JP2002075065A - 微粒子配置フィルム、導電接続フィルム、導電接続構造体及び微粒子の配置方法 - Google Patents
微粒子配置フィルム、導電接続フィルム、導電接続構造体及び微粒子の配置方法Info
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Abstract
不足なく特定の微粒子を安定した状態で配置する方法及
び配置したフィルム、即ち、基本的に一つの穴に1粒子
を配置する微粒子の配置方法及び配置した微粒子配置フ
ィルム、並びに、微細な対向する電極を接続するに際
し、導電性微粒子を任意の位置に配置したフィルムを用
いることにより、隣接電極のリークがなく接続信頼性の
高い電気的接続を短時間で容易に行える導電接続フィル
ム及び導電接続構造体を提供する。 【解決手段】 平均粒径5〜800μm、アスペクト比
1.5未満、CV値10%以下の微粒子が配置されてい
る微粒子配置フィルムであって、フィルム表面の任意の
位置に、平均穴径が前記微粒子の平均粒径の1/2〜2
倍、アスペクト比2未満、CV値20%以下の穴が設け
られており、前記微粒子は、前記穴の表面上又は中に配
置されている微粒子配置フィルム。
Description
ィルムに配置された微粒子配置フィルム、微細電極間の
電気的接続に用いられる導電接続フィルム、導電接続構
造体及び微粒子の配置方法に関する。
配置する方法としては、個々の粒子を機械的に置いてゆ
く方法、あらかじめ配置させた粒子をフィルムに転写す
る方法やフィルムの特定の位置に接着剤等を塗布しその
上に微粒子を散布して付着させる方法、更にはペースト
中に微粒子を分散しそれを塗布する方法等が用いられて
きた。
率が悪かったり、工程が煩雑であったり、微粒子が必要
量以上に多量に配置されたり、逆に必要な部分に微粒子
が配置されていない等の不具合があった。
ピュータ、携帯通信機器等のエレクトロニクス製品にお
いて、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接続し
たり、基板同士を電気的に接続する方法のうち、微細な
電極を対向させて接続する方法としては、金属バンプ等
を用いハンダや導電ペーストで接続したり、金属バンプ
等を直接圧着したりする方法が用いられている。
場合には、個々の接続部の強度が弱い等の問題から通常
接続部の周辺を樹脂で封止する必要がある。通常、この
封止は電極の接続後に封止樹脂を注入することにより行
われる。しかしながら、微細な対向電極は接続部の距離
が短いこともあり、封止樹脂を短時間で均一に注入する
ことが困難であるという問題がある。
導電性微粒子をバインダー樹脂と混ぜ合わせてフィルム
状又はペースト状にした異方性導電接着剤が考えられ、
例えば、特開昭63−231889号公報、特開平4−
259766号公報、特開平3−291807号公報、
特開平5−75250号公報等に開示されている。
子が絶縁性接着剤にランダムに分散されているため、バ
インダー中で導電性微粒子が連なっていたり、加熱圧着
時に対向電極上にない微粒子が流動して連なったりする
ため、隣接電極でリークを発生させる可能性がある。ま
た、加熱圧着により電極又はバンプ上に微粒子を押しつ
けた場合でも、電極と微粒子との間に絶縁材の薄層が残
り易いため、接続信頼性を低下させるという問題があ
る。
み、フィルムの任意の位置に、効率よく容易に過不足な
く特定の微粒子を安定した状態で配置する方法及び配置
したフィルム、即ち、基本的に一つの穴に1粒子を配置
する微粒子の配置方法及び配置した微粒子配置フィル
ム、並びに、微細な対向する電極を接続するに際し、導
電性微粒子を任意の位置に配置したフィルムを用いるこ
とにより、隣接電極のリークがなく接続信頼性の高い電
気的接続を短時間で容易に行える導電接続フィルム及び
導電接続構造体を提供することを目的とする。
800μm、アスペクト比1.5未満、CV値10%以
下の微粒子が配置されている微粒子配置フィルムであっ
て、フィルム表面の任意の位置に、平均穴径が前記微粒
子の平均粒径の1/2〜2倍、アスペクト比2未満、C
V値20%以下の穴が設けられており、前記微粒子は、
前記穴の表面上又は中に配置されている微粒子配置フィ
ルムである。以下に本発明を詳述する。
ある。上記平均粒径は任意の微粒子100個を顕微鏡で
観察することにより得られる。平均粒径が5μm未満の
場合は、粒子の吸引が困難であるか、若しくは微粒子が
静電気等で付着、凝集等を起こすため実質的に微粒子を
穴に配置することができない。また、800μmを超え
る場合は従来の方法でも不都合なく配置することができ
る。また、本発明の微粒子配置フィルムを導電接続フィ
ルムとして用いる場合、平均粒径が5μm未満の場合
は、電極や基板の平滑性の精度の問題から粒子が電極と
接触せず導通不良を発生する可能性があり、800μm
を超える場合は微細ピッチの電極に対応できず隣接電極
でショートを発生する。上記微粒子の平均粒径は、好ま
しくは10〜300μm、より好ましくは20〜150
μmであり、更に好ましくは40〜80μmである。
ある。上記アスペクト比は粒子の平均長径を平均短径で
割った値であり、アスペクト比が1.5以上では粒子が
不揃いとなるため、やはり粒子がフィルムの穴からズレ
たり多数粒子が穴に詰まったりする。また、本発明の微
粒子配置フィルムを導電接続フィルムとして用いる場
合、短径部分が電極に届かず接続不良の原因となる。上
記アスペクト比は好ましくは1.3未満で、より好まし
くは1.1未満であり、1.05未満では著しく効果が
高まる。微粒子は製造方法にもよるが、通常アスペクト
比が高いものが多いため、本発明で用いるような微粒子
は変形可能な状態で表面脹力を利用する等の方法で球形
化処理をして球状にすることが好ましい。
上記CV値は、(σ/Dn)×100%(σは粒子径の
標準偏差を表し、Dnは数平均粒子径を表す)で表され
る。CV値が10%を超えると粒子径が不揃いとなるた
め、大きい粒子がフィルムの穴からズレたり小さい粒子
は多数粒子が穴に詰まったりする。また、本発明の微粒
子配置フィルムを導電接続フィルムとして用いる場合、
CV値が10%を超えると小さい粒子が電極に届かず接
続不良の原因となる。上記CV値は好ましくは5%以下
