JP2019117026A - 超電導ケーブルの冷却装置及び初期冷却方法 - Google Patents

超電導ケーブルの冷却装置及び初期冷却方法 Download PDF

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Masayuki Hoshino
昌幸 星野
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Abstract

【課題】超電導ケーブルの初期冷却工程において、窒素ガスの大気中への放出をなくすことで、液体窒素の輸送が困難な場所でも初期冷却を実施可能にする。【解決手段】一実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置は、液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、を備え、前記超電導ケーブルの初期冷却時に前記冷媒戻りラインから前記リザーバタンクに戻される気化冷媒が再凝縮されるように構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、超電導ケーブルの冷却装置及び初期冷却方法に関する。
超電導ケーブルなどの超電導電力機器を超電導臨界温度以下の極低温に冷却するために、冷媒として液体窒素など極低温の沸点を有する液化冷媒が用いられる。常温の超電導ケーブルを極低温に冷却する初期冷却では、急激に冷却すると熱収縮により発生する応力(熱衝撃)により被冷却物が破壊されるおそれがあるので、徐々に液化冷媒を送り込む必要がある。そして、特許文献1に開示されているように、初期冷却時に被冷却物を冷却して発生した大量の窒素ガスは大気中へ放出されている。
特開2016−169880号公報
特許文献1に開示されているように、初期冷却時被冷却物を冷却して発生した大量の窒素ガスは大気中へ放出されるため、大量の液体窒素の補給が必要となる。しかし、山間部や離島など、液体窒素の輸送が困難な場所では、液体窒素の入手が容易ではなく、超電導ケーブルの初期冷却ができなくなるおそれがある。
一実施形態は、上記課題に鑑み、超電導ケーブルの初期冷却工程において、窒素ガスの大気中への放出をなくすことで、液体窒素の輸送が困難な場所でも初期冷却を実施可能にすることを目的とする。
(1)一実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置は、
液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、
前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
を備え、
前記超電導ケーブルの初期冷却時に前記第2冷媒戻りラインから前記リザーバタンクに戻される気化冷媒が再凝縮されるように構成される。
ここで言う「サブクール温度」とは、サブクール状態(液体がその飽和温度より低い状態)となる温度域を言う。大気圧下における液体窒素を液化冷媒として用いる場合、サブクール温度とは、沸点(約77K)から凝固点(約63K)までの温度域のことを言う。なお、飽和温度とは、ある液体の圧力がその飽和蒸気圧と等しくなり、沸騰が起きる温度のことを言う。
上記(1)の構成によれば、超電導ケーブルの初期冷却時に、第2冷媒戻りラインからリザーバタンクに戻される気化冷媒が、リザーバタンクに貯留されたサブクール温度の液化冷媒を使って再凝縮されるため、超電導ケーブルの冷却に用いられた冷媒の再利用が可能になる。従って、冷媒の大量消費を抑制できるため、液化冷媒の輸送が困難な場所でも初期冷却の実施が可能になる。
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記冷媒送りラインは、前記リザーバタンクから前記冷凍機を経由して前記超電導ケーブルに導設され、
前記第1冷媒戻りラインは、前記冷凍機と前記超電導ケーブルとの間で前記冷媒送りラインから分岐し、前記リザーバタンクに導設された分岐ラインで構成される。
上記(2)の構成によれば、第1冷媒戻りラインが冷媒送りラインから分岐する分岐ラインで構成されるため、サブクール温度の液化冷媒を送る配管を短縮できる。従って、該配管の表面に施工される断熱構造を含む配管設備に要するコストを節減できる。また、1個の液ポンプで超電導ケーブルとリザーバタンクとに液化冷媒を同時に送ることができ、液化冷媒の送り動力を低減できる。
(3)一実施形態では、前記(2)の構成において、
前記分岐ラインに設けられた圧力制御弁を備える。
上記(3)の構成によれば、上記圧力制御弁で液化冷媒に圧力損失を与えることで、圧力制御弁の上流側に位置する液化冷媒送りラインを流れる冷媒の圧力を増加できる。これによって、冷媒送りラインの上流側に設けられた1個の液ポンプで冷媒を超電導ケーブル
まで送ることができ、後述するガスポンプを用いる必要がない。
また、上記分岐ラインを流れる液化冷媒によりリザーバタンク内がサブクール温度になることで、リザーバタンク内の圧力を大気圧以下にすることができ、これによって、超電導ケーブルを初期冷却した後の冷媒のリザーバタンクへの戻りが容易になる。
(4)一実施形態では、前記(2)又は(3)の構成において、
前記リザーバタンクの上部気相空間に設けられた噴霧部を備え、
前記分岐ラインは前記噴霧部まで導設される。
上記(4)の構成によれば、上記噴霧部からサブクール温度の液化冷媒を噴霧することで、噴霧される液化冷媒は微細なミストを形成できる。そのため、リザーバタンク内の気体又は液体の冷媒との混ざりが促進され、両者間の熱交換効率を高めることができる。
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの構成において、
前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒と前記冷媒戻りラインを流れる前記冷媒とを熱交換し、前記冷媒を気化させる熱交換器を備える。
