JP6715474B2 - 接着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、熱硬化性樹脂と硬化剤とを含む接着シートおよびその製造方法に関する。
種々の電子部品間の接続には、熱硬化性樹脂を含む接着シートが用いられている。中でも、異方性導電膜(ACF)は、微細な電極間の接続に適しており、電子部品の小型化に伴って用途が拡大している。ACFは、一液性の熱硬化型接着剤に導電粒子を分散させたシート材料である。
接着シートは、主剤(熱硬化性樹脂)と溶剤とを含む主剤溶液に、硬化剤を溶解または分散させた後、溶剤を揮発させることで製造される。ACFを製造する際には、主剤溶液に硬化剤および導電粒子が投入され、液状組成物が調製される。図3に示すように、液状組成物24は、例えばダイコータ26を用いて基材シート21上に塗布され、膜状物25が成形される。次に、ヒータ27を用いて膜状物25を乾燥させることで、基材シート21上にACF28が形成される。
ところで、ACFは、フレキシブルプリント基板と液晶パネル用のガラス基板との接続に多用されている。近年、液晶パネルの薄型化が進んでおり、ガラス基板への熱ストレスを低減することが望まれている。そこで、加熱温度が低くても主剤との反応が進行する低温硬化タイプの硬化剤をACFもしくは接着シートに用いることが求められている。
特開平9−25467号公報
接着シートを製造する過程では、主剤溶液に硬化剤を溶解または分散させて液状組成物24が調製される。このとき、低温硬化タイプの硬化剤は、主剤溶液に加えられた段階から、徐々に主剤と反応する。そのため、液状組成物24の粘度が変化し易く、取り扱いが困難になり易い。この場合、接着シートの保存安定性も低くなり、電子部品間の接続に使用する段階では、硬化反応のかなりの部分が進行していると考えられる。そのため、電子部品間に接着シートを介在させて低温で圧着しても、電子部品間の接着が不十分になり、ACFを用いた場合には、電極間の導通の信頼性の確保が困難になる。
そこで、本発明は、低温硬化タイプの硬化剤を用いる場合でも、優れた保存安定性を有する接着シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一局面は、網目状構造が熱硬化性樹脂を含む多孔質シートと、前記多孔質シートの空隙内に含まれる硬化剤とを備える、接着シートに関する。
本発明の別の一局面は、網目状構造が熱硬化性樹脂を含む多孔質シートを形成する第1工程と、前記多孔質シートの空隙内に硬化剤を含ませる第2工程と、を含む、接着シートの製造方法に関する。
本発明によれば、低温硬化タイプの硬化剤を用いる場合でも、優れた保存安定性を有する接着シートおよびその製造方法を提供することができる。
本発明に係る接着シートの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明に係る接着シートの製造方法の他の一例を示す概略図である。 従来の接着シートの製造方法を示す概略図である。
本発明の接着シートが具備する網目状構造を有する多孔質シートは、網目状構造の構成材料(すなわち空隙以外の部分)が主剤を含んでいる。例えば多孔質シートが不織布である場合、不織布を構成する繊維自体が主剤を含んでいる。主剤は熱硬化性樹脂であり、熱硬化性樹脂は、加熱によって多孔質シートの空隙内の硬化剤と反応する。硬化剤を内包する空隙は、網目状構造の全体に亘って分布しているため、網目状構造を形成している主剤と硬化剤とが容易に反応する。なお、硬化剤は、多孔質シートの空隙内だけでなく、多孔質シートの主面上に存在してもよい。
保存安定性の観点からは、接着シートを加熱して硬化させる直前まで、主剤と硬化剤とができるだけ接触しないことが望ましい。この点、多孔質シートの構成材料である主剤は、固体状態である。よって、接着シートの製造過程において、硬化剤を含む液状組成物(溶液または分散液)を多孔質シートに含浸または塗布する際には、硬化剤は固体状態の主剤の表面とだけ接触する。よって、硬化剤が主剤溶液(液体状態の主剤)と混合される場合に比べて、主剤と硬化剤との接触の機会が大幅に減少し、硬化反応が大幅に抑制される。
一方、主剤と硬化剤とを十分に反応させ、接着性を高める観点からは、加熱の際には、主剤と硬化剤とが、できるだけ拡散し合うことが望ましい。この点、硬化剤を内包する空隙は、網目状構造の全体に亘って分布しているため、予め硬化剤を固体状態の主剤中に十分に分散させた状態を達成することができる。
