JP6326867B2 - 接続構造体の製造方法及び接続構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、接続構造体の製造方法及び接続構造体に関する。
従来、例えば液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(TCP)との接続や、フレキシブルプリント基板(FPC)とTCPとの接続、或いはFPCとプリント配線板との接続には、接着剤フィルム中に導電粒子を分散させた異方導電性フィルムが用いられている。また、半導体シリコンチップを基板に実装する場合にも、従来のワイヤーボンディングに代えて、半導体シリコンチップを基板に直接実装する、いわゆるチップオンガラス(COG)が行われており、ここでも異方導電性フィルムが用いられている。
近年では、電子機器の発達に伴い、配線の高密度化や回路の高機能化が進んでいる。その結果、接続電極間の間隔が例えば15μm以下となるような接続構造体が要求され、接続部材のバンプ電極も小面積化されてきている。小面積化されたバンプ接続において安定した電気的接続を得るためには、十分な数の導電粒子がバンプ電極と基板側の回路電極との間に介在している必要がある。
このような課題に対し、例えば特許文献1,2では、異方導電性フィルム中の導電粒子を小径化して粒子密度を高める方法や、導電粒子を含む接着剤層と絶縁性の接着剤層との2層構造を有する異方導電性フィルムを用いる方法が行われている。また、例えば特許文献3,4では、異方導電性フィルム中の導電粒子の流動を妨げる壁や突起が基板に設けられ、バンプ電極と回路電極との間の導電粒子の捕捉効率の向上が図られている。さらに、特許文献5では、導電粒子の平均粒径等が規定されると共に、導電粒子が一定割合で基板側に偏在した接続構造体が開示されている。
特開平6−45024号公報 特開2003−49152号公報 特開2010−027847号公報 特開2012−191015号公報 特開2011−109156号公報
しかしながら、上述した従来の手法では、バンプ電極間又は回路電極間に導電粒子が凝集し、絶縁性が損なわれる可能性があった。また、接着時の異方導電性フィルムの流動にばらつきが生じ、基板間の樹脂の充填ムラに起因して剥離や接続抵抗の低下といった問題が生じるおそれがあった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、対向する回路部材間の接続信頼性の確保と、回路部材内の電極同士の絶縁性の確保とを両立できる接続構造体の製造方法及び接続構造体を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る接続構造体の製造方法は、バンプ電極が配列された第1の回路部材と、バンプ電極に対応する回路電極が配列された第2の回路部材とを、導電粒子が接着剤層中に分散されてなる異方導電性フィルムを介して接続する接続構造体の製造方法であって、バンプ電極及び回路電極は、隣接する列間で互いに位置が異なるように千鳥状に配列され、異方導電性フィルムは、導電粒子が一方面側に偏在しており、導電粒子と一方面との間の距離が0μmより大きく1μm以下であり、かつ導電粒子の70%以上が隣接する他の導電粒子と離間した状態となっており、異方導電性フィルムの一方面側が第2の回路部材側に向くように異方導電性フィルムを配置し、第1の回路部材と第2の回路部材とを熱圧着することを特徴としている。
この接続構造体の製造方法では、異方導電性フィルムの分散層において、導電粒子の70%以上が隣接する他の導電粒子と離間した状態となっている。このため、回路部材の接続にあたって隣接する導電粒子同士の凝集が抑えられ、回路部材内の電極同士の絶縁性を良好に確保できる。また、この接続構造体の製造方法では、導電粒子Pが一方面側に偏在しており、導電粒子Pと一方面との間の距離が0μmより大きく1μm以下となっており、異方導電性フィルム中の導電粒子の流動性が抑えられている。これに加え、第1の回路部材のバンプ電極及び第2の回路部材の回路電極が千鳥状に配列されているため、圧着時にバンプ電極及び回路電極が接着剤成分の流動を堰き止める作用を奏する。これにより、対向する回路部材の電極間での導電粒子の捕捉効率を向上でき、回路部材間の接続信頼性を確保できる。
また、バンプ電極間の間隔及び回路電極間の距離が5μm以上20μm未満であることが好ましい。このようなバンプ電極及び回路電極の配置により、圧着時における導電粒子の流動性がより確実に抑えられ、対向する回路部材の電極間での導電粒子の捕捉効率を一層向上できる。
また、導電粒子の平均粒径が2.5μm以上6.0μm以下であり、導電粒子の密度が5000個/mm以上50000個/mm以下であることが好ましい。この範囲を満たすことにより、対向する回路部材間の接続信頼性の確保と、回路部材内の電極同士の絶縁性の確保とをより好適に両立できる。
また、本発明に係る接続構造体は、バンプ電極が配列された第1の回路部材と、バンプ電極に対応する回路電極が配列された第2の回路部材とが、導電粒子が分散されてなる異方導電性接着剤層によって接続された接続構造体であって、バンプ電極と回路電極との間の異方導電性接着剤層において、導電粒子の80%以上が第2の回路部材の実装面から導電粒子の平均粒径の180%以下となる範囲に位置していることを特徴としている。
この接続構造体では、対向する回路部材間の接続信頼性の確保と、回路部材内の電極同士の絶縁性の確保とを両立できる。
