JP6714387B2 - 剥離シート - Google Patents

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本発明は、剥離シートおよび剥離シートの製造方法に関するものである。
従来から、粘着シートにおける被着体と接触させる面(本明細書において「粘着面」という場合がある。)を保護するために、基材の表面に剥離剤層を設けた剥離シートが使用されている。このような剥離シートは、剥離剤層における基材とは反対側の面(本明細書において「剥離面」という場合がある。)が、粘着シートの粘着面に積層される。
粘着シートには、両面に粘着面を有する両面粘着シートも存在する。このような両面粘着シートには、芯材とその両面に積層された粘着剤層とからなるものと、芯材を有さず、粘着剤層のみからなるものとが存在する。このような両面粘着シートでは、2つの粘着面に剥離シートがそれぞれ積層される。一般的に、このような両面粘着シートでは、比較的小さな剥離力を示す軽剥離シートと、比較的大きな剥離力を示す重剥離シートとの組み合わせが使用される。これにより、重剥離シートを両面粘着シートに貼付したまま、軽剥離シートのみを剥離することが容易となる。
両面粘着シートの粘着剤層の加工等のために、剥離シートの貼り換えを行うことがある。例えば、粘着剤層の両面に軽剥離の第1の剥離シートと重剥離の第2の剥離シートとが積層された両面粘着シートから、第1の剥離シートを剥がして、露出した粘着剤層の露出面に対して第3の剥離シートが貼付される。この後さらに、第3の剥離シートを両面粘着シートに貼付したまま、第2の剥離シートのみを剥がすことがある。この場合、第3の剥離シートは、重剥離の第2の剥離シートよりもさらに重剥離である必要がある。すなわち、第1の剥離シート、第2の剥離シートおよび第3の剥離シートの順に剥離力が大きくなっていることが求められる。ここで、両面粘着シートの面積が比較的大きい場合、使用される剥離シートの剥離力が大きすぎると、剥離シートの剥離が困難となる。また、特に、芯材を有さず粘着剤層のみからなる両面粘着シートでは、剥離シートを剥がす際の剥離力に粘着剤層の形状が抗しきれずに、両剥離シートの離間方向に粘着剤層が引き伸ばされてしまう変形が起きてしまう場合もある。そのため、最初に剥離する第1の剥離シートとして、剥離力が非常に小さい(本明細書において、「超軽剥離」という場合がある。)剥離シートを使用することが有効となる。これにより、剥離力が過度に大きくなることを回避して、上述した剥離シートの貼り換えを行うことが可能となる。
特許文献1および2には、剥離シートの一例が開示されている。特許文献1に開示される剥離シートは、シリコーン組成物から形成された剥離剤層を備えており(段落0020)、特許文献1には、剥離性の向上およびブロッキングの抑制の観点から、剥離剤層の厚さを0.05μm以上、1μm以下とすることが開示されている(段落0024)。また、特許文献2に開示される剥離シートは、架橋樹脂層を備えており、特許文献2には、未架橋の熱可塑性樹脂の融点がTm(℃)であるとき、Tm(℃)における剥離シートの貯蔵弾性率に対する、Tm+20(℃)における剥離シートの貯蔵弾性率の割合が50%以上である熱可塑性樹脂を用いて架橋樹脂層を形成することが開示されている(請求項2)。
特開2012−140008号公報 特開2013−189493号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示されるような従来の剥離シートは、非常に小さな剥離力を示すものとはいえず、超軽剥離シートとしての使用に適さない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、非常に小さな剥離力を示し、超軽剥離シートとして使用することが可能な剥離シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備えた剥離シートであって、前記基材が、プラスチックフィルムから構成され、前記剥離剤層が、重量平均分子量が5000以上、100000以下であるポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成され、前記剥離剤層の厚さが、0.3μm以上、1.0μm以下であることを特徴とする剥離シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る剥離シートでは、剥離剤層が、上述した範囲の重量平均分子量を有するポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成されているとともに、上述した範囲の厚さを有することにより、弾性率が非常に小さくなり、特に低速剥離において非常に小さな剥離力を示すものとなる。また、このように弾性率が非常に小さくなることと、ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が100000以下であることとの相乗効果により、上記剥離シートは、高速剥離においても非常に小さな剥離力を示すものとなる。
上記発明(発明1)では、原子間力顕微鏡を用いて、前記剥離剤層における前記基材とは反対の面側から測定される前記剥離シートの弾性率は、1.5MPa以上、5.0MPa以下であることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明1,2)において、前記剥離剤層における前記基材とは反対の面にアクリル系粘着剤による粘着剤層を積層し、温度23℃および相対湿度50%の環境下で24時間静置した後における、前記剥離剤層から前記粘着剤層へのケイ素原子の移行量は、蛍光X線分析による測定値として150cps以下であることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記基材と前記剥離剤層との間に、アンカーコート層をさらに備えることが好ましい(発明4)。