で、より好ましくは2%以下であり、更に1%以下では
著しく効果が高まる。通常の微粒子はCV値が大きいた
め、本発明で用いるような微粒子は分級等により粒子径
を揃える必要がある。特に200μm以下の粒子は精度
良く分級するのが困難であるため、篩や気流分級、湿式
分級等を組み合わせることが好ましい。上記微粒子とし
ては、なかでも、平均粒径20〜150μm、アスペク
ト比1.1未満、CV値2%以下の球状粒子が好まし
い。
高分子量体;シリカ、アルミナ、金属、カーボン等の無
機物や低分子量化合物等を使用することができるが、適
度な弾性や柔軟性、回復性を有し球状のものが得やすい
という点から高分子量体をコアとすることが好ましい。
上記高分子量体としては、例えば、フェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ポリエステル
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹
脂;硬化性樹脂、架橋樹脂、有機無機ハイブリッド重合
体が挙げられる。これらのうち、耐熱性の点から架橋樹
脂が好ましい。また、必要に応じて充填物を含んでいて
もよい。
要求されるので、K値400〜15000N/mm2、
回復率5%以上、常温での線膨張係数10〜200pp
mであるものが好ましい。
N/mm2であることが好ましい。ここで、K値は、
(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2で表されF
は20℃、10%圧縮変形における荷重値(N)、Sは
圧縮変位(mm)、Rは半径(mm)で表される値であ
る。K値が400未満では対向する電極に微粒子が充分
食い込むことができないため、電極表面が酸化されてい
る場合等に導通がとれなかったり、接触抵抗が大きく導
通信頼性が落ちる場合がある。また、15000を超え
る場合には、対向電極で挟み込んだ際に電極に局部的に
過度の圧力がかかり素子が破壊されたり、粒径の大きな
粒子のみにより電極間のギャップが決まってしまい粒径
の小さい粒子が電極に届かず接続不良の原因となる。上
記K値は好ましくは1000〜1万であり、より好まし
くは2000〜8000であり、更に好ましくは300
0〜6000である。
圧縮変形における回復率が5%以上であることが好まし
い。回復率が5%未満では、衝撃等により対向する電極
間が瞬間的に広がった際それに追従することができず、
瞬間的に電気的接続が不安定になることがある。上記回
復率は好ましくは20%以上であり、より好ましくは5
0%以上であり、更に80%以上では著しい効果が得ら
れる。
係数が10〜200ppmであることが好ましい。上記
線膨張係数が10ppm未満ではフィルムとの線膨張の
差が大きいために、熱サイクル等がかかった際フィルム
の伸びに追従することができず、電気的接続が不安定に
なることがある。逆に200ppmを超えると、熱サイ
クル等がかかった際電極間が広がりすぎフィルムが基板
と接着されている場合には、その接着部分が破壊され電
極の接続部に応力が集中し接続不良の原因になる。上記
線膨張係数は、好ましくは20〜150ppmで、より
好ましくは30〜100ppmである。上記微粒子とし
ては、より好ましくは、K値2000〜8000N/m
m2、回復率50%以上、常温での線膨張係数30〜1
00ppmであるものである。
接続フィルムとして用いる場合は、微粒子は導電性微粒
子である必要がある。該導電性微粒子としては、高分子
量体のコアに導電層として金属の被覆層を設けたものが
好適に用いられる。上記金属としては特に限定されない
が、ニッケル又は金を含むものが挙げられる。電極との
接触抵抗や導電性及び酸化劣化を起こさないという点か
ら表面層が金であることが好ましく、また、導電性微粒
子には、複層化のためのバリア層やコアと金属の密着性
向上のためニッケル層を設けることが好ましい。上記金
属被覆層の厚みは、0.3μm以上であることが好まし
い。0.3μm未満であると、導電性微粒子を取り扱う
際に金属被覆膜が剥離することがある。また、本発明の
微粒子配置フィルムを導電接続フィルムとして用いる場
合に、充分な導通が得られなかったり、対向電極を接続
するために加圧した際に金属被覆膜が破壊され、接続不
良の原因となることがある。より好ましくは1.0μm
以上、更に好ましくは2.0μm以上である。一方、コ
アである高分子量体の特性が失われないよう金属被覆層
の厚さは微粒子の直径の1/5以下であることが好まし
い。
の10%圧縮した場合、単粒子の導電抵抗、即ち、抵抗
値が3Ω以下であることが好ましい。導電抵抗が3Ωを
超えると充分な電流値を確保できなかったり、大きな電
圧に耐えられず素子が正常に作動しなくなることがあ
る。上記導電抵抗は好ましくは0.3Ω以下で、より好
ましくは0.05Ω以下であり、更に0.01Ω以下で
は電流駆動型の素子でも高い信頼性を保ったまま対応が
可能になる等著しく効果が高まる。
ルムとしては、例えば、高分子量体及びその複合物;セ
ラミック、金属、カーボン等の無機物や低分子量化合物
等を用いることができるが、適度な弾性や柔軟性、回復
性を持つものが得やすいという点から高分子量体及びそ
の複合物が好ましい。上記高分子量体としては、例え
ば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂;硬化性樹脂、架橋樹脂、
有機無機ハイブリッド重合体等が挙げられる。これらの
うち、不純物が少なく広い物性の範囲のものが得やすい
という点からエポキシ系樹脂が好ましい。エポキシ系樹
脂には未硬化のエポキシと上記樹脂との混合物や半硬化
状態のものが含まれる。また、必要に応じてガラス繊維
やアルミナ粒子等の無機充填物を含んでいてもよい。
の1/2〜2倍であることが好ましい。平均粒径の1/
2未満では配置された粒子が穴からズレ易くなる。ま
た、本発明の微粒子配置フィルムを導電接続フィルムと
して用いる際、フィルム部分で基板を支持しにくくな
る。2倍を超えると、余剰粒子が穴に入りやすくなる。
また、本発明の微粒子配置フィルムを導電接続フィルム
として用いる際、微粒子が電極に届かず接続不良の原因
となる。上記フィルムの厚みは好ましくは微粒子の平均
粒径の2/3〜1.5倍、更に好ましくは3/4〜1.