超電導ケーブルの初期冷却時に、冷熱容量が大きい極低温の液化冷媒を常温付近の超電導ケーブルに送って急激に冷却すると、熱収縮により発生する応力(熱衝撃)により被冷却物が破壊されるおそれがある。
上記(5)の構成によれば、上記熱交換器によって超電導ケーブルに送られる冷媒を気化させ、冷熱容量が小さい気化冷媒を超電導ケーブルに送ることができるため、熱衝撃を緩和できる。
(6)一実施形態では、前記(5)の構成において、
前記熱交換器の出口側で前記冷媒送りラインに設けられたガスポンプを備える。
液化冷媒が気化すると体積が急激に膨張する。1個の液ポンプだけでは気化冷媒を超電導ケーブルまで送る能力が十分でないと見込まれるとき、上記ガスポンプを追設することで、気化冷媒の送り能力を補うことができる。
(7)一実施形態では、前記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記第2冷媒戻りラインは、
前記リザーバタンク内の上部気相空間に出口開口を有する第1戻しラインと、
前記リザーバタンク内の下部液相空間に出口開口を有する第2戻しラインと、
を含み、
前記冷媒戻りラインは、前記第1戻しライン又は前記第2戻しラインに切替え可能に接続される。
上記(7)の構成によれば、超電導ケーブルから第2冷媒戻りラインに排出された冷媒が気相又は気相を含むときは上記第1戻しラインからリザーバタンクに戻し、液相のときは上記第2戻しラインからリザーバタンクに戻すことができる。これによって、気化冷媒をリザーバタンク内に貯留された液化冷媒の液中に送ることによるバブリングの発生と、液化冷媒を液面上方から落とすことによる衝撃の発生とを防止できる。このバブリングや衝撃が液化冷媒の送り側の円滑な送りを阻害するのを抑制できる。
(8)一実施形態では、前記(7)の構成において、
前記超電導ケーブルから排出された前記冷媒の温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出値が閾値以上のとき、前記冷媒の戻り流路を前記第1戻し路とし、前記検出値が前記閾値未満のとき、前記冷媒の戻り流路を前記第2戻しラインとする制御部と、
を備える。
上記(8)の構成によれば、上記制御部によって、超電導ケーブルからリザーバタンクに戻る冷媒の戻り流路を第1戻しライン又は第2戻しラインのどちらとするかを、上記温度センサの検出値から客観的に判定でき、かつ選択された戻しラインへの切り替えを上記制御部によって自動的に行うことができる。
(9)一実施形態では、前記(7)又は(8)の構成において、
前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒と前記冷媒戻りラインを流れる前記冷媒とを熱交換し、前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒を気化させる熱交換器を備え、
前記熱交換器は、前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒と前記第1戻しラインを流れる前記冷媒とを熱交換するように構成される。
上記(9)の構成によれば、上記熱交換器によって、冷媒送りラインを流れる冷媒と、気化冷媒を含み第2戻しラインと比べて熱量を多く含む第1戻しラインの冷媒とを熱交換させることで、冷媒送りラインを流れる液化冷媒の気化量を増加できる。
(10)一実施形態に係る超電導ケーブルの初期冷却方法は、
液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、
前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
前記超電導ケーブルを冷却した後の前記冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
を備える超電導ケーブルの冷却装置であって、
前記リザーバタンク内に貯留された前記冷媒を前記冷凍機でサブクール温度に冷却する冷却ステップと、
前記冷却ステップで冷却された前記冷媒の一部を前記超電導ケーブルに送り、一部を前記リザーバタンクに戻す冷媒送りステップと、
前記超電導ケーブルを冷却した後の前記冷媒を前記リザーバタンクに戻し、前記リザーバタンクに貯留されたサブクール温度の前記冷媒を使って再凝縮する再凝縮ステップと、
を含む。
上記(10)の方法によれば、超電導ケーブルの初期冷却時に、超電導ケーブルを冷却した後の冷媒をリザーバタンクに貯留されたサブクール温度の液化冷媒を使って再凝縮するので、初期冷却に使用された冷媒の再利用が可能になり、冷媒の大量消費を抑制できる。これによって、液化冷媒の輸送が困難な場所でも初期冷却の実施が可能になる。
(11)一実施形態では、前記(10)の方法において、
前記冷媒送りステップにおいて、
前記冷却ステップで冷却された前記冷媒の一部を冷媒送りラインに送ると共に、前記冷媒送りラインから分岐する前記第1冷媒戻りラインを介して前記冷媒の一部を前記リザーバタンクに戻す。
上記(11)の方法によれば、第1冷媒戻りラインが冷媒送りラインから分岐する分岐ラインで構成されるため、サブクール温度の液化冷媒を送る配管を短縮できる。従って、該配管の表面に施工される断熱構造を含む配管設備に要するコストを節減できる。また、第1冷媒戻りラインが分岐ラインで構成されるため、1個の液ポンプで超電導ケーブルとリザーバタンクとに冷媒を同時に送ることができ、冷媒の送り動力を低減できる。
(12)一実施形態では、前記(11)の方法において、
前記冷媒送りステップは、
前記第1冷媒戻りラインを流れる前記冷媒に圧力損失を発生させて前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒の圧力を増加させる圧力調整ステップを含む。