第2に本発明は、基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備えた剥離シートであって、前記基材が、プラスチックフィルムから構成され、原子間力顕微鏡を用いて、前記剥離剤層における前記基材とは反対の面側から測定される前記剥離シートの弾性率が、1.5MPa以上、5.0MPa以下であることを特徴とする剥離シートを提供する(発明5)。
上記発明(発明5)に係る剥離シートでは、剥離シートが上述した範囲の弾性率を示すことにより、特に低速剥離において非常に小さな剥離力を示すものとなるとともに、剥離シート1をロール状に巻き取ったとき等における剥離剤層表面と基材表面との接触界面でのブロッキングの発生が抑制される。
第3に本発明は、重量均分子量が5000以上、100000以下であるポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物を脂肪族炭化水素系溶媒に溶解させた塗液を調製する工程、前記塗液を、プラスチックフィルムから構成される基材の一方の面上に塗布し、塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化して剥離剤層を形成する工程を含むことを特徴とする剥離シートの製造方法を提供する(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記脂肪族炭化水素系溶媒は、ヘプタンであることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明6,7)において、前記塗液中の前記剥離剤組成物の濃度は、3〜50質量%であることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明6〜8)において、前記剥離剤層の厚さは、0.3μm以上、1.0μm以下であることが好ましい(発明9)。
本発明に係る剥離シートは、非常に小さな剥離力を示し、超軽剥離シートとして使用することが可能である。
本発明の第1および第2の実施形態に係る剥離シートの断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る剥離シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔剥離シート〕
図1に示すように、第1および第2の実施形態に係る剥離シート1は、基材11と、基材11の一方の面(図1では上面)に積層された剥離剤層12とを備えて構成される。
第1の実施形態に係る剥離シート1では、基材11が、プラスチックフィルムから構成される。また、剥離剤層12は、重量平均分子量が5000以上、100000以下であるポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成される。さらに、剥離剤層12の厚さは、0.3μm以上、1.0μm以下である。
第2の実施形態に係る剥離シート1では、基材11が、プラスチックフィルムから構成される。また、原子間力顕微鏡を用いて、剥離剤層12における基材11とは反対の面側から測定される剥離シート1の弾性率は、1.5MPa以上、5.0MPa以下である。
第1の実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12が、上述した範囲の重量平均分子量を有するポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成されているとともに、上述した範囲の厚さを有することにより、弾性率が非常に小さくなり、特に低速剥離において非常に小さな剥離力を示すものとなる。また、このように弾性率が非常に小さくなることと、ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が100000以下であることとの相乗効果により、第1の実施形態に係る剥離シート1は、高速剥離においても非常に小さな剥離力を示すものとなる。以上より、第1の実施形態に係る剥離シート1は、超軽剥離を達成することができる。
また、第2の実施形態に係る剥離シート1では、剥離シート1が上述したような所定の弾性率を示すことにより、特に低速剥離において非常に小さな剥離力を示し、超軽剥離シートとしての使用に適したものとなる。また、剥離シート1の弾性率は、上述のように過度に低いものとはならないため、剥離シート1をロール状に巻き取った際のブロッキングの発生が抑制される。
剥離シートにおける弾性率と剥離力との関係は、種々の条件の影響を受けるものであり、一般的に説明することは困難であるものの、弾性率が低下することにより、特に低速剥離における剥離力が低下する理由としては、次のことが考えられる。粘着シートから剥離シートを剥離する際、粘着シートの粘着剤および剥離シートの少なくとも一方において変形が生じる。ここで、主に粘着剤において変形が生じる場合、粘着剤の変形が大きくなるほど、剥離に必要な力が増大する。しかし、剥離剤層の弾性率が低下することにより、剥離操作による剥離剤層の変形が大きくなり、粘着剤層の変形が部分的に補完される。これにより、粘着剤層と剥離剤層との界面で剥離が生ずるまでに粘着剤層が変形する量を低減することができ、剥離操作における見かけ上の剥離力が低下すると考えられる。
