JP2019117868A - 超電導ケーブルの冷却装置及び昇温方法 - Google Patents

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星野 昌幸
Masayuki Hoshino
昌幸 星野
紀治 玉田
Noriji Tamada
紀治 玉田
広晴 矢口
Hiroharu Yaguchi
広晴 矢口
将大 下田
Masahiro Shimoda
将大 下田
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Abstract

【課題】超電導ケーブルからの液化冷媒の排出及び昇温を行うに際し、超電導ケーブル内の液化冷媒の実現可能でかつ有用な回収方法を提案する。
【解決手段】一実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置は、液化状態の冷媒を貯留するためのリザーバタンクと、前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送るための冷媒送りラインと、前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の一部を前記リザーバタンクに戻すための第1冷媒戻りラインと、前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻すための第2冷媒戻りラインと、前記超電導ケーブルに気化冷媒を前記第2冷媒戻りラインが接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端に供給可能な気化冷媒供給部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、超電導ケーブルの冷却装置及び昇温方法に関する。
超電導ケーブルなどの超電導電力機器を超電導臨界温度以下の極低温に冷却するために、冷媒として液体窒素など極低温の沸点を有する液化冷媒が用いられる。超電導ケーブルの交換又はメンテナンス時には、液化冷媒を排出し、常温付近まで昇温させる必要があるが、自然排出及び自然入熱による昇温では室温までの昇温に長い期間を要し、作業の開始が遅れてしまうという問題がある。
特許文献1には、超電導機器が収容された極低温容器に液化冷媒と同じ種類の冷媒ガスを加圧供給して極低温容器から液化冷媒を追い出し、その後、該冷媒ガスをガス−空気熱交換器で加熱しながら極低温容器に循環させ、超電導機器を強制昇温させることが開示されている。
特開2014−053472号公報
特許文献1に開示された方法は、自然入熱より昇温期間を短縮できると思われる。他方、特許文献1の段落[0022]には、冷媒ガスを加圧供給して極低温容器から追い出した液化冷媒を回収すると記載されているが、具体的な回収方法は開示されていない。
また、超電導ケーブルは長尺なケーブルが上下方向に起伏をもって配置されるため、特許文献1で強制排出の対象となった極低温容器と比べて液化冷媒の排出が容易ではない。
一実施形態は、メンテナンス時などにおける超電導ケーブルからの液化冷媒の強制排出工程及び強制排出後の強制昇温工程に適用可能な有用な手段を提案することを目的とする。
(1)一実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置は、
液化状態の冷媒を貯留するためのリザーバタンクと、
前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
前記冷凍機で冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
前記超電導ケーブルに気化冷媒を前記第2冷媒戻りラインが接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端に供給可能な気化冷媒供給部と、
を備える。
ここで言う「サブクール温度」とは、サブクール状態(液体がその飽和温度より低い状態)となる温度域を言う。例えば、大気圧下における液体窒素を液化冷媒として用いる場合、サブクール温度とは、沸点(約77K)から凝固点(約63K)までの温度域のことを言う。なお、飽和温度とは、ある液体の圧力がその飽和蒸気圧と等しくなり、沸騰が起きる温度を言う。
上記(1)の構成によれば、リザーバタンク内の気化冷媒は、第1冷媒戻りラインから戻されるサブクール温度の冷媒により再凝縮されるため、リザーバタンク内は大気圧未満の圧力(以下「負圧」とも言う。)になる。超電導ケーブル内を加圧して残留液化冷媒を押し出すと、超電導ケーブルが損傷するおそれがあるが、リザーバタンク内が負圧になるため、超電導ケーブル内の残留液化冷媒は、超電導ケーブル内を加圧せずに第2冷媒戻りラインを介してリザーバタンクに引き出せる。また、超電導ケーブルを加温した後の気化冷媒はリザーバタンクで再凝縮されるため、気化冷媒を再利用でき、これによって、冷媒の大量消費を抑制できる。
(2)一実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置は、
液化状態の冷媒を貯留するためのリザーバタンクと、
前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
前記冷凍機で冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
前記第2冷媒戻りラインの接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端と前記第2冷媒戻りラインとに接続された液化冷媒排出ラインと、
前記第2冷媒戻りラインが接続された前記超電導ケーブルの端に気化冷媒を供給可能な気化冷媒供給部と、
を備える。
超電導ケーブル通電中に、故障、事故等により、超電導ケーブル内に高温部が発生し、この高温部で気化冷媒が充満すると、液化冷媒は該高温部より下流側へ流れることはできない。
上記(2)の構成によれば、超電導ケーブル内に高温部が発生した場合に、該高温部より上流側領域に残留している液化冷媒は、負圧にした上記リザーバータンクに上記第2冷媒戻りラインを介して接続された上記液化冷媒排出ラインから排出することができる。そのため、超電導ケーブル内に高温部が発生した場合であっても、超電導ケーブル内に高圧を生じることなく超電導ケーブルから液化冷媒を排出することができる。
(3)一実施形態では、前記(2)の構成において、
前記液化冷媒排出ラインに設けられる液ポンプを備える。
上記(3)の構成によれば、液化冷媒排出ラインに液ポンプを備えることで、液化冷媒排出ラインからの液化冷媒の排出をより迅速におこなうことができる。
