JP6126435B2 - 粘着シート - Google Patents

粘着シート Download PDF

Info

Publication number
JP6126435B2
JP6126435B2 JP2013074664A JP2013074664A JP6126435B2 JP 6126435 B2 JP6126435 B2 JP 6126435B2 JP 2013074664 A JP2013074664 A JP 2013074664A JP 2013074664 A JP2013074664 A JP 2013074664A JP 6126435 B2 JP6126435 B2 JP 6126435B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
release
sheet
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013074664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014198411A (ja
Inventor
仁 大橋
仁 大橋
雄一 倉田
雄一 倉田
剛史 安齋
剛史 安齋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2013074664A priority Critical patent/JP6126435B2/ja
Publication of JP2014198411A publication Critical patent/JP2014198411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6126435B2 publication Critical patent/JP6126435B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は粘着シートに関するものであり、特に薄膜の片面粘着シートまたは両面粘着シートに関するものである。
近年、ゲーム機や携帯電話に代表される各種モバイル電子機器の高機能化が進むとともに、機器の軽薄短小化が進んでいる。それに伴い、モバイル電子機器に使用されている各部材にも高機能化や軽薄短小化が求められている。
ところで、モバイル電子機器の組み立てにおいては両面テープ等の粘着シートが用いられることがあり、粘着シートの使用により組み立て工程の簡略化や機器の薄型化が可能となっている。このような粘着シートの総厚みは40〜200μm程度が一般的である。しかし、モバイル電子機器の軽薄短小化によって粘着シートの厚みさえも無視できなくなっており、最近では、総厚みが30μm以下の粘着シートが求められることも多くなっている。
例えば、特許文献1には、薄膜の両面接着テープが開示されており、具体的には、ポリエステルフィルムからなる支持体の両面にアクリル系又はシリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を有し、支持体の厚みが0.002〜0.004mmであり、支持体と該支持体の両面に形成された2つの粘着剤層との厚みを含む総厚みが0.003mm以上且つ0.03mm未満であり、且つ破断強度が2〜26MPa/10mm幅である両面接着テープが開示されている。
特許第4646508号公報
しかしながら、上記のような従来の薄膜の粘着シートでは、良好な粘着力を得ることは困難であった。そのため、従来の薄膜の粘着シートを使用したモバイル電子機器等においては、粘着剤層と被着体との間で浮きや剥離が生じることがあり、機器の信頼性を低下させるという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、薄膜であっても、良好な粘着力を発揮することのできる粘着シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、前記基材の片面または両面に積層された粘着剤層と、前記粘着剤層における前記基材と反対側の面に積層された剥離シートとを有する粘着シートであって、前記粘着剤層の厚さが、1〜16μmであり、前記基材の厚さが、1〜16μmであり、前記剥離シートを除く前記粘着シートの厚さが、2〜20μmであり、前記基材における前記粘着剤層と接触する側の面の表面粗さ(Ra)が、0.15μm以下であることを特徴とする粘着シートを提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係る粘着シートおいては、基材の表面粗さ(Ra)を上記のように規定することにより、基材の表面凹凸を低減し、それによって粘着剤層の粘着面を平坦にし、粘着剤層と被着体との接触面積を向上させることができる。これにより、上記粘着シートは、薄膜であっても、良好な粘着力を発揮することができる。
上記発明(発明1)において、前記基材は、プラスチックフィルムから構成されることが好ましい(発明2)。
上記発明(発明2)において、前記基材を構成する前記プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい(発明3)。
上記発明(発明1〜3)において、前記剥離シートは、剥離基材と、前記剥離基材の片面または両面に形成された剥離剤層とから構成され、前記剥離剤層は、シリコーン系化合物を含有しており、前記粘着剤層における前記剥離シート側の面のシリコーン量が、2.5%以下であることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明4)において、前記剥離基材の厚さは、12〜75μmであることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明4,5)において、前記剥離基材は、プラスチックフィルムから構成されることが好ましい(発明6)。
上記発明(発明6)において、前記剥離基材を構成する前記プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明1〜7)において、前記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率は、20〜100%であることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1〜8)において、前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤から構成されることが好ましい(発明9)。
