JP2010067360A - 異方性導電膜およびその使用方法 - Google Patents

異方性導電膜およびその使用方法 Download PDF

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恭弘 林
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Abstract

【課題】本圧着後における層間剥離や気泡の発生、導電性粒子の位置ズレを抑制可能な異方性導電膜を提供する。
【解決手段】互いに離間されて規則的に配列された多数の導電性粒子12を保持する第1の接着層14と、第1の接着層の片面に積層された第2の接着層16とを有し、第1の接着層は、エポキシ基と反応する硬化剤および/またはエポキシ系樹脂を含み、第2の接着層は、潜在性硬化剤100質量部に対し、末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂:30〜80質量部と、エポキシ系樹脂:5〜40質量部と、フィラー:100質量部以下とを含む組成物より形成されており、上記組成物の最低溶融粘度は、1×10〜2×10Pa・sの範囲内にある。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方性導電膜およびその使用方法に関するものである。
従来、ICチップやTAB等の電子部品を配線基板上に実装するにあたり、異方性導電膜が使用されている。
異方性導電膜は、膜厚方向に導電性を示し、かつ、膜面方向に絶縁性を示す接着剤であり、これまで、接着性樹脂中に多数の導電性粒子を分散させたものが広く使用されてきた。
近年では、例えば、本件出願人による特許文献1に記載されるように、孔部内に導電性粒子を充填した多孔質膜の両面に接着層を有する3層構造の異方性導電膜が知られている。
また、本件出願人は、上記以外にも、規則的に配列された多数の導電性粒子を有する接着層の片面に、導電性粒子を有していない接着層を積層した2層構造の異方性導電膜を開発し、既に特許出願も行っている。
この種の異方性導電膜を用いて、配線基板上に電子部品を実装する場合、基台上に載置した配線基板上に異方性導電膜を貼り付け、その後、この異方性導電膜に電子部品を仮圧着し、次いで、仮圧着された電子部品を本圧着する方法が一般的である。この際、本圧着前に、基台の加熱を通じて異方性導電膜の予熱が行われることが多い。
国際公開第WO2005/096442号パンフレット
しかしながら、2層構造の異方性導電膜は、以下の点で改良の余地があることが判明した。
すなわち、生産性を高める観点から、本圧着前における異方性導電膜の予熱時間を短くすることが望ましい。
ところが、2層構造の異方性導電膜では、本圧着前の予熱時間を比較的短くすると、接着層間に剥離が生じることがあった。
また、電子部品を仮圧着する際に、異方性導電膜への電子部品の押し込みにより空気を巻き込み、本圧着後に膜中に気泡が発生することがあった。また、本圧着後に導電性粒子の規則的な配列が崩れてしまうこともあった。この種の問題は、ICチップのようにバンプを有する電子部品を使用した際に特に発生しやすい。
さらに、実使用面を考慮すると、一定期間保存しておいた場合でも、上記問題がないことが望ましい。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、本圧着後における層間剥離や気泡の発生、導電性粒子の位置ズレを抑制可能な異方性導電膜を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る異方性導電膜は、互いに離間されて規則的に配列された多数の導電性粒子を保持する第1の接着層と、上記第1の接着層の片面に積層された第2の接着層とを有し、上記第1の接着層は、エポキシ基と反応する硬化剤および/またはエポキシ系樹脂を含み、上記第2の接着層は、潜在性硬化剤100質量部に対し、末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂:30〜80質量部と、エポキシ系樹脂:5〜40質量部と、フィラー:100質量部以下とを含む組成物より形成されており、上記組成物の最低溶融粘度は、1×10〜2×10Pa・sの範囲内にあることを要旨とする。
ここで、上記第1の接着層の外表面と上記導電性粒子の表面との距離は、0.3μm以下であることが好ましい。
また、上記第1の接着層の厚みは0.5〜3μmの範囲内、上記導電性粒子の平均粒径は2〜10μmの範囲内にあることが好ましい。
また、本発明に係る異方性導電膜の使用方法は、上記異方性導電膜に電子部品を本圧着するにあたり、上記本圧着前における異方性導電膜の予熱時間が10秒以下であることを要旨とする。
本発明に係る異方性導電膜は、第1の接着層が、エポキシ基と反応する硬化剤および/またはエポキシ系樹脂を含み、第2の接着層が、上記特定配合の組成物より形成されている。そのため、第1の接着層と第2の接着層との密着性が向上し、本圧着後における両者の剥離を抑制することができる。これは、第1の接着層の硬化剤と第2の接着層のフェノキシ系樹脂の末端エポキシ基とが反応により結合する、あるいは、第1の接着層と第2の接着層との相溶性が向上するためであると考えられる。
また、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が比較的高めの特定範囲とされている。そのため、電子部品の仮圧着時に、電子部品と第2の接着層との間で生じる空気の巻き込みを低減することができる。それ故、電子部品の本圧着後における気泡の発生を抑制することできる。
