JP4240306B2 - 回転検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、化合物半導体薄膜から成る感磁部を有する磁気抵抗素子を用いて回転体の回転を検出する回転検出器に関するものである。
従来、磁気抵抗素子を用いた回転検出器としては、図37に示すような構造のものが提案されている。同図において、1は磁性体から成る歯車、2は歯車1の回転を検出する磁気抵抗素子、3はこの磁気抵抗素子2に垂直な磁界(バイアス磁界)を印加する永久磁石で、磁気抵抗素子2としては、InSbバルクや真空蒸着法により形成した薄膜などが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、歯車1の回転を検出する際は、一般的には、2個の磁気抵抗素子を直列に接続した3端子の磁気抵抗素子(単相出力)、あるいは、4個の磁気抵抗素子をループ状に接続した4端子の磁気抵抗素子(A相/B相の2相出力)が使用される。3端子の磁気抵抗素子では、図38に示すように歯車1の山と谷とに、2個の磁気抵抗素子2a,2bをそれぞれ合わせて配置する。また、4端子の磁気抵抗素子では、図39に示すように、歯車1の山と谷にあわせて2個の磁気抵抗素子2a,2bを直列に配置したもの(A相)と、その1/4周期ずれた位置に2個の磁気抵抗素子2c,2dを直列に配置したもの(B相)が含まれている。そして、それぞれに、直流電源4を接続し、出力端子5,5a,5bの電位をそれぞれ出力電圧として取出すようにしている。
このような方式による磁気センサ回路の出力信号eは、例えば、図38の場合には、磁気抵抗素子2a,2bのそれぞれの抵抗値をR,R、直流電源4の電圧をVinとすれば、出力端子5の電位は、e={(R/(R+R)}×Vinとなる(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平3−259578号公報 特開昭52−73793号公報 特開昭52−73794号公報
ところで、従来のInSb磁気抵抗素子においては、感磁部を形成するInSbは抵抗率が1℃当たり約2%と大きな温度依存性を有し、周辺温度や動作に関わる電流通電などによる発熱のため、磁気抵抗素子の抵抗値が変化するという問題があり、これが原因で、出力電圧が変動することも多かった。
上記のような周囲温度の変化等に起因する各種のノイズに関しては、2個の磁気抵抗素子2a,2bが空間的に近接して配置されているので、両者の受ける温度的、磁気的、または機械的原因による磁気抵抗素子2a,2bの抵抗変動分ΔRとΔRとは等しいと考えることができる。したがって、ノイズ成分に関してはΔe=0となるはずである。
しかしながら、これは、磁気抵抗素子2a,2bの抵抗値RとRとが等しいことが前提条件となる。一般的には、磁気抵抗素子2aの抵抗値と磁気抵抗素子2bの抵抗値とは異なる場合が多く、その上、磁気抵抗素子2aと磁気抵抗素子2bの抵抗値の温度係数は異なっていることが多い。したがって、RとRが等しい場合は、出力端子の電位は、Vin/2となりかつノイズ成分もなくなるが、RとRとが等しくない場合、あるいは抵抗値の温度係数が異なる場合にはノイズ成分も出力されるだけでなく、出力端子5の電位は、e=Vin/2からずれてしまい、周囲の温度が変化すれば温度ドリフトも生じることになる。
また、磁気抵抗素子は、これまではバルク単結晶InSbを厚さ数μmから十数μmに薄く研磨して製作されたものが多く用いられていた。上記のようなバルク単結晶InSbの磁気抵抗素子2を製作する際には、研磨によりバルク単結晶InSbを薄く加工し、更に、微細な加工を行って所望の形状にする必要があるが、研磨で製作したバルク単結晶InSbは標準的な半導体の微細加工技術の適用が難しいため、その平面的な加工精度はもとより、最も重要な研磨による厚さの制御が困難であった。そのため、製品の特性、特に、InSbの厚さのばらつきや平面的な加工精度の大きなばらつきがあると、磁気抵抗素子2の抵抗値や感度が、厚さや加工精度のばらつきに連動してしまうため、安定した特性が得られないといった問題点があった。
すなわち、従来のバルク単結晶InSbを薄く研磨して製作された磁気抵抗素子では、磁気抵抗素子2a,2bの抵抗値が異なり、かつ抵抗値の温度係数も異なることが多く、そのため、出力端子5の電位は、e=Vin/2からずれており、上記電位eの温度ドリフトも非常に大きかった。
ところで、磁気抵抗素子の磁気抵抗効果は以下の式で記述できる。
ΔR/R∝(μB) :低印加磁界時 ‥‥‥‥(1)
ΔR/R∝(μB) :高印加磁界時 ‥‥‥‥(2)
但し、ΔR=R−Rであり、Rは磁界中での抵抗値、Rは磁場なしでの抵抗値、μは電子移動度、Bは印加磁界である。
式(1),(2)より、出力信号の振幅は、電子移動度μに依存することになる。従来のバルク単結晶InSbを薄く研磨して製作された磁気抵抗素子は、電子移動度μの温度依存性も大きく、図40に示す出力信号振幅Aの温度依存性が大であった。
一方、磁気抵抗素子を真空蒸着法により形成した場合も、膜厚や組成のばらつきが多く磁気抵抗素子2a,2bの素子特性を揃えることが困難なだけでなく、また、十分な電子移動度が得られず、また、その温度依存性も大きかった。
また、磁気抵抗素子は、通常、エポキシ樹脂等の硬質樹脂でモールドされる。この硬質樹脂による応力には以下のものがある。
・比較的高温でモールドが行われるために、モールド後、硬質樹脂が室温に下がったときの熱収縮からくる応力
・素子周囲の温度が変化した時に、硬質樹脂と半導体薄膜の熱膨張率が異なることによる応力
がある。更に、熱収縮による応力分布が不均一であるために、感磁部に一様に応力が加わらないことから、薄膜の温度特性が不均一になることが多かった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、高感度で且つ抵抗値のばらつきや温度依存性が小さな磁気抵抗素子を用いた、高い検出精度と安定した温度依存性とを併せ持った回転検出器を提供することを目的とする。
本発明者は、歯車等の回転体の回転を検出する回転検出器について、
・微細加工精度の優れた高感度の化合物半導体薄膜材料開発とその温度特性の低減技術
・素子特性のばらつきを抑えるための高度な化合物半導体薄膜の膜厚制御技術及び均一性の高い不純物のドープ技術
・歯車回転の高感度/高精度検出が可能でかつ高信頼性な素子構造
・低コストの量産プロセス技術
・高信頼性のモジュール(組立体)構造
の開発に取り組んだ結果、微細加工精度に優れた、膜厚均一性の良い薄膜材料の開発、面内均一性の高い不純物のドープ技術、高い電子移動度を得る薄膜の単結晶成長技術、高感度/高精度検出が可能で高信頼性な素子構造、信頼性の高いモジュール(組立体)構造、バイアス磁界印加手段などの複数の技術を開発し、更に、これらを適切に、かつ最適化した構成で組み合わせることで、回転体の回転を高精度に検出可能とした化合物半導体薄膜を感磁部(磁気検出部)に採用した、量産性に優れ、特性のばらつきの少ない高性能な回転検出器を得ることができることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、本発明の回転検出器に備えられる磁気抵抗素子は、絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部と、前記感磁部上に形成された複数の短絡電極と、を備えた磁気抵抗素子であって、前記化合物半導体薄膜にドナー不純物をドープするとともに、前記感磁部を覆うように軟質樹脂層を設け、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドしたことを特徴とするものである。
また、本発明の回転検出器に備えられる磁気抵抗素子は、絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部と、前記感磁部上に形成された複数の短絡電極と、前記感磁部及び前記短絡電極上に形成された絶縁性無機質材料から成る保護層と、を備えた磁気抵抗素子において、前記化合物半導体薄膜にドナー不純物をドープするとともに、前記保護層を介して前記感磁部を覆うように軟質樹脂層を設け、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドしたことを特徴とする。
このような磁気抵抗素子においては、前記軟質樹脂層をシリコン樹脂又はゴム系樹脂で構成することが好ましい。また、前記軟質樹脂層の厚さが1〜300μmであることが好ましい。