また、従来の方法では、主剤を予め溶剤に溶解させた主剤溶液を調製し、主剤溶液に硬化剤を溶解または分散させるため、溶剤が残存しやすい。そのため、接着シートを加熱して硬化させるまでの間(接着シートの保存期間中)に、主剤と硬化剤との反応のかなりの割合が進行する。よって、接着シートの保存安定性が低下し易く、接着性も低下し易い。特に、硬化剤が低温硬化タイプである場合には、保存安定性が大幅に低下する。
一方、本発明に係る多孔質シートの構成材料である主剤は、固体状態であり、溶剤と混ざり合わないため、溶剤が残存しにくい。よって、接着シートの保存安定性を大きく向上させることができる。
多孔質シートの網目構造は、できるだけ微細な空隙を均一に有していることが好ましい。これにより、多孔質シート内に硬化剤を高分散させることができ、主剤と硬化剤との均質な混在状態を実現することができる。よって、加熱時に主剤と硬化剤とが、より迅速に拡散し合って、硬化反応が進行する。そのため、均質で高強度の硬化物が形成され、優れた接着性が得られる。具体的には、多孔質シートは、高い空隙率を実現し易い点で、不織布であることが好ましい。中でも、熱硬化性樹脂を含むナノファイバで形成された不織布は、ナノレベルの微細な空隙を有する点で好ましい。
ナノファイバの繊維径は、50〜800nmであることが好ましい。ナノファイバを含む不織布におけるナノファイバ間の隙間は、例えば0.1〜10μmであり、0.1〜5μmが好ましい。ナノファイバを含む不織布の厚さは、例えば5〜200μm、好ましくは1〜100μmである
多孔質シートの空隙内には、硬化剤以外の第三成分を含ませてもよい。例えば、多孔質シートの空隙内に導電粒子を含ませることで、異方性導電膜(ACF)を形成することができる。また、多孔質シートの空隙内に、熱硬化性樹脂の硬化物の物性を向上させる種々の成分を含ませてもよい。例えば、多孔質シートの空隙内に無機粒子などのフィラーを含ませてもよく、熱硬化性樹脂の硬化促進剤を含ませてもよい。
硬化剤以外の第三成分(例えば導電粒子)を多孔質シートの空隙内に含ませる方法としては、例えば硬化剤の溶液または分散液に第三成分を分散させた液状組成物を、多孔質シートに含浸または塗布した後、乾燥する方法が挙げられる。
(熱硬化性樹脂)
主剤として用いる熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられる。中でも、硬化物の強度、接着性、保存安定性、耐劣化性などのバランスに優れる点で、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリエーテル型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
保存安定性の観点からは、熱硬化性樹脂に、常温(25℃)で固体状態のものを用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
更に、熱可塑性樹脂を多孔質シートに含ませてもよい。すなわち、網目状構造の構成材料(空隙以外の部分)が、主剤に加え、熱可塑性樹脂を含んでもよい。例えば多孔質シートとして用いる不織布は、熱硬化性樹脂を含む繊維と熱可塑性樹脂を含む繊維とを混在させた不織布でもよく、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合物を含む繊維の不織布でもよい。後者の場合、個々の繊維がそれぞれ熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合物で形成されている。
熱可塑性樹脂は、硬化剤を含む液状組成物を多孔質シートに含浸または塗布する際に、主剤と硬化剤との接触を抑制する。また、接着シートの保存期間中においても、主剤と硬化剤との反応を抑制する。更に、熱可塑性樹脂は、多孔質シートに良好な柔軟性を付与するため、薄くても取り扱い性に優れた接着シートを得やすくなる。
なお、常温で固体状態の熱硬化性樹脂は、一般に脆く、繊維化が困難である。一方、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを複合化することで、熱硬化性樹脂を含む繊維が得られ易くなる。
熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン樹脂などのビニル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂が用いられる。中でも、柔軟性と接着性に優れる点でフェノキシ樹脂が好ましい。
多孔質シート中の熱可塑性樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部あたり10〜200質量部であることが好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が上記範囲内である場合には、熱可塑性樹脂を含ませることによる効果が十分に得られるとともに、加熱時に主剤と硬化剤との反応を十分に進行させることができる。
(硬化剤)
硬化剤は、主剤の種類に応じて、適宜選択される。例えばエポキシ樹脂の硬化剤としては、ポリアミン、ポリメルカプタン、酸無水物、ポリアミドアミン、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
硬化剤の融点は、130℃以下であることが好ましい。硬化剤の融点が130℃以下である場合には、接着シートの加熱温度を130℃以下にできる。すなわち、130℃以下の低温加熱でも、主剤と硬化剤とが迅速に反応するため、被接着部材への熱的ストレスを十分に低減することができる。熱的ストレスに弱い被接着部材としては、例えば液晶パネルに用いられるガラス基板、PET基板などのプラスチック基板が挙げられる。
接着シートに含まれるエポキシ樹脂と硬化剤との存在比については、エポキシ樹脂のエポキシ基のモル数Mに対する硬化剤のエポキシ基と反応する官能基のモル数Mの比:M/Mが、0.75〜1.25であることが好ましく、0.85〜1.15であることがより好ましい。
接着シートにおいて硬化剤は粒子として存在し、多孔質シートの空隙内において硬化剤の粒子が分散していることが好ましい。多孔質シート内における硬化剤の分散性の観点から、硬化剤粒子のサイズは、多孔質シートの厚み寸法よりも小さく、かつ、多孔質シートの空隙のサイズよりも小さいことが好ましい。
多孔質シートがナノファイバを含む不織布である場合は、硬化剤の粒子の平均粒子径は、例えば10μm以下が好ましい。硬化剤の平均粒子径が上記範囲内である場合、加熱時に主剤と硬化剤とが非常に迅速に拡散し合うことができ、より均質な硬化物が得られ易い。なお、本開示において、平均粒子径とは、体積基準の粒度分布における累積体積50%におけるメディアン径(D50)である。
(導電粒子)
多孔質シートの空隙内には、更に導電粒子を含ませることができる。導電粒子は、多孔質シートの空隙内だけでなく、多孔質シートの主面上に存在させてもよい。これにより、導電粒子を高分散状態で含む低温硬化に適した接着シート(ACF)を容易に得ることができる。
導電粒子としては、金属粒子を用いてもよく、金属表層を有する樹脂粒子を用いてもよい。金属粒子または金属表層を形成する金属としては、Ni、Au、Pd、Cu、Agなどが好ましい。金属粒子の具体例としては、金メッキ層を有するニッケル粒子が挙げられる。樹脂粒子を構成する樹脂としては、アクリル樹脂と、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、金属粒子は、はんだ粒子でもよい。
多孔質シートの空隙内に導電粒子を分散させる観点から、導電粒子の平均粒子径(メディアン径(D50))は、例えば10μm以下であることが好ましい。
接着シート中の導電粒子の含有量は、例えば1〜5体積%である。
多孔質シートの空隙内に、更にフィラーおよび硬化促進剤の少なくとも一方を含ませてもよい。フィラーとしては、例えばシリカ、タルク、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、シリコンゴムなどの無機フィラーが用いられる。硬化促進剤としては、例えば第3級アミン化合物、ホスホニウム化合物、スルホニウム化合物などが挙げられる。
[接着シートの製造方法]
以下、本発明の接着シートの製造方法について説明する。
(第1工程)
まず、網目状構造が熱硬化性樹脂を含む多孔質シートを準備する。多孔質シートの製造方法は、三次元的に分布する連通孔を有するシートを形成できる方法であればよく、特に限定されない。ただし、熱硬化性樹脂を含む材料から繊維を生成させ、繊維から不織布(多孔質シート)を製造する方法が、既存の製造設備を利用できる点で好ましい。
