JP6717442B2 - 磁気センサおよび電流センサ - Google Patents

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Description

本開示は、磁気センサおよび電流センサに関する。
従来、磁気抵抗効果を用いた磁気センサにおいて、センサ特性および信頼性を向上するために、各種の磁気異方性を制御する方法が提案されている。たとえば、特開平7−244142号公報(特許文献1)、および特開2002−189067号公報(特許文献2)には、逆磁歪効果による応力誘起異方性を利用する方法が開示されている。
特許文献1に開示の磁気センサにあっては、磁場の強さに応じて磁化の向きが磁化容易方向と磁化困難方向との間で変化する強磁性金属薄膜を用いたセンサパターンを備える磁気センサにおいて、強磁性金属薄膜が正の磁歪定数を持つ場合、センサパターンの磁化困難方向に継続的な引張応力を印加する。一方で、強磁性金属薄膜が負の磁歪定数を持つ場合に、センサパターンの磁化困難方向に継続的な圧縮応力を印加する。これにより、微小磁界での高感度化が可能となる。
特許文献2に開示の磁気センサは、圧電基板上に配置されており、電圧が圧電基板に印加されることにより、磁気センサに歪みが印加される。これにより、磁気センサを構成する磁性材料の内部の異方性が変化して、センサ特性が変化する。この結果、磁気センサが高感度となる点に動作点を定めることができる。
特開平7−244142号公報 特開2002−189067号公報
しかしながら、特許文献1に開示の磁気センサにあっては、継続的な応力が印加される場合であっても外部からの入力等によって応力が変動した場合には、感磁方向と平行な方向に応力誘起磁気異方性が発現する。これにより、ゼロ磁場における磁気センサの抵抗値が変動してしまう。
特許文献2に開示の磁気センサは、圧電素子を用いる構成であるため、その構成が大掛かりとなり、製造コストが増加する。
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、応力変動に対する信頼性を向上させることができる磁気センサおよび電流センサを提供することにある。
本開示の第1局面に基づく磁気センサは、基板と、所定の感磁方向を有するように上記基板上に設けられ、上記感磁方向と直交する方向にバイアス磁場が印加される磁気抵抗素子部と、を備え、上記磁気抵抗素子部は、負の磁歪定数を有する磁性層を含み、上記基板に対して上記感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合に、上記バイアス磁場の方向と平行な方向に上記磁性層の応力誘起異方性が発現する。
本開示の第2局面に基づく磁気センサは、基板と、所定の感磁方向を有するように上記基板上に設けられ、上記感磁方向と直交する方向にバイアス磁場が印加される磁気抵抗素子部と、を備え、上記磁気抵抗素子は、正の磁歪定数を有する磁性層を含み、上記基板に対して上記感磁方向と平行な方向に圧縮応力を作用させた場合に、上記バイアス磁場の方向と平行な方向に上記磁性層の応力誘起異方性が発現する。
上記本開示の第1局面および第2局面に基づく磁気センサにあっては、上記基板は、長手方向を有する長手形状を有することが好ましい。この場合には、上記感磁方向は、上記長手方向と平行であることが好ましい。
上記本開示の第1局面および第2局面に基づく磁気センサにあっては、上記磁気抵抗素子部は、上記バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並ぶように、直列に電気的に接続された第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子、および第4磁気抵抗素子を含んでいてもよい。この場合には、上記第1磁気抵抗素子および上記第2磁気抵抗素子間を接続する接続部から上記第1磁気抵抗素子と上記第2磁気抵抗素子との中点電位を検出し、上記第3磁気抵抗素子および上記第4磁気抵抗素子間を接続する接続部から上記第3磁気抵抗素子と上記第4磁気抵抗素子との中点電位を検出することが好ましい。
上記本開示の第1局面および第2局面に基づく磁気センサにあっては、上記磁気抵抗素子部は、行列状に配置された第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子、および第4磁気抵抗素子を含んでいてもよい。この場合には、上記第1磁気抵抗素子、上記第2磁気抵抗素子、上記第3磁気抵抗素子、および上記第4磁気抵抗素子によってフルブリッジ回路が構成されていることが好ましい。
上記本開示の第1局面および第2局面に基づく磁気センサにあっては、上記第1磁気抵抗素子および上記第2磁気抵抗素子は、上記バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されるとともに、第1ハーフブリッジ回路を構成していてもよい。また、上記第3磁気抵抗素子および上記第4磁気抵抗素子は、上記バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されるとともに、第2ハーフブリッジ回路を構成していてもよい。この場合には、上記第1ハーフブリッジ回路および上記第2ハーフブリッジ回路によって上記フルブリッジ回路が構成されること好ましい。また、上記第1磁気抵抗素子および上記第2磁気抵抗素子間を接続する接続部から上記第1磁気抵抗素子と上記第2磁気抵抗素子との中点電位を検出し、上記第3磁気抵抗素子および上記第4磁気抵抗素子間を接続する接続部から上記第3磁気抵抗素子と上記第4磁気抵抗素子との中点電位を検出することが好ましい。
本開示に基づく電流センサは、測定対象の電流が流れるバスバーと、上記の磁気センサと、を備える。
本開示によれば、応力変動に対する信頼性を向上させることができる磁気センサおよび電流センサを提供することができる。
実施の形態1に係る磁気センサを示す概略断面図である。 実施の形態1に係る磁気センサ素子を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る磁気センサにおいて磁気センサ素子に印加されるバイアス磁場の方向と感磁方向との関係を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合に作用する力を示す図である。 実施の形態1に係る磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気センサ素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。 実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 実施の形態2に係る磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気センサ素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。 実施の形態2に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。 実施の形態2に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 実施の形態2に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 実施の形態3に係る磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気抵抗素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。 実施の形態3に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。 実施の形態3に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 実施の形態3に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 比較例に係る磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気抵抗素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。 比較例に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。 比較例に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 比較例に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。 変形例に係る磁気センサ素子が感磁方向に圧縮された場合に作用する力を示す図である。 実施の形態4に係る電流センサの斜視図である。 実施の形態4に係る電流センサの平面図である。 実施の形態4に係る電流センサの正面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る磁気センサを示す概略断面図である。図1を参照して、実施の形態1に係る磁気センサ100について説明する。