さらに、本発明の回転検出器は、絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部及び前記感磁部上に形成された複数の短絡電極を備えた磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子に磁界を印加する磁界印加手段と、を備え、前記磁界を変化させる回転体の回転状態を検出する回転検出器において、前記化合物半導体薄膜にドナー不純物をドープするとともに、前記感磁部を覆うように軟質樹脂層を設け、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドしたことを特徴とする。
さらに、本発明の回転検出器は、絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部、前記感磁部上に形成された複数の短絡電極、及び前記感磁部及び前記短絡電極上に形成された絶縁性無機質材料から成る保護層を備えた磁気抵抗素子を備えるとともに、前記磁気抵抗素子に磁界を印加する磁界印加手段を備え、前記磁界を変化させる回転体の回転状態を検出する回転検出器において、前記化合物半導体薄膜にドナー不純物をドープするとともに、前記保護層を介して前記感磁部を覆うように軟質樹脂層を設け、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドしたことを特徴とする。
このような回転検出器においては、前記軟質樹脂層をシリコン樹脂又はゴム系樹脂で構成することが好ましい。また、前記化合物半導体薄膜の厚さが0.1〜4.0μmであることが好ましい。さらに、前記軟質樹脂層の厚さが1〜300μmであることが好ましい。さらに、前記軟質樹脂層の上部側を、表面が前記感磁部面に対して平行面となるように、前記モールド樹脂で覆ってもよい。
さらに、本発明の回転検出器においては、前記感磁部面における磁束密度を、前記感磁部の抵抗値の変化率が50%以上となる磁束密度としてもよい。
さらに、本発明の回転検出器は、前記感磁部の全面に渉り、磁界の印加された状態での抵抗値の温度依存性の均一性が±1.0%以内であることが好ましい。さらに、前記硬質樹脂層の上に厚さが0.5mm以下の金属薄板を配置してもよい。さらに、前記磁界印加手段をSmCo磁石としてもよい。
さらに、本発明の回転検出器においては、前記感磁部を形成する化合物半導体薄膜を、単結晶InAsx Sb1-x 薄膜(0≦x≦1)としてもよい。さらに、前記絶縁基板の表面に高抵抗層又は絶縁層を設け、この上に前記化合物半導体薄膜を形成してもよい。さらに、前記化合物半導体薄膜を単結晶InSb薄膜とするとともに、前記高抵抗層又は絶縁層を前記化合物半導体薄膜の結晶構造と同一の結晶構造を有する高抵抗層又は絶縁層としてもよい。さらに、前記化合物半導体薄膜を単結晶InSb薄膜とするとともに、前記高抵抗層又は絶縁層と前記化合物半導体薄膜との格子定数の差を2.0%以下としてもよい。さらに、前記ドナー不純物をSi,Sn,S,Se,Te,Ge,Cから選ばれる少なくとも1つとすることが好ましい。
さらに、本発明の回転検出器においては、外部接続用の3個の端子電極を有し、2個の磁気抵抗素子が直列に接続された3端子磁気抵抗素子から構成された磁気検出部を備え、前記2個の磁気抵抗素子の接続点の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力される構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成された磁気検出部を備え、前記4個の磁気抵抗素子のうち第1及び第2の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記4個の磁気抵抗素子のうち第3及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは90°の位相差を有する第2の信号が出力される構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、前記4個の磁気抵抗素子のうち互いに隣接して接続されていない第1及び第2の磁気抵抗素子、または、第3及び第4の磁気抵抗素子がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように前記各磁気抵抗素子を配置して成る磁気検出部を備え、前記第1及び第3の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記第2及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは180°の位相差を有する第2の信号が出力される構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、前記4個の磁気抵抗素子のうち互いに隣接して接続されていない第1及び第2の磁気抵抗素子、または、第3及び第4の磁気抵抗素子がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように前記各磁気抵抗素子を配置して成る磁気検出部を2組備え、前記2組の磁気検出部のうち第1の磁気検出部は、前記第1及び第3の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記第2及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは180°の位相差を有する第2の信号が出力され、前記2組の磁気検出部のうち第2の磁気検出部は、前記第1の信号とは90°の位相差を有する第3の信号と、前記第2の信号とは90°の位相差を有する第4の信号と、を出力する構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、前記3端子磁気抵抗素子、前記4端子磁気抵抗素子、又は前記2組の磁気検出部が1チップ上に形成されていてもよい。
さらに、本発明の回転検出器においては、2組の前記磁気検出部を備え、一方の前記磁気検出部はインデックス部を備えていない前記回転体の回転に伴った前記第1の信号を出力し、他方の前記磁気検出部はインデックス部を備える前記回転体の回転に伴った、前記第1の信号と同相の第2の信号を出力する構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、2組の前記磁気検出部を備え、一方の前記磁気検出部はインデックス部を備えていない前記回転体の回転に伴った前記第1及び第2の信号を出力し、他方の前記磁気検出部はインデックス部を備える前記回転体の回転に伴った、前記第1及び第2の信号と夫々同相の第3及び第4の信号を出力する構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、2組の前記磁気検出部を備え、一方の前記磁気検出部はインデックス部を備えていない前記回転体の回転に伴った前記第1及び第2の信号を出力し、他方の前記磁気検出部はインデックス部を備える前記回転体の回転に伴った、前記第1及び第2の信号と夫々同相の第3及び第4の信号を出力する構成としてもよい
さらに、本発明の回転検出器においては、前記2組の磁気検出部に加えて第3の前記磁気検出部をさらに備え、前記第1の磁気検出部はインデックス部を備えていない前記回転体の回転に伴った前記第1及び第2の信号を出力し、前記第2の磁気検出部はインデックス部を備えていない前記回転体の回転に伴った前記第3及び第4の信号を出力し、前記第3の磁気検出部はインデックス部を備える前記回転体の回転に伴った、前記第1及び第2の信号と夫々同相の第5及び第6の信号を出力する構成としてもよい
本発明によれば、絶縁基板上に、ドナー不純物をドープした化合物半導体薄膜から成る感磁部と、この感磁部に設けられた複数の端子電極とを有する磁気抵抗素子を形成するとともに、感磁部の上部側を、直接または間接に覆う、例えば、シリコン樹脂、または、ゴム系樹脂から成る軟質樹脂層を設けたので、高い電子移動度を有する薄膜を作製することができるとともに、磁気抵抗素子の抵抗値のばらつきや温度依存性を小さくすることができる。また、モールドでの応力を緩和することができるので、検出感度を向上させることができる。また、この磁気抵抗素子を用いて、回転体の回転を検出するようにしたので、回転の検出精度を高めることができるとともに、回転検出器の温度ドリフトを大幅に低減することができる。
このとき、感磁面における磁束密度を、感磁部の抵抗値の変化率が50%以上となる磁束密度とすることにより、磁気抵抗素子の感度を更に向上させることができる。
また、化合物半導体薄膜にドナー不純物をドープして感磁部の電子濃度を制御し、感磁部の全面に渉り、磁界の印加された状態での抵抗値の温度依存性の均一性が±1.0%以内となるようにしたので、温度ドリフトを更に低減することができる。
また、感磁部を形成する化合物半導体薄膜を、Si,Sn,S,Se,Te,Ge,Cなどのドナー不純物をドープした単結晶InAsxSb1-x(0≦x≦1)薄膜、特に、単結晶InSb薄膜とすることにより、電子移動度を大きくして検出感度を向上させることができる。