1.基材
本実施形態に係る剥離シート1の基材11は、プラスチックフィルムから構成される。かかるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックフィルムが挙げられる。これらのプラスチックフィルムは、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、加工時、使用時等において、埃等が発生しにくいため、例えば、埃等による塗工不良等を効果的に防止することができる。
また、この基材11においては、剥離剤層12との密着性を向上させる目的で、所望により基材11の剥離剤層12を積層する面または両面に、酸化法や凹凸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶射処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にコロナ放電処理法が効果及び操作性の面から好ましく用いられる。
基材11の厚さは、10μm以上であることが好ましく、特に15μm以上であることが好ましく、さらには20μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、300μm以下であることが好ましく、特に200μm以下であることが好ましく、さらには125μm以下であることが好ましい。基材11の厚さが上記範囲であることで、剥離シート1の弾性率を後述の範囲に調整することが容易となる。
2.剥離剤層
(1)組成
本実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12が、ポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成されることが好ましい。当該剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、5000以上であることが好ましく、特に7000以上であることが好ましく、さらには10000以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量は、100000以下であることが好ましく、特に70000以下であることが好ましく、さらには50000以下であることが好ましい。当該重量平均分子量が5000以上であることで、剥離剤組成物の塗工液の粘度が適度に高いものとなり、剥離剤層12を後述する厚さに形成することが容易となる。また、当該重量平均分子量が5000以上であることで、剥離剤層12から外部へのポリオルガノシロキサンへの移行が生じ難くなり、ポリオルガノシロキサンによる塗工機や粘着シートの汚染を抑制することができる。一方、当該重量平均分子量が100000以下であることで、剥離剤層12を厚く形成したとしても、剥離シート1の弾性率を比較的低いものにすることが可能となる。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
上記剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンとしては、剥離シート1が所望の弾性率を示し、本発明の効果が発揮されるものであれば特に制限されず、例えばポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を使用することができ、特にポリジメチルシロキサンを使用することが好ましい。これらのポリオルガノシロキサンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記剥離剤組成物に含有されるポリオルガノシロキサンは、反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基を有するポリオルガノシロキサンを使用すると、活性エネルギー線の照射または別途の反応工程(例えば加熱工程)により、剥離剤層12中に反応性官能基を介した架橋構造が形成される。これにより、剥離シート1の弾性率を後述する範囲に調整し易くなるとともに、剥離剤層12から粘着シートへのポリオルガノシロキサンの移行を抑制することができる。
上記反応性官能基は、ポリオルガノシロキサンの片末端に導入されていてもよく、両末端に導入されていてもよく、側鎖に導入されていてもよい。上記反応性官能基としては、例えば、炭素数2〜10のアルケニル基等が挙げられ、当該アルケニル基の例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。
上記剥離剤組成物は、前述したポリオルガノシロキサンの他に、架橋剤、触媒、反応抑制剤、密着向上剤等を含有していてもよい。特に、剥離剤組成物は、上記架橋構造を形成し易いという観点から、架橋剤を含有することが好ましい。また、剥離剤組成物は、剥離剤組成物の硬化反応を効率良く進行させることができるという観点から、触媒を含有することが好ましい。
上記架橋剤としては、ポリオルガノシロキサンが有する反応性官能基に応じたものを使用することができる。当該反応性官能基がビニル基である場合には、上記架橋剤としては、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサンを使用することが好ましく、特に1分子中にヒドロシリル基を2個以上有するポリオルガノシロキサンを使用することが好ましい。かかるヒドロシリル基を有する化合物としては、例えば、ジメチルシロキサン−メチルヒドロシロキサンコポリマー、ジフェニルシロキサン−フェニルヒドロシロキサンコポリマー、ポリエチルヒドロシロキサン、メチルヒドロシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマー、メチルヒドロシロキサン−オクチルメチルシロキサンコポリマー、ヒドロシリル基含有メチルシリコーンレジン、ポリフェニル(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン等が挙げられる。
