JP2023006170A - はんだバンプ形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】はんだ粒子の形状を揃えずとも電極へのはんだ粒子の転写の確実性を担保できるはんだバンプ形成装置を提供する。【解決手段】はんだバンプ形成装置11は、第1の実施領域R2が設定されたステージ12と、はんだ粒子S1が保持された複数の凹部3を有し、当該凹部3の構成部分がはんだ粒子S1の融点において変形可能な変形部6を有するはんだバンプ形成用部材1を供給する第1の供給部13と、凹部3に保持されたはんだ粒子S1が電極22と対向配置されるように回路部材21を供給する第2の供給部14と、第1の実施領域R2において、電極22をはんだ粒子S1の融点以上の温度に加熱してはんだバンプ形成用部材1に押し当て、変形部6を変形させることではんだ粒子S1を電極22に接触させる加熱加圧ヘッド16と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、はんだバンプ形成装置に関する。
近年、電子部品を高密度実装する手法の一つとして、フリップチップ実装が知られている。フリップチップ実装では、例えば一方の回路部材に設けられた電極に予めはんだバンプを形成し、一方の回路部材の電極と他方の回路部材の電極とをはんだバンプの溶融によって接合する。これにより、回路部材同士の接続構造体が形成される。
電極にはんだバンプを形成する技術としては、例えば特許文献1に記載のはんだバンプ形成方法がある。この従来のはんだバンプ形成方法では、基板の電極の相互間隔に対応して複数の凹部を形成した位置決め板を用意し、当該位置決め板の各凹部内にはんだ粒子をそれぞれ配置する。次に、外周面が粘着面である転写ロールを位置決め板の表面で転がすことで、転写ロールの粘着面にはんだ粒子を転写する。そして、粘着材を設けた基板の電極に転写ロールを転がすことで、転写ロールから基板の電極にはんだ粒子を転写する。
特開2017-157626号公報
上記特許文献1に記載のはんだバンプ形成方法のような手法では、電極へのはんだ粒子の転写の確実性を担保する観点からは、位置決め板の凹部から突出するはんだボールの高さが揃っていることが好ましい。しかしながら、例えば数μmレベルの間隔での電極間の接続に用いられるような微小なはんだ粒子を用いるような場合では、はんだ粒子の形状を揃えることが難しく、電極へのはんだ粒子の転写の確実性の担保が難しいという問題があった。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、はんだ粒子の形状を揃えずとも電極へのはんだ粒子の転写の確実性を担保できるはんだバンプ形成装置を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るはんだバンプ形成装置は、回路部材の電極にはんだバンプを形成するはんだバンプ形成装置であって、電極へのはんだバンプの形成を実施する実施領域が設定されたステージと、はんだ粒子が保持された複数の凹部を有し、当該凹部の構成部分がはんだ粒子の融点において変形可能な変形部を有するはんだバンプ形成用部材を供給する第1の供給部と、はんだバンプ形成用部材の凹部に保持されたはんだ粒子が電極と対向配置されるように回路部材を供給する第2の供給部と、実施領域において、電極をはんだ粒子の融点以上の温度に加熱してはんだバンプ形成用部材に押し当て、変形部を変形させることで凹部に保持されたはんだ粒子を電極に接触させ、はんだ粒子を電極に転写してはんだバンプを形成する加熱加圧部と、を備える。
このはんだバンプ形成装置では、はんだバンプ形成用部材の複数の凹部にはんだ粒子を保持し、転写対象となる電極と共に熱及び圧力を付加することで、電極上にはんだバンプを形成できる。このはんだバンプ形成装置に供給されるはんだバンプ形成用部材では、凹部の構成部分がはんだ粒子の融点において変形可能な変形部を有している。これにより、電極を押し当てて熱を付加した際に変形部が変形し、凹部に保持されたはんだ粒子を電極側に露出させることができる。したがって、このはんだバンプ形成装置では、はんだ粒子の形状を揃えずとも電極へのはんだ粒子の転写の確実性を担保できる。
第1の供給部は、はんだ粒子の融点における体積弾性率が0.1GPa以上5GPa以下によって変形部が構成されたはんだバンプ形成用部材を供給してもよい。変形部の体積弾性率を5GPa以下とすることで、電極を押し当てて熱を付加した際に、変形部が十分に変形し、凹部に保持されたはんだ粒子をより確実に電極側に露出させることができる。一方、変形部の体積弾性率を0.1GPa以上とすることで、凹部の保形性を維持することができ、転写中のはんだ粒子の保持性能を担保できる。これにより、電極上の狙いの位置にはんだ粒子を精度良く形成することが可能となる。
加熱加圧部は、電極をはんだバンプ形成用部材に押し当てた状態ではんだ粒子の融点以上の温度に加熱してもよい。この場合、はんだ粒子を電極とはんだバンプ形成用部材とで挟持した状態ではんだ粒子の溶融と変形部の変形とが実施されるため、電極に形成されるはんだバンプの位置ずれを抑制できる。したがって、電極上の狙いの位置にはんだ粒子をより精度良く形成することが可能となる。
第1の供給部は、複数の凹部のそれぞれにはんだ粒子が単体で配置されたはんだバンプ形成用部材を供給してもよい。この場合、比較的大きな粒径のはんだ粒子を一定の確実性をもって電極に転写できる。
第1の供給部は、複数の凹部のそれぞれにはんだ粒子が複数配置されたはんだバンプ形成用部材を供給してもよい。この場合、凹部内に保持されるはんだ粒子の体積を調整し易くなり、電極に形成されたはんだバンプの大きさや高さを一定の範囲に揃えることが容易となる。また、電極とはんだ粒子とが接触する確率を高めることができ、電極上へのはんだバンプの形成をより確実に実施できる。