3倍、0.8〜1.2倍では著しい効果が得られる。更
に好ましくは0.9〜1.1倍である。特に、本発明の
微粒子配置フィルムを導電接続フィルムとして用いる場
合、素子又は基板の電極上にバンプがあるような場合に
はフィルムの厚みは微粒子の平均粒径の1倍以上である
ことが好ましく、逆にバンプがない場合には1倍以下で
あることが好ましい。
Pa以下であることが好ましい。これを越えると微粒子
が傷ついたり、若干の外力がかかった際に弾け飛んだり
することがある。上記ヤング率は好ましくは2GPa以
下であり、更に0.5GPa以下では著しい効果が得ら
れる。
により接着性を有することが好ましい。特に、本発明の
微粒子配置フィルムを導電接続フィルムとして用いる場
合、素子及び基板の電極とフィルムの導電性微粒子との
位置を合わせれば、押圧又は加熱のみで接続することが
可能となる。更に、本発明で用いるフィルムは加熱又は
UV照射により硬化することが好ましく、これにより接
続の信頼性を飛躍的に高めることができる。これら、接
着、硬化の機能は、別途硬化型接着剤を塗布することに
よっても得られるが、フィルム自体がこの機能を持つこ
とにより本発明の微粒子配置フィルムの製造工程を非常
に簡略化することができる。
での線膨張係数が10〜200ppmであることが好ま
しい。上記線膨張係数が10ppm未満では微粒子との
線膨張の差が大きいために、導電接続フィルムとして用
いた場合、熱サイクル等がかかった際微粒子の伸びに追
従することができず、電気的接続が不安定になることが
ある。逆に200ppmを超えると、熱サイクル等がか
かった際電極間が広がりすぎ、微粒子が電極から離れ接
続不良の原因になることがある。上記線膨張係数は、好
ましくは20〜150ppmであり、より好ましくは3
0〜100ppmである。
表面の任意の位置に平均穴径が上記微粒子の平均粒径の
1/2〜2倍、アスペクト比2未満、CV値20%以下
の穴が設けられており、微粒子は、穴の表面上又は中に
配置されている。
1/2〜2倍である。微粒子の平均粒径の1/2未満で
は、配置された粒子が穴からズレ易くなる。また、本発
明の微粒子配置フィルムを導電接続フィルムとして用い
る際、粒子が裏面からでにくいため粒子が電極に届かず
接続不良の原因となる。逆に2倍を超えると、余剰粒子
が穴に入り込んだり、フィルムを貫通してフィルムから
落ちてしまったりする。上記平均穴径は、好ましくは微
粒子の平均粒径の2/3〜1.5倍であり、より好まし
くは4/5〜1.3倍であり、更に好ましくは0.9〜
1.2倍であり、特に好ましくは0.95〜1.1倍で
あり、1〜1.05倍が最も好ましい。
こで、穴のアスペクト比は穴径の平均長径を平均短径で
割った値である。アスペクト比が2以上では、微粒子が
フィルムの穴からズレたり多数の微粒子が穴に詰まった
りする。また、本発明の微粒子配置フィルムを導電接続
フィルムとして用いる場合、微粒子が電極に届かず接続
不良の原因となる。アスペクト比は好ましくは1.5以
下であり、より好ましくは1.3以下であり、更に好ま
しくは1.1以下である。
で、穴のCV値は、(σ2/Dn2)×100%(σ2
は穴径の標準偏差を表し、Dn2は平均穴径を表す)で
表される。穴のCV値が20%超えると穴径が不揃いと
なるので、小さい穴では粒子がフィルムの穴からズレた
り、大きい穴では粒子が多数個が詰まったり、粒子が貫
通してしまったりする。また、本発明の微粒子配置フィ
ルムを導電接続フィルムとして用いる場合、微粒子が電
極に届かず接続不良の原因となる。穴のCV値は好まし
くは10%以下であり、より好ましくは5%以下であ
り、更に2%以下では著しく効果が高まる。
は、吸引により微粒子を配置する場合には、吸引した状
態での平均穴径、CV値、アスペクト比を示す。上記穴
としては、なかでも、平均穴径が微粒子の平均粒径の4
/5〜1.3倍、CV値5%以下、アスペクト比1.3
未満であるものが好ましい。上記穴は、表面から裏面に
向けて厚み方向にテーパー状又は階段状になっているこ
とが好ましい。この場合吸引された粒子がより安定に配
置され、ズレ等を発生しにくい。
径は、フィルム表面の平均穴径以下であり、かつ、フィ
ルム表面の平均穴径の50%以上であることが好まし
い。裏面の平均穴径が表面の平均穴径より大きいと配置
された粒子が穴からズレ易かったり粒子がフィルムを貫
通してしまったりする。フィルム裏面の平均穴径が表面
の平均穴径の50%未満では、配置された粒子が穴から
ズレ易くなる。また、本発明の微粒子配置フィルムを導
電接続フィルムとして用いる際、フィルム裏面の平均穴
径が表面の平均穴径の50%未満では、粒子が裏面から
でにくいため粒子が電極に届かず接続不良の原因とな
る。フィルム裏面の平均穴径は好ましくは、表面の平均
穴径の70%以上であり、より好ましくは80%以上で
あり、更に90〜95%であるのが好ましい。
吸引時に表面(微粒子の侵入側)に実質的にタックのな
いフィルムの任意の位置に穴を設け、フィルムの裏面か
ら吸引し、微粒子を穴の表面上又は中に配置する方法に
より作製することができる。上記微粒子の配置方法もま
た本発明の1つである。なお、本明細書において、実質
的にタックがないとは、少なくとも吸引している状態で
フィルムの穴に配置された粒子と配置されていない粒子
に対し、フィルムの厚み方向に垂直な成分を持つある外
力を同じ大きさで加えたときに、配置されていない粒子
のみを移動させることができる状態を意味する。上記微
粒子配置フィルムに穴を設ける方法としては特に限定さ
れないが、レーザーを用いた穴開け加工が好ましい。ド
リル等を用いて機械的に行う穴開け加工では、所望の寸
法精度が得られにくく、また、加工に要する時間がかか
ることがある。穴開け加工用レーザーとしては、例え
ば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレー
ザー等が挙げられる。必要となる寸法精度とコストとを
考慮して、用いるレーザーの種類を決定する。
場合、吸引側の真空度は以下の条件に従うことが好まし
い。 (1)微粒子の平均粒径が800〜200μmである場
合、−10kPa以下 (2)微粒子の平均粒径が200〜40μmである場
合、−20kPa以下 (3)微粒子の平均粒径が40μm未満である場合、−
30kPa以下
め微粒子が充分吸引されず配置されなかったり配置され
ても穴からズレ易くなったりする。より好ましくは、真
