JP5140475B2 - 基礎用ブロック体 - Google Patents
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Description
これは、施工現場において路面に沿って連続するよう組付けられる基礎用ブロック体であって、例えば路肩部に敷設され、ガードレールの支柱を立設可能な構成に製造されている。なお、このような基礎用ブロック体は、一般的にはプレキャストコンクリート製のものが用いられる。
しかしながら、上記従来の基礎用ブロック体には歩道やデッキを取付ける部分がないから、歩道やデッキを設ける場合では、それ専用の基礎部分を別に施工しなければならず、その分だけ工期が長くなり施工の労力も必要としていた。
上記構成の基礎用ブロック体では、これを路肩部に敷設し支持部に道路付帯工を支持させることで、路肩に歩道やデッキ等の道路付帯工を設ける際に、基礎用ブロック体とは別に道路付帯工を支持させる部分を施工する必要がないから、その分だけ工期が長くなるのを抑え、施工性が向上してしかも施工の労力が抑えられる。
上記構成によれば、基礎用ブロック体どうしを連結して長手方向に垂直な方向の軸線回りに一方向に相対的に回動させた際に、支持部の長手方向の端面どうしが平面的に当接するまでの範囲で回動させることが可能であり、基礎用ブロック体どうしを他方向に回動させた際に、延設部の長手方向の端面どうしが平面的に当接するまでの範囲で回動させることが可能である。
上記構成の基礎用ブロック体では、延設部が路面に埋められることで、路肩に確実に固定される。
上記構成によれば、支持部および延設部をブロック本体の長手方向長さ全部に亙って使用ができるから、道路付帯工の支持領域が大きく、延設部において路面に埋められる領域が大きくなる。
上記構成の基礎用ブロック体どうしを連結するには、ブロック本体の位置ずらし領域の上面に、位置ずれ部におけるブロック本体から長手方向一方に位置ずれした部分の下面を上方から重ねるようにする。
上記構成において、基礎用ブロック体どうしを連結するには、凹部に隣合う基礎用ブロック体の凸部を嵌合し、凸部に隣合う基礎用ブロック体の凹部を嵌合するようにすれば、互いに隣接させる基礎用ブロック体どうしが、長手方向に垂直な方向の軸線回りに相対的に回動可能となり、カーブした路肩部に沿わせるようにして複数の基礎用ブロック体を敷設可能となる。
上記構成によれば、位置ずれ部の内側面に道路工を、位置ずれ部の外側面に道路付帯工を当接可能となり、基礎用ブロック体の内外方向の移動が確実に阻止される。
上記構成によれば、現場打ちコンクリートを必要としない。
上記構成によれば、基礎用ブロック体どうしを連結して長手方向に垂直な方向の軸線回りに一方向に相対的に回動させた際に、支持部の長手方向の端面どうしが平面的に当接するまでの範囲で回動させることが可能である。
上記構成によれば、敷設する道路付帯工の長さに応じて連結した個数の基礎用ブロック体の支持部に、道路付帯工を支持させる。
上記構成のように、支持部の長手方向両側の端面、延設部の長手方向両側の端面を平面とすることにより、該端面を長手方向に凸となる曲面として該端面間にコンクリートを充填する場合に比して、その充填量が少なくてすむ。
支持部の長手方向両側の端面、延設部の長手方向両側の端面を長手方向に凸となる曲面として、基礎用ブロック体どうしを例えば同一平面内で回動自在に連結した場合では、基礎用ブロック体どうしの回動可能範囲は支持部の長手方向両側の端面、延設部の長手方向両側の端面を平面とした場合に比べて大きくなる。
しかしながら、基礎用ブロック体どうしの端面間にセメントコンクリートやアスファルトコンクリート等を充填する場合にその充填量が多くなってしまう。特に大規模な施工では、その量は膨大になるから、施工に際して多くの労力を必要する。
そこで、支持部の長手方向両側の端面、延設部の長手方向両側の端面を平面とすることにより、該端面を長手方向に凸となる曲面として該端面間にコンクリートを充填する場合に比して、その充填量が少なくてすむのである。
なお、隣接する基礎用ブロック体の長手方向で対向する面の間の隙間に充填するコンクリートは、モルタルを含む概念である。
