JP6717106B2 - ツルーイング装置及びツルーイング方法 - Google Patents
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Description
一般にツルーイング装置によるツルーイングは、ツルアを回転させながら、砥石車の外周に沿ってトラバースさせることにより行われている。
本発明のツルーイング装置は、端面、円筒外周部、及び、前記端面と前記円筒外周部とをつなぐ角部を備える砥石車をツルーイング対象とするツルーイング装置であって、ツルアと、前記砥石車と前記ツルアとを相対移動させる送り装置と、前記送り装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記砥石車の形状を計測する形状計測制御部と、研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記端面の摩耗量に基づいて前記端面の修正量を算出する端面修正量算出部と、研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記円筒外周部の摩耗量に基づいて前記円筒外周部の修正量を算出する円筒外周部修正量算出部と、研削前の前記砥石車の形状と、前記端面の修正量と前記円筒外周部の修正量から導き出されるツルーイング後の前記砥石車の形状とに基づいて、前記角部の修正量を算出する角部修正量算出部と、算出した前記角部の修正量から、少なくとも1回の切り込み量を残して前記角部をツルーイングする角部ツルーイング制御部と、前記角部のツルーイング終了後、前記少なくとも1回の切り込み量に応じ、前記角部と前記円筒外周部とを連続してツルーイングする連続ツルーイング制御部と、を備える。
本発明のツルーイング方法は、端面、円筒外周部、及び、前記端面と前記円筒外周部とをつなぐ角部を備える砥石車をツルーイングするツルーイング方法であって、前記砥石車の形状を計測する形状計測工程と、研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記端面の摩耗量に基づいて前記端面の修正量を算出する端面修正量工程と、研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記円筒外周部の摩耗量に基づいて前記円筒外周部の修正量を算出する円筒外周部修正量工程と、研削前の前記砥石車の形状と、前記端面の修正量と前記円筒外周部の修正量から導き出されるツルーイング後の前記砥石車の形状とに基づいて、前記角部の修正量を算出する角部修正量算出工程と、算出した前記角部の修正量から、少なくとも1回の切り込み量を残して前記角部のツルーイングを行う角部ツルーイング工程と、前記角部のツルーイング終了後に、前記少なくとも1回の切り込み量に応じて、前記角部と前記円筒外周部とを連続してツルーイングする連続ツルーイング工程と、を備えることを要旨とする。
(1.研削装置Kの構成)
研削装置Kの構成について、図1Aを参照して説明する。研削装置Kは、例えばクランクシャフトなどの工作物Wに対して砥石車2を相対移動させて研削加工を行う工作機械である。
本実施形態の制御装置50で実行されるツルーイング処理1の手順及び動作を図2乃至図4Cに基づいて説明する。尚、ツルーイングは研削装置Kに工作物Wがない状態で実施される。
本砥石部計測処理では、砥石車2の円筒外周部23の位置、第一端面22aの位置が分かれば、砥石部21の形状の位置が分かる。
次に図5に基づいて第一及び第二角部24a,24bのツルーイングの詳細を説明する。
本ツルーイングは、砥石部21への第二ツルア40bの切り込み方向を砥石車2の径方向に沿って行うツルーイングである。尚、図では第一角部24aのツルーイングを中心に説明するが、第二角部においても同様である。
ツルーイングF20は、所望形状Gに対して円筒外周部23の修正量E2あるいは第一角部24aの1回の切込み量に相当する2次修正分量を残した状態で終了する。その後、連続ツルーイングF30により所望形状Gが成形される。修正量D>第一角部24aの1回の切込み量>修正量E2の大小関係であるので、2次修正分量は第一角部24aの1回の切込み量であるのが望ましい。2次修正分量が修正量E2であると、ツルーイングF20が行われなくなり、好ましくない。
図6に示すように、本ツルーイングは、ツルーイング前の第一角部24aの形状から所望形状Gの第一角部24aの形状に向かって行う。即ち、砥石部21への第二ツルア40bの切り込み方向を、砥石車2の径方向に対して傾斜姿勢をなし、先回のツルーイング後の砥石部21の第一角部24aの中心点J1と所望形状Gの中心点J2とを結ぶ直線L1に沿う方向に行うツルーイングである。従って、第一角部24aの修正量D1は、直線L1に沿う方向に沿う、先回のツルーイング後の砥石部21の第一端面の位置と、ツルーイング後の第一端面22aとの位置との間の距離である。
この様に本ツルーイングによれば、第一角部24aの修正量D1を第一例のツルーイングの修正量Dに比べて大幅に削減することができ、その分、ツルーイング回数を減らすことができ効率的である。