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記気化冷媒供給部は、液化冷媒貯留部からの前記冷媒を加熱して前記気化冷媒とする熱交換部を備える。
上記(4)の構成によれば、上記液化冷媒貯留部に大量の液化冷媒を貯留でき、この液化冷媒を上記熱交換部で気化し、気化された気化冷媒を超電導ケーブルに送ることができる。これによって、気化冷媒を大量に使うことができるため、冷媒の排出及びその後の昇温に要する期間を短縮できる。
(5)一実施形態では、前記(4)の構成において、
前記冷凍機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された前記冷媒ガスを冷却する冷却部と、を備え、
前記熱交換部は、前記冷却部で前記冷媒ガスを冷却する冷却媒体を熱源として前記液化冷媒貯留部からの前記冷媒を加熱して前記気化冷媒とする。
上記(5)の構成によれば、上記熱交換部で上記冷却部から送られる上記冷却媒体を0℃近くまで冷却できるので、冷凍機の動力量を節減できる。また、上記冷却部から送られる冷却媒体を熱源としているので、空気を熱源とした時に必要となる大きな熱交換器も必要がない。
(6)一実施形態では、前記(4)又は(5)の構成において、
前記熱交換部は、
前記液化冷媒貯留部に貯留された液化状態の前記冷媒を加熱して気化冷媒とするための
第1熱交換部と、
前記第1熱交換部で気化された前記気化冷媒をさらに加熱するための第2熱交換部と、
前記第1熱交換部で生成された前記気化冷媒を前記超電導ケーブルに送るための流量調
整可能な第1気化冷媒供給ラインと、
前記第2熱交換部で加熱された前記気化冷媒を前記超電導ケーブルに送るための流量調
整可能な第2気化冷媒供給ラインと、
を備える。
上記(6)の構成によれば、上記第1気化冷媒供給ライン及び上記第2気化冷媒供給ラインから、温度が異なる気化冷媒を夫々流量調整して超電導ケーブルに送ることができる。これによって、超電導ケーブルに送る気化冷媒を所望の温度に調整できる。従って、例えば、最初は低温の気化冷媒を送り、その後、徐々に温度を上げた気化冷媒を送ることができるため、超電導ケーブル内の温度差を小さくすることができ、熱収縮の差により超電導ケーブルが移動して損傷することを防ぐことができる。
(7)一実施形態では、前記(4)〜(6)の何れかの構成において、
前記液化冷媒貯留部はタンクローリで構成される。
上記(7)の構成によれば、液化冷媒貯留部をタンクローリで代用できるので、液化冷媒貯留部の設置が不要になり、設備費を低コスト化できる。
(8)一実施形態では、前記(1)〜(7)の何れかの構成において、
前記冷媒送りラインは、前記リザーバタンクから前記冷凍機を経由して前記超電導ケーブルに導設され、
前記第1冷媒戻りラインは、前記冷凍機と前記超電導ケーブルとの間で前記冷媒送りラインから分岐し、前記リザーバタンクに導設される。
上記(8)の構成によれば、第1冷媒戻りラインが冷媒送りラインから分岐する分岐ラインで構成されるため、サブクール温度の液化冷媒を送るための断熱構造を含む配管の長さを短縮でき低コスト化できる。また、1個の液ポンプで超電導ケーブルとリザーバタンクとに液化冷媒を同時に送ることができ、液化冷媒の送り動力を低減できる。
(9)一実施形態では、前記(1)〜(8)の何れかの構成において、
前記リザーバタンクの上部気相空間に設けられた液噴霧部を備え、
前記第1冷媒戻りラインは前記液噴霧部まで導設される。
上記(9)の構成によれば、上記液噴霧部からサブクール温度の液化冷媒を噴霧することで、噴霧される液化冷媒は微細なミストを形成できる。そのため、リザーバタンク内の気体又は液体の冷媒との混合が促進され、両者間の熱交換効率を高めることができる。
こうして熱交換効率が高まるため、リザーバタンク内の気化冷媒の再凝縮を促進することができる。
(10)一実施形態では、前記(1)〜(9)の何れかの構成において、
前記冷媒送りラインに設けられ、前記冷媒を回収するための冷媒回収ラインを備える。
超電導ケーブル内の残留液化冷媒をリザーバタンクに排出することで、リザーバタンク内の液化冷媒が徐々に増加する。
上記(10)の構成によれば、リザーバタンク内の増加した液化冷媒を上記冷媒回収ラインによって外部に回収できる。これによって、回収した液化冷媒を液状のまま保有できる。
(11)一実施形態に係る超電導ケーブルの昇温方法は、
液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、
前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクの戻す第1冷媒戻りラインと、
前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
を備える超電導ケーブルの冷却装置であって、
前記リザーバタンク内に貯留された前記冷媒を冷凍機でサブクール温度に冷却し、冷却された前記冷媒を前記第1冷媒戻りラインを介して前記リザーバタンクに戻す冷媒過冷却ステップと、
前記超電導ケーブルに気化冷媒を供給する気化冷媒供給ステップと、
前記気化冷媒を前記リザーバタンクに戻して再凝縮する再凝縮ステップと、
を含む。
上記(11)の方法によれば、超電導ケーブル内の冷媒は、超電導ケーブル内の圧力より低い圧力になったリザーバタンクに引き出すことができるため、超電導ケーブルを高圧にすることなく液化冷媒を排出することができる。従って、超電導ケーブル内を加圧する必要がないので、超電導ケーブルが損傷する虞がない。また、気化冷媒は、リザーバタンクで再凝縮されるため、気化冷媒を再利用できる。従って、冷媒の大量消費を抑制できる。
(12)一実施形態では、前記(11)の方法において、
前記気化冷媒供給ステップにおいて、
前記超電導ケーブルに供給される前記気化冷媒の温度を徐々に高くする。
上記(12)の方法によれば、超電導ケーブル内の温度差を小さくすることができるので、熱収縮の差により超電導ケーブルが損傷することを防ぐことができる。
(13)一実施形態では、前記(11)又は(12)の方法において、
前記冷媒過冷却ステップにおいて、
前記リザーバタンクの圧力を大気圧より低い負圧にする。
上記(13)の方法によれば、リザーバタンク内を負圧にできるので、超電導ケーブルとリザーバタンクとの差圧により、超電導ケーブルに残留した液化冷媒及び供給された気化冷媒がリザーバタンクに排出され易くなる。
(14)一実施形態では、前記(11)〜(13)の何れかの方法において、
前記冷却装置は、前記第2冷媒戻りラインの接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端と前記第2冷媒戻りラインを接続する液化冷媒排出ラインを備え、
前記超電導ケーブルから前記第2冷媒戻りラインへの前記冷媒の流れを止め、前記超電導ケーブルから液化冷媒排出ラインへ前記冷媒を排出する液化冷媒排出ステップを含む。
