JP6017152B2 - 磁気抵抗素子 - Google Patents

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Description

本発明は、外部磁場強度を検知する磁気抵抗素子に関する。
一般に、磁気抵抗素子は、素子の入力端子間にバイアスをかけ、周囲の磁界の変化に応じて素子内を流れるキャリアの行路が変化することで、出力端子に起電力が生じたり、素子の抵抗値が変化したりすることで磁界強度の測定を行う素子である。
この磁気抵抗素子の用途としては、紙幣などに代表されるような磁気印刷物の磁気パターンを検出する素子、強磁性体からなる歯車の回転を検出する素子などがある。
磁気抵抗素子の磁気抵抗効果は、次式(1)、(2)で表すことができる。
(ΔR/R0)∝(μ×B)2:低印加磁界時 ……(1)
(ΔR/R0)∝(μ×B) :高印加磁界時 ……(2)
なお、式(1)、式(2)中、ΔR=RB−R0であり、RBは磁界中での抵抗値であり、R0は無磁界での抵抗値である。また、μは電子移動度、Bは印加磁界である。ΔR/R0は磁気抵抗素子の感度に相当し、低磁場中では電子移動度μの2乗に比例し、高磁場中では電子移動度μに比例する。よって、磁気抵抗素子では、より高い感度(ΔR/R0)を得るために、電子移動度μの高いInSbのバルクや、真空蒸着法により形成した薄膜などが用いられている。
磁気抵抗素子では一般に、短絡電極が複数形成された化合物半導体薄膜により複数の抵抗体を構成し、これらの複数の抵抗体を並べて長方形の感磁部を形成している。抵抗体を複数の化合物半導体薄膜で構成した場合には、各抵抗体を構成する化合物半導体薄膜を基板上にミアンダ状に配線している。また、抵抗体は金属配線によりブリッジ接続されており、この金属配線に電気的接続された取り出し電極を外部端子と接続することにより検出動作を行っている。このような磁気抵抗素子は、感磁部に対向して歯車を回転させたときに生じる抵抗の変化を電圧の変化として測定することにより、歯車等を検出することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2005−327859号公報 特開平7−226546号公報
近年、産業ロボットの小型化に伴い、回転媒体、さらにはセンサへの小型化要求が厳しくなってきており、センシング対象の小型化に対応するため、センサのセンシングも高い精度が求められている。一方で小型化に伴ってデバイス間の発熱が無視できないので、温度変化の小さいセンサであることも求められている。
磁気抵抗素子をフルブリッジに形成し、抵抗の変化を電圧の変化として、歯車等を検出するセンサにおいては、出力端子の電圧が印加電圧の1/2となるのが理想であるが、現実的には理想値からの電圧のズレ(以下オフセット電圧と呼ぶ)が生じる。オフセット電圧は、温度特性変化を伴うが、出力電圧に合わさって出力されるため、センサの検出精度悪化の要因となる。すなわち、温度変化も含めて、精度の高いセンサを実現するためには、オフセット電圧自体およびオフセット電圧の温度変化を小さくしたセンサを提供する必要がある。
歯車等の被検知体のピッチに応じて、多数の短冊状の化合物半導体からなる各抵抗体は、歯車の回転方向に、大きさおよび各抵抗体同士の間隔が決まっているため、短冊短辺方向に長い長方形の領域である感磁部の長辺方向のサイズは小さくできない。すなわち、磁気抵抗素子を小型化するためには、歯車の回転方向と直交する短辺方向のサイズを小さくすることになる。
特許文献2に記載のように、隣り合う検出要素すなわち磁気抵抗体の間隔と、外側の磁気抵抗体とその外側の引き回し電極との間隔を全て等しくし、斜めからの光で露光した場合、つまり非対称な光の回折によりパターン幅が隣接する間隔のうち左右どちらか一方の間隔の影響をより強く受ける場合、各磁気抵抗体の最も外側の左右どちらか一本のエレメントの幅が狭くなったとしても、影響を受ける間隔が等しければその変化量が等しくなるため、各磁気抵抗体のパターン幅のバランスが保たれ、平均パターン幅が全て等しくなり、電気抵抗値を等しく形成することが可能となる技術が報告されている。しかしながら、デバイスを小型化した場合は例えば5V印加でのオフセット電圧の絶対値が10mV以下、オフセット電圧の温度による変化が例えば25℃から100℃で3mV以下などが要求され、この要求には不十分であった。