上記発明(発明9)において、前記アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル重合体と架橋剤とを含有する粘着性組成物を架橋したものであることが好ましい(発明10)。
本発明に係る粘着シートによれば、薄膜であっても、良好な粘着力を発揮することができる。
本発明の第1の実施形態に係る粘着シートの断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る粘着シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る粘着シート1Aは、図1に示すように、剥離シート4と、剥離シート4の剥離面上に積層された粘着剤層3と、粘着剤層3の剥離シート4側とは反対側(図1では上側)に積層された基材2Aとから構成されており、いわゆる片面粘着シートである。なお、本明細書における剥離シートの剥離面とは、剥離シートにおいて剥離性を有する面をいい、剥離処理を施した面および剥離処理を施さなくても剥離性を示す面のいずれをも含むものである。
本実施形態に係る粘着シート1Aは、薄膜の粘着シートである。具体的には、粘着剤層3の厚さが1〜16μmであり、基材2Aの厚さが1〜16μmであり、剥離シート4を除く粘着シート1Aの厚さ(粘着剤層3と基材2Aとの合計厚さ)が2〜20μmであるものである。粘着シート1Aの各部がこのような厚さを有することにより、粘着シート1Aは、例えば、薄型のモバイル電子機器への使用に適したものとなる。
本実施形態における基材2Aは、プラスチックフィルムから構成されることが好ましい。プラスチックフィルムによれば、上記の厚さおよび後述する表面粗さを所定の範囲にすることが比較的容易である。プラスチックフィルムの種類としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム;これらの2種以上の積層体などを挙げることができる。プラスチックフィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものでもよい。これらの中でも、薄膜化に伴って要求される厚みの精度、表面平滑性、入手の容易さ等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
上記のようなプラスチックフィルムからなる基材2Aにおいては、隣接する粘着剤層3との密着性を向上させる等の目的で、所望により片面または両面に、酸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられる。これらの表面処理法は、プラスチックフィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にコロナ放電処理法が効果および操作性の面から好ましく用いられる。
基材2Aにおける粘着剤層3と接触する側の面の表面粗さ(Ra)は、0.15μm以下であり、好ましくは0.01〜0.12μmであり、特に好ましくは0.01〜0.10μmである。粘着剤層3の厚さが薄くなると、粘着剤層3の粘着面(被着体に接触する面)の形状が、基材2Aの表面粗さの影響を受け易くなる。従来の薄膜の粘着シートにおいては、基材の表面粗さが大きかったため、その基材の表面凹凸を薄膜の粘着剤層では吸収できず、その結果、粘着剤層と被着体との接触面積が低下し、所望の粘着力が得られなかった。本実施形態に係る粘着シート1Aでは、基材2Aの表面粗さ(Ra)を上記のように設定することにより、基材2Aの表面凹凸を低減し、それによって粘着剤層3の粘着面を平坦にし、粘着剤層3と被着体との接触面積を向上させることができる。これにより、粘着シート1Aは、薄膜であっても、良好な粘着力を発揮することができる。
なお、本明細書における表面粗さ(Ra)は、JIS B0601:2001に準拠し、カットオフ値λc=0.8mm、評価長さln=10mmとして測定した値とする。
基材2Aの厚さは、前述した通り1〜16μmであり、好ましくは2〜12μmであり、特に好ましくは2〜6μmである。基材2Aの厚さが16μmを超えると、剥離シート4を除く粘着シート1Aの厚さを20μm以下とすることが難しく、薄型のモバイル電子機器等に用いる粘着シートとしての要求性能を満たすことができなくなる。一方、基材2Aの厚さが1μm未満であると、十分な強度が得られず、加工時に破断するおそれがある。
本実施形態における剥離シート4は、剥離基材と、当該剥離基材の片面または両面に形成された剥離剤層とから構成されることが好ましい。剥離基材に剥離剤層を形成することで、剥離シート4の剥離力を小さくし、剥離シート4の剥離時に薄膜の粘着剤層3が変形・破壊することを防止することができる。
また、剥離基材は、プラスチックフィルムから構成されることが好ましい。剥離基材をプラスチックフィルムから構成することで、剥離シート4の剥離面を平坦にし、それにより、当該剥離面に接触している粘着剤層3の粘着面も平坦にすることができる。
剥離基材を構成するプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンからなるポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルムなどのプラスチックフィルム;これらの2種以上の積層体などを挙げることができる。これらの中でも、厚みの精度、表面平滑性、入手の容易さ等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
上記のようなプラスチックフィルムからなる剥離基材においても、その表面に設けられる剥離剤層との密着性を向上させる等の目的で、所望により片面または両面に、上記基材2Aと同様に、酸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。
