JP5582726B2 - 保護シートおよびその利用 - Google Patents
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Description
また、10%延伸時張力の測定温度を40℃とするのは、メッキマスキング用保護シートを被着体に貼り付ける際、基材の表面温度が概ね40〜50℃となる場合が多いという実情に鑑みたものである。
ここに開示される発明は、他の側面として、樹脂製のシート状基材と該基材の片面に設けられた粘着剤層とを備えた保護シートであって、該保護シートの40℃における第一方向への10%延伸時張力T1と前記第一方向と直交する第二方向への10%延伸時張力T2との和(T1+T2)が凡そ1〜8N/10mmである保護シートを提供する。該保護シートに具備される粘着剤層は、剥離ライナーの剥離面上に形成された粘着剤層を前記基材に転写して設けられたものであり得る。また、粘着剤組成物を基材に直接塗布すること、あるいは基材と粘着剤とを共押出しすることにより設けられたものであってもよい。
ここに開示される発明は、他の側面として、樹脂製のシート状基材と該基材の片面に設けられた粘着剤層とを備えた保護シートであって、前記基材のT1+T2および前記保護シートのT1+T2のうち少なくとも一方が1〜8N/10mmである保護シートを提供する。該保護シートに具備される粘着剤層は、剥離ライナーの剥離面上に形成された粘着剤層を前記基材に転写して設けられたものであり得る。この保護シートの好ましい一態様では、前記基材のE1+E2および前記保護シートのE1+E2(基材の断面積換算)のうち少なくとも一方が70MPa〜450MPa(例えば凡そ80MPa〜450MPa)である。かかる保護シートは、剥離ライナーの剥離面上に形成された粘着剤層を基材に転写して製造されたものであり得る。該保護シートは、また、粘着剤組成物を基材に直接塗布すること、あるいは基材と粘着剤とを共押出しすることによっても製造され得る。
粘着剤層の厚みは、例えば凡そ1μm〜100μmであり得る。通常は、上記粘着剤層の厚みを凡そ5μm〜40μm(例えば凡そ10μm〜20μm)とすることが好ましい。例えば、メッキマスキング用保護シートに具備される粘着剤層の厚みとして、上記範囲を好ましく採用することができる。
なお、基材のうち少なくとも粘着剤層が設けられる側の表面は、粘着剤層の表面状態(貼付面の表面粗さ)に影響を及ぼさない程度(すなわち、剥離面の算術平均表面粗さを上昇させる要因とならない程度)の平滑性を有することが好ましい。
なお、本発明に係る保護シートは、上記のように金属メッキを施さない部分をメッキ液から保護する用途に限定されず、例えば、回路パターンを形成する際に非処理面を処理液から保護(マスキング)する用途等にも好適に用いることができる。
転写シート上に形成した粘着剤層を基材に転写し、該転写シートをそのまま剥離ライナーとして利用する形態の保護シートでは、直接法により形成した粘着剤層上に剥離ライナーを貼り合わせてなる保護シートに比べて、該剥離ライナーの表面粗さが上記ライナー剥離力に影響しやすい。上述した好ましいライナー剥離力を示す剥離ライナー付き保護シートを得るには、例えば、剥離面の算術平均表面粗さが凡そ0.05〜1μm(より好ましくは凡そ0.05μm〜0.75μm、さらに好ましくは凡そ0.05μm〜0.5μm)である樹脂フィルムを転写シート兼剥離ライナーとして用いることが好ましい。
また、以下の説明中の各特性は、それぞれ次のようにして測定または評価した。
基材および保護シートのそれぞれにつき、以下の方法で10%延伸時張力を測定した。
すなわち、基材または保護シートから、基材の長手方向(MD)に沿って短冊状の試験片(MD試験片)を切り出した。ここで、保護シートについては、粘着剤層上に剥離ライナーが配置された形態(剥離ライナー付き保護シートの形態)で短冊状に切り出した後、剥離ライナーを除去したものを試験片とした。JIS K7127に準拠して、上記試験片を10%延伸したときの引張張力を以下の条件で測定した。
10%延伸時張力測定条件:
測定温度 40℃(当該温度に試験片を30分以上保持した後に測定を開始する);
試験片の幅 10mm;
引張速度 300mm/min;
チャック間距離 50mm。
異なる箇所から切り出した3つの試験片を用いて上記測定を行い(すなわちn=3)、それらの平均値を40℃におけるMDへの10%延伸時張力T1とした。
また、基材または保護シートから、基材の幅方向(TD、すなわち上記MDと直交する方向)に沿って短冊状の試験片(TD試験片)を切り出し、MD試験片と同様にして10%延伸したときの引張張力を測定した。異なる箇所から切り出した3つの試験片を用いて上記測定を行い、それらの平均値を40℃におけるTDへの10%延伸時張力T2とした。
このようにして得られたT1とT2とを足し合わせてT1+T2を算出した。