更に、絶縁基板の表面に、化合物半導体薄膜の結晶構造と同一の結晶構造を有する高抵抗層または絶縁層を設け、この高抵抗層または絶縁層の上に化合物半導体薄膜を形成するようにしたので、化合物半導体薄膜の電子移動度の低下を効果的に抑制することができる。このとき、化合物半導体薄膜を単結晶InSb薄膜とするとともに、高抵抗層または絶縁層と化合物半導体薄膜との格子定数の差を2.0%以下とすれば、高い電子移動度を確実に実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態1に係る回転検出器10の構成を示す断面図で、同図において、11は絶縁基板上に形成された、抵抗値が磁界によって変化する化合物半導体薄膜から成る感磁部と複数の端子電極を備えた磁気抵抗素子、12は磁気抵抗素子11の検出対象である歯車1とは反対側に設けられた、感磁部に垂直にバイアス磁界を印加するための永久磁石、13は磁気抵抗素子11に直流電圧を加えたり、磁気抵抗素子11からの出力を外部に取出すための端子ピン、14は磁気抵抗素子11を保護するための薄い金属板、15は永久磁石12を保持している磁石ホルダー、16は磁気抵抗素子11や永久磁石12などを収納する円筒状の樹脂ケースである。なお、本例の回転検出器10の検出対象である歯車1は磁性体から構成されるが、検出部となる歯またはその一部が磁性体であれば、歯車全体が必ずしも磁性体でなくてもよい。
図2は、磁気抵抗素子11の基本構成を示す図で、この磁気抵抗素子11は、絶縁性基板17上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部18と、この感磁部18に接続される端子電極19と、感磁部18上に形成された複数の短絡電極20と、感磁部18及び短絡電極20とを覆う無機質材料の絶縁層から成る保護膜21と、この保護膜21上に形成された軟質樹脂層22とを備えた3端子構成の磁気抵抗素子で、この3端子の磁気抵抗素子11は、詳細には、図3(a),(b)に示すように、互いに並行に配置された第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bと、この磁気抵抗素子18a,18bの一方の端部にはそれぞれ設けられた入力端子となる端子電極19a,19bと、磁気抵抗素子18a,18bの他方の端部同士を接続する出力端子となる端子電極19cと、端子電極19aと端子電極19cとの間、及び、端子電極19bと端子電極19cとの間に形成された複数の短絡電極20とを備えている。なお、同図において、12は上述した磁石ホルダー15に保持され、3端子の磁気抵抗素子11の裏面側に配置された永久磁石である。
永久磁石12としては、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石(SmCo磁石)、ネオジム磁石等があり、残留磁束密度の温度係数は、それぞれ−0.18%/℃、−0.03%/℃、−0.12%/℃である。したがって、温度特性の観点からは、永久磁石12としては、SmCo磁石が最適である。
磁気抵抗素子11は、端子電極19a,19b及び端子電極19cとを、例えば、図4に示すように、金ワイヤー23により、図示しない端子ピン13に接続されるリードフレーム24にワイヤーボンドした後、これらをエポキシ樹脂などのモールド樹脂25によりパッケージされ、永久磁石12を保持した磁石ホルダー15とともに円筒状の樹脂ケース16に収納される。これにより、全体が円柱状である回転検出器10を得ることができる。
ところで、歯車1等の回転を検出する際には、図5(a),(b)に示すように、感磁部18を構成する化合物半導体薄膜の表面から歯車1までの距離(ギャップ)Gが近いほど出力信号は大きくなる。したがって、モールド樹脂25の上に配置される金属板14としては、厚さが0.5mm以下の金属薄板を用いることが好ましく、特に、金属板14の厚さを0.15mm程度とし、化合物半導体薄膜の表面からモールド樹脂25の表面までの距離を0.2mm以下になるようにすれは、高い感度を得ることができる。このとき、軟質樹脂層22の上部側を覆うモールド樹脂25の表面側を、感磁部面と平行面とすることが肝要である。これにより、歯車1と感磁部18との距離を確実に一定にすることができ、第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bの感度を揃えることができる。
磁気抵抗素子11の感磁部18を構成する化合物半導体薄膜としては、一般には、周期律表でIII族及びV族の元素から成る化合物半導体が用いられる。本発明においては、化合物半導体は、高い磁気抵抗変化率を得るためにできるだけ高い電子移動度を有していることが好ましいことから、化合物半導体薄膜をInSb、InAs、あるいは、InAsSb1−x、InGa1−xSb、InGa1−xAs(0≦x≦1)から成る薄膜とすることが好ましく、更に好ましくは、InAsxSb1-x(0≦x≦1)であり、単結晶InSb薄膜とすることが特に好ましい。
また、化合物半導体薄膜の膜厚としては、0.1〜4μmが適当である。磁気抵抗素子の作製プロセスでは、通常のフォトリソグラフィーの技術を用いるが、このとき、ウェットエッチングによって所望の形状に化合物半導体薄膜をメサエッチングすることが多い。このウェットエッチングは膜厚方向のエッチングともに、膜厚方向とは垂直方向のサイドエッチングが進むため、膜厚が厚過ぎると、膜厚方向のエッチングは終了する時点ではサイドエッチングもかなり進むため、素子抵抗値の設計値と実際の素子抵抗値がずれるだけでなく、素子抵抗値の個体差も大きくなる。すなわち、膜厚が4μmを超えると、フォトリソグラフィーの精度が悪化するため、素子特性が劣化するだけでなく、素子特性にばらつきが大きくなる。また、膜厚が0.1μm未満では感磁部18の体積が小さくなって十分な素子特性が得られないので、化合物半導体薄膜の膜厚としては0.1〜4μmの範囲とすることが好ましい。
化合物半導体薄膜を形成する方法としては、分子線エピタキシー(MBE)法を用いることが薄膜の膜厚や組成の制御性が高く特に好ましい方法である。MBE法を用いて作製した化合物半導体薄膜から成る感磁部18を備えた回転検出器においては、歯車1の回転によって生じる磁束密度変化検出のために配置される複数の素子の電子移動度が高いだけでなく、各素子の特性差はほとんどないので、磁界の印加された状態での抵抗値の温度依存性を均一に設定することができる。
また、本例では、感磁部18である化合物半導体薄膜中にキャリアを増加させ、電子移動度を更に高めるために、ドナー不純物を添加するようにしている。ドナー不純物の添加方法としては、化合物半導体薄膜を形成する際に同時に行ってもよいが、成膜後にイオン注入法を用いて打ち込んでもよい。このとき用いられるドナー不純物としては、化合物半導体が、例えば、InSbやInAsのようなIII−V族化合物半導体の場合には、C、Si、Ge、SnのようなIV族元素やS、Se、Teに代表されるVI族元素を添加するとよい。その中でも特にSi、Snが好ましい。このように、化合物半導体にドナー不純物をドープし、かつ、上述した均一性の高い不純物ドープ技術を用いて感磁部の電子濃度を適正に制御すれば、感磁部18の全面に渉り、磁界の印加された状態での抵抗値の温度依存性の均一性を±1.0%以内に設定することができる。
また、本発明に用いられる絶縁性基板17としては、表面が絶縁性もしくは絶縁化された半導体の絶縁層を持つ基板が好ましく、半導体基板の中でもGaAs、InP、GaPなどの基板を用いると、感磁部18を構成する化合物半導体薄膜の電子移動度を高くできるので、特に好ましいものとなる。
このとき、絶縁性基板17の表面粗さを10オングストローム以内とすることが好ましい。絶縁性基板上には、通常、10オングストローム程度の酸化膜が形成されており、この酸化膜上で薄膜を成長させると、電子移動度が小さくなってしまうことから、この酸化膜を除去し、表面粗さを10オングストローム以内とすることにより、化合物半導体薄膜の電子移動度を高めることができる。
また、絶縁性基板17の表面に高抵抗層または絶縁層を設け、この高抵抗層または絶縁層の上に化合物半導体薄膜を形成することが好ましい。このとき、高抵抗層または絶縁層を化合物半導体薄膜の結晶構造と同一の結晶構造を有する高抵抗層または絶縁層とすれば、薄膜の形状が安定するとともに、結晶境界で相互作用を小さくできるので、結晶構造のミスマッチによる電子移動度の低下を抑制することができる。
特に、化合物半導体薄膜が単結晶InSb薄膜である場合には、高い電子移動度を実現するため、例えば、GaAs、AlGa1−xAs1−ySb(0≦x≦1,0≦y≦1)などの薄膜の結晶構造と同一の結晶構造を有し、かつ、薄膜との格子定数の差が2.0%以下である絶縁層を設けることが好ましい。