超電導ケーブル通電中の事故、故障等により、超電導ケーブルの一部に液化冷媒の沸点以上の高温部が発生したとき、該高温部より上流側領域に残留した液化冷媒は高温部で気化して圧力上昇するため、高温部より下流側へ排出するのが難しい。
上記(14)の方法によれば、上記液化冷媒排出ラインにより、超電導ケーブル内に高圧を発生させることなく、超電導ケーブルの高温部より上流側領域に残留した液化冷媒を上記液化冷媒排出ラインからリザーバタンクに排出できる。
(15)一実施形態では、前記(11)〜(14)の何れかの方法において、
前記冷却装置は、前記冷媒送りラインに設けられ、前記冷媒を回収するための冷媒回収ラインを備え、
前記リザーバタンクの前記冷媒をタンクローリに回収する回収ステップを含む。
上記(15)の方法によれば、リザーバタンク内の増加した液化冷媒を上記冷媒回収ラインによって外部に回収できる。これによって、回収した液化冷媒を液状のまま保有できる。
一実施形態によれば、超電導ケーブルから冷媒を強制排出することで、冷媒の排出及びその後の昇温に要する時間を短縮できると共に、超電導ケーブル内の液化冷媒及び強制排出するために供給された気化冷媒をリザーバタンクに回収できるので、これら冷媒の再利用が可能となり、冷媒の大量消費を抑制できる。
一実施形態に係る冷却装置を示すブロック線図である。 一実施形態に係る冷却装置を示すブロック線図である。 一実施形態に係る冷却装置を示すブロック線図である。 一実施形態に係る冷却装置を示すブロック線図である。 一実施形態に係る超電導ケーブルの横断面図である。 一実施形態に係る超電導ケーブルの昇温方法の主要工程を示す工程図である。 一実施形態に係る超電導ケーブルの昇温方法の詳細を示す工程図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1〜図4は、幾つかの実施形態に係る超電導ケーブルの冷却装置10(10A、10B、10C、10D)を示す。このうち、図1及び図2は、昇温工程における冷却装置10(10A、10B)を示し、図3及び図4は、超電導ケーブル通電中の事故、故障等により超電導ケーブル18の一部に液化冷媒の沸点以上の高温部Ghが発生したとき、超電導ケーブル18の残留液化冷媒を排出可能な構成を有する冷却装置10(10C、10D)を示す。図5は、一実施形態に係る超電導ケーブルの横断面を示し、図6は、一実施形態に係る昇温方法の主要工程を含む工程図を示し、図7は、一実施形態に係る昇温方法の詳細を示す工程図である。なお、図1〜図4において、中抜きされた弁は開状態を示し、黒塗りの弁は閉状態を示す。
図1〜図4に示す冷却装置10(10A〜10D)において、リザーバタンク12に液化冷媒Lrが貯留され、リザーバタンク12に貯留された液化冷媒Lrは、冷媒送りライン14から液ポンプ22によって冷凍機16に送られ、冷凍機16でサブクール(過冷却)温度に冷却される。超電導ケーブル18の送電時(定常運転時)に、超電導ケーブル18を超電導臨界温度以下の温度に保持するために、冷凍機16でサブクール温度に冷却された液化冷媒Lrは、冷媒送りライン14を経て超電導ケーブル18に送られる。定常運転時、冷凍機16でサブクール温度まで冷却された液化冷媒の少なくとも一部は、第1冷媒戻りライン19を介してリザーバタンク12に戻される。従って、リザーバタンク内はサブクール温度になっている。定常運転時、超電導ケーブル18を冷却した後の冷媒は、第2冷媒戻りライン20を経てリザーバタンク12に戻される。冷却装置10は、超電導ケーブル18に気化冷媒を供給可能な気化冷媒供給部40を備える。この気化冷媒は、第2冷媒戻りライン20が接続されていない他方の端に供給される。
なお、図1〜図4に示す冷却装置10においては、気化冷媒を気化冷媒供給部40から超電導ケーブル18に供給する主気化冷媒供給ライン51は、超電導ケーブル18の定常運転時における入口側に接続され、第2冷媒戻りライン20は、超電導ケーブル18の定常運転時における出口側に接続される。
超電導ケーブル18の交換時又はメンテナンス時等に、超電導ケーブル18内の残留冷媒を排出し、その後超電導ケーブル18を常温まで昇温する昇温工程を行う必要がある。
上記構成によれば、リザーバタンク内の気化冷媒は、第1冷媒戻りライン19から戻されるサブクール温度の冷媒により再凝縮されるため、リザーバタンク内は負圧になる。超電導ケーブル内を加圧して残留液化冷媒を押し出すと、超電導ケーブルが損傷するおそれがあるが、リザーバタンク内が負圧になるため、超電導ケーブル内の残留液化冷媒は、超電導ケーブル内を加圧せずに第2冷媒戻りライン20を介してリザーバタンク12に引き出せる。また、超電導ケーブル18を加温した後の気化冷媒はリザーバタンク12で再凝縮されるため、気化冷媒を再利用でき、これによって、冷媒の大量消費を抑制できる。
定常運転から昇温工程に移るとき、一実施形態では、まず、リザーバタンク12の昇圧器の昇圧バルブ(不図示)を閉じリザーバタンク12の昇圧を停止する。その後、圧力制御弁70を開きリザーバタンク12を過冷却かつ負圧状態にする。そして、冷媒送りライン14に設けられたバルブ115を閉じ、液化冷媒Lrの超電導ケーブル18への供給を止め、主気化冷媒供給ライン51に設けられたバルブ116を開き、気化冷媒供給部40から超電導ケーブル18に気化冷媒を供給する。これによって、超電導ケーブル18内の液化冷媒Lrはリザーバタンク12に排出され、排出された液化冷媒Lrの分が気化冷媒に置換される。この時、供給する気化冷媒の温度は流量調整弁52、56により液化冷媒Lrの沸点より僅かに高い温度とする。このようにすると超電導ケーブル18内に大きな温度差を発生させることなく液化冷媒Lrを排出することができる。
超電導ケーブル18からの液化冷媒Lrの排出が完了すると、リザーバタンク12へは気化冷媒が排出されるので、液ポンプ22へ送られる液化冷媒Lr内に気化冷媒が混入して液ポンプ22が損傷する虞がある。これを防ぐため、一実施形態では、第2冷媒戻りライン20から分岐し、熱交換器118を経由してリザーバタンク12の気相部に導設された第3冷媒戻りライン23を備える。超電導ケーブル18からの液化冷媒Lrの排出が完了すると、第2冷媒戻りライン20に設けられたバルブ110を閉め、リザーバタンク12の液相へ気化冷媒を排出している第2冷媒戻りライン20からの排出を止め、第3冷媒戻りライン23に設けられたバルブ111を開き、第3冷媒戻りライン23からリザーバタンク12の気相部へ気化冷媒を排出するようにする。
なお、図4に示す冷却装置10(10D)では、第3冷媒戻りライン23は後述する液化冷媒排出ライン86に設けられ、第3冷媒戻りライン23にバルブ111に相当するバルブ117が設けられる。