はんだ粒子のC.V.値が20%以下であってもよい。これにより、はんだバンプを用いた回路部材の接続において、導通信頼性及び絶縁信頼性を十分に確保できる。
はんだ粒子の平均粒子径が1μm~35μmであってもよい。かかる範囲の微小なはんだ粒子を用いる場合、一般にははんだ粒子の形状を揃えることが難しいが、上記手法を適用することで、はんだ粒子の形状を揃えずとも電極へのはんだ粒子の転写の確実性を担保できる。
本開示によれば、はんだ粒子の形状を揃えずとも電極へのはんだ粒子の転写の確実性を担保できる。
本開示の一実施形態に係るはんだバンプ形成用部材の構成を示す模式的な断面図である。 (a)及び(b)は、はんだバンプ形成装置の構成の一例を模式的に示す図である。 接続構造体の構成の一例を示す模式的な断面図である。 はんだバンプ形成方法の一例を示すフローチャートである。 はんだバンプ形成の工程を示す模式的な断面図である。 図5の後続の工程を示す模式的な断面図である。 図6の後続の工程を示す模式的な断面図である。 図7の後続の工程を示す模式的な断面図である。 図8の後続の工程を示す模式的な断面図である。 (a)~(c)は、はんだバンプ形成用部材の変形例を示す模式的な断面図である。 (a)及び(b)は、はんだ粒子の変形例を示す模式的な要部拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係るはんだバンプ形成装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む。本明細書において段階的に記載されている数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
[はんだバンプ形成用部材の構成]
図1は、本開示の一実施形態に係るはんだバンプ形成用部材の構成を示す模式的な断面図である。図1に示すはんだバンプ形成用部材1は、例えば回路部材の電極にはんだバンプを形成する際に用いられる部材である。図1に示すように、はんだバンプ形成用部材1は、本体部2を備えている。本体部2は、平面視において例えば矩形状をなしており、第1面2a及び第1面2aと反対側の第2面2bを有している。
本体部2の第1面2a側には、はんだ粒子S1が保持される複数の凹部3が設けられている。これらの凹部3は、例えばインプリント法、フォトリソグラフィ法、機械加工、レーザ加工などの公知の方法を用いて形成することができる。特に、ナノインプリント法を用いる場合には、所望の型の押し付けにより、比較的短い工程で精度良く凹部3を形成することができる。
凹部3のサイズ(幅、容積、深さなど)は、はんだ粒子S1のサイズに応じて適宜設定される。凹部3の平面形状は、例えば円形状となっている。凹部3の平面形状は、円形状のほか、楕円形、三角形、四角形、多角形などの種々の形状であってもよい。凹部3の断面形状は、図1の例では、矩形状となっている。凹部3の断面形状は、底面3b側から開口面側(第1面2a側)に向かって開口面積が拡大するようなテーパ状をなしていてもよい。凹部3の底面3bは、平坦面に限られず、例えば凹状の湾曲面などであってもよい。
また、本体部2の第1面2a側には、アライメントマーク4が設けられていてもよい。アライメントマーク4は、例えば本体部2の第1面2aに設けられた凹凸形状、インクや顔料による印刷、めっきやスパッタリングによる無機物の印刷、レーザによる焼き付けなどによって形成されている。アライメントマーク4は、平面視において、例えば円形、二重円形、多重円形、三角形、矩形、多角形、それらの多重角形などをなしている。アライメントマーク4は、磁性体、電磁波の吸収・反射・回折を伴う材料によって構成されていてもよく、この場合の形状は特に限定されない。
アライメントマーク4をカメラ等の撮像装置15A,15Bで検出することにより、はんだバンプ形成の際に、形成対象となる電極と凹部3内のはんだ粒子S1との位置合わせが容易になる。これにより、電極へのはんだ粒子S1の転写を精度良く実施することができる。アライメントマーク4は、第1面2a側に1箇所以上設けられていればよいが、複数設けることで位置合わせの精度を更に高めることが可能となる。また、アライメントマーク4は、例えば本体部2が透明な場合には、本体部2の第2面2b側に更に設けられていてもよい。
本体部2は、当該第1面2aを含んで構成される変形部6と、変形部6よりも第2面2b側を構成する基体部7とを備えて構成されている。変形部6は、凹部3の少なくとも第1面2a側を構成する部分である。第1面2aから凹部3の深さ方向に、当該凹部3の深さDの1/3以上の厚さで設けられていてもよく、1/2以上の厚さで設けられていてもよく、2/3以上の厚さで設けられていてもよい。図1の例では、変形部6の厚さTは、凹部3の深さDと等しくなっている。これにより、隣り合う凹部3,3を隔てる隔壁部8の全体が変形部6となっており、凹部3の内壁面3aが変形部6で構成される一方、凹部3の底面3bが基体部7で構成されている。
隔壁部8の幅(隣り合う凹部3,3間の離間距離)には、特に制限はないが、例えば凹部3に保持されるはんだ粒子の平均粒子径の0.1倍以上とすることができる。隔壁部8の幅は、凹部3に保持されるはんだ粒子の平均粒子径の0.2倍以上であってもよく、0.3倍以上であってもよい。凹部3,3間の離間距離は、例えば一方の凹部3の開口縁と他方の凹部3の開口縁との間の最短距離で規定される。
変形部6は、例えば凹部3に保持されるはんだ粒子S1の融点において変形可能な弾性体9によって形成されている。このため、変形部6は、はんだバンプ形成の際に、形成対象となる電極が押し当てられることによって圧縮方向に弾性変形可能となっている。はんだ粒子S1の転写性向上の観点から、はんだ粒子S1の融点における弾性体9の体積弾性率は、例えば0.1GPa以上5GPa以下となっていてもよい。はんだ粒子S1の融点における弾性体9の体積弾性率は、例えば0.5GPa以上3GPa以下であってもよく、0.8GPa以上2GPa以下であってもよい。
