JP6710113B2 - ホーム安全柵非常用扉 - Google Patents
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Description
図14に示すように、この種のホーム安全柵Mは、車両の乗降ドアの位置で横開き式に開閉される乗降用の扉91と、乗降用の扉91の開放時にこの扉91が収納される戸袋92と、戸袋92と一体のボックス内に設置され、乗降用の扉の開閉動作を制御するドア制御装置とを備えて構成され、乗降用の扉91が車両への乗客の乗降に合わせて開閉されるようになっている。
また、このようなホーム安全柵Mには乗降用の扉91とは別に非常用扉93を併せて備えており、乗降用の扉が閉じられた状態でホーム安全柵が故障したり停電などにより電力供給が遮断されたりして、乗降用の扉91が開かない場合、また、車両やレール付近の装置から火災などが発生し緊急避難が必要な場合に、非常用扉93を開けて、車内の乗客がホーム側に移動できるようにしてある。
この文献1の可動ホーム柵は、図15に示すように、可動扉(乗降用の扉)を収納する戸袋92と、戸袋92を挟んで可動扉と反対側に位置し長手方向にスライド可能に設けられた非常扉93と、非常扉93が閉じている状態で動かないように係止する係止手段94と、非常扉93の軌道側に設けられ係止手段94の係止を解除する解除操作部95を備える。
係止手段94は戸袋92の一端部に設けられたピン状の係止ピン941と、非常扉93に設けられたS字状のフック942とを有し、S字状のフック942は支点部943を支点として回動可能に設置されていて、非常扉93が閉じた状態で係止ピン941とフック942の一端部の係止部944が係止されることで、戸袋92の一端と非常扉93の一端が接し結合される。フック942の他端部にはワイヤーを取り付けるワイヤー取付部945が形成されている。
非常扉93の軌道側側壁には解除操作部95としてのラダーハンドルが設置されている。ラダーハンドルは上下一対の横長棒状の摺動部951、952が非常扉93の軌道側側壁に設けた穴部に形成された溝に長手方向に摺動可能に嵌め込まれており、長手方向に所定間隔で設けられた棒状のハンドル部953によって互いに固着されており、下側の摺動部952の一端部にはワイヤー取付部954が形成されている。T字状の操作板96はほぼ中心部の支点部961により回動可能に非常扉93に設けられており、端部3箇所にはワイヤー取付部962、963、964が設けられている。ワイヤー97は係止手段94のフック942のワイヤー取付部945と操作板96のワイヤー取付部962とを連結し、ワイヤー98はホーム側解除操作部のレバーのワイヤー取付部と操作板96のワイヤー取付部963とを連結し、ワイヤー99は解除操作部95の下側摺動部952のワイヤー取付部954と操作板96のワイヤー取付部964とを連結している。
このようにして非常扉93は通常は閉状態であり、戸袋92の一端部に設けられた係止ピン941に非常扉93に設置された係止手段94のS字状のフック942の一端部の係止部944が係止され、これにより戸袋92の一端と非常扉93の一端は接して結合状態を維持する。そして、列車の異常事態発生などにより、可動ホーム柵の可動扉の位置に列車の車両扉位置が無い状態で列車が停止し、乗客を列車から緊急脱出させるために非常扉93を開けて非常通路を確保する。
軌道側から列車の乗務員または乗客が非常扉93を開ける場合は、列車の乗務員または乗客が非常扉93の軌道側の側面部に設置されている解除操作部95のハンドル部953を矢印B方向に動かすと、ハンドル部953によって固着された上下の摺動部951,952も矢印B方向に摺動するため、下側摺動部952のワイヤー取付部954に取り付けられたワイヤー99が引っ張られ、ワイヤー99がワイヤー取付部964に取り付けられた操作板96が支点部961を支点として回動する。操作板96が回動すると操作板96のワイヤー取付部962取り付けられたワイヤー97が引っ張られ係止手段94のフック942が支点部943を支点として回動するため、フック942の一端部の係止部944が戸袋92の一端部に設けられた係止ピン941から離脱し、戸袋92と非常扉93との結合状態は解除され、非常扉93は列車の乗務員または乗客が手で押すことにより容易に開けることができ、非常通路を確保できる。以上説明したように非常扉93の軌道側に設けられた解除操作部95を操作すれば、係止手段94の係止が解除されるので、非常扉93をプラットホームの長手方向にスライド移動させて速やかに非常通路を確保できる。