上記(12)の方法によれば、上記圧力調整ステップにより、冷凍機からリザーバタンクに戻る液化冷媒に圧力損失を与えることで、冷媒送りラインを流れる冷媒の圧力を増加できる。これによって、冷媒送りラインの上流側に設けられた1個の液ポンプで冷媒を超電導ケーブルまで送ることができ、送り動力を低減できる。
また、リザーバタンクに戻す液化冷媒に圧力損失を与えることで、リザーバタンク内の圧力を大気圧以下にでき、これによって、超電導ケーブルを冷却した後の冷媒のリザーバタンクへの戻りが容易になる。
(13)一実施形態では、前記(12)の方法において、
前記圧力調整ステップにおいて、前記リザーバタンク内を大気圧未満に保持する。
上記(13)の方法によれば、リザーバタンク内を大気圧未満に保持することで、超電導ケーブルを冷却した後の冷媒のリザーバタンクへの戻りが容易になる。
(14)一実施形態では、前記(12)又は(13)の構成において、
前記圧力調整ステップにおいて、
前記超電導ケーブルの温度低下に伴って前記第1冷媒戻りラインを流れる前記冷媒を徐々に絞り、超電導ケーブルから排出される前記冷媒の全部が液化冷媒となったとき、前記第1冷媒戻りラインの前記冷媒の流れを停止させる。
上記(14)の方法によれば、超電導ケーブルの初期冷却が進むにつれて、超電導ケーブルの温度が低下し、超電導ケーブルから戻る冷媒のうちの気化冷媒の割合が減少する。そして、超電導ケーブルから排出される冷媒がすべて液化冷媒となった時を初期冷却工程が完了したとみなし、第1冷媒戻りラインを閉じることで、定常運転に移ることができる。
(15)一実施形態では、前記(10)〜(14)の何れかの構成において、
前記冷媒送りステップは、
前記超電導ケーブルに送る前記冷媒と前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒とを熱交換し、前記超電導ケーブルに送る前記冷媒を気化する熱交換ステップを含み、
前記熱交換ステップで気化された気化冷媒を前記超電導ケーブルに供給する。
上記(15)の方法によれば、上記熱交換ステップによって超電導ケーブルに冷熱容量が小さい気化冷媒を送ることができる。これによって、熱衝撃を緩和できる。
一実施形態によれば、超電導ケーブルの初期冷却時に使用する冷媒を回収し再利用できるので、冷媒の大量消費をなくすことができる。これによって、液化冷媒の輸送が困難な場所でも液化冷媒の確保が容易になり、初期冷却の実施が可能になる。
一実施形態に係る冷却装置の基本構成を示すブロック線図である。 一実施形態に係る初期冷却方法の主要工程を示す工程図である。 一実施形態に係る初期冷却方法を詳細に示す工程図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置10の基本構成を示す。
図1において、リザーバタンク12に液化冷媒Lrが貯留される。リザーバタンク12に貯留された液化冷媒Lrは、冷媒送りライン14に設けられた液ポンプ22によって冷媒送りライン14から冷凍機16に送られ、冷凍機16でサブクール(過冷却)温度に冷却される。冷凍機16でサブクール温度に冷却された液化冷媒Lrは、冷媒送りライン14を経て超電導ケーブル18に送られる。冷凍機16でサブクール温度まで冷却された液化冷媒の少なくとも一部は、第1冷媒戻りライン40を介してリザーバタンク12に戻される。
超電導ケーブル18は、初期冷却時に徐々に冷却され、初期冷却後、超電導ケーブル18の送電開始時(定常運転時)には超電導臨界温度以下の温度に保持される。超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒は、第2冷媒戻りライン20を経てリザーバタンク12に戻される。初期冷却時に冷媒戻しライン20からリザーバタンク12に戻された気化冷媒は、リザーバタンク12に貯留されたサブクール温度の液化冷媒Lrを使って再凝縮される。
上記構成によれば、初期冷却時に冷媒戻しライン20からリザーバタンク12に戻される気化冷媒が、リザーバタンク12に貯留されたサブクール温度の液化冷媒を使って再凝縮されるため、超電導ケーブル18の冷却に用いられた冷媒の再利用が可能になる。従って、冷媒の大量消費を抑制できるため、液化冷媒の輸送が困難な場所でも初期冷却が可能になる。
一実施形態では、リザーバタンク12は、外気温度の侵入を抑制して貯留された液化冷媒Lrを気化しにくくするため、真空二重構造や断熱材を用いた断熱構造とする。
一実施形態では、液化冷媒として、超電導ケーブル18の超電導状態を維持可能な臨界温度領域で液化可能な物質が好ましく、かつサブクール状態で絶縁性が高いものがよい。このような使用条件と、安全面やコスト面を考慮すると、液化窒素を用いることができる。
一実施形態では、冷凍機16は、冷媒ガス循環ライン24と、冷媒ガス循環ライン24に設けられる液化冷媒用熱交換器26、圧縮機28、水冷部30、冷熱回収熱交換器32及び膨張タービン34を備え、熱サイクルとして逆ブレイトンサイクルを構成する。圧縮機28及び膨張タービン34の回転軸はモータ36の回転軸と一体に形成され、圧縮機28及び膨張タービン34はモータ36によって駆動される。圧縮機28で断熱圧縮された冷媒ガスは、水冷部30で冷却水wによって冷却された後、冷熱回収熱交換器32で液化冷媒用熱交換器26からの戻り冷媒ガスと熱交換してさらに冷却される。その後、冷媒ガスは膨張タービン34で減圧されてさらに冷却された後、液化冷媒用熱交換器26で液化冷媒Lrを冷却する。
冷媒ガス循環ライン24を循環する冷媒ガスとして、リザーバタンク12に貯留された液化冷媒Lrよりも十分に低い液化温度を有するものを用いる。液化冷媒Lrとして液化窒素を用いる場合、冷媒ガスとして、例えば、Heガス、Neガス、あるいはこれらの混合ガスを用いる。
一実施形態では、圧縮機28、モータ36及び水冷部30を除く冷凍機16の構成機器は、外部からの熱侵入を抑制するため、真空容器(コールドボックス)38内に収容される。