また、端子電極19及び短絡電極20に用いられる電極材料は、Cu単層や、Ti/Au,Ni/Au,Cr/Cu,Cu/Ni/Au,Ti/Au/Ni,Cr/Au/Ni,Cr/Ni/Au/Niなどのような積層としてもよい。この電極材料は、作製した素子の使用される動作条件と環境条件に耐えられる材質であれば、どのような材料を用いてもかまわない。また、電極を形成する方法としては、電子ビーム蒸着や抵抗加熱蒸着といった一般的な真空蒸着法や、スパッタ法やメッキ法によって形成してもよい。また、電極形成後に端子電極19及び短絡電極20と動作層である感磁部18とのオーミック接触性を良好にするために、急昇温熱アニール(RTA)法を用いて熱処理することも好ましい。
また、感磁部18を構成する化合物半導体薄膜を保護する保護膜21としては、一般的には絶縁性無機質材料であることが好ましく、例えば、窒化シリコン、酸化ケイ素等の薄膜をプラズマCVD法等により形成したものが好適に用いられる。このとき、保護膜21の厚さとしては、200nm〜500nm程度とすることが好ましい。保護膜21の厚さが200nmに満たない場合には、空気の遮断が不十分であり信頼性が低下する。また、膜厚が500nmを超えても保護膜としての効果は特に変わらないので、保護膜21を特に厚くする必要はなく、500nm以下とするのが適当である。
また、軟質樹脂層22は、硬質樹脂であるモールド樹脂25による化合物半導体薄膜への圧力や面内応力を緩和する目的で、保護膜21上に上記部位を覆うように形成されたもので、この軟質樹脂層22を形成する樹脂は、半導体封止用の樹脂であり、主に、シリコン樹脂やゴム系樹脂が好適に用いられる。また、応力緩和に必要な膜厚としては、シリコン樹脂では、1〜300μmが、ゴム系樹脂では1〜10μmが適当である。
シリコン樹脂による軟質樹脂層22を形成する方法としては、例えば、ディスペンサでシリコン樹脂の液滴を感磁部18に滴下し、これを熱硬化(200℃、2時間程度)させて、約300μm程度の柔らかいコンタクト樹脂層を形成したり、感光性のシリコン樹脂をスピンコートでウエーハ上に塗布し、フォトマスクを用いてパターンニングして、感磁部18のみを覆うようにし、現像後、熱硬化させて数10μm程度のコンタクト樹脂層を形成する方法などがある。なお、感光性のシリコン樹脂としては、ネガタイプのものであっても良いし、ポジタイプのものであっても良い。
また、ゴム系樹脂の場合には、肉厚を数μm程度とするためには、感光性のものを用いてパターンニングして、感磁部18のみを覆うようにすることが好ましいが、他の方法であっても良い。
なお、軟質樹脂層22は、上記モールド樹脂に対する化合物半導体薄膜への応力緩和効果だけでなく、万が一、回転検出器10が歯車1に接触して衝撃を受けた場合にも、その衝撃を緩和し、化合物半導体薄膜を保護することができるという利点を有する。
次に、磁気抵抗素子11の作製方法について説明する。
図6(a)〜(e)は、3端子の磁気抵抗素子11の作製プロセスフローを示す図で、プロセスとしては、通常のフォトリソグラフィーの技術を用いることができる。
はじめに、図6(a)に示すように、絶縁性基板であるGaAs基板17上に、感磁部18を構成するためのInSb薄膜18Fを形成する。具体的には、分子線エピタキシー(MBE)法を用いて、半絶縁性のGaAs単結晶基板17の(100)面上に、化合物半導体薄膜としてSnドープInSb薄膜18Fをエピタキシャル成長させる。
次に、図6(b)に示すように、InSbのメサエッチング用のフォトマスクを用いて、感磁部のパターンを露光・現像した後に、InSb薄膜18Fを塩酸・過酸化水素系のエッチング液で所望の形状にメサエッチングして、第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bを形成する。なお、感磁部である第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bの間隔は、検出する歯車1の山と谷の間隔(歯車のピッチをPとすると、P/2)に合わせるものとする。
その後、図6(c)に示すように、磁気抵抗素子18a,18b上に、複数の短絡電極20を形成し、更に、図6(d)に示すように、窒化シリコン薄膜から成る保護膜21を、プラズマCVD法により形成する。そして、図6(e)に示すように、端子電極19部分のみの窒化シリコン膜を反応性イオンエッチング装置を用いて除去した後、端子電極19(入力端子19a,19b及び出力端子19c)を形成する。最後に、磁気抵抗素子の感磁部面上(実際には、保護膜21上)に、上記部位を覆うように、柔らかいシリコン樹脂層から成る軟質樹脂層22を形成する。
このようにして、SnドープInSb薄膜18Fを感磁部18とし、端子電極19を3個を有し、各端子電極19間に複数の短絡電極20を有する高磁界感度の3端子構成の磁気抵抗素子から成る磁気抵抗素子11を、フォトリソグラフィーを応用した微細加工プロセスの応用により、1枚のウエーハ上に多数製作することができる。
次に、ウエーハから、ダイシングにより、個別の3端子の磁気抵抗素子11に切離す。こうして製作した磁気抵抗素子11のチップを、リードフレームを利用して、エポキシ樹脂などの硬質樹脂によりパッケージし、永久磁石12が保持された磁石ホルダー15とともに樹脂ケース16に収納することにより、図1に示すような、本発明の回転検出器10を製作することができる。
本例では、3端子の磁気抵抗素子11を、その磁気抵抗変化率が50%となる磁束密度となるように、永久磁石12によるバイアス磁界の大きさを設定している。また、本例においては、前記磁気抵抗素子11の抵抗値の温度依存性の均一性は、感磁部18の全面に渉り、磁界の印加された状態において±1.0%以内である。
図3(a),(b)に示した3端子の磁気抵抗素子11の抵抗値の磁場依存性を測定するため、磁気抵抗素子11に電磁石で一様な磁場をかけ、端子電極19aと端子電極19cとの間の抵抗値を測定した結果を図7に示す。また、図8は、磁気抵抗変化率ΔR/Rと磁束密度の関係を示す図で、ここで、ΔR=R−Rであり、Rは磁場中での抵抗値、Rは磁場なしでの抵抗値である。なお、メサエッチング後の化合物半導体薄膜の幅(電流に直交する方向の幅:素子幅)をWとし、短絡電極間の距離(素子長)をLとしたとき、L/Wを形状因子と呼ぶが、本実施の形態1では、形状因子を、L/W=0.2とした。
図8からわかるように、磁束密度が大きくなるほど、磁気抵抗変化率ΔR/Rの傾きは大きくなる。すなわち、磁界に対する感度が大きくなる。この磁気抵抗変化率ΔR/Rは、電子移動度をμ、磁束密度をBとすると、これらの積μBに相当するもので、この曲線は、低磁界領域ではほぼ二次曲線的に増加し、高磁界領域ではほぼ直線的に変化する。すなわち、電子移動度μが高い磁気抵抗素子ほど磁束密度が小さい領域から直線的に変化する。
磁気抵抗素子の感度を良くするためには、この直線領域を使用することが好ましく、特に、磁気抵抗変化率ΔR/Rが50%増加する磁束密度以上で使用することが好ましい。
ちなみに、フェライト磁石の表面磁束密度は0.1〜0.15T程度であり、SmCo磁石の表面磁束密度は0.25〜0.3T程度であるので、磁気抵抗素子の感度を良くするためには、SmCo磁石等の希土類合金系の永久磁石を用いることが好ましい。
本発明の磁気検出部となる3端子の磁気抵抗素子11では、図9に示すように、第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bは、歯車1の山と谷とにそれぞれ合わせて配置されており、磁気抵抗素子11の入力端子である端子電極19a,19b間に直流電源4を接続することにより、第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bの中点である端子電極19cからは、歯車1の回転に伴って、図10に示すような、A相またはB相の非差動出力(Vout)が出力される。
本例の磁気抵抗素子11は、前記のように、1つのチップ上に第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bを同時に形成しているので、磁気抵抗素子18aと磁気抵抗素子18bとの間隔は歯車の山と谷の間隔(P/2)に等しくなるように作製することができる。すなわち、磁気抵抗素子18a,18bの間隔が歯車1の山谷ピッチと正確に合っているため、個体差はほとんど生じないだけでなく、感磁部18は、半絶縁性のGaAs単結晶から成る絶縁性基板17上に、SnドープInSb薄膜18Fを分子線エピタキシー法により成長させて成る高い電子移動度を有する化合物半導体から構成されているので、第1及び第2の磁気抵抗素子18a,18bの素子特性も揃っており、かつ、抵抗値の温度依存性の均一性を±1.0%以内にすることができる。したがって、3端子の磁気抵抗素子11を用いることで、検出感度の高くかつ温度ドリフトの極めて小さな回転検出器10を製作することができる。