空度は−25kPa以下(平均粒径800〜200μ
m)、−35kPa以下(平均粒径200〜40μ
m)、−45kPa以下(平均粒径40μm未満)であ
り、より好ましくは−40kPa以下(平均粒径800
〜200μm)、−50kPa以下(平均粒径200〜
40μm)、−60kPa以下(平均粒径40μm未
満)である。
持っているとフィルム自体が吸引により変形する場合が
あるので吸引時に吸引口に支持板を設けることが好まし
い。上記支持板としては吸引を阻害しないものであれば
特に限定されず、例えば、メッシュ等が挙げられる。
ィルムとして用いる場合、フィルムに付着した余分な微
粒子は隣接電極のショートの原因となるので、エアーパ
ージ又はブラシ及びブレード、スキージ等で余分な付着
粒子を除去する工程を含むことが好ましい。なかでも、
微粒子を吸引した状態でブラシで取り除くことがより好
ましい。
置をより安定化する目的で軽いプレスを行うことが好ま
しい。これにより配置された微粒子は著しく安定化し、
ズレ等による欠落を起こすことがなくなる。また、配置
された微粒子を固定するために後から接着剤やシール剤
を表面及び裏面から塗布してもよい。
ることが好ましい。フィルム中にあると、フィルム面外
に重心がある場合に比べ著しく安定で、やはりズレ等に
よる欠落を起こすことがない。通常微粒子は帯電しやす
く、付着や粒子の凝集を起こしやすいので微粒子の配置
は除電を行いながら行うことが好ましい。
裏両面に表出していることが好ましい。微粒子の表面が
フィルムの表裏両面に表出していると、本発明の微粒子
配置フィルムを導電接続フィルムとして用いる場合に、
より確実な接続を行うことができる。
は特に限定されず、例えば、光学用フィルムやセンサ
ー、スイッチングフィルム、導電接続フィルム等が挙げ
られる。このなかでも、液晶ディスプレー、パーソナル
コンピュータ、携帯通信機器等のエレクトロニクス製品
において、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接
続したり、基板同士を電気的に接続する方法のうち、微
細な電極を対向させて接続する際に用いられる導電接続
フィルムとして好適に使用される。上記導電接続フィル
ムもまた本発明の1つである。この場合、微粒子として
は導電性微粒子を用いる。
ジッド基板とに大別される。上記フレキシブル基板とし
ては、例えば、50〜500μm厚みを有し、ポリイミ
ド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン等からな
る樹脂シートが用いられる。上記リジッド基板として
は、樹脂製のものとセラミック製のものとに大別され
る。上記樹脂製のものとしては、例えば、ガラス繊維強
化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロース繊維強化
フェノール樹脂等からなるものが挙げられ、上記セラミ
ック製のものとしては、例えば、二酸化ケイ素、アルミ
ナ等からなるものが挙げられる。上記基板としては、微
粒子を電極に充分押しつけることができるという観点か
らよりリジッドな基板が好ましい。
してもよいし、また、単位面積当たりの電極数を増やす
ために、例えば、スルーホール形成等の手段により、複
数の層を形成し、相互に電気的接続を行わせる多層基板
を使用してもよい。
ば、IC、LSI等の半導体等の能動部品;コンデン
サ、水晶振動子等の受動部品;ベアチップ等が挙げられ
る。本発明の導電接続フィルムは、特にベアチップの接
合用として好適である。更に、通常ベアチップをフリッ
プチップで接合する場合にはバンプが必要となるが、本
発明の導電接続フィルムを用いた場合、微粒子がバンプ
の役目を果たすためバンプレスでの接続が可能であり、
バンプ作製における煩雑な工程を省くことができるとい
う大きなメリットがある。
き電極以外の場所に微粒子が存在すると、チップの保護
膜を破壊してしまう等の不具合が発生するが、本発明の
導電接続フィルムではそのような不具合が起こらない。
また、導電性微粒子が上述したような好ましいK値やC
V値等である場合は、アルミ電極のような酸化されやす
い電極も、その酸化膜を破って接続することができる。
れる。上記電極の形状としては特に限定されず、例え
ば、縞状、ドット状、任意形状のもの等が挙げられる。
上記電極の材質としては、例えば、金、銀、銅、ニッケ
ル、パラジウム、カーボン、アルミニウム、ITO等が
挙げられる。接触抵抗を低減させるために、銅、ニッケ
ル等の上に更に金を被覆したものを用いてもよい。上記
電極の厚みは、0.1〜100μmが好ましい。上記電
極の幅は、1〜500μmが好ましい。
び、該導電接続フィルムを用いて導電接続構造体を製造
する方法の一実施態様を図1に示す。まず、レーザーを
用いてフィルム1にテーパー状の穴を開ける。次に、フ
ィルム1に形成された穴全てを覆い、なおかつ空気漏れ
がないように、フィルム1の穴径の小さい側の面に吸い
口3を当て、導電性微粒子2の吸引を行う。これによ
り、フィルム1に形成された各穴に導電性微粒子2が一
つずつ過不足なく配置された導電接続フィルムが得られ
る。次に、フィルム1に形成された穴と等間隔で電極6
が設けられた基板5上に、電極6と導電性微粒子2とが
接するように導電接続フィルムを載置し、更に、その上
に、同様に等間隔で電極6が設けられたIC4を電極6
が形成されている面が下になり、かつ、電極6と導電性
微粒子2が接するように積層し、加熱、加圧する。これ
により、基板5とIC4とが導電接続フィルムにより導
通されてなる導電接続構造体が得られる。
着機やボンディングマシーン等が用いられる。また、フ
ィルム自体が接着性能や硬化性能を持たない場合は、補
助的に接着剤をフィルム面上に塗布して用いる等しても
よい。上記導電接続フィルムを用いて接続されてなる基
板や部品等の導電接続構造体もまた本発明の1つであ
る。
としては、やはり導電性微粒子を用いてバンプの形成材
料として用いることができる。この場合には、例えばチ
ップの電極上に本発明の配置フィルムの導電性微粒子が
くるように置き、押圧しながら固定する等の方法でバン
プを作製することができる。これらの場合、補助的に銀
ペースト等を用いてもかまわない。
粒子を特定の穴の開いたフィルムの裏面から吸引するこ
とにより、フィルムの任意の位置に効率よく過不足なく
微粒子を安定した状態で容易に配置することができ、任