また、上記組成物の相溶性が良く、最低溶融粘度も上記特定範囲内にされているので、導電性粒子の位置ズレも抑制することができる。
また、本発明に係る異方性導電膜は、上記構成を採用しているので、所定期間保存されていた後でも、本圧着後における剥離や気泡の発生、導電性粒子の位置ズレを抑制することができる。
したがって、本発明に係る異方性導電膜によれば、従来、本圧着前の予熱時間は概ね80℃で20秒程度にされることが多かったが、この予熱時間を短くした場合でも、剥離や気泡、導電性粒子の位置ズレの少ない良好な外観が得られる。
ここで、上記導電性粒子と上記第1の接着層の外表面との距離が0.3μm以下である場合には、本圧着後に導電性粒子の規則的な配列を維持しやすくなる。さらに、上記第1の接着層の厚みが0.5〜3μmの範囲内、上記導電性粒子の平均粒径が2〜10μmの範囲内である場合には、その効果を得やすい。
また、本発明に係る異方性導電膜の使用方法は、上記異方性導電膜に電子部品を本圧着するにあたり、本圧着前における異方性導電膜の予熱時間が10秒以下とされている。そのため、従来に比較して、圧着時間を短縮しつつ、良好な外観を得ることができる。
以下、本実施形態に係る異方性導電膜(以下、「本ACF」ということがある。)について詳細に説明する。
1.本ACF
図1に、本ACFの模式的な断面図の一例を示す。本ACF10は、多数の導電性粒子12を保持する第1の接着層14と、第1の接着層14の片面に積層された第2の接着層16とを有している。
本ACF10は、第1の接着層14と第2の接着層16との2層構造であり、例えば、第1の接着層14の外側表面に配線基板(不図示)が、第2の接着層16の外側表面にICチップ等の電子部品(不図示)がそれぞれ接着される。
(第1の接着層)
本ACFにおいて、第1の接着層は、多数の導電性粒子を保持している。導電性粒子の形態としては、具体的には、例えば、略球状(断面が略楕円形状のものも含む)、略柱状、紡錘状、針状などを例示することができる。好ましくは、規則的に配列させやすい、膜面方向の絶縁信頼性に優れる、均等に圧縮されやすいなどの観点から、導電性粒子の形態は、略球状であると良い。
上記導電性粒子は、本ACFの使用時に、膜厚方向を電気的に接続可能な導電性を備えておれば良い。
上記導電性粒子としては、具体的には、例えば、その表面から中心部まで導電性物質で満たされている粒子、高分子粒子の表面に1層または2層以上の導電性層が被覆されている粒子などを例示することができる。
好ましくは、後者の粒子を用いると良い。加圧により粒子が弾性変形しやすいため、本ACFの使用時に、ICチップのバンプ、配線基板の回路パターン等との接触面積が大きくなり、膜厚方向の導通性を確保しやすくなるからである。
より具体的には、例えば、前者の粒子の例として、金属粒子、カーボン粒子等を、後者の粒子の例として、樹脂粒子の表面に1層または2層以上の金属めっき層(電解めっき、無電解めっき等)やスパッタ層などを有する粒子等を例示することができる。
上記導電性物質、導電性層に適用可能な金属としては、具体的には、例えば、金、銀、白金属(白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミニウム、イリジウム)、ニッケル、銅、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウムなどの金属、錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金、錫−鉛−銀合金などの2種以上の金属で構成される合金などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記高分子粒子に適用可能な高分子としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体やジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のジビニルベンゼン系重合体などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。なお、上記(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応じて架橋されていても良い。
好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体やジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のジビニルベンゼン系重合体などである。
さらに、本ACFでは、上記導電性粒子の表面に、TiOなどの絶縁性の酸化物や上記高分子などによる絶縁層が1層または2層以上被覆された粒子を用いても良い。もっとも、上記絶縁層は、本ACFの圧着時に、少なくとも電極などの導体に接した部分が破壊されて導通可能になる厚さとされている必要がある。このような粒子を用いた場合には、電極などの導体に接しない部分は絶縁層が破壊し難いため、膜面方向の絶縁性を向上させやすくなる。
なお、本ACFは、上述した導電性粒子を1種または2種以上含んでいても良い。