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、工業的に製造が容易な方法で、オフセット電圧およびその温度変化を小さくして、検出精度を向上させた磁気抵抗素子を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、基板と、前記基板上に、1つまたは複数の短冊状の化合物半導体によって構成された4つの抵抗体を前記短冊状の化合物半導体の短辺方向に一列に並べた前記短辺方向に長い長方形の領域である感磁部と、前記化合物半導体で構成される4つの抵抗体をフルブリッジ構造に接続する金属配線とを備え、前記化合物半導体の長辺の長さ(A)と前記感磁部の長辺に沿った前記金属配線の幅(B)との積を、前記感磁部の短辺に沿った前記金属配線の幅(C)と前記感磁部の長辺の長さ(D)との積で除した値(A×B/C×D)が0.29から0.86の間となるように形成されていることを特徴とする磁気抵抗素子である。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記抵抗体が複数の短冊状の化合物半導体で構成され、各抵抗体を構成する複数の化合物半導体は、ミアンダ接続されていることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記感磁部が、各ブロックが1つまたは複数の前記化合物半導体で構成された4つのブロックを有し、該ブロックのうち互いに隣接して接続されていない第1のブロックおよび第3のブロックを接続する配線の外部接続端子と、前記第2のブロックおよび第4のブロックを接続する配線の外部接続端子とは、それぞれ、出力信号が出力される端子であることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記化合物半導体は、InAsySb(1−y)(0≦y≦1)からなる薄膜であることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記基板は、Si基板またはGaAs基板であることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記感磁部の長辺の長さ(D)が0.5mm以上8mm以下であることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記金属配線の厚みが0.1μm以上1.5μm以下であることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば上記の磁気抵抗素子において、前記感磁部の短辺に沿った金属配線の幅(C)が1μm以上300μm以下であることを特徴とする。
本発明の磁気抵抗素子によれば、大きさを小さくすることができ、オフセット電圧を小さくすることにより検出精度を向上させた磁気抵抗素子を工業的に容易に提供することができる。
本発明の磁気抵抗素子の一例を示す構成図である。 本発明の磁気抵抗素子の製造工程の一例を示す工程図である。 本発明の磁気抵抗素子の構成比を説明するための図である。 磁気抵抗素子の配線幅とオフセット電圧の相関を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る磁気抵抗素子の概略構成を示したものである。図1において(a)は上面図であり、(b)は断面図である。磁気抵抗素子は、絶縁基板11と、絶縁基板11上に4つの抵抗体R1、R2、R3、R4を並べて配置した長方形の領域である感磁部と、これらの抵抗体R1、R2、R3、R4をフルブリッジに接続する金属配線14−1、14−2、14−3、14−4と、感磁部の化合物半導体膜12a、12b、12c・・・と外部との電気的接続を行うための取り出し電極18−1、18−2、18−3、18−4とを備えて構成される。また、各抵抗体R1、R2、R3、R4は、短冊状の化合物半導体膜12a、12b、12c・・・を、その短辺方向に4列並列に配置して、接続配線15によりミアンダ状に配線接続して構成される。また、抵抗体を構成する化合物半導体膜12a、12b、12c・・・上には、磁界に対する感度を調整するための複数の短絡電極13と保護層(保護膜ともいう)16とが形成されている。さらに、絶縁基板11上には、化合物半導体膜12を保護するための保護膜16が、化合物半導体膜12a、12b、12c・・・、金属配線14−1、14−2、14−3、14−4等の間または周囲に形成されている。なお、図1の例では、各抵抗体R1、R2、R3、R4を4つの化合物半導体膜12a、12b、12c・・・で構成する場合を例に挙げて説明しているが、各抵抗体を構成する化合物半導体膜の数はこれに限定されない。
なお、図1の例では、短絡電極13が上下2層13a、13bであり、金属配線14も上下2層14a、14bであり、接続配線15も上下2層15a、15bである場合について図示されているが、これらは1層構成でもよい。