意の位置に安定的に微粒子を配置したフィルムを得るこ
とができる。
は、特定の導電性微粒子が任意に配置された特定のフィ
ルムを用いることにより、微細な対向電極を隣接電極の
リークがなく接続信頼性の高い電気的接続及び接続構造
体を短時間で容易に得ることができる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
ルメタクリル系架橋共重合体を篩と気流分級とにより分
級し、平均粒径150μm、アスペクト比1.05、C
V値2%の微球体を得た。また、ヤング率2GPa、厚
み150μm、2cm角の大きさのポリエステルフィル
ムに、0.5mmピッチで正方形状になるように32個
の穴を、エキシマレーザーで表面150μm、裏面12
0μmのテーパー状で穴のCV値3%、アスペクト比
1.05になるように開けた。エキシマレーザーを用い
ることにより、所望の寸法・形状を精度よく得ることが
できた。このフィルムの裏側に直径7mmの吸い口を、
フィルムの穴全てを覆い、なおかつ漏れがないように当
て、−50kPaの真空度で吸引を行いながら、微粒子
に近づけ微粒子の吸着を行った。数秒程度でフィルムの
各穴には粒子が一つづつ過不足なく配置されていた。こ
の間微粒子の付着がないよう除電を行っていた。微粒子
を吸着配置させた後、真空を解放し微粒子を安定化させ
るためフィルムをガラス板に挟み軽くプレスした。微粒
子の重心はフィルムの中にあり、フィルムに振動を与え
ても粒子が穴から離れることはなかった。
クト比1.15、CV値4%のポリスチレンの微粒子を
用意した。また、ヤング率6GPa、厚み180μm、
2cm角の大きさのポリイミドフィルムに0.5mmピ
ッチで正方形状になるように32個の穴を、CO2レー
ザーで表面220μm、裏面190μmのテーパー状で
穴のCV値6%、アスペクト比1.25になるように開
けた。CO2レーザーを用いることにより、所望の寸法
・形状を精度よく得ることができた。このフィルムの裏
側に直径7mmの吸い口を、フィルムの穴全てを覆い、
なおかつ漏れがないように当て、−30kPaの真空度
で吸引を行いながら、微粒子に近づけ微粒子の吸着を行
った。ごくわずかな粒子が真空側に逃げたり、ごくわず
かな粒子の付着がみられたものの、軽いエアーパージに
より除くことができた。また、ごくわずかな粒子でズレ
がみられたものの、別の粒子ですぐに吸着しリカバーす
ることができた。
つづつ過不足なく配置されていた。微粒子を吸着配置さ
せた後、真空を解放したところ、微粒子の重心はフィル
ム面の外にあったが、フィルムに振動を与えなければ粒
子が穴から離れることはなかった。
ビニルベンゼン系共重合体を篩と湿式分級とにより分級
し微球体を得た。この後、無電解メッキにより厚み0.
2μmのニッケル層を付け、更に電気メッキにより厚み
2.3μmの金層を付けた。更にこの粒子を分級し、平
均粒径75μm、アスペクト比1.03、CV値1%、
K値4000N/mm2、回復率60%、常温での線膨
張係数50ppm、抵抗値0.01Ωの金属被覆微球体
を得た。また、ヤング率0.4GPa、厚み68μm、
1cm角の大きさの半硬化状態のエポキシ系フィルムに
ICチップの電極と位置が合うように約300μmのピ
ッチで18個の穴を約3mm離して2列、CO2レーザ
ーで表面75μm裏面、68μmのテーパー状で穴のC
V値2%、アスペクト比1.04になるように開けた。
CO2レーザーを用いることにより、所望の寸法・形状
を精度よく得ることができた。このフィルムの裏側に直
径8mmの吸い口を、フィルムの穴全てを覆い、なおか
つ漏れがないように当て、−65kPaの真空度で吸引
を行いながら、微粒子に近づけ微粒子の吸着を行った。
この際、吸い口にはフィルム支持用に目開き50μmの
SUS製のメッシュを備え付けた。数秒程度でフィルム
の各穴には粒子が一つづつ過不足なく配置されていた。
この間微粒子の付着がないよう除電を行っていた。ま
た、余分な付着粒子はほとんどみられなかったが、念の
ため異物の除去を兼ねて柔軟なブラシにより表面を掃い
た。微粒子を吸着配置させた後、真空を解放し微粒子を
安定化させるためフィルムをガラス板に挟み軽くプレス
した。微粒子の重心はフィルムの中にあり、フィルムに
振動を与えても粒子が穴から離れることはなかった。
ムを電極パターンが描かれたFR−4基板の上に電極の
位置と導電性微粒子の位置が合うように載せ、軽く押圧
し仮圧着した後、チップのアルミ電極の位置と導電性微
粒子の位置とを合わせ加熱圧着し、エポキシ樹脂を硬化
させフリップチップ接合を行った。硬化後のエポキシ樹
脂の常温での線膨張係数は50ppmであった。
電極で安定した導通がとれ隣接電極でのリークがないた
めに通常通り作動し、−25〜100℃の熱サイクルテ
ストを1000回行ったが、低温時でも高温時でも接続
部の抵抗値アップや作動に異常はみられなかった。ま
た、衝撃試験を行ったがノイズをひろったり、瞬間的に
断線することはなかった。チップ側の電極と導電性微粒
子との接触面を観察したが、接触面積はどの粒子もほぼ
等しく薄膜状の樹脂は入り込んでいなかった。
合体の微球体に、無電解メッキにより厚み0.1μmの
ニッケル層を付け、更に電気メッキにより厚み0.9μ
mの金層を付けた。この粒子を分級し、平均粒径45μ
m、アスペクト比1.05、CV値2%、K値2000
N/mm2、回復率50%、常温での線膨張係数80p
pm、抵抗値0.03Ωの金属被覆微球体を得た。ま
た、ヤング率2GPaの厚み60μm、1cm角の大き
さの半硬化状態のガラス−エポキシ系フィルムにICチ
ップの電極と位置が合うように約150μmのピッチで
16個の穴を約2mm離して2列、エキシマレーザーで
表面43μm、裏面38μmのテーパー状で穴のCV値
2%、アスペクト比1.05になるように開けた。エキ
シマレーザーを用いることにより、所望の寸法・形状を
精度よく得ることができた。このフィルムの裏側に直径
5mmの吸い口を、フィルムの穴全てを覆い、なおかつ
漏れがないように当て、−65kPaの真空度で吸引を
行いながら、微粒子に近づけ微粒子の吸着を行った。数
秒程度でフィルムの各穴には粒子が一つづつ過不足なく
配置されていた。この間微粒子の付着がないよう除電を
行った。また、余分な付着粒子はほとんどみられなかっ
たが、念のため異物の除去を兼ねて柔軟なブラシにより
表面を掃いた。微粒子を吸着配置させた後、真空を解放