変形部6を構成する弾性体9としては、例えば光硬化性物、熱硬化性物、熱可塑性物などが挙げられる。また、変形部6を構成する弾性体9としては、例えば樹脂、ポリマー、ゴム、エラストマー、これらの混合物などが挙げられる。はんだ粒子S1の構成材料がSnBi(融点:139℃)である場合、変形部6を構成する弾性体9としては、例えばポリエチレンテレフタレート(融点での体積弾性率:0.6GPa)、アクリル(融点での体積弾性率:1GPa)、PMMA(融点での体積弾性率:1GPa)を用いることができる。はんだ粒子S1の構成材料がSnAgCu(融点:217℃)である場合、変形部6を構成する弾性体9としては、例えばポリイミド(融点での体積弾性率:1GPa)を用いることができる。
基体部7は、本体部2の第2面2b側を構成する部分である。基体部7は、はんだ粒子S1の融点において変形部6よりも高い体積弾性率を有する材料によって形成されている。したがって、基体部7は、はんだバンプ形成の際のはんだバンプ形成用部材1の保形性に寄与する。はんだ粒子S1の融点における基体部7の体積弾性率は、例えば1GPa以上となっている。はんだ粒子S1の融点における基体部7の体積弾性率は、例えば3GPa以上であってもよく、5GPa以上であってもよい。
基体部7の構成材料としては、例えばシリコン、各種セラミックス、ガラス、ステンレススチールなどの無機材料、各種樹脂などの有機材料が挙げられる。また、基体部7の構成材料は、光透過性の高い材料であってもよい。このような材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート、透明(無色)のポリイミド、ポリアミドなどが挙げられる。基体部7の構成材料は、はんだ粒子S1の融点において変質しない耐熱性を有する材料であってもよい。基体部7の構成材料は、はんだ粒子S1を構成する材料と合金化或いは反応して変化しない材料であってもよい。
基体部7の構成材料としては、例えば可撓性を有するフィルム状であれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネートなどを用いることができる。また、基体部7の取扱性を向上させる観点では、先に挙げた材料の厚みを増すことで変形を抑えることができる。また、はんだ粒子S1を電極上に転写する際の位置精度を向上させる観点からは、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、先に挙げた汎用プラスチックへフィラーや繊維を複合化した材料、無機材料を用いることができる。例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポエリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどを用いることができる。
はんだ粒子S1の構成材料がSnBi(融点:139℃)である場合、基体部7の構成材料としては、例えばガラス(融点での体積弾性率:40GPa)、シリコンウエハ(融点での体積弾性率:40GPa)、ステンレス(融点での体積弾性率:165GPa)を用いることができる。はんだ粒子S1の構成材料がSnAgCu(融点:217℃)である場合、基体部7を構成材料としては、例えばガラス(融点での体積弾性率:40GPa)、シリコンウエハ(融点での体積弾性率:40GPa)、ステンレス(融点での体積弾性率:165GPa)、アルミニウム(融点での体積弾性率:75GPa)を用いることができる。
変形部6よりも基体部7の方が高い体積弾性率を有していれば、変形部6と基体部7とが同じ材料系で構成されていてもよい。例えば樹脂材料の場合、架橋度の違いやフィラーや繊維など補強材料の添加、他材料の混錬により体積弾性率を調整することができる。例えば変形部6が熱硬化性エポキシ系樹脂で構成され、基体部7が前記熱硬化性エポキシ系樹脂にガラス繊維を添加して体積弾性率を補強したもので構成されていてもよい。
変形部6が光硬化性アクリル系樹脂で構成され、基体部7がポリエチレンテレフタレートで構成されていてもよい。この場合、凸部形状を有するスタンパに未硬化の光硬化性アクリル樹脂を塗布し、ポリエチレンテレフタレートを押し当てながら光を照射した後、スタンパを剥がすことで光硬化性アクリル樹脂に凹部3を形成できる。この方法であれば、連続的にロール状の凹部3を有する本体部2が得られる。また、光照度、硬化時間、及び光硬化性アクリル樹脂の開始材の量を調整することで、架橋度を調整し、体積弾性率を調整することができる。
基体部7は、無機材料であってもよい。例えば変形部6が光硬化性アクリル系樹脂(体積弾性率:0.1GPa)で構成され、基体部7がガラス(体積弾性率:40GPa)構成されていてもよい。この場合、基体部7の融点での体積弾性率を十分に確保でき、アライメントマーク4を利用してはんだ粒子S1を電極に転写する際の位置精度を向上できる。また、電極に転写する際にはんだ粒子S1をその融点以上に加熱したとしても、基体部7が変形しにくいため、本体部2全体の歪みや伸びを抑えることができる。また、本体部2を繰り返し使用することも可能となる。
基体部7がシリコンウエハで構成され、変形部6の形成に感光性材料を用いると、凹部3の形成が容易となる。この場合、感光性材料としては、例えばアクリル系、エポキシ系、ポリイミド系、これらの混合物を用いることができる。