また、第3冷媒戻りライン23に強制排出された気化冷媒を含む冷媒は、リザーバタンク12に戻され、液噴霧部72から噴霧されたサブクール温度の液化冷媒により再凝縮されるため、リザーバタンク内は負圧に維持される。従って、残留液化冷媒及び強制排出に用いられた気化冷媒を再利用できるので、冷媒の大量消費を抑制できる。
一実施形態では、図1及び図2に示す冷却装置10(10A、10B)は、熱交換器118と、0℃未満の気化冷媒が流れるライン57の液化冷媒貯留部42と第1熱交換部46との間から分岐して熱交換器118まで迂回する迂回ライン55と、第2冷媒戻りライン20から分岐し、熱交換器118を経由してリザーバタンク12の気相部に導設された第3冷媒戻りライン23と、を備える。
ライン57に設けられたバルブ112を閉じ、迂回ライン55に設けられたバルブ113及び114を開け、熱交換器118に液化冷媒貯留部42の液化冷媒Lrを供給する。熱交換器118で液化冷媒Lrで第3冷媒戻りライン23からリザーバタンク12に戻る気化冷媒の温度を下げることができる。これによって、リザーバタンク12内での気化冷媒の再凝縮を容易にすることができる。
次に、流量調整弁52、56を調整して気化冷媒供給部40から超電導ケーブル18に供給する気化冷媒の温度を徐々に上昇させる。これにより超電導ケーブル18内に残留している液化冷媒Lrを気化させてリザーバタンク12へ排出させることができる。
この時、超電導ケーブル18に供給する気化冷媒の温度は第3冷媒戻りライン23の気化冷媒の温度との差が設定値(例えば50K)以内になるように行う。このようにすることで、超電導ケーブル18内に大きな温度差が生じることを防ぎ、熱収縮の差により超電導ケーブル18が損傷することを防ぐことができる。
このようにして超電導ケーブル18を常温まで昇温することができる。
一実施形態では、リザーバタンク12は、外気温度の侵入を防止して液化冷媒Lrを気化しにくくするため、真空二重構造や断熱材を用いた断熱構造とする。
一実施形態では、液化冷媒として、超電導ケーブル18の超電導状態を維持可能な臨界温度領域で液化可能な物質が好ましく、かつサブクール状態で絶縁性が高いものがよい。このような使用条件と、安全面やコスト面を考慮すると、液化窒素を用いることができる。
一実施形態では、冷凍機16は、冷媒ガス循環ライン24と、冷媒ガス循環ライン24に設けられる液化冷媒用熱交換器26、圧縮機28、冷却部30、冷熱回収熱交換器32及び膨張タービン34を備え、熱サイクルとして逆ブレイトンサイクルを構成する。圧縮機28及び膨張タービン34の回転軸はモータ36の回転軸と一体に形成され、圧縮機28及び膨張タービン34はモータ36によって駆動される。圧縮機28で断熱圧縮された冷媒ガスは、冷却部30で冷却媒体wによって冷却された後、冷熱回収熱交換器32で液化冷媒用熱交換器26からの戻り冷媒ガスと熱交換してさらに冷却される。その後、冷媒ガスは膨張タービン34で減圧されてさらに冷却された後、液化冷媒用熱交換器26で液化冷媒Lrを冷却する。
冷媒ガス循環ライン24を循環する冷媒ガスとして、リザーバタンク12に貯留された液化冷媒Lrよりも十分に低い液化温度を有するものを用いる。液化冷媒Lrとして液化窒素を用いる場合、冷媒ガスとして、例えば、Heガス、Neガス、あるいはこれらの混合ガスを用いる。
一実施形態では、圧縮機28、モータ36及び冷却部30を除く冷凍機16の要素は、外部から熱侵入を抑制するため、真空容器(コールドボックス)38内に収容される。
図1に示す冷凍機16は、1個の圧縮機を用いた1段圧縮であるが、複数の圧縮機を直列に配置した複数段圧縮方式としてもよい。
一実施形態では、気化冷媒供給部40は、液化冷媒貯留部42に貯留された液化冷媒Lrを加熱して気化冷媒とするための熱交換部44を備える。熱交換部44で生成された気化冷媒を超電導ケーブル18に送ることで、超電導ケーブル18内の残留冷媒の排出及びその後の昇温に要する期間を短縮できる。
液化冷媒貯留部42は、例えば、リザーバタンク12と同様の構成のリザーバタンク42(42a)で構成される。
一実施形態では、熱交換部44は第1熱交換部46と第2熱交換部48とを備える。液
化冷媒貯留部42に貯留された液化冷媒Lrは、第1熱交換部46で加熱されて気化冷媒
となる。第1熱交換部46で気化された気化冷媒は、第2熱交換部48でさらに加熱され
る。第1熱交換部46で生成された気化冷媒は第1気化冷媒供給ライン50を介して超電
導ケーブル18に供給可能であり、この気化冷媒の流量は流量調整弁52で調整可能であ
る。第2熱交換部48で加熱された気化冷媒は、第2気化冷媒供給ライン54を介して超
電導ケーブル18に供給可能であり、この気化冷媒の流量は流量調整弁56で調整可能で
ある。
この実施形態によれば、温度が異なる気化冷媒を夫々流量調整して超電導ケーブル18に送ることができる。従って、超電導ケーブル18に送る気化冷媒を所望の温度に調整できる。そのため、例えば、最初は低温の気化冷媒を送り、その後、徐々に温度を上げた気化冷媒を送ることができるため、超電導ケーブル18内の熱収縮の差により超電導ケーブルが移動して損傷することを防止できる。
一実施形態では、第1気化冷媒供給ライン50及び第2気化冷媒供給ライン54は、気
化冷媒を超電導ケーブル18に送る主気化冷媒供給ライン51に接続される。
一実施形態では、第1熱交換部46で気化された気化冷媒は、ライン57を経て第2熱交換部48に導入され、第2熱交換部48で加熱される。第2熱交換部48で加熱された気化冷媒の一部は、ライン58を介して第1熱交換部46に戻され、第1熱交換部46で熱源として用いられる。第1熱交換部46で熱源として用いられた気化冷媒は、ライン59を経て再び第2熱交換部48に戻され、冷却媒体ライン60を流れる冷却媒体wによって加熱される。その後、第2気化冷媒供給ライン54を経て超電導ケーブル18に供給される。
この実施形態によれば、第2熱交換部48において、冷却媒体ライン60と0℃未満の気化冷媒が流れるライン57との間に、0℃以上の気化冷媒が流れるライン59が配置されるため、冷却媒体ライン60を流れる冷却媒体が凍結するのを防止できる。該冷却媒体は例えば冷却水が用いられる。
一実施形態では、ライン57は第2熱交換部48の出口側でライン58とライン62とに分岐し、ライン62は液化冷媒貯留部42の上部気相空間に導設される。気化冷媒の一部をライン62を介して液化冷媒貯留部42の上部気相空間に供給することで、該上部気相空間を加圧できるため、液化冷媒貯留部42に貯留された液化冷媒Lrを熱交換部44に送る送液量を増加できる。
一実施形態では、第2熱交換部48は、冷却媒体ライン60を流れる冷却媒体wを熱源とする。冷却部30で冷媒ガスを冷却した後の冷却媒体wを第2熱交換部48で0℃近くまで冷却できるので、冷凍機16の動力量を節減できる。