このように、本実施の形態1によれば、絶縁性基板であるGaAs基板17上に、ドナー不純物としてSnをドープした、高い電子移動度を有するInSb薄膜を、分子線エピタキシー(MBE)法を用いてエピタキシャル成長させて、これを感磁部18とした3端子の磁気抵抗素子11を形成するとともに、感磁部18の上部側を、例えば、シリコン樹脂、または、ゴム系樹脂から成る軟質樹脂層22で覆った後、モールド樹脂25によりモールドしたので、磁気抵抗素子18a,18bの抵抗値のばらつきや温度依存性を小さくすることができるとともに、モールドでの応力を緩和することができるので、検出感度を向上させることができる。
また、3端子の磁気抵抗素子11を用いて回転検出器10を作製したので、歯車1の回転の検出精度を高めることができるとともに温度ドリフトを大幅に低減することができる。
なお、実施の形態1では、歯車1の回転を検出する回転検出器10について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、円柱棒の表面に凹部又は凸部を付けた回転体など、他の回転体の回転を検出する一般の回転検出器にも適用可能である。
更には、図11に示すような、凹凸のある磁性体から成る移動体50の前記凹凸の検出にも適用可能である。
また、磁気抵抗素子11に代えて、図12に示すような、軟磁性体であるフェライト基板から成る磁気誘導層26を備えた磁気抵抗素子11Tを用いて回転検出器10を作製すれば、出力信号振幅の大きな回転検出器を得ることができる。
磁気誘導層26は、永久磁石12からの磁界を感磁部18に集磁する機能を有するので、この集磁効果により、磁気抵抗素子18a,18bに作用する磁界の大きさを更に大きくすることができるだけでなく、磁気抵抗素子18a,18bの端部においても、磁界の垂直成分が増加するため、出力振幅が増加し、検出感度が向上する。
磁気誘導層26は、例えば、図13に示すように、微細加工プロセスの応用により1枚のウエーハ17P上に素子を多数製作した後、裏面研磨によって絶縁性基板17となるウエーハ17Pを所定の厚さだけ研磨し、この裏面に、接着剤により、厚さ0.25mm程度のフェライト基板26Pに貼りあわせ、その後、ダイシングにより個別の磁気抵抗素子11Tに切離すことにより作製する。なお、前記切り離しは、通常、上述した軟質樹脂層22の形成後に行う。
また、前記例では、3端子の磁気抵抗素子11を1個として、A相またはB相の非差動出力を出力するようにしたが、図14に示すように、歯車として、1歯が欠歯している歯車1Kを用いるとともに、1チップ上に磁気抵抗素子11と同一構成の磁気抵抗素子を2個備え、一方の磁気抵抗素子11AをA相またはB相用とし、他方の磁気抵抗素子11Kを、インデックス検出用であるZ相用とした回転検出器10Kを作製することができる。これにより、図15(a),(b)に示すような、A相またはB相の非差動出力とともに、欠歯を検出するZ相での出力信号を得ることができるので、回転検出器10Kからの出力信号を磁気エンコーダとして使用することができる。高分解能の磁気エンコーダを得るためには、回転検出器からの信号が、温度に対して安定していることが極めて重要であることから、感度も高く、温度ドリフトも小さい本発明の回転検出器10Kを用いることにより、高分解能の磁気エンコーダを実現することが可能となる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、3端子構成の磁気抵抗素子11について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、4端子の磁気抵抗素子など、他の構成の磁気抵抗素子にも適用可能である。
図16は、本発明の実施の形態2に係る4端子の磁気抵抗素子11Mの構成を示す図で、この磁気抵抗素子11Mは、実施の形態1と同様にして作製される。同図は、ダイシングにより個別の磁気抵抗素子11Mに切離した状態のものを示したもので、この磁気抵抗素子11Mは、1つのチップ上に4個の磁気抵抗素子18A〜18Dが作製されており、図17に示すように、磁気抵抗素子18Aと磁気抵抗素子18Bの間隔と磁気抵抗素子18Cと磁気抵抗素子18Dの間隔は、ともに、歯車のピッチをPとすると、歯車の山と谷の間隔であるP/2に等しく、かつ、磁気抵抗素子18A、磁気抵抗素子18C、及び、磁気抵抗素子18Bと磁気抵抗素子18Dとは、歯車1の回転方向に対して、P/4だけずらして形成されている。これにより、端子電極19Aと端子電極19Bとの間に直流電源4を接続すれば、歯車1の回転に伴って、磁気抵抗素子18Aと磁気抵抗素子18Bとの中点に設けられた端子電極19MからはA相の信号が、磁気抵抗素子18Cと磁気抵抗素子18Dとの中点に設けられた端子電極19Nからは、A相とは90°の位相差を有するB相の信号が出力され、A相/B相の非差動2出力を出力する4端子の磁気抵抗素子11Mを作製することができる。
また、この磁気抵抗素子11Mを用いることにより、歯車1の回転に伴ってA相/B相の非差動2出力を出力する回転検出器を作製することができる。
従来の回転検出器の中には、4個の磁気抵抗素子を個別に切離し、ダイボンディグで配置しているものが多かったが、これでは各素子の間隔と歯車の山谷ピッチとが微妙に異なるため、出力信号振幅、A相/B相の位相差にかなり個体差が生じていた。
これに対して、本実施の形態2の磁気抵抗素子11Mは、1つのチップ上に4個の磁気抵抗素子18A〜18Dを同時に形成したので、磁気抵抗素子11Aと磁気抵抗素子11Bの間隔および磁気抵抗素子11Cと磁気抵抗素子11Dの間隔は歯車の山と谷の間隔(P/2)に等しくなるように正確に作製することができる。したがって、各素子の間隔と歯車1の山谷ピッチとがと正確に合っているため、構造状の個体差はほとんど生じない。
また、磁気抵抗素子18A〜18Dは、実施の形態1と同様に、GaAs基板17上に、分子線エピタキシー法を用いて形成された、SnドープInSb薄膜から構成されているので、4個の磁気抵抗素子18A〜18Dの素子特性も揃っており、かつ、抵抗値の温度依存性の均一性を±1.0%以内にすることができるので、検出感度が高く、かつ、温度ドリフトの極めて小さな回転検出器を製作することができる。
また、図18に示すように、歯車として、1歯が欠歯している歯車1Kを用いるとともに、1チップ上に4端子の磁気抵抗素子11と同様の構成の磁気抵抗素子を2個備え、一方の磁気抵抗素子11SをA相/B相用とし、他方の磁気抵抗素子11ZをZa/Zb相用とした回転検出器10Zを作製すれば、図19(a),(b)に示すような、A相/B相の非差動出力とともに、欠歯を検出するZa/Zb相での出力信号を得ることができるので、回転検出器10Zからの出力信号を高精度/高分解能の磁気エンコーダとして使用することが可能となる。なお、図19では、図を見やすくするため、Za相の出力信号のみを示した。
また、実施の形態2では、A相/B相の非差動2出力を出力する4端子の磁気抵抗素子11Mについて説明したが、図20に示すように、4個の磁気抵抗素子11a〜11dがフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、互いに隣接して接続されていない2対の磁気抵抗素子(磁気抵抗素子11aと磁気抵抗素子11d、及び、磁気抵抗素子11bと磁気抵抗素子11c)がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように、各磁気抵抗素子11a〜11dを配置した構成の磁気抵抗素子11Pを作製することもできる。この磁気抵抗素子11Pでは、図21に示すように、磁気抵抗素子11aと磁気抵抗素子11bとの中点の端子電極19mからはA相の、磁気抵抗素子11cと磁気抵抗素子11dとの中点の端子電極19nからは、A相とは180°の位相差を有するA−相信号が出力されるので、A相/A−相、あるいは、B相/B−相の差動単相出力を出力する4端子の磁気抵抗素子11Pと、これを用いた回転検出器を作製することができる。
また、4端子の磁気抵抗素子11Pを2組配置し、それぞれの中点の端子電極から、A相/A−相、及び、B相/B−相の差動2相出力を得るようにすることも可能である。あるいは、4端子の差動の磁気抵抗素子11Pを3個備え、それぞれ、A相/A−相、B相/B−相、Z相/Z−相としてもよい。
更に、歯車として、1歯が欠歯している歯車1Kを用いるとともに、8個の磁気抵抗素子を有する差動の素子(11P×2)を1個と、差動の4端子の磁気抵抗素子を1個備えた磁気抵抗素子も作製し、それぞれ、A相/A−相、B相/B−相、Z相/Z−相とするようにしてもよい。