図1に示す冷凍機16は、1個の圧縮機を用いた1段圧縮であるが、複数の圧縮機を直列に配置した複数段圧縮方式としてもよい。
一実施形態では、図1に示すように、冷媒送りライン14は、リザーバタンク12から冷凍機16(具体的には液化冷媒用熱交換器26)を経由して超電導ケーブル18まで導設される。また、第1冷媒戻りライン40は、冷凍機16と超電導ケーブル18との間で冷媒送りライン14から分岐し、リザーバタンク12に導設される分岐ラインで構成される。
この実施形態によれば、第1冷媒戻りライン40が冷媒送りライン14から分岐する分岐ラインで構成されるため、サブクール温度の液化冷媒を送るための配管を短縮できる。従って、該配管の表面に施工される断熱構造を含む配管設備に要するコストを節減できる。また、1個の液ポンプ22で超電導ケーブル18とリザーバタンク12とに液化冷媒を同時に送ることができ、液化冷媒の送り動力を低減できる。
一実施形態では、第1冷媒戻りライン40に圧力制御弁42が設けられる。この実施形態では、圧力制御弁42の開度を絞り、液化冷媒Lrに圧力損失を与えることで、圧力制御弁42の上流側に位置する冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrの圧力を増加できる。これによって、冷媒送りライン14の上流側に設けられた1個の液ポンプ22で冷媒を超電導ケーブル18まで送ることができ、後述するガスポンプ52を用いる必要がない。
また、第1冷媒戻りライン40を流れる液化冷媒Lrによりリザーバタンク内がサブクール温度になることで、リザーバタンク内の圧力を大気圧以下にすることができる。これによって、超電導ケーブル18を初期冷却した後の冷媒が第2冷媒戻りライン20を経由してリザーバタンク12に戻るとき、リザーバタンク12への冷媒の戻りが容易になる。
別な実施形態では、冷凍機16でサブクール温度に冷却した液化冷媒Lrを夫々別なラインで超電導ケーブル18及びリザーバタンク12に送るようにしてもよい。この実施形態では、リザーバタンク内を大気圧以下の圧力にしたいとき液化冷媒をリザーバタンク12に送る流路に圧力制御弁42を設けるようにする。
また、別な実施形態では、冷凍機16でサブクール温度に冷却した全部の液化冷媒Lrを一旦リザーバタンク12に戻し、その後、リザーバタンク12から液化冷媒Lrを超電導ケーブル18に送るようにしてもよい。
一実施形態では、図1に示すように、リザーバタンク12の内部で上部気相空間に噴霧部44を備える。第1冷媒戻りライン40は噴霧部44まで導設される。噴霧部44からサブクール温度の液化冷媒Lrを噴霧すると、噴霧される液化冷媒Lrは微細なミストを形成するため、リザーバタンク内の気体又は液体の冷媒との混ざりが促進される。これによって、両者間の熱交換効率を高めることができ、リザーバタンク内を効率的にサブクール温度にすることができる。
一実施形態では、図1に示すように、噴霧部44は、上部気相空間で水平方向に配置されたループ状管46と、ループ状管46に設けられた多数のノズル48とを備える。サブクール温度の液化冷媒Lrは多数のノズル48からミスト状になって噴霧されるため、リザーバタンク内の気体又は液体の冷媒との混合が促進され、これによって、両者間の熱交換効率を高めることができる。
一実施形態では、図1に示すように、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrと第2冷媒戻りライン20を流れる冷媒とを熱交換するための熱交換器50を備える。熱交換器50において、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrは第2冷媒戻りライン20を流れる冷媒によって加熱されて気化し、気化した冷媒が超電導ケーブル18に送られる。
超電導ケーブル18の初期冷却時に極低温の液化冷媒を常温付近の超電導ケーブルに送って急激に冷却すると、冷媒入口付近の超電導ケーブルのみが極低温に冷却され超電導ケーブル内に大きな温度差が発生する。この大きな温度差により超電導ケーブルの熱収縮の差も大きくなり、超電導ケーブルが冷媒入口側へ移動することで、被冷却物が破壊されるおそれがある。この実施形態によれば、熱交換器50によって超電導ケーブル18に超電導ケーブルとの温度差が小さな気化冷媒を送ることができるため、超電導ケーブル内の温度差を小さくでき、熱収縮量の差による超電導ケーブルの破損を抑制できる。
一実施形態では、図1に示すように、熱交換器50の出口側で冷媒送りライン14にガスポンプ52を備える。熱交換器50で気化された気化冷媒をガスポンプ52で超電導ケーブル18に送る。ここで、ガスポンプとは、例えば、圧縮機、ブロア、ファン等の送風能力がある機器を言う。
この実施形態によれば、液化冷媒に比較して気化冷媒は熱容量が小さいため、超電導ケーブルを迅速に冷却するためには多量の気化冷媒を超電導ケーブルに送る必要がある。このとき1個の液ポンプ22だけでは気化冷媒を超電導ケーブル18に送る能力が十分でないと見込まれるとき、ガスポンプ52を追設することで、気化冷媒の送り能力を補うことができる。
一実施形態では、冷媒送りライン14を迂回する迂回ライン54を備え、迂回ライン54が熱交換器50に導設される。また、冷媒送りライン14に設けられた開閉弁56と迂回ライン54に設けられた開閉弁58とで液化冷媒Lrの流路を冷媒送りライン14又は迂回ライン54に切り替えできる。
これによって、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrの気化が必要なときにのみ液化冷媒Lrを熱交換器50に送って気化できる。
一実施形態では、図1に示すように、第2冷媒戻りライン20は、第1戻しライン20(20a)及び第2戻しライン20(20b)とに切り替え可能に接続される。第1戻しライン20(20a)はリザーバタンク内の上部気相空間に出口開口を有し、第2戻しライン20(20b)はリザーバタンク内の下部液相空間に出口開口を有する。