上記導電性粒子の平均粒径の上限は、圧着後の導電性粒子の位置ズレ、絶縁信頼性等の観点から、好ましくは、10μm以下、より好ましくは、7μm以下、さらにより好ましくは、5μm以下であると良い。一方、上記導電性粒子の平均粒径の下限は、導通安定性等の観点から、好ましくは、2μm以上、より好ましくは、2.5μm以上、さらにより好ましくは、3μm以上であると良い。
なお、上記導電性粒子の平均粒径は、粒度分布測定装置(例えば、セイシン企業製「PITA−1」等)にて測定することができる。
本ACFにおいて、多数の導電性粒子は、互いに離間されて配列されている。つまり、各導電性粒子は、ほぼ1つ1つ別れて存在しているのが好ましい。また、本ACFにおいて、多数の導電性粒子は、規則的に配列されている。もっとも、この規則的な配列は、多数の導電性粒子を膜面方向から見たときに全体として認められれば良い。したがって、本発明の効果を奏する範囲内であれば、局所的に不規則に配列している導電性粒子が部分的に存在していても構わない。
上記規則的な配列としては、具体的には、例えば、格子状、千鳥状、ハニカム状などの配列、これら配列を傾斜させたものなどを例示することができる。規則的な配列を傾斜させる、例えば、実装されるICチップのバンプの配列に対して、導電性粒子の規則的な配列が角度を持って圧着されるように、導電性粒子の規則的な配列を予め傾けるなどした場合には、導電性粒子の捕捉性などを向上させやすくなるなどの利点がある。
本ACFでは、多数の導電性粒子は、単層で存在していることが好ましい。この場合には、膜厚方向に複数の導電性粒子が積み重ならないため、膜厚方向の導通に、導電性粒子同士の接触抵抗が関与せず、導通性能を向上させやすくなるからである。また、圧着時に積み重なった導電性粒子が導体間から弾き出され、絶縁性を悪化させる心配も少なくなるからである。
本ACFにおいて、第1の接着層は、上記多数の導電性粒子を保持している。この際、第1の接着層の外表面と導電性粒子の表面との距離は、好ましくは、0.3μm以下、より好ましくは、0.2μm以下、さらに好ましくは、0.1μm以下とされていると良い。上記距離となるように第1の接着層の内部に導電性粒子が埋め込まれて保持されておれば、本圧着後に導電性粒子の規則的な配列を維持しやすくなるからである。
第1の接着層の材料としては、具体的には、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム・エラストマー等が挙げられる。ここで、第1の接着層は、第2の接着層との十分な密着性を確保するため、エポキシ基と反応する硬化剤、エポキシ系樹脂の何れか一方または双方を必須成分として含んでいる。
上記エポキシ基と反応する硬化剤としては、具体的には、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、多官能フェノール系硬化剤、メルカプタン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化剤等を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記エポキシ基と反応する硬化剤の割合は、十分な密着性を確保する等の観点から、膜の全重量部に対して、好ましくは、0.5〜5%、より好ましくは、0.7〜4%、さらに好ましくは、1〜3%の範囲内であると良い。
上記エポキシ系樹脂としては、具体的には、例えば、ビスA型、ビスF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリシジルエステル型、シクロペンタジエン型等のエポキシ樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記エポキシ系樹脂の割合は、十分な密着性を確保する等の観点から、膜の全重量部に対して、好ましくは、5〜50%、より好ましくは、7.5〜45%、さらに好ましくは、10〜40%の範囲内であると良い。
また、上記熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム・エラストマーとしては、具体的には、例えば、フェノキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ビスマレイミドトリアジン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリブチラール系樹脂等の熱可塑性樹脂;ヒドロキシル基、カルボキシル基、ビニル基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を1種または2種以上含むゴムやエラストマー等を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
これらのうち、好ましくは、導電性粒子を保持しやすい等の観点から、ポリアミド系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリブチラール系樹脂等である。
なお、第1の接着層中には、上記以外の他の硬化剤、硬化促進剤、改質剤、酸化防止剤、充填剤などの各種添加剤が、必要に応じて、1種または2種以上添加されていても良い。
上記第1の接着層の厚みの上限は、導通安定性等の観点から、好ましくは、3μm以下、より好ましくは、2μm以下、さらにより好ましくは、1.5μm以下であると良い。一方、上記第1の接着層の厚みの下限は、導電性粒子の保持性等の観点から、好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、0.6μm以上、さらにより好ましくは、0.7μm以上であると良い。