一実施形態では、冷却媒体ライン60に冷却媒体ポンプ64が設けられ、冷却媒体wは冷却媒体ポンプ64によって冷却媒体ライン60を循環する。従って、強制排出工程において、冷却媒体wは第2熱交換部48で冷却されるため、冷凍機16の熱効率を向上できる。
一実施形態では、図1及び図2に示すように、昇温工程において、冷却媒体ライン60に設けられた弁94及び95が開放され、弁96が閉じられて、冷却塔66を通過した冷却媒体wが気化冷媒供給部40へ送られる。気化冷媒供給部40で冷却された冷却媒体wは冷却部30で加熱され、冷却媒体wは外気温より低いため、冷却塔66は冷却媒体wの加温器として機能する。一方、定常運転時には、弁94及び95が閉じられ、弁96が開放されて、冷却塔66のみが作動し、冷却塔66は冷却媒体wの冷却器として機能する。気化冷媒の加温を空気との熱交換で行おうとすると大きな熱交換器が必要となるが、冷却塔66を加温用の熱交換器として利用するため、大きな空気との熱交換器を設置する必要がない。なお、第1熱交換部46と第2熱交換部48は液体の冷却媒体wとの熱交換のため小型で済む。
一実施形態では、図2に示す冷却装置10(10B)のように、液化冷媒貯留部42はタンクローリ42(42b)で構成される。液化冷媒貯留部42をタンクローリ42(42b)で代用できるので、リザーバタンク42(42a)などの設置が不要になり、設備費を低減できる。
一実施形態では、冷媒送りライン14は、リザーバタンク12から冷凍機16を経由して超電導ケーブル18に導設され、第1冷媒戻りライン19は、冷凍機16と超電導ケーブル18との間で冷媒送りライン14から分岐し、リザーバタンク12に導設される。
この実施形態によれば、第1冷媒戻りライン19が冷媒送りライン14から分岐する分岐ラインで構成されるため、サブクール温度の液化冷媒を送るための断熱構造を要する配管を短縮でき低コスト化できる。また、1個の液ポンプ22で超電導ケーブル18とリザーバタンク12とに液化冷媒を同時に送ることができ、液化冷媒の送り動力を低減できる。
一実施形態では、液ポンプ22は冷媒送りライン14の上流側部位に設けられる。図示した実施形態では、液ポンプ22はリザーバタンク12と冷凍機16との間で冷媒送りライン14に設けられる。これによって、1個の液ポンプ22で超電導ケーブル18とリザーバタンク12とに液化冷媒を同時に送ることができる。
一実施形態では、第1冷媒戻りライン19に圧力制御弁70が設けられる。この実施形態によれば、圧力制御弁70の開度を調整して液化冷媒Lrを供給することで、リザーバタンク12の圧力を制御することができる。これによって、リザーバタンク内を負圧に保持できるので、超電導ケーブル18とリザーバタンク12との差圧により、残留液化冷媒及び電導ケーブル18に供給された気化冷媒が第3冷媒戻りライン23を介してリザーバタンク12に戻り易くなる。
一実施形態では、リザーバタンク12の上部気相空間に液噴霧部72を備え、第1冷媒戻りライン19は液噴霧部72まで導設される。
この実施形態によれば、液噴霧部72からサブクール温度の液化冷媒を噴霧することで、噴霧される液化冷媒は微細なミストを形成できる。そのため、リザーバタンク内の気体の冷媒との混ざりが促進され、両者間の熱交換効率を高めることができ、リザーバタンク内の液化冷媒Lrを効率的にサブクール温度にできる。
一実施形態では、液噴霧部72は、上部気相空間で水平方向に配置されたループ状配管74と、ループ状配管74に設けられた多数のノズル76とを備える。液化冷媒Lrは多数のノズル76から噴霧される。
一実施形態では、リザーバタンク12には、リザーバタンク内の圧力が許容値を超えたとき開放される逃がし弁78と、必要なときに上部気相空間の気体を外部に放出するガス放出弁80と、を備える。例えば、リザーバタンク12の内圧が増加しないようにガス放出弁80を開放する。
一実施形態では、冷凍機16の下流側で冷媒送りライン14に冷媒回収ライン82が設けられる。残留液化冷媒の強制排出工程の実施により、超電導ケーブル18から気化冷媒がリザーバタンク12に回収され再凝縮される。そのため、リザーバタンク内の液化冷媒が徐々に増加する。
リザーバタンク内で増加した液化冷媒を冷媒回収ライン82によって外部に回収できる。また、冷媒回収ライン82が冷凍機下流側の冷媒送りライン14に設けられるので、冷凍機16でサブクール温度に冷却された液化冷媒を外部へ回収できる。これによって、回収した液化冷媒を系外で液状のまま保有できる。
一実施形態では、冷媒回収ライン82はタンクローリ84に接続され、回収される液化冷媒は液状を保持しながらタンクローリ84に収容される。
一実施形態では、冷媒回収ライン82を液化冷媒貯留部42まで導設し、回収した液化冷媒を直接液化冷媒貯留部42に戻すこともできる。但し、この場合、冷媒回収ライン82より液化冷媒貯留部42のほうが高圧であるので、冷媒回収ライン82に送り用の液ポンプを設ける必要がある。
図5は、一実施形態に係る超電導ケーブル18の横断面図である。図5において、中心部にフォーマ100が配置され、フォーマ100の外側に超電導導体層102が設けられている。フォーマ100の内側及び超電導導体層102の外側に液化冷媒が流れる冷媒流路104が形成される。外側冷媒流路104の外側に断熱層106が設けられ、さらにその外側に外層108が設けられる。
図3に示す冷却装置10(10C)は、超電導ケーブル通電中の事故、故障等により超電導ケーブル18の一部に液化冷媒の沸点以上の高温部Ghが発生したとき、超電導ケーブル18の残留液化冷媒を強制排出可能に構成されている。冷却装置10(10C)において、超電導ケーブル18の定常運転時における冷媒流路104(図5参照)の入口部と第2冷媒戻りライン20との間に液化冷媒排出ライン86が接続され、液化冷媒排出ライン86に液ポンプ88が設けられる。
超電導ケーブル通電中の事故、故障等により、超電導ケーブル18の一部に液化冷媒の沸点以上の高温部Ghが発生したとき、高温部Ghより上流側領域に残留した液化冷媒を高温部Ghを通過させようとすると高温部Ghで気化するため高圧となるため高温部より下流側へ排出することが難しく、発生する高圧により超電導ケーブル18を損傷させる可能性がある。そこで、超電導ケーブル18の一部に高温部Ghが発生した時には、超電導ケーブル18への通電と課電の停止を確認した後、リザーバタンク12の昇圧を停止すとともに、液化冷媒排出ライン86に設けられたバルブ120及びバルブ121を開く。その後、第2冷媒戻りライン20に設けられたバルブ119を閉じると共に、圧力制御弁70を開いてリザーバタンク12を負圧にする。