剥離基材の厚さは、12〜75μmであることが好ましく、特に12〜38μmであることが好ましく、さらには25〜38μmであることが好ましい。剥離基材の厚さが12μm未満であると、剥離シート4上に粘着性組成物を含む溶液を塗布し、加熱処理を行った際に、剥離シート4の熱収縮が増大し、粘着シート1Aにシワやスジが発生する場合がある。一方、剥離基材の厚さが75μmを超えると、剥離シート4を剥離するときに粘着シート1A(基材2Aおよび粘着剤層3の積層体)が変形してしまい、シワ、スジ等の外観上の問題が発生するおそれがある。
剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、アルキッド系、長鎖アルキル系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ゴム系エラストマー、ワックス系等の剥離剤が挙げられる。これらの中でも、安価で、安定的に低い剥離力を達成することのできるシリコーン系剥離剤が好ましい。
シリコーン系剥離剤は、ポリオルガノシロキサン等のシリコーン系化合物を含有する。ポリオルガノシロキサンとしては、例えばポリジメチルシロキサンが挙げられ、反応性官能基を有しないものであってもよいし、反応性官能基を有するものであってもよい。
剥離剤層がシリコーン系化合物を含有する場合、粘着剤層3における剥離シート4側の面(粘着面)のシリコーン量は、2.5%以下であることが好ましく、特に2.3%以下であることが好ましく、さらには2.0%以下であることが好ましい。粘着シート1Aにおいて、粘着剤層3の粘着面は、剥離シート4の剥離剤層と接触するが、このとき、剥離剤層に含まれるシリコーン系化合物が粘着剤層3の粘着面に転移することがある。これにより、粘着剤層3の粘着面においてシリコーンが検出されることとなる。このシリコーン量が2.5%を超えると、粘着剤層3の粘着力が低下し、所望の粘着力が得られなくなるおそれがある。上記シリコーン量が2.5%以下であれば、シリコーンに起因する粘着剤層3の粘着力の低下を防止することができる。なお、上記シリコーン量は、上記剥離剤層の架橋を密にしたり、剥離シート4上で粘着剤層3を形成する際の加熱乾燥の温度や時間を低減すること等により、少なくすることができる。
ここで、本明細書におけるシリコーン量(%)は、剥離シート4の除去により露出した粘着剤層3の粘着面において、X線光電子分析法(XPS)によって測定されるケイ素原子(Si)、炭素原子(C)および酸素原子(O)の量に基づき、下記の式により算出される原子%である。
シリコーン量(%)={Si/(Si+C+O)}×100
すなわち、粘着剤層3の粘着面においてXPSにより検出される原子は、ケイ素、炭素および酸素で略100%となるため、それらの原子中におけるケイ素の割合を上記のとおりシリコーン量とする。なお、粘着剤層そのものは、XPSによりケイ素が検出されない水準であることが大半であるため、当該シリコーン量を剥離剤層の剥離剤(シリコーン系化合物)の転移量の評価基準として利用することができる。
剥離剤層の厚さは、特に限定されないが、0.01〜2μmであることが好ましく、特に0.03〜1μmであることが好ましい。剥離剤層の厚さが0.01μm未満であると、剥離剤層を構成する材料等によっては、剥離剤層としての機能が十分に発揮されない場合がある。一方、剥離剤層の厚さが2μmを超えると、剥離シート4をロール状に巻き取った際に、ブロッキングが発生し、繰り出しに不具合を生じる場合がある。
粘着剤層3に対する剥離シート4の剥離力(ISO 8510−2:1990に準じた剥離力)は、10〜200mN/25mmであることが好ましく、特に20〜150mN/25mmであることが好ましく、さらには30〜100mN/25mmであることが好ましい。剥離力が10mN/25mm未満であると、外部から粘着シート1Aに衝撃が加わったときに、粘着剤層3から剥離シート4が浮いてしまうことがある。一方、剥離力が200mN/25mmを超えると、剥離シート4の剥離力が高過ぎて、剥離時に粘着剤層3が変形するおそれがある。
粘着剤層3を構成する粘着剤の種類としては、薄膜にて所望の粘着力が得られるものであれば特に限定されるものではなく、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等のいずれであってもよい。また、粘着剤は、エマルション型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋タイプまたは非架橋タイプのいずれであってもよい。粘着剤層3を構成する粘着剤としては、上記の中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤は、薄膜でも所望の粘着力を発揮し易く、また、シリコーン系剥離剤からなる剥離剤層を有する剥離シート4との剥離性も良好である。
アクリル系粘着剤は、薄膜でも膜強度の高い架橋タイプのものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸エステル重合体と架橋剤とを含有する粘着性組成物を架橋したものであることが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、架橋剤と反応可能な反応性基を有することが好ましい。この反応性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられ、中でも水酸基またはカルボキシル基が好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、水酸基を有するモノマー(水酸基含有モノマー)またはカルボキシル基を有するモノマー(カルボキシル基含有モノマー)を含有することが好ましい。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸が好ましく挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、水酸基含有モノマーまたはカルボキシル基含有モノマーを0.1〜20質量%含有することが好ましく、特に1〜10質量%含有することが好ましく、さらには5〜10質量%含有することが好ましい。