し微粒子を安定化させるためフィルムをガラス板に挟み
軽くプレスした。微粒子の重心はフィルムの中にあり、
フィルムに振動を与えても粒子が穴から離れることはな
かった。
ムを電極パターンが描かれたセラミック基板の上に電極
の位置と導電性微粒子の位置が合うように載せ、軽く押
圧加熱し仮圧着した後、約20μmの金バンプの付いた
チップの金電極の位置と導電性微粒子の位置とを合わせ
加熱圧着しエポキシ樹脂を硬化させフリップチップ接合
を行った。硬化後のガラス−エポキシの常温での線膨張
係数は30ppmであった。
電極で安定した導通がとれ隣接電極でのリークがないた
めに通常通り作動し、−25〜100℃の熱サイクルテ
ストを1000回行ったが、低温時でも高温時でも接続
部の抵抗値アップや作動に異常はみられなかった。ま
た、衝撃試験を行ったがノイズをひろったり、瞬間的に
断線することはなかった。チップ側の電極と導電性微粒
子との接触面を観察したが、接触面積はどの粒子もほぼ
等しく薄膜状の樹脂は入り込んでいなかった。
微球体に、無電解メッキにより厚さ0.4μmのニッケ
ル層を付け、更に無電解置換メッキにより厚さ0.1μ
mの金層を付けた。この粒子を分級し、平均粒径200
μm、アスペクト比1.1、CV値2%、K値3000
N/mm2、回復率70%、常温での線膨張係数60p
pm、抵抗値0.3Ωの金属被覆微球体を得た。また、
ヤング率0.8GPa、厚み170μm、2cm角の大
きさの半硬化状態のエポキシ系フィルムに0.5mmピ
ッチで正方形状になるように32個の穴を、ドリルで表
面230μm、裏面150μmの階段状で穴のCV値3
%、アスペクト比1.2になるように開けた。
を、フィルムの穴全てを覆い、なおかつ漏れがないよう
に当て、−40kPaの真空度で吸引を行いながら、微
粒子に近づけ微粒子の吸着を行った。十数秒程度でフィ
ルムの各穴には粒子がほぼ一つづつ過不足なく配置され
ていた。この間微粒子の付着がないよう除電を行ってい
た。ごく希に穴付近に余分な付着粒子の付着がみられた
が、柔軟なブラシにより表面を掃くことにより簡単に除
去することができた。微粒子を吸着配置させた後、真空
を解放し微粒子を安定化させるためフィルムをガラス板
に挟み軽くプレスした。微粒子の重心はフィルムの中に
あり、フィルムに振動を与えても粒子が穴から離れるこ
とはなかった。
ムを電極パターンが描かれたFR−4基板の上に電極の
位置と導電性微粒子との位置が合うように載せ、軽く押
圧加熱し仮圧着した後、0.5mmピッチで正方形状に
なるように32個の電極が設けられたセラミックのダミ
ーチップの電極の位置と導電性微粒子の位置とを合わせ
加熱圧着しエポキシ樹脂を硬化させフリップチップ接合
を行った、硬化後のエポキシ樹脂の常温での線膨張係数
は80ppmであった。
抗は高めであったが全てきちんと導通しており、−25
〜100℃の熱サイクルテストを1000回行ったとこ
ろ、やや抵抗の上昇がみられたが問題となるほどではな
かった。また、低温時でも高温時でも接続部の抵抗値ア
ップはほとんどみられなかった。また、衝撃試験を行っ
たがノイズをひろったり、瞬間的に断線することはなか
った。チップ側の電極と導電性微粒子との接触面を観察
したが、粒子により若干接触面積の違いはあるものの薄
膜状の樹脂は入り込んでいなかった。
脂粒子の代わりにシリカの微球体に、無電解メッキによ
り厚み0.4μmのニッケル層を付け、更に無電解置換
メッキにより厚み0.1μmの金層を付けた。この粒子
を分級し、平均粒径200μm、アスペクト比1.1、
CV値2%、K値16000N/mm2、回復率95
%、常温での線膨張係数10ppm、抵抗値0.3Ωの
金属被覆微球体を得た。この微球体を用いた導電接続フ
ィルムを用い実施例5と同様にフリップチップ接合を行
った。
抗は高めであったが全てきちんと導通しており、−25
〜100℃の熱サイクルテストを1000回行ったとこ
ろ、抵抗の上昇がみられたが問題となるほどではなかっ
た。高温時に導通が若干不安定になったり、衝撃試験で
若干ノイズ等をひろうことがあったものの素子によって
は充分使用可能と考えられた。チップ側の電極と導電性
微粒子との接触面を観察したが、粒子により接触面積の
違いはあるものの薄膜状の樹脂は入り込んでいなかっ
た。
脂粒子の代わりに非架橋のアクリル微球体に、無電解メ
ッキにより厚み0.4μmのニッケル層を付け、更に無
電解置換メッキにより厚み0.1μmの金層を付けた。
この粒子を分級し、平均粒径200μm、アスペクト比
1.1、CV値2%、K値200N/mm2、回復率4
%、常温での線膨張係数150ppm,抵抗値0.3Ω
の金属被覆微球体を得た。この微球体を用いた導電接続
フィルムを用い実施例5と同様にフリップチップ接合を
行った。
抗は高めであったが全てきちんと導通しており、−25
〜100℃の熱サイクルテストを1000回行ったとこ
ろ、抵抗の上昇がみられたが問題となるほどではなかっ
た。低温で導通が若干不安定になったり、衝撃試験で若
干ノイズ等をひろうことがあったものの素子によっては
充分使用可能と考えられた。チップ側の電極と導電性微
粒子との接触面を観察したが、粒子により接触面積の違
いはあまりみられず、薄膜状の樹脂は入り込んでいなか
った。
ィルムの代わりにヤング率20GPaのセラミックのフ
ィルムを用いたことを除いては、同様に粒子の吸着を行
ったところ、吸着させる際、一旦は配置されたものの振
動衝撃により弾き飛ばされる粒子が観察され、配置させ
るのに若干余分な時間がかかった。また、配置された粒
子の被覆金属の一部に小さな傷や剥離がみられたもの
の、実用的には問題のないものであった。
ビニルベンゼン系共重合体を篩と湿式分級により分級し
微球体を得た。この後、無電解メッキにより厚み0.2
μmの金層を付け、更に電気メッキにより厚み1.8μ
mの金層を付けた。更にこの粒子を分級し、平均粒径7
5μm、アスペクト比1.03、CV値1%、K値38
00N/mm 2、回復率60%、常温での線膨張係数5
0ppm、抵抗値0.01Ωの金属被覆微球体を得た。
このようにして得られた導電性微粒子を観察したが、金
属被覆膜の剥離等は観察されなかった。また、ヤング率
0.4GPa、厚み68μm、1cm角の大きさの半硬
化状態のエポキシ系フィルムにICチップの電極と位置
が合うように約300μmのピッチで18個の穴を約3
mm離して2列、CO2レーザーで表面75μm、裏面
68μmのテーパー状で穴のCV値2%、アスペクト比
