JP4052743B2 - 導電性微粒子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細電極間の接続に用いられる導電性微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器等のエレクトロニクス製品において、半導体素子等の小型電気部品を基板に電気的に接続したり、基板同士を電気的に接続するため、いわゆる異方性導電材料といわれるものが使用されており、異方性導電材料のなかでは、導電性微粒子をバインダー樹脂に混合した異方性導電接着剤が広く用いられている。
【0003】
上記異方性導電接着剤に用いられる導電性微粒子としては、有機基材粒子又は無機基材粒子の表面に金属メッキを施したものや金属粒子が用いられてきた。このような導電性微粒子は、例えば、特公平6−96771号公報、特開平4−36902号公報、特開平4−269720号公報、特開平3−257710号公報等に開示されている。
【0004】
また、このような導電性微粒子をバインダー樹脂と混ぜ合わせてフィルム状又はペースト状にした異方性導電接着剤は、例えば、特開昭63−231889号公報、特開平4−259766号公報、特開平3−291807号公報、特開平5−75250号公報等に開示されている。
【0005】
このように、異方性導電材料用の導電性微粒子は、表面に金属メッキ層が形成されたものが多用されてきたが、このような導電性微粒子では、過度の冷熱繰り返しや、大幅な変形を受けた場合に金属メッキ層に亀裂が生じ信頼性を損なうという問題があり、特に導電性微粒子を構成する基材粒子が樹脂等の線膨張率の大きい物質の場合にはこの傾向が著しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、過度の冷熱繰り返しや大幅な変形を受けた場合でも、被覆層に亀裂等の破損や、被覆層の剥がれ等が発生せず、隣接電極間でのリークが発生しにくいため接続信頼性が高く、微細電極間の導通に適している導電性微粒子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平均粒子径が0.5〜1000μm、アスペクト比が2未満、CV値が40%以下の基材粒子の表面に、金属微粒子と樹脂とからなる被覆層が形成された導電性微粒子であって、上記被覆層は、上記金属微粒子を70〜99重量%含有するものであり、上記金属微粒子は、平均粒子径が上記基材粒子の平均粒子径の1/5以下であり、かつ上記被覆層は、厚さが基材粒子の平均粒子径の1/30以下であることを特徴とする導電性微粒子である
以下に、本発明を詳述する。
【0008】
本発明の導電性微粒子は、基材粒子の表面に金属微粒子と樹脂からなる被覆層が形成されたものである。
【0009】
上記基材粒子の平均粒子径は、0.5〜1000μmである。
平均粒子径が0.5μm未満では、基材粒子に均一な被覆層を形成するのが困難であり、1000μmを超えると、微細電極間の接合が行えないため上記範囲に限定される。
好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは2〜40μmであり、更に好ましくは5〜20μmである。
上記平均粒子径は、任意の基材粒子300個を電子顕微鏡で観察することにより得られる値である。
【0010】
上記基材粒子のアスペクト比は2未満である。
アスペクト比が2以上では、粒子径が不揃いとなるため、導電性微粒子を介して電極同士を接続させる際に、接続に関与しない導電性微粒子が多数発生し、隣接電極間でのリーク現象が発生するため上記範囲に限定される。
好ましくは1.3未満であり、より好ましくは1.2未満であり、更に好ましくは1.1未満であり、特に好ましくは1.05未満である。
上記アスペクト比とは、任意の基材粒子300個を電子顕微鏡で観察することにより得られる微粒子の平均長径を平均短径で割った値である。
【0011】
上記微粒子は、CV値が40%以下である。
CV値が40%を超えると、粒子径が不揃いとなるため、導電性微粒子を介して電極同士を接続させる際に、接続に関与しない導電性微粒子が多数発生し、隣接電極間でのリーク現象が発生するため上記範囲に限定される。
好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
【0012】
上記CV値とは、下記の式(1);
CV値(%)=(σ/Dn)×100・・・・(1)