水酸基含有モノマーまたはカルボキシル基含有モノマーの含有量が上記の範囲にあることで、形成される架橋構造が良好なものとなり、得られる粘着剤が、薄膜でも膜強度を高く維持することができる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましく、特に主成分として含有することが好ましい。これにより、得られる粘着剤は、好ましい粘着性を発現することができる。
アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。中でも、粘着性をより向上させる観点から、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。なお、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、当該重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを20〜99質量%含有することが好ましく、特に40〜99質量%含有することが好ましく、さらには90〜95質量%含有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体は、所望により、当該重合体を構成するモノマー単位として、他のモノマーを含有してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステル重合体の重量平均分子量は20万〜200万であることが好ましく、特に50万〜150万であることが好ましく、さらには50万〜90万であることが好ましい。なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
架橋剤としては、(メタ)アクリル酸エステル重合体が有する反応性基と反応するものであればよく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等が挙げられ、中でも水酸基およびカルボキシル基との反応性に優れるイソシアネート系架橋剤が好ましい。架橋剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
イソシアネート系架橋剤は、少なくともポリイソシアネート化合物を含むものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などが挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸エステル重合体の反応性基との反応性の点から、トリメチロールプロパン変性の芳香族ポリイソシアネート、特にトリメチロールプロパン変性キシリレンジイソシアネートおよびトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネートが好ましい。
架橋剤の配合量は、(メタ)アクリル酸エステル重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、特に1〜10質量部であることが好ましい。架橋剤の配合量が上記の範囲にあると、後述する粘着剤のゲル分率を好ましい範囲に制御し易く、粘着剤の耐久性を向上させることができる。
上記粘着性組成物は、所望により、アクリル系粘着剤に通常使用されている各種添加剤、例えばロジン系、メチルスチレン系、テルペン系等の粘着付与剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤、染料、顔料、防錆剤などを含有してもよい。
粘着剤層3の厚さは、前述した通り1〜16μmであり、好ましくは2〜10μmであり、特に好ましくは2〜6μmである。粘着剤層3の厚さが16μmを超えると、剥離シート4を除く粘着シート1Aの厚さを20μm以下とすることが難しく、薄型のモバイル電子機器等に用いる粘着シートとしての要求性能を満たすことができなくなる。一方、粘着剤層3の厚さが1μm未満であると、被着体の表面凹凸に追従できずに、必要な接着性が得られなくなる。
粘着剤層3を構成する粘着剤のゲル分率は、20〜100%であることが好ましく、特に30〜90%であることが好ましく、さらには40〜80%であることが好ましい。ゲル分率が上記の値であることで、粘着剤層3は良好な耐久性を発揮する。ゲル分率が20%未満であると、加熱条件下等で粘着剤層3が変形したり発泡したりするおそれがある。なお、上記ゲル分率は、養生期間が経過して(例えば、23℃、50%RH環境下にて7日間保管後)形成された粘着剤についての値である。養生期間が経過しているかどうか不明の場合、改めて、23℃、50%RHの環境下にて7日間保管した後、ゲル分率が上記範囲内となっていればよい。
粘着剤層3を構成する粘着剤の25℃における貯蔵弾性率(G’)は、0.03〜0.3MPaであることが好ましく、特に0.05〜0.2MPaであることが好ましく、さらには0.07〜0.15MPaであることが好ましい。貯蔵弾性率が0.03MPa未満であると、粘着シート1Aのエッジから粘着剤が染み出してくるおそれがある。また、貯蔵弾性率が0.3MPaを超えると、粘着剤層3が被着体の表面凹凸に追従できず、接着性が低下するおそれがある。なお、上記貯蔵弾性率(G’)は、JIS K7244−6に準拠して、測定周波数1Hzにてねじりせん断法により測定した値とする。
粘着シート1Aは、無アルカリガラスに対する粘着力が、4N/25mm以上であることが好ましく、特に6N/25mm以上であることが好ましく、さらには8N/25mm以上であることが好ましい。粘着力が上記の範囲内にあることにより、ガラス板等の被着体との間で、良好な接着性が得られ、浮きや剥がれなどを防止することができる。本実施形態に係る粘着シート1Aでは、基材2Aの表面粗さ(Ra)を前述したように設定することにより、上記のような優れた粘着力を得ることができる。
なお、ここでいう粘着力は、基本的にはJIS Z0237:2009に準じた180°引き剥がし法により測定した粘着力をいうが、測定サンプルは25mm幅、250mm長とし、2kgのゴムローラを使用して当該測定サンプルを被着体に対し貼付した後、常圧、23℃、50%RHの条件下で24時間放置してから、剥離速度300mm/minにて測定するものとする。