本発明によれば、対向する回路部材間の接続信頼性の確保と、回路部材内の電極同士の絶縁性の確保とを両立できる。
本発明に係る接続構造体の一実施形態を示す模式的断面図である。 第1の回路部材におけるバンプ電極の配列の一例を示す模式的平面図である。 図1に示した接続構造体に用いられる異方導電性フィルムの一実施形態を示す模式的断面図である。 異方導電性フィルムの他の実施形態を示す模式的断面図である。 異方導電性フィルムの要部拡大模式図である。 図1に示した接続構造体の製造工程を示す模式的断面図である。 図6の後続の工程を示す模式的断面図である。 図4に示した異方導電性フィルムの製造工程を示す模式的断面図である。 従来製法における導電粒子の分散の様子を示す顕微鏡写真である。 本製法における導電粒子の分散の様子を示す顕微鏡写真である。 比較例における圧着時の導電粒子の流動の様子を示す模式的である。 実施例における圧着時の導電粒子の流動の様子を示す模式的である。 接続構造体の評価試験結果を示す図である。 実施例に係る接続構造体のSEM写真である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る接続構造体及び接続構造体の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
[接続構造体の構成]
図1は、本発明に係る接続構造体の一実施形態を示す模式的断面図である。同図に示すように、接続構造体1は、互いに対向する第1の回路部材2及び第2の回路部材3と、これらの回路部材2,3を接続する異方導電性フィルムの硬化物4とを備えて構成されている。
第1の回路部材2は、例えばテープキャリアパッケージ(TCP)、プリント配線板、半導体シリコンチップ等である。第1の回路部材2は、本体部5の実装面5a側に複数のバンプ電極6を有している。バンプ電極6は、図2に示すように、例えば平面視で細長い長方形状をなしており、隣接する列間で互いに位置が異なるように千鳥状に配列されている。また、バンプ電極6,6間の間隔は、例えば5μm以上20μm未満となっており、バンプ電極6の厚みは、例えば3μm以上18μm未満となっている。バンプ電極6の形成材料には、例えばAu等が用いられ、異方導電性フィルムの硬化物4に含まれる導電粒子Pよりも変形し易くなっている。なお、実装面5aにおいて、バンプ電極6が形成されていない部分には、絶縁層が形成されていてもよい。なお、図2では、バンプ電極6が2列に配列されているが、配列数は3列以上であってもよい。
第2の回路部材3は、例えば液晶ディスプレイに用いられるITO、IZO、若しくは金属等で回路が形成されたガラス基板又はプラスチック基板、フレキシブルプリント基板(FPC)、セラミック配線板などである。第2の回路部材3は、図1に示すように、本体部7の実装面7a側にバンプ電極6に対応する複数の回路電極8を有している。回路電極8は、バンプ電極6と同様に例えば平面視で細長い長方形状をなしており、隣接する列間で互いに位置が異なるように千鳥状に配列されている。また、回路電極8,8間の間隔は、例えば5μm以上20μm未満となっており、回路電極8の厚みは、例えば100nm程度となっている。回路電極8の表面は、例えば金、銀、銅、錫、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、インジウム錫酸化物(ITO)、及びインジウム亜鉛酸化物(IZO)から選ばれる1種或いは2種以上の材料で構成されている。なお、実装面7aにおいても、回路電極8が形成されていない部分に絶縁層が形成されていてもよい。
異方導電性フィルムの硬化物4は、後述の異方導電性フィルム11(図3参照)を用いて形成された層であり、導電粒子Pが一方面側に偏在した状態となっている。本実施形態では、導電粒子Pが偏在している一方面側が第2の回路部材3側に位置し、導電粒子Pが偏在していない他方面側が第1の回路部材2側に位置している。
なお、異方導電性フィルムの硬化物4は、導電性接着剤層13を硬化してなる第1の領域23と、絶縁性接着剤層14を硬化してなる第2の領域24を有していてもよい(図4参照)。この場合の実施形態では、第1の領域23を第2の回路部材3側に位置させ、第2の領域24を第1の回路部材2側に位置させればよい。ここでは、導電粒子Pが分散された層を導電性接着剤層と称し、導電粒子Pが分散されていない層を絶縁性接着剤層と称したが、両層を構成している接着剤成分自体は非導電性である。
導電粒子Pは、第2の回路部材3側に偏在した状態となっており、圧着によって僅かに扁平に変形した状態でバンプ電極6と回路電極8との間に介在している。バンプ電極6と回路電極8との間では、導電粒子Pの80%以上が第2の回路部材3の実装面7aから導電粒子Pの平均粒径の180%以下となる範囲に位置している。これにより、バンプ電極6と回路電極8との間の電気的な接続が実現されている。また、隣接するバンプ電極6,6間及び隣接する回路電極8,8間では、導電粒子Pが離間した状態となっており、隣接するバンプ電極6,6間及び隣接する回路電極8,8間の電気的な絶縁が実現されている。
[異方導電性フィルムの構成]
