JP6714241B1 - 杭の打設方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 湿地帯、さらに池や河川の周囲等の軟弱な地盤において、地盤上に杭打車両を直接設置することなく、所望の位置に杭を打設する方法を提供する。【解決手段】 本発明による杭の打設方法は、杭打車両1を用いて杭を打設する方法であって、杭打車両1の車幅以上の間隔をあけて、第1の杭2を2本打設し、打設した第1の杭2のそれぞれに下支部材4を保持するための保持具3を接続し、保持具3の下部間で下支部材4を載架し、下支部材4を土台として、その上部に車両通路5を設置し、杭打車両1を車両通路5上に移動させて第2の杭6を打設するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、氷上や湿地帯、さらに、池や河川の周囲等の軟弱な地盤等において杭を打設する工法に関して、特に、地盤上に直接、杭打車両を設置することなく、所望の位置に杭を打設する方法に関するものである。
近年、我が国特有の地形である湿地帯等を観光名所とすべく、湿地帯上に歩行者散策用の橋梁を設置するなどの環境整備が頻繁に行われている。また、湿地帯に限らず、防災の観点等から、池や河川の周囲においても橋梁設置等の整備工事等が行われている。もっとも、湿地帯、池、河川等において橋梁を設置するためには、基礎となる杭を多数埋設する必要があるところ、湿地帯は勿論、池や川の周囲は、非常に軟弱な地盤が多く、重量の重い4輪の杭打車両を用いて基礎杭の埋設作業を行おうとする場合、杭打車両が軟弱地盤中に沈み込んでしまったり、地盤が軟弱なためアウトリガーで固定することができず、杭打車両を安定して設置できず、所望の位置に基礎杭を埋設することができないという問題があった。
そこで、杭打車両の重心がタイヤ部分に集中する4輪の杭打車両ではなく、クローラ(履帯)式の杭打車両等を用いることで、地盤表面にかかる杭打車両の重量を分散させ、杭打車両を安定して設置し基礎杭を埋設することが試みられている(特許文献1)。
特開昭62−90413
しかしながら、前述のクローラ式の杭打車両を用いる場合であっても、その重量は重く、地盤状態が相当に軟弱な場所では、車両が地盤内に沈み込んでしまい、地盤に安定して設置できない、また、杭打車両を地盤に設置した後、沈み込み身動きが取れなくなる等の問題があった。さらに、湿地帯は勿論、池や河川等は、一般的に辺境な場所にあることが多く、大型の杭打車両では現場まで搬入することができず、クローラ式であっても大型装置は一切用いることができず、いずれにせよ小型装置を用いざるを得ないという問題があった。
特に湿地帯は、相当に軟弱な地盤であり、小型のクローラ式の杭打車両を用いたとしても、杭打車両を地盤上に配置できないことから、通常、湿地帯の軟弱地盤に対する杭打工事は、冬に行われることが多い。すなわち、冬になると気温が下がることにより、湿地帯表面が凍り、地面が固く凍り付くことになる。そこで従来は、湿地帯での橋の基礎の杭打設を施工する際、寒さで軟弱地盤の地表が凍り付いた氷上に杭打車両を搬入して、氷上に穴をあけて、杭を打設することもあったが、冬に限定してしか工事ができないという問題があった。
結局のところ、クローラ式の杭打車両を用いたとしても、その重量は重く、さらに軽い装置を用いたとしても、氷面が存在するような冬場を除き、そもそも軟弱地盤上に杭打車両を設置して杭を打設することができず、軟弱地盤上に杭打車両を配置して固定した上で杭を打つという従来の発想自体に問題があった。そこで、本発明者は、鋭意検討の結果、その発想を転換し、軟弱地盤上に杭打車両を配置することなく杭を埋設すればよいことを想起し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以上の点に鑑み、湿地帯、さらに池や河川の周囲等の軟弱な地盤において、地盤上に杭打車両を直接設置することなく、所望の位置に杭を打設する方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するべく、本発明による杭の打設方法は、杭打車両を用いて杭を打設する方法であって、杭打車両の車幅以上の間隔をあけて、第1の杭を2本打設し、前記第1の杭のそれぞれに下支部材を保持するための保持具を接続し、該保持具の下部間に下支部材を載架し、前記下支部材を土台にして車両通路を設置し、前記杭打車両を前記車両通路上に配置して第2の杭を打設することを