基材および保護シートのそれぞれにつき、JIS K7161に準拠して、上記MD試験片を以下の条件で延伸することにより応力−ひずみ曲線を得た。引張弾性率は、規定された2点のひずみε1=1及びε2=2の間の曲線の線形回帰によって求めた。
引張弾性率測定条件:
測定温度 40℃(当該温度に試験片を30分以上保持した後に測定を開始する);
試験片の幅 10mm;
引張速度 300mm/min;
チャック間距離 50mm。
異なる箇所から切り出した3つの試験片を用いて上記測定を行い、それらの平均値を40℃におけるMDへの引張弾性率E1とした。
また、基材および保護シートのそれぞれにつき、上記TD試験片を用いて、MD試験片と同様にして引張弾性率を求めた。異なる箇所から切り出した3つの試験片を用いて上記測定を行い、それらの平均値を40℃におけるTDへの引張弾性率E2とした。
なお、保護シートの引張弾性率E1,E2は、該保護シートの厚みの実測値から粘着剤層の厚みを差し引いた厚みの値に基づいて、基材の断面積当たりの値に換算して求めた。
このようにして得られたE1とE2とを足し合わせてE1+E2を算出した。
保護シートの裂けにくさの指標として、以下の方法により基材の引裂強度を測定した。
すなわち、基材の長手方向(MD)に沿って、幅40mm、長さ150mmの短冊状の試験片(MD試験片)を3枚切り出した。JIS K6772に準拠して、上記試験片の一方の短辺の中央から長辺に平行に内部へ長さ75mmの切込を入れた。試験片の上記切込を入れた辺を、該切込の両側が表裏となるように引張試験機にセットし、測定温度25℃において300mm/minの速度で引っ張ることにより上記切込の方向に試験片を引き裂き、そのときの最大荷重を求めた。3枚のMD試験片の平均値をMDへの引裂強度S1とした。
また、基材の幅方向(TD)に沿って同形状の試験片(TD試験片)を3枚切り出し、これらをMD試験片と同様に引き裂いて最大荷重を求めた。3枚のTD試験片の平均値をTDへの引き裂き強度S2とした。
基材を幅50mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片を用意した。該試験片の背面を下にして水平に保持した平滑なABS板上に置き、その試験片の上に荷重(幅50mm、長さ100mm、質量100gの平滑なステンレス板)を固定した。上記荷重を載せた試験片を、伸縮性のない糸を用いて引張試験機に取り付け、測定温度25℃において引張速度300mm/min、引張距離150mmの条件でABS板上を水平に引っ張り、試験片にかかる動摩擦力の平均値を求めた。
シートまたはフィルムの算術平均表面粗さは次のようにして測定した。すなわち、剥離処理されたPETフィルム上に厚み25±3μmの粘着剤層を有する基材レスの両面粘着シートを用意した。該粘着シートをスライドグラス(松浪硝子工業株式会社製、商品名「白縁磨No.2、S−1112」)に貼り合わせ、上記PETフィルムを除去して粘着剤層を露出させた。このようにしてスライドグラス上に測定サンプル固定用の粘着剤層を形成し、測定対象たるシートまたはフィルムを上記粘着剤層上に、測定対象面が上側となるように配置した。そして、Veeco社製の非接触3次元表面形状測定装置、型式「Wyko NT−3300」(VSI方式。対物レンズ2.5倍、内部レンズ0.55倍、Backscan:10μm、Length:15μm、threshold:1%、Window Filtering:なし、に設定した。)を用いて5mm×5mmの範囲内について算術平均表面粗さ(MDおよびTDの平均値)を測定した。測定はn=5で実施し、そのうち上限値と下限値を除いた3つのデータの平均値を求めた。
また、粘着剤層の貼付面の表面粗さは次のようにして測定した。すなわち、上記と同様にしてスライドグラス上に形成された測定サンプル固定用粘着剤層に、測定サンプルたる保護シート(貼付面上に配置された剥離ライナーを備える。)の基材背面を貼り合わせ、剥離ライナーを除去して測定対象面(貼付面)を露出させた。そして、上記と同様にして該測定対象面の算術平均表面粗さを測定し(n=5)、そのうち上限値と下限値を除いた3つのデータの平均値を求めた。
保護シートを50mm幅にカットして試験片を用意した。該試験片を引張試験機にセットし、測定温度25℃、引張速度300mm/min、引き剥がし角度90°の条件で基材から剥離ライナーを剥離し、剥離強度を測定した。試験は3回行い、それらの平均値を求めた。