不織布の製造方法としては、電解紡糸法が好ましい。電界紡糸法では、基材シートの表面に熱硬化性樹脂を含むナノファイバを堆積させて、ナノファイバを含む不織布(多孔質シート)を得ることができる。
より具体的には、ナノファイバ形成空間において、樹脂原料(熱硬化性樹脂)を含む原料液から、静電気力によりナノファイバを生成させるとともに、生成したナノファイバを基材シートの主面に堆積させて、ナノファイバのマトリックス構造を有する不織布を形成する。
原料液は、溶媒および溶媒に溶解した樹脂原料を含む溶液であり、原料液には、必要に応じて、フィラー、バインダーなどを添加してもよい。
溶媒は、樹脂原料を溶解可能で、揮発などにより除去可能なものであれば特に制限されず、樹脂原料の種類に応じて、適宜選択できる。溶媒としては、各種有機溶媒、例えば、アセトンなどのケトン、アセトニトリルなどのニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。非プロトン性極性溶媒が好ましい。
電界紡糸法では、静電延伸現象によりナノファイバを生成させる。例えば、原料液として樹脂原料を含む溶液を用いる場合、帯電された空間中に流出された原料液からは、空間を飛行中に徐々に溶媒が蒸発していく。これにより、飛行中の原料液の体積は徐々に減少していくが、原料液に付与された電荷は、原料液に留まる。その結果、空間を飛行中の原料液の電荷密度は、徐々に上昇することとなる。そして、原料液の電荷密度が高まり、原料液の中に発生する反発方向のクーロン力が原料液の表面張力よりも勝った時点で、原料液が爆発的に線状に延伸される現象が生じる。この現象が静電延伸現象である。静電延伸現象によれば、繊維径がサブミクロンからナノオーダーのナノファイバを効率よく製造することができる。
樹脂原料は、少なくとも熱硬化性樹脂を含み、更に熱可塑性樹脂を含んでもよい。
常温で固体状態の熱硬化性樹脂は、一般に脆く、繊維化し難いため、樹脂原料もしくは原料液に熱可塑性樹脂を含ませることが望ましい。このとき、熱硬化性樹脂を含む溶液に熱可塑性樹脂を溶解させてもよく、熱可塑性樹脂を含む溶液に熱硬化性樹脂を溶解させてもよい。溶媒には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両方に対して相溶性を有するものを用いればよい。
(第2工程)
次に、硬化剤を含む液状組成物を用いて、多孔質シートの空隙内に硬化剤を含ませる工程が行われる。液状組成物には、溶剤に硬化剤を溶解させた溶液を用いてもよいが、保存安定性の観点からは、分散媒に硬化剤を分散させた分散液を用いることが好ましい。この場合、固体状態の硬化剤が固体状態の熱硬化性樹脂と接触するため、熱硬化性樹脂と硬化剤との反応が顕著に抑制される。
次に、硬化剤を含む液状組成物を多孔質シートに含浸または塗布する。これにより、多孔質シートが有する空隙内に硬化剤が侵入し、多孔質シート内に硬化剤を高分散状態で含ませることができる。
硬化剤を含む液状組成物に、更に第三成分として、導電粒子、フィラーおよび/または硬化促進剤を加えてもよい。これにより、多孔質シート内に、硬化剤だけでなく、第三成分を高分散状態で含ませることができる。
硬化剤を溶解または分散させるのに用いる溶媒(分散媒)は、揮発性を有するものであれば特に制限されず、硬化剤の種類に応じて、適宜選択すればよい。例えばアセトンなどのケトン、アセトニトリルなどのニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどが例示できる。
(第3工程)
次に、硬化剤の溶液(分散液)を含む多孔質シートから、溶媒(分散媒)が除去され、接着シートが得られる。接着シートから溶媒(分散媒)が十分に除去されることで、接着シートの保存安定性が向上する。溶媒(分散媒)を除去する際には、ヒータ等で液状組成物を含む多孔質シートを加熱して、溶媒(分散媒)を揮発させればよい。多孔質シートを乾燥させる温度は、主剤と硬化剤との反応が進行しない温度であればよい。
以下、本発明の接着シートの製造方法の一実施形態として、ロール・ツー・ロール方式を利用したACFの製造方法について、図1および2を参照しながら説明する。
