JP6276152B2 - 工事桁の撤去方法、及び、工事桁撤去用の土留板 - Google Patents
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Description
工事桁(主桁)は、上側フランジ部と下側フランジ部とウェブ部とからなるI型断面(言い換えれば、横向きのH型断面)をなし、代替枕木(枕木受桁と枕木)を介してレールを支持する。
先ず、軌道下への地下構造物(例えば線路と交差する方向のアンダーパスの道路)の構築工事について説明する。
先ず、図1(a)に示すように、レール1の下方の地盤に、土砂崩壊を防ぐための1次土留杭2を打設する。地下水位低下を防ぐための地盤改良3を行う。そして、工事桁を支えるための支持杭4を打設する。
次に、図1(b)に示すように、支持杭4の上に、工事桁10を架け、レール1を仮受けする。例えば、支持杭4は12m間隔で打設し、工事桁10は1本の長さを12mとして、2本の支持杭4間に1本ずつ工事桁10を架ける。
工事桁(主桁)10は、レール1の外側にレール1と平行に配置される。
工事桁10は、I形鋼又はH形鋼であり、上側フランジ部10aと、下側フランジ部10bと、これらをつなぐウェブ部10cとからなるI型断面(言い換えれば横向きのH型断面)をなしている。
枕木受桁12はH形鋼の両端部の下側に切欠き部12aを形成したもので、切欠き部12aの部分が棚板11に載せられて固定される。枕木受桁12の上側の溝内には合成枕木(FRP製の枕木)13が収納される。枕木受桁12と合成枕木13とで仮受け用の代替枕木が構成される。
先ず、図4(a)に示すように、レール1及び工事桁10の下で地面を掘削し、床付け面まで掘削する。尚、図中5は2次土留杭を示している。
次に、図4(b)に示すように、床付け面上に道路躯体6を鉄筋コンクリートで構築する。道路躯体6の上面側には仮受架台7を構築して、工事桁10を支持する。そして、道路躯体6完成後、その上面付近まで回りを気泡モルタルで埋め戻す。
図5は工事桁撤去作業の工程図である。
先ず、図5(a)に示すように、工事桁10の外側の側部に蓋状の土留板20を取付ける。土留板20は、I型断面の工事桁10の上側フランジ部10aの端縁と下側フランジ部10bの端縁とを上下につないで工事桁10内部へのバラストの侵入を抑制するものである。
図5(a)、(b)の作業は、軌道の外側での作業となるため、準備作業として、昼間・夜間を問わず、実施可能である。
1本の工事桁10の範囲の全ての枕木受桁12について、図5(c)、(d)、(e)の作業が終了すると、支持杭4又は仮受架台7との連結を解除することで、当該工事桁10の吊り上げ撤去が可能となる。
工事桁10の吊り上げ撤去とバラストの埋め戻しの作業は、夜間(終電から始発までの間)に行う。
図6は左右一対の工事桁10への土留板20の取付例1を示す図である。
土留板20は、木製で、工事桁10の側部(上側フランジ部10a及び下側フランジ部10bの各内側)に嵌合するように、木製ブロックからなる嵌合用部材21が固定されている。外れ防止のためである。
本例では、土留板20は、その上側の端縁に、上側フランジ部10aの端縁に向かって突出する傾き調整部材23を有する。傾き調整部材23自体は木製ブロックで、土留板20にボルト等で固定される。
これにより、工事桁10を垂直方向に吊り上げて撤去するのがより容易となり、引き上げ抵抗を更に減少させることが可能となる。
本例は、軌道がカントを有し、工事桁10が垂直方向に対し傾倒状態(図では左側)で設置されている場合について示している。この場合、工事桁10の傾倒側とは反対側の側部(右側の側部)に取付けられる土留板20について、その上側の端縁に、傾き調整部材23を設ける。これにより、工事桁10の傾倒側とは反対側の側部(右側の側部)に取付けられる土留板20が、垂直、若しくは、上端側が下端側より外側に位置するように傾斜させて取付けられる。
従って、カントがあっても、工事桁10を垂直方向に吊り上げて撤去するのが容易となり、引き上げ抵抗を確実に減少させることができる。
本例では、傾倒側と反対側(図で右側)の土留板20にのみ傾き調整部材23を設けたが、傾倒側(図で左側)の土留板20にも傾き調整部材23を設けてよい。また、本例では突き当て部材22の図示は省略したが、もちろん設けてもよい。
2 1次土留杭
3 地盤改良
4 支持杭
5 2次土留杭
6 道路躯体
7 仮受架台
10 工事桁(主桁)
10a 上側フランジ部
10b 下側フランジ部
10c ウェブ部
11 棚板
12 枕木受桁
13 合成枕木
15 バラスト
16 PC枕木
20 土留板
21 嵌合用部材
22 突き当て部材
23 傾き調整部材
Claims (9)
- 上側フランジ部、下側フランジ部及びウェブ部からなるI型断面をなし、軌道下での地下構造物の構築中に代替枕木を介してレールを仮受けする工事桁の撤去方法であって、
前記代替枕木を撤去する工程と、
前記I型断面の工事桁の側部に、前記上側フランジ部の端縁と前記下側フランジ部の端縁とを上下につないで前記工事桁内部へのバラストの侵入を抑制する蓋状の土留板を取付ける工程と、
前記土留板の取付後、前記レールの下方にバラストを埋め戻し、バラスト上に枕木を設置することで、前記レールを復旧する工程と、
前記レールの復旧後、前記工事桁を吊り上げて撤去する工程と、
を含むことを特徴とする、工事桁の撤去方法。 - 前記土留板は、垂直、若しくは、上端側が下端側より外側に位置するように傾斜させて取付けることを特徴とする、請求項1記載の工事桁の撤去方法。
- 前記軌道がカントを有し、前記工事桁が垂直方向に対し傾倒状態で設置されている場合に、
前記工事桁の傾倒側とは反対側の側部に取付けられる土留板が、垂直、若しくは、上端側が下端側より外側に位置するように傾斜させて取付けられることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の工事桁の撤去方法。 - 前記土留板は、その上側の端縁に、前記上側フランジ部の端縁に向かって突出する傾き調整部材を有することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の工事桁の撤去方法。
- 前記工事桁の側部に前記土留板を取付ける際に、前記ウェブ部と前記土留板との間に突き当て部材を介在させることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の工事桁の撤去方法。
- 上側フランジ部、下側フランジ部及びウェブ部からなるI型断面をなす工事桁の撤去に際して用いられる土留板であって、
前記工事桁の側部に蓋状に取付けられ、前記上側フランジ部の端縁と前記下側フランジ部の端縁とを上下につないで前記工事桁内部へのバラストの侵入を抑制することを特徴とする、工事桁撤去用の土留板。 - 前記土留板は、垂直、若しくは、上端側が下端側より外側に位置するように傾斜させて取付けられることを特徴とする、請求項6記載の工事桁撤去用の土留板。
- 前記土留板は、その上側の端縁に、前記上側フランジ部の端縁に向かって突出する傾き調整部材を有することを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の工事桁撤去用の土留板。
- 前記土留板は、その上下方向の中間部から前記ウェブ部に向かって突出する突き当て部材を有することを特徴とする、請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載の工事桁撤去用の土留板。
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