上記粘着シート1Aの一製造例としては、剥離シート4の剥離面に、粘着性組成物を含む溶液(塗布溶液)を塗布し、加熱処理を行って塗布層を形成した後、その塗布層に基材2Aを積層する。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が粘着剤層3となる。これにより、上記粘着シート1Aが得られる。
粘着剤が架橋タイプの場合、粘着性組成物を架橋させることにより、粘着剤が得られる。粘着性組成物の架橋は、加熱処理により行うことができる。この加熱処理は、粘着性組成物の希釈溶剤等を揮発させる際の乾燥処理で兼ねることもできる。
加熱処理を行う場合、加熱温度は、50〜150℃であることが好ましく、特に70〜120℃であることが好ましい。また、加熱時間は、10秒〜10分であることが好ましく、特に50秒〜2分であることが好ましい。さらに、加熱処理後、常温(例えば、23℃、50%RH)で1〜2週間程度の養生期間を設けることが特に好ましい。
以上説明した粘着シート1Aは、その厚さ(剥離シート4を除く)が20μm以下と薄膜であるにもかかわらず、4N/25mm以上の粘着力を発揮することができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る粘着シート1Bは、図2に示すように、基材2Bと、基材2Bの一方の面(図2では上側の面)に積層された第1の粘着剤層31と、第1の粘着剤層31における基材2Bとは反対側(図2では上側)に積層された第1の剥離シート41と、基材2Bの他方の面(図2では下側の面)に積層された第2の粘着剤層32と、第2の粘着剤層32における基材2Bとは反対側(図2では下側)に積層された第2の剥離シート42とから構成される。なお、第1の剥離シート41および第2の剥離シート42は、それらの剥離面が粘着剤層に接するように、第1の粘着剤層31および第2の粘着剤層32に積層されている。本実施形態における粘着シート1Bは、いわゆる両面粘着シートであり、基材2Bは、第1の粘着剤層31および第2の粘着剤層32を支持する支持基材である。
本実施形態に係る粘着シート1Bも、薄膜の粘着シートである。具体的には、第1の粘着剤層31および第2の粘着剤層32の厚さがそれぞれ1〜16μmであり、基材2Bの厚さが1〜16μmであり、第1の剥離シート41および第2の剥離シート42を除く粘着シート1Bの厚さ(第1の粘着剤層31、第2の粘着剤層32および基材2Bの合計厚さ)が3〜20μmであるものである。粘着シート1Bの各部がこのような厚さを有することにより、粘着シート1Bは、例えば、薄型のモバイル電子機器への使用に適したものとなる。
第1の粘着剤層31および第2の粘着剤層32の材料および物性は、上記第1の実施形態に係る粘着シート1Aの粘着剤層3と同様であり、第1の剥離シート41および第2の剥離シート42の材料および物性は、上記第1の実施形態に係る粘着シート1Aの剥離シート4と同様である。なお、第1の剥離シート41と第2の剥離シート42とは、5mN/25mm以上の剥離力差を有していることが好ましく、10mN/25mm以上の剥離力差を有していることが特に好ましい。上記剥離力差を有することにより、最初に剥離する方の剥離シートを、粘着剤層の表面を傷付けることなく容易に除去できるからである。
一方、基材2Bは、材料に関しては上記第1の実施形態に係る粘着シート1Aの基材2Aと同様であるが、基材2Bの両面の表面粗さ(Ra)が、0.15μm以下であり、好ましくは0.01〜0.12μmであり、特に好ましくは0.01〜0.1μmである。基材2Bの両面、すなわち第1の粘着剤層31と接触する表面および第2の粘着剤層32と接触する表面の表面粗さ(Ra)を上記のように設定することにより、それら表面の凹凸を低減し、当該表面の影響を受ける第1の粘着剤層31および第2の粘着剤層32の粘着面を平坦にし、第1の粘着剤層31と被着体との接触面積および第2の粘着剤層32と被着体との接触面積を向上させることができる。これにより、粘着シート1Bは、薄膜であっても、両面がそれぞれ4N/25mm以上の粘着力を発揮することができる。
上記粘着シート1Bの一製造例としては、第1の剥離シート41の剥離面に、粘着性組成物を含む溶液(塗布溶液)を塗布し、加熱処理を行って塗布層を形成した後、その塗布層に基材2Bを積層する。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が第1の粘着剤層31となる。このようにして、第1の積層体を得る。一方、第2の剥離シート42の剥離面に、粘着性組成物を含む溶液(塗布溶液)を塗布し、加熱処理を行って塗布層を形成する。養生期間が必要な場合は養生期間をおくことにより、養生期間が不要な場合はそのまま、上記塗布層が第2の粘着剤層32となる。このようにして、第2の積層体を得る。そして、第1の積層体の基材2Bと第2の積層体の第2の粘着剤層32とが重なるように、第1の積層体と第2の積層体とを貼り合わせて、上記粘着シート1Bを得る。なお、剥離シート(41及び42)上における粘着剤層(31及び32)形成段階では、敢えて養生期間を取らずに基材2Bの積層を行い、後でまとめて第1の粘着剤層31および第2の粘着剤層32のいずれか長い方に合わせた養生期間を取ることにより上記粘着シート1Bを得ることもできる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、粘着シート1Aの基材2Aにおける粘着剤層3とは反対側の面には、ハードコート層、易接着層、反射層、防眩層、導電膜等の機能層や、印刷層、印字層、塗料塗膜等の装飾層などの他の層が積層されていてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1.(メタ)アクリル酸エステル重合体の調製
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置および窒素導入管を備えた反応容器に、アクリル酸n−ブチル90質量部、アクリル酸10質量部、酢酸エチル200質量部、および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.15質量部を仕込み、上記反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。この窒素雰囲気下中で攪拌しながら、反応溶液を60℃に昇温し、16時間反応させた後、室温まで冷却した。ここで、得られた溶液の一部を後述する方法で分子量を測定し、重量平均分子量(Mw)60万の(メタ)アクリル酸エステル重合体の生成を確認した。