(第2の接着層)
第2の接着層は、潜在性硬化剤100質量部に対し、末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂30〜80質量部と、エポキシ系樹脂5〜40質量部と、フィラー100質量部以下とを含む組成物より形成されている。
上記潜在性硬化剤としては、具体的には、例えば、アミン化合物を含有する硬化剤等を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂としては、具体的には、例えば、東都化成(株)から上市されている、YP−55U、ZX−1356−2、YP−70、YP−50、YP−50S、YP−50SC、FX−293、FX−316、FX−280S等を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂の潜在性硬化剤100質量部に対する割合が30質量部未満になると、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が低下し、電子部品の押し込みによる空気の巻き込みによって圧着後に気泡が発生しやすくなる傾向が見られる。一方、上記末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂の潜在性硬化剤100質量部に対する割合が80質量部を越えると、組成物中における各成分の相溶性が低下し、成分分離が生じやすくなって保存安定性が悪化し、圧着後に粒子配列が崩れやすくなる傾向が見られる。
上記末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂の潜在性硬化剤100質量部に対する割合は、好ましくは、30〜75質量部、より好ましくは、35〜70質量部の範囲内にあると良い。
また、上記エポキシ系樹脂は、液状、固形のいずれでも良いが、相溶性の観点から、好ましくは、液状エポキシ系樹脂であると良い。上記エポキシ系樹脂としては、具体的には、例えば、ビスA型、ビスF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリシジルエステル型、シクロペンタジエン型等のエポキシ系樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記エポキシ系樹脂の潜在性硬化剤100質量部に対する割合が5質量部未満になると、組成物中における各成分の相溶性が低下し、成分分離が生じやすくなって保存安定性が悪化し、圧着後に粒子配列が崩れやすくなる傾向が見られる。一方、上記エポキシ系樹脂の潜在性硬化剤100質量部に対する割合が40質量部を越えると、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が低下し、電子部品の押し込みによる空気の巻き込みによって圧着後に気泡が発生しやすくなる傾向が見られる。
上記エポキシ系樹脂の潜在性硬化剤100質量部に対する割合は、好ましくは、7〜38質量部、より好ましくは、10〜35質量部の範囲内にあると良い。
また、上記フィラーとしては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、酸化マグネシウム等を例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記フィラーの潜在性硬化剤100質量部に対する割合が100質量部を越えると、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が過度に上昇し、圧着時に、粒子が押し流され、粒子の位置ズレが生じやすくなる傾向が見られる。
上記フィラーの潜在性硬化剤100質量部に対する割合は、好ましくは、90質量部以下、より好ましくは、80質量部以下、さらに好ましくは、50質量部以下であると良い。なお、上記フィラーは、最低溶融粘度の調整に好適な成分であるが、上記組成物にフィラーを含有させなくても、最低溶融粘度の調整は可能であり、本発明の効果を得ることができる。
上記フィラーを必須成分とする場合、上記フィラーの潜在性硬化剤100質量部に対する割合の下限は、好ましくは、0.1質量部以上、より好ましくは、0.5質量部以上であると良い。
なお、上記組成物中には、上記以外の他の硬化剤、硬化促進剤、改質剤、酸化防止剤、充填剤などの各種添加剤が、必要に応じて、1種または2種以上添加されていても良い。
また、上記組成物は、通常、塗工性等を確保するため溶剤を含有している。溶剤の種類は、上記必須成分を適度に相溶させることができれば特に限定されるものではない。
上記溶剤としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類;MEK、MIBK、MIPK等のケトン類等を例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
これらのうち、好ましくは、トルエン、酢酸エチル、これらの混合物である。より好ましくは、保存安定性、必須成分の相溶性等の観点から、トルエンと酢酸エチルとの混合物であると良い。
さらに好ましくは、トルエン含有割合が酢酸エチル含有割合よりも多くされたトルエンと酢酸エチルとの混合物であると良い。具体的には、例えば、潜在性硬化剤100質量部に対して、トルエンを50〜200質量部、酢酸エチルを5〜30重量部とすると、保存安定性、必須成分の相溶性のバランスが良好である。
