JP2001155540A - 導電性微粒子、異方性導電接着剤及び導電接続構造体 - Google Patents

導電性微粒子、異方性導電接着剤及び導電接続構造体

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JP2001155540A
JP2001155540A JP33811199A JP33811199A JP2001155540A JP 2001155540 A JP2001155540 A JP 2001155540A JP 33811199 A JP33811199 A JP 33811199A JP 33811199 A JP33811199 A JP 33811199A JP 2001155540 A JP2001155540 A JP 2001155540A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続抵抗が低く、接続時の電気容量が大き
く、接続が安定していて、マイグレーションやリーク現
象を起こさない、特にチップの接合用として適当な導電
性微粒子、異方性導電接着剤及び導電接続構造体を提供
する。 【解決手段】 非金属微粒子が、銀を50重量%以上含
む金属層により被覆され、前記金属層の表面が更にマイ
グレーション防止層で被覆されてなる導電性微粒子であ
って、前記非金属微粒子は、平均粒径1〜500μm、
アスペクト比1.3未満、CV値25%以下、K値20
0〜5万MPaである導電性微粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細電極間の接続
に用いられる導電性微粒子、異方性導電接着剤及び導電
接続構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】異方性導電材料は、液晶ディスプレイ、
パーソナルコンピュータ、携帯通信機器等のエレクトロ
ニクス製品において、半導体素子等の小型部品を基板に
電気的に接続したり、基板同士を電気的に接続するため
に使用されている。このような異方性導電接続材料とし
ては、導電性微粒子をバインダー樹脂に混合したもの等
が用いられている。
【0003】この導電性微粒子としては、有機基材粒子
又は無機基材粒子の表面に金属メッキを施したものが用
いられてきた。このような導電性微粒子としては、例え
ば、特公平6−96771号公報、特開平4−3690
2号公報、特開平4−269720号公報、特開平3−
257710号公報等に開示されたものが挙げられる。
【0004】このような導電性微粒子をバインダー樹脂
と混ぜ合わせてフィルム状又はペースト状にした異方性
導電接着剤材料としては、例えば、特開昭63−231
889号公報、特開平4−259766号公報、特開平
3−291807号公報、特開平5−75250号公報
等に開示されたものが挙げられる。
【0005】従来の異方性導電材料においては、導電性
微粒子の基材として、高分子等の電気的絶縁材料が使用
されており、その表面に、通常、導電層としてニッケル
メッキ層が施されている。そのため、接続時の電流容量
が小さく、更に金属の被覆層が基材となる高分子の変形
に追従できず、割れが発生するという問題があった。
【0006】特に近年、電子機器や電子部品が小型化す
るに伴い、基板等の配線が微細になり接続部の電気抵抗
が大きくなる傾向にある。更に、最近開発されている携
帯機器用のICやLSIのパッケージは、フリップチッ
プ接合を行う等によりチップサイズに近づいてきている
こともあり、より配線が細かくなる傾向にあるため、接
続部の低抵抗化が必要となってきている。接続部の低抵
抗化のためには、異方性導電接着剤中の導電性微粒子の
濃度を上げる方法もあるが、濃度を上げると電極間での
リークが発生しやすくなるという問題がある。導電性微
粒子に絶縁被覆層等を設けるという方法もあるが、プロ
セスが煩雑になる等の問題がある。
【0007】導電性微粒子として金属粉を用いる技術が
特開平8−273440号公報等に開示されている。し
かし、金属粉は電流容量は大きくとれるものの、微細に
なると真球状のものが得にくく、真球といわれるもので
もアスペクト比が比較的大きいものが多い。また、粒径
が揃っておらずCV値が大きいため導通に関与しない粒
子が大量に発生し電極間でのリーク現象が生じやすいと
いう欠点があった。更に、弾性変形の領域が少なく塑性
変形しやすいために接合部の熱変形に追従しない場合が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、接続抵抗が低く、接続時の電流容量が大きく、接続
が安定していて、マイグレーションやリーク現象を起こ
さない、特にチップの接合用として適当な導電性微粒