該道路付帯工としては、歩道あるいはデッキが挙げられる。
本発明の基礎構造では、基礎用ブロック体どうしが、着脱部を介して、基礎用ブロック体の長手方向に垂直な方向の軸線回りに相対的に回動可能に組付けられてなるから、敷設する道路付帯工の長さに応じて連結した個数の基礎用ブロック体の支持部に道路付帯工を支持させることができる。
さらに、本発明の道路付帯設備では、上記基礎用ブロック体からなる基礎構造を用いて、基礎用ブロック体の支持部に道路付帯工を支持するように構成されているから、道路付帯工を支持させる部分を施工する必要がなく、したがってその分だけ工期が長くなるのが抑えられ、施工性が向上してしかも施工の労力を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る道路付帯設備1は、複数の基礎用ブロック体2からなる基礎構造3と、この基礎構造3に支持固定される道路付帯工4とから構成される。この場合、道路付帯工4として、法面5の上側に配置される歩道を例に挙げている。
これらの図、および図1および図2に示すように、基礎用ブロック体2は、プレキャストコンクリート製であって、道路7の路肩部に道路7の線形に沿って複数個連続するように敷設して用いられる。
基礎用ブロック体2は、ブロック本体8として延設部10、支持部11および位置ずれ部13を有する。さらに詳しくは、基礎用ブロック体2は、路肩部の内側方向に対応する方向に突設された延設部10と、路肩部の外側方向に対応する方向に突設された支持部11とを有する。また、ブロック本体8として内外中心部領域に位置ずれ部13を有し、位置ずれ部13は、ブロック本体8の長手方向中心から長手方向一方に位置ずれさせることで形成されている。さらに、ブロック本体8の内外中心部で且つ長手方向端部側に、他の基礎用ブロック体2を着脱自在とする着脱部を有する。
外側の段付面17の上部は長手方向全域に亙り目地材36を充填可能とすべく内側に向けて凹となって、外側の段付面17の上下方向途中に、内外方向に沿う目地保持面18が形成されている。
延設部10の上面10a、支持部11の上面11a、および位置ずれ部13の上面13aは互いに平行な平面に形成されており、支持部11の上面11a、延設部10の上面10a、位置ずれ部13の上面13aの順に高さが高くなっている(位置ずれ部13の上面13aが最も高い)。
突出部分14の長手方向一方側端面14bは、位置ずれ部13の長手方向他方側端面13bと平行な平面に形成されている。
なお、端面2a,2bは基礎用ブロック体2の長手方向に対して直交する平面とし、端面10c,11b、端面10d,11cはそれぞれ端面2a,2bに対して逆方向の同一角度で傾斜させている。
この実施形態では、位置ずらし上面8aに、上方に凸となる凸部22が一体的に形成され、位置ずれ下面14aに上方に凹となる凹部21が形成されている。しかし、凹部21と凸部22を設ける面は逆であってもよい。凸部22は外周に円錐面22aを有する扁平な円錐台形状に形成され、凸部22の上面22bは平面視して円形の平面に形成されている。凹部21は凸部22と相対形状の扁平な円錐台形状に形成されている。
このような構成の着脱部は、回動中心ピン25を位置ずれ部13の上方から、凹部21から凸部22に亙って挿通させることで、隣接させる他の基礎用ブロック体2と、長手方向に垂直な方向(例えば上下方向)の軸線回りに、基礎用ブロック体2どうしを相対的に回動可能とする回動中心部として構成される。
ブロック本体8における外側面9bには異径棒鋼等の鉄筋の端部を挿入する挿入孔26が、長手方向に間隔をおいて内外方向に形成されている。支持部11の上面11aには、道路付帯工4を固定するためのボルト孔27が長手方向に間隔をおいて上下方向に形成されている。
ブロック本体8の長手方向中心で且つ内外方向中心に、道路付帯工4としての歩道に敷設するガードレール30の支柱31をブロック本体8に立設するための立設穴32が上下方向に貫通して形成されている。