第2の接着層は、上述の組成物より形成されており、さらに、上記組成物の最低溶融粘度は、1×10〜2×10Pa・sの範囲内にある。
なお、上記最低溶融粘度は、未硬化状態における最低溶融粘度の値のことであり、完全に熱硬化する前の温度範囲内に存在する。
上記最低溶融粘度は、次のようにして求めることができる。すなわち、先ず、上記組成物より試料(直径20mm、厚み400μm、未硬化物)を作製する。
次いで、応力制御型レオメータ(例えば、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製、「AR500」などが上市されている。ペルチェ素子により温度制御可能。)に、上記試料をセットし、昇温速度5℃/分、周波数1Hz、歪み0.05%の条件にて、20℃から180℃までにおける温度と溶融粘度との関係(硬化挙動)を測定する。
次いで、得られた温度と溶融粘度との関係から、溶融粘度の最低値を求めることができる。
上記最低溶融粘度が、1×10Pa・s未満になると、電子部品の仮圧着時に、電子部品の押し込みによって第2の接着層が相対的に多く変形して空気の巻き込みが多く生じ、本圧着後に気泡が多く発生しやすくなる傾向が見られる。好ましくは、1.1×10Pa・s以上、より好ましくは、1.2×10Pa・s以上、さらに好ましくは、1.5×10Pa・s以上であると良い。
一方、上記最低溶融粘度が、2×10Pa・sを越えると、組成物の最低溶融粘度が過度に上昇し、圧着時に、規則的に配列されていた粒子が押し流されやすくなり、粒子配列が崩れやすくなる傾向が見られる。好ましくは、1.9×10Pa・s以下、より好ましくは、1.8×10Pa・s以下、さらに好ましくは、1.5×10Pa・s以下であると良い。
2.本ACFの製造方法
本ACFは、例えば、次のようにして製造することができる。なお、本ACFの製造方法は、以下に説明する方法に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
先ず、製造しようとするACFが有する導電性粒子に対応して規則的に配列された多数の孔部を有する型を準備する。上記型の種類としては、Si等よりなる半導体型、Ni等よりなる電鋳型、光造形型等を例示することができる。
そして、準備した型の孔部に導電性粒子を保持させ、孔部内の導電性粒子を、第1の接着層形成材料より形成した平膜表面に転写する。この際、孔部内の導電性粒子を、第1の接着層形成材料ではなく、粘着材等に一次転写し、この一次転写された導電性粒子を、上記平膜表面に二次転写することも可能である。
なお、上記型の孔部に導電性粒子を保持させる方法としては、具体的には、例えば、(1)導電性粒子自体またはその分散液を上記型の孔部形成面上に散布した後、刷毛、ブラシ、ブレードなどの擦り切り手段により擦り切り、孔部内に導電性粒子を入れる方法、(2)導電性粒子自体またはその分散液を上記型の孔部形成面上に散布した後、外部から磁力や振動を加えたり、孔部の底部から粒子を吸引したりする等して、孔部内に導電性粒子を入れる方法、(3)上記分散液中に上記型を浸漬する方法、(4)上記型の孔部形成面と一定距離離間させて板状部材を配置し、形成された隙間に、上記分散液を導入し、型および/または板状部材をスライド移動させる方法、これらの組み合わせなどを例示することができる。
導電性粒子を孔部内に物理的に押し込むので、導電性粒子をより確実に保持させやすい、保持させるのに要する時間が比較的短いなどの観点から、好ましくは、(1)の方法を用いるのが良い。より好ましくは、乾式で行うことができるなどの観点から、(1)の方法において粉末状の導電性粒子自体を用いるのが良い。さらに好ましくは、導電性粒子が孔部内に導入されやすくなるなどの観点から、(1)の方法において、孔部形成面と反対側から磁力により導電性粒子を型に引きつけつつ、擦り切り手段により擦り切ると良い。
次いで、転写した導電性粒子を平膜内に埋め込んで保持させる。これにより、互いに離間されて規則的に配列された多数の導電性粒子を保持する第1の接着層を形成する。この際、導電性粒子の埋め込みは、熱ラミネート法等を利用して行うことが可能であり、加圧力、加熱温度等を調整することで、導電性粒子の埋め込み程度を可変させることが可能である。
次いで、この第1の接着層の何れか一方の面、好ましくは、転写面に、第2の接着層を形成する。この際、第2の接着層の形成方法としては、具体的には、例えば、適当な固形分量(好ましくは、40〜70%)、粘度となるように調製した上記組成物を、コーター等の公知の塗工手段を用いて第1の接着層表面に塗工し、必要に応じて乾燥させる方法、離型性を有する基材表面に上記組成物を同様にして塗工する等して予め作製しておいた膜状の第2の接着層を、第1の接着層表面に貼り合わせる方法等を例示することができる。
以上により、本ACFを製造することができる。
3.本ACFの使用方法
本ACFは、典型的には、以下のように使用することができる。すなわち、先ず、圧着装置の基台上に載置された配線基板の回路パターン上に本ACFを貼り付ける。この際、本ACFの第1の接着層側が回路パターン側とされる。
次いで、貼り付けられた本ACFの第2の接着層表面に、ICチップ等の電子部品を仮圧着する。
次いで、仮圧着された電子部品を本圧着する。
なお、上記貼り付け、仮圧着、本圧着は、圧着装置の熱圧着ヘッド等を用いて、適切な温度、加圧力にて行うことができる。また、仮圧着前や本圧着前には、基台を通じて本ACFが適切な温度となるように予熱が行われる。
