定する構成を例に挙げて説明したが、「第1の位置」や「第2の位置」は、この例に限定されず、例えば、ブライン配管5における配管5a内、ブライン配管5における配管5d内(配管5eの接続部よりもブラインタンク4側)を「第1の位置」や「第2の位置」とすることもできる。さらに、ブライン配管5内の任意の位置のブラインの温度に基づいて「第1の位置」や「第2の位置」のブラインの温度を特定する(演算する)構成を採用することもできる。
また、ガスステーション側設備Xからの給気開始信号の出力に連動して水素ガスの冷却処理を開始し、給気終了信号の出力に連動して水素ガスの冷却処理を終了する構成を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、例えば、水素ガス冷却用熱交換器3から流出するブラインの温度を監視すると共に、水素ガスの充填開始に伴って水素ガス冷却用熱交換器3から流出するブラインの温度が規定温度以上になったときに水素ガスの冷却処理を開始し、水素ガスの充填終了に伴って水素ガス冷却用熱交換器3から流出するブラインの温度が規定温度を下回ったときに水素ガスの冷却処理を終了する構成を採用することができる。
さらに、「第1の処理」において蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させるために電子膨張弁15bの開度を調整することで蒸発器16への冷媒供給量を調整する構成を例に挙げて説明したが、一例として、電子膨張弁15bに代えてキャピラリーチューブを配設すると共に、圧縮機11として回転数可変型の圧縮機を配設し、「第1の処理」において蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させるために圧縮機の回転速度を調整することで蒸発器16への冷媒供給量を調整する構成を採用することもできる。また、電子膨張弁15bの開度の調整、および回転数可変型の圧縮機の回転速度の調整の双方を組み合わせて実行することで蒸発器16への冷媒供給量を調整して冷媒蒸発温度を低下させる構成を採用することもできる。
また、「第1の処理」において温度センサ4aからのセンサ信号S4aに基づいて特定したブラインの温度の低下に応じて蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる構成を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、「第1の処理」の開始時点からの経過時間に応じて蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる構成や、蒸発器16における冷媒入口の冷媒温度と冷媒出口の冷媒温度との温度差に応じて蒸発器16における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる構成を採用することもできる。
さらに、上記の水素ガス冷却装置1におけるブラインタンク4に代えて、冷凍ユニット2の蒸発器24を通過させたブラインを貯液可能なブラインタンク(図示せず)を設け、そのブラインタンクから水素ガス冷却用熱交換器3にブラインを供給すると共に、水素ガス冷却用熱交換器3から回収したブラインを冷凍ユニット2に直接供給して冷却する構成を採用することもできる。また、ブラインタンクを設けずに、冷凍ユニット2と水素ガス冷却用熱交換器3との間でブラインを循環させる構成を採用することもできる。
また、「熱媒液循環路内の予め規定された第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度以上になっているとの第1の条件が実質的に満たされている」との状態は、「第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度以上になっている」との状態(例えば、「ブラインタンク4内(第1の位置)のブラインの温度が−33℃(予め規定された温度)以上になっている」との状態)だけでなく、「熱媒液循環路内の第1の位置とは異なる位置における熱媒液の温度」、「高温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒温度」、「低温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒温度」、「高温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒温度の温度差」、「低温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒温度の温度差」、「高温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒圧力」、「低温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒圧力」、「高温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒圧力の差圧」、および「低温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒圧力の差圧」などの各種のパラメータが、「第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度以上となる」との「第1の条件」を満たす値となっている状態がこれに含まれる。