子、異方性導電接着剤及び導電接続構造体を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、非金属微粒子
が、銀を50重量%以上含む金属層により被覆され、前
記金属層の表面が更にマイグレーション防止層で被覆さ
れてなる導電性微粒子であって、上記非金属微粒子は、
平均粒径1〜500μm、アスペクト比1.3未満、C
V値25%以下、K値200〜5万MPaである導電性
微粒子である。以下に、本発明を詳述する。
【0010】本発明の導電性微粒子は、非金属微粒子
が、銀を50重量%以上含む金属層により被覆され、上
記金属層の表面が更にマイグレーション防止層で被覆さ
れてなるものである。上記非金属微粒子としては特に限
定されず、例えば、高分子基材、無機粒子、又は、これ
らの混合物及び化合物等が挙げられる。なかでも、CV
値やアスペクト比が小さく、適当なK値、回復率及び破
壊歪みが得やすい高分子基材が好ましい。
【0011】上記高分子基材としては、破壊歪みが40
%以上である高分子が好適に用いられる。破壊歪みが4
0%未満である場合には、高分子を用いて製造される導
電性微粒子が、変形等により接続不良を起こす場合があ
る。破壊歪みは、50〜90%であるのがより好まし
い。
【0012】また、上記高分子基材としては、回復率が
40%以上である高分子が好適に用いられる。回復率が
40%未満である場合には、高分子を用いて製造される
導電性微粒子が、変形等により接続不良を起こす場合が
ある。上記回復率は、50〜90%であるのがより好ま
しい。なお、本発明において、回復率は、20℃、10
%圧縮変形後の値である。
【0013】上記金属層は、銀を50重量%以上含むも
のである。銀を50重量%以上含んだ金属層は、柔軟性
があり基材が変形しても割れにくく安定した接続信頼性
を得ることができる。また、本発明の導電性微粒子は、
複数の電極間に挟まれた状態で抑えられる場合、一方の
電極から他方の電極へこの導電性微粒子を介して電流が
流れるが、銀を50重量%以上含んだ金属層で被覆され
ているため、接続時の電流容量が大きい。
【0014】上記金属層の銀の含有量は、50〜100
重量%であるのが好ましい。銀の含有量が50重量%未
満では充分な電流容量が得られなかったり、金属層が割
れやすくなったりする。より好ましくは90〜100重
量%である。
【0015】銀を含む金属層はそのまま用いると、高温
高湿状態に曝された場合、マイグレーションが発生し電
極間にショートが発生する場合がある。そこで、接続信
頼性を保つために、本発明の導電性微粒子では、金属層
は、表面が更にマイグレーション防止層で被覆されてい
る。上記マイグレーション防止層としては、低分子量有
機物、金属酸化物、金属等からなるものが挙げられる。
上記金属としては、金が好適に使用できる。上記金属層
の表面を金属により被覆する方法としては特に限定され
ず、例えば、無電解メッキ法、置換メッキ法、電気メッ
キ法等が挙げられる。
【0016】上記マイグレーション防止層に金を用いる
場合は、銀は高温状態では金に拡散するため、金属層と
マイグレーション防止層との間にバリア層が設けられて
いることが好ましい。上記バリア層には、パラジウム、
ニッケル等の金属を用いることができるが、なかでも、
ニッケルからなることが好ましい。
【0017】上記の各層の厚みは、金属層0.03〜1
0μm、バリア層0.01〜2μm、マイグレーション
防止層0.01〜2μmが好ましい。各層の厚みがこの
範囲未満では、被覆の効果が充分得られない場合があ
る。逆にこの範囲を超えると、基材の特性を失ってしま
う場合がある。より好ましくは、金属層0.08〜1μ
m、バリア層0.03〜0.2μm、マイグレーション
防止層0.02〜0.1μmである。
【0018】本発明の導電性微粒子の核となる非金属微
粒子は、平均粒径1〜500μm、アスペクト比1.3
未満、CV値25%以下、K値200〜5万MPaであ
る。
【0019】上記非金属微粒子の平均粒径が1μm未満
であると、この非金属微粒子を用いて製造される導電性
微粒子は、接触すべき電極面に接触せず、電極間に隙間
ができ、接触不良が発生する。非金属微粒子の平均粒径
が500μmを超えると、この非金属微粒子を用いて製
造される導電性微粒子が大きいため隣接電極がショート
するという問題が発生する。非金属微粒子の平均粒径
は、好ましくは3〜100μmで、より好ましく5〜3
0μmである。本発明において、平均粒径は、任意の微
粒子300個を電子顕微鏡で観察・測定することにより
得られる値である。
【0020】上記非金属微粒子のアスペクト比が1.3
以上であると、粒子径が不揃いとなるため、非金属微粒
子を用いて製造される導電性微粒子を介して電極同士を