ここで、本発明では、電子部品を本圧着するにあたり、本圧着前における本ACFの予熱時間が10秒以下とされる。本ACFの効果を発揮しやすいからである。より好ましくは、本圧着前における本ACFの予熱時間は9秒以下、さらに好ましくは、7秒以下、最も好ましくは、5秒以下とされると良い。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
1.異方性導電膜の作製
(第1の接着層の準備)
規則的に配列された多数の樹脂めっき粒子を保持する第1の接着層を、以下の手順により準備した。
すなわち、アルコール可溶ポリアミド系樹脂23.39質量部と、フェノキシ系樹脂(東都化成(株)製、「ERF−0010M30」)25.16質量部と、エポキシ系樹脂(東都化成(株)製、「FX289EK75」)4.9質量部と、エポキシ系樹脂(東都化成(株)製、「FX305EK70」)2.67質量部と、メラミン系樹脂(三和ケミカル(株)製、「ニカラックMX−750」)1.37質量部と、硬化剤(四国化成(株)製、「C11Z」)0.38質量部と、硬化剤(三菱ガス化学(株)製、「F−TMA」)0.57質量部と、メタノール24.26質量部と、トルエン48.05質量部と、メチルセロソルブ69.2質量部とを混合し、第1の接着層形成溶液を調製した。
なお、上記硬化剤(四国化成(株)製、「C11Z」、三菱ガス化学(株)製、「F−TMA」)は、エポキシ基との反応性を有している。
次いで、コンマコーターを用い、連続的に供給される基材(ポリエチレンテレフタレート、厚み38μm、リンテック(株)製「PET38X」)の離型面に、調製した第1の接着層形成溶液を塗工した。
次いで、この塗工層を160℃で90秒間乾燥させ、ポリアミド系樹脂とフェノキシ系樹脂とを主成分とする樹脂よりなる平膜(厚み1.2μm)を形成した。その後、この平膜の表面に、基材(ポリエチレンテレフタレート、厚み50μm、リンテック(株)製、「PET5011」)の離型面を合わせて巻き取った。
これにより、離型性を有する基材間に挟持された、ポリアミド系樹脂とフェノキシ系樹脂とを主成分とする樹脂製の平膜を用意した。
次いで、千鳥状に配列された多数の凹部(開口径5μm、凹深さ3.5μmの略円柱状、ピッチ=隣接する開口部の中心間の距離10μm)を有するNi電鋳型を準備した。
次いで、ジビニルベンゼン系架橋樹脂よりなる粒子の表面に、Niめっき層、Auめっき層が順に被覆された、平均粒径4μmの樹脂めっき粒子(積水化学工業(株)、「ミクロパールAU−204」)を、上記Ni電鋳型の凹面上に広げた。
次いで、凹面と反対側に設置した永久磁石((株)西興産業製、フェライト磁石、1000ガウス)にて、樹脂めっき粒子を型に引きつけつつ、刷毛にて表面を擦り切り、凹部内に樹脂めっき粒子を導入した。
なお、凹部が形成されていない型表面に付着していた樹脂めっき粒子や、凹部に導入された樹脂めっき粒子に静電気力などで付着していた樹脂めっき粒子は、表面の擦り切りや、微粘着テープ((株)きもと製、「ビューフルEP50」)を用いることで除去した。
これにより、凹部一つにつき一つずつ樹脂めっき粒子を保持させたNi電鋳型を用意した。
そして、一方の基材を剥離して露出させた平膜の表面と、Ni電鋳型の樹脂めっき粒子の保持面とを重ね合わせ、これを、温度120℃、加圧力0.1MPa、線速0.2m/分の条件で、熱ラミネートし、室温まで冷却した後、当該型を取り除いた。
これにより、Ni電鋳型の凹部に保持させた多数の樹脂めっき粒子を、上記平膜表面に転写した。なお、転写後の平膜表面上には、多数の樹脂めっき粒子が、互いに離間された状態で、約8°傾けられた千鳥状に規則的に配列されていた。
次いで、上記転写後の平膜表面に基材(ポリエチレンテレフタレート、厚み38μm、リンテック(株)製「PET38C」)の離型面を重ね、これを、温度140℃、加圧力1MPa、線速0.2m/分の条件で、熱ラミネートした。
これにより、転写された樹脂めっき粒子を、その規則的な配列を維持したまま平膜内に埋め込んで当該膜に保持させた。なお、平膜の転写面とは反対側の面と、膜内に押し込まれた樹脂めっき粒子表面との距離は、0.2μmであった。
以上により、互いに離間されて規則的に配列された多数の樹脂めっき粒子を保持する第1の接着層(厚み:4.2μm、第1の接着層の外表面と樹脂めっき粒子の表面との距離:0.2μm)を形成した。なお、この第1の接着層は、離型性を有する基材間に挟持されている。
(第2の接着層の積層)
次に、準備した各第1の接着層の片面に、表1に示す配合(配合割合の単位は質量部である。)に調製した各組成物を以下の手順にて積層することにより、各第2の接着層を形成した。
なお、第2の接着層の形成に用いた供試材は、下記の通りである。
・潜在性硬化剤(旭化成ケミカルズ(株)製、「ノバキュアHXA3932HP」)
・末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂(1)(東都化成(株)製、「FX−293」)
・末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂(2)(東都化成(株)製、「YP−50SC」)
・末端水酸基を有するフェノキシ系樹脂(Inchem社製、「PKHC」)
・液状エポキシ系樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、「JER806」)
・フィラー((株)龍森、「シリカフィラーAC−5VLD」)