変形部6及び基体部7の体積弾性率Kは、材料のヤング率をE、ポアソン比をνとすると、K=E/3(1-2ν)にて求めることができる。変形部6及び基体部7の体積弾性率Kは、例えば機械的試験法、共振法、超音波パルス法によって測定できる。測定には、例えばナノインデンター、表面硬度計が用いられる。例えば表面硬度計(フィッシャーインスツルメント製)に加熱ステージを装着し、変形部6及び基体部7を加熱ステージに載せてステージを加熱し、変形部6及び基体部7を所定の温度に昇温する。その後、測定対象の表面に圧子を接触させ、荷重-変位(Stress―Strein)曲線を得ることで、体積弾性率を算出できる。
図1の例では、複数の凹部3のそれぞれには、はんだ粒子S1が単体で保持されている。凹部3内のはんだ粒子S1は、少なくとも凹部3の底面3bに接触した状態となっている。凹部3内のはんだ粒子S1は、凹部3の内壁面3aに接触していてもよい。また、図1の例では、全てのはんだ粒子S1が凹部3内に位置しており、はんだ粒子S1の頂部が凹部3の開口面よりも外側には突出しない状態となっている。すなわち、凹部3の深さをDとし、はんだ粒子S1の高さ(底面3bからの高さ)をHとした場合に、D>Hを満たすようになっている。
凹部3の深さDに対するはんだ粒子S1の高さの比は、特に制限はないが、変形部6の圧縮方向の変形量を考慮すると、例えば0.3~1.5であってもよい。比を0.3以上とすることで、電極の押し当ての際に電極とはんだ粒子S1とをより確実に接触させることができる。比を1.5以下とすることで、凹部3からはんだ粒子S1が脱落することを好適に抑制できる。また、転写時にはんだ粒子S1が凹部3からはみ出すことを抑制でき、隣り合う凹部3,3間ではんだ粒子S1同士が結合してしまうことを抑制できる。凹部3の深さDに対するはんだ粒子S1の高さの比は、0.5~1.2であってもよく、0.6~1であってもよい。
はんだ粒子S1は、例えばスズ又はスズ合金を含んで構成されている。スズ合金としては、例えばIn-Sn合金、In-Sn-Ag合金、Sn-Au合金、Sn-Bi合金、Sn-Bi-Ag合金、Sn-Ag合金、Sn-Ag-Cu合金、Sn-Cu合金などが挙げられる。はんだ粒子S1は、インジウム又はインジウム合金を含むものであってよい。インジウム合金としては、例えばIn-Bi合金、In-Ag合金などが挙げられる。
はんだ粒子S1は、Ag、Cu、Ni、Bi、Zn、Pd、Pb、Au、Sb、Ge、Mn、Co、Si、Al、P及びBから選ばれる一種以上の元素を含んでもよい。はんだ粒子S1は、良好な導通信頼性を得る観点から、前述の元素のうち、Ag又はCuを含んでもよい。はんだ粒子S1がAg又はCuを含むことで、はんだ粒子S1の融点を220℃程度まで低下させることができ、且つ電極との接合強度を向上できる。
はんだ粒子S1の平均粒子径は、例えば35μm以下である。はんだ粒子S1の平均粒子径は、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下であってもよい。はんだ粒子S1の平均粒子径は、例えば1μm以上である。はんだ粒子S1の平均粒子径は、2μm以上、3μm以上、5μm以上であってもよい。
はんだ粒子S1の平均粒子径は、サイズに合わせた各種方法を用いて測定できる。測定手法としては、例えば動的光散乱法、レーザ回折法、遠心沈降法、電気的検知帯法、共振式質量測定法などが挙げられる。他の測定手法としては、光学顕微鏡或いは電子顕微鏡等によって得られる画像に基づいて粒子サイズを測定する方法が挙げられる。具体的な装置としては、フロー式粒子像分析装置、マイクロトラック、コールターカウンターなどが挙げられる。はんだ粒子S1の平均粒子径は、はんだバンプ形成用部材1の第1面2aに対して垂直方向からはんだ粒子S1を観察した場合の投影面積円相当径(粒子の投影面積と等しい面積をもつ円の直径)に基づいて算出できる。複数の凹部3のそれぞれにはんだ粒子S1が単体で配置される場合には、はんだ粒子S1の大きさ(平均粒子径)が揃っていてもよい。
はんだ粒子S1のC.V.値は、前述の方法によって測定された粒子径の標準偏差を平均粒子径で割った値に100を掛けることで算出される値である。複数の凹部3のそれぞれに複数のはんだ粒子S1が配置される場合には、はんだ粒子S1のC.V.値は、より優れた導電信頼性及び絶縁信頼性を実現できる観点から、20%以下となっていてもよい。はんだ粒子S1のC.V.値は、10%以下であってもよく、7%以下であってもよい。はんだ粒子S1のC.V.値の下限は、特に限定されない。例えばはんだ粒子S1のC.V.値は、1%以上であってもよく、2%以上であってもよい。
以上、はんだバンプ形成用部材の一実施形態について説明したが、本開示のはんだバンプ形成用部材は、上記実施形態に限定されるものではない。
[はんだバンプ形成装置]
図2(a)及び図2(b)は、はんだバンプ形成装置の構成の一例を示す模式的な図である。図2(a)は側面視、図2(b)は平面視である。同図に示すはんだバンプ形成装置11は、上述したはんだバンプ形成用部材1の凹部3に保持されたはんだ粒子S1を回路部材21の電極22に転写することにより、はんだバンプ付き回路部材21A(図9参照)を形成する装置である。
はんだバンプ形成装置11は、図2(a)及び図2(b)に示すように、水平方向に変位可能なステージ12と、はんだバンプ形成用部材1を供給する第1の供給部13と、回路部材21を供給する第2の供給部14と、撮像装置15A,15Bと、加熱加圧ヘッド(加熱加圧部)16とを備えている。本実施形態では、はんだバンプ形成装置11は、はんだバンプS2(図9参照)を形成する工程の後工程として、はんだバンプS2を形成した回路部材21を別の回路部材31に電気的に接続して接続構造体41(図3参照)を形成する機能を有している。はんだバンプ形成装置11は、別の回路部材31を供給する第3の供給部17を更に備えている。はんだバンプ形成装置11の動作は、不図示の制御部によって制御される。接続構造体41を形成する機能は、必ずしもはんだバンプ形成装置11と一体化されていなくてもよく、独立した装置として構成されていてもよい。