上記剥離剤組成物中における上記架橋剤の含有量は、前述したポリオルガノシロキサン100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、特に2質量部以上であることが好ましく、さらには3質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、前述したポリオルガノシロキサン100質量部に対して、8質量部以下であることが好ましく、特に6質量部以下であることが好ましく、さらには5質量部以下であることが好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内にあることにより、剥離剤層12中において架橋構造が効果的に形成され、剥離シート1の弾性率を後述する範囲に調整し易くなるとともに、剥離剤層12から粘着シートへのポリオルガノシロキサンの移行を抑制することができる。
上記触媒としては、本発明の効果を妨げるものでなければ特に限定されることはないが、白金系触媒を使用することが好ましく、例えば、微粒子状白金、炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、パラジウム、ロジウム等が挙げられる。
上記剥離剤組成物中における上記触媒の含有量は、前述したポリオルガノシロキサン100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、特に0.5質量部以上であることが好ましく、さらには1.0質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、前述したポリオルガノシロキサン100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、特に5質量部以下であることが好ましく、さらには3質量部以下であることが好ましい。
上記剥離剤組成物は、軽剥離化剤を含有してもよい。剥離剤組成物に含有される軽剥離化剤としては、例えば、前述したポリオルガノシロキサン以外の、反応性官能基を有さないポリオルガノシロキサンが挙げられる。
上記軽剥離化剤として用いられるポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、特に15万以上であることが好ましく、さらには20万以上であることが好ましい。また、当該重量平均分子量は、200万以下であることが好ましく、特に150万以下であることが好ましく、さらには100万以下であることが好ましい。
上記剥離剤組成物中における、軽剥離化剤としての反応性官能基を有さないポリオルガノシロキサンの含有量は、当該剥離剤組成物中の全てのポリオルガノシロキサンの合計量100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、特に0.5質量部以上であることが好ましく、さらには1質量部以上であることが好ましい。また、当該含有量は、10質量部以下であることが好ましく、特に7質量部以下であることが好ましく、さらには5質量部以下であることが好ましい。当該含有量が10質量部以下であることで、剥離面から粘着剤層や剥離シート1の背面(基材11における剥離剤層12とは反対側の面)へのシリコーン転移を効果的に抑制することができる。また、当該含有量が0.1質量部以上であることで、剥離シート1の剥離力を効果的に低減することができる。
(2)物性等
本実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12の厚さが、0.3μm以上であることが好ましく、特に0.4μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、1.0μm以下であることが好ましく、特に0.7μm以下であることが好ましい。前述した重量平均分子量を有するポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物を用いて、上述の厚さに剥離剤層12を形成することで、剥離シート1の弾性率が非常に低いものとなり、剥離力も非常に小さなものとなる。
本実施形態に係る剥離シート1では、原子間力顕微鏡を用いて、剥離剤層12における基材11とは反対の面側から測定される剥離シート1の弾性率が、5.0MPa以下であることが好ましく、特に4.0MPa以下であることが好ましく、さらには3.0MPa以下であることが好ましい。このように弾性率が従来の剥離シートよりも非常に低いことにより、剥離力、特に低速剥離における剥離力を非常に低くすることができ、超軽剥離を達成することができる。一方、上記弾性率は、1.5MPa以上であることが好ましく、特に1.7MPa以上であることが好ましく、さらには2.0MPa以上であることが好ましい。当該弾性率が1.5MPa以上であることで、剥離シート1をロールに巻き取り、巻き圧がかかった場合であっても、剥離剤層12の剥離面の表面と、それと接触する基材11の表面とがなじみ難く、ブロッキングの発生が効果的に抑制される。なお、剥離シート1の弾性率の詳細な測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