次に、冷媒送りライン14に設けられたバルブ115を閉じることで、高温部Ghより上流側領域に残留した液化冷媒は、高温部Ghを通過させることなく液化冷媒排出ライン86からリザーバタンク12に排出される。この時、超電導ケーブル18と負圧下のリザーバタンク12との差圧により高温部Ghより上流側領域に残留した液化冷媒はリザーバタンク12に回収できるが、液ポンプ88を用いることで、より迅速に液化冷媒を回収することができる。
液化冷媒排出ライン86からリザーバタンク12に排出される液化冷媒がほぼ無いことを確認した後、バルブ119を開き、バルブ120及びバルブ121を閉じる。これにより、超電導ケーブル18の高温部Ghより下流領域に残留した液化冷媒のリザーバタンク12への排出が開始される。
その後、気化冷媒供給部40から液化冷媒の沸点より僅かに高い温度の気化冷媒の供給を開始し、第2冷媒戻りライン20からリザーバタンク12への液化冷媒の排出が少なくなったら、第3冷媒戻りライン23に設けられたバルブ111を開き、第2冷媒戻りライン20に設けられたバルブ110を閉じて、第3冷媒戻りライン23からリザーバタンク12の気相へ気化冷媒が含まれた冷媒を排出するようにする。
気化冷媒供給部40から超電導ケーブル18に供給する気化冷媒の温度を徐々に高くすることで超電導ケーブル18を常温まで昇温することができる。
図4に示す冷却装置10(10D)は、冷却装置10(10C)と同様に、高温部Ghが発生したとき、超電導ケーブル18の残留液化冷媒を排出可能に構成されている。冷却装置10(10D)は、主気化冷媒供給ライン90と液化冷媒排出ライン86とを備える。主気化冷媒供給ライン90は、超電導ケーブル18の定常運転時における冷媒流路104の出口部に接続される。液化冷媒排出ライン86は、上述のように、超電導ケーブル18の定常運転時における冷媒流路104の入口部と第2冷媒戻りライン20との間に接続される。
超電導ケーブル18の一部に高温部Ghが発生したとき、まず、超電導ケーブル18の通電を停止し、その後、超電導ケーブル18への課電を停止する。超電導ケーブル18への課電が停止されていることを確認した後、リザーバタンク12の加圧を停止する。その後、圧力制御弁70を開いた後に、バルブ115を閉じて、超電導ケーブル18への液化冷媒Lrの供給を停止する。この状態で、超電導ケーブル18の高温部Ghより下流側に残留した液化冷媒の排出を開始する。超電導ケーブル18の高温部Ghより上流側は高温部Ghで気化し圧力を発生させているためほとんど排出されない。
そこで、第2冷媒戻りライン20からリザーバタンク12への液化冷媒Lrの排出がほぼ無くなったことを確認した後、液化冷媒排出ライン86に設けられた弁97を開放し、第2冷媒戻りライン20に設けられた弁98を閉じる。これによって、高温部Ghより上流側領域に残留した液化冷媒が液化冷媒排出ライン86を通してリザーバタンク12へ排出される。その後、主気化冷媒供給ライン90から超電導ケーブル18の出口側に供給される気化冷媒によって、超電導ケーブル18内に残留している液化冷媒を気化して排出する。次に、気化冷媒供給部40から超電導ケーブル18に供給される気化冷媒の温度を徐々に高くすることで、超電導ケーブル18を常温まで昇温する。
一実施形態に係る超電導ケーブルの昇温方法の主要工程は、図6に示すように、冷却装置10において、まず、リザーバタンク内に貯留された液化冷媒Lrを冷凍機16でサブクール温度に冷却し、冷却された液化冷媒を第1冷媒戻りライン19を介してリザーバタンク12に戻す(冷媒過冷却ステップS10)。こうして、リザーバタンク12にサブクール温度の液化冷媒Lrが貯留されると共に、リザーバタンク12が負圧になる。そして、一実施形態では、ここで負圧になったリザーバタンク12に超電導ケーブル18から液化冷媒を排出する。(液化冷媒排出ステップS12)。次に、超電導ケーブル18に気化冷媒を供給し、超電導ケーブル18の昇温を開始する(気化冷媒供給ステップS14)。この気化冷媒供給ステップS14では、気化冷媒を図1〜図4に示す気化冷媒供給部40から供給してもよいし、あるいは冷却装置10とは別に設けられた供給設備から供給してもよい。次に、気化冷媒供給ステップS14で超電導ケーブルに供給された気化冷媒を第2冷媒戻りライン20を介してリザーバタンク12に戻し、リザーバタンク12に貯留されたサブクール温度の液化冷媒Lrを使って再凝縮する(再凝縮ステップS16)。
上記方法によれば、超電導ケーブル内の冷媒は、超電導ケーブル内の圧力より低い圧力になったリザーバタンク12に引き出すことができるため、超電導ケーブル18を高圧にすることなく液化冷媒を排出することができる。従って、超電導ケーブル内を加圧する必要がないので、超電導ケーブルが損傷する虞がない。超電導ケーブル内に残留する冷媒は、超電導ケーブル18に供給される気化冷媒によって気化して排出されるため、液化冷媒の排出及びその後の昇温に要する時間を短縮できる。また、リザーバタンク12に排出された気化冷媒を含む冷媒は、リザーバタンク12に戻され、リザーバタンク12に貯留されたサブクール温度の液化冷媒によって再凝縮される。従って、リザーバタンク12に強制排出された冷媒を再利用できるので、冷媒の大量消費を抑制できる。
一実施形態では、気化冷媒供給ステップS14において、例えば、気化冷媒供給部40から超電導ケーブル18に供給する気化冷媒の温度を徐々に高くする。これによって、熱膨張により発生する応力(熱衝撃)を緩和しながら、強制昇温できる。
一実施形態では、冷媒過冷却ステップS10で冷却された液化冷媒を第1冷媒戻りライン19を介してリザーバタンク12に戻すとき、第1冷媒戻りライン19で液化冷媒の流量を絞り減圧する。冷却装置10では、第1冷媒戻りライン19に設けられた圧力制御弁70で液化冷媒の流量を絞り減圧することができる。
この実施形態によれば、リザーバタンク内を負圧にできるので、超電導ケーブル18とリザーバタンク12との差圧により、超電導ケーブル18に残留した液化冷媒及び供給された気化冷媒が第2冷媒戻りライン20を介してリザーバタンク12に戻り易くなる。
一実施形態では、超電導ケーブル通電中の、事故、故障等により超電導ケーブル18の一部に液化冷媒の沸点以上の高温部が発生したとき、次の処理を行うことで、超電導ケーブル18に過大な圧力を発生させることなく残留液化冷媒を排出できる。
即ち、図3及び図4に示す冷却装置10(10C、10D)において、まず、バルブ115を閉じ超電導ケーブル18への液化冷媒への供給を停止すると共に、バルブ116を閉じて気化冷媒の供給を止めた状態で、高温部Ghより下流側に残留した液化冷媒を、超電導ケーブル18と負圧となったリザーバタンク12との差圧により第2冷媒戻りライン20を介してリザーバタンク12に排出する。