この実施形態によれば、超電導ケーブル18から第2冷媒戻りライン20に排出された冷媒が気相又は気相を含むときは、第1戻しライン20(20a)からリザーバタンクに戻し、液相のときは第2戻しライン20(20b)からリザーバタンク12に戻すようにする。これによって、気化冷媒をリザーバタンク12に貯留された液化冷媒の液中に送ることにより液ポンプ22に気化冷媒が混入した液化冷媒が送られ液ポンプ22が損傷することや、初期冷却終了後に超電導ケーブル通電のために超電導ケーブルを加圧したサブクール温度の液化冷媒で冷却する時に、液化冷媒をリザーバタンク12に貯留された液化冷媒の液面上方から落とすことで、リザーバタンク内の気化冷媒が再凝縮して不要にリザーバタンク内圧力が低下することを防止できる。
一実施形態では、第1戻しライン20(20a)に開閉弁60が設けられ、第2戻しライン20(20b)に開閉弁62が設けられる。これら弁の開閉によって超電導ケーブル18から排出された冷媒を両ラインへの切り替えが可能になる。
一実施形態では、超電導ケーブル18の出口部に冷媒の温度を検出するための温度センサ64が設けられる。温度センサ64の検出値は制御部66に送られる。制御部66は、温度センサ64の検出値が閾値以上のとき、冷媒の戻り流路を第1戻しライン20(20a)とし、該検出値が閾値未満のとき、冷媒戻り流路を第2戻しライン20(20b)とする。
この実施形態によれば、制御部66によって、超電導ケーブル18から排出された冷媒のリザーバタンク12への戻り流路を第1戻しライン20(20a)又は第2戻しライン20(20b)とするかを、温度センサ64の検出値から客観的に判定でき、かつ選択された戻りラインへの切り替えを自動的に行うことができる。
上記閾値は、例えば、超電導ケーブル18から排出された冷媒が気液二相流となる温度(冷媒の沸点)を目安として選定する。例えば、液化冷媒Lrが液化窒素のとき、該閾値は75〜79Kとする。
一実施形態では、図1に示すように、熱交換器50は、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrと第1戻しライン20(20a)を流れる冷媒とを熱交換するように構成される。熱交換器50によって、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒と、気化冷媒を含み第2戻しライン20(20b)と比べて熱量を多く含む第1戻しライン20(20a)の冷媒とを熱交換させることで、液化冷媒Lrの気化量を増加できる。
一実施形態では、図1に示すように、リザーバタンク12は外部から液化冷媒Lrを供給するための冷媒供給ライン68を備える。リザーバタンク12で液化冷媒が不足したとき、外部のタンクローリなどから冷媒供給ライン68を介して液化冷媒を供給する。
一実施形態では、冷媒送りライン14に系内を外部に連通可能にするための放出弁78が放出ライン77に設けられる。また、リザーバタンク12には、リザーバタンク内の圧力が許容値を超えたとき開放される逃がし弁80と、必要なときに上部気相空間の気体を外部に放出するガス放出弁82と、を備える。
一実施形態では、図1に示すように、冷媒送りライン14の上流側に圧力調整部70が設けられる。圧力調整部70は、冷媒送りライン14から分岐してリザーバタンク12の上部気相空間に開口する圧力調整ライン72と、圧力調整ライン72に設けられた気化器74と、気化器74の下流側で圧力調整ライン72に設けられた昇圧用の流量調整弁76と、を備える。
リザーバタンク12の圧力を増加させる必要があるとき、液化冷媒Lrの一部を圧力調整ライン72に導入し、気化器74で液化冷媒の一部を気化させる。そして、流量調整弁76で流量が調整された気化冷媒をリザーバタンク12の上部気相空間に供給することで、リザーバタンク内の圧力を所望の圧力に増加できる。
初期冷却後の超電導ケーブル18の定常運転では、超電導ケーブル18での液化冷媒Lrの気化を防ぐために、超電導ケーブル18内の冷媒流路を大気圧より高圧に保持する必要がある。そこで、圧力調整部70によってリザーバタンク内を大気圧より高い圧力に保持することで、これが可能になる。
図2は、一実施形態に係る超電導ケーブルの初期冷却方法の主要な工程を示し、図3は、一実施形態に係る超電導ケーブルの初期冷却方法を詳細に示す工程図である。
まず、一実施形態に係る超電導ケーブルの初期冷却方法の主要な工程を図2に基づいて説明する。前処理ステップを行った後の初期冷却方法の主要ステップは、冷却ステップS10、冷媒送りステップS12及び再凝縮ステップS18を含む。まず、リザーバタンク12内に貯留された液化冷媒Lrを冷凍機16でサブクール温度に冷却する(冷却ステップS10)。次に、冷却ステップS10でサブクール温度に冷却された冷媒の一部を冷媒送りライン14を介して超電導ケーブル18に送り、一部をリザーバタンク12に戻す(冷媒送りステップS12)。その後、超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒を第2冷媒戻りライン20を介してリザーバタンク12に戻す。リザーバタンク12に戻された冷媒は、リザーバタンク12に貯留されたサブクール温度の液化冷媒Lrによって再凝縮される(再凝縮ステップS18)。
上記主要ステップを含む初期冷却方法によれば、再凝縮ステップS18において、超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒は、リザーバタンク12に貯留されたサブクール温度の液化冷媒を使って再凝縮されるので、初期冷却に使用された冷媒の再利用が可能になり、冷媒の大量消費を抑制できる。これによって、液化冷媒の輸送が困難な場所でも初期冷却の実施が可能になる。