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、第2の杭を2本打設後、前記第1の杭のそれぞれに第2の保持具を接続し、該第2の保持具の下部間に第2の下支部材を載架し、前記第2の杭のそれぞれに第3の保持具を接続し、該第3の保持具の下部間に第3の下支部材を載架し、前記第2及び第3の下支部材を土台にして第2の車両通路を設置し、前記杭打車両を前記第2の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設することを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、たとえば、第2の杭を埋設するに際して、第2の杭の埋設したい位置が第1の杭の埋設位置から離れている場合には、第2の杭の打設において、地盤表面に第1の補強材を設置し、前記第1の杭のそれぞれに第2の保持具を接続し、該第2の保持具の下部間に第2の下支部材を載架し、前記第2の下支部材及び前記第1の補強材を土台にして第2の車両通路を設置し、前記杭打車両を前記第2の車両通路上まで移動させて第2の杭を打設することを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、第2の杭を2本打設後、前記第2の車両通路及び前記第1の補強材を取り外し、前記第2の杭のそれぞれに第3の保持具を接続し、該第3の保持具の下部間に第3の下支部材を載架し、前記第1の杭に接続された第2の下支部材及び前記第2の杭に接続された第3の下支部材を土台にして第2の車両通路を再び設置し、前記杭打車両を前記第2の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設することを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、第2の杭を2本打設後、前記第2の杭のそれぞれに第3の保持具を接続し、該第3の保持具の下部間に第3の下支部材を載架し、前記第3の下支部材及び前記第2の車両通路を土台にして第3の車両通路を設置し、地盤表面に第2の補強材を設置し、前記第2の杭のそれぞれに第4の保持具を接続し、該第4の保持具の下部間に第4の下支部材を載架し、前記第4の下支部材及び前記第2の補強材を土台にして第4の車両通路を設置し、前記杭打車両を前記第4の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設することを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、第3の杭の打設において、前記第2及び第3の車両通路及び前記第1の補強材を取り外し、前記第1の杭に接続された第2の下支部材及び第2の杭に接続された第3の下支部材を土台にして別の第2の車両通路を設置し、前記杭打車両を前記第2の車両通路上を経て前記第4の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設することを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、打設される杭の外周の一部を覆う外径を有し、上部に杭と接続するための引掛部を備え、下部に下支部材を載架するための載台を有する保持具を用いることを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、上面視円弧形状の突出部を有し、前記突出部の下部に引掛部を備え、全体として半筒状の形状からなる保持具を用いることを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、前記載台の下部に補強材を備えた保持具を用いることを特徴とする。
本発明による杭の打設方法は、前記引掛部の上部に補強材を備えた保持具を用いることを特徴とする。
本発明による方法では、打設した2本の第1の杭のそれぞれに保持具を接続した上、下支部材を設置し、下支部材を土台にして杭打車両が通過可能な車両通路を設置することで、同車両通路上に杭打車両を移動させた上で第2の杭を打設することが可能となり、結果、杭打車両を軟弱な地盤上に直接配置することなく、第1の杭で支えられた強固な車両通路上で安定した状態で第2の杭を打設することができる。