FPCにメッキを施す際に用いられる保護シート(メッキマスキング用保護シート)としての使用態様を想定し、またFPC表面の大部分はポリイミド(PI)であることを考慮して、PI(東レ株式会社製、商品名「カプトン50H」)を被着体として保護シートの密着性(表面形状追従性)を評価した。すなわち、図3,4に示すように、厚さ50μmのPIフィルム21,22をステンレス板23上に重ねて配置した。上側に配置されたPIフィルム21には、両フィルム21,22の間に段差を形成するために、直径6mmの貫通孔21aが設けられている。その貫通孔21aの上から図3に二点鎖線で示す位置に保護シート25を貼り付けた。この貼り付けは、保護シート25の表面温度が40〜50℃となるように加熱したロール(図示せず)を用いて、圧力0.6MPa、貼り合わせ速度1.0m/minの条件で圧着することにより行った。そして、保護シート25で覆われた貫通孔21aを正面から観察し(図3)、該貫通孔21aを通して下側に配置されたPIフィルム22に密着している保護シート25の面積(密着面積)を算出した。その密着面積が貫通孔21aの開口面積に占める割合を密着度とした。別途の実験によりメッキ液の浸入がみられる密着度の上限が72%であることが確認されていることから、上記密着度が72%を超える場合には密着性「良」と評価し、密着度が72%以下の場合には密着性「不良」と評価した。
基材としてEVAシートを用い、転写シート兼剥離ライナーとしてPEフィルムを用いて保護シートを作製した。
すなわち、エチレン−酢酸ビニル樹脂(酢酸ビニルの共重合割合 9%)を押出機に投入し、該押出機のTダイからダイス温度180℃の条件で押し出した。その押出物を一対の冷却ロールの間に挟んで冷却しつつ70μm厚に成形し、片面にコロナ放電処理を施して、40℃における10%延伸張力の和(T1+T2)が4.8N/10mmであるEVAシート(EVA基材)を作製した。
また、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製品、商品名「ペトロセン180」)を、インフレーション成形機によりダイス温度160℃の条件で60μm厚に成膜し、片面にコロナ放電処理を施して、T1+T2が9.7N/10mmのPEフィルムを作製した。このPEフィルムの非コロナ処理面(剥離面)の表面粗さは0.16μmであった。
上記PEフィルムの剥離面にアクリル系粘着剤組成物を塗布し、80℃で1分間乾燥させて、厚み約15μmの粘着剤層を形成した。その剥離面上の粘着剤層に上記EVAシートのコロナ処理面を貼り合わせ、50℃の条件下で2日間エージングした。このようにして、EVA基材の片面に粘着剤層を有する保護シートを得た。該粘着剤層の剥離面上には、転写シートとして利用した上記PEフィルムが引き続き剥離ライナーとして配置されている。
すなわち、冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた反応容器に、メチルメタクリレート33部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3部、ブチルアクリレート66部、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド0.1部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.5部、および水100部を仕込み、80℃で5時間乳化重合させた後、15%濃度のアンモニア水を用いてpHを7.0に調整した。このようにして、固形分濃度50%のアクリル系共重合体エマルジョンを得た。
このエマルジョンに塩酸を添加して塩析させ、その凝集物を水洗し、乾燥させて、アクリル共重合体を得た。このアクリル共重合体をトルエンに溶解させた溶液に、該共重合体100部に対して5部のイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製品、商品名「コロネートL」)を添加混合し、さらにトルエンで所定の固形分濃度に調整して粘着剤組成物を得た。
基材としてアクリル樹脂シートを用い、転写シート兼剥離ライナーとしてPETフィルムを用いて保護シートを作製した。すなわち、片面にコロナ放電処理が施された厚み70μmのアクリル樹脂シート(ロンシール工業株式会社製品、商品名「ACF090」)を用意した。このアクリル樹脂シート(アクリル基材)のT1+T2は5.1N/10mmであった。また、片面(剥離面)がシリコーン系剥離剤で処理された厚み25μmのPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製品、商品名「ダイアホイル MRF25」)を用意した。このPETフィルムの剥離面の表面粗さは0.10μmであった。上記剥離面上に、例1と同様にして粘着剤層を形成した。該粘着剤層に上記アクリル基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材としてPEシートを用い、転写シート兼剥離ライナーとして例2と同じPETフィルムを用いて保護シートを作製した。すなわち、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製品、商品名「ペトロセン183」)を、インフレーション成形機によりダイス温度160℃の条件で40μm厚に成膜し、片面にコロナ放電処理を施して、T1+T2が7.2N/10mmであるPEシート(PE基材)を作製した。また、例2と同様にしてPETフィルムの剥離面上に形成した粘着剤層に、上記PEシートのコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材として例3と同じPE基材を用い、転写シート兼剥離ライナーとして例1と同じ60μm厚のPEフィルムを用いて保護シートを作製した。