感磁部は、4つの抵抗体R1、R2、R3、R4で構成されている。具体的には、一番左から4つの化合物半導体膜12a、12b、12c、12dを含む第1の抵抗体R1と、5番目から8番目の4つの化合物半導体膜12e、12f、12g、12hを含む第2の抵抗体R2と、9番目から12番目の4つの化合物半導体膜12i、12j、12k、12lを含む第3の抵抗体R3と、13番目から16番目の4つの化合物半導体膜12m、12n、12o、12pを含む第4の抵抗体R4とにより構成される。抵抗体R1を構成する4つの化合物半導体膜12a、12b、12c、12dは3つの接続配線15によってミアンダ接続されている。抵抗体R2、R3、R4を構成する化合物半導体も同様にミアンダ接続されている。
また感磁部を構成する4つの抵抗体R1、R2、R3、R4は4つの金属配線14−1、14−2、14−3、14−4によってフルブリッジに接続されている。フルブリッジに接続する4つの金属配線14−1、14−2、14−3、14−4には取り出し電極18−1、18−2、18−3、18−4が電気的に接続されており、この取り出し電極18−1、18−2、18−3、18−4に外部端子を接続することによって、抵抗体R1、R2、R3、R4を構成する化合物半導体膜12a、12b、12c・・・と外部との電気的接続が行われる。
感磁部において、第1の抵抗体R1を形成する化合物半導体膜12a、12b、12c、12dのうちの端部の化合物半導体膜12dと、第3の抵抗体R3を形成する化合物半導体膜12i、12j、12k、12lのうちの端部の化合物半導体膜12iとが金属配線14−1で接続され、第2の抵抗体R2を形成する化合物半導体膜12e、12f、12g、12hのうちの端部の化合物半導体膜12hと、第4の抵抗体R4を形成する化合物半導体膜12m、12n、12o、12pのうちの端部の化合物半導体膜12mとが金属配線14−4で接続されている。取り出し電極18−2と取り出し電極18−3間に入力信号を入力し、取り出し電極18−1と取り出し電極18−4から出力される電気信号を測定することにより、磁場の変化を測定している。
磁気抵抗素子1の感磁部を構成する化合物半導体膜12a、12b、12c・・・は、InSbやInAsのバルク、あるいは、InSb、InAs、またはInAsySb(1−y)(0≦y≦1)、InaAlbGa(1−a−b)AsxSb(1−x)(0≦a+b≦1、0≦x≦1)からなる薄膜であることが好ましいが、本発明においては、化合物半導体であれば良く、その構成元素を限定するものではない。また、Siや、Sn、S、Se、Te、Ge、またはCなどの不純物をドープしたものであっても良い。化合物半導体膜12aが薄膜である場合、薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法や分子線エピタキシー(MBE)法などが好ましいが、必ずしもこれらの形成方法でなくても良い。
短絡電極13、金属配線14、接続配線15、取り出し電極18は、蒸着法、スパッタ法、またはめっき法などを用いて形成され、Cu、Al、Au単層、または、Ti/Au、Ni/Au、Cr/Cu、Cu/Ni/Au、Ti/Au/Ni、Cr/Au/Ni、Cr/Ni/Au/Ni、NiCr/Auの積層などとしても良い。なお、例えば「Ti/Au」との記載は、Tiが下層でありAuが上層であることを表し、すなわち左側にある金属ほど下層の金属であることを表す。短絡電極13と金属配線14と接続配線15と取り出し電極18とは、必ずしも同じ電極構造でなくても良いが、同じ電極構造とし、同じ工程で形成する方が工業的には好ましい。また、電極厚は厚いと製造時間が長くなってしまうため工業的に不利であり、薄いと抵抗値が高くなってしまうため例えば0.1μm〜1.5μmが好ましい。より好ましくは0.3〜1μmであり、さらに好ましくは0.3〜0.7μmである。
化合物半導体膜12a、12b、12c・・・を保護するための保護膜16は、一般的には絶縁性無機質材料であることが好ましい。保護膜16には、例えば、窒化シリコンや酸化ケイ素等の薄膜を、プラズマCVD法等により150〜500nm程度形成したものが用いられるが、本発明においては、保護膜16の有無、種類、および膜厚を規定するものではない。
また、素子外部に形成されるモールド樹脂により、感磁部および短絡電極13上を覆うように形成される軟樹脂層17は、磁気抵抗素子1において、化合物半導体膜12からなる感磁部や各短絡電極13への圧力や面内応力を緩和する目的で形成される。この軟樹脂層17には、一般的に、1〜300μmのシリコン系樹脂や、1〜10μm厚のゴム系樹脂が用いられるが、本発明においては、軟樹脂層17の有無、種類、および膜厚を規定するものではない。
次に、本発明に係る磁気抵抗素子1の製造方法の一例について説明する。図2(a)〜(e)は、4端子の磁気抵抗素子1の製造プロセスフローを示す図であって、図1(c)と同様の部分の断面図である。図2に示す例では、簡単のために、一部を省略して化合物半導体膜12の両側の構成を左右対称の構成として示している。製造プロセスには、通常のフォトグラフィーの技術を用いることができる。