本実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12における基材11とは反対の面にアクリル系粘着剤による粘着剤層を積層し、温度23℃および相対湿度50%の環境下で24時間静置した後における、剥離剤層12から当該粘着剤層へのケイ素原子の移行量が、蛍光X線分析による測定値として150cps以下であることが好ましく、特に125cps以下であることが好ましく、さらには100cps以下であることが好ましい。当該移行量が150cps以下であることで、剥離シート1上に塗工物を塗工する工程において、ポリオルガノシロキサン等の剥離成分による塗工機のガイドロール等の汚染が抑制される。さらには、剥離シート1をロール状に巻き取った際において、剥離剤層12の剥離面からの、基材11における当該剥離面と接触する面への剥離成分の移行が抑制される。これにより、剥離シート1のロールの巻きずれや、剥離シート1上に粘着剤組成物等を塗工する際の塗工機の汚染を抑制することができる。なお、ケイ素原子の移行量の詳細な測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
本実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12における基材11とは反対の面に粘着テープを貼付し、剥離シート1から当該粘着テープを0.3m/minで剥離した場合(低速剥離)の剥離シート1の剥離力が、10mN/25mm以上であることが好ましく、特に20mN/25mm以上であることが好ましく、さらには30mN/25mm以上であることが好ましい。また、当該剥離力は、200mN/25mm以下であることが好ましく、特に150mN/25mm以下であることが好ましく、さらには100mN/25mm以下であることが好ましい。本実施形態に係る剥離シート1は、剥離シート1の弾性率が非常に低いものとなるため、上述のような非常に小さな低速剥離の剥離力を示すことができる。なお、剥離シート1の低速剥離の剥離力の詳細な測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
本実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12における基材11とは反対の面に粘着テープを貼付し、剥離シート1から当該粘着テープを30m/minで剥離した場合(高速剥離)の剥離シート1の剥離力が、20mN/25mm以上であることが好ましく、特に40mN/25mm以上であることが好ましく、さらには50mN/25mm以上であることが好ましい。また、当該剥離力は、500mN/25mm以下であることが好ましく、特に450mN/25mm以下であることが好ましく、さらには400mN/25mm以下であることが好ましい。本実施形態に係る剥離シート1、特に第1の実施形態に係る剥離シート1では、剥離剤層12が、前述した範囲の重量平均分子量を有するポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成されているとともに、前述した範囲の厚さを有することにより、弾性率が非常に小さくなり、そのことと、ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量が100000以下であることとの相乗効果により、上記のような非常に小さな高速剥離の剥離力を示すことができる。なお、剥離シート1の剥離力の詳細な測定方法は、後述する試験例に示す通りである。
3.アンカーコート層
第1および第2の実施形態に係る剥離シート1では、基材11と剥離剤層12との間に、アンカーコート層をさらに備えてもよい。図2には、このようなアンカーコート層13を備える、第3の実施形態に係る剥離シート2の断面図が示されている。剥離シート2がアンカーコート層を備えることにより、剥離シート2からの剥離剤層12の脱落を効果的に防止することができる。
アンカーコート層13は、通常、基材11における剥離材層12側の面上にアンカーコート剤を塗布して形成される。アンカーコート剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート含有樹脂およびこれらの共重合体、および天然ゴムや合成ゴムを主成分とするコート剤等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、異なる2種を組み合わせて使用してもよい。なお、基材11表面に対するアンカーコート剤の塗工性、および基材11とアンカーコート層13との密着性を向上させるため、基材11におけるアンカーコート剤を塗工する面に対して、化学処理、放電処理等の表面処理を行ってもよい。
アンカーコート層13の厚さは、0.005μm以上であることが好ましく、特に0.01μm以上であることが好ましい。また、当該厚さは、5μm以下であることが好ましく、特に1μm以下であることが好ましい。当該厚さが0.005μm以上であることで、アンカーコート層13の効果を良好に得ることができる。また、当該厚さが5μm以下であることで、アンカーコート層13の基材11とは反対側の面の滑り性が良好なものとなり、アンカーコート層13上に剥離剤組成物を塗布する作業性が良好になる。
〔剥離シートの製造方法〕
第1および第2の実施形態に係る剥離シート1は、上述した剥離剤組成物を脂肪族炭化水素系溶媒に溶解させた塗液を調製する工程、当該塗液を基材11の一方の面上に塗布して塗膜を形成する工程、および当該塗膜を硬化して剥離剤層12を形成する工程を含む製造方法により得ることができる。