この時、バルブ115を閉じているため、高温部Ghより上流側に残留した液化冷媒が大きく移動することはない。下流側が負圧となることから上流側に残留した液化冷媒の一部が高温部Ghへ移動し気化するが、気化により生じる圧力により上流側に残留した液化冷媒の高温部Ghへの多量の移動は阻止され、下流側に残留した液化冷媒の排出を促進する程度の圧力に留めることができる。第2冷媒戻りライン20からの液化冷媒の排出がほぼ無くなるまでこのステップを継続する。第2冷媒戻りライン20からの液化冷媒の排出の有無は、リザーバタンク12に貯液されている液化冷媒の増加が停止することなどで検知することができる。
次に、図4に示す冷却装置10(10D)においては、バルブ116を閉じた状態でバルブ98を閉じバルブ97を開くことにより、高温部Ghの上流側に残留した液化冷媒を、超電導ケーブル18の定常運転時における冷媒流路104(図5参照)の入口部と冷媒戻りライン20とに接続された液化冷媒排出ライン86を介してリザーバタンク12の負圧により排出する(図6中の液化冷媒排出ステップS12)。この時、バルブ117を閉じて行うので、液化冷媒はリザーバタンク12の液相に戻される。このステップも液化冷媒排出ライン86からの液化冷媒の排出がほぼ無くなるまで継続する。
次に、図4に示す冷却装置10(10D)においては、バルブ116を少しずつ開き、超電導ケーブル18の定常運転時における冷媒流路104の出口側より気化冷媒の供給を開始する。この時の気化冷媒の温度は冷媒の沸点より僅かに高い温度とし、圧力は大気圧より低くする。気化冷媒の供給により超電導ケーブル18内に圧力差が生じるため第2冷媒戻りライン20からの液化冷媒の排出が再開される。このステップも液化冷媒排出ライン86からの液化冷媒の排出がほぼ無くなるまで継続する。
次に、バルブ117を開きバルブ97を閉じることで、液化冷媒排出ライン86からの冷媒がリザーバタンク12の気相に排出されるようにし、流量調整弁52、56を調整することで気化冷媒の温度を上昇させる。これにより、超電導ケーブル18内に残留した液化冷媒が気化冷媒により気化してリザーバタンク12に排出される。この時、リザーバタンク12の気相に気化冷媒は排出され再凝縮するため、液相に気化冷媒が混入して液ポンプ22に送られて液ポンプ22が損傷するような事態を回避できる。
超電導ケーブル18に供給する気化冷媒の温度は、リザーバタンク12に液化冷媒排出ライン86から排出される気化冷媒との温度差が設定値以内(例えば50K)になるように調整する。このように調整することで、超電導ケーブル18内の温度差が設定値以内にすることができるため、熱収縮の差により超電導ケーブル18の移動が発生し損傷することを防止できる。
気化冷媒の温度を徐々に上昇させることで、超電導ケーブル18からの残留した液化冷媒の排出から超電導ケーブルの温度上昇へと移行することができる。
この実施形態によれば、事故、故障等により超電導ケーブル内に高温部Ghが発生したときに、超電導ケーブル18に高い圧力を発生することなく残留した液化冷媒を排出できる。
一実施形態では、リザーバタンク12の液化冷媒を冷媒回収ライン82を介してタンクローリ84に回収する(図6中の回収ステップS18)。この実施形態によれば、リザーバタンク内の増加した液化冷媒を冷媒回収ライン82によって外部に回収でき、かつ回収した液化冷媒を液状のまま保有できる。
次に、一実施形態に係る昇温工程を図7に基づいて詳細に説明する。図7に示すように、まず、冷凍機16を運転し、リザーバタンク12内の液化冷媒を過冷却し、さらにリザーバタンク12内を負圧にして超電導ケーブル18から残留液化冷媒を回収する条件を整える(ステップA)。超電導ケーブル18に高温部Ghが発生したときは、高温部Ghの下流側の残留液化冷媒を第2冷媒戻りライン20を通してリザーバタンク12に排出する。この時、超電導ケーブル18とリザーバタンク12との差圧により、残留液化冷媒をリザーバタンク12に排出する(ステップB)。
高温部Ghの上流側に残留した液化冷媒は、超電導ケーブル18の冷媒流路104の入口部と第2冷媒戻りライン20とに接続された液化冷媒排出ライン86を介してリザーバタンク12に排出される。液化冷媒排出ライン86に設けられた液ポンプ88によって、液化冷媒の排出が促進される(ステップC)。
気化冷媒供給ステップS14においては、超電導ケーブル18に最初は低温の気化冷媒を送り、その後、徐々に温度を上げた気化冷媒を送る。即ち、液化冷媒貯留部42の液化冷媒Lrを熱交換部44で加熱・気化し、気化した冷媒を第1気化冷媒供給ライン50及び第2気化冷媒供給ライン54より超電導ケーブル18に供給し、超電導ケーブル18の残留液化冷媒を気化冷媒で排出する。超電導ケーブル18に残留した液化冷媒は、まず気化冷媒によって押し出され、その後は、気化冷媒によって気化されて排出される(ステップD)。
超電導ケーブル18の昇温工程では、熱交換部44は、第1熱交換部46と第2熱交換部48とで構成された熱交換部44で気化冷媒を生成し、この気化冷媒を超電導ケーブル18に供給する。超電導ケーブル18に供給される気化冷媒は流量調整弁52及び56で温度調整される。なお、第2熱交換部48は冷却媒体wを熱源とする。さらに、超電導ケーブル18からリザーバタンク12に戻ってきた冷媒を液噴霧部72で噴霧される過冷却冷媒で再凝縮する(ステップE)。
回収ステップS18では、ステップB〜Dで超電導ケーブル18からリザーバタンク12に戻ってきた液化冷媒Lrを過冷却し、冷媒回収ライン82を介してタンクローリ84に回収する(ステップF)。
一実施形態によれば、超電導ケーブルからの液化冷媒の強制排出工程及び強制排出後の強制昇温工程に適用可能な有用な手段を実現できる。
10 冷却装置
12 リザーバタンク
14 冷媒送りライン
16 冷凍機
18 超電導ケーブル
19 第1冷媒戻りライン
20 第2冷媒戻りライン
22、88 液ポンプ
23 第3冷媒戻りライン
24 冷媒ガス循環ライン
26 液化冷媒用熱交換器
28 圧縮機
30 冷却部
32 冷熱回収熱交換器
34 膨張タービン
36 モータ
38 真空容器
40 気化冷媒供給部
42 液化冷媒貯留部
42(42a) リザーバタンク
42(42b) タンクローリ
44 熱交換部
46 第1熱交換部
48 第2熱交換部
50 第1気化冷媒供給ライン
51、90 主気化冷媒供給部ライン
52、56 流量調整弁
54 第2気化冷媒供給ライン
55 迂回ライン
60 冷却媒体ライン
64 冷却媒体ポンプ
66 冷却塔
70 圧力制御弁
72 液噴霧部
74 ループ状配管
76 ノズル
78 逃がし弁
80 ガス放出弁
82 冷媒回収ライン
84 タンクローリ
86 液化冷媒排出ライン
118 熱交換器
Gh 高温部
Lr 液化冷媒
w 冷却水

Claims (15)

  1. 液化状態の冷媒を貯留するためのリザーバタンクと、
    前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