また本発明による方法では、第2の杭にもそれぞれ保持具を接続し、これを利用して下支部材を設置し、同下支部材を土台にして第2の車両通路をさらに設置し、同通路上に杭打車両を移動させた上で第3の杭を打設することにより、杭打車両を軟弱地盤上に絶えず直接配置することなく、連続して杭を打設することが可能となる。この作業を繰り返すことにより、冬の寒い時期しか作業ができなかった軟弱地盤の杭打設工事が、四季を問わず、どの地方でも可能となる。
さらに、軟弱地盤上に配置した補強材、杭に接続された保持具、さらにはこれらを利用して設置された車両通路等を利用して、さらに必要な場所に車両通路を適宜設置することができ、離れた位置に杭の打設が必要な場合であっても、所望の位置に容易に打設することができる。
また、本発明による方法では、杭に接続する保持具の形状を簡易な形状とすることで、所望の車両通路を容易に形成できることになり、また、形状を適宜変更することにより、杭から保持具が外れることを防止し、また、下支部材を介して安定して車両通路を支えることが可能となる。
本発明の杭の打設方法の作業状況を側面視で説明する図 本発明の杭の打設方法の作業状況を上面視で説明する図 本発明の杭の打設に用いる保持具の一例を示す斜視図 本発明の保持具の一例を示す六面図 本発明の杭の打設に用いる保持具の他の例を示す斜視図 本発明の保持具の他の例を示す六面図 本発明の保持具の他の例を示す六面図 本発明の杭の打設方法の連続して杭を打設するための作業状況を側面視で説明する図 本発明の杭の打設方法の第2の杭を打設するための作業状況を側面視で説明する図 本発明の杭の打設方法の連続して杭を打設するための他の作業状況を側面視で説明する図 本発明の杭の打設方法に用いる杭打車両の一例を示す概略図
図1乃至図11は、本発明による杭の打設方法の一実施形態及びそれに使用する装置等を示すものであり、本発明は、杭打車両1を用いて杭を打設する方法であって、杭打車両1の車幅以上の間隔をあけて、第1の杭2を2本打設し、打設した第1の杭2のそれぞれに下支部材4を保持するための保持具3を接続し、保持具3の下部間で下支部材4を載架し、下支部材4を土台として、その上部に車両通路5を設置し、杭打車両1を車両通路5上で第1の杭方向に移動させた上、第2の杭6を打設するものである。
まず、本発明による打設方法の作業状態を側面から見た図である図1、及び上面から見た図である図2に示されるとおり、杭打車両1の車幅以上、すなわち、杭打車両の進行方向に対して垂直方向の車幅、たとえば、クローラ式のミニクレーン等であれば両クローラ間の距離、車輪式であれば前輪車輪間の距離が、それぞれ通常車幅となるが、この車幅以上の間隔をあけて、2本の第1の杭2を地中の所望の位置まで埋設する。
第1の杭2を杭打車両1の車幅以上の間隔をあけて埋設するのは、後述のとおり第1の杭を使用して軟弱地盤8上に第2の杭を埋設するのに使用する杭打車両1を移動させる車両通路5を形成するためである。なお、湿地帯等において地面に氷9が張っているような現場であれば、杭の打設を行う場所に事前に地盤上の氷9に穴を開け、その穴の中に杭を打設することとなる。
第1の杭2の打設方法は、特に限定されるものではなく、既存の打設方法を利用し、たとえば、ミニクレーンやミニショベル等を用いて行うことができ、第1の杭2の打設も後述する図11で示されるような杭打車両1で行うことが簡便である。また、軟弱地盤8に設置される第1の杭2は、陸地側の固い地盤10上から打設することも可能である。
次に、図1及び図2で示されるとおり、打設した第1の杭2の上端側のそれぞれに下支部材4を保持するための保持具3を接続する。
保持具3は、図3乃至図7で示されるとおり、打設された杭の外周の一部を覆う外径を有し、上部に杭と接続するための引掛部301を備え、下部に下支部材を載架するための載台302を有することが、杭との接続を容易に行うことができ、また下支部材を簡易に配置できる点で望ましい。さらに、下支部材には杭打車両1が移動する際、相当な重量がかかり、下支部材を通じて保持具3にも相当な力がかかることから、載台302を補強するために、その下部に補強材303を設けることがより望ましい。
保持具3は、たとえば、打設する杭が鋼管杭のような丸筒型の杭であれば、その形状に合わせ、図3乃至図4で示されるとおり、杭の外周を一部覆うことができるように上面視円弧形状の突出部305を有し、突出部305には、杭から保持具が簡単に外れない様にするための引掛部301が溶接等により設置され、全体として半筒状の形状からなる。保持具と杭との接続は、この引掛部301を介して行うと、引掛部が杭の内側に入り込むことになるため、簡単に接続できる一方で、外れにくい。また、保持具3の下部には、側面から垂直方向に延出するような長方形状の載台302が設けられ、載台302の裏面側中心付近から保持具下端に向けて補強材303が設けられている。引掛部301や載台302を含め保持具の大きさ、長さ等は、使用する杭の形状、工事現場の状況に合わせて適宜変更することができる。なお、引掛部301や載台302は、強度の観点から鉄等の金属からなることが望ましく、溶接等により保持具に設けられているが、その材質や設置方法は問わない。