まず、図2(a)に示すように、まず絶縁基板11上に化合物半導体膜12を成膜する。絶縁基板11としては、例えば厚さ625μmのGaAs基板を適用することができるし、また、Si基板を適用することもできる。化合物半導体膜12として例えばInSb膜を成膜する。
化合物半導体膜12上に、感磁部形成用のマスクパターンを露光・現像し、その後、化合物半導体膜12を、塩酸・過酸化水素系のエッチング液で所望の形状にメサエッチングして、絶縁基板11上に複数の短冊状の化合物半導体膜12を形成する。感磁部の形成方法は、ドライ方式でも良く、塩酸・過酸化水素系以外のエッチング液を用いてもよい。さらに、形成された複数の短冊状の化合物半導体膜12の上に、保護膜16としての窒化シリコン膜を、プラズマCVD法により、例えば150nm程度形成する(図2(b))。
次いで、図2(c)に示されるように、化合物半導体膜12上の、短絡電極13を形成する部分の保護膜16としての窒化シリコン膜を、短絡電極13を形成する部分よりも狭い範囲で反応性イオンエッチング装置を用いて除去すると共に、接続配線(金属配線)14、15を形成する部分の窒化シリコン膜(保護膜16)を除去する。
次いで、フォトリソグラフィー、リフトオフ法を用いて、短絡電極13、接続配線(金属配線)14、15を形成する。接続配線(金属配線)14、15は、前述のように、蒸着法、スパッタ法、またはめっき法などを用いて形成し、例えば、Cu、Al、Au単層或いは、前述のようにこれらを含む積層に形成される。さらに、化合物半導体膜12および短絡電極13全面を覆うように、軟樹脂層17をフォトリソグラフィーにより形成する(図2(d))。
これにより、4つの入出力用の取り出し電極(端子電極)18−1、18−2、18−3、18−4を有し、各取り出し電極18−1、18−2、18−3、18−4間に複数の短絡電極13を有する4端子構成の磁気抵抗素子1を、フォトリソグラフィーを応用して作成することができる。
また、化合物半導体膜12aを形成する化合物半導体は閃亜鉛鉱構造の化合物半導体であればよく、バルクであっても良い。また、短絡電極13、金属配線14、接続配線15、取り出し電極18を形成した後に保護膜16を形成しても良く、保護膜16の種類は窒化シリコンでなくても良い。保護膜16を除去する方法は、反応性イオンエッチングではなく、他のドライエッチングやウエットエッチング方式であっても良い。
また、短絡電極13と、金属配線14、接続配線15および取り出し電極18とは2度に分けて形成しても良い。また、短絡電極13と、金属配線14、接続配線15および取り出し電極18は異なる電極材料で形成してもよい。化合物半導体膜12が薄膜状半導体層に対応し、取り出し電極18が入出力電極に対応している。
本発明の磁気抵抗素子は、上記のように構成された、化合物半導体を有する感磁部と、前記化合物半導体をフルブリッジ構造に接続する金属配線との大きさが所定関係となるように形成されていることに特徴がある。この構成により、本発明の磁気抵抗素子は、オフセット電圧の発生が抑えられ、小型化しても精度よく検出可能となる。以下に各部の大きさについて説明する。
磁気抵抗素子は、具体的には、図3に示すように、化合物半導体12の短冊長辺の長さ(A)と感磁部の長辺に沿った金属配線14の幅(B)との積を、感磁部の短辺に沿った金属配線14の幅(C)と感磁部の長辺の長さ(D)との積で除した値(A×B/C×D)が0.29から0.86の間となるように形成されている。なお、図3は模式図であるため、各部の大きさがこの比率となるように調整されてはいない。
取り出し電極17までの感磁部の長辺に沿った金属配線14の幅(C)は、小さいと製造時の加工上の問題があり、大きいと磁気抵抗素子のサイズが大きくなるため、1μm以上300μm以下が好ましい。より好ましくは3μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上30μm以下である。
長方形の領域である感磁部の長辺の長さ(D)は歯車等被検知体のサイズで決まっている。短冊状の化合物半導体の長辺の長さ(A)に対する感磁部の長辺の長さ(D)の比率が小さいと、磁気抵抗素子のサイズが小さくできず、比率が大きいと、組立性の悪化や抵抗の低下がある。このため、化合物半導体の長辺の長さ(A)に対する感磁部の長辺の長さ(D)の比率D/Aは2.0以上20以下が好ましく、より好ましくは4.0以上15以下であり、さらに好ましくは6.0以上15以下である。感磁部の長辺の長さ(D)は、歯車の被検出媒体の検出のため、0.5mm以上8mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mm以上3mm以下である。これは、小さいと被検出媒体の加工が難しく、大きいとセンサの大きさが大きくなるためである。