接触させる際、接続に関与しない導電性微粒子が大量に
発生して電極間でのリーク現象が生じる場合がある。ア
スペクト比は、好ましくは1.1未満で、より好ましく
は1.05未満である。
【0021】上記アスペクト比とは、微粒子の平均長径
を平均短径で割った値である。本発明において、アスペ
クト比は、任意の微粒子300個を電子顕微鏡で観察・
測定することにより得られる値である。
【0022】上記非金属微粒子のCV値が25%を超え
ると、粒子径が不揃いとなるため、非金属微粒子を用い
て製造される導電性微粒子を介して電極同士を接触させ
る際、接続に関与しない導電性微粒子が大量に発生して
電極間でのリーク現象が生じる場合がある。CV値は、
好ましくは10%以下で、より好ましくは5%以下であ
る。なお、CV値が0%以上であることは言うまでもな
い。
【0023】上記CV値とは、下記の式(1); CV値=(σ/Dn)×100・・・・(1) (式中、σは粒子径の標準偏差を表し、Dnは数平均粒
子径を表す)で表される値である。本発明において、標
準偏差及び数平均粒子径は、任意の微粒子300個を電
子顕微鏡で観察・測定することにより得られる値であ
る。
【0024】上記非金属微粒子のK値が200MPa未
満であると、衝撃等により接続不良を起こす。K値が5
万MPaを超えると、電極を傷つける。K値は、好まし
くは300〜8000MPaで、より好ましくは400
〜3000MPaである。
【0025】本発明においてK値とは、10%変形時に
おけるK値を指し、下記の式(2); (3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 ・・・・(2) (式中、Fは20℃、10%圧縮変形における荷重値
(MPa×mm2 )を表し、Sは圧縮変位(mm)を表
し、Rは半径(mm)を表す)で表される値である。
【0026】本発明の導電性微粒子は、上述のように、
非金属微粒子が、銀を50重量%以上含む金属層により
被覆され、金属層の表面が更にマイグレーション防止層
で被覆されてなり、上記非金属微粒子は、平均粒径1〜
500μm、アスペクト比1.3未満、CV値25%以
下、K値200〜5万MPaであれば特に限定されるも
のではないが、本発明の好ましい態様としては、下記
(1)、(2)等が挙げられる。 (1)破壊歪み40%以上の高分子微粒子が、銀を50
重量%以上含む金属層により被覆され、上記金属層の表
面が更にマイグレーション防止層で被覆されてなる導電
性微粒子であって、上記高分子微粒子は、平均粒径3〜
100μm、アスペクト比1.1未満、CV値10%以
下、K値300〜8000MPaである導電性微粒子。 (2)回復率40%以上の高分子微粒子が、銀を50重
量%以上含む金属層により被覆され、上記金属層の表面
が更にマイグレーション防止層で被覆されてなる導電性
微粒子であって、上記高分子微粒子は、平均粒径5〜3
0μm、アスペクト比1.05未満、CV値5%以下、
K値400〜3000MPaである導電性微粒子。本発
明の導電性微粒子は、更に、有機化合物、樹脂、無機物
等で被覆されていてもかまわない。
【0027】本発明の導電性微粒子は、上述のように核
となる部分が非金属であり、特定のK値をもつため、電
極を傷めたり接続不良を起こしたりしにくく、CV値や
アスペクト比が小さいため電極間のリークが発生しにく
い。また、銀を50重量%以上含有する金属層により被
覆されているために接続時の電流容量が大きく、金属層
に柔軟性があるため核となる部分が変形しても割れにく
く安定した接続を保つことができる。更に、金属層の表
面にマイグレーション防止層が設けられているために、
高温高湿下でも銀のマイグレーションが起こりにくい。
【0028】本発明の導電性微粒子は、主として、相対
向する2つの電極を電気的に接続する際に用いられる。
上記導電性微粒子を用いて相対向する2つの電極を電気
的に接続する方法としては特に限定されず、例えば、導
電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させて異方性導電
接着剤を調製し、この異方性導電接着剤を使用して2つ
の電極を接着、接続する方法、バインダー樹脂と本発明
の導電性微粒子とを別々に使用して接続する方法等が挙
げられる。
【0029】本発明において、異方性導電接着剤とは、
導電性微粒子を絶縁性のバインダー樹脂中に分散させた
ものであれば特に限定されず、異方性導電膜、異方性導
電ペースト、異方性導電インキ等を含むものである。本
発明の導電性微粒子を用いて製造される異方性導電接着
剤もまた本発明の1つである。
【0030】本発明の異方性導電接着剤を構成するバイ
ンダー樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリレ
ート樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂;グリシジル
基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネート等
の硬化剤との反応により得られる硬化性樹脂組成物等の
熱や光によって硬化する組成物等が挙げられる。上記異
方性導電接着剤の塗工膜厚は特に限定されないが、10
〜数百μmが好ましい。
【0031】本発明の導電性微粒子、及び、異方性導電
接着剤により接続される対象物としては、例えば、表面
に電極部が形成された基板、半導体等の表面に電極部が
形成された部品等が挙げられる。上記基板は、フレキシ
ブル基板とリジッド基板とに大別される。上記フレキシ
ブル基板としては、例えば、50〜500μmの厚さの
樹脂シートが挙げられる。上記樹脂シートの材質として
は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、
ポリスルホン等が挙げられる。
【0032】上記リジッド基板は、樹脂製のものとセラ
ミック製のものとに大別される。上記樹脂製のものとし
ては、例えば、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、セルロース繊維強化フェノール樹脂等が挙げら
れる。上記セラミック製のものとしては、例えば、二酸
化ケイ素、アルミナ等が挙げられる。
【0033】上記基板構造としては、単層構造であって
もよく、また、単位面積当たりの電極数を増やすため
に、例えば、スルーホール形成等の手段により、複数の
層を形成し、相互に電気的接続を行わせる多層構造の基
板を使用してもよい。
【0034】上記部品としては特に限定されず、例え
ば、トランジスタ、ダイオード、IC、LSI等の半導
体等の能動部品;抵抗、コンデンサ、水晶振動子等の受
動部品等が挙げられる。
【0035】上記基板又は部品の表面に形成される電極
の形状としては特に限定されず、例えば、縞状、ドット
状、任意形状のもの等が挙げられる。上記電極の材質と
しては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、ニッケ
ル、パラジウム、カーボン、アルミニウム、ITO等が
挙げられる。また、接触抵抗を低減させるために、銅、
ニッケル等の上に更に金を被覆したものも用いることが
できる。上記電極の厚みは、0.1〜100μmが好ま
しい。電極の幅は、1〜500μmが好ましい。
【0036】このように本発明の導電性微粒子を用いた
異方性導電接着剤等を使用することができる基板や電子
部品としては、種々のものが挙げられるが、これらのな
かでも、特にチップの接合に好適に使用することができ
る。
【0037】本発明の導電性微粒子と基板、部品等との
接合方法としては、例えば、表面に電極が形成された基
板又は部品の上に、導電性微粒子を含有する異方性導電
膜を配置し、その上に、他の電極面を有する基板又は部
品を置き、加熱、加圧する方法が挙げられる。異方性導
電膜の代わりに、スクリーン印刷やディスペンサー等の
印刷手段により、導電性微粒子を用いた導電性ペースト
を所定量用いることもできる。上記加熱、加圧には、ヒ
ーターが付いた圧着機やボンディングマシーン等が用い
られる。
【0038】本発明の導電性微粒子と基板、部品等との
接合方法としては、異方性導電膜及び異方性導電ペース
トを用いない方法も可能であり、例えば、導電性微粒子
を介し貼り合わせた2つの電極部の隙間に液状のバイン
ダーを注入した後、硬化させる方法等を用いることがで
きる。
【0039】上記基板又は部品等の電極部同士が、本発
明の導電性微粒子又は異方性導電接着剤を用いて接続さ
れた導電接続構造体もまた、本発明の1つである。上述
のようにして得られた導電接続構造体は、本発明の導電
性微粒子を使用しているため、導電性も良好で、高い接
続信頼性を有する。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0041】実施例1 平均粒径15μm、アスペクト比1.04、CV値4
%、K値2000MPa、破壊歪み50%、回復率50
%の長鎖アルキルジアクリレート系共重合体に、無電解
メッキにより厚み0.2μmの銀を被覆した。更に無電
解メッキにより厚み0.1μmのニッケルを被覆した
後、置換メッキにより金を厚み0.04μmで被覆し、
導電性微粒子を得た。
【0042】得られた導電性微粒子を、エポキシ樹脂及
びアクリル樹脂の混合物をトルエンに溶解させたバイン
ダー樹脂溶液に混合、分散させた。次いで、この導電性
微粒子分散溶液を離型フィルム上に一定の厚みに塗布
し、トルエンを蒸発させ、異方性導電膜を作製した。膜