なお、保持具3を、たとえば図2乃至図4のような円弧筒形状とすることにより、円筒状の杭が外側から保持具によって包み込まれる形となり、保持具と杭が一体となり、振動又は外部からの衝撃にも強くなり、保持具と杭との接続が外れにくくなる。さらに、保持具の上部の円弧形状の突出部305は、保持具本体に溶接して取り付けられるものであるところ、後述する平板型の保持具の突出部とは異なり、円弧形状とすることで、保持具本体との接触面積が大きくなり、また、保持具本体との接続が強固になるため、平板型の保持具とは異なり、別途補強部材を必要としない点で好ましい。さらに円弧の形状自体も、円弧形状が小さくなると、突出部や引掛部の面積が小さくなってしまうため、およそ半円形状とすることが最も好ましい。
また、丸筒型の杭を使用する場合の他の保持具の例としては、たとえば、図5及び図6に示されるように、平らな平板304を用い、平板304の上部に杭の外径を一部覆うことができるような突出部305を設け、補強材306を介して平板304と突出部305を溶接等により固着したものを用いることもできる。図5及び図6で示される保持具は、図3乃至図4のような円弧形状ではないことから、平板304と突出部305の接続が弱く、それを補強するため補強材306が設けられ、これにより引掛部301の強度が補強されることになる。さらに、この場合も突出部305の下部に引掛部301を配置したものを用い、保持具の下部に載台302、さらに載台の下部に補強材303を設ける。なお、図3乃至図4で示される丸筒型の杭用の保持具3の上部にも、補強材306を設けることは可能である。
さらに打設する杭が丸筒型の鋼管杭ではなく、H形鋼の杭を打設する場合には、たとえば、図7の六面図で示されるとおり、H形鋼の杭と引掛部を介して接続するため、引掛部301の形状をHの型に対応した2つの凸型からなるものを用いることがより望ましい。その他の載台302、載台の補強材303については丸筒型の鋼管杭の場合と同様に配置すればよい。
次に図1及び図2で示されるとおり、打設された第1の杭2のそれぞれに設置した保持具3の下部間で下支部材4を載架する。より具体的には、それぞれの保持具3の長方形状の載台302上に下支部材4を空中に架ける様に載架する。下支部材4を載台302に載架することにより、その上に後述する車両通路5の土台を構成することができる。
下支部材4は、図1及び図2に示される例ではH形鋼を用いており、H形鋼は、強度、形状の点から安定性が高いため、下支部材として好ましいものであるが、必ずしもこれに限定されない。
次に、二つの保持具3の載台302上に載架された下支部材4を土台として、下支部材4の上部に車両通路5を設置し、車両通路5、下支部材4、保持具3が動かないように固定した上で、杭打車両1を車両通路5上で移動させ、杭打車両1を第1の杭2の方向へ移動させる。
車両通路5は、杭打車両1を移動するための通路を形成するものであれば、特に制限はないが、杭打車両1の重量に耐え得る形状、長さからなるものでなければならず、通常は、鉄板、道板、仮橋、厚ベニヤ等からなり、その長さは、杭の打設の間隔に合わせて決めるのが望ましい。
次いで、図1乃至図2で示されるとおり、杭打車両1を、車両通路5上の第1の杭2付近の所定の位置に移動した後、杭打車両1の打設具14を駆動させ、第2の杭6を所望の位置に打設する。
杭の打設に使用される杭打車両1は、たとえば、図11に示されるとおり、関節または伸縮機構により先端位置を三次元方向に移動可能なブーム11とアウトリガー12を有する重量の軽いミニクレーンからなり、ブーム11の先端位置から垂下された位置に鋼鉄製の重錘13を備えた打設具14を備えた装置を用いることが望ましい。また、杭打車両1は杭を吊り上げ、杭を所望の位置に設置する際にも用いることができる。なお、図11では、ミニクレーンに重錘を接続した車両であるが、ミニクレーンではなく、穴掘建柱車やミニショベル等、杭を打設可能な車両であればどのようなものであってもよい。もっとも、杭打車両1に重量が重いものを用いる場合、保持具3や下支部材4の大きさ、形状、強度等を適宜変更して、その重量に堪え得る構造とすることが必要となる。