図3は、図1に示した接続構造体に用いられる異方導電性フィルムの一実施形態を示す模式的断面図である。また、図4は、異方導電性フィルムの他の実施形態を示す模式的断面図である。図3に示す例では、異方導電性フィルム11は、一方面側に導電粒子Pが偏在かつ分散されており、剥離フィルム12と一方面とが対峙するように構成されている。また、図4に示す例では、異方導電性フィルム11は、剥離フィルム12と、導電粒子Pが分散された接着剤層からなる導電性接着剤層13と、導電粒子Pが分散されていない接着剤層からなる絶縁性接着剤層14とがこの順で積層されて構成されていてもよい。
剥離フィルム12は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等によって形成されている。剥離フィルム12には、任意の充填剤を含有させてもよい。また、剥離フィルム12の表面には、離型処理やプラズマ処理等が施されていてもよい。
異方導電性フィルム11を形成する接着剤層は、いずれも、硬化剤、モノマー、及びフィルム形成材を含有している。エポキシ樹脂モノマーを用いる場合は、硬化剤として、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等が挙げられる。硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化すると、可使時間が延長されるため、好適である。一方、アクリルモノマーを用いる場合は、硬化剤として、過酸化化合物、アゾ系化合物等の加熱により分解して遊離ラジカルを発生するものが挙げられる。
エポキシモノマーを用いた場合の硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等により適宜選定される。硬化剤は、高反応性の点から、エポキシ樹脂組成物とのゲルタイムが所定の温度で10秒以内であることが好ましく、保存安定性の点から、40℃で10日間恒温槽に保管後にエポキシ樹脂組成物とのゲルタイムに変化がないことが好ましい。このような点から、硬化剤はスルホニウム塩であることが好ましい。
アクリルモノマーを用いた場合の硬化剤は、目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等により適宜選定される。高反応性と保存安定性の点から、半減期10時間の温度が40℃以上かつ半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物又はアゾ系化合物が好ましく、半減期10時間の温度が60℃以上かつ半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物又はアゾ系化合物がより好ましい。これらの硬化剤は、単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。
エポキシモノマー及びアクリルモノマーのいずれを用いた場合においても、接続時間を10秒以下とした場合、十分な反応率を得るために、硬化剤の配合量は、後述のモノマーと後述のフィルム形成材との合計100質量部に対して、0.1質量部〜40質量部とすることが好ましく、1質量部〜35質量部とすることがより好ましい。硬化剤の配合量が0.1質量部未満では、十分な反応率を得ることができず、良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。一方、硬化剤の配合量が40質量部を超えると、接着剤の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤の保存安定性が低下する傾向にある。
また、モノマーとしては、エポキシ樹脂モノマーを用いる場合は、エピクロルヒドリンとビスフェノールAやビスフェノールF、ビスフェノールAD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラックやクレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック樹脂やグリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物等を用いることができる。
アクリルモノマーを用いる場合は、ラジカル重合性化合物は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質であることが好ましい。かかるラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリレート、マレイミド化合物、スチレン誘導体等が挙げられる。また、ラジカル重合性化合物は、モノマー又はオリゴマーのいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーとを混合して使用してもよい。これらのモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
フィルム形成材は、上記の硬化剤及びモノマーを含む粘度の低い組成物の取り扱いを容易にする作用を有するポリマーである。フィルム形成材を用いることによって、フィルムが容易に裂けたり、割れたり、べたついたりすることを抑制し、取り扱いが容易な異方導電性フィルム11が得られる。
フィルム形成材としては、熱可塑性樹脂が好適に用いられ、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等が挙げられる。さらに、これらのポリマー中には、シロキサン結合やフッ素置換基が含まれていてもよい。これらの樹脂は、単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。上記の樹脂の中でも、接着強度、相溶性、耐熱性、及び機械強度の観点から、フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。