(式中、σは、粒子径の標準偏差を表し、Dnは、数平均粒子径を表す)で表される値である。上記標準偏差及び上記数平均粒子径は、任意の基材粒子300個を電子顕微鏡で観察することにより得られる値である。
【0013】
上記基材粒子の材料としては、特に限定されず、例えば、高分子材料、無機物、有機物、これらの混合物や化合物、金属等が挙げられる。
これらのなかでは、アスペクト比やCV値の小さいものが得やすく、弾性変形により電極と充分に接触面積を確保することができ、反発力により接続信頼性を保つことができる点から、高分子材料が好ましい。
【0014】
上記高分子材料の材質としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等の線状又は架橋高分子重合体;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体等の架橋構造を有する樹脂等が挙げられる。
【0015】
上記被覆層を構成する金属微粒子の材料としては特に限定されないが、酸化等による劣化を受けにくい点から貴金属が好ましく、電極との接触抵抗が低く、高い長期信頼性を得ることができる点から金がより好ましい。
上記金属微粒子の平均粒子径は、上記基材粒子の平均粒子径の1/5以下である。平均粒子径が1/5を超えると、衝撃や変形を受けた場合に基材粒子の表面から被覆層が剥がれるため上記範囲に限定される。
好ましくは1/10以下であり、より好ましくは1/30以下である。
【0016】
上記被覆層を構成する樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体等のポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート重合体又は共重合体;ポリスチレン、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン/ブタジエンブロック共重合体、SBS型スチレン/ブタジエンブロック共重合体、これらの水添加物等のブロックポリマー;ポリビニルアルコール等のビニル系重合体、ポリビニルブチラール等のビニル系共重合体等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、これらの混合物等が挙げられる。
これらの被覆層を構成する樹脂は、金属微粒子の分散性に優れるものが好ましいことから、カルボニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基又はエーテル結合を含有する樹脂が好ましく、ポリビニルアルコールやポリビニルブチラールがより好ましい。
上記被覆層に樹脂強度が必要な場合には、分散媒に可溶な樹脂を用いて被覆層を形成した後に、架橋等の方法により不溶性にしてもよい。
【0017】
上記被覆層を構成する樹脂の数平均分子量は、1万以上が好ましい。
樹脂の数平均分子量が、1万未満では、被覆層の強度が弱く、そのため、導電性微粒子を介して電極同士を接合した際に被覆層に破れが生じ、導通をとれなくなる場合があるため上記範囲が好ましい。
より好ましくは5万以上である。
【0018】
上記被覆層は、上記金属微粒子を含有するものであり、金属微粒子の含有量は、70〜98重量%である。
金属微粒子の含有量が、70重量%未満では、導電性微粒子を介して電極同士を接合した際に、充分な電気容量が得られなかったり、導通不良を起こしたりするし、98重量%を超えると、被覆層が基材粒子から剥がれるため上記範囲に限定される。
好ましくは、80〜95重量%である。
【0019】
上記被覆層の厚さは、上記基材粒子の平均粒子径の1/4以下が好ましい。
被覆層の厚さが平均粒子径の1/4を超えると、後述する、基材粒子と被覆物と分散媒とを混合して混合物を調整後、分散媒を徐々に揮発させながら取り除き、被覆層を形成する際に、基材粒子間が被覆物で充填された状態となり、空隙がなくなるため単粒子化が困難となったり、単粒子化する際に、被覆層の厚さの隔たりが大きくなったり、被覆物のみの塊ができたりすることがある。
また、上記基材粒子の物理的な特性を活かすため、被覆層の厚さは、基材粒子の平均粒子径の1/10以下と薄い方がより好ましく、基材粒子の平均粒子径の1/30以下が更に好ましい。
このため、基材粒子の平均粒子径の1/4よりも厚い被覆層を形成する際には、下記する方法を用いて、被覆層を形成する工程を複数回繰り返すのが好ましい。また、被覆層が1/4より薄い層を形成する場合でも、下記する方法を用いて被覆層を形成する工程を複数回繰り返してもよい。