これらの磁気抵抗素子はいずれも1チップ上に作製することができるので、実施の形態1,2と同様に、各素子の抵抗値も揃っており、かつ、抵抗値の温度依存性を±1.0%以内と均一にすることができるので、いずれの構成の磁気抵抗素子を用いた場合にも、検出感度が高く、かつ、温度ドリフトの極めて小さな回転検出器を製作することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1,2では、永久磁石12を磁石ホルダー15に収納した構成の回転検出器10,10Kなどについて説明したが、図22に示すように、エポキシ樹脂などのモールド樹脂25の磁気抵抗素子11が配置されている側とは反対側に、永久磁石12を接着剤等により固定するようにすれば、磁気抵抗素子11(または、磁気抵抗素子11M,11Pなど)と永久磁石12とがモールド樹脂25により一体化された構成の回転検出器10Hを構成することができる。図23に示すように、磁気抵抗素子11の中心と永久磁石12の中心とを一致させれば、磁気抵抗素子18a,18bに作用する磁界の分布を同じにできるので、温度ドリフトを更に小さくすることができる。
この回転検出器10Hも、図24(a),(b)に示すように、回転検出器10と同様に、円筒状の樹脂ケース16に収納される。このとき、リードフレーム24Lを感磁部面に対して垂直方向に折り曲げるようにすれば、リードフレーム24Lは樹脂ケース16に接触することはないので、樹脂ケース16に代えて、金属ケースを使用した場合でも、信号線の接触の問題が起こることはない。
なお、回転検出器10Hは、図25に示すように、プリント基板27等に直接接続して使用する場合にも最適な構造である。
また、4端子の磁気抵抗素子11Mを回転検出器10Hに用いる場合には、図26に示すように、リードフレーム24Lを両側から出す構造としてもよい。
なお、実施の形態1〜3では、感磁部18に加わる磁界の大きさがなるべく均一になるように、永久磁石12の幅を、感磁部18の幅よりも大きくは設定しているが、特に大きさについては規定していなかった。しかしながら、実施の形態2で説明した4端子の磁気抵抗素子11Mのように、磁気抵抗素子18Aと磁気抵抗素子18B、及び、磁気抵抗素子18Cと磁気抵抗素子18Dとが磁石の中心に対して対称に配置されておらず、回転方向に対してP/4だけずれている場合には、永久磁石12の幅を適正に設定する必要がある(図16,図17参照)。
すなわち、磁気抵抗素子18Aに印加されている磁界の大きさBと磁気抵抗素子18Bに印加されている磁界の大きさB、及び、磁気抵抗素子18Cに印加されている磁界の大きさBと磁気抵抗素子18Dに印加されている磁界の大きさBとは全く等しくないので、図7に示した抵抗値と磁束密度の関係からもわかるように、印加磁界が異なると抵抗値が異なり、磁気抵抗素子11Mの出力端子18a及び出力端子18bの電位は、Vin/2からずれてしまうことになる。つまり、B≠Bのため、磁気抵抗素子18Aの抵抗値をR、磁気抵抗素子18Bの抵抗値Rとすると、R≠Rとなってしまう(磁気抵抗素子18C,18Dについても同様に、R≠Rとなる)。このとき、感磁部18の幅Wに比べて永久磁石12の幅Wをかなり大きくすると、ほぼB=Bとすることができるが、回転検出器10の大きさの制限もあり、永久磁石12の幅Wも制限されることになる。
そこで、図16及び図17に示した4端子の磁気抵抗素子11Mにおいて、端子電極19a,19b間に直列電源Vin(=5V)を接続したときの永久磁石12の幅と出力端子19M(あるいは19N)のオフセット電圧(Vin/2からのずれ)との関係、及び、永久磁石12の幅と感磁部18の幅との差(磁石の端面と感磁部の端面との距離の2倍)とオフセット電圧との関係を、磁界解析計算で見積もった結果をそれぞれ、図27及び図28に示す。
なお、この例では、感磁部18の幅を2.4mmとし、磁石のサイズは、4.5mm×W(歯車の回転方向の幅)×4.5mm(厚さ:感磁面に垂直方向)とし、Wを3.5mm〜5.5mmまで変化させた。
ここで、オフセット電圧は、eoff={R/(R+R)}×Vin―(Vin/2)である。
図27から、磁石の幅が、4.5mmになると、オフセット電圧は40mV以下になることがわかる。また、図28から、磁石の幅が感磁部の幅に比べて2mm以上大きいとき、オフセット電圧は40mV以下にできることがわかる。
したがって、永久磁石12の端面と感磁部18の端面との距離を1mm以上とすることにより、オフセット電圧を40mV以下にすることができる。なお、永久磁石12の幅の上限については、回転検出器の大きさにより適宜決定される。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の磁気抵抗素子及び回転検出器は下記に限定されるものではない。
[実施例1]
薄膜形成法の一例として分子線エピタキシー法を用いて、半絶縁性のGaAs単結晶基板の(100)面上に、SnドープInSb薄膜をエピタキシャル成長させた。
まず、厚さ0.35mmの半絶縁性のGaAs単結晶基板にAsを照射しながら、650℃で加熱し表面酸素を脱離させる。次に、580℃で温度を下げてGaAsバッファ層を200nmの厚さで形成する。次に、Asを照射しながら400℃まで温度を下げた後、SnとIn、Sbを同時に基板に照射しながら化合物半導体薄膜の膜厚1μmからなるSnドープInSb単結晶薄膜を形成した。この際、InSb単結晶薄膜の電子濃度は、7×1016cm−3になるようにSnセル温度を調節した。成膜したInSb単結晶薄膜の電気特性を測定したところ、電子濃度は7×1016cm−3、電子移動度は40,000cm2/Vsであった。
次に、InSb/GaAs基板のInSb表面にフォトレジストをスピンコータで均一に塗布する。フォトレジストの塗布条件は、100cpの粘度で3200rpmの回転速度で20秒間回転すると2.5μmの厚さとなる。InSbのメサエッチング用のフォトマスクを用いて、露光・現像した後に塩酸・過酸化水素系のエッチング液で所望の形状にInSb薄膜をメサエッチングした。
その後、再度、フォトレジストを塗布した後に、短絡電極を形成するための露光・現像を行い、真空蒸着法により電極を蒸着し、リフトオフ法で短絡電極を形成した。詳細には、フォトレジストによりレジストパターンを形成した後に、電子ビーム法により短絡電極として50nm厚のTiと400nm厚のAu、さらに50nm厚のNiからなる積層電極を形成し、リフトオフ法を用いて所望の短絡電極を形成した。
更に、保護膜として窒化シリコン薄膜を300nmの厚さでプラズマCVD法により形成し、端子電極部分のみの窒化シリコン膜を、反応性イオンエッチング装置を用いて除去し、最後に短絡電極の形成方法と同様にして、端子電極を形成した。端子電極として50nm厚のTiと400nm厚のAuからなる積層電極とした。化合物半導体薄膜からなる動作層との接触を改善するために、不活性ガス雰囲気で500℃×2分間の熱処理を行った。
このようにして化合物半導体薄膜を感磁部とし、端子電極3個を有し、この端子電極間に複数の短絡電極を有する、図4の磁気抵抗素子11と同様の構成の磁気抵抗素子を、フォトリソグラフィーを応用した微細加工プロセスの応用により、1枚のウエーハ上に多数製作した。なお、感磁部の間隔は、検出する歯車の山と谷の間隔に合わせた。
次に、モールド樹脂による圧力や面内応力を緩和するため、磁気抵抗素子の感磁部面上に、上記部位を覆うように、柔らかいシリコン樹脂から成る軟質樹脂層を形成した。
その後、ダイシングにより個別の磁気抵抗素子に切離した。こうして製作した磁気抵抗素子チップを、リードフレームを利用して、ボンデングパッケージをした。具体的には、ち、リードフレームのアイランド上に磁気抵抗素子チップを、ダイボンダーを用いダイボンドし、次いで、30μmの金ワイヤーにより磁気抵抗素子の3個の端子とリード間を、ワイヤーボンダーを用いワイヤーボンドした後、トランスファーモールド法によりエポキシ樹脂によりパッケージした。その後、タイバーカット、リードカットにより、及びリードのフォーミングを行い、最後に、パッケージされた磁気抵抗素子を永久磁石が保持された磁石ホルダーとともに円筒状の樹脂ケースに収納し、全体が円柱状である回転検出器を作製した。
図29(a),(b)は作製された3端子の磁気抵抗素子11の構成を示す図で、図30は磁束密度0.25テスラのもとでの温度ドリフトを示す図である。図30の横軸は温度、縦軸は信号出力電圧Voutから電源電圧の半分(Vin/2)を差し引いたもの(以下、オフセット電圧と称する)である。図29(a),(b)において、2個の磁気抵抗素子18a,18bの抵抗値及びその温度変化が等しい場合は、信号出力電圧Voutは、Vout=Vin/2となる。
図30から明らかなように、本例の磁気抵抗素子11は、信号出力電圧Voutの温度ドリフトがほとんどない、優れた温度依存性を示している。このことは、感磁部の全面に渉り、磁界の印加された状態の抵抗値の温度依存性が均一であること意味しており、半絶縁性のGaAs単結晶から成る絶縁性基板上に、SnドープInSb薄膜を分子線エピタキシー法により成長させ、これを感磁部とした磁気抵抗素子は、各素子の特性も揃っており、かつ、温度依存性が極めて小さいことが確認された。