熱可塑性樹脂の分子量が大きいほどフィルム形成性が容易に得られ、また、異方導電性フィルムの流動性に影響する溶融粘度を広範囲に設定できる。熱可塑性樹脂の分子量は、重量平均分子量で5000〜150000であることが好ましく、10000〜80000であることが特に好ましい。重量平均分子量を5000以上とすることで良好なフィルム形成性が得られやすく、150000以下とすることで他の成分との良好な相溶性が得られやすい。
なお、本発明において、重量平均分子量とは、下記の条件に従って、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)より標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定した値をいう。
(測定条件)
装置:東ソー株式会社製 GPC−8020
検出器:東ソー株式会社製 RI−8020
カラム:日立化成株式会社製 Gelpack GLA160S+GLA150S
試料濃度:120mg/3mL
溶媒:テトラヒドロフラン
注入量:60μL
圧力:2.94×106Pa(30kgf/cm2)
流量:1.00mL/min
また、フィルム形成材の含有量は、硬化剤、モノマー、及びフィルム形成材の総量を基準として5重量%〜80重量%であることが好ましく、15重量%〜70重量%であることがより好ましい。5重量%以上とすることで良好なフィルム形成性が得られやすく、また、80重量%以下とすることで硬化性組成物が良好な流動性を示す傾向にある。
また、異方導電性フィルム11を形成する接着剤層は、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等を更に含有していてもよい。
充填剤を含有する場合、接続信頼性の向上が更に期待できる。充填剤の最大径は、導電粒子の粒径未満であることが好ましく、充填剤の含有量は、接着剤層100体積部に対して5体積部〜60体積部であることが好ましい。60体積部を超えると信頼性向上の効果が飽和することがあり、5体積部未満では添加の効果が少ない。
図5は、異方導電性フィルム11の要部拡大模式図である。同図に示すように、異方導電性フィルム11では、導電粒子Pが異方導電性フィルム11の一方面側に偏在していると共に、導電粒子Pと一方面との間の距離Xが0μmより大きく1μm以下となっている。このような形態をとることによって、圧着時に導電粒子Pの流動を抑制することが可能となり、バンプ電極6と回路電極8との間に捕捉される導電粒子Pの数を向上できる。
また、異方導電性フィルム11において、導電粒子Pの70%以上が隣接する他の導電粒子Pと離間した状態となっている。このような分散状態は、例えば、導電粒子Pを含有する固定用樹脂を剥離フィルム12上に塗布した後に剥離フィルム12を面内方向に伸張させて導電粒子Pを離間させる工程、インクジェット方式により導電粒子Pを含有するインクを吐出ノズルから接着剤上に吐出し接着剤中に導電粒子Pを均一に分散させる工程、或いは導電粒子Pを含有する接着剤を剥離フィルム12上に塗工させるときに磁場印加を実施して導電粒子Pを離間させる工程などによって形成することができる。
導電粒子Pとしては、例えば金、銀、ニッケル、銅、はんだ等の金属粒子、これら金属で被覆された粒子、カーボン粒子等が挙げられるが、磁場印加工程による分散化を実施する観点では、ニッケルを含有する粒子が用いられる。一般的にニッケルは強磁性体であり、外部磁場によって磁化することが知られており、ニッケルを用いることが導電性及び磁場印加による分散性を両立できる点で有意である。また、導電粒子Pの保存安定性を得るため、導電粒子Pの表層は、ニッケルではなく、金、銀のような白金属の貴金属類としてもよい。また、ニッケルの表面をAu等の貴金属類で被覆してもよい。さらに、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等を上記金属等の導電物質で被覆したものを用いてもよく、この場合にもニッケル層を設けて多層構造とすることも可能である。
また、ニッケルの磁性は、ニッケルめっき中に含有するリン濃度に影響されるため、磁場による導電粒子Pの分散に必要な磁性は適時調整することが好ましい。導電粒子Pの磁性は、例えば試料振動型磁力計(VSM:Vibrating Sample Magnetmeter)によって飽和磁化を測定することが可能である。外部磁場によって導電粒子Pを分散するためには、VSM測定にて飽和磁化が5.0emu/g〜50emu/gの範囲であることが好ましい。5.0emu/g未満であると、磁場を印加しても導電粒子Pの分散を行うことができない場合がある。一方、50emu/gを超えると、導電粒子Pの磁化が大きくなりすぎて、導電粒子Pが互いに結合し、導電粒子Pの分散性が低下する場合がある。