厚は40μmであり、導電性微粒子の濃度は15%であ
った。得られた異方性導電膜を透明なガラス基板に貼付
け加熱加圧したが、金属被覆層の割れ等は観察されなか
った。
【0043】得られた異方性導電膜を、100μm×1
00μmの電極を150μmピッチで2列に20個配置
したセラミック基板上に貼付けた。この上に、同じセラ
ミック基板を重ね合わせ、150℃、2分間加熱、加圧
し導電接続構造体を作製した。得られた導電接続構造体
に2Aの電流を流したが、良好な導電性を示し、抵抗も
充分低かった。また、隣接する電極間の接続抵抗は1×
109 Ω以上で線間絶縁性は充分保たれていた。75
℃、85%の耐熱耐湿試験を500時間行った後、この
導電接続構造体に2Aの電流を流したところ、導電接続
構造体の特性には、ほとんど変化がなかった。
【0044】実施例2 実施例1において、無電解メッキにより厚み0.2μm
の銀を被覆し、更に厚み0.04μmの金を被覆したこ
と以外は同様に操作を行い、導電性微粒子を得た。この
導電性微粒子を用いて、実施例1と同様に異方性導電膜
及び導電接続構造体を作製した。得られた異方性導電膜
を透明なガラス基板に貼付け加熱加圧したが、金属被覆
層の割れ等は観察されなかった。
【0045】得られた導電接続構造体に2Aの電流を流
したが、良好な導電性を示し、抵抗も充分低かった。ま
た、隣接する電極間の接続抵抗は1×109 Ω以上で線
間絶縁性は充分保たれていた。70℃、85%の耐熱耐
湿試験を500時間行った後、この導電接続構造体に2
Aの電流を流したところ抵抗は充分低かった。しかし、
金と銀の拡散によるマイグレーションにより、隣接する
電極間の接続抵抗は1×109 Ω以下で線間絶縁性が崩
れかけていた。ただし、70℃、85%の耐熱耐湿試験
が200時間では、導電接続構造体の特性には、ほとん
ど変化はなく、実用上は特に問題がないものと思われ
た。
【0046】比較例1 実施例1において、無電解メッキにより厚み0.2μm
の銀の代わりにニッケルを被覆したこと以外は同様に操
作を行い、導電性微粒子を得た。この導電性微粒子を用
いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造
体を作製した。
【0047】得られた異方性導電膜を透明なガラス基板
に貼付け加熱加圧したところ、金属被覆層の割れが観察
された。得られた導電接続構造体は、隣接する電極間の
接続抵抗は1×109 Ω以上で線間絶縁性は充分保たれ
ていたが、2Aの電流を流したところ、導通破壊がみら
れた。
【0048】比較例2 実施例1において、無電解メッキにより厚み0.2μm
の銀のみを被覆したこと以外は同様に操作を行い、導電
性微粒子を得た。この導電性微粒子を用いて、実施例1
と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体を作製した。
【0049】得られた異方性導電膜を透明なガラス基板
に貼付け加熱加圧したが、金属被覆層の割れ等は観察さ
れなかった。得られた導電接続構造体に2Aの電流を流
したが、良好な導電性を示し、抵抗も充分低かった。ま
た、隣接する電極間の接続抵抗は1×109 Ω以上で線
間絶縁性は充分保たれていた。70℃、85%の耐熱耐
湿試験を500時間行った後、この導電接続構造体に2
Aの電流を流したところ、マイグレーションにより隣接
電極にリークが発生していた。
【0050】比較例3 破壊歪み50%、回復率20%のアクリレート系共重合
体に実施例1と同様にメッキ処理を施し、平均粒径15
μm、アスペクト比1.3、CV値30%、K値100
MPaの導電性微粒子を得た。この導電性微粒子を用い
て、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造体
を作製した。
【0051】得られた異方性導電膜を透明なガラス基板
に貼付け加熱加圧したが、金属被覆層の割れ等は観察さ
れなかった。得られた導電接続構造体に2Aの電流を流
したところ、導通破壊がみられ、隣接する電極間では一
部ショートが発生していた。
【0052】比較例4 ガラスに実施例1と同様にメッキ処理を施し、平均粒径
15μm、アスペクト比1.1、CV値10%、K値7
万MPaの導電性微粒子を得た。この導電性微粒子を用
いて、実施例1と同様に異方性導電膜及び導電接続構造
体を作製した。
【0053】得られた異方性導電膜を透明なガラス基板
に貼付け加熱加圧したところ、ガラス基板上の電極が傷
つき、一部導通不良が発生した。得られた導電接続構造
体は、隣接する電極間の接続抵抗は1×109 Ω以上で
線間絶縁性は充分保たれていたが、この導電接続構造体
に2Aの電流を流したところ、一部導通破壊がみられ
た。
【0054】
【発明の効果】本発明の導電性微粒子は、上述の構成か