一実施形態では、冷媒送りステップS12において、冷却ステップS10で冷却された冷媒の一部を冷媒送りライン14に送ると共に、冷媒送りライン14から分岐した第1冷媒戻りライン40を介して液化冷媒Lrの一部をリザーバタンク12に戻す。このように、第1冷媒戻りライン40が冷媒送りライン14から分岐する分岐ラインで構成されるため、サブクール温度の液化冷媒を送るための配管を短縮できる。従って、該配管の表面に施工される断熱構造を含む配管設備のコストを節減できる。また、1個の液ポンプ22で超電導ケーブル18とリザーバタンク12とに冷媒を同時に送ることができ、冷媒の送り動力を低減できる。
一実施形態では、冷媒送りステップS12において、第1冷媒戻りライン40を流れる液化冷媒Lrに圧力損失を発生させて冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrの圧力を増加させる(圧力調整ステップS14)。
この実施形態によれば、圧力調整ステップS14により、冷凍機16からリザーバタンク12に戻る液化冷媒Lrに圧力損失を与えることで、冷媒送りライン14を流れる冷媒の圧力を増加できる。これによって、冷媒送りライン14の上流側に設けられた1個の液ポンプ22で冷媒を超電導ケーブル18まで送ることができ、送り動力を低減できる。
また、リザーバタンク12に戻す液化冷媒Lrによりリザーバタンク12内がサブクール温度になるため、リザーバタンク内の圧力は大気圧以下にでき、これによって、超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒のリザーバタンク12への戻りが容易になる。超電導ケーブル18を冷却した後の気化冷媒の温度が下がると、リザーバタンク12内の温度と圧力が下がるので、第1冷媒戻りライン40を介してリザーバタンク12に戻る液化冷媒Lrの量を減らすことができる。
一実施形態では、リザーバタンク12に供給される液化冷媒Lrを噴霧部44を介してミスト状にして供給することで、リザーバタンク内の冷媒ガスとの混合を促進し、熱交換効率を向上できる。
一実施形態では、圧力調整ステップS14において、リザーバタンク内を大気圧未満に保持する。リザーバタンク内を大気圧未満に保持することで、超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒が第2冷媒戻りライン20を介してリザーバタンク12に戻るとき、該冷媒のリザーバタンク12への戻りが容易になる。
一実施形態では、冷媒送りステップS12において、超電導ケーブル18に送る冷媒と超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒とを熱交換し、超電導ケーブル18に送る冷媒を気化する(熱交換ステップS16)。そして、熱交換ステップS16で気化された気化冷媒を超電導ケーブル18に供給する。
この実施形態によれば、熱交換ステップS16によって超電導ケーブル18に気化冷媒を送ることができる。初期冷却時に冷熱容量が大きい極低温の液化冷媒Lrを常温の超電導ケーブルに送って急激に冷却すると、超電導ケーブル内に大きな温度差とそれに伴い熱収縮の差が大きくなることにより被冷却物が破壊されるおそれがあるが、超電導ケーブルとの温度差が小さい気化冷媒を送ることで、超電導ケーブル内の温度差小さくし、熱収縮量の差を小さくできる。
一実施形態では、冷媒送りステップS12において、熱交換器50に第1戻しライン20(20a)が導設され、熱交換器50は、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒Lrと第1戻しライン20(20a)を流れる冷媒とを熱交換する。熱交換器50によって、冷媒送りライン14を流れる液化冷媒と、気化冷媒を含み第2戻しライン20(20b)と比べて熱量を多く含む第1戻しライン20(20a)の冷媒とを熱交換させることで、液化冷媒Lrの気化量を増加できる。
超電導ケーブル18から排出される冷媒中の気相の割合が減ってきたら、第2冷媒戻りライン20の流路を第2戻しライン20(20b)に切り替えると共に、冷媒送りライン14の液化冷媒を熱交換器50で昇温することなく超電導ケーブル18に送る。これは、冷媒送りライン14の液化冷媒と超電導ケーブル18の温度差が小さくなり、超電導ケーブル18内に大きな温度差が発生しなくなったため、より低温の冷媒送りライン14の液化冷媒で超電導ケーブル18の冷却を迅速に進めるためである。
なお、図1に示す温度センサ64の検出値が上記閾値を下回ったら、冷媒の戻り流路を第2戻しライン20(20b)に切り替えるようにしてもよい。
一実施形態では、圧力調整ステップS14において、超電導ケーブル18の温度低下に伴って第1冷媒戻りライン40を流れる液化冷媒を徐々に絞る。超電導ケーブルから排出される冷媒の全部が液化冷媒となったとき、初期冷却工程が終了したと判定し、図1に示すように、圧力制御弁42を閉じて第1冷媒戻りライン40の液化冷媒の流れを停止させる。
超電導ケーブル18の初期冷却が進むにつれて、超電導ケーブル18の温度が低下し、超電導ケーブル18から戻る冷媒のうちの気化冷媒の割合が減少する。そして、超電導ケーブル18から排出される冷媒がすべて液化冷媒となった時を目安として第1冷媒戻りライン40を閉じることで、初期冷却は完了して定常運転に移ることができる。
次に、図3により、一実施形態に係る超電導ケーブルの初期冷却方法を詳細に説明する。
冷却ステップS10の前に前処理ステップA〜Eが行われる。まず、リザーバタンク12に液化冷媒Lrを供給する前に、放出ライン77の放出弁78を開き、放出ライン77を真空ポンプ(不図示)に接続し、系内を真空引きし、系内の空気を排除する(ステップA)。
次に放出ライン77から常温の冷媒ガスを充填する(ステップB)。この系内の真空引きと冷媒ガス充填を数回繰り返し、系内を冷媒ガスに置換する(ステップC)。