杭の打設は、杭打車両1のブーム11の先端に打設具14を接続し、ブーム11の先端を杭6の打設する位置上にまで移動させ、打設具14を駆動させることで打設を行う。なお、図11で示される例では、直接、ブーム11の先端位置に打設具14が接続され、打設具は接続装置、鉄棒、ワイヤー、フック、重錘、さらに緩衝部材や保護アタッチメント等から構成され、打設具が駆動することで、モンケン等の鋼鉄製の重錘13が上下方向に移動する力で杭を打設するものである。もっとも、打設具14は、上記のような構成に限定されるものではなく、回転圧入工法等、既存のあらゆる方法を用いることができる。
さらに杭の打設に関しては、まず、杭を打設しようとする位置付近に設置したミニクレーン杭打車両1の4ヶ所に設置されているアウトリガー12を4ヶ所全て出して軟弱地盤上に張り出す。そして、アウトリガー12の先端の位置を中心に、軟弱地盤上に別途設けられた厚ベニヤや角材等を使用して、4ヶ所のアウトリガーを補強養生する。このように杭打車両1のアウトリガー12を用いることにより、杭打車両1の重量がさらに分散した状態で、杭を打設することができるようになるため、より安定して打設することが可能となる。
これらの各工程を経ることにより、軟弱地盤であっても、第1の杭2や保持具3を利用して、車両通路5を構成し、同車両通路5上に杭打車両1を移動させて第2の杭を安定して打設することができ、直接杭打車両1を軟弱地盤上に配置することなく、所望の位置に杭を打設することが可能となる。
さらに第3の杭を打設するにあたっても、第3の杭の打設位置が第2の杭から近い場合(たとえば1メートル〜1メートル50センチ間隔)には、以下の方法を取ることで、より簡易迅速に連続して杭を打設することが可能となる。
すなわち、杭打車両を車両通路5上に移動させ、第2の杭6を第1の杭2と同様に車両の幅以上の間隔をあけて2本埋設した上、図8に示されるように、2本の第2の杭6のそれぞれに第3の保持具33をさらに接続し、第3の保持具33の下部間で第3の下支部材43を載架し、他方で、第1の杭2のそれぞれに第2の保持具32をさらに接続し、第2の保持具32の下部間で第2の下支部材42を載架し、二つの下支部材42、43を土台として、その上部に第2の車両通路52を設置し、杭打車両1を第2の車両通路52上で第2の杭6の方向に移動させて、第3の杭を打設する。
これを繰り返すことにより杭打車両1を軟弱な地盤上に直接配置することなく、連続して杭を打設することが可能となり、この作業を繰り返すことにより、冬の寒い時期しか作業が出来なかった軟弱地盤の杭打設工事が、四季を問わず、杭の打設工事ができるようになる。
さらに、第2の杭6を埋設するに際して、第2の杭6の埋設予定の位置が第1の杭2の埋設位置から離れている場合には、車両通路5上の第1の杭2の近傍の車両通路5上に杭打車両1を配置しても、杭打車両1のブーム11が届かず、第2の杭6を所望の位置に打設することができない。このような場合、たとえば、図9に示されるように、地盤表面に表面強度を補強するための第1の補強材7を設置し、第1の杭2の2本それぞれに第2の保持具32をさらに接続し、第2の保持具32の下部間に第2の下支部材42を載架した上、第1の補強材7及び第2の下支部材42を土台として、その上部に第2の車両通路52をさらに設置し、杭打車両1を第2の車両通路52上に移動させた上、第2の杭6を打設することができる。
より具体的には、地盤表面の強度を補強するにあたり、厚いベニヤ板71や角材72等からなる第1の補強材7を配置し、湿地帯の軟弱地盤の表面を補強する。他方で、打設されている2本の第1の杭2のそれぞれに第1の保持具3と同様の構成の第2の保持具32を、第1の保持具3を接続したのと同様の方法で接続し、それぞれの第2の保持具32の下部間で第2の下支部材42であるH形鋼を載架する。
その上で、軟弱地盤上に設置した第1の補強材7と第2の第2の下支部材42を土台として、その上部に第2の車両通路52をさらに設置し、第1の補強材7、第2の車両通路52、第2の下支部材42、第2の保持具32を動かないように固定し、杭打車両1を、第2の車両通路52上を移動させた上、所望の位置(たとえば、第1の杭から3メートルの距離)に第2の杭6を打設する。