図1に示すように、実施の形態1に係る磁気センサ100は、磁気センサ素子1、リードフレーム2、接合部材3、ボンディングワイヤ4、およびモールド部材5を備える。磁気センサ素子1は、接合部材3によってリードフレーム2に接合された状態で、モールド部材5にモールドされている。磁気センサ素子1は、ボンディングワイヤ4によってリードフレーム2に電気的に接続されている。
リードフレーム2、接合部材3および磁気センサ素子1が並ぶ方向に平行な方向を厚さ方向とした場合に、当該厚さ方向におけるリードフレーム2の中心を通過するリードフレーム2の中心線CLに対して、接合部材3および磁気センサ素子1が位置する側におけるモールド部材5の厚さT1は、接合部材3および磁気センサ素子1が位置する側とは反対側におけるモールド部材5の厚さよりも厚くなっている。
図2は、実施の形態1に係る磁気センサ素子を示す概略断面図である。図2を参照して、実施の形態1に係る磁気センサ素子1について説明する。
図2に示すように、実施の形態1に係る磁気センサ素子1は、たとえばAMR素子である。磁気センサ素子1は、基板10、磁気抵抗素子部としての積層体11、一対の電極部15、および保護層16を含む。
基板10は、たとえば熱酸化膜付きSi基板によって構成されている。なお、基板10は、ガラス基板等の絶縁性基板によって構成されていてもよく、絶縁膜が形成された板状部材によって構成されていてもよい。
積層体11は、基板10の主面上に設けられている。積層体11は、後述するように所望のパターンに形成されている。積層体11は、下地膜12、磁性膜13、保護膜14を有する。これら下地膜12、磁性膜13、および保護膜14は、基板10側から順に積層されている。
下地膜12は、絶縁性の高い熱酸化膜上に形成される。下地膜12としては、Ta、W、Mo、Ti、Ru等の金属からなる金属膜、またはこれら金属膜が積層された積層膜が用いられる。下地膜12は、磁性膜13を適切に成長させるために設けられている。なお、下地膜12を用いることなく磁性膜13を適切に成長させることができる場合には、下地膜12は省略してもよい。
磁性膜13は、下地膜12上に形成される。磁性膜13は、負の磁歪定数λを有する。磁性膜13は、磁歪定数λが−1ppm<λ<0ppmとなるように形成されている。磁性膜13は、たとえばNiとFeとを含む合金によって構成されている。この場合において、磁性膜13の磁歪定数λは、Niの組成を調整することにより適宜設定することができる。
保護膜14は、磁性膜13上に形成される。保護膜14としては、Ta、W、Mo、Ti、Ru等の金属からなる金属膜、またはこれら金属膜が積層された積層膜が用いられる。保護膜14は、磁性膜13を保護するために設けられている。なお、デバイス特性に影響がない場合には、保護膜14を省略してもよい。
一対の電極部15は、積層体11の両端に設けられている。電極部15は、Al、Cu、Au等の電気導電性の良好な金属材料からなる。積層体11と電極部15との密着性を高めるために、積層体11と電極部15との間には、Ti,Crなどからなる密着層が設けられていてもよい。
保護層16は、積層体11、および一対の電極部15を覆うように設けられる。保護層16には、一対の電極部15の一部が露出するようにコンタクトホール16aが設けられている。当該コンタクトホール16aにボンディングワイヤ4の一端側挿入され、ボンディングワイヤ4の一端が電極部15に接続される。ボンディングワイヤ4の他端側は、リードフレーム2に接続される。
保護層16としては、SiO、TiO、ZrO、Al、HfO等の絶縁性の高い材料を採用することができる。保護層16は、積層体11などが酸化および腐食することを防ぐために設けられている。なお、保護層16は、省略してもよい。
図3は、実施の形態1に係る磁気センサにおいて磁気センサ素子に印加されるバイアス磁場の方向と感磁方向との関係を示す図である。
図3に示すように、磁気センサ100は、平面視した場合に、長手方向(DR1方向)および短手方向(DR2方向)を有する長手形状を有する。同様に、磁気センサ素子1も、平面視した場合に、長手方向(DR1方向)および短手方向(DR2方向)を有する長手形状を有する。磁気センサ素子1は、上記長手方向と平行となる方向に感磁方向を有する。
磁気センサ100は、磁気センサ素子1にバイアス磁場を印加するための磁場印加部(不図示)を有する。磁場印加部は、たとえば永久磁石(不図示)によって構成されている。当該永久磁石は、磁気センサ素子1とともにモールド部材5によってモールドされている。上記磁場印加部は、感磁方向と直交する方向(DR2方向)にバイアス磁場を印加する。
上記磁気センサ100を製造する場合には、まず基板10を準備する。次に、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング等を用いて、基板10上に所望のパターンを有する積層体11を形成する。
続いて、フォトリソグラフィ法、蒸着、またはスパッタ法等を用いて、一対の電極部15を形成する。次に、スパッタまたはCVD法等を用いて、積層体11、および一対の電極部15を覆うように保護層16を形成する。
次に、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング等を用いて、コンタクトホール16aを形成する。続いて、ダイシング装置を用いて基板10を所望のサイズに個片化し、磁気センサ素子1を形成する。
次に、接合部材3を用いてリードフレーム2に磁気センサ素子1を固定する。続いて、ボンディングワイヤ4によって一対の電極部15とリードフレーム2とを電気的に接続する。この状態で、バイアス磁場を印加するための永久磁石とともにリードフレーム2および磁気センサ素子1をモールド部材5にてモールドする。これにより、磁気センサ100が製造される。
なお、磁気センサ素子1は、モールド部材5と磁気センサ素子1との熱膨張係数の差によって磁気センサ素子1に対して長手方向(DR1方向)に平行な長手方向に引張応力(初期応力)が作用するようにモールドされる。このようにモールドすることにより、初期応力の方向、および環境温度にさらされた状態での使用状況による応力の変動方向は、上記長手方向、すなわち感磁方向と平行な方向が支配的になる。
図4は、実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合に作用する力を示す図である。図4を参照して、実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合に作用する力について説明する。
図4に示すように、磁気センサ素子1が感磁方向と平行な方向に引張された場合、すなわち、磁気センサ素子1に感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合には、当該感磁方向と平行な方向における磁気センサ素子1の両端側が外側に向けて引張され、当該感磁方向と平行における磁気センサ素子1の中央部が、感磁方向と直交する方向に圧縮される。このため、磁気抵抗素子部を磁気センサ素子1の中央部に配置した場合には、逆磁歪効果により発現する磁性膜13の応力誘起異方性の方向がバイアス磁場の方向と平行となる。