同様にして、「第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度を下回っているとの第2の条件が実質的に満たされている」との状態は、「第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度を下回っている」との状態(例えば、「ブラインタンク4内(第1の位置)のブラインの温度が−33℃(予め規定された温度)を下回っている」との状態)だけでなく、だけでなく、「熱媒液循環路内の第1の位置とは異なる位置における熱媒液の温度」、「高温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒温度」、「低温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒温度」、「高温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒温度の温度差」、「低温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒温度の温度差」、「高温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒圧力」、「低温側冷凍回路内の予め規定された位置における冷媒圧力」、「高温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒圧力の差圧」、および「低温側冷凍回路内の予め規定された2つの位置における冷媒圧力の差圧」などの各種のパラメータが、「第1の位置における熱媒液の温度が予め規定された温度を下回る温度になっている」との「第2の条件」を満たす値となっている状態がこれに含まれる。
加えて、「冷却装置」は、水素ガスを冷却するための水素ガス冷却用熱交換器3にブラインを供給する装置に限定されず、各種工作機械や医療機器に極低温の「熱媒液」を供給する「冷却装置」において、上記の水素ガス冷却装置1と同様の構成を採用することができる。
1 水素ガス冷却装置
2 冷凍ユニット
3 水素ガス冷却用熱交換器
4 ブラインタンク
4a,14a 温度センサ
5 ブライン配管
5a〜5e 配管
6 液送ポンプ
7 制御部
10 高温側冷凍回路
11,21 圧縮機
12,22 凝縮器
13a,15a 電磁弁
13b,15b,23 電子膨張弁
14,16,24 蒸発器
20 低温側冷凍回路
S4a,S14a センサ信号
V 制御弁

Claims (5)

  1. 高温側冷凍回路における第1の蒸発器によって低温側冷凍回路の凝縮器を冷却すると共に当該低温側冷凍回路における第2の蒸発器によって熱媒液を冷却可能に構成された二元冷凍回路を有する冷凍ユニットと、
    前記冷凍ユニットおよび冷却対象の間で前記熱媒液を循環させる熱媒液循環路を構成する熱媒液配管と
    前記冷凍ユニットの動作を制御する制御部とを備え、
    前記高温側冷凍回路は、前記熱媒液を冷却可能な第3の蒸発器と、前記第1の蒸発器および前記第3の蒸発器への冷媒の供給量を調整する冷媒供給量調整弁とを備え、
    前記熱媒液配管は、前記熱媒液が前記第3の蒸発器および前記第2の蒸発器をこの順で通過するように当該両蒸発器を相互に接続し
    前記制御部は、前記熱媒液循環路内の予め規定された第1の位置における前記熱媒液の温度が予め規定された温度以上になっているとの第1の条件が実質的に満たされているときに、前記第2の蒸発器による前記熱媒液の冷却を行うことなく前記第3の蒸発器によって当該熱媒液を冷却する第1の処理を実行すると共に、前記予め規定された第1の位置における前記熱媒液の温度が前記予め規定された温度を下回っているとの第2の条件が実質的に満たされているときに、前記冷媒供給量調整弁を制御して前記第1の蒸発器への冷媒の供給量を前記第1の処理の実行時よりも増加させて当該第1の蒸発器によって前記凝縮器を冷却しつつ前記第2の蒸発器によって前記熱媒液を冷却する第2の処理を実行する冷却装置。
  2. 前記予め規定された第1の位置に配設されて前記熱媒液の温度を検出する第1の温度センサを備え、
    前記制御部は、前記第1の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した前記熱媒液の温度が前記予め規定された温度以上になっているときに前記第1の条件が満たされているとして前記第1の処理を実行すると共に、前記第1の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した前記熱媒液の温度が前記予め規定された温度を下回っているときに前記第2の条件が満たされているとして前記第2の処理を実行する請求項記載の冷却装置。
  3. 前記制御部は、前記第1の処理において、前記第3の蒸発器への冷媒供給量を調整して当該第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる請求項または記載の冷却装置。
  4. 前記熱媒液循環路内の予め規定された第2の位置に配設されて前記熱媒液の温度を検出する第2の温度センサを備え、
    前記制御部は、前記第1の処理において、前記第2の温度センサからのセンサ信号に基づいて特定した前記熱媒液の温度の低下に応じて前記第3の蒸発器への冷媒供給量を調整して当該第3の蒸発器における冷媒蒸発温度を徐々に低下させる請求項記載の冷却装置。
  5. 前記熱媒液配管は、前記冷却対象としての水素ガス冷却用熱交換器に前記熱媒液を供給可能に接続されている請求項1からのいずれかに記載の冷却装置。
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