一般的に、比較的分子量の小さいポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物の塗液を、プラスチックフィルムから構成される基材に塗布すると、ポリオルガノシロキサンの分子量が比較的小さいことに起因して、ハジキが生じ易く、厚く塗布することもできない。しかしながら、本実施形態に係る剥離シート1の製造方法のように、上述した剥離剤組成物を、比較的低い極性および表面張力を示す脂肪族炭化水素系溶媒に溶解させて、塗液を調製することにより、ハジキを生じさせることなく塗液を塗布することができる。また、塗液を高濃度で塗布することもできるため、塗液を比較的厚く塗布することができる。
上記脂肪族炭化水素系溶媒は、例えば、ヘプタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、イソヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられるが、特に、良好な塗布が可能になる観点からヘプタンを使用することが好ましい。
上記塗液中の上記剥離剤組成物の濃度は、3質量%以上であることが好ましく、特に5質量%以上であることが好ましく、さらには7質量%以上であることが好ましい。また、当該濃度は、50質量%以下であることが好ましく、特に40質量%以下であることが好ましく、さらには30質量%以下であることが好ましい。当該濃度がこれらの範囲であることで、剥離材層12を上述した厚さに良好に形成することが可能となる。
剥離剤組成物の塗液の塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
上記塗膜の硬化は、例えば乾燥させることにより行うことができる。このような乾燥工程は、加熱処理によって行うことが好ましい。乾燥の温度は、60℃以上であることが好ましく、特に80℃以上であることが好ましい。さらに、乾燥の温度は、180℃以下であることが好ましく、特に150℃以下であることが好ましい。また、乾燥工程は、10秒以上行うことが好ましく、特に15秒以上行うことが好ましい。さらに、乾燥工程は、120秒以下で行うことが好ましく、特に90秒以下で行うことが好ましい。
第3の実施形態に係る剥離シート2は、例えば、アンカーコート剤を基材11の一方の面上に塗布して塗膜を形成する工程、当該塗膜を硬化させることでアンカーコート層13を形成する工程、上述した剥離剤組成物を脂肪族炭化水素系溶媒に溶解させた塗液を調製する工程、当該塗液をアンカーコート層13の基材11とは反対の面上に塗布して塗膜を形成する工程、および当該塗膜を硬化して剥離剤層12を形成する工程を含む製造方法により得ることができる。なお、アンカーコート剤は、必要に応じて溶媒で希釈してもよい。
アンカーコート剤を希釈するための溶媒としては、使用するアンカーコート剤に応じて選択することができ、例えば、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、水、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびこれらの混合物等を用いることができる。
アンカーコート剤の塗布方法としては、剥離剤組成物の塗液と同様の方法により行うことができる。また、アンカーコート剤の塗膜の硬化は、例えば乾燥させることにより行うことができ、この乾燥工程の温度および時間は、剥離剤組成物の塗膜の乾燥と同様の温度および時間とすることができる。
上述した製造方法によれば、弾性率が非常に低く且つ前述した重量平均分子量を有するポリオルガノシロキサンを使用して形成された剥離剤層12を有する剥離シート1を製造することが可能となり、これにより、低速剥離および高速剥離の両方で非常に小さな剥離力を示す第1の実施形態に係る剥離シート1を得ることができる。また、上述した製造方法によれば、弾性率が所定の範囲となる剥離シート1を製造することが可能となり、これにより、特に低速剥離で非常に小さな剥離力を示すとともに、ブロッキングが発生し難い第2の実施形態に係る剥離シート1を得ることができる。さらに、それらの効果を発揮するとともに、アンカーコート層13をさらに備えた第3の実施形態に係る剥離シート2を製造することが可能となる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、剥離シート1,2における基材11における剥離剤層12の反対側の面、剥離シート1における基材11と剥離剤層12との間には、帯電防止層等の他の層が設けられてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
反応性官能基としてビニル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:15000)、軽剥離化剤としてのポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:100000)および架橋剤としてのヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:1000)を、濃度10質量%でヘプタンに溶解させたシリコーン樹脂溶液100質量部(固形分比率に基づく成分量の換算値;以下同じ)に対し、白金系触媒1.0質量部を添加することで、付加反応型シリコーン樹脂を含む剥離剤組成物の塗液を調製した。なお、上記シリコーン樹脂溶液中における軽剥離化剤としてのポリジメチルシロキサンの含有量は、当該シリコーン樹脂溶液中の全てのポリオルガノシロキサンの合計量100質量部に対して、2質量部であった。