化合物半導体の長辺の長さ(A)と、感磁部の長辺に沿った前記金属配線の幅(B)と、感磁部の短辺に沿った前記金属配線の幅(C)と、感磁部の長辺の長さ(D)で示される、(A×B)/(C×D)の値は、電極などの加工に伴う抵抗のバランスに反映することになる。この値が小さくても、大きくても抵抗のアンバランスが生じ、オフセット電圧が発生することになる。また、半導体である磁気抵抗体は温度によって抵抗が変化するため、結果的にオフセット電圧の温度特性が発生することになる。(A×B)/(C×D)の値が、0.29以上0.86以下となるように各部の大きさが設定されることが好ましい。より好ましくは、0.35以上0.70以下、さらに好ましくは、0.46以上0.6以下である。
次に上記構成の磁気抵抗素子の効果を例証するための実施例について説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
まず、厚さ0.63mmの半絶縁性GaAs単結晶基板11上に、分子線エピタキシー法を用いてSnドープInSb薄膜12をエピタキシャル成長させた。その後、GaAs基板11上に成膜したInSb薄膜12の表面にフォトレジストを均一に塗布し、露光・現像した後に、塩酸・過酸化水素系のエッチング液でメサエッチングし、InSb薄膜12からなる感磁部を形成した(図2(a))。
感磁部としてのInSb薄膜12の上に、保護膜16として窒化シリコン薄膜をプラズマCVD法で150nm形成した(図2(b))。
保護膜16として窒化シリコン薄膜を形成した後、再度フォトレジストを塗布し、短絡電極13および金属配線14を形成する部分の窒化シリコン薄膜12を、CF4ガスにより反応性イオンエッチング装置を用いて除去した(図2(c))。
続いてフォトレジストを塗布して、露光・現像を行って、短絡電極13および金属配線14を形成するための電極形成用のフォトレジストマスクを形成した。次に、真空蒸着法により、短絡電極13と、金属配線14、接続配線15および取り出し電極18を蒸着し、リフトオフ法で短絡電極13と、金属配線14、接続配線15および取り出し電極18を形成した。これら電極は、Ti/Auの積層構造とした、1層目のTiを形成後、真空中で引き続き3層目のAuを形成した。各電極、配線13〜15の厚さは、Ti/Au=100nm/450nmとした。さらに、モールド樹脂による圧力や面内応力を緩和するために、感磁部および短絡電極13を含む全面に軟樹脂層17としてゴム系樹脂を形成した(図2(d))。
このようにして、図2と同様の手順で、化合物半導体膜12を感磁部とし、化合物半導体膜12で構成される感磁部が1素子あたり16列であり、化合物半導体膜12に複数の短絡電極13を有する4端子の磁気抵抗素子1を複数製作した。この抵抗値は300Ωであった。
このときの化合物半導体12の長辺の長さ(A)は240μm、感磁部の長辺に沿った金属配線の幅(B)は160μm、感磁部の短辺に沿った金属配線14の幅(C)は30μm、感磁部の長辺の長さ(D)は、2.5mmであった。(A×B)/(C×D)の値は0.51であった。また、感磁部の短冊の長辺の長さ(A)に対する複数の感磁部の短冊の短辺方向の端から端までの距離(D)の比率D/Aは、10.4であった。
裏面研削によって、GaAs基板(11)を所定の厚さに研磨し、リードフレーム上に接着剤で接着した後に、プラスチックパッケージでモールドした。
上記の通り構成した磁気抵抗素子の特性評価として印加電圧Vc=5Vとして中点電位を測定した。なお、ここでいう中点電位とは、直列に接続された2つの磁気抵抗素子の接続点の電位であり。また、オフセット電圧(Voff)とは、無磁界時における実際の中点電位と、無磁界時における印加電圧Vcより理論上決定される中点電位Vc/2との差である。
室温でのオフセット電圧は5V印加で平均1mV、2σで2.9mVと非常に小さな値となった。また、例えば25℃から100℃のオフセット電圧の変化(ΔVoff)は、5V印加で平均0.9mVと小さな値となった。
化合物半導体の長辺の長さ(A)は240μm、感磁部の長辺に沿った前記金属配線の幅(B)は120μm、感磁部の短辺に沿った前記金属配線の幅(C)は20μm、感磁部の長辺の長さ(D)は、2.5mmであり、(A×B)/(C×D)の値を0.58としたことを除けば、実施例と同様にして作成した。
上記の通り構成した磁気抵抗素子の特性評価をしたところ、室温でのオフセット電圧は5V印加で平均2.8mV、2σで2.8mVと小さな値となった。また、例えば25℃から100℃のオフセット電圧の変化(ΔVoff)は、5V印加で平均1.1mVと小さな値であった。