導電粒子Pの平均粒径は、2.5μm以上6.0μm以下であることが好ましい。導電粒子Pの平均粒径が2.5μm未満である場合には、導電粒子Pが凝集し易くなるため、導電粒子Pを導電性接着剤層13に良好に分散することが困難となり、導電粒子Pの平均粒径が6.0μmを超える場合には、接続構造体1の隣接する回路電極8,8間での絶縁性が低下するおそれがある。導電粒子Pの良好な分散性を得るためには、導電粒子Pの平均粒径は、2.7μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましい。一方、接続構造体1の隣接する回路電極8,8間での絶縁性の確保の観点から、導電粒子Pの平均粒径は、5.5μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。
導電粒子Pの配合量は、導電性接着剤層の導電粒子P以外の成分100体積部に対して1体積部〜100体積部とすることが好ましい。導電粒子Pが過剰に存在することによる隣接する回路電極8,8の短絡を防止する観点から、導電粒子Pの配合量は、10体積部〜50体積部とすることがより好ましい。さらに、導電粒子の平均粒径が2.5μm以上6.0μm以下の範囲において、導電粒子の粒子密度が5000個/mm以上50000個/mm以下であることが好ましい。この場合、導電粒子Pの分散性と隣接する回路電極8,8間での絶縁性とをより好適に両立できる。
[接続構造体の製造方法]
図6は、図1に示した接続構造体の製造工程を示す断面図である。接続構造体1の形成にあたっては、まず、異方導電性フィルム11から剥離フィルム12を剥離し、導電粒子Pが偏在する異方導電性フィルム11の一方面側が実装面7aと対向するようにして異方導電性フィルム11を第2の回路部材3上にラミネートする。次に、図7に示すように、バンプ電極6と回路電極8とが対向するように、異方導電性フィルム11がラミネートされた第2の回路部材3上に第1の回路部材2を配置する。そして、異方導電性フィルム11を加熱しながら第1の回路部材2と第2の回路部材3とを厚み方向に加圧する。
これにより、異方導電性フィルム11の接着剤成分が流動し、バンプ電極6と回路電極8との距離が縮まって導電粒子Pが噛合した状態で、異方導電性フィルム11が硬化する。異方導電性フィルム11の硬化により、バンプ電極6と回路電極8とが電気的に接続され、かつ隣接するバンプ電極6,6同士及び隣接する回路電極8,8同士が電気的に絶縁された状態で異方導電性フィルムの硬化物4が形成され、図1に示した接続構造体1が得られる。得られた接続構造体1では、異方導電性フィルムの硬化物4によってバンプ電極6と回路電極8との間の距離の経時的変化が十分に防止されると共に、電気的特性の長期信頼性も確保できる。
なお、異方導電性フィルム11の加熱温度は、硬化剤において重合活性種が発生し、重合モノマーの重合が開始される温度である。この加熱温度は、例えば80℃〜200℃であり、好ましくは100℃〜180℃である。また、加熱時間は、例えば0.1秒〜30秒、好ましくは1秒〜20秒である。加熱温度が80℃未満であると硬化速度が遅くなり、200℃を超えると望まない副反応が進行しやすい。また、加熱時間が0.1秒未満では硬化反応が十分に進行せず、30秒を超えると硬化物の生産性が低下し、更に望まない副反応も進みやすい。
[異方導電性フィルムの製造方法]
異方導電性フィルム11は、導電粒子Pを含有する固定用樹脂を剥離フィルム12上に塗布した後、剥離フィルムを面内方向に伸張させて導電粒子Pを離間させるようにしてもよい。この方法では、固定用樹脂に導電粒子Pを単層に充填し、固定用樹脂の凝集を起こさせながら延伸を行い、凝集力と延伸力のバランスを取ることによって導電粒子Pを固定用樹脂で連結できる。固定用樹脂として架橋ポリマーを用いる場合は、未架橋の状態で延伸し、その後に熱や光を用いて架橋することが好ましい。固定用樹脂で連結された導電粒子Pを絶縁性接着剤中に埋め込む方法としては、剥離可能な基材上に形成された絶縁性接着剤上に固定用樹脂で連結された導電粒子Pを重ね、熱ロールやラミネーターを用いて絶縁性接着剤中に埋め込む方法が挙げられる。
さらに、インクジェット方式により、導電粒子Pを含有するインクを吐出ノズルから絶縁性接着剤上に吐出し、絶縁性接着剤中に導電粒子Pを均一に分散させることで異方導電性フィルム11を作製することも可能である。
また、フィルム塗布工程と、これに続く磁場印加工程とによって異方導電性フィルム11を作製することが可能である。これらの工程では、導電粒子Pが分散された接着剤ペーストを離型フィルムに塗布し、ペーストが乾燥する前に離型フィルムの厚さ方向に磁場を印加する。磁場の印加により隣接する導電粒子Pを分散することで、異方導電性フィルム11が得られる。
さらに、導電性接着剤層13と絶縁性接着剤層14から構成される異方導電性フィルム11を作製する場合には、導電粒子Pの平均粒径と導電性接着剤層13の厚みとの関係について、導電性接着剤層13の厚みが導電粒子Pの平均粒径の0.6倍以上1.0倍未満であることが好ましい。導電性接着剤層13の厚みが導電粒子Pの平均粒径に対して0.6倍未満となる場合、導電粒子Pの粒子密度が低下し、バンプ電極6と回路電極8との間の接続不良が生じるおそれがある。また、導電性接着剤層13の厚みが導電粒子Pの平均粒径に対して1.0倍以上となる場合、隣接する導電粒子P,P同士が凝集し、隣接する回路電極8,8間での短絡が生じるおそれがある。より良好な分散性を得るためには、導電性接着剤層13の厚みが導電粒子Pの平均粒径に対して0.7倍以上0.9倍以下であることが好ましい。また、導電性接着剤層13の厚みは、1.5μm以上6.0μm以下であることが好ましい。