【0020】
上記被覆層は、上記基材粒子、樹脂と金属微粒子とから構成される被覆物、及び、分散媒を混合して混合物を調製後、上記分散媒を徐々に揮発させながら取り除くことにより形成されたものが好ましい。上記被覆層は、また、上記方法と同様の方法により混合物を調製した後、該混合物をインクジェット方式を用いて空中に噴霧することにより形成されたものであってもよい。
【0021】
上記分散媒としては、混合物を調製する際に液状であるものであれば特に限定されず、例えば、溶剤ハンドブック(講談社)等に記載されている通常の有機溶媒、水、無機溶媒、これらの混合物や化合物等が挙げられる。
上記分散媒を徐々に揮発させながら取り除く場合には、分散媒は、分散媒を揮発させる気圧での沸点が60〜200℃のものが好ましい。
沸点が60℃未満では、揮発が急激に起こるため、基材粒子間が被覆物で緻密に充填されるとともに、基材粒子も緻密に凝集し、単粒子化しなくなったり、被覆層が発泡したりすることがあり、200℃を超えると、揮発するのに時間がかかり過ぎ、生産性が著しく低下したり、被覆層が劣化したりすることがあるため上記範囲が好ましい。
より好ましくは90〜150℃である。
【0022】
分散媒を徐々に揮発させながら取り除く方法としては特に限定されず、例えば、上記分散媒の沸点より60℃以上低い温度で揮発させる方法、−300mmHg以上減圧せず、即ち、大気圧より300mmHg以上圧力を低くしない条件で揮発させる方法等が挙げられる。
【0023】
分散媒を徐々に揮発させながら取り除く際には、基材粒子間に空隙を発生させるのが好ましい。これは、空隙を発生させることにより、均一な被覆層が形成されるからである。また、単粒子化された導電性微粒子を得るためには、少なくとも分散媒の大部分が揮発により取り除かれ空隙が発生した状態で、外力により被覆物の一部、又は、被覆された基材粒子同士の界面を破壊するのが好ましい。
【0024】
空隙を発生させる方法としては、例えば、上記混合物の分散媒を徐々に揮発させながら薄膜状、細線状、微小塊状等の形状にする方法等が挙げられる。
これらのなかでは、適切な間隔の空隙を得やすいことから、分散媒を徐々に揮発させながら微小塊状にする方法が好ましい。
【0025】
適切な間隔の空隙を得る方法としては、例えば、分散媒を徐々に揮発させながら取り除く際に、基材粒子間の間隔が、上記基材粒子の平均粒子径以下である基材粒子が少なくとも半数以上存在するように、上記混合物を調製する際に、基材粒子と被覆物と分散媒との混合比率を調整する方法等が挙げられる。
【0026】
上記混合物をインクジェット方式を用いて空中に噴霧する方法において、上記インクジェット方式としては特に限定されず、例えば、バブルジェット方式、圧電素子を用い、該圧電素子を振動させ噴霧する方式等が挙げられる。
【0027】
上記インクジェット方式を用いる際のノズル径は、基材粒子の平均粒子径の1.1〜3倍が好ましい。上記ノズル径が基材粒子の平均粒子径の1.1倍未満では、目詰まりを起こす場合があり、基材粒子の平均粒子径の3倍を超えると、被覆層の制御が難しくなるため上記範囲が好ましい。
より好ましくは1.2〜2倍である。
【0028】
本発明の導電性微粒子は、基材粒子の表面に形成された被覆層が金属微粒子と樹脂とからなるため、大幅な変形があっても被覆層が破壊されにくく、冷熱繰り返しによる歪みを原因とする疲労も少ない。また、基材粒子が高分子材料からなる従来の導電性微粒子では、金属メッキ等の被覆層と高分子材料との線膨張係数の差が大きく、割れが生じ易かったが、本発明の導電性微粒子は、被覆層が金属微粒子と樹脂とからなるため割れが生じにくく信頼性が高い。更に、上記導電性微粒子は、アスペクト比やCV値が小さいため、隣接電極間でリークが発生しにくく、微細電極の導通に適している。
【0029】
本発明の導電性微粒子は、主として、相対向する2つの電極を電気的に接続する際に用いられる。上記導電性微粒子を用いて相対向する2つの電極を電気的に接続する方法としては、例えば、上記導電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させて異方性導電接着剤を調製し、上記異方性導電接着剤を使用して2つの電極を接着、接続する方法、バインダー樹脂と上記導電性微粒子とを別々に使用して接続する方法等が挙げられる。
【0030】
本明細書において、異方性導電接着剤とは、異方性導電膜、異方性導電ペースト、異方性導電インキ等を含むものとする。