その後、ステップDを行う。ステップDでは、タンクローリ84などを使って冷媒供給ライン68からリザーバタンク12に液化冷媒Lrを供給する。この時バルブ60とバルブ62を閉じ、気化した冷媒は超電導ケーブル18を通して放出ライン77から排出することで、超電導ケーブル18内に残留する空気の排出をより確実にする。放出ライン77から放出される放出ガスの量が減少したら、放出弁78を閉め、放出ライン77から空気が混入しないようにする。なお、冷凍機16は運転できる状態にしておく。
そして、タンクローリ84から冷媒供給ライン68を介してリザーバタンク12が満タンになるまで液化冷媒を貯留する。このとき、リザーバタンク内の圧力が増加したらガス放出弁82を開けて圧力増加を抑制する(ステップE)。
上記前処理ステップA〜Eが終了した後、ステップFを行う。即ち、冷凍機16を起動し、リザーバタンク12に貯留した液化冷媒を液化冷媒用熱交換器26でサブクール温度に冷却する。液化冷媒Lrが液化窒素の場合、70K程度のサブクール温度に冷却する(冷却ステップS10)。その後、液ポンプ22を起動し、サブクール温度の液化冷媒Lrを第1冷媒戻りライン40を介してリザーバタンク12に供給する(冷媒送りステップS12)。そして、リザーバタンク12に供給されたサブクール温度の液化冷媒によって、リザーバタンク内の液化冷媒Lrをサブクール温度まで冷却し、リザーバタンク内の冷媒ガスを再凝縮する(再凝縮ステップS18)。
次に、ステップGでは、サブクール温度の液化冷媒の一部が冷媒送りライン14を介して超電導ケーブル18に送られ、超電導ケーブル18の冷却が開始される。また、熱交換器50で、冷媒送りライン14の迂回ライン54を流れる液化冷媒を第1戻しライン20(20a)を流れる気化冷媒で加温して気化させ(熱交換ステップS16)、気化した冷媒を超電導ケーブル18に送る(冷媒送りステップS12)。超電導ケーブル18を冷却し第2冷媒戻りライン20を経てリザーバタンク12に戻った気化冷媒は、分岐ライン40から噴霧部44を経てリザーバタンク12に戻ったサブクール温度の液化冷媒により再凝縮される(再凝縮ステップS18)。
次のステップHは図2の圧力調整ステップS14に相当し、上述のように、冷媒送りライン14から超電導ケーブル18に液化冷媒を送ると共に、第1冷媒戻りライン40からリザーバタンク12に戻る液化冷媒は、圧力制御弁42で圧力調整されるため、リザーバタンク12の内部は大気圧未満に保持される。
次のステップIでは、超電導ケーブル18の出口部に設けられた温度センサ64の検出値が制御部66に送られ、制御部66は、温度センサ64の検出値が閾値以上のとき、冷媒の戻り流路を第1戻しライン20(20a)とし、該検出値が閾値未満のとき、冷媒戻り流路を第2戻しライン20(20b)とする。
これによって、超電導ケーブル18から排出された冷媒のリザーバタンク12への戻り流路を第1戻しライン20(20a)又は第2戻しライン20(20b)とするかを、温度センサ64の検出値から客観的に判定でき、かつ選択された戻りラインへの切り替えを自動的に行うことができる。
超電導ケーブル18から排出される冷媒中の気相の割合が減ってきたら、圧力制御弁42を徐々に絞り、超電導ケーブル18から出てくる冷媒が全部液冷媒の状態となったら、圧力制御弁42を全閉し、初期冷却が完了する。従って、通常運転モードに移行する(ステップJ)。
一実施形態によれば、超電導ケーブルの初期冷却工程において、冷媒ガスの大気中への放出をなくすことで、冷媒ガスの大量消費を抑制できるため、液体窒素の輸送が困難な場所でも初期冷却を実施できる。
10 冷却装置
12 リザーバタンク
14 冷媒送りライン
16 冷凍機
18 超電導ケーブル
20(20a、20b) 第2冷媒戻りライン
20a 第1戻しライン
20b 第2戻しライン
22 液ポンプ
24 冷媒ガス循環ライン
26 液化冷媒用熱交換器
28 圧縮機
30 冷却部
32 冷熱回収熱交換器
34 膨張タービン
36 モータ
38 真空容器
40 第1冷媒戻りライン
42 圧力制御弁
44 噴霧部
46 ループ状管
48 ノズル
50 熱交換器
52 ガスポンプ
54 迂回ライン
64 温度センサ
66 制御部
68 冷媒供給ライン
70 圧力調整部
72 圧力調整ライン
74 気化器
76 流量調整弁
77 放出ライン
78 放出弁
80 逃がし弁
82 ガス放出弁
84 タンクローリ
Lr 液化冷媒
w 冷却水

Claims (15)

  1. 液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、
    前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
    前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
    前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
    前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
    を備え、
    前記超電導ケーブルの初期冷却時に前記第2冷媒戻りラインから前記リザーバタンクに戻される気化冷媒が再凝縮されるように構成されたことを特徴とする超電導ケーブルの冷却装置。
  2. 前記冷媒送りラインは、前記リザーバタンクから前記冷凍機を経由して前記超電導ケーブルに導設され、
    前記第1冷媒戻りラインは、前記冷凍機と前記超電導ケーブルとの間で前記冷媒送りラインから分岐し、前記リザーバタンクに導設された分岐ラインで構成されることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  3. 前記分岐ラインに設けられた圧力制御弁を備えることを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  4. 前記リザーバタンクの上部気相空間に設けられた噴霧部を備え、