図1および2では、基材シート1(11)が不織布作製工程(ナノファイバ形成空間)に搬送され、電界紡糸法により、基材シート1(11)上にナノファイバ2(12)の堆積物である不織布3(13)が製造される(第1工程)。
次に、図1では、基材シート1上の不織布3が含浸工程へ搬送され、含浸ロール6により、槽内に収容された硬化剤および導電粒子を含む液状組成物4中に、不織布3が浸漬される(第2工程)。これにより、不織布3に液状組成物4が含浸された膜状物5が得られる。
図2では、基材シート11上の不織布13が塗布工程へ搬送され、不織布13に硬化剤および導電粒子を含む液状組成物14が塗布され、膜状物15が得られる(第2工程)。液状組成物14の塗布には、例えばダイコータ16を用いればよい。ただし、塗布方法は、特に限定されず、スプレーコート法などを採用してもよい。
その後、基材シート1(11)上の膜状物5(15)を乾燥工程へ搬送し、ヒータ7(17)などを用いて乾燥する。これにより、不織布3(13)内に硬化剤および導電粒子が高分散したACF8(18)が得られる。図1では、ACF8が回収ロール9によって回収される。
ロール・ツー・ロール方式を採用することで、ACF8(18)を連続的に効率よく生産することができる。また、含浸(塗布)工程の後、短時間で不織布3(13)に付着した溶媒(分散媒)を除去することができるため、不織布3(13)中の主剤が溶媒(分散媒)に溶解することも十分に抑制される。その後、必要に応じて、ACF8(18)は所定サイズに裁断される。
本実施形態では、ロール・ツー・ロール方式で接着シートを製造したが、本発明の接着シートの製造方法は、これに限定されるものではなく、バッチ方式で接着シートを製造してもよい。
本発明の接着シートは、例えば熱的ストレスに弱い被接着部材の接合に対して好適に用いられる。
1、11、21 基材シート
2、12 ナノファイバ
3、13 不織布
4、14、24 液状組成物
5、15、25 膜状物
6 含浸ロール
7、17、27 ヒータ
8、18、28 ACF
9 回収ロール
16、26 ダイコータ

Claims (10)

  1. 網目状構造に熱硬化性樹脂を含む多孔質シートと、前記多孔質シートの空隙内に含まれる硬化剤とを備える、接着シート。
  2. 前記多孔質シートは、ナノファイバを含む不織布であり、
    前記ナノファイバが、前記熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の接着シート。
  3. 前記多孔質シートの前記空隙内に、更に導電粒子が含まれている、請求項1または2に記載の接着シート。
  4. 前記多孔質シートの前記空隙内に、更にフィラーおよび硬化促進剤よりなる群から選択される少なくとも1つの成分が含まれている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着シート。
  5. 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含み、
    前記硬化剤は、ポリアミン、ポリメルカプタン、酸無水物、ポリアミドアミン、フェノール樹脂、およびイミダゾール化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着シート。
  6. 網目状構造に熱硬化性樹脂を含む多孔質シートを形成する第1工程と、
    前記多孔質シートの空隙内に硬化剤を含ませる第2工程と、を含む、接着シートの製造方法。
  7. 前記第1工程では、前記電界紡糸法により、基材シートの表面に前記熱硬化性樹脂を含むナノファイバを堆積させて前記多孔質シートとして不織布を得る、請求項6に記載の接着シートの製造方法。
  8. 前記第2工程では、前記多孔質シートに、前記硬化剤を含む液状組成物を含浸または塗布する、請求項7に記載の接着シートの製造方法。
  9. 前記液状組成物は、更に導電粒子を含み、
    前記第2工程で、前記多孔質シートの前記空隙内に前記導電粒子を含ませる、請求項8に記載の接着シートの製造方法。
  10. 前記液状組成物は、更にフィラーおよび硬化促進剤よりなる群から選択される少なくとも1つの成分を含み、
    前記第2工程で、前記多孔質シートの前記空隙内に前記少なくとも1つの成分を含ませる、請求項8または9に記載の接着シートの製造方法。
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