らなるので、接続抵抗が低く、接続時の電気容量が大き
く、接続が安定していて、マイグレーションやリーク現
象を起こしにくい。また、本発明の導電性微粒子を使用
した導電接続構造体は、導電性も良好で、高い接続信頼
性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/32 H05K 3/32 B

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非金属微粒子が、銀を50重量%以上含
    む金属層により被覆され、前記金属層の表面が更にマイ
    グレーション防止層で被覆されてなる導電性微粒子であ
    って、前記非金属微粒子は、平均粒径1〜500μm、
    アスペクト比1.3未満、CV値25%以下、K値20
    0〜5万MPaであることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 【請求項2】 非金属微粒子は、破壊歪み40%以上の
    高分子であることを特徴とする請求項1記載の導電性微
    粒子。
  3. 【請求項3】 非金属微粒子は、回復率40%以上の高
    分子であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電
    性微粒子。
  4. 【請求項4】 非金属微粒子は、銀を90重量%以上含
    む金属層により被覆されてなることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の導電性微粒子。
  5. 【請求項5】 マイグレーション防止層は、金からなる
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性
    微粒子。
  6. 【請求項6】 銀を含む金属層とマイグレーション防止
    層との間にバリア層が設けられていることを特徴とする
    請求項1、2、3、4又は5記載の導電性微粒子。
  7. 【請求項7】 バリア層は、ニッケルからなることを特
    徴とする請求項6記載の導電性微粒子。
  8. 【請求項8】 平均粒径は、3〜100μmであること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載
    の導電性微粒子。
  9. 【請求項9】 平均粒径は、5〜30μmであることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記
    載の導電性微粒子。
  10. 【請求項10】 アスペクト比は、1.1未満であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    又は9記載の導電性微粒子。
  11. 【請求項11】 アスペクト比は、1.05未満である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9又は10記載の導電性微粒子。
  12. 【請求項12】 CV値は、10%以下であることを特
    徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10又は11記載の導電性微粒子。
  13. 【請求項13】 CV値は、5%以下であることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11又は12記載の導電性微粒子。
  14. 【請求項14】 K値は、300〜8000MPaであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12又は13記載の導電性微
    粒子。
  15. 【請求項15】 K値は、400〜3000MPaであ
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11、12、13又は14記載の導
    電性微粒子。
  16. 【請求項16】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14又は15記載の
    導電性微粒子を用いてなることを特徴とする異方性導電
    接着剤。
  17. 【請求項17】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13、14若しくは15記
    載の導電性微粒子、又は、請求項16記載の異方性導電
    接着剤により接続されてなることを特徴とする導電接続
    構造体。
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