【0031】
上記異方性導電接着剤を構成するバインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリレート樹脂、エチレン/酢酸ビニル樹脂、スチレン/ブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマーとイソシアネート等の硬化剤との反応により得られる硬化性樹脂組成物等の熱や光によって硬化する組成物等が挙げられる。
好ましくは、上記硬化性樹脂組成物のなかでも低温で硬化する低温硬化性樹脂、及び、光硬化性樹脂である。
【0032】
上記異方性導電接着剤として異方性導電膜を使用した場合、上記導電性微粒子は、ランダムに分散されていてもよく、特定の位置に配置されていてもよい。導電性微粒子がランダムに分散された導電膜は、通常、汎用的な用途に使用される。また、上記導電性微粒子が所定の位置に配置された異方性導電膜は、効率的な電気接合を行うことができる。
上記異方性導電接着剤の塗工膜厚は特に限定されないが、10〜数百μmが好ましい
【0033】
上記導電性微粒子、及び、異方性導電接着剤により接続される対象物としては、例えば、表面に電極部が形成された基板、半導体等の電気部品等が挙げられる。
上記基板は、フレキシブル基板とリジッド基板とに大別される。上記フレキシブル基板としては、例えば、50〜500μmの厚さの樹脂シートが挙げられる。上記樹脂シートの材質としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン等が挙げられる。
【0034】
上記リジッド基板は、樹脂製のものとセラミック製のものとに大別される。上記樹脂製のものとしては、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロース繊維強化フェノール樹脂等が挙げられる。上記セラミック製のものとしては、例えば、二酸化ケイ素、アルミナ、ガラス等が挙げられる。
【0035】
上記基板の構成は特に限定されず、単層のものであってもよく、単位面積当たりの電極数を増加させるために、例えば、複数の層が形成され、スルーホール形成等の手段により、これらの層が相互に電気的に接続されている多層基板であってもよい。
【0036】
上記電気部品としては特に限定されず、例えば、トランジスタ、ダイオード、IC、LSI等の半導体等の能動部品;抵抗、コンデンサ、水晶振動子等の受動部品等が挙げられる。
上記基板又は電気部品の表面に形成される電極の形状としては特に限定されず、例えば、縞状、ドット状、任意形状のもの等が挙げられる。
【0037】
上記電極の材質としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、カーボン、アルミニウム、ITO等が挙げられる。接触抵抗を低減させるために、銅、ニッケル等の上に更に金が被覆された電極を用いることができる。
上記電極の厚さは、0.1〜100μmであることが好ましく、上記電極の幅は、1〜500μmであることが好ましい。
【0038】
上記導電性微粒子と上記基板又は部品等との接合としては、例えば、表面に電極が形成された基板又は電気部品の上に、上記導電性微粒子を含有する異方性導電膜を配置し、その上に、他の基板又は電気部品の電極を置き、加熱、加圧する方法が挙げられる。上記異方性導電膜の代わりに、スクリーン印刷やディスペンサー等の印刷手段により、上記導電性微粒子を含有する異方性導電ペーストを所定量用いることもできる。上記加熱、加圧には、ヒーターが付いた圧着機やボンディングマシーン等が用いられる。
【0039】
上記異方性導電膜及び上記異方性導電ペーストを用いない方法も可能であり、例えば、導電性微粒子を介して貼り合わせた2つの電極部の隙間に液状のバインダーを注入した後、硬化させる方法等を用いることができる。
【0040】
上記基板又は電気部品の電極部同士が、上記導電性微粒子又は上記異方性導電接着剤を用いて接続された導電接続構造体もまた、本発明の導電性微粒子を用いて得られる。
【0041】
上述のように、本発明の導電性微粒子を用いて得られた異方性導電接着剤及び導電接続構造体は、基材粒子の表面に金属微粒子と樹脂とからなる被覆層が形成された導電性微粒子を用いることを特徴としている。このため、上記異方性導電接着剤及び導電接続構造体は、過度の冷熱繰り返しや大幅な変形を受けた場合でも、被覆層に亀裂等が発生しない導電性微粒子が用いられているため、高い接続信頼性を有し、微細電極間の導通に適している。