図5は、実施の形態1に係る磁気抵抗素子を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気センサ素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。
図5に示すように、磁気センサ素子1は、行列状に配置された第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4を含む。第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4は、所望の形状にパターニングされた積層体11によって構成される。第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4は、2行2列に配置され、フルブリッジ回路を構成する。
第1磁気抵抗素子E1および第3磁気抵抗素子E3は、バイアス磁場の方向と直交する方向に沿って行状に並んで配置されている。第2磁気抵抗素子E2および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と直交する方向に沿って行状に並んで配置されている。
第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されている。第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されている。
第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2は、第1ハーフブリッジ回路を構成する。第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、第2ハーフブリッジ回路を構成する。上記第1ハーフブリッジ回路および上記第2ハーフブリッジ回路によってフルブリッジ回路が構成される。
第1磁気抵抗素子E1の一端側は、配線パターンによって電圧を印加するための電極パッドVddに電気的に接続されている。第1磁気抵抗素子E1の他端側は、配線パターンによって、第2磁気抵抗素子E2の一端側に接続されるとともに、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2の中点電位Vout1を検出するための電極パッドS1に電気的に接続されている。
第2磁気抵抗素子E2の一端側は、配線パターンによって、第1磁気抵抗素子E1の他端側に接続されるとともに、上記電極パッドS1に電気的に接続されている。第2磁気抵抗素子E2の他端側は、配線パターンによってグランドに接続される電極パッドGに電気的に接続されている。
第3磁気抵抗素子E3の一端側は、配電パターンによって上記電極パッドVddに電気的に接続されている。第3磁気抵抗素子E3の他端側は、配線パターンによって、第4磁気抵抗素子E4の一端側に接続されるとともに、第3磁気抵抗素子E3と第4磁気抵抗素子E4との中点電位Vout2を検出するための電極パッドS2に電気的に接続されている。
第4磁気抵抗素子E4の一端側は、配線パターンによって、第3磁気抵抗素子E3の他端側に接続されるとともに、上記電極パッドS2に電気的に接続されている。第4磁気抵抗素子E4の他端側は、配線パターンによって上記電極パッドGに電気的に接続されている。
電極パッドVddと電極パッドGとの間に電圧を印加すると、電極パッドS1および電極パッドS2からは、磁界強度に応じて中点電位Vout1および中点電位Vout2が取り出される。
ここで、第1磁気抵抗素子E1の抵抗をR1、第2磁気抵抗素子E2の抵抗をR2、第3磁気抵抗素子E3の抵抗をR3、第4磁気抵抗素子E4の抵抗をR4とした場合には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、以下の式(1)および(2)によって表される。なお、上記R1、R2、R3、およびR4の値は、磁気センサ素子1に印加される引張応力によって変動する。
中点電位Vout1=Vdd×R2/(R1+R2)・・・(式1)
中点電位Vout2=Vdd×R4/(R3+R4)・・・(式2)
磁気センサ素子1が感磁方向に引張された場合においては、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の各磁気抵抗素子には、図5に示すように、バイアス磁場の方向と平行な方向に応力Bstressが作用する。これにより、磁性体の磁化Mの向きは、バイアス磁場Bbiasと平行な方向からバイアス磁場Bbiasおよび応力Bstressを合成した方向に移動する。この結果、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の各磁気抵抗素子の抵抗も変化することとなる。
図6は、実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。なお、図6においては、引張前における磁気センサ素子に作用する力を破線で示し、引張後における磁気センサ素子に作用する力を実線で示すとともに、引張前後における各磁気抵抗素子の抵抗を数値(相対比率)で表している。
図6に示すように、磁気センサ素子1が感磁方向に引張される前においては、上記初期応力によって感磁方向と平行な方向(短手方向)における応力分布は、短手方向の中央部が大きくなるような凸形状となる。この場合においては、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2、ならびに、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、短手方向の中央部から短手方向に沿って等距離に位置している。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、ほぼ等しい状態となっている。この場合において、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3、および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4を3とする。
一方、磁気センサ素子1が初期状態から感磁方向に引張された後、すなわち、基板10に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合には、各磁気抵抗素子において応力Bstressが作用する。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、磁気センサ素子1が感磁方向に引張される前から変化する。
具体的には、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2は、3から2に変化する。第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4は、3から4に変化する。
一方で、磁気センサ素子1が感磁方向に引張された場合には、当該感磁方向と平行における磁気センサ素子1の中央部が、感磁方向と直交する方向に圧縮される。このため、磁気抵抗素子部を磁気センサ素子1の中央部に配置した場合には、上述のように、逆磁歪効果により発現する磁性膜13の応力誘起異方性の方向がバイアス磁場の方向と平行となる。これにより、応力誘起異方性に起因する第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗の変動を抑制できる。
図7は、実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図7に示すように、磁気センサ素子1が感磁方向に引張される前においては、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2が同じ値であり、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4が同じ値である。このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに同じ値となっている。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.5となる。この結果、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。