さらに、第2の杭6の打設後、杭打車両1を陸地側の車両通路5へ一旦引き揚げ、第2の車両通路52と第1の補強材7を一旦取り外した上、打設した第2の杭6の2本のそれぞれに第3の保持具33をさらに接続し、第3の保持具33の下部間で、第3の下支部材43を載架する。そして、図8に示されるように下支部材42と下支部材43を土台にしてその上に第2の車両通路52(たとえば3メートルの長さのもの)を再び設置する。そして、次の第3の杭を打設するために杭打車両1を車両通路5より、第2の車両通路52上に移動し、第2の杭の近くまで進ませる。そして、第2の杭6の2本のそれぞれに第4の保持具34をさらに接続し、第4の保持具34の下部間で第4の下支部材44を載架する。そして、図示しない第2の補強材と第4の下支部材44を土台として第3の車両通路53を設置して、図9示される同様の態様にて、杭打車両1を第3の車両通路53に移動し、第3の車両通路53上で第3の杭を打設する。
このように、距離が離れた位置に杭を打設する必要があるにもかかわらず、車両通路上に設置された杭打車両1から杭を打設することができない場合であっても、本発明によれば、第2の車両通路52を別途形成することにより、第2の車両通路52の長さ分、杭打車両を移動させることができ、より離れた位置に杭を打設することが可能となる。
次に、さらに距離が離れた位置に続けて第3の杭を打設したい場合には、たとえば、図10に示されるとおり、杭打車両1を第2の車両通路52に移動させて、第2の杭6を第1の杭2と同様に車両の幅以上の間隔をあけて2本埋設した上、2本の第2の杭6のそれぞれに第3の保持具33をさらに接続し、第3の保持具33の下部間で第3の下支部材43を載架する。その上で、軟弱地盤上に設置した第1の補強材7(71、72)上にある第2の車両通路52の表面側と第3の下支部材43を土台として、その上部に第3の車両通路53を設置し、杭打車両1を第3の車両通路53上に移動させる。
その後、打設されている2本の第2の杭6のそれぞれに第4の保持具34をさらに接続し、第4の保持具34の下部間に第4の下支部材44を載架した上で、第2の杭6の先の地盤上に別の図示しない第2の補強材を設置し、当該第2の補強材と第4の下支部材44を土台にして、その上部に第4の車両通路54を別途形成する。かかる通路を形成した後、杭打車両1を、第3及び第4の車両通路53、54上を移動して、相当離れた位置であっても所望の位置に第3の杭を打設することが可能となる。
また、さらに離れた位置に第3の杭を打設する別の方法としては、たとえば、第4の車両通路54を形成後、杭打車両1を陸地側の車両通路5へ一旦引き上げ、図10で示される第2及び第3の車両通路52、53を一旦取り外した上、第1の杭2に接続されている第2の保持具32により載架されている第2の下支部材42と、第2の杭6に接続されている第3の保持具33により載架されている第3の下支部材43とを土台として、図8に示されるように、その上部に距離の長い別の第2の車両通路52を設置し、杭打車両1を第2の車両通路52上で第2の杭6方向に移動させた上、第2の補強材7と第4の下支部材44を土台にしてその上部に第4の車両通路上で、杭打車両1により、第3の杭を打設することもできる。この場合、第2の車両通路が固定されていることから、車両通行する際の安定性が高い。
以上のとおり、これらの作業を繰り返すことにより、軟弱地盤上においても、所望の位置に杭を埋設することが可能となる。また、軟弱地盤の表面の養生は地盤側だけで、杭打車両の自重の約半分を養生するだけで良く、強固かつ安全で杭打車両が軟弱地盤内に沈下することもない。さらに杭打車両の移動もすべて車両通路上を移動して杭を打設することになるため、軟弱地盤内で移動出来なくなることもない。結果、冬場でなくても四季を通じて軟弱地盤上に杭を打設することができることになる。
なお、繰り返し杭を連続的に埋設する場合には、車両通路としての機能を発揮し終えた杭に接続されている保持具については取り外し、また、地盤上に設けた補強材等についても解体し、新たに必要となる箇所に設置して、これを繰り返し次々と杭打設を施工し続けていくことができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
本発明は、以上のような方法により、湿地帯等の軟弱地盤の現場等においても、所望の位置に容易に杭を打設することができ、さらに四季を問わず、杭を打設することができるようになる。
1 杭打車両
2 第1の杭
3 保持具
4 下支部材
5 車両通路
6 第2の杭
7 第1の補強材
8 軟弱な地盤
9 氷
10 固い地盤
11 ブーム
12 アウトリガー
13 重錘
14 打設具
32 第2の保持具
33 第3の保持具
34 第4の保持具
42 第2の下支部材
43 第3の下支部材