2.粘着性組成物の調製
上記工程(1)で得られた(メタ)アクリル酸エステル重合体(A)100質量部(固形分換算値;以下同じ)と、架橋剤(イソシアネート系架橋剤)としてのトリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製,コロネートL)0.15質量部とを混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、不揮発分濃度15質量%の粘着性組成物の塗布溶液を得た。
3.粘着シートの製造
得られた粘着性組成物の塗布溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した剥離シート(リンテック社製,RL−1,厚さ:38μm)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが2μmになるようにナイフコーターで塗布したのち、90℃で1分間加熱処理して塗布層を形成した。
次いで、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,K100−2.0W,厚さ:2μm)を、上記塗布層の露出面側に貼合し、23℃、50%RHの条件下で7日間養生することにより、基材(厚さ:2μm)/粘着剤層(厚さ:2μm)/剥離シートの構成からなる粘着シートを作製した。
〔実施例2〕
剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した剥離シート(リンテック社製,RL−2,厚さ:38μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔実施例3〕
剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した別の剥離シート(リンテック社製,RL−3,厚さ:38μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔実施例4〕
粘着剤層の厚さを4μmとし、基材として別のポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製,エンブレットPET,厚さ:12μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔実施例5〕
粘着性組成物における架橋剤の配合量を0.03質量部に変更する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔実施例6〕
剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した別の剥離シート(リンテック社製,RL−6,厚さ:38μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔実施例7〕
剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した別の剥離シート(リンテック社製,RL−7,厚さ:38μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔比較例1〕
基材として別のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,K880−4.5W,厚さ:4.5μm)を使用し、剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した別の剥離シート(リンテック社製,RL−6,厚さ:38μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔比較例2〕
基材として別のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,K880−4.5W,厚さ:4.5μm)を使用し、剥離シートとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した別の剥離シート(リンテック社製,RL−7,厚さ:38μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
〔比較例3〕
基材として別のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製,K880−4.5W,厚さ:4.5μm)を使用する以外、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
ここで、前述した重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定(GPC測定)したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<測定条件>
・GPC測定装置:東ソー社製,HLC−8020
・GPCカラム(以下の順に通過):東ソー社製
TSK guard column HXL−H
TSK gel GMHXL(×2)
TSK gel G2000HXL
・測定溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
〔試験例1〕(表面粗さの測定)
実施例および比較例で使用した基材における粘着剤層と接触する側の面の表面粗さ(Ra)を、JIS B0601:2001に準拠し、表面粗さ計(ミツトヨ社製,SURFTEST SV−3000)を使用して測定した。測定条件は、カットオフ値λc=0.8mm、評価長さln=10mmとした。結果を表1に示す。
〔試験例2〕(シリコーン量の測定)
実施例または比較例で得られた粘着シートを裁断し、10mm幅、10mm長のサンプルを作製した。このサンプルから剥離シートを剥がし、粘着剤層の露出面(粘着面)におけるシリコーン量(%)を、X線光電子分析法(XPS)によって測定・算出した。測定装置としては、アルバックファイ社製のQuantera SXMを使用し、測定条件は以下の通りとした。