図8は、実施の形態1に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図8に示すように、磁気センサ素子1が感磁方向に引張された後においても、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2が同じ値であり、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4が同じ値である。このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに同じ値となっている。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.5となる。この結果、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。
この結果、実施の形態1に係る磁気センサにおいては、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffが、引張前後において変化することを抑制することができる。
以上のように実施の形態1に係る磁気センサ100にあっては、所定の感磁方向を有するように基板上に設けられ、感磁方向と直交する方向にバイアス磁場が印加される磁気抵抗素子と、を備え、磁気抵抗素子は、負の磁歪定数を有する磁性膜を含み、基板に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合に、バイアス磁場の方向と平行な方向に磁性膜の応力誘起異方性が発現する。
この結果、上述のように、応力誘起異方性に起因する第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗の変動を抑制できる。これにより、当該磁気センサ100は、応力変動に対する信頼性を向上させることができる。
特に、上述のように、磁気抵抗素子部としての積層体11が、行列状に配置された第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4を含み、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4によってフルブリッジ回路が構成されている場合には、Voffが、引張前後において変化することを好的に抑制することができる。
加えて、磁気センサ100にあっては、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されるとともに、第1ハーフブリッジ回路を構成し、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されるとともに、第2ハーフブリッジ回路を構成し、上記第1ハーフブリッジ回路および上記第2ハーフブリッジ回路によって上記フルブリッジ回路が構成され、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子間を接続する接続部から第1磁気抵抗素子E1と第2磁気抵抗素子E2との中点電位を検出し、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4間を接続する接続部から第3磁気抵抗素子E3と第4磁気抵抗素子E4との中点電位を検出する。
これにより、上述のように、引張前後において、中点電位Vout1の変動を抑制できるとともに、中点電位Vout2の変動も抑制することができる。
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2に係る磁気抵抗素子を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気センサ素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。図9を参照して、実施の形態2に係る磁気センサについて説明する。
図9に示すように、実施の形態2に係る磁気センサは、実施の形態1に係る磁気センサ100と比較した場合に、磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子の配置パターンが主として相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
磁気センサ素子1Aは、行列状に配置された第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4を含む。第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4は、2行2列に配置され、フルブリッジ回路を構成する。
第1磁気抵抗素子E1および第3磁気抵抗素子E3は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されている。第2磁気抵抗素子E2および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されている。
第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2は、バイアス磁場の方向と直交する方向に沿って行状に並んで配置されている。第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と直交する方向に沿って行状に並んで配置されている。
第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2は、第1ハーフブリッジ回路を構成する。第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、第2ハーフブリッジ回路を構成する。上記第1ハーフブリッジ回路および上記第2ハーフブリッジ回路によってフルブリッジ回路が構成される。
電極パッドVddと電極パッドGとの間に電圧を印加すると、電極パッドS1および電極パッドS2からは、磁界強度に応じて中点電位Vout1および中点電位Vout2が取り出される。
この場合においても、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、実施の形態1同様に、上述の式(1)および式(2)によって表される。
図10は、実施の形態2に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。なお、図10においては、引張前における磁気センサ素子に作用する力を破線で示し、引張後における磁気センサ素子に作用する力を実線で示すとともに、引張前後における各磁気抵抗素子の抵抗を数値(相対比率)で表している。
図10に示すように、磁気センサ素子1Aが感磁方向に引張される前においては、初期応力によって感磁方向と平行な方向(短手方向)における応力分布は、短手方向の中央部が大きくなるような凸形状となる。この場合においては、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2、ならびに、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、短手方向の中央部から短手方向に沿って等距離に位置している。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、ほぼ等しい状態となっている。この場合において、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3、および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4を3とする。