先ず、コンマコーターを用い、連続的に供給される基材(ポリエチレンテレフタレート、厚み38μm、リンテック(株)製「PET38C」)の離型面に、各種配合に調製された各組成物を塗工した。
次いで、この塗工層を100℃で90秒間乾燥させ、第2の接着層(厚み25μm)を形成した。その後、第2の接着層の表面に、基材(ポリエチレンテレフタレート、厚み50μm、リンテック(株)製、「PET5011」)の離型面を合わせて巻き取った。
以上により、離型性を有する基材間に挟持された第2の接着層を準備した。
次に、片側の基材を剥離して露出させた第2の接着層表面と、同じく片側の基材を剥離して露出させた第1の接着層表面(転写面側)とを重ね合わせ、これを貼り合わせた。
上記の通りにして、離型性を有する基材間に挟持された各実施例および比較例に係る異方性導電膜を作製した。
2.圧着体の作製
以下の手順により、作製した異方性導電膜を介して配線基板上にICチップを圧着し、圧着体を作製した。なお、当該圧着体の作製は、初期および保存後(40℃で24時間放置後)の異方性導電膜を用いて行った。
(配線基板とICチップの準備)
厚み0.7mmのガラス基板表面に回路パターン(材質ITO、パターンピッチ30μm、パターン幅20μm)が形成された配線基板と、Auバンプを有するICチップ(バンプ面積20μm×100μm、バンプピッチ30μm、バンプ高さ15μm)とを準備した。
(異方性導電膜の貼り付け)
圧着装置の基台上に配線基板を載置した。次いで、この配線基板の回路パターン上に、第1の接着層側の基材を剥離した異方性導電膜(3mm×17mmの大きさ)を、第1の接着層側を配線基板側にして配置した。
次いで、熱圧着ヘッドを用いて、第2の接着層上の基材を介して異方性導電膜を加圧し、配線基板上に異方性導電膜を貼り付けた。
なお、貼り付け時の条件は、基台温度30℃、ヘッド温度75℃、加圧力1MPa、加圧時間5秒とした。
(ICチップの仮圧着)
上記異方性導電膜の貼り付け後、第2の接着層上の基材を剥離し、配線基板の回路パターンとICチップのAuバンプとが相対峙するように、第2の接着層上にICチップを載置した。
次いで、熱圧着ヘッドを用いて、ICチップの上部を加圧して異方性導電膜にICチップを仮圧着した。
なお、ICチップの仮圧着時の条件は、基台温度30℃、ヘッド温度30℃、加圧力1MPa、加圧時間0.1秒とした。
(ICチップの本圧着)
上記ICチップの仮圧着後、熱圧着ヘッドを用いて、ICチップの上部を加圧して異方性導電膜にICチップを本圧着し、圧着体を作製した。
なお、ICチップの本圧着時の条件は、基台温度30℃、本圧着前の予熱時間10秒、ヘッド温度210℃、バンプ面積に対して加圧力80MPa、加圧時間10秒とした。この基台温度30℃、予熱時間10秒の条件は、基台温度80℃、予熱時間0.1秒未満に相当する。
3.評価
以下の要領にて、最低溶融粘度の測定、剥離評価、気泡評価、粒子配列評価を行った。なお、参考データとして、圧着体の電気抵抗の測定を併せて行った。
3.1 最低溶融粘度
第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度を、以下の手順により求めた。
すなわち、先ず、第2の接着層を形成する組成物より試料(直径20mm、厚み400μm、未硬化物)を作製した。なお、上記試料は、厚み25μmに形成した組成物を16回貼り合わせることにより厚み400μmとした。
次いで、応力制御型レオメータ(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製、「AR500」、ペルチェ素子により温度制御)に、上記試料をセットし、昇温速度5℃/分、周波数1Hz、歪み0.05%の条件にて、20℃から160℃までにおける温度と溶融粘度との関係を測定した。
そして、得られた温度と溶融粘度との関係から最低溶融粘度を求めた。
3.2 剥離評価
上記本圧着後の圧着体について、ICチップのバンプがある四隅をマイクロスコープにて撮影(倍率:450倍)し、撮影したエリア内で剥離がなかった場合を「○」、剥離があった場合を「×」と判定した。なお、後述する図2〜図4において、ICチップは、上部横方向に480個、左右縦方向に32個、下部横方向に182個バンプが配置されている。上記「バンプがある四隅」は、これら各図における四隅のことである。
3.3 気泡評価
上記剥離評価において、撮影したエリア内で気泡の占める面積が10%未満であった場合を気泡が抑制されているとして「○」、10%以上であった場合を気泡が抑制されていないとして「×」と判定した。
3.4 粒子配列評価
上記本圧着後の圧着体について、ICチップのバンプが並んでいる中央(接着層の流れが最も激しい位置、図2〜4にいう上部横方向の中央部分)をマイクロスコープにて撮影(倍率:450倍)し、バンプ内で粒子配列がほとんど維持されていた場合を「○」、粒子配列が著しく崩れていた場合を「×」と判定した。
3.5 電気抵抗
上記本圧着後の圧着体について、相対峙する回路パターン−Auバンプ間の初期電気抵抗を、抵抗率計(ダイアインスツルメンツ製、「ロレスタGP」)を用い、4端子4探針法により測定した。なお、各実施例および各比較例におけるサンプル数は、N=10[個]であり、算術平均による平均値を算出し、これを圧着体の膜厚方向の電気抵抗(Ω/バンプ)とした。
4.結果