このような関係を満たす場合、導電粒子Pの一部は、絶縁性接着剤層14側に突出した状態となっており、隣り合う導電粒子P,Pの離間部分には、導電性接着剤層13と絶縁性接着剤層14との界面が位置する。また、導電粒子Pは、導電性接着剤層13における絶縁性接着剤層14の反対面(すなわち剥離フィルム12側の面)には露出しておらず、反対面は平坦面となる。
一方、絶縁性接着剤層14の厚みは、適宜設定可能である。導電性接着剤層13及び絶縁性接着剤層14の厚みの合計は、例えば5μm〜30μmとなっている。また、通常、導電性接着剤層13及び絶縁性接着剤層14の厚みの合計と、接続構造体1における第1の回路部材2の実装面5aから第2の回路部材3の実装面7aまでの距離との差は、0μm〜10μmであることが好ましい。回路部材2,3間を異方導電性フィルムの硬化物4で充填する観点からは、上記の差を0.5μm〜8.0μmとすることが好ましく、1.0μm〜5.0μmとすることがより好ましい。
差が0μm未満となる場合、第1の回路部材2と第2の回路部材3との間が異方導電性フィルムの硬化物4で充填されなくなるおそれがあり、剥離や耐湿試験後の接続信頼性の低下の要因となる。一方、差が10μmを超える場合、第1の回路部材2及び第2の回路部材3の圧着時に、樹脂の排除が不十分となり、バンプ電極6と回路電極8との間の導通が取れなくなる可能性がある。
導電性接着剤層13の形成の後、図8に示すように、別途作成した絶縁性接着剤層14を導電性接着剤層13上にラミネートする。これにより、図4に示した異方導電性フィルム11が得られる。なお、絶縁性接着剤層14のラミネートには、例えばホットロールラミネータを用いることができる。また、ラミネートに限られず、絶縁性接着剤層14の材料となる接着剤ペーストを導電性接着剤層13上に塗布・乾燥してもよい。
以上説明したように、この接続構造体の製造方法では、異方導電性フィルム11において、導電粒子Pの70%以上が隣接する他の導電粒子Pと離間した状態となっている。このため、第1の回路部材2と第2の回路部材3との接続にあたって、隣接する導電粒子P,P同士の凝集が抑えられ、隣接するバンプ電極6,6間及び隣接する回路電極8,8間の絶縁性を良好に確保できる。また、この接続構造体の製造方法では、異方導電性フィルム11において導電粒子Pが一方面側に偏在しており、導電粒子Pと一方面との間の距離が0μmより大きく1μm以下であるため、異方導電性フィルム11中の導電粒子Pの流動性が抑えられている。これに加え、第1の回路部材2のバンプ電極6及び第2の回路部材3の回路電極8が千鳥状に配列されているため、圧着時にバンプ電極6及び回路電極8が接着剤成分の流動を堰き止める作用を奏する。これにより、バンプ電極6と回路電極8との間での導電粒子Pの捕捉効率を向上でき、第1の回路部材2と第2の回路部材3との間の接続信頼性を確保できる。
図9は、従来製法における導電粒子の分散の様子を示す顕微鏡写真であり、図10は、本製法における導電粒子の分散の様子を示す顕微鏡写真である。図9に示すように、従来製法では、隣接する導電粒子と離間した導電粒子も散在しているものの、大多数の導電粒子が隣接する導電粒子と接触・凝集した状態となっている。これに対し、図10に示すように、本製法では、70%以上の導電粒子が隣接する導電粒子と離間した状態を保持している。
なお、本実施形態では、磁場印加工程と乾燥工程とを組み合わせることによって導電粒子の分散状態を形成しているが、分散状態の形成には他の手法を用いることもできる。例えば導電粒子を含有する接着剤ペーストを剥離フィルム上に塗布した後、剥離フィルムを面内方向に伸張させて導電粒子を離間させるようにしてもよい。
また、図11は、比較例における圧着時の導電粒子の流動の様子を示す模式図であり、図12は、実施例における圧着時の導電粒子の流動の様子を示す模式図である。図11に示すように、バンプ電極及び回路電極が一列に配列されている場合、圧着の際に異方導電性フィルム中の接着剤成分が流動し、これに伴ってバンプ電極と回路電極との間に存在していた導電粒子が電極間、及び電極間から回路部材の外方に向かって流動する。したがって、バンプ電極と回路電極との間での導電粒子の捕捉効率が低下することとなる。
一方、図12に示すように、バンプ電極及び回路電極が千鳥状に配列されている場合、圧着によって異方導電性フィルム中の接着剤成分が流動しようとするものの、流動経路上に隣接するバンプ電極及び回路電極が存在するため、バンプ電極及び回路電極が接着剤成分の流動が堰き止められ、結果として異方導電性フィルムの大部分で導電粒子の流動が抑制される。したがって、バンプ電極と回路電極との間の導電粒子が電極間及び電極間から回路部材の外方に流動してしまうことが抑えられ、バンプ電極と回路電極との間での導電粒子の捕捉効率を十分に確保できる。
[実施例]
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
(フェノキシ樹脂aの合成)
4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジフェノール45g(シグマアルドリッチジャパン株式会社製)、及び3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル50g(三菱化学株式会社製:YX−4000H)を、ジムロート冷却管、塩化カルシウム管、及び攪拌モーターに接続されたテフロン攪拌棒を装着した3000mLの3つ口フラスコ中でN−メチルピロリドン1000mLに溶解して反応液とした。これに炭酸カリウム21gを加え、マントルヒーターで110℃に加熱しながら攪拌した。3時間攪拌後、1000mLのメタノールが入ったビーカーに反応液を滴下し、生成した沈殿物を吸引ろ過することによってろ取した。ろ取した沈殿物をさらに300mLのメタノールで3回洗浄して、フェノキシ樹脂aを75g得た。