一方、磁気センサ素子1Aが感磁方向に引張された後、すなわち、基板10に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合には、各磁気抵抗素子において応力Bstressが作用する。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、磁気センサ素子1Aが感磁方向に引張される前から変化する。
具体的には、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1は、3から2に変化する。第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2は、3から4に変化する。第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3は、3から4に変化する。第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4は、3から2に変化する。
一方で、磁気センサ素子1Aが感磁方向に引張された場合には、当該感磁方向と平行における磁気センサ素子1の中央部が、感磁方向と直交する方向に圧縮される。このため、磁気抵抗素子部を磁気センサ素子1Aの中央部に配置した場合には、上述のように、逆磁歪効果により発現する磁性膜13の応力誘起異方性の方向がバイアス磁場の方向と平行となる。これにより、応力誘起異方性に起因する第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗の変動を抑制できる。
図11は、実施の形態2に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図11に示すように、磁気センサ素子1Aが感磁方向に引張される前においては、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2が同じ値であり、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4が同じ値である。このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに同じ値となっている。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.5となる。中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。
図12は、実施の形態2に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図12に示すように、実施の形態2に係る磁気センサ素子1Aが感磁方向に引張された後においては、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2が異なる値となる。また、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4は、異なる値となる。このため、上記の式(1)から算出される中点電位Vout1は、引張前後で異なる値となる。同様に上記の式(2)から算出される中点電位Vout2は、引張前後で異なる値となる。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.667となる。
一方で、引張前後における第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1の変化と第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3の変化とはほぼ同じであり、引張前後における第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2の変化と第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4の変化とはほぼ同じである。このため、引張後における中点電位Vout1の値と中点電位Vout2の値とはほぼ同じである。これにより、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。この結果、実施の形態2に係る磁気センサにおいては、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffが、引張前後において変化することを抑制することができる。
実施の形態2に係る磁気センサにておいても、基板10に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合に、バイアス磁場の方向と平行な方向に磁性膜13の応力誘起異方性が発現することにより、応力変動に対する信頼性を向上させることができる。
(実施の形態3)
図13は、実施の形態3に係る磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気抵抗素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。図13を参照して、実施の形態3に係る磁気抵抗素子について説明する。
図13に示すように、実施の形態3に係る磁気センサは、実施の形態1に係る磁気センサ100と比較した場合に、磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子の配置パターンが主として相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
磁気センサ素子1Bは、列状に配置された第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4を含む。第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って、第3磁気抵抗素子E3、第4磁気抵抗素子E4、第2磁気抵抗素子E2、および第1磁気抵抗素子E1の順に並んで配置され、この順で直列に電気的に接続されている。
第3磁気抵抗素子E3の一端側は、配線パターンによって電極パッドVddに電気的に接続されている。第3磁気抵抗素子E3の他端側は、配線パターンによって、第4磁気抵抗素子E4の一端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドS2に電気的に接続されている。
第4磁気抵抗素子E4の一端側は、配線パターンによって、第3磁気抵抗素子E3の他端側に接続されるとともに、電極パッドS2に電気的に接続されている。第4磁気抵抗素子E4の他端側は、配線パターンによって第2磁気抵抗素子E2の一端側に電気的に接続されている。
第2磁気抵抗素子E2の一端側は、配線パターンによって第4磁気抵抗素子E4の他端側に電気的に接続されている。第2磁気抵抗素子E2の他端側は、配線パターンによって、第1磁気抵抗素子E1の一端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドS1に電気的に接続されている。
第1磁気抵抗素子E1の一端側は、配線パターンによって第2磁気抵抗素子E2の他端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドS1に電気的に接続されている。第1磁気抵抗素子E1の他端側は、電極パッドGに電気的に接続されている。
電極パッドVddと電極パッドGとの間に電圧を印加すると、電極パッドS1および電極パッドS2からは、磁界強度に応じて中点電位Vout1および中点電位Vout2が取り出される。
この場合においても、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、実施の形態1同様に、上述の式(1)および式(2)によって表される。
図14は、実施の形態3に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。なお、図14においては、引張前における磁気抵抗素子に作用する力を破線で示し、引張後における磁気抵抗素子に作用する力を実線で示すとともに、引張前後における各磁気抵抗素子の抵抗を数値(相対比率)で表している。