[比較例1]
Snのドーピングを行わずにInSb単結晶薄膜を形成したことと、磁気抵抗素子の感磁面上に、柔らかいシリコン樹脂から成る軟質樹脂層を形成していないことを除けば、実施例1同様にして磁気抵抗素子を作製し、その後回転検出器を作製した。
この場合も、図29(a),(b)に示すように、3端子の磁気抵抗素子を作製し、磁束密度0.25テスラのもとで温度ドリフトを測定した。その結果を図31に示す。図31の横軸は温度、縦軸はオフセット電圧である。図31からわかるように、Snのドーピングがなく、更に、軟質樹脂層が形成されていない磁気抵抗素子では、温度が0℃以下になると、かなりの温度ドリフトが見られる。
[比較例2]
Snのドーピングを行わずにInSb単結晶薄膜を形成したことを除けば、実施例1同様にして磁気抵抗素子を作製し、その後回転検出器を作製した。
この場合も、図29(a),(b)に示すように、3端子の磁気抵抗素子を作製し、磁束密度0.25テスラのもとで温度ドリフトを測定した。その結果を図32に示す。図32の横軸は温度、縦軸はオフセット電圧である。図32からわかるように、軟質樹脂層が形成されていてもSnのドーピングがない磁気抵抗素子では、比較例1に比べると、オフセット電圧の温度ドリフトはかなり抑制されているが、やはり温度が0℃以下になると、温度ドリフトが見られる。
[実施例2]
実施例1と同様にして、図16に示すような、4個の磁気抵抗素子をループ状に接続した4端子磁気抵抗素子11Mを作製し、ダイシングにより個別の磁気抵抗素子に切離した。チップサイズは3.2mm×2.2mmであり、1つのチップ上には、4個の磁気抵抗素子が作製されている。磁気抵抗素子の作製プロセスは、通常のフォトリソグラフィーの技術を用いているため、磁気抵抗素子の間隔は、量産されるすべての素子で精度よく再現できる。
次に、図1と同様の磁石ホルダー15に2個のSmCo磁石(永久磁石12)を左側から挿入し、端子ピン13も挿入した。磁石の磁化方向は感磁部18を構成する化合物半導体薄膜の面に垂直である。磁石のサイズは、4.5mm×5.5mm(歯車の回転方向の幅)×4.5mm(厚さ:感磁面に垂直方向)である。用いた磁石の表面での磁束密度は、約0.25Tであった。その後、プリント基板に図12の構造で、図18,19に示した4端子磁気抵抗素子11S,11Zを半田付けした。磁気抵抗素子11Sは、A/B相用であり、磁気抵抗素子11ZはZ相である。そして、端子ピン4を図示しないプリント基板に接続した後、磁石ホルダー15を、円筒状の樹脂ケース16に挿入し、樹脂ポッティングにより固定した。こうして樹脂ケース16および薄い金属板(真鍮薄板)14のフタで全体が保護されている回転検出器を完成した。上記樹脂ケース16は、図1に示すものと同様に、一端が厚さ0.15mmの真鍮薄板14のフタを有し、対抗する一端が開口部である。
このようにして完成した回転検出器のVin端子ピンとGND端子ピンの間に、直流電源5Vを接続し、実際の歯車(JIS規格B1701−1円筒歯車インボリュート歯車p=0.8π)を回転させて、出力信号を観測した。今回使用した歯車は、図18に示すように、1歯欠歯しているものを用いた。そして、出力信号波形より、A相とB相は90°位相がずれていることを確認し、Za相で欠歯を検出していることも確認できた。出力信号振幅Vppは、約300mVであった。
本発明の回転検出器の温度特性を測定するために、回転機構と回転検出器を恒温槽の中に入れ、図33に示すように、A相の出力信号振幅Vppと、A相のDC電圧eを測定した結果を図34、図35にそれぞれ示す。なお、図33では、図を見易くするため、振幅変化と温度ドリフトを大きめにしてある。
図34での縦軸は、A相の出力信号振幅であり、図35での縦軸はA相のDC電圧eのVin/2からのずれ(オフセット電圧)を示したもので、温度を−20℃〜140℃まで変化させても、出力信号振幅およびオフセット電圧ともにほとんど変化ないことがわかる。これは、非常に安定して、回転検出が可能であることを意味している。
[実施例3]
回転検出器(図16)を30個作製し、図36(a)に示すように歯車1を回転させて、歯車と回転検出器とのギャップGを変化させて、出力信号振幅を測定した結果を図36(b)に示す。測定は、室温にて行った。個体差が非常に小さいことがわかる。
[実施例4]
実施例2と同様にして、図12に示したタイプの4端子磁気抵抗素子を作製した。実施例2と異なる点は以下である。微細加工プロセスの応用により1枚のウエーハ上に素子を多数製作した後、裏面研磨によってGaAs基板を0.1mmの厚さにし、その後、接着剤により、厚さ0.25mmのフェライト基板に貼りあわせた。次に、磁気抵抗素子の感磁部面上に、上記部位を覆うように、柔らかいシリコン樹脂層を形成した後、ダイシングにより個別の磁気抵抗素子に切離した。その後は、実施例1と同様にして磁気抵抗素子を作製し、回転検出器に仕上げた。
この回転検出器を用いて、実施例2と同様に歯車を回転させて、出力信号を観測したところ、出力信号振幅Vppは、約370mVと、実施例2に比べて出力信号振幅がさらに大きくなった。これにより、磁気誘導層を備えた磁気抵抗素子を用いて回転検出器を作製すれば、出力信号振幅をさらに大きくすることができることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、温度ドリフトが小さく回転の検出精度の高い回転検出器を実現できるので、工作機械等のスピンドルの回転状態を高精度/高分解能で検出することができるとともに、エレベータ/エスカレータのモータ制御を安定して行うことができる。また、温度特性が極めて良好であるので、例えば、電動射出成形機や自動車のエンジン制御の分野などの高温用途への展開も可能となった。
更に、本発明により、出力信号振幅、オフセット電圧の安定した磁気抵抗素子が製作でき、検出信号の信頼性も向上し、かつ個体差の非常に少ない回転検出器の量産ができる。
本発明の実施の形態1に係る回転検出器の構成を示す断面図である。 本実施の形態1に係る磁気抵抗素子の基本構成を示す断面図である。 本実施の形態1に係る3端子の磁気抵抗素子の構成を示す平面図である。 3端子の磁気抵抗素子のモールド後の状態を示す図である。 化合物半導体薄膜の表面から歯車までの距離Gと出力信号振幅との関係を示す図である。 本実施の形態1に係る磁気抵抗素子の作製プロセスを示す図である。 本発明による磁気抵抗素子の抵抗値の磁束密度依存性を示す図である。 本発明による磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率を示す図である。 歯車回転検出における3端子の磁気抵抗素子の配置を示す図である。 3端子の磁気抵抗素子の出力波形を示す図である。 本発明による移動体の検出方法を示す図である。 本発明による磁気抵抗素子の他の構成を示す図である。 磁気誘導相の形成方法を示す図である。 A相とZ相とを出力する回転検出器の構成を示す図である。 A相とZ相とを出力する磁気抵抗素子の構成とその出力波形とを示す図である。 本実施の形態2に係る4端子の磁気抵抗素子の構成を示す図である。 4端子の磁気抵抗素子と歯車の位置関係を示す図である。 A相/B相とZa相/Zb相とを出力する回転検出器の構成を示す図である。 A相/B相とZa相/Zb相とを出力する磁気抵抗素子の構成とその出力波形とを示す図である。 A相/A−相を出力する磁気抵抗素子の構成を示す平面図である。 A相/A−相を出力する磁気抵抗素子の回路構成を示す図である。 本実施の形態3に係る永久磁石を一体にした磁気抵抗素子の構成を示す図である。 永久磁石と感磁部との位置関係を示す図である。 本実施の形態3に係る回転検出器の構成を示す図である。 本発明による回転検出器の他の構成を示す図である。 本発明による回転検出器の他の構成を示す図である。 永久磁石の幅とオフセット電圧との関係を示す図である。 永久磁石の幅と感磁部の幅との差とオフセット電圧との関係を示す図である。 実施例1のオフセット電圧の測定方法を示す図である。 オフセット電圧の温度変化の測定結果を示す図である。 比較例1の磁気抵抗素子におけるオフセット電圧の温度変化を示す図である。 比較例2の磁気抵抗素子におけるオフセット電圧の温度変化を示す図である。 実施例2の4端子の磁気抵抗素子の出力信号波形とオフセット電圧を示す図である。 実施例2の4端子の磁気抵抗素子における出力信号振幅の温度変化を示す図である。 実施例2の4端子の磁気抵抗素子におけるオフセット電圧の温度変化を示す図である。 実施例3の回転検出器とのギャップGと出力信号振幅の実測結果を示す図である。 従来の磁気抵抗素子を用いた回転検出器の構造を示す図である。 歯車と3端子磁気抵抗素子との位置関係を示す図である。 歯車と4端子磁気抵抗素子(A相/B相の2相出力)との位置関係を示す図である。 回転検出器からの出力信号の一例を示す図である。