すなわち、上記PEフィルムの剥離面上に、例1と同様にして粘着剤層を形成した。該粘着剤層に上記PE基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材として例3と同じPE基材を用い、転写シート兼剥離ライナーとしてPPフィルムを用いて保護シートを作製した。上記PPフィルムは次のようにして作製した。すなわち、片面にコロナ放電処理が施された厚み40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(サントックス株式会社製のCPPフィルム、商品名「MK72」)を用意した。このCPPフィルムの非コロナ処理面(剥離面)の表面粗さは0.33μmであった。上記PPフィルムの剥離面上に、例1と同様にして粘着剤層を形成した。該粘着剤層に上記PE基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材として例3と同じPE基材を用い、転写シート兼剥離ライナーとしてPP/PEブレンドフィルム(以下、「PP/PEフィルム」という。)を用いて保護シートを作製した。上記PP/PEフィルムは次のようにして作製した。すなわち、PP90部(樹脂密度0.905の結晶性ホモポリプロピレン(HPP)45部、樹脂密度0.900のランダムポリプロピレン(RPP)45部)とPE10部(東ソー株式会社製品、商品名「ペトロセン205」)とをTダイ法にて押し出し、その押出物を40μm厚に成形し、片面にコロナ放電処理を施してPP/PEフィルムを作製した。このPP/PEフィルムの非コロナ処理面(剥離面)の表面粗さは0.71μmであった。上記PP/PEフィルムの剥離面上に、例1と同様にして粘着剤層を形成した。該粘着剤層に上記PE基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材として例3と同じPE基材を用い、転写シート兼剥離ライナーとして剥離紙を用いて保護シートを作製した。上記剥離紙としては、厚さ115μmの上質紙の両面にそれぞれ厚さ20μmとなるようにPE樹脂をラミネートし、そのうちの片面(剥離面)をさらにシリコーン系剥離剤で処理したものを使用した。この剥離紙の剥離面の表面粗さは1.86μmであった。上記剥離紙の剥離面上に、例1と同様にして粘着剤層を形成した。該粘着剤層に上記PE基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
本例では、例1において転写シート兼剥離ライナーとして用いた60μm厚のPEフィルムを基材として使用し、例7と同じ剥離紙を転写シート兼剥離ライナーに用いて保護シートを作製した。すなわち本例では、例7と同様にして剥離紙の剥離面上に形成した粘着剤層に、上記PEフィルム(T1+T2が9.7N/10mmのPE基材)のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材として三層構造のPPシートを用い、転写シート兼剥離ライナーとして例2と同じPETフィルムを用いて保護シートを作製した。すなわち、例6においてPP/PEフィルムの作製に用いたものと同じ結晶性PP(HPP)と、非晶質PPと結晶性PPとのコンパウンド樹脂とを、上記結晶性PPの間に上記コンパウンド樹脂を挟んだ三層構造(結晶性PP:コンパウンド:結晶性PP=1:3:1)となるようにTダイから押し出した。その押出物を40μmの厚さに成形し、片面にコロナ放電処理を施して、T1+T2が9.5N/10mmの三層構造PPシート(PP基材)を作製した。上記PETフィルムの剥離面上に、例1と同様にして粘着剤層を形成した。その粘着剤層に上記PP基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
基材として例9と同じPP基材を用い、例7と同じ剥離紙を転写シート兼剥離ライナーに用いて保護シートを作製した。すなわち本例では、例7と同様にして剥離紙の剥離面上に形成した粘着剤層に、上記PP基材のコロナ処理面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。例9と同様にして求めたシリコーン移行量は7.4g/m2であった。
本例では、例9と同じPP基材の片面に直接法により粘着剤層を形成して保護シートを作製した。すなわち、上記PP基材のコロナ処理面に例1と同じ粘着剤組成物を直接塗布し、80℃で1分間乾燥させて、厚み約15μmの粘着剤層を形成した。該粘着剤層の表面(貼付面)に例7と同じ剥離紙の剥離面を貼り合わせ、例1と同様にエージングして保護シートを得た。
これに対して、T1+T2が9N/10mmを超える基材を用いてなる例8〜11の保護シートは、例1〜7の保護シートに比べて明らかに密着性の低いものであった。