図14に示すように、磁気センサ素子1Bが感磁方向に引張される前においては、初期応力によって感磁方向と平行な方向(短手方向)における応力分布は、短手方向の中央部が大きくなるような凸形状となる。この場合においては、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2、ならびに、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4は、短手方向の中央部に位置している。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、ほぼ等しい状態となっている。この場合において、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3、および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4を5とする。
一方、磁気センサ素子1Bが感磁方向に引張された後、すなわち、すなわち、基板10に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合には、各磁気抵抗素子において応力Bstressが作用する。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、磁気センサ素子1が感磁方向に引張される前から変化する。
具体的には、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3、および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4は、5から4に変化する。
一方で、磁気センサ素子1Bが感磁方向に引張された場合には、当該感磁方向と平行における磁気センサ素子1Bの中央部が、感磁方向と直交する方向に圧縮される。このため、磁気抵抗素子部を磁気センサ素子1Bの中央部に配置した場合には、上述のように、逆磁歪効果により発現する磁性膜13の応力誘起異方性の方向がバイアス磁場の方向と平行となる。これにより、応力誘起異方性に起因する第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗の変動を抑制できる。
図15は、実施の形態3に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図15に示すように、磁気センサ素子1Bが感磁方向に引張される前においては、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2が同じ値であり、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4が同じ値である。このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに同じ値となっている。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.5となる。この結果、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。
図16は、実施の形態3に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図16に示すように、磁気センサ素子1Bが感磁方向に引張された後においても、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2が同じ値であり、第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4が同じ値である。このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに同じ値となっている。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.5となる。これにより、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。この結果、実施の形態3に係る磁気センサにおいては、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffが、引張前後において変化することを抑制することができる。
実施の形態3に係る磁気センサにておいても、基板10に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合に、バイアス磁場の方向と平行な方向に磁性膜13の応力誘起異方性が発現することにより、応力変動に対する信頼性を向上させることができる。
加えて、実施の形態3に係る磁気センサにおいては、磁気抵抗素子部としの積層体11は、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4を含み、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って、第3磁気抵抗素子E3、第4磁気抵抗素子E4、第2磁気抵抗素子E2および第1磁気抵抗素子E1の順に列状に並んで配置されるとともに、直列に電気的に接続され、第1磁気抵抗素子E1および第2磁気抵抗素子E2間を接続する接続部から第1磁気抵抗素子E1と第2磁気抵抗素子E2との中点電位を検出し、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4間を接続する接続部から第3磁気抵抗素子E3と第4磁気抵抗素子E4との中点電位を検出する。
これにより、上述のように、引張前後において、中点電位Vout1の変動を抑制できるとともに、中点電位Vout2の変動も抑制することができる。
(比較例)
図17は、比較例に係る磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子のパターン、ならびに、磁気センサ素子が引張された場合における各磁気抵抗素子に作用する力および各磁気抵抗素子の磁化方向等を示す概略図である。
図17に示すように、比較例に係る磁気センサは、実施の形態1に係る磁気センサ100と比較した場合に、磁気抵抗素子部を構成する複数の磁気抵抗素子の配置パターンが主として相違するとともに、磁性膜13が正の磁歪定数を有する点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
磁気センサ素子1Xは、行方向に並んで配置された第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4を含む。第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3、および第4磁気抵抗素子E4は、バイアス磁場の方向と直交する感磁方向に沿って、第3磁気抵抗素子E3、第4磁気抵抗素子E4、第2磁気抵抗素子E2および第1磁気抵抗素子E1の順に並んで配置されている。
第3磁気抵抗素子E3の一端側は、配線パターンによって電極パッドVddに電気的に接続されている。第3磁気抵抗素子E3の他端側は、配線パターンによって、第4磁気抵抗素子E4の一端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドS2に電気的に接続されている。
第4磁気抵抗素子E4の一端側は、配線パターンによって、第3磁気抵抗素子E3の他端側に接続されるとともに、電極パッドS2に電気的に接続されている。第4磁気抵抗素子E4の他端側は、配線パターンによって第2磁気抵抗素子E2の一端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドGに電気的に接続されている。
第2磁気抵抗素子E2の一端側は、配線パターンによって第4磁気抵抗素子E4の他端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドGに電気的に接続されている。第2磁気抵抗素子E2の他端側は、配線パターンによって、第1磁気抵抗素子E1の一端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドS1に電気的に接続されている。