1.04になるように開けた。CO2レーザーを用いる
ことにより、所望の寸法・形状を精度よく得ることがで
きた。このフィルムの裏側に直径8mmの吸い口を、フ
ィルムの穴全てを覆い、なおかつ漏れがないように当
て、−65kPaの真空度で吸引を行いながら、微粒子
に近づけ微粒子の吸着を行った。この際、吸い口にはフ
ィルム支持用に目開き50μmのSUS製のメッシュを
備え付けた。数秒程度でフィルムの各穴には粒子が1つ
づつ過不足なく配置されていた。この間微粒子の付着が
ないよう徐電を行っていた。また、余分な付着粒子はほ
とんどみられなかったが、念のため異物の除去を兼ねて
柔軟なブラシにより表面を掃いた。微粒子を吸着配置さ
せた後、真空を開放し微粒子を安定化させるためフィル
ムをガラス板に挟み軽くプレスした。微粒子の重心はフ
ィルムの中にあり、フィルムに振動を与えても粒子が穴
から離れることはなかった。
ムを電極パターンが描かれたFR−4基板の上に電極の
位置と導電性微粒子の位置とが合うように載せ、軽く押
圧し仮圧着した後、チップのアルミ電極の位置と導電性
微粒子の位置とを合わせ加熱圧着し、エポキシ樹脂を硬
化させフリップチップ接合を行った。硬化後のエポキシ
樹脂の常温での線膨張係数は50ppmであった。加熱
圧着後の導電性微粒子を観察したが、金属被覆膜の破壊
による剥がれ等は認められなかった。
電極で安定した導通がとれ隣接電極でのリークがないた
めに通常通り作動し、−25〜100℃の熱サイクルテ
ストを1000回行ったが、低温時でも高温時でも接続
部の抵抗値アップや作動に異常はみられなかった。ま
た、衝撃試験を行ったがノイズをひろったり、瞬間的に
断線することもなかった。チップ側の電極と導電性微粒
子との接触面を観察したが、接触面積はどの粒子もほぼ
等しく薄膜状の樹脂は入り込んでいなかった。
ト比1.5、CV値15%の微球体を用いたこと以外は
同様に微粒子配置フィルムを得ようとしたが、吸引の際
に多数の微粒子が真空側に逃げたり、2粒子以上が詰ま
る穴があり、偏平粒子や大きな粒子が一度は吸引され配
置されたものの真空を解放した時点でズレてしまった。
表面の穴径を70μm、裏面を50μmにしたこと以外
は同様に微粒子配置フィルムを得ようとしたが、粒子が
一度は吸引され配置されたものの吸引状態でもズレてし
まうものがあり、真空を解放した時点でほとんどの粒子
がズレてしまった。
表面の穴径を310μm、裏面を250μmにしたこと
以外は同様に微粒子配置フィルムを得ようとしたが、微
粒子が真空側に逃げてしまい粒子を配置することができ
なかった。
表面の穴をアスペクト比2、CV値25%にしたこと以
外は同様に微粒子配置フィルムを得ようとしたが、吸引
の際に多数の微粒子が真空側に逃げたり、2粒子以上が
詰まる穴があり、一度は吸引され配置されたものの真空
を解放した時点でズレてしまう粒子があった。
4μmのメチルメタクリル系架橋共重合体微粒子を3〜
4μm程度の穴を開けたポリエステルの薄いフィルム中
に吸着を行おうとしたが、静電引力等による付着が多く
適切に配置させることができなかった。
フィルム中にランダムに金属被覆微球体を分散させAC
Fを作製し、これを用いたことを除いては同様にフリッ
プチップ接合を行おうとしたが、導電性微粒子が少ない
と導通が得られていない電極が発生した。徐々に導電性
微粒子を増やしていったが途中で隣接電極がリークする
部分が発生した。また、チップの電極以外の部分に大き
めの粒子が来た際に、加重がそこに集中しチップの保護
膜を破壊する現象がみられた。これにより、少なくとも
同じ大きさの導電性微粒子を用いる限りにおいては、明
らかに配置されている方が微細ピッチに対応可能である
ことがわかった。また、導通が得られた部分についても
電極との接触面の一部に薄膜状に樹脂が入り込んでいる
ことが観察された。
ト比1.5、CV値12%の微球体を用いた導電接続フ
ィルムを作製し、この導電接続フィルムを用い実施例4
と同様にフリップチップ接合を行ったが、熱圧条件を変
更しても導通がとれていない電極部分が多数発生した。
ッキにより厚み0.1μmのニッケル層を付け、更に電
気メッキにより厚み0.1μmの金層を付けた金属被覆
微球体を用いた導電接続フィルムを作製し、この導電接
続フィルムを用い実施例3と同様にフリップチップ接合
を行ったが、金属被覆層の破壊が起こり、導通がとれて
いない電極部分が多数発生した。
定の微粒子を特定の穴の開いたフィルムの裏面から吸引
することにより、フィルムの任意の位置に効率よく過不
足なく微粒子を安定した状態で容易に配置することがで
き、任意の位置に安定的に微粒子を配置したフィルムを
得ることができる。また、本発明によれば、特定の導電
性微粒子が任意に配置された特定なフィルムを用いるこ
とにより、微細な対向電極を隣接電極のリークがなく接
続信頼性の高い電気的接続及び接続構造体を短時間で容
易に得ることができる。
施態様を表した図である。
Claims (31)
- 【請求項1】 平均粒径5〜800μm、アスペクト比
1.5未満、CV値10%以下の微粒子が配置されてい
る微粒子配置フィルムであって、フィルム表面の任意の
位置に、平均穴径が前記微粒子の平均粒径の1/2〜2
倍、アスペクト比2未満、CV値20%以下の穴が設け
られており、前記微粒子は、前記穴の表面上又は中に配
置されていることを特徴とする微粒子配置フィルム。 - 【請求項2】 微粒子の表面が、フィルムの表裏両面に
表出していることを特徴とする請求項1記載の微粒子配
置フィルム。 - 【請求項3】 微粒子は、平均粒径20〜150μm、
アスペクト比1.1未満、CV値2%以下の球状粒子で
あることを特徴とする請求項1又は2記載の微粒子配置
フィルム。 - 【請求項4】 微粒子は、コアが高分子量体であること
を特徴とする請求項1、2又は3記載の微粒子配置フィ
ルム。 - 【請求項5】 微粒子は、K値400〜15000N/
mm2、回復率5%以上、常温での線膨張係数10〜2
00ppmであることを特徴とする請求項1、2、3又
は4記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項6】 微粒子は、K値2000〜8000N/
mm2、回復率50%以上、常温での線膨張係数30〜
100ppmであることを特徴とする請求項1、2、
3、4又は5記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項7】 微粒子は、金属の被覆層を有することを