ステージ12には、第2の供給部14から供給される回路部材21が載置される載置領域R1と、はんだバンプS2の形成が実施される第1の実施領域(実施領域)R2と、接続構造体41の形成が実施される第2の実施領域R3とが設けられている。撮像装置15A,15Bは、はんだバンプ形成用部材1のアライメントマーク4及び回路部材21,31のアライメントマーク(不図示)を読み取る部分である。撮像装置15Aは、ステージ12の表面側(第1の実施領域R2,第2の実施領域R3の設定面側)に配置され、撮像装置15Bは、ステージ12の裏面側に配置されている。撮像装置15Bは、ステージ12に組み込まれていてもよい。ステージ12は、撮像装置15A,15Bによるアライメントマークの読み取り結果に応じて変位し、はんだバンプ形成用部材1と回路部材21との位置合わせ、及びはんだバンプ付き回路部材21Aと回路部材31との位置合わせを実施する。
加熱加圧ヘッド16は、第1の実施領域R2及び第2の実施領域R3における加熱加圧を行う部分である。加熱加圧ヘッド16は、吸着機能を有しており、載置領域R1から第1の実施領域R2への回路部材21の移送、及び第1の実施領域R2から第2の実施領域R3へのはんだバンプ付き回路部材21Aの移送、得られた接続構造体41の移送を実施する。加熱加圧ヘッド16は、ステージ12に対して上下動可能に構成されており、ステージ12に向かって下降することで、はんだバンプS2を形成する際の加熱加圧、及び接続構造体41を形成する際の加熱加圧を実施する。
以上、はんだバンプ形成装置の一実施形態について説明したが、本開示のはんだバンプ形成装置は、上記実施形態に限定されるものではない。
[接続構造体]
図3は、接続構造体の構成の一例を示す模式的な断面図である。図3に示すように、接続構造体41は、一方の回路部材21の電極22と、他方の回路部材31の電極32とがはんだバンプS2を介して電気的に接続されることによって構成されている。本実施形態では、一方の回路部材21と他方の回路部材21との間の空間には、例えばエポキシ樹脂を主剤とするアンダーフィル材42が充填されている。アンダーフィル材42は、例えば電極22,32及び電極22,32間のはんだバンプS2を覆うように形成されている。
接続構造体41の具体例としては、半導体メモリ、半導体ロジックチップなどの接続部、半導体パッケージの一次実装及び二次実装の接続部、CMOS画像素子、レーザ素子、LED発光素子などの接合体、それらを用いたカメラ、センサ、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット等のデバイスが挙げられる。
回路部材21,31の具体例としては、ICチップ(半導体チップ)、抵抗体チップ、コンデンサチップ、ドライバーIC等のチップ部品、リジット型のパッケージ基板などが挙げられる。これらの回路部材は、回路電極を備えており、多数の回路電極を備えているものが一般的である。複数の電極を表面に有する基板のその他の例としては、金属配線を有するフレキシブルテープ基板、フレキシブルプリント配線板、インジウム錫酸化物(ITO)が蒸着されたガラス基板などの配線基板が挙げられる。
電極22,32の具体例としては、銅、銅/ニッケル、銅/ニッケル/金、銅/ニッケル/パラジウム、銅/ニッケル/パラジウム/金、銅/ニッケル/金、銅/パラジウム、銅/パラジウム/金、銅/スズ、銅/銀、インジウム錫酸化物などの電極が挙げられる。電極22,32は、例えば無電解めっき、電解めっき、スパッタ、金属箔のエッチングなどの手法を用いて形成できる。
以上、接続構造体の一実施形態について説明したが、本開示の接続構造体は、上記実施形態に限定されるものではない。
[はんだバンプ形成方法]
図4は、はんだバンプ形成方法の一例を示すフローチャートである。同図に示すフローチャートは、上述したはんだバンプ形成装置11を用いてはんだバンプS2の形成を行う際の工程を示すものであり、はんだバンプS2の形成に続いて接続構造体41を形成する工程も含まれている、各工程の詳細は、図5~図9を適宜参照して説明する。
このはんだバンプ形成方法では、まず、第1の実施領域R2に向けて一方の回路部材21及びはんだバンプ形成用部材1を供給する(ステップS01)。ステップS01では、凹部3が上向きとなるように第1の供給部13から第1の実施領域R2にはんだバンプ形成用部材1を供給する。また、電極22が下向きとなるように第2の供給部14から載置領域R1に回路部材21を供給する。
次に、第1の実施領域R2において、凹部3の保持されたはんだ粒子S1と回路部材21の電極22とを対向配置する(ステップS02)。ステップS02では、回路部材21を加熱加圧ヘッド16に吸着した状態でステージ12を変位させ、図5に示すように、回路部材21を載置領域R1から第1の実施領域R2上に移送する。この際、例えばはんだバンプ形成用部材1側のアライメントマーク4の位置を撮像装置15Aで確認すると共に、回路部材21側のアライメントマークの位置を撮像装置15Bで確認することで、凹部3に保持されたはんだ粒子S1と回路部材21の電極22との位置合わせを実施する。