    前記分岐ラインは前記噴霧部まで導設されることを特徴とする請求項2又は3に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  5. 前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒と前記冷媒戻りラインを流れる前記冷媒とを熱交換し、前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒を気化させる熱交換器を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  6. 前記熱交換器の出口側で前記冷媒送りラインに設けられたガスポンプを備えることを特徴とする請求項5に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  7. 前記第2冷媒戻りラインは、
    前記リザーバタンク内の上部気相空間に出口開口を有する第1戻しラインと、
    前記リザーバタンク内の下部液相空間に出口開口を有する第2戻しラインと、
    を含み、
    前記第2冷媒戻りラインは、前記第1戻しライン又は前記第2戻しラインに切替え可能に接続されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  8. 前記超電導ケーブルから排出された前記冷媒の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサの検出値が閾値以上のとき、前記冷媒の戻り流路を前記第1戻し路とし、前記検出値が前記閾値未満のとき、前記冷媒の戻り流路を前記第2戻しラインとする制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項7に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  9. 前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒と前記冷媒戻りラインを流れる前記冷媒とを熱交換し、前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒を気化させる熱交換器を備え、
    前記熱交換器は、前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒と前記第1戻しラインを流れる前記冷媒とを熱交換するように構成されることを特徴とする請求項7又は8に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  10. 液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、
    前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
    前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
    前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
    前記超電導ケーブルを冷却した後の前記冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
    を備える超電導ケーブルの冷却装置であって、
    前記リザーバタンク内に貯留された前記冷媒を前記冷凍機でサブクール温度に冷却する冷却ステップと、
    前記冷却ステップで冷却された前記冷媒の一部を前記超電導ケーブルに送り、一部を前記リザーバタンクに戻す冷媒送りステップと、
    前記超電導ケーブルを冷却した後の前記冷媒を前記リザーバタンクに戻し、前記リザーバタンクに貯留されたサブクール温度の前記冷媒を使って再凝縮する再凝縮ステップと、
    を含むことを特徴とする超電導ケーブルの初期冷却方法。
  11. 前記冷媒送りステップにおいて、
    前記冷却ステップで冷却された前記冷媒の一部を冷媒送りラインに送ると共に、前記冷媒送りラインから分岐する前記第1冷媒戻りラインを介して前記冷媒の一部を前記リザーバタンクに戻すことを特徴とする請求項10に記載の超電導ケーブルの初期冷却方法。
  12. 前記冷媒送りステップは、
    前記第1冷媒戻りラインを流れる前記冷媒に圧力損失を発生させて前記冷媒送りラインを流れる前記冷媒の圧力を増加させる圧力調整ステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の超電導ケーブルの初期冷却方法。
  13. 前記圧力調整ステップにおいて、前記リザーバタンク内を大気圧未満に保持することを特徴とする請求項12に記載の超電導ケーブルの初期冷却方法。
  14. 前記圧力調整ステップにおいて、
    前記超電導ケーブルの温度低下に伴って前記第1冷媒戻りラインを流れる前記冷媒を徐々に絞り、超電導ケーブルから排出される前記冷媒の全部が液化冷媒となったとき、前記第1冷媒戻りラインの前記冷媒の流れを停止させることを特徴とする請求項12又は13に記載の超電導ケーブルの初期冷却方法。
  15. 前記冷媒送りステップは、
    前記超電導ケーブルに送る前記冷媒と前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒とを熱交換し、前記超電導ケーブルに送る前記冷媒を気化する熱交換ステップを含み、
    前記熱交換ステップで気化された気化冷媒を前記超電導ケーブルに供給することを特徴とする請求項10乃至14の何れか一項に記載の超電導ケーブルの初期冷却方法。
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