表1および表2に、実施例および比較例に係る異方性導電膜の評価結果を、第2の接着層配合とともにまとめて示す。また、図2に、実施例1に係る異方性導電膜を用いたときの圧着体の外観写真を示す。図3に、比較例1に係る異方性導電膜を用いたときの圧着体の外観写真を示す。図4に、比較例2に係る異方性導電膜を用いたときの圧着体の外観写真を示す。
これらの結果から以下のことが分かる。すなわち、比較例1に係る異方性導電膜は、末端エポキシ基ではなく、末端水酸基を有するフェノキシ系樹脂を含む組成物により第2の接着層が形成されている。そのため、第1の接着層との密着が悪く、本圧着前の予熱時間が短くなると(従来80℃で20秒程度→80℃で0.1秒相当、30℃では10秒)、接着層層間に剥離が発生しやすかった。
比較例2に係る異方性導電膜は、比較例1に係る異方性導電膜と同様のことが当てはまる。さらに、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が200Pa・sと低いため、ICチップの押し込みによる空気の巻き込みによって圧着体に気泡が発生しやすかった。
比較例3に係る異方性導電膜は、エポキシ系樹脂の割合が本発明で規定される量を下回っている。そのため、組成物の相溶性が低下し、成分分離が生じやすくなって保存安定性が悪化し、粒子配列が崩れやすかった。
比較例4に係る異方性導電膜は、液状エポキシ系樹脂の割合が本発明で規定される量を上回っている。そのため、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が低下し(500Pa・s)、ICチップの押し込みによる空気の巻き込みによって圧着体に気泡が発生しやすかった。
比較例5、7に係る異方性導電膜は、末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂の割合が本発明で規定される量を下回っている。そのため、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が低下し(比較例5:700Pa・s、比較例7:500Pa・s)、ICチップの押し込みによる空気の巻き込みによって圧着体に気泡が発生しやすかった。
比較例6、8に係る異方性導電膜は、末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂の割合が本発明で規定される量を上回っている。そのため、組成物の相溶性が低下し、成分分離が生じやすくなって保存安定性が悪化し、粒子配列が崩れやすかった。
比較例9に係る異方性導電膜は、フィラーの割合が本発明で規定される量を上回っている。そのため、第2の接着層を形成する組成物の最低溶融粘度が過度に上昇し(30000Pa・s)、圧着時に、規則的に配列されていた粒子が押し流されて粒子配列が崩れやすかった。
これらに対し、実施例に係る異方性導電膜は、本圧着後における剥離や気泡の発生、粒子配列の崩れを抑制可能なことが確認できた。
また、保存安定性も良好で、一定期間熱に曝された場合でも、上記性能を発揮できることも確認された。このことから、例えば、本発明に係る異方性導電膜の使用時に、例えば、生産トラブル等が発生し、加熱された基台上に異方性導電膜が一定時間放置された場合であっても、通常と同じように性能を発揮しやすいという利点がある。
以上、本発明の一実施形態、一実施例について説明したが、本発明は上記実施形態、実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明の実施形態に係る異方性導電膜を模式的に示した断面図である。 実施例1に係る異方性導電膜を用いた圧着体をガラス基板側から観察したときの外観を示す光学顕微鏡写真である。 比較例1に係る異方性導電膜を用いた圧着体をガラス基板側から観察したときの外観を示す光学顕微鏡写真である。 比較例2に係る異方性導電膜を用いた圧着体をガラス基板側から観察したときの外観を示す光学顕微鏡写真である。
符号の説明
10 ACF
12 導電性粒子
14 第1の接着層
16 接着層

Claims (4)

  1. 互いに離間されて規則的に配列された多数の導電性粒子を保持する第1の接着層と、前記第1の接着層の片面に積層された第2の接着層とを有し、
    前記第1の接着層は、エポキシ基と反応する硬化剤および/またはエポキシ系樹脂を含み、
    前記第2の接着層は、
    潜在性硬化剤100質量部に対し、
    末端エポキシ基を有するフェノキシ系樹脂:30〜80質量部と、
    エポキシ系樹脂:5〜40質量部と、
    フィラー:100質量部以下と、
    を含む組成物より形成されており、
    前記組成物の最低溶融粘度は、1×10〜2×10Pa・sの範囲内にあることを特徴とする異方性導電膜。
  2. 前記第1の接着層の外表面と前記導電性粒子の表面との距離が、0.3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の異方性導電膜。
  3. 前記第1の接着層の厚みが0.5〜3μmの範囲内、
    前記導電性粒子の平均粒径が2〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の異方性導電膜。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の異方性導電膜に電子部品を本圧着するにあたり、前記本圧着前における異方性導電膜の予熱時間が10秒以下であることを特徴とする異方性導電膜の使用方法。
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