例3〜7で用いた厚み40μmのPE基材と、例8で用いた厚み60μmのPE基材とを比較すると、例8のPE基材のほうが引張弾性率の和(E1+E2)は小さいが、10%延伸時張力の和(T1+T2)は大きく、9N/10mm超える値となっている。そして、上述のように、例8に係る保護シートは例3〜7に係る保護シートに比べて密着性に劣る。この結果は、10%延伸時張力の和を第一の指標として基材を選択することの意義を示すものである。
これに対して、剥離面の算術平均表面粗さが1.5μmを超える転写シート(剥離ライナー兼用)上に形成した粘着剤層を基材に転写してなる例7,8,10の保護シートおよび直接法により作製された例11の保護シートでは、粘着剤層の貼付面の算術平均表面粗さがいずれも0.8μmを超える値であった。
なお、例1,3〜7に係る保護シートは、いずれも実用上十分な裂けにくさ(基材の引裂強度)および基材背面のすべり性を示すことが確認された。
2:粘着剤層
3:剥離ライナー
10,25:保護シート
21,22:PIフィルム
21a:貫通孔
Claims (6)
- 樹脂製のシート状基材と該基材の片面に設けられた粘着剤層とを備え、該粘着剤層の貼付面上に剥離ライナーが配置された保護シートであって、
前記基材は、40℃における第一方向への10%延伸時張力T1と前記第一方向と直交する第二方向への10%延伸時張力T2との和(T1+T2)が1〜8N/10mmであり、
前記基材を構成する樹脂成分は、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記粘着剤層は、前記剥離ライナーの剥離面上に形成された粘着剤層を前記基材の片面に転写して設けられたものであり、
前記基材の厚みは10μm〜80μmであり、
前記粘着剤層は、炭素数4〜10のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとするアクリル系ポリマーを主体とするアクリル系粘着剤を含んで構成された粘着剤層であり、
前記剥離ライナーは、前記貼付面に対向する表面の算術平均表面粗さが0.05μm〜0.75μmである、保護シート。 - 前記基材は、40℃における前記第一方向への引張弾性率E1と前記第二方向への引張弾性率E2との和(E1+E2)が70MPa〜450MPaである、請求項1に記載の保護シート。
- 樹脂製のシート状基材と該基材の片面に設けられた粘着剤層とを備え、該粘着剤層の貼付面上に剥離ライナーが配置された保護シートであって、
前記保護シートは、40℃における第一方向への10%延伸時張力T1と前記第一方向と直交する第二方向への10%延伸時張力T2との和(T1+T2)が1〜8N/10mmであり、
前記基材を構成する樹脂成分は、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記基材の厚みは10μm〜80μmであり、
前記粘着剤層は、炭素数4〜10のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとするアクリル系ポリマーを主体とするアクリル系粘着剤を含んで構成された粘着剤層であり、
前記剥離ライナーは、前記貼付面に対向する表面の算術平均表面粗さが0.05μm〜0.75μmである、保護シート。 - 前記保護シートは、40℃における前記第一方向への引張弾性率E1と前記第二方向への引張弾性率E2との和(E1+E2)が70MPa〜450MPaである、請求項3に記載の保護シート。
- 金属をメッキする際に非メッキ部分に貼り付けられて当該部分をメッキ液から保護するメッキマスキング用保護シートである、請求項1から4のいずれか一項に記載の保護シート。
- 樹脂製のシート状基材と該基材の片面に設けられた粘着剤層とを備え、該粘着剤層の貼付面上に剥離ライナーが配置された保護シートを製造する方法であって:
40℃における第一方向への10%延伸時張力T1と前記第一方向と直交する第二方向への10%延伸時張力T2との和(T1+T2)が1〜8N/10mmである基材を選択すること;
剥離ライナーの剥離面に粘着剤組成物を付与すること;
前記剥離面上において前記粘着剤組成物から粘着剤層を形成すること;および、
前記剥離面上の粘着剤層を前記基材の片面に転写すること;
を包含し、
前記基材を構成する樹脂成分は、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記基材の厚みは10μm〜80μmであり、
前記粘着剤層は、炭素数4〜10のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとするアクリル系ポリマーを主体とするアクリル系粘着剤を含んで構成された粘着剤層であり、
前記剥離ライナーは、前記貼付面に対向する表面の算術平均表面粗さが0.05μm〜0.75μmである、保護シート製造方法。
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