続いて、はんだ粒子S1への電極22の押し当て及び加熱を行う(ステップS03)。ステップS03では、図6に示すように、加熱加圧ヘッド16に吸着した回路部材21をステージ12上のはんだバンプ形成用部材1に向かって下降させ、はんだ粒子S1への電極22の押し当て及び加熱を行う。ここでは、回路部材21の電極22をはんだバンプ形成用部材1の第1面2aに接触させた後、電極22をはんだバンプ形成用部材1側に押し当てた状態で、加熱加圧ヘッド16をはんだ粒子S1の融点以上の温度(例えば130℃~260℃程度)に加熱してもよい。また、加熱加圧ヘッド16をはんだ粒子S1の融点以上の温度(例えば130℃~260℃程度)に加熱した後に、電極22をはんだバンプ形成用部材1側に押し当ててもよい。電極22をはんだバンプ形成用部材1の第1面2aに密着させることで、電極22上にのみはんだバンプS2を形成でき、隣接する電極22,22間のはんだによるブリッジの形成を抑制できる。 加熱加圧ヘッド16によるはんだバンプ形成用部材1への電極22の加圧力は、例えば0.1MPa~600MPaである。この加圧力は、1MPa~300MPaであってもよく、10MPa~100MPaであってもよい。
本実施形態では、はんだバンプ形成用部材1の複数の凹部3のそれぞれに保持されたはんだ粒子S1は、凹部3の開口面よりも外側には突出しない状態となっている。このため、電極22をはんだバンプ形成用部材1の第1面2aに接触させた時点では、電極22と凹部3内のはんだ粒子S1とは接触しない。この状態で加熱加圧ヘッド16をはんだ粒子S1の融点以上の温度に加熱すると、図6に示すように、はんだバンプ形成用部材1の本体部2のうち、変形部6(凹部3,3間の隔壁部8)が圧縮方向に変形する。これにより、電極22が凹部3内に進入して電極22にはんだ粒子S1が接触すると共に、はんだ粒子S1の溶融によって電極22上にはんだバンプS2が転写される。
なお、弾性体9の体積弾性率が小さい場合、或いは、電極22の総面積が小さく加熱加圧ヘッド16の推力に対して押し込み圧力が高くなる場合などには、加熱加圧ヘッド16を加熱しない状態でも弾性体9が変形し、電極22とはんだ粒子S1を接触させることもできる。電極22とはんだ粒子S1とを接触させた後に、加熱加圧ヘッド16をはんだ粒子S1の融点以上の温度に加熱することで、はんだ粒子S1の溶融によって電極22上にはんだバンプS2が転写される。
電極22上にはんだバンプS2を転写した後、加熱加圧ヘッド16による加熱及び加圧を停止する。その後、図7に示すように、加熱加圧ヘッド16を回路部材21と共に上昇させ、回路部材21をはんだバンプ形成用部材1から離間させた状態で回路部材21の電極22及び電極22上のはんだバンプS2を冷却する。これにより、電極22と、はんだ粒子S1が溶融して形成されたはんだバンプS2とが固着し、両者が電気的に接続される。電極22とはんだバンプS2との電気的な接続により、はんだバンプ付き回路部材21Aが得られる。
はんだ粒子S1は、大気下では加熱によって急激に酸化が進み、電極22上への濡れ拡がりが阻害されることが考えられる。したがって、ステップS03における加熱加圧時の雰囲気は、脱酸素雰囲気であってもよい。脱酸素雰囲気は、例えば窒素、アルゴンなどを用いた不活性ガス雰囲気、真空雰囲気であってよい。炉としては、はんだの接合工程に一般に使われるリフロー炉(窒素雰囲気下)、真空リフロー炉を利用できる。また、窒素雰囲気下のコンベアー型リフロー炉、バッチ式(チャンバ式)リフロー炉等を利用できる。これらのリフロー炉を用いる際、はんだが溶融した後に真空にする工程を実施すると、はんだバンプS2内の気泡(ボイド)を除去できる。
また、はんだ粒子S1は、酸化被膜の影響で融点以上の温度で加熱しても溶融しない場合や、濡れ拡がりが生じない場合がある。したがって、ステップS02より前又はステップS02とステップS03との間に、はんだ粒子S1及び電極22の少なくとも一方を還元雰囲気に晒す工程を更に備えていてもよい。はんだ粒子S1の表面の酸化被膜或いは電極22の表面の酸化被膜を還元することで、電極22上でのはんだ粒子S1の溶融及び濡れ拡がりを効率的に進行させることができる。ステップS03の工程を還元雰囲気下で実施する態様としてもよい。還元雰囲気の形成には、例えば水素ガス、水素ラジカル、ギ酸ガスなどを用いることができる。炉としては、水素還元炉、水素リフロー炉、水素ラジカル炉、ギ酸炉、これらの真空炉、連続炉、コンベアー炉などを用いることができる。
はんだバンプ付き回路部材21Aを形成した後、接続構造体41の形成を行う。まず、第2の実施領域R3に向けて他方の回路部材31を供給する(ステップS04)。ステップS04では、電極32が上向きとなるように第3の供給部17から第2の実施領域R3に回路部材31を供給する。第2の実施領域R3に供給される回路部材31には、電極32を覆うようにアンダーフィル材42が配置されていてもよい。
次に、第2の実施領域R3において、はんだバンプ付き回路部材21Aと回路部材31とを対向配置する(ステップS05)。ステップS05では、図8に示すように、はんだバンプ付き回路部材21Aを加熱加圧ヘッド16に吸着した状態でステージ12を変位させ、はんだバンプ付き回路部材21Aを第2の実施領域R3上に配置する。この際、例えば回路部材31側のアライメントマークの位置を撮像装置15Aで確認すると共に、はんだバンプ付き回路部材21A側のアライメントマークの位置を撮像装置15Bで確認することで、はんだバンプ付き回路部材21Aの電極22と回路部材31の電極32との位置合わせを実施する。
続いて、はんだバンプS2を介した回路部材21及び回路部材31への加熱及び加圧を行う(ステップS06)。ステップS06では、図9に示すように、加熱加圧ヘッド16に吸着したはんだバンプ付き回路部材21Aをステージ12上の回路部材31に向かって下降させ、はんだバンプ付き回路部材21Aの電極22と回路部材31の電極32とではんだバンプS2を挟み込み、加熱加圧ヘッド16をはんだ粒子S1の融点以上の温度(例えば130℃~260℃程度)に加熱することにより、電極22,32間ではんだバンプS2を溶融させてもよい。また、加熱加圧ヘッド16をはんだ粒子S1の融点以上の温度(例えば130℃~260℃程度)に加熱した後、はんだバンプ付き回路部材21Aの電極22と回路部材31の電極32とではんだバンプS2を挟み込むことにより、電極22,32間ではんだバンプS2を溶融させてもよい。加熱加圧ヘッド16による回路部材21及び回路部材31への加圧力は、ステップS03で用いた加圧力と同等とすることができる。