    前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
    前記冷凍機で冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
    前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
    前記超電導ケーブルに気化冷媒を前記第2冷媒戻りラインが接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端に供給可能な気化冷媒供給部と、
    を備えることを特徴とする超電導ケーブルの冷却装置。
  2. 液化状態の冷媒を貯留するためのリザーバタンクと、
    前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
    前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
    前記冷凍機で冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクに戻す第1冷媒戻りラインと、
    前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
    前記第2冷媒戻りラインの接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端と前記第2冷媒戻りラインとに接続された液化冷媒排出ラインと、
    前記第2冷媒戻りラインが接続された前記超電導ケーブルの端に気化冷媒を供給可能な気化冷媒供給部と、
    を備えることを特徴とする超電導ケーブルの冷却装置。
  3. 前記液化冷媒排出ラインに設けられる液ポンプを備えることを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  4. 前記気化冷媒供給部は、液化冷媒貯留部からの前記冷媒を加熱して前記気化冷媒とする熱交換部を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  5. 前記冷凍機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された前記冷媒ガスを冷却する冷却部と、を備え、
    前記熱交換部は、前記冷却部で前記冷媒ガスを冷却する冷却媒体を熱源として前記液化冷媒貯留部からの前記冷媒を加熱して前記気化冷媒とすることを特徴とする請求項4に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  6. 前記熱交換部は、
    前記液化冷媒貯留部に貯留された液化状態の前記冷媒を加熱して気化冷媒とする第1熱交換部と、
    前記第1熱交換部で気化された前記気化冷媒をさらに加熱する第2熱交換部と、
    前記第1熱交換部で生成された前記気化冷媒を前記超電導ケーブルに送る流量調整可能な第1気化冷媒供給ラインと、
    前記第2熱交換部で加熱された前記気化冷媒を前記超電導ケーブルに送る流量調整可能な第2気化冷媒供給ラインと、
    を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  7. 前記液化冷媒貯留部はタンクローリで構成されることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  8. 前記冷媒送りラインは、前記リザーバタンクから前記冷凍機を経由して前記超電導ケーブルに導設され、
    前記第1冷媒戻りラインは、前記冷凍機と前記超電導ケーブルとの間で前記冷媒送りラインから分岐し、前記リザーバタンクに導設されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  9. 前記リザーバタンクの上部気相空間に設けられた液噴霧部を備え、
    前記第1冷媒戻りラインは前記液噴霧部まで導設されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  10. 前記冷媒送りラインに設けられ、前記冷媒を回収するための冷媒回収ラインを備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の超電導ケーブルの冷却装置。
  11. 液化状態の冷媒を貯留するリザーバタンクと、
    前記冷媒をサブクール温度まで冷却可能な冷凍機と、
    前記リザーバタンクからの前記冷媒を超電導ケーブルに送る冷媒送りラインと、
    前記冷凍機でサブクール温度まで冷却された前記冷媒の少なくとも一部を前記リザーバタンクの戻す第1冷媒戻りラインと、
    前記超電導ケーブルを冷却した後の冷媒を前記リザーバタンクに戻す第2冷媒戻りラインと、
    を備える超電導ケーブルの冷却装置であって、
    前記リザーバタンク内に貯留された前記冷媒を冷凍機でサブクール温度に冷却し、冷却された前記冷媒を前記第1冷媒戻りラインを介して前記リザーバタンクに戻す冷媒過冷却ステップと、
    前記超電導ケーブルに気化冷媒を供給する気化冷媒供給ステップと、
    前記気化冷媒を前記リザーバタンクに戻して再凝縮する再凝縮ステップと、
    を含むことを特徴とする超電導ケーブルの昇温方法。
  12. 前記気化冷媒供給ステップにおいて、
    前記超電導ケーブルに供給される前記気化冷媒の温度を徐々に高くすることを特徴とする請求項11に記載の超電導ケーブルの昇温方法。
  13. 前記冷媒過冷却ステップにおいて、
    前記リザーバタンクの圧力を大気圧より低い負圧にすることを特徴とする請求項11又は12に記載の超電導ケーブルの昇温方法。
  14. 前記冷却装置は、前記第2冷媒戻りラインの接続されていない前記超電導ケーブルの他方の端と前記第2冷媒戻りラインとに接続される液化冷媒排出ラインを備え、
    前記超電導ケーブルから前記第2冷媒戻りラインへの前記冷媒の流れを止め、前記超電導ケーブルから前記液化冷媒排出ラインへ前記冷媒を排出する液化冷媒排出ステップを含むことを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の超電導ケーブルの昇温方法。
  15. 前記冷却装置は、前記冷媒送りラインに設けられ、前記冷媒を回収するための冷媒回収ラインを備え、
    前記リザーバタンクの前記冷媒をタンクローリに回収する回収ステップを含むことを特徴とする請求項11乃至14の何れか一項に記載の超電導ケーブルの昇温方法。
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