その後、フェノキシ樹脂aの分子量を東ソー株式会社製高速液体クロマトグラフGP8020を用いて測定した(カラム:日立化成株式会社製GelpakGL−A150S及びGLA160S、溶離液:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分)。その結果、ポリスチレン換算でMn=15769、Mw=38045、Mw/Mn=2.413であった。
(異方導電性フィルムの作製)
導電性接着剤層用の接着剤ペーストの形成にあたって、フェノキシ樹脂a55質量部、エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製:jER828)45質量部、熱潜在性硬化剤として4−ヒドロキシフェニルメチルナフチルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを固形分で5質量部を、溶剤であるトルエン100質量部に溶解させた。
次に、直径3μmのポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に厚み0.02μmの金属層を設け、平均粒径3μm、比重2.5の導電粒子を作製し、この導電粒子を80質量部で樹脂組成物に配合した。そして、この接着剤ペーストを、片面に離型処理(中剥離処理)が施された厚み50μmのPET樹脂フィルムにナイフコーターを用いて塗布し、磁場印加と共に70℃で5分間熱風乾燥することにより、厚みが2.6μmの導電性接着剤層を得た。
次に、絶縁性接着剤層用の接着剤ペーストの形成にあたって、Mw50000・Tg70℃のフェノキシ樹脂bを55質量部、エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製:jER807)45質量部、熱潜在性硬化剤として4−ヒドロキシフェニルメチルナフチルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを固形分で5質量部を、溶剤であるトルエン100質量部に溶解させた。そして、得られた接着剤ペーストを、片面に離型処理が施された厚み50μmのPET樹脂フィルムにナイフコーターを用いて塗布し、70℃で5分間熱風乾燥することにより、厚み16μmの絶縁性接着剤層を形成した。その後、導電性接着剤層と絶縁性接着剤層とを50℃に加熱してホットロールラミネータで貼り合わせ、厚みが19μmの異方導電性フィルムAを得た。
また、導電性接着剤層の形成にあたって、磁場印加を行わない点以外は上記と同様にして異方導電性フィルムBを得た。さらに、導電性接着剤層の形成にあたって、導電粒子の配合を25質量部とし、磁場印加を行わずに厚み6μmの導電性接着剤層を形成すると共に、絶縁性接着剤層の厚みを12μmとして異方導電性フィルムCを得た。
(異方導電性フィルム中の導電粒子の密度算出)
異方導電性フィルムA〜Cについて、25000μm当たりの導電粒子数を20か所で実測し、その平均値を1mmに換算した。その結果、異方導電性フィルムA及びB中の導電粒子の密度は、26000個/mmであった。一方、異方導電性フィルムC中の導電粒子の密度は、55000個/mmであった。
(導電粒子の単分散率の評価)
異方導電性フィルムA〜Cについて、導電粒子の単分散率(導電粒子が隣接する他の導電粒子と離間した状態(単分散状態)で存在している比率)を評価した。単分散率は、単分散率(%)=(2500μm中の単分散状態の導電粒子数/2500μm中の導電粒子数)×100、を用いて求められる。導電粒子の実測には、金属顕微鏡を用いた。その結果、異方導電性フィルムAでは、単分散率が87%となっているのに対し、異方導電性フィルムBでは、単分散率が36%にとどまった。また、異方導電性フィルムCでは、単分散状態で存在する導電粒子と凝集している導電粒子との判別が困難であり、単分散率を評価できなかった。
(実施例1)
まず、第1の回路部材として、バンプ電極を2列で千鳥状に配列したICチップ(外形2mm×20mm、厚み0.3mm、バンプ電極の大きさ70μm×15μm、バンプ電極間スペース15μm、バンプ電極厚み15μm)を準備した。また、第2の回路部材として、ガラス基板(コーニング社製:#1737、38mm×28mm、厚み0.3mm)の表面にITOの配線パターン(パターン幅20μm、電極間スペース10μm)を形成したものを準備した。
ICチップとガラス基板との接続には、セラミックヒータからなるステージ(150mm×150mm)及びツール(3mm×20mm)から構成される熱圧着装置を用いた。そして、異方導電性フィルムA(2.5mm×25mm)の導電性接着剤層上の剥離フィルムを剥離し、導電性接着剤層側の面をガラス基板に80℃・0.98MPa(10kgf/cm)の条件で2秒間加熱及び加圧して貼り付けた。
次に、異方導電性フィルムの絶縁性接着剤層上の剥離フィルムを剥離し、ICチップのバンプ電極とガラス基板の回路電極との位置合わせを行った後、異方導電性フィルムの実測最高到達温度170℃、及びバンプ電極での面積換算圧力70MPaの条件で5秒間加熱及び加圧して絶縁性接着剤層をICチップに貼り付け、実施例1に係る接続構造体を得た。