【0042】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0043】
実施例1
平均粒子径8μm、アスペクト比1.04、CV値4%のジビニルベンゼン系微球10gと平均粒子径100nmの金微粒子6gと分子量10万、ケン化度88%のポリビニルアルコール0.4gを水溶媒中に均一に分散し混合物を得た。
次に、得られた混合物をバットの中で薄膜状に延ばし、徐々に水を揮発させながら、薄膜状の混合物をヘラを用いて網目状にカットしていき微小塊状にした。更に、微小塊が互いに合着しない程度まで分散媒が揮発した状態で、乳鉢で擦り潰しながら、残りの水を揮発させて単粒子化し、樹脂と金属微粒子とからなる被覆層が形成された導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子は、被覆の厚さが約100nm、平均粒子径8.2μm、アスペクト比1.05、CV値6%であり、この導電性微粒子は、25%変形させても被覆層が破れることはなかった。
【0044】
また、この導電性微粒子を熱硬化性エポキシ樹脂をトルエンに溶解させたバインダー溶液に混合、分散させた。その後、導電性微粒子分散溶液を離型フィルム上に一定の厚さで塗布し、トルエンを蒸発させ、異方性導電膜を得た。得られた異方性導電膜の膜厚は30μmであった。
更に、得られた異方性導電膜をガラス−エポキシ銅張り基板(配線幅:50μm、電極ピッチ:80μm)に貼り付け、この上に同一の基板を位置合わせした後重ね合わせ、160℃で2分間加熱、加圧し、導電接続構造体を作製した。
この導電接続構造体は、接続抵抗が充分低く、隣接する電極間の接続抵抗は、1×109 Ω以上で、線間絶縁性は充分保たれていた。
また、120℃のオイルバスに浸けるヒートショックテストを100回繰り返したが、変化はみられなかった。
【0045】
参考
平均粒子径20μm、アスペクト比1.3、CV値15%のジビニルベンゼン系微球と平均粒子径100nmの金微粒子85重量部と分子量2万、ケン化度88%のポリビニルアルコール15重量部とを水溶媒中に均一に分散した混合物をインクジェット法により空中に噴霧し、樹脂と金属微粒子とからなる被覆層が形成された導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子は、被覆層の厚さが約800nm、平均粒子径22μm、アスペクト比1.3、CV値15%であり、この導電性微粒子は、25%変形させても被覆層が破れることはなかった。
また、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、この導電接続構造体は、接続抵抗が充分低く、隣接する電極間の接続抵抗は、1×10Ω以上で、線間絶縁性は充分保たれていた。
更に、120℃のオイルバスに浸けるヒートショックテストを100回繰り返したところ、導電性微粒子の一部にひびが見られたものの、問題となるほどではなかった。
【0046】
参考
平均粒子径10μm、アスペクト比1.05、CV値5%のベンゾグアナミン系微球10gと平均粒子径400nmの金微粒子10gと分子量20万のメチルメタクリレート系共重合体0.8gを酢酸ブチルに均一に分散した混合物を得た。得られた混合物を噴霧法を繰り返すことにより、樹脂と金属微粒子とからなる被覆層が形成された導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子は、被覆の厚さが約400nm、平均粒子径11μm、アスペクト比1.08、CV値8%であり、この導電性微粒子は、25%変形させても被覆層が破れることはなかった。
また、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、この導電接続構造体は、接続抵抗が充分低く、隣接する電極間の接続抵抗は、1×10Ω以上で、線間絶縁性は充分保たれていた。
更に、120℃のオイルバスに浸けるヒートショックテストを100回繰り返したが、変化はみられなかった。
【0047】
比較例1
平均粒子径8μm、アスペクト比1.04、CV値4%のジビニルベンゼン系微球に蒸着により金を100nm被覆し、被覆層が形成された導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子を25%変性させたところ、被覆層が破れてしまった。