第一例及び第二例のツルーイングは何れもツルアの移動軌跡が、中心角が直角の円弧軌跡であり、ツルアが砥石部の角部から離間して移動する空振りが発生する。そこで本ツルーイングでは、ツルーイング毎に、ツルーイング前の角部24aの形状と所望形状Gの角部24aの形状とで囲まれたツルーイング範囲から、第一端面22aの修正量E1を除いた新たなツルーイング範囲を設定し、その範囲に基づいてツルアの移動量を変化させるようすることが望ましい。
図7は、図6に示した第二例のツルーイングに本第三例を適用したもので、ツルアの移動が砥石部21の第一端面22aからはみ出さないようにしたものである。これによれば空振りなくし、ツルーイングの効率を向上することができる。
図8A乃至図10Cに基づいて本発明の第二実施形態を説明する。尚、本実施形態の基本的な構成は第一実施形態のそれとほぼ同じであり、相違点を中心に説明する。また図において同一部材は同一符号で示し、同一部材の説明を省略する。
図8Aに示すように、研削装置K1には、テーブル11上の主軸台31に隣接してツルアユニット4cが設けられている。ツルアユニット4cは、回転可能なツルア40cと、ツルア40cを回転駆動する駆動装置とを備える。ツルア40cの回転軸C5は砥石車2の径方向、即ちX軸方向に沿って設けられている。ツルアユニット4cは、砥石車2の第一及び第二端面22a,22b、円筒外周部23、第一及び第二角部24a,24bをそれぞれツルーイングする構成である。
ツルア40cは、駆動装置の駆動軸43の先端面にボルトにより着脱可能に取り付けられる。ツルア40cは、円錐台形に形成される。ツルア40cの円錐台形の小径側が、駆動軸43の先端面に固定される基端側となり、ツルア40cの円錐台形の大径側が、駆動軸43とは反対側に位置する先端側となる。
コア41は、鉄やアルミニウム等の金属材料で形成され、円錐台形に形成される。コア41は、回転軸C5に沿った断面視において開口部側が拡径されたカップ形状に形成される。コア41は、カップの底部に相当する円錐台の小径側に位置する基台411と、カップの周壁に相当する円錐台の大径側に開口する中空筒状の筒部412を有する。砥粒層42は、コア41の筒部412のテーパー状の外周面413に形成される。砥粒層42は、例えば粒状のダイヤモンド等の砥粒を電着により形成される。
本実施形態の制御装置50で実行されるツルーイング処理2の手順及び動作を図9乃至図10Cに基づいて説明する。図9に示すように、ツルーイング処理2は、先ず、砥石車2の形状及び位置を計測する(S20)。計測は、接触検知器45aを用い、図3に示した砥石部計測処理にて行われる。計測の説明は省略する。
ツルーイング前の砥石部21の計測が行われると、その情報に応じて、第一端面22aの摩耗量から第一端面22aの修正量E1が割り出され、第一端面22aと第一角部24aとの境界である修正基準点P1が割り出される。
第一実施形態の第一例、第二例、第三例及び第二実施形態において、ツルーイング装置T,T1は、端面22a,22b、円筒外周部23、及び、端面22a,22bと円筒外周部23とをつなぐ角部24a,24bを備える砥石車2をツルーイング対象とする。ツルーイング装置T,T1は、ツルア40a,40b,40cと、砥石車2とツルア40a,40b,40cとを相対移動させる送り装置と、送り装置を制御する制御装置50を備える。制御装置50は、砥石車2の形状を計測する形状計測制御部57と、研削前の砥石車2の形状と、ツルーイング前の砥石車2の形状により導いた円筒外周部23の摩耗量に基づいて円筒外周部23の修正量を算出する円筒外周部修正量算出部51と、ツルーイング前の砥石車2の形状と、端面22a,22bの修正量と円筒外周部23の修正量から導き出されるツルーイング後の砥石車2の形状とに基づいて、角部24a,24bの修正量を算出する角部修正量算出部52と、算出した角部24a,24bの修正量から、少なくとも1回の切込み量を残して角部24a,24bをツルーイングする角部ツルーイング制御部55と、角部24a,24bのツルーイング終了後、少なくとも1回の切込み量に応じ、角部24a,24bと円筒外周部23とを連続してツルーイングする連続ツルーイング制御部56とを備える。
Claims (9)
- 端面、円筒外周部、及び、前記端面と前記円筒外周部とをつなぐ角部を備える砥石車をツルーイング対象とするツルーイング装置であって、
ツルアと、
前記砥石車と前記ツルアとを相対移動させる送り装置と、前記送り装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記砥石車の形状を計測する形状計測制御部と、
研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記端面の摩耗量に基づいて前記端面の修正量を算出する端面修正量算出部と、
研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記円筒外周部の摩耗量に基づいて前記円筒外周部の修正量を算出する円筒外周部修正量算出部と、