X線:AlKα(1486.6eV)
取り出し角度:45°
測定元素:ケイ素原子(Si),炭素原子(C),酸素原子(O)
上記シリコーン量(%)は、以下の式に基づいて算出されるものである。結果を表1に示す。
シリコーン量(%)={Si/(Si+C+O)}×100
なお、粘着剤層そのもののシリコーン量(%)も同様に測定したが、0%であった。すなわち、上記シリコーン量は、剥離剤層の剥離剤(シリコーン系化合物)の転移と相関関係を有するものであった。
〔試験例3〕(ゲル分率の測定)
実施例または比較例にて使用した基材に替えて、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面をシリコーン系剥離剤で剥離処理した剥離シート(リンテック社製,RL−5,厚さ:38μm)を使用し、粘着シートを作製した。具体的には、実施例または比較例の製造過程で得られた剥離シート/粘着剤層(厚さ:2μm)からなる構成体の露出している粘着剤層上に、上記剥離シートを剥離処理面側が接するように積層した。これにより、剥離シート/粘着剤層/剥離シートの構成からなる粘着シートを作製した。
得られた粘着シートを、23℃、50%RHの条件下で7日間養生した。その後、当該粘着シートを50mm×90mmのサイズに裁断し、両側の剥離シートを剥離して得た粘着剤層をポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ♯380)に包み、粘着剤のみの質量を精密天秤にて秤量した。このときの質量をM1とする。
次に、上記ポリエステル製メッシュに包まれた粘着剤を、室温下(23℃)で200mlの酢酸エチルに48時間浸漬させた。その後粘着剤を取り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、24時間風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて2時間乾燥させた。乾燥後の粘着剤のみの質量を、精密天秤にて秤量した。このときの質量をM2とする。ゲル分率(%)は、(M2/M1)×100で表される。結果を表1に示す。
〔試験例4〕(粘着力の測定)
実施例または比較例で得られた粘着シートを裁断し、25mm幅、250mm長のサンプルを作製した。このサンプルから剥離シートを剥がし、2kgのゴムローラを使用して、当該サンプルを無アルカリガラス(コーニング社製,イーグルXG)に貼付した。その後、23℃、50%RHの条件下で24時間放置してから、引張試験機(オリエンテック社製,テンシロン)を用い、JIS Z0237:2009に準じて、剥離速度300mm/min、剥離角度180°の条件で粘着力(N/25mm)を測定した。結果を表1に示す。
〔試験例5〕(耐久性評価)
実施例または比較例で得られた粘着シートを裁断し、50mm幅、50mm長のサンプルを作製した。このサンプルから剥離シートを剥がし、2kgのゴムローラを使用して、当該サンプルを無アルカリガラス(コーニング社製,イーグルXG)に貼付した。
得られた積層体を、80℃・dryの耐久条件の環境下に500時間投入した。その後、目視により、浮きや発泡の有無を確認した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:浮きや発泡が確認されなかった。
×:浮きや発泡が確認された。
Figure 0006126435
表1から明らかなように、基材の表面粗さ(Ra)が0.15μm以下であった実施例1〜7の粘着シートは、粘着力が4N/25mm以上であり、薄膜にもかかわらず良好な粘着力を発揮した。特に、シリコーン量が2.5%以下であった実施例1〜5の粘着シートは、粘着力が5N/25mm以上であり、優れた粘着力を発揮した。また、粘着剤のゲル分率が20%以上であった実施例1〜4,6,7の粘着シートは、耐久性にも優れていた。
本発明の粘着シートは、薄型のモバイル電子機器等に用いる粘着シートとして好適である。
1A,1B…粘着シート
2A,2B…基材
3…粘着剤層
31…第1の粘着剤層
32…第2の粘着剤層
4…剥離シート
41…第1の剥離シート
42…第2の剥離シート

Claims (9)

  1. 基材と、前記基材の片面または両面に積層された粘着剤層と、前記粘着剤層における前記基材と反対側の面に積層された剥離シートとを有する粘着シートであって、
    前記粘着剤層の厚さは、1〜16μmであり、
    前記基材の厚さは、1〜16μmであり、
    前記剥離シートを除く前記粘着シートの厚さは、2〜20μmであり、
    前記基材における前記粘着剤層と接触する側の面の表面粗さ(Ra)は、0.15μm以下であり、
    前記剥離シートは、剥離基材と、前記剥離基材の片面または両面に形成された剥離剤層とから構成され、
    前記剥離剤層は、シリコーン系化合物を含有しており、
    前記粘着剤層における前記剥離シート側の面のシリコーン量が、2.5%以下であり、
    無アルカリガラスに対する粘着力が、4N/25mm以上である
    ことを特徴とする粘着シート。
  2. 前記基材は、プラスチックフィルムから構成されることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記基材を構成する前記プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項2に記載の粘着シート。
  4. 前記剥離基材の厚さは、12〜75μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記剥離基材は、プラスチックフィルムから構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記剥離基材を構成する前記プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項に記載の粘着シート。
  7. 前記粘着剤層を構成する粘着剤のゲル分率は、20〜100%であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シート。