第1磁気抵抗素子E1の一端側は、配線パターンによって第2磁気抵抗素子E2の他端側に電気的に接続されるとともに、電極パッドS1に電気的に接続されている。第2磁気抵抗素子E2の他端側は、電極パッドVddに電気的に接続されている。
電極パッドVddと電極パッドGとの間に電圧を印加すると、電極パッドS1および電極パッドS2からは、磁界強度に応じて中点電位Vout1および中点電位Vout2が取り出される。
この場合においても、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、実施の形態1同様に、上述の式(1)および式(2)によって表される。
図18は、比較例に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された場合における複数の磁気抵抗素子の抵抗の変化を示す図である。なお、図18においては、引張前における磁気抵抗素子に作用する力を破線で示し、引張後における磁気抵抗素子に作用する力を実線で示すとともに、引張前後における各磁気抵抗素子の抵抗を数値(相対比率)で表している。
図18に示すように、磁気センサ素子1Xが感磁方向に引張される前においては、初期応力によって感磁方向と平行な方向(短手方向)における応力分布は、短手方向の中央部が大きくなるような凸形状となる。この場合においては、第2磁気抵抗素子E2および第4磁気抵抗素子E4が短手方向の中央部の近傍に位置し、次いで、第1磁気抵抗素子E1および第3磁気抵抗素子E3が短手方向の中央部から離れて位置する。
このため、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2と第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4とは、ほぼ等しい状態となっている。また、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1と第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3とは、ほぼ等しい状態となっている。この場合において、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4を4とし、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3を2とする。
一方、磁気センサ素子1が感磁方向に引張された後、すなわち、基板10に対して感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合には、各磁気抵抗素子において応力Bstressが作用するとともに、感磁方向と平行な方向に磁性膜13の応力誘起異方性が発現する。これにより、第1磁気抵抗素子E1、第2磁気抵抗素子E2、第3磁気抵抗素子E3および第4磁気抵抗素子E4の抵抗は、磁気センサ素子1が感磁方向に引張される前から大きく変化する。
具体的には、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1は、3から2に変化する。第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2は、4から5に変化する。第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3は、2から1に変化する。第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4は、4から3に変化する。
図19は、比較例に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張される前において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図19に示すように、磁気センサ素子1Xが引張される前においては、上記のように、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1および第3磁気抵抗素子E3の抵抗R3が同じ値であり、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2および第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4が同じ値である。このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに同じ値となっている。具体的には、中点電位Vout1および中点電位Vout2は、0.667となる。この結果、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、0となる。
図20は、比較例に係る磁気センサ素子が感磁方向に引張された後において第1磁気抵抗素子から第4磁気抵抗素子の各磁気抵抗素子に作用する力、第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子との中点電位、第3磁気抵抗素子と第4磁気抵抗素子との中点電位、およびこれら2つの中点電位の差を示す図である。
図20に示すように、磁気センサ素子1Xが感磁方向に引張された後においては、第1磁気抵抗素子E1の抵抗R1と第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4とが同じ値であるが、第2磁気抵抗素子E2の抵抗R2の値と第4磁気抵抗素子E4の抵抗R4との値が異なっている。
このため、上記の式(1)および式(2)から算出される中点電位Vout1および中点電位Vout2は、互いに異なる値となっている。具体的には、中点電位Vout1は、0.625となり、中点電位Vout2は、0.75となる。これにより、中点電位Vout1と中点電位Vout2と差であるVoffは、−0.125となる。
このように、比較例に係る磁気センサにおいては、感磁方向と平行な方向に磁性膜13の応力誘起異方性が発現することにより、引張前後で中点電位Vout1および中点電位Vout2が変動するだけでなく、Voffも変動してしまう。これにより、比較例に係る磁気センサにあっては、応力変動に対する信頼性が低下してしまう。
(変形例)
図21は、変形例に係る磁気センサ素子が感磁方向に圧縮された場合に作用する力を示す図である。図21を参照して変形例に係る磁気センサについて説明する。
図21に示すように、変形例に係る磁気センサは、実施の形態1に係る磁気センサ100と比較した場合に、磁気センサ素子1の磁性膜13が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
変形例においては、磁性膜13が正の磁歪定数を有する。磁性膜13は、磁歪定数λが−1ppm<λ<0ppmとなるように形成されている。変形例においては、基板10に対して感磁方向と平行な方向に圧縮応力を作用させた場合に、バイアス磁場の方向と平行な方向に磁性膜の応力誘起異方性が発現する。
このように構成される場合であっても、変形例に係る磁気センサは、実施の形態1に係る磁気センサとほぼ同様の効果が得られる。
なお、変形例においては、磁気抵抗素子部としての積層体における複数の磁気抵抗素子のパターンが実施の形態1と同様のパターンである場合を例示して説明したが、これに限定されず、実施の形態2または実施の形態3と同様のパターンであってもよい。
(その他の変形例)
実施の形態1から3および変形例においては、第1磁気抵抗素子E1から第4磁気抵抗素子E4が直線状の形状を有する場合を例示して説明したが、これに限定されず、長い短冊状パターンと、短い短冊状パターンとを交互に直交させて接続することで形成されるミアンダ形状を有していてもよい。