その後、加熱加圧ヘッド16による加熱及び加圧を停止し、回路部材21を吸着せずに加熱加圧ヘッド16を上昇させる。この状態で回路部材21の電極22、回路部材31の電極32、及び電極22,32間のはんだバンプS2を冷却する。これにより、電極22,32とはんだバンプS2とが固着し、回路部材21,31同士が電気的に接続される。回路部材21,31同士の電気的な接続により、図3に示した接続構造体41が得られる。最後に、得られた接続構造体41を加熱加圧ヘッド16に吸着させて所定の載置領域に移送し、処理を完了する(ステップS07)。
ステップS06においても、はんだバンプS2及び電極22,32の少なくとも一つを還元雰囲気に晒す工程を更に備えていてもよい。還元雰囲気の形成には、ステップS03と同様に、例えば水素ガス、水素ラジカル、ギ酸ガスなどを用いることができる。炉としては、ステップS03と同様に、水素還元炉、水素リフロー炉、水素ラジカル炉、ギ酸炉、これらの真空炉、連続炉、コンベアー炉などを用いることができる。
還元雰囲気を形成する方法としては、還元作用がある材料を利用することもできる。例えばフラックス材料又はフラックス成分を含有する材料をはんだバンプS2及び電極22,32の近傍に配置することができる。フラックス材料及びフラックス成分を含有する材料には、これらの材料を含有するペースト、フィルムなどを用いることができる。フラックス成分を含有するペースト及びフィルムは、熱硬化性材料を含有していてもよい。これにより、はんだバンプS2の溶解と同時に熱硬化性成分が硬化し、回路部材21,31同士を固定することができる。熱硬化性材料の硬化は、はんだバンプS2の溶解加熱とは別に、後工程で再度加熱することによって実施してもよい。
以上、はんだバンプ形成方法の一実施形態について説明したが、本開示のはんだバンプ形成方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
[本開示の作用効果]
以上説明したように、はんだバンプ形成装置11では、はんだバンプ形成用部材1の複数の凹部3にはんだ粒子S1を保持し、転写対象となる電極22と共に熱及び圧力を付加することで、電極22上にはんだバンプS2を形成できる。はんだバンプ形成装置11に供給されるはんだバンプ形成用部材1では、凹部3の構成部分がはんだ粒子S1の融点において変形可能な変形部6によって形成されている。これにより、電極22を押し当てて熱を付加した際に変形部6が変形し、凹部3に保持されたはんだ粒子S1を電極22側に露出させることができる。したがって、はんだバンプ形成装置11では、はんだ粒子S1の形状を揃えずとも電極22へのはんだ粒子S1の転写の確実性を担保できる。
本実施形態では、第1の供給部13は、はんだ粒子S1の融点における体積弾性率が0.1GPa以上5GPa以下の弾性体9によって変形部6が構成されたはんだバンプ形成用部材1を供給している。変形部6の体積弾性率を5GPa以下とすることで、電極22を押し当てて熱を付加した際に、変形部6が十分に変形し、凹部3に保持されたはんだ粒子S1をより確実に電極22側に露出させることができる。一方、変形部6の体積弾性率を0.1GPa以上とすることで、凹部3の保形性を維持することができ、転写中のはんだ粒子S1の保持性能を担保できる。これにより、電極22上の狙いの位置にはんだ粒子S1を精度良く形成することが可能となる。また、変形部6を弾性体9で構成する場合、電極22へのはんだ粒子S1の転写を行った後、変形部6を元の形状に復帰させることが可能となる。これにより、はんだバンプ形成用部材1を再利用することができる。
本実施形態では、加熱加圧ヘッド16は、電極22をはんだバンプ形成用部材1の第1面2aに押し当てた状態ではんだ粒子S1の融点以上の温度に加熱している。これにより、はんだ粒子S1を電極22とはんだバンプ形成用部材1とで挟持した状態ではんだ粒子S1の溶融と変形部6の変形とが実施されるため、電極22に形成されるはんだバンプS2の位置ずれを抑制できる。したがって、電極22上の狙いの位置にはんだ粒子S1をより精度良く形成することが可能となる。
本実施形態では、第1の供給部13は、複数の凹部3のそれぞれにはんだ粒子S1が単体で配置されたはんだバンプ形成用部材1を供給している。これにより、比較的大きな粒径のはんだ粒子S1を一定の確実性をもって電極22に転写できる。
本実施形態では、はんだ粒子S1の平均粒子径が1μm~35μmとなっている。かかる範囲の微小なはんだ粒子S1を用いる場合、一般にははんだ粒子S1の形状を揃えることが難しいが、上記手法を適用することで、はんだ粒子S1の形状を揃えずとも電極22へのはんだ粒子S1の転写の確実性を担保できる。
[変形例]
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば図1の例では、変形部6が第1面2aから第2面2b側に向かって凹部3の深さに対応する厚さで設けられているが、変形部6の厚さは、これに限られるものではない。例えば図10(a)に示すはんだバンプ形成用部材1Aのように、変形部6の厚さTが凹部3の深さDよりも小さくなっていてもよい。この場合、隣り合う凹部3,3を隔てる隔壁部8の第1面2a側のみが変形部6で構成される。したがって、凹部3の内壁面3aの第1面2a側が変形部6で構成される一方、凹部3の内壁面3aの第2面2b側及び凹部3の底面3bが基体部7で構成される。