符号の説明
1 歯車、2,2a〜2d 磁気抵抗素子、3 永久磁石、4 直流電源、
5,5a,5b 出力端子、
10 回転検出器、11 3端子の磁気抵抗素子、12 永久磁石、
13 端子ピン、14 薄い金属板、15 磁石ホルダー、16 樹脂ケース、
17 絶縁性基板、18 感磁部、18a,18b,18A〜18D 磁気抵抗素子、
18F SnドープInSb薄膜、19 端子電極、20 短絡電極、
21 保護膜、22 軟質樹脂層、23 金ワイヤー、24 リードフレーム、
25 モールド樹脂、26 磁気誘導層、27 プリント基板。

Claims (8)

  1. 絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部及び前記感磁部上に形成された複数の短絡電極を備えた磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子に磁界を印加する磁界印加手段と、を備え、前記磁界を変化させる回転体の回転状態を検出する回転検出器において、
    前記化合物半導体薄膜はドナー不純物がドープされているとともに、前記感磁部を覆うように軟質樹脂層が設けられ、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドされていることに加えて、
    外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、前記4個の磁気抵抗素子のうち互いに隣接して接続されていない第1及び第2の磁気抵抗素子、または、第3及び第4の磁気抵抗素子がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように前記各磁気抵抗素子を配置して成る磁気検出部を備え、前記第1及び第3の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記第2及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは180°の位相差を有する第2の信号が出力されることを特徴とする回転検出器。
  2. 絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部、前記感磁部上に形成された複数の短絡電極、及び前記感磁部及び前記短絡電極上に形成された絶縁性無機質材料から成る保護層を備えた磁気抵抗素子を備えるとともに、前記磁気抵抗素子に磁界を印加する磁界印加手段を備え、前記磁界を変化させる回転体の回転状態を検出する回転検出器において、
    前記化合物半導体薄膜はドナー不純物がドープされているとともに、前記保護層を介して前記感磁部を覆うように軟質樹脂層が設けられ、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドされていることに加えて、
    外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、前記4個の磁気抵抗素子のうち互いに隣接して接続されていない第1及び第2の磁気抵抗素子、または、第3及び第4の磁気抵抗素子がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように前記各磁気抵抗素子を配置して成る磁気検出部を備え、前記第1及び第3の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記第2及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは180°の位相差を有する第2の信号が出力されることを特徴とする回転検出器。
  3. 絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部及び前記感磁部上に形成された複数の短絡電極を備えた磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子に磁界を印加する磁界印加手段と、を備え、前記磁界を変化させる回転体の回転状態を検出する回転検出器において、
    前記化合物半導体薄膜はドナー不純物がドープされているとともに、前記感磁部を覆うように軟質樹脂層が設けられ、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドされていることに加えて、
    外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、前記4個の磁気抵抗素子のうち互いに隣接して接続されていない第1及び第2の磁気抵抗素子、または、第3及び第4の磁気抵抗素子がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように前記各磁気抵抗素子を配置して成る磁気検出部を2組備え、
    前記2組の磁気検出部のうち第1の磁気検出部は、前記第1及び第3の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記第2及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは180°の位相差を有する第2の信号が出力され、
    前記2組の磁気検出部のうち第2の磁気検出部は、前記第1の信号とは90°の位相差を有する第3の信号と、前記第2の信号とは90°の位相差を有する第4の信号と、を出力することを特徴とする回転検出器。
  4. 絶縁基板上に形成された化合物半導体薄膜から成る感磁部、前記感磁部上に形成された複数の短絡電極、及び前記感磁部及び前記短絡電極上に形成された絶縁性無機質材料から成る保護層を備えた磁気抵抗素子を備えるとともに、前記磁気抵抗素子に磁界を印加する磁界印加手段を備え、前記磁界を変化させる回転体の回転状態を検出する回転検出器において、
    前記化合物半導体薄膜はドナー不純物がドープされているとともに、前記保護層を介して前記感磁部を覆うように軟質樹脂層が設けられ、さらに前記軟質樹脂層を覆うようにモールド樹脂でモールドされていることに加えて、
    外部接続用の4個の端子電極を有し、4個の磁気抵抗素子がフルブリッジ構造に接続された4端子磁気抵抗素子から構成され、かつ、前記4個の磁気抵抗素子のうち互いに隣接して接続されていない第1及び第2の磁気抵抗素子、または、第3及び第4の磁気抵抗素子がそれぞれ同相の磁界変化を受けるように前記各磁気抵抗素子を配置して成る磁気検出部を2組備え、
    前記2組の磁気検出部のうち第1の磁気検出部は、前記第1及び第3の磁気抵抗素子の接続点の第1の端子から、前記回転体の回転に伴った第1の信号が出力され、前記第2及び第4の磁気抵抗素子の接続点の第2の端子から、前記第1の信号とは180°の位相差を有する第2の信号が出力され、
    前記2組の磁気検出部のうち第2の磁気検出部は、前記第1の信号とは90°の位相差を有する第3の信号と、前記第2の信号とは90°の位相差を有する第4の信号と、を出力することを特徴とする回転検出器。
  5. 前記4端子磁気抵抗素子が1チップ上に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転検出器。
  6. 前記2組の磁気検出部が1チップ上に形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の回転検出器。
  7. 前記回転体は、複数の歯を有する歯車であって、
    2組の前記磁気検出部を備え、一方の前記磁気検出部は、前記複数の歯のうち一つの歯が欠けてなるインデックス部を備えていない前記歯車の回転に伴った前記第1及び第2の信号を出力し、他方の前記磁気検出部は前記インデックス部を備える前記歯車の回転に伴った、前記第1及び第2の信号と夫々同相の第3及び第4の信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転検出器。
  8. 前記回転体は、複数の歯を有する歯車であって、
    前記2組の磁気検出部に加えて第3の前記磁気検出部をさらに備え、前記第1の磁気検出部は、前記複数の歯のうち一つの歯が欠けてなるインデックス部を備えていない前記歯車の回転に伴った前記第1及び第2の信号を出力し、前記第2の磁気検出部は前記インデックス部を備えていない前記歯車の回転に伴った前記第3及び第4の信号を出力し、前記第3の磁気検出部は前記インデックス部を備える前記歯車の回転に伴った、前記第1及び第2の信号と夫々同相の第5及び第6の信号を出力することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の回転検出器。
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