  8. 前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤から構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の粘着シート。
  9. 前記アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル重合体と架橋剤とを含有する粘着性組成物を架橋したものである請求項に記載の粘着シート。
JP2013074664A 2013-03-29 2013-03-29 粘着シート Active JP6126435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013074664A JP6126435B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 粘着シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013074664A JP6126435B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 粘着シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014198411A JP2014198411A (ja) 2014-10-23
JP6126435B2 true JP6126435B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=52355658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013074664A Active JP6126435B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 粘着シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6126435B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016103372A1 (ja) * 2014-12-24 2016-06-30 リンテック株式会社 表面保護パネル用両面粘着シートおよび表面保護パネル
KR101574923B1 (ko) * 2015-01-20 2015-12-04 김영수 탈부착이 가능한 윈도우를 포함하는 디스플레이 장치 및 그 탈부착 방법
JP6714387B2 (ja) * 2016-02-25 2020-06-24 リンテック株式会社 剥離シート
CN108473829B (zh) * 2016-03-29 2020-04-14 琳得科株式会社 双面粘合片
JP6978890B2 (ja) * 2017-10-16 2021-12-08 リンテック株式会社 ダイシングダイボンディングシート及び半導体チップの製造方法
JP7287863B2 (ja) * 2018-08-09 2023-06-06 東レフィルム加工株式会社 積層フィルム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003080638A (ja) * 2001-09-07 2003-03-19 Lintec Corp 剥離ライナー及びこれを用いた両面テープ
JP2009246302A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Lintec Corp ダイソートテープ
JP5582726B2 (ja) * 2008-06-05 2014-09-03 日東電工株式会社 保護シートおよびその利用
JP5553744B2 (ja) * 2010-12-27 2014-07-16 三菱樹脂株式会社 両面粘着テープ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014198411A (ja) 2014-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6126435B2 (ja) 粘着シート
JP5607565B2 (ja) 粘着剤、及び粘着シート
JP7069066B2 (ja) 繰り返し屈曲ディスプレイ
JP2006028416A (ja) 粘着テープ類
TWI724116B (zh) 半導體加工用黏著膠帶、以及半導體裝置之製造方法
KR20110039476A (ko) 점착 시트
JP6071231B2 (ja) 粘着剤および粘着シート
JP7069068B2 (ja) 繰り返し屈曲ディスプレイ
JP7069065B2 (ja) 繰り返し屈曲ディスプレイ
JP7046504B2 (ja) フレキシブルデバイス用キャリアシート
TWI821272B (zh) 黏著帶
TW201724291A (zh) 黏著薄片及半導體裝置之製造方法
KR20150058242A (ko) 백 그라인드 시트
JP2019156940A (ja) 感温性粘着シートおよび積層体
JP6197103B2 (ja) 両面粘着シート及び両面粘着シートの製造方法
JP7378230B2 (ja) 粘着シートおよび積層体
KR20190074198A (ko) 반복 굴곡 디바이스용 점착제, 점착 시트, 반복 굴곡 적층 부재 및 반복 굴곡 디바이스
JP2014189703A (ja) 粘着シート
JP2013199544A (ja) 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2017119790A (ja) 装飾用粘着シート
JP6188380B2 (ja) 粘着シート
KR20200141381A (ko) 점착 시트 및 적층체
JP6539005B1 (ja) 粘着テープ
JP7069067B2 (ja) 繰り返し屈曲ディスプレイ
WO2021106350A1 (ja) 粘着テープ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6126435

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250