調製した塗液を、バーコーターを用いて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,製品名「ダイアホイルT−100」)の片面に塗布し、塗膜を形成した。当該塗膜を、145℃で1分間乾燥させることで硬化させ、厚さ0.5μmの剥離剤層を形成した。これにより、剥離シートを得た。
〔実施例2〜4〕
剥離剤層の厚さを表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして剥離シートを製造した。
〔実施例5〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂エステル80質量部と、架橋剤としてのメラミン樹脂20質量部との混合物の溶液(日立化成ポリマー社製,製品名「TA31−059D」)100質量部に対して、酸触媒としてのp−トルエンスルホン酸のメタノール溶液2.5質量部を添加して、アンカーコート剤の溶液を調製した。
調製したアンカーコート剤の塗液を、バーコーターを用いて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,製品名「ダイアホイルT−100」)の片面に塗布し、塗膜を形成した。当該塗膜を、140℃で1分間乾燥させることで硬化させ、厚さ0.05μmのアンカーコート層を形成した。これにより、基材とアンカーコート層との積層体を得た。
続いて、当該積層体におけるアンカーコート層の基材とは反対側の面上に、実施例1において調製した剥離剤組成物の塗液を塗布し、塗膜を形成した。当該塗膜を、145℃で1分間乾燥させることで硬化させ、厚さ0.5μmの剥離剤層を形成した。これにより、剥離シートを得た。
〔実施例6〕
共重合ポリエステルおよびポリウレタンを含む混合樹脂エマルションに、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)およびポリスチレンスルホネート(PSS)が合計で0.1〜1.0質量%混合された樹脂組成物(中京油脂社製,製品名「P−973」,固形分10質量%)を、イソプロピルアルコールおよび精製水の混合液(混合比率1:1)にて固形分1.0質量%に希釈することで、アンカーコート剤の塗液を調製した。
上記アンカーコート剤の塗液を使用する以外、実施例5と同様にして剥離シートを製造した。
〔実施例7〕
反応性官能基としてビニル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:10000)、および、架橋剤としての、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:1000)を、濃度10質量%でヘプタンに溶解させたシリコーン樹脂溶液100質量部に対し、白金系触媒(東レ・ダウコーニング社製,製品名「SRX−212」)2.0質量部を添加することで、付加反応型シリコーン樹脂を含む剥離剤組成物の塗液を調製した。当該塗液を使用した以外、実施例1と同様にして剥離シートを製造した。
〔比較例1〕
剥離剤層の厚さを表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にして剥離シートを製造した。
〔比較例2〕
反応性官能基としてビニル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:400000)、および、架橋剤としての、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:1000)を、濃度5質量%でヘプタンに溶解させたシリコーン樹脂溶液100質量部に対し、白金系触媒(東レ・ダウコーニング社製,製品名「SRX−212」)2.0質量部を添加することで、付加反応型シリコーン樹脂を含む剥離剤組成物の塗液を調製した。当該塗液を使用した以外、実施例1と同様にして剥離シートを製造した。
〔比較例3〕
反応性官能基としてビニル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:800000)、および、架橋剤としての、ヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン(重量平均分子量:1000)を、濃度5質量%でヘプタンに溶解させたシリコーン樹脂溶液100質量部に対し、白金系触媒(東レ・ダウコーニング社製,製品名「SRX−212」)1.5質量部を添加することで、付加反応型シリコーン樹脂を含む剥離剤組成物の塗液を調製した。当該塗液を使用した以外、実施例1と同様にして剥離シートを製造した。
〔試験例1〕(原子間力顕微鏡による弾性率の測定)
実施例および比較例で作製した剥離シートの基材側の面を、両面粘着テープを用いてステンレス製の試料台に貼り合せた。続いて、シリコーンプローブ(Team nanotec社製,製品名「LRCH」,曲率半径:250nm,バネ定数:0.3N/m)を装着したプローブ顕微鏡(島津製作所社製,製品名「SPM−9700」)を用いて、剥離シートの剥離剤層側の面を600m/sでタッピングを行い、フォースカーブを得た。得られたフォースカーブの形状から、JKR2点法により、剥離シートの弾性率(MPa)を算出した。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(剥離力の測定)