化合物半導体の長辺の長さ(A)は240μm、感磁部の長辺に沿った前記金属配線の幅(B)は60μm、感磁部の短辺に沿った前記金属配線の幅(C)は10μm、感磁部の長辺の長さ(D)は、2.5mmであり、(A×B)/(C×D)の値を0.58としたことを除けば、実施例と同様にして作成した。
上記の通り構成した磁気抵抗素子の特性評価をしたところ、室温でのオフセット電圧は5V印加で平均2.0mV、2σで3.1mVと小さな値となった。また、例えば25℃から100℃のオフセット電圧の変化(ΔVoff)は、5V印加で平均1.3mVと小さな値であった。
[比較例1]
化合物半導体の長辺の長さ(A)は240μm、感磁部の長辺に沿った前記金属配線の幅(B)は30μm、感磁部の短辺に沿った前記金属配線の幅(C)は30μm、感磁部の長辺の長さ(D)は、2.5mmであり、(A×B)/(C×D)の値を0.10としたことを除けば、実施例と同様にして作成した。
上記の通り構成した磁気抵抗素子の特性評価をしたところ、室温でのオフセット電圧は5V印加で平均16mV、2σで2.0mVと大きかった。また、例えば25℃から100℃のオフセット電圧の変化(ΔVoff)は、5V印加で平均4.9mVと大きな値であった。
図4は、所定の温度における(A×B)/(C×D)に対するオフセット電圧(Voff)の平均値を示している。図4において、横軸は(A×B)/(C×D)を示し、縦軸はオフセット電圧(Voff)の平均値である。図4から明らかなように、実施例1から3のように(A×B)/(C×D)の値が0.51、0.58では、オフセット電圧はほぼ0に等しいが、比較例1のように(A×B)/(C×D)の値を0.10とすると、オフセット電圧は±10mV程度となり、非常に大きくなることが判る。
11 絶縁基板
12 化合物半導体膜
13 短絡電極
14 金属配線
15 接続配線
16 保護膜
17 軟樹脂層
18 取り出し電極

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板上に、1つまたは複数の短冊状の化合物半導体によって構成された4つの抵抗体を前記短冊状の化合物半導体の短辺方向に一列に並べた前記短辺方向に長い長方形の領域である感磁部と、
    前記化合物半導体で構成される4つの抵抗体をフルブリッジ構造に接続する金属配線とを備え、
    前記化合物半導体の長辺の長さ(A)と前記感磁部の長辺に沿った前記金属配線の幅(B)との積を、前記感磁部の短辺に沿った前記金属配線の幅(C)と前記感磁部の長辺の長さ(D)との積で除した値(A×B/C×D)が0.46以上0.86以下となり、かつ、
    前記化合物半導体の長辺の長さ(A)に対する前記感磁部の長辺の長さ(D)の比率(D/A)が2.0以上20以下となるように形成されていることを特徴とする磁気抵抗素子。
  2. 前記抵抗体が複数の短冊状の化合物半導体で構成され、各抵抗体を構成する複数の化合物半導体は、ミアンダ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗素子。
  3. 前記感磁部が、各ブロックが1つまたは複数の前記化合物半導体で構成された4つのブロックを有し、該ブロックのうち互いに隣接して接続されていない第1のブロックおよび第3のブロックを接続する配線の外部接続端子と、第2のブロックおよび第4のブロックを接続する配線の外部接続端子とは、それぞれ、出力信号が出力される端子であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気抵抗素子。
  4. 前記化合物半導体は、InAsySb(1−y)(0≦y≦1)からなる薄膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  5. 前記基板は、Si基板またはGaAs基板であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  6. 前記感磁部の長辺の長さ(D)が0.5mm以上8mm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  7. 前記金属配線の厚みが0.1μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
  8. 前記感磁部の短辺に沿った金属配線の幅(C)が1μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の磁気抵抗素子。
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