44 第4の下支部材
52 第2の車両通路
53 第3の車両通路
54 第4の車両通路
71 ベニヤ板
72 角材
301 引掛部
302 載台
303 載台の補強具
304 平板
305 突出部
306 引掛部の補強具

Claims (8)

  1. 杭打車両を用いて杭を打設する方法であって、
    ・杭打車両の車幅以上の間隔をあけて、第1の杭を2本打設し、
    ・前記第1の杭のそれぞれに、全体として半筒状で杭の外周の一部を覆う外径を有し、上部側に上面視円弧形状の突出部及び前記突出部の下部に杭と接続するための引掛部を備え、下部側に下支部材を載架するための載台を有する保持具を前記引掛部を介して接続し、該保持具の下部の載台間に下支部材を載架し、
    ・前記下支部材を土台にして車両通路を設置し、
    ・前記杭打車両を前記車両通路上に配置して第2の杭を打設する
    ことを特徴とする杭の打設方法。
  2. 第2の杭を2本打設後、
    ・前記第1の杭のそれぞれに第2の保持具を接続し、該第2の保持具の下部間に第2の下支部材を載架し、
    ・前記第2の杭のそれぞれに第3の保持具を接続し、該第3の保持具の下部間に第3の下支部材を載架し、
    ・前記第2及び第3の下支部材を土台にして第2の車両通路を設置し、
    ・前記杭打車両を前記第2の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設する
    ことを特徴とする請求項1記載の杭の打設方法。
  3. 第2の杭の打設において、
    前記打設された第1の杭と第2の杭の打設予定位置の間の地盤表面に第1の補強材を該地盤表面に接するように設置し、
    ・前記第1の杭のそれぞれに第2の保持具を接続し、該第2の保持具の下部間に第2の下支部材を載架し、
    ・前記第2の下支部材及び前記第1の補強材を土台にして第2の車両通路を設置し、
    ・前記杭打車両を前記第2の車両通路上まで移動させて第2の杭を打設する
    ことを特徴とする請求項1記載の杭の打設方法。
  4. 第2の杭を2本打設後、
    ・前記第2の車両通路及び前記第1の補強材を取り外し、
    ・前記第2の杭のそれぞれに第3の保持具を接続し、該第3の保持具の下部間に第3の下支部材を載架し、
    ・前記第1の杭に接続された第2の下支部材及び前記第2の杭に接続された第3の下支部材を土台にして第2の車両通路を再び設置し、
    ・前記杭打車両を前記第2の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設する
    ことを特徴とする請求項3記載の杭の打設方法。
  5. 第2の杭を2本打設後、
    ・前記第2の杭のそれぞれに第3の保持具を接続し、該第3の保持具の下部間に第3の下支部材を載架し、
    ・前記第3の下支部材及び前記第2の車両通路を土台にして第3の車両通路を設置し、
    ・前記打設された第2の杭と第3の杭の打設予定位置の間の地盤表面に第2の補強材を該地盤表面に接するように設置し、
    ・前記第2の杭のそれぞれに第4の保持具を接続し、該第4の保持具の下部間に第4の下支部材を載架し、
    ・前記第4の下支部材及び前記第2の補強材を土台にして第4の車両通路を設置し、
    ・前記杭打車両を前記第4の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設する
    ことを特徴とする請求項3記載の杭の打設方法。
  6. 第3の杭の打設において、
    ・前記第2及び第3の車両通路及び前記第1の補強材を取り外し、
    ・前記第1の杭に接続された第2の下支部材及び第2の杭に接続された第3の下支部材を土台にして別の第2の車両通路を設置し、
    ・前記杭打車両を前記第2の車両通路上を経て前記第4の車両通路上まで移動させて第3の杭を打設する
    ことを特徴とする請求項5記載の杭の打設方法。
  7. 前記載台の下部に補強材を備えた保持具を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の杭打設方法。
  8. 前記引掛部の上部に補強材を備えた保持具を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の杭の打設方法。
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