図10(a)の例のように、変形部6の厚さTを凹部3の深さDより小さくする場合、凹部3に保持されるはんだ粒子S1は、変形部6と基体部7との界面よりも第1面2a側に突出していてもよい。すなわち、はんだ粒子S1の高さHは、凹部3の深さD及び変形部6の厚さTに対して、H>D-Tを満たしていてもよい。こうすることで、変形部6の変形の際のはんだ粒子S1と電極22との確実な接触を担保できる。
また、変形部6の変形量を十分に確保する観点から、変形部6の厚さTを凹部3の深さDより小さくする場合でも、変形部6は、第1面2aから凹部3の深さ方向に、当該凹部3の深さDの1/2以上の厚さで設けられていてもよい。この場合、変形部6は、第1面2aから凹部3の深さ方向に、当該凹部3の深さDの3/5以上の厚さで設けられていてもよく、4/5以上の厚さで設けられていてもよい。
また、例えば図10(b)に示すはんだバンプ形成用部材1Bのように、変形部6の厚さTが凹部3の深さDよりも大きくなっていてもよい。この場合、隣り合う凹部3,3を隔てる隔壁部8の全体が変形部6となり、凹部3の内壁面3a及び底面3bのいずれもが変形部6で構成される。変形部6と基体部7との界面は、凹部3の底面3bと第2面2bとの間の任意の位置で設定することができる。例えば図10(c)に示すはんだバンプ形成用部材1Cのように、基体部7を設けず、本体部2の全体を変形部6によって構成してもよい。
上記実施形態では、全てのはんだ粒子S1が凹部3の開口面よりも外側には突出しない状態となっているが、本開示は、凹部3内のはんだ粒子S1の高さを揃えずとも電極22へのはんだ粒子S1の転写の確実性を発揮させるものであるため、一部又は全てのはんだ粒子S1が凹部3の開口面よりも外側に突出した状態となっていてもよい。すなわち、図11(a)に示すように、一部又は全てのはんだ粒子S1の高さHが、凹部3の深さDに対して、H>Dを満たすものであってもよい。
上記実施形態では、複数の凹部3のそれぞれにはんだ粒子S1が単体で配置されている構成を例示したが、複数の凹部3のそれぞれにはんだ粒子S1が複数配置されていてもよい。この場合、例えば図11(b)に示すように、図1の例よりも平均粒子径の小さいはんだ粒子S1が凹部3内に複数配置されていてもよい。この場合、凹部3内に保持されるはんだ粒子S1の体積を調整し易くなり、電極22に形成されるはんだバンプS2の大きさや高さを一定の範囲に揃えることが容易となる。また、電極22とはんだ粒子S1とが接触する確率を高めることができ、電極22上へのはんだバンプS2の形成をより確実に実施できる。凹部3にはんだ粒子S1が複数配置される場合には、上述したように、はんだ粒子S1のC.V.値が20%以下となっていてもよい。これにより、はんだバンプS2を用いた回路部材21,31の接続において、導通信頼性及び絶縁信頼性を十分に確保できる。
はんだ粒子S1を凹部3内に複数配置する場合でも、はんだ粒子S1と隔壁部8との間に働く力(例えばファンデルワールス力のような分子間力)は、はんだ粒子S1に働く重力に比べて大きいものと考えられる。したがって、凹部3を下方に向けた姿勢とした場合でも、はんだ粒子S1は、凹部3内に留まり得る。はんだ粒子S1の外表面に平坦部分があり、当該平坦部分が凹部3の内壁面3a或いは底面3bに接する場合には、凹部3からのはんだ粒子S1の脱落をより好適に防止できる。
1,1A~1C…はんだバンプ形成用部材、3…凹部、6…変形部、9…弾性体、11…はんだバンプ形成装置、12…ステージ、13…第1の供給部、14…第2の供給部、16…加熱加圧ヘッド(加熱加圧部)、21…回路部材、22…電極、S1…はんだ粒子、S2…はんだバンプ、R2…第1の実施領域(実施領域)。

Claims (7)

  1. 回路部材の電極にはんだバンプを形成するはんだバンプ形成装置であって、
    前記電極への前記はんだバンプの形成を実施する実施領域が設定されたステージと、
    はんだ粒子が保持された複数の凹部を有し、当該凹部の構成部分がはんだ粒子の融点において変形可能な変形部を有するはんだバンプ形成用部材を供給する第1の供給部と、
    前記はんだバンプ形成用部材の前記凹部に保持されたはんだ粒子が前記電極と対向配置されるように前記回路部材を供給する第2の供給部と、
    前記実施領域において、前記電極を前記はんだ粒子の融点以上の温度に加熱して前記はんだバンプ形成用部材に押し当て、前記変形部を変形させることで前記凹部に保持された前記はんだ粒子を前記電極に接触させ、前記はんだ粒子を前記電極に転写してはんだバンプを形成する加熱加圧部と、を備えるはんだバンプ形成装置。
  2. 前記第1の供給部は、前記はんだ粒子の融点における体積弾性率が0.1GPa以上5GPa以下の弾性体によって前記変形部が構成された前記はんだバンプ形成用部材を供給する請求項1記載のはんだバンプ形成装置。
  3. 前記加熱加圧部は、前記電極を前記はんだバンプ形成用部材に押し当てた状態で前記はんだ粒子の融点以上の温度に加熱する請求項1又は2記載のはんだバンプ形成装置。
  4. 前記第1の供給部は、前記複数の凹部のそれぞれに前記はんだ粒子が単体で配置された前記はんだバンプ形成用部材を供給する請求項1~3のいずれか一項記載のはんだバンプ形成装置。
  5. 前記第1の供給部は、前記複数の凹部のそれぞれに前記はんだ粒子が複数配置された前記はんだバンプ形成用部材を供給する請求項1~3のいずれか一項記載のはんだバンプ形成装置。
  6. 前記はんだ粒子のC.V.値が20%以下である請求項5記載のはんだバンプ形成装置。
  7. 前記はんだ粒子の平均粒子径が1μm~35μmである請求項1~6のいずれか一項記載のはんだバンプ形成装置。
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