特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の微粒
子配置フィルム。 - 【請求項8】 金属の被覆層の厚みが0.3μm以上で
あることを特徴とする請求項7記載の微粒子配置フィル
ム。 - 【請求項9】 金属は、ニッケル又は金を含むものであ
ることを特徴とする請求項7又は8記載の微粒子配置フ
ィルム。 - 【請求項10】 微粒子は、抵抗値が3Ω以下であるこ
とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8
又は9記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項11】 微粒子は、抵抗値が0.05Ω以下で
あることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
7、8、9又は10記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項12】 フィルムの厚みが微粒子の平均粒径の
1/2〜2倍であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の微粒
子配置フィルム。 - 【請求項13】 フィルムの厚みが微粒子の平均粒径の
3/4〜1.3倍であることを特徴とする請求項1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12
記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項14】 フィルム表面のヤング率が10GPa
以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載の
微粒子配置フィルム。 - 【請求項15】 フィルムが押圧又は加熱により接着性
を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載
の微粒子配置フィルム。 - 【請求項16】 フィルムが加熱又はUV照射により硬
化することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14又は1
5記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項17】 フィルムの硬化後の線膨張係数が10
〜200ppmであることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15又は16記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項18】 穴は、表面の平均穴径が微粒子の平均
粒径の4/5〜1.3倍、CV値5%以下、アスペクト
比1.3未満であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16又は17記載の微粒子配置フィル
ム。 - 【請求項19】 穴は、厚み方向にテーパー状又は階段
状であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、1
5、16、17又は18記載の微粒子配置フィルム。 - 【請求項20】 フィルム裏面の平均穴径がフィルム表
面の平均穴径以下であり、かつ、フィルム表面の平均穴
径の50%以上であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16、17、18又は19記載の微粒
子配置フィルム。 - 【請求項21】 フィルム裏面の平均穴径がフィルム表
面の平均穴径以下であり、かつ、フィルム表面の平均穴
径の80%以上であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、15、16、17、18、19又は20記載
の微粒子配置フィルム。 - 【請求項22】 穴開け加工を、レーザーを用いて行う
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20又は21記載の微粒子配置フィ
ルム。 - 【請求項23】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21又は22記載の微粒子配
置フィルムであって、微粒子は、導電性微粒子であるこ
とを特徴とする導電接続フィルム。 - 【請求項24】 請求項23記載の導電接続フィルムを
用いて接続してなることを特徴とする導電接続構造体。 - 【請求項25】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12、13、14、15、16、
17、18、19、20、21又は22記載の微粒子配
置フィルムのとおりにフィルムに微粒子を配置する微粒
子の配置方法であって、表面に実質的にタックのない前
記フィルムの裏面から前記微粒子を吸引することを特徴
とする微粒子の配置方法。 - 【請求項26】 微粒子の吸引は、気体の吸引により行
い、吸引側の真空度が前記微粒子の平均粒径が800〜
200μmである場合、−10kPa以下であり、前記
微粒子の平均粒径が200〜40μmである場合、−2
0kPa以下であり、前記微粒子の平均粒径が40μm
未満である場合、−30kPa以下であることを特徴と
する請求項25記載の微粒子の配置方法。 - 【請求項27】 吸引時に吸引口に支持板を設けること
を特徴とする請求項25又は26記載の微粒子の配置方
法。 - 【請求項28】 エアーパージ又はブラシで余分な付着
粒子を除去する工程を含むことを特徴とする請求項2
5、26又は27記載の微粒子の配置方法。 - 【請求項29】 微粒子を配置したフィルムをプレスす
る工程を含むことを特徴とする請求項25、26、27
又は28記載の微粒子の配置方法。 - 【請求項30】 微粒子の重心がフィルム中にあること
を特徴とする請求項25、26、27、28又は29記
載の微粒子の配置方法。 - 【請求項31】 微粒子の配置を除電しながら行うこと
を特徴とする請求項25、26、27、28、29又は
30記載の微粒子の配置方法。
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