(実施例2)
ICチップのバンプ電極の大きさを70μm×12μmとし、バンプ電極間スペースを12μmとし、ガラス基板のITO配線パターンをパターン幅14μm、電極間スペース7μmとした以外は実施例1と同様にして実施例2に係る接続構造体を得た。
(実施例3)
ICチップのバンプ電極の大きさを100μm×15μmとした以外は実施例1と同様にして実施例3に係る接続構造体を得た。
(実施例4)
ICチップのバンプ電極の大きさを100μm×12μmとし、バンプ電極間スペースを12μmとした以外は実施例2と同様にして実施例4に係る接続構造体を得た。
(実施例5)
ICチップのバンプ電極を3列で千鳥状に配置したほか、バンプ電極の大きさを100μm×15μmとした以外は実施例1と同様にして実施例5に係る接続構造体を得た。
(比較例1)
異方導電性フィルムBを使用した以外は実施例3と同様にして比較例1に係る接続構造体を得た。
(比較例2)
ICチップのバンプ電極の配列を一列としたほか、バンプ電極の大きさを100μm×26μmとし、バンプ電極間スペースを12μmとした以外は実施例1と同様にして比較例2に係る接続構造体を得た。
(比較例3)
異方導電性フィルムCを使用した以外は実施例3と同様にして比較例3に係る接続構造体を得た。
(導電粒子の捕捉率及び抵抗特性の評価)
実施例1〜5及び比較例1〜3の各異方導電性フィルムを用いて得られた接続構造体において、バンプ電極と回路電極との間の導電粒子の捕捉率、バンプ電極と回路電極との間の抵抗値、及び隣接する回路電極間の絶縁抵抗を評価した。捕捉率は、異方導電性フィルム中の導電粒子の密度に対するバンプ電極上の導電粒子の密度の比であり、捕捉率(%)=(バンプ電極上の導電粒子数の平均/バンプ電極面積/異方導電性フィルムの単位面積当たりの導電粒子数)×100、によって求められる。
また、抵抗値の評価は、四端子測定法にて実施し、14箇所の測定の平均値を用いた。測定にはマルチメータ(ETAC社製:MLR21)を用いた。また、絶縁抵抗の評価では、実施例1〜5及び比較例1〜3の各異方導電性フィルムを用いて得られた接続構造体に50Vの電圧を印加し、計1440か所の回路電極間の絶縁抵抗を一括で測定した。絶縁抵抗については、10Ωより大きい場合をA判定、10Ω以上10Ω未満の場合をB判定、10Ω未満の場合をC判定とした。
図13は、評価試験結果を示す図である。同図に示すように、実施例1〜5に係る接続構造体では、導電粒子の捕捉率が60%前後であり、抵抗値及び絶縁抵抗が共に良好であった。一方、比較例1に係る接続構造体では、導電粒子の単分散率が小さいため、導電粒子の捕捉率は実施例1〜5と同等に得られたものの、絶縁抵抗が実施例1〜5に比べて低下した。また、比較例2では、バンプ電極を一列に配置した結果、導電粒子の捕捉率及び絶縁抵抗が実施例1〜5に比べて低下した。また、比較例3では、導電粒子の単分散性が更に低い異方導電性フィルムCを用いた結果、導電粒子の捕捉率及び絶縁抵抗が比較例2に比べて更に低下した。
図14は、実施例に係る接続構造体の断面観察図である。同図に示すように、実施例1の接続構造体では、ICチップと、ガラス基板との間に位置する導電粒子5個中4個が、ガラス基板から4.2μm以内(平均粒子径の180%以下)となる範囲に位置している。
1…接続構造体、2…第1の回路部材、3…第2の回路部材、6…バンプ電極、7a…実装面、8…回路電極、11…異方導電性フィルム、P…導電粒子。

Claims (3)

  1. バンプ電極が配列された第1の回路部材と、前記バンプ電極に対応する回路電極が配列された第2の回路部材とを、導電粒子が接着剤層中に分散されてなる異方導電性フィルムを介して接続する接続構造体の製造方法であって、
    前記バンプ電極及び前記回路電極は、隣接する列間で互いに位置が異なるように千鳥状に配列され、
    前記異方導電性フィルムは、前記導電粒子が一方面側に偏在しており、前記導電粒子と前記一方面との間の距離が0μmより大きく1μm以下であり、かつ、前記導電粒子が磁場の印加によって前記接着剤層中に分散されることにより前記導電粒子の70%以上が隣接する他の導電粒子と離間した状態となっており、
    前記異方導電性フィルムは、前記導電粒子が分散されている導電性接着剤層と、前記導電粒子が分散されていない絶縁性接着剤層と、を有しており、
    前記導電性接着剤層の厚みは、前記導電粒子の平均粒径の0.6倍以上かつ1.0倍未満であり、
    前記異方導電性フィルムの前記一方面側が前記第2の回路部材側に向くように前記異方導電性フィルムを配置し、前記第1の回路部材と前記第2の回路部材とを熱圧着することを特徴とする接続構造体の製造方法。
  2. 前記バンプ電極間の間隔及び前記回路電極間の距離が5μm以上20μm未満であることを特徴とする請求項1記載の接続構造体の製造方法。
  3. 前記導電粒子の平均粒径が2.5μm以上6.0μm以下であり、導電粒子の密度が5000個/mm以上50000個/mm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の接続構造体の製造方法。
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