実施の形態1から3および変形例においては、磁気センサ素子1内に4つの抵抗領域からなるホイーストンブリッジ回路が1つ形成される場合を例示して説明したが、これに限定されない。たとえば、磁気センサ1内においてブリッジ回路を構成せず、1つの抵抗のみで磁気抵抗素子部が形成されていてもよいし、1つの磁気センサ素子1内に複数のブリッジ回路が形成されていてもよい。
(実施の形態4)
(電流センサ)
図22は、実施の形態4に係る電流センサの斜視図である。図23は、実施の形態4に係る電流センサの平面図である。図24は、実施の形態4に係る電流センサの正面図である。
図22から図24に示すように、電流センサ200は、支持基板150、2つの磁気センサ100を備える。電流センサ200は、磁気センサ100による磁気検出のもとに被検出体に流れる電流を検出する。
2つの磁気センサ100は、実施の形態1に係る磁気センサ100とほぼ同様の構成を有する。
支持基板150は、たとえば、集積チップにより構成される。支持基板150には、2つの磁気センサ100が搭載されている。支持基板150には、2つの磁気センサ100の各々から出力される信号に対して所定の信号処理(差動増幅等)を施す回路(図示略)が設けられている。
電流センサ200は、図24中左右方向における一端側がバスバー210の上方に位置し、図24中左右方向における他端側がバスバー220の下方に位置するように配置されている。電流センサ200は、図24中に示す二点鎖線にて示される、バスバー210とバスバー220との間に形成される段差空間Sに配置されている。
バスバー210,220には、測定対象の電流が流れる。バスバー210およびバスバー220は、その法線方向から見た場合に並設されている。バスバー210およびバスバー220は、上下方向にずれた配置されている。バスバー210,220は、たとえば、車載バッテリに接続された電源供給用の棒状導体が分岐されることにより構成されている。
電流センサ200は、バスバー210,220から付与される磁気(磁界)を2つの磁気センサ100によって検出する。この場合において、磁石(不図示)から磁気抵抗素子に印加されるバイアス磁界の方向は、図24中の前後方向となる。電流センサ200の磁気検出方向(感磁方向)は、図24中の左右方向となる。
バスバー210が支持基板150の裏面側に位置し、バスバー220が支持基板150の表面側に位置することにより、バスバー210,220に、図23に示す矢印方向に電流が流れると、支持基板150の表面に平行な方向(図24中左右方向)で、且つ、互いに異なる(相反する)方向の磁気ベクトルが、2つの磁気センサ100に対して付与される(図24中の一点鎖線矢印を参照)。
2つの磁気センサ100によって、磁気ベクトルを各々電圧値(ホール電圧)として検出することにより、これら各検出される磁気ベクトル(電圧値)の差動増幅値に基づいて、バスバー210およびバスバー220に流れる電流を検出(差動検出)することができる。
このように磁気ベクトルの差分値をとる(減算する)ことで、外乱(外乱磁界)の影響が相殺(キャンセル)、除去され、上記被検出体(バスバー)に電流が流れることに起因した磁気(磁界)に対応する信号成分のみが抽出、検出される。
実施の形態4に電流センサ200にあっては、実施の形態1に係る2つの磁気センサ100を備えることにより、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
なお、実施の形態4においては、電流センサ200が、実施の形態1に係る磁気センサ100を備える場合を例示して説明したが、これに限定されない。電流センサ200は、実施の形態2,3、変形例、およびその他の変形例におけるいずれかの磁気センサを備えていればよい。
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1,1A,1X 磁気センサ素子、2 リードフレーム、3 接合部材、4 ボンディングワイヤ、5 モールド部材、10 基板、11 積層体、12 下地膜、13 磁性膜、14 保護膜、15 電極部、16 保護層、16a コンタクトホール、100 磁気センサ、150 支持基板、200 電流センサ、210,220 バスバー、E1 第1磁気抵抗素子、E2 第2磁気抵抗素子、E3 第3磁気抵抗素子、E4 第4磁気抵抗素子。

Claims (7)

  1. 基板と、
    所定の感磁方向を有するように前記基板上に設けられ、前記感磁方向と直交する方向にバイアス磁場が印加される磁気抵抗素子部と、を備え、
    前記磁気抵抗素子部は、負の磁歪定数を有する磁性膜を含み、
    前記基板に対して前記感磁方向と平行な方向に引張応力を作用させた場合に、前記バイアス磁場の方向と平行な方向に前記磁性膜の応力誘起異方性が発現する、磁気センサ。
  2. 基板と、
    所定の感磁方向を有するように前記基板上に設けられ、前記感磁方向と直交する方向にバイアス磁場が印加される磁気抵抗素子部と、を備え、
    前記磁気抵抗素子部は、正の磁歪定数を有する磁性膜を含み、
    前記基板に対して前記感磁方向と平行な方向に圧縮応力を作用させた場合に、前記バイアス磁場の方向と平行な方向に前記磁性膜の応力誘起異方性が発現する、磁気センサ。
  3. 前記基板は、長手方向を有する長手形状を有し、
    前記感磁方向は、前記長手方向と平行である、請求項1または2に記載の磁気センサ。
  4. 前記磁気抵抗素子部は、第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子、および第4磁気抵抗素子を含み、
    前記第1磁気抵抗素子、前記第2磁気抵抗素子、前記第3磁気抵抗素子、および前記第4磁気抵抗素子は、前記バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って、前記第3磁気抵抗素子、前記第4磁気抵抗素子、前記第2磁気抵抗素子および前記第1磁気抵抗素子の順に列状に並んで配置されるとともに、直列に電気的に接続され、
    前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子間を接続する接続部から前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子との中点電位を検出し、
    前記第3磁気抵抗素子および前記第4磁気抵抗素子間を接続する接続部から前記第3磁気抵抗素子と前記第4磁気抵抗素子との中点電位を検出する、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  5. 前記磁気抵抗素子部は、行列状に配置された第1磁気抵抗素子、第2磁気抵抗素子、第3磁気抵抗素子、および第4磁気抵抗素子を含み、
    前記第1磁気抵抗素子、前記第2磁気抵抗素子、前記第3磁気抵抗素子、および前記第4磁気抵抗素子によってフルブリッジ回路が構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子は、前記バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されるとともに、第1ハーフブリッジ回路を構成し、
    前記第3磁気抵抗素子および前記第4磁気抵抗素子は、前記バイアス磁場の方向と平行な方向に沿って列状に並んで配置されるとともに、第2ハーフブリッジ回路を構成し、
    前記第1ハーフブリッジ回路および前記第2ハーフブリッジ回路によって前記フルブリッジ回路が構成され、
    前記第1磁気抵抗素子および前記第2磁気抵抗素子間を接続する接続部から前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子との中点電位を検出し、
    前記第3磁気抵抗素子および前記第4磁気抵抗素子間を接続する接続部から前記第3磁気抵抗素子と前記第4磁気抵抗素子との中点電位を検出する、請求項5に記載の磁気センサ。
  7. 測定対象の電流が流れるバスバーと、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の磁気センサと、を備える電流センサ。
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