実施例および比較例で作製した剥離シートを23℃の環境下で24時間保管した。その後、剥離シートの剥離面に、幅25mmのアクリル粘着テープ(テサ社製,製品名「TESA7475」)を、2kgローラーで1往復することで圧着し、測定用のサンプルを得た。
このサンプルを温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で24時間エージングした後、万能引張試験機(オリエンテック社製,製品名:テンシロン UTM−4−100)に固定し、アクリル粘着テープを180°方向に引張速度0.3m/min(低速剥離)および30m/min(高速剥離)でそれぞれ剥離したときの力を測定し、これを剥離力(mN/25mm)とした。結果を表1に示す。
〔試験例3〕(ケイ素原子移行量の測定)
実施例および比較例で作製した剥離シートの剥離面に、アクリル粘着剤(トーヨーケム社製,製品名「BPS−5127」,不揮発成分濃度:40質量%,溶媒:酢酸エチル/トルエン=質量比55/5)を、ナイフコーターで塗布し、塗膜を形成した。当該塗膜を100℃で2分間乾燥させることで、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。その後、当該粘着剤層に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製,製品名「ルミラーT−60」)を貼り合せることで、剥離シートと粘着剤層とPETフィルムとからなる積層体を得た。
当該積層体を、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で24時間静置した後、当該積層体から剥離シートを剥がした。その後、露出した粘着剤層におけるケイ素原子の量(cps)を、蛍光X線分析装置(リガク社製,製品名「Mini−Z」)を使用して測定した。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(浮き評価)
重剥離シート(リンテック社製,製品名「SP−PET382150」,厚さ:38μm)の剥離面上に、光学用粘着剤(リンテック社製,製品名「LS544PP」)からなる厚さ50μmの粘着剤層を形成した。当該粘着剤層の露出面に、実施例および比較例で作製した剥離シートの剥離面を貼り合せ、積層体を得た。
当該積層体を、温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で24時間静置した後、実施例および比較例で作製した剥離シートを、その端部(一辺の中央部)から手作業により上記積層体から剥がした。その後、粘着剤層と重剥離シートとの界面における浮きを観察し、下記に示す基準に従って評価した。結果を表1に示す。
○:浮きが全く発生しなかった。
△:端部のみに浮きが発生した。
×:全面にランダムに浮きが発生した。
〔試験例5〕(ブロッキング評価)
実施例および比較例で作製した剥離シートを、基材側と剥離剤層側とが接触するように10枚積層した後、15cm×15cmに裁断した。続いて、積層した方向に1MPaの圧力をかけた状態で、温度23℃の環境下で12時間静置した。その後、この積層体におけるブロッキングの発生について観察し、下記に示す基準に従って評価した。結果を表1に示す。
○:ブロッキングが全く発生してなかった。
△:部分的にブロッキングが発生した。
×:全体的にブロッキングが発生した。
Figure 0006714387
表1に示される通り、実施例に係る剥離シートは、比較例に係る剥離シートと比較して、低速剥離および高速剥離の両方において剥離力が非常に小さかった。さらに、実施例に係る剥離シートは、比較例に係る剥離シートと比較して、浮き評価において優れた結果を示した。以上より、実施例に係る剥離シートは、超軽剥離を良好に達成できることがわかった。
また、実施例に係る剥離シートは、ケイ素原子移行量が少ないことがわかった。さらに、実施例1〜6に係る剥離シートについては、ブロッキングも生じ難いことがわかった。
1,2…剥離シート
11…基材
12…剥離剤層
13…アンカーコート層

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面側に設けられた剥離剤層とを備え、粘着シートにおける被着体と接触させる面を保護するための剥離シートであって、
    前記基材が、プラスチックフィルムから構成され、
    原子間力顕微鏡を用いて、前記剥離剤層における前記基材とは反対の面側から測定される前記剥離シートの弾性率が、1.5MPa以上、5.0MPa以下であり、
    前記剥離剤層の厚さが、0.3μm以上、1.0μm以下である
    ことを特徴とする剥離シート。
  2. 前記剥離剤層が、重量平均分子量が5000以上、100000以下であるポリオルガノシロキサンを含有する剥離剤組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の剥離シート。
  3. 前記剥離剤層における前記基材とは反対の面にアクリル系粘着剤による粘着剤層を積層し、温度23℃および相対湿度50%の環境下で24時間静置した後における、前記剥離剤層から前記粘着剤層へのケイ素原子の移行量は、蛍光X線分析による測定値として150cps以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の剥離シート。
  4. 前記基材と前記剥離剤層との間に、アンカーコート層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離シート。
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