さらに具体的に基礎用ブロック体2を用いて、基礎構造3の施工方法を説明すると、先ず路肩部に、道路7の線形に沿って基礎工35を施工しておき、基礎工35の上面に順次基礎用ブロック体2を設置する。このとき、上記のように、基礎用ブロック体2をトラック等の荷役車両に複数積載して施工現場まで搬送し、荷役車両を走行させる方向に沿う方向に、基礎用ブロック体2を長手方向に組付けるよう設置していく。
図11および図12は直線的施工の場合の平面図であり、道路7の線形に沿わせるよう基礎用ブロック体2を基礎構造3上に直線的に組付けるよう配設している。ところで、先に設置したブロック本体8の凸部22に、隣合うブロック本体8の凹部21を嵌合させるようにして凸部22の円中心と凹部21の円中心とを一致させ、挿通孔23から支持孔24に回動中心ピン25を挿入して基礎用ブロック体2どうしを組付けると、ブロック本体8において凸部22の円中心は、位置ずらし上面8aの対角線の交点に対して、外側且つ長手方向他方側に位置ずれさせ、凹部21の円中心は、位置ずれ下面14aの対角線の交点に一致させているから、隣合うブロック本体8どうしにおいて、内外中心部分における長手方向両側の端面2a,2b、延設部10の長手方向両側の端面10c,10d、支持部11の長手方向両側の端面11b,11cは隙間をおいて線形方向に対向することになる。この隙間には目地材36としてコンクリートやモルタルを充填する。
このことは、道路7中心が図15で示すように左カーブする場合では、隣接する基礎用ブロック体2の端面11b,11cどうしが当接するまで回動中心ピン25回りに回動させた曲線線形まで対応できる。
図1に戻って、道路付帯工4として、例えば支持部11の上面11aに、H型鋼やI型鋼等を縦桁40として道路7線形に沿うように設置して、これを、ボルト孔27に不図示のボルトを挿入することで、支持部11の上面11aに固定する。縦桁40の上面には道路7線形方向に所定間隔をおいて、横桁41を法面5上側に張り出させるようにしてこの基端部を位置ずれ部13の段付面17に突き合わせた状態として縦桁40に固定し、横桁41の先端部側には、予め施工しておいた法面下側基礎工42に立設してある歩道用支柱43に、ヒンジ44を介して連結して桁工を単純梁構成としている。
段付面17と歩道板45との隙間が比較的広くなった箇所に目地材36aを充填すると、目地材36a下方流出することが考えられる。そこで、この場合では、前記隙間の幅に対応した幅のスペーサを予め隙間に挿入しておけば、スペーサは目地保持面18上に保持されるので、充填される目地材36aはスペーサによって下方流出するのを防止でき、隙間が大きくても目地材36aの量の増加を抑えることができる。
さらに、ブロック本体8の立設穴32に、ガードレール30の支柱31を挿入して立設して固定する。46は道路付帯工4に設けた高欄である。
基礎用ブロック体2Aでは、突出部分14を必要としないからこれを省略しており、突出部分14を省略しているのみで、他の構成は基礎構造3の途中にある基礎用ブロック体2と同様の構成である。したがって、他の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、基礎構造3の他端部に配置する基礎用ブロック体2Bは基礎構造3の途中にある基礎用ブロック体2と同様の構成であるが、位置ずらし上面8aが凹所にあることになるので、これを埋めて位置ずれ部13の上面13aと面一となるような小ブロック体を装着するようにしてもよい。
ブロック本体8における外側面が、位置ずれ部13の段付面16を上下方向全域に亙る面として構成され、延設部10を省略している構成なので、これに伴って、当然、延設部10の上面10a、延設部10の外側側面10b、延設部10の長手方向両側の端面10c,10dを有していない。他の構成は、第一の実施形態と同様であるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
図13および図14のように、道路7の線形が右カーブである場合には、延設部10を有していないものの、突出部分14の長手方向一方側端面14bと、位置ずれ部13の長手方向他方側端面13bとが当接するか、長手方向両側の端面2a,2bの隅部どうしが当接するかによって、回動を規制することができる。