研削前の前記砥石車の形状と、前記端面の修正量と前記円筒外周部の修正量から導き出されるツルーイング後の前記砥石車の形状とに基づいて、前記角部の修正量を算出する角部修正量算出部と、
算出した前記角部の修正量から、少なくとも1回の切り込み量を残して前記角部をツルーイングする角部ツルーイング制御部と、
前記角部のツルーイング終了後、前記少なくとも1回の切り込み量に応じ、前記角部と前記円筒外周部とを連続してツルーイングする連続ツルーイング制御部と、
を備えたツルーイング装置。 - 前記角部ツルーイング制御部は、ツルーイング前の前記角部の形状からツルーイング後の前記角部の形状に向かって、算出した前記角部の修正量から、前記少なくとも1回の切り込み量を残す複数回の前記ツルアの切込みと、前記角部に沿う複数回の前記ツルアの移動とでツルーイングする請求項1に記載のツルーイング装置。
- 前記角部ツルーイング制御部は、ツルーイング前の前記角部の形状とツルーイング後の前記角部の形状とで囲まれたツルーイング範囲から、算出した前記端面の修正量を除いた新たなツルーイング範囲を設定し、前記新たなツルーイング範囲で前記ツルアの前記切込みと前記移動とでツルーイングする請求項2に記載のツルーイング装置。
- 前記角部ツルーイング制御部は、前記角部の修正量から、前記少なくとも1回の切り込み量を残す前記砥石車の径方向に沿う複数回の前記ツルアの切込みと、前記角部に沿う複数回の前記ツルアの移動とでツルーイングする請求項1に記載のツルーイング装置。
- 前記制御装置は、算出した前記端面の修正量に応じて前記端面をツルーイングする端面ツルーイング制御部を備え、
前記角部修正量算出部は、ツルーイング前の前記砥石車の形状と、前記端面をツルーイングした後の前記端面との交点から修正基準点を算出し、
前記角部ツルーイング制御部は、前記修正基準点をツルーイングする軌跡でツルーイングを開始する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のツルーイング装置。 - 前記角部修正量算出部は、前記ツルーイング前の前記砥石車の形状と、前記端面の摩耗量に基づいて修正基準点を算出し、
前記角部ツルーイング制御部は、前記修正基準点をツルーイングする軌跡でツルーイングを開始する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のツルーイング装置。 - 前記ツルアとして、
前記砥石車の回転軸線と直交する軸線回りに回転する第一ツルアと、
前記砥石車の回転軸線と平行な軸線回りに回転する第二ツルアと、を備え、
前記端面ツルーイング制御部は、前記第一ツルアを用いて前記端面をツルーイングするようになし、
前記角部ツルーイング制御部は、前記第二ツルアを用いて前記角部をツルーイングするようになし、
前記連続ツルーイング制御部は、前記第二ツルアを用いて前記角部及び前記円筒外周部を連続してツルーイングする請求項5に記載のツルーイング装置。 - 前記ツルアとして、
円錐台形状をなし、該円錐台形状の中心線まわりに回転可能なコアと、
該コアの円錐台形状小径側の基端の外周から大径側の先端の外周にわたるテーパー状の外周面に固着された砥粒層と、を備えたカップ型ツルアを用い、
前記ツルアを、前記コアの回転軸を前記砥石車の径方向に向け、且つ前記先端を前記砥石車側に配置せしめ、
前記角部ツルーイング制御部は、算出した前記角部の修正量から、算出した前記端面の修正量を残して前記角部をツルーイングし、
前記連続ツルーイング制御部は、前記角部のツルーイング終了後、算出した前記端面の修正量に応じ、一方の前記端面と一方の前記角部及び前記円筒外周部とを連続してツルーイングし、更に他方の前記端面と他方の前記角部とを連続してツルーイングするようになした請求項6に記載のツルーイング装置。 - 端面、円筒外周部、及び、前記端面と前記円筒外周部とをつなぐ角部を備える砥石車をツルーイングするツルーイング方法であって、
前記砥石車の形状を計測する形状計測工程と、
研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記端面の摩耗量に基づいて前記端面の修正量を算出する端面修正量工程と、
研削前の前記砥石車の形状と、ツルーイング前の前記砥石車の形状により導いた前記円筒外周部の摩耗量に基づいて前記円筒外周部の修正量を算出する円筒外周部修正量工程と、
研削前の前記砥石車の形状と、前記端面の修正量と前記円筒外周部の修正量から導き出されるツルーイング後の前記砥石車の形状とに基づいて、前記角部の修正量を算出する角部修正量算出工程と、
算出した前記角部の修正量から、少なくとも1回の切り込み量を残して前記角部のツルーイングを行う角部ツルーイング工程と、
前記角部のツルーイング終了後に、前記少なくとも1回の切り込み量に応じて、前記角部と前記円筒外周部とを連続してツルーイングする連続ツルーイング工程と、を備えるツルーイング方法。
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