また、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、この導電接続構造体は、接続抵抗が充分低く、隣接する電極間の接続抵抗は、1×109 Ω以上で、線間絶縁性は充分保たれていた。
しかし、120℃のオイルバスに浸けるヒートショックテストを100回繰り返したところ、被覆層がめくれて導通不良が発生した。
【0048】
比較例2
平均粒子径8μm、アスペクト比1.04、CV値4%のジビニルベンゼン系微球に無電解メッキによりニッケルを150nm被覆し、更に、置換メッキにより金を50nm被覆し、被覆層が形成された導電性微粒子を得た。
得られた導電性微粒子を25%変性させたところ、被覆層が破れてしまった。
また、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、この導電接続構造体は、接続抵抗が充分低く、隣接する電極間の接続抵抗は、1×109 Ω以上で、線間絶縁性は充分保たれていた。
しかし、120℃のオイルバスに浸けるヒートショックテストを100回繰り返したところ、被覆層に割れがみとめられた。
【0049】
比較例3
平均粒子径0.4μm以下のジビニルベンゼン系微球を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子を作製しようとしたが、単粒子化することができなかった。
【0050】
比較例4
平均粒子径1200μmのジビニルベンゼン系微球を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子は25%変形させても被覆層が破れることはなかった。
しかし、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、この導電接続構造体は、隣接する電極間でショートが発生した。
【0051】
比較例5
アスペクト比3、CV値45%のジビニルベンゼン系粉体を用いた以外は、実施例1と同様にして、異方性導電膜及び導電接続構造体を作製した。
この導電接続構造体は、接続抵抗は低かったが、隣接する電極間で一部ショートがみられた。
【0052】
比較例6
平均粒子径100nmの金微粒子に変えて、平均粒子径2μmの金微粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子は25%変形させた際に金微粒子が欠落した。
また、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、異方性導電膜を作製する際に金微粒子が欠落した。
更に、この導電接続構造体は、導通不良を起こした。
【0053】
比較例7
ポリビニルアルコールの混合量を10倍に変えた以外は、実施例1と同様にして、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子は25%変形させても被覆層が破れることはなかった。
しかし、この導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製したところ、この導電接続構造体は、導通不良を起こした。
【0054】
【発明の効果】
本発明の導電性微粒子は、上述の構成からなるので、過度の冷熱繰り返しや大幅な変形を受けた際に、被覆層に亀裂等の破損や、被覆層の剥がれ等が発生せず、隣接電極間でのリークが発生しにくいため接続信頼性が高く、微細電極間の導通に適している。
また、本発明の導電性微粒子を用いて得られた異方性導電接着剤は、上述の構成からなるので、隣接電極間でのリークが発生しにくい接続信頼性の高いものであり、微細電極間の導通に適している。
また、本発明の導電性微粒子を用いて得られた導電接続構造体は、上述の構成からなるので、隣接電極間でのリークが発生しにくい接続信頼性の高いものであり、微細電極間の導通に適している。

Claims (1)

  1. 平均粒子径が0.5〜1000μm、アスペクト比が2未満、CV値が40%以下の基材粒子の表面に、金属微粒子と樹脂とからなる被覆層が形成された導電性微粒子であって、
    前記被覆層は、前記金属微粒子を70〜98重量%含有するものであり、
    前記金属微粒子は、平均粒子径が前記基材粒子の平均粒子径の1/5以下であり、かつ前記被覆層は、厚さが基材粒子の平均粒子径の1/30以下であることを特徴とする導電性微粒子。
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