なお、第二の実施形態では、道路7の路面は、段付面17(実際には段付ではなく面一の平面)に当接するよう施工される。他の構成は、上記第一の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
Claims (10)
- 長手方向端部に他の基礎用ブロック体を着脱自在とするとともに、基礎用ブロック体どうしを、長手方向に垂直な方向の軸線回りに相対的に回動可能に連結する着脱部を有して、道路の路肩部に敷設される基礎用ブロック体であって、
ブロック本体の、路肩部の外側方向に応じた方向に、道路付帯工を支持するための支持部が突設され、
前記支持部は、前記ブロック本体の長手方向長さ全部に亙って設けられており、
ブロック本体の長手方向両側の端面は長手方向に直交する平面に形成され、前記支持部の長手方向両側の各端面は、ブロック本体の長手方向中心側に接近するようブロック本体の長手方向両側の端面に対して傾斜した傾斜平面に形成され、支持部の長手方向両側の各端面は、基礎用ブロック体どうしを前記軸線回りに相対的に回動させた際に、連結された基礎用ブロック体のブロック本体における支持部の長手方向両側の各端面のそれぞれに当接可能とされていることを特徴とする基礎用ブロック体。 - ブロック本体の、路肩部の内側方向に応じた方向に、路面に埋められる延設部が突設され、該延設部の長手方向両側の各端面は、ブロック本体の長手方向中心側に接近するようブロック本体の長手方向両側の端面に対して傾斜した傾斜平面に形成され、
延設部の長手方向両側の各端面は、基礎用ブロック体どうしを前記軸線回りに相対的に回動させた際に、連結された基礎用ブロック体のブロック本体における延設部の長手方向両側の各端面のそれぞれに当接可能とされていることを特徴とする請求項1記載の基礎用ブロック体。 - ブロック本体の上部に該ブロック本体の長手方向中心から長手方向一方に位置ずれさせて着脱部を設けるための位置ずれ部が設けられ、ブロック本体の位置ずらし領域の上面は平面に形成され、位置ずれ部におけるブロック本体から長手方向一方に位置ずれした部分の下面は平面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の基礎用ブロック体。
- ブロック本体の位置ずらし領域の上面、および位置ずれ部におけるブロック本体から長手方向一方に位置ずれした部分の下面に、隣接させる他の基礎用ブロック体の着脱部と上下方向で嵌合する凹部と凸部が振り分けて設けられ、該着脱部は、隣接させる他の基礎用ブロック体と、長手方向に垂直な方向の軸線回りに相対的に回動可能とする回動中心部として構成されていることを特徴とする請求項3記載の基礎用ブロック体。
- 支持部、延設部、および位置ずれ部の上面は互いに平行な平面に形成されており、支持部、延設部、および位置ずれ部の順に上面の高さが高くなっていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項3、または、請求項2および請求項3に従属する請求項4に記載の基礎用ブロック体。
- プレキャストコンクリートで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の基礎用ブロック体。
- 請求項1ないし請求項6の何れかに記載の基礎用ブロック体どうしが、着脱部を介して、基礎用ブロック体の長手方向に垂直な方向の軸線回りに相対的に回動可能に組付けられてなることを特徴とする、基礎用ブロック体を用いた基礎構造。
- 請求項7に記載の基礎用ブロック体どうしが、着脱部を介して、基礎用ブロック体の長手方向に垂直な方向の軸線回りに相対的に回動可能に組付けられ、隣接する基礎用ブロック体の長手方向で対向する面の間の隙間に、コンクリートが充填されてなることを特徴とする、基礎用ブロック体を用いた基礎構造。
- 請求項7または請求項8に記載の基礎構造を用い、基礎用ブロック体の支持部に道路付帯工が支持されていることを特徴とする道路付帯設備。
- 道路付帯工は、歩道あるいはデッキであることを特徴とする請求項9記載の道路付帯設備。
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