また、この可動ホーム柵では、非常扉がスライド式で、係止手段を解除した後、非常扉を開けるには、扉をスライド移動させる必要があり、この扉を横に引く動作もまた、非常時の操作としては適していない、という問題がある。
なお、非常時で乗客の精神状態が通常ではない場合、特に、乗客がパニックに陥ったような場合、扉のロックを解除する操作、扉を開く操作はいずれも「押す」という操作が分かりやすく、力も入れやすい。
鉄道の駅のプラットホームの線路側縁部の近傍に設置され、ホームと線路との間を遮断するホーム安全柵に、一部が非常用の扉として開閉可能に形成され、通常、閉状態とし、ロック装置によりロックされるホーム安全柵非常用扉において、
前記非常用の扉は一側部が前記ホーム安全柵にヒンジ部材を介して線路側からホーム側に向けて押し操作により回動可能に取り付けられ、
前記ロック装置は、
前記非常用の扉の他側部に隣接する前記ホーム安全柵の側部に上下に並列に設けられるロック部材受け部と、
前記非常用の扉の線路側の面の他側部側に上下に並列に前記ホーム安全柵の側部の前記各ロック部材受け部に対して進退可能に取り付けられて、前記各ロック部材受け部に係合離脱される複数のロック部材と、
前記非常用の扉の線路側の面側で上下方向に延び、前記各ロック部材にリンク結合されて、前記各ロック部材を前記ホーム安全柵に対して進退駆動する駆動バーと、
前記駆動バーを常態として下方向又は上方向に移動付勢して前記各ロック部材を前記ホーム安全柵の前記ロック部材受け部に係合させるばね部材と、
前記非常用の扉の線路側の面に軸を介して回動可能に支持されて前記駆動バーにリンク結合され、又は前記駆動バーに直結されて、前記駆動バーの側方に延び、下方向又は上方向の押操作により、前記駆動バーを上方向又は下方向に駆動する操作レバーと、
を備え、
通常、前記非常用の扉は閉状態で前記各ロック部材と前記ホーム安全柵の前記ロック部材受け部との係合によりロックされ、
非常時に、前記操作レバーを下方向又は上方向に押操作して、前記駆動バーを上方又は下方に移動させることにより、前記各ロック部材を前記ホーム安全柵の前記ロック部材受け部に対して後退させて前記ロック部材受け部から離脱させ、
前記非常用の扉は線路側からホーム側に向けて押して開く、
ことを要旨とする。
(1)このホーム安全柵非常用扉は、各部に次のような構成が採用される。
各ロック部材は略への字形に形成されて略中間部が屈曲され、前記中間部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して先端部が前記非常用の扉の他端部から内側に引き込み可能な位置と前記非常用の扉の他端部から外側に突出してホーム安全柵のロック部材受け部に係合可能な位置との間で回動可能に取り付けられる。
駆動バーは長いプレートからなり、前記駆動バーに各ロック部材の基端部が軸を介して連結され、前記駆動バーの下方向の移動により、前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して係合方向に回動され、前記駆動バーの上方向の移動により、前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して離脱方向に回動される。
ばね部材はコイルスプリングが採用され、駆動バーと非常用の扉との間に介設されて、常態として駆動バーを下方向に移動付勢する。
この場合、ばね部材は、一端が一箇所のロック部材の基端部に軸を介して回動可能に連結され、他端が前記一箇所のロック部材の近傍に設置されるガイドプレートに傾動可能に支持されて、前記一箇所のロック部材と前記ガイドプレートとの間に配置されるクリックプレートと、前記クリックプレートの外側に巻装され、一端がクリックプレートの一端側に設けられたストッパーに固定され、他端が前記ガイドプレートに設けられたストッパーに固定されて前記各ストッパー間で圧縮されるコイルスプリングとからなり、常態として、前記一方のロック部材を介して駆動バーを下方向に移動付勢することが好ましい。
操作レバーは長いプレートからなり、中間部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して回動可能に支持され、先端部が駆動バーに軸を介して連結され、前記操作レバーの下方向の押操作により、前記駆動バーを上方向に移動する。
(2)このホーム安全柵非常用扉は、各部に次のような構成が採用される。
各ロック部材は略への字形に形成されて略中間部が屈曲され、前記中間部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して先端部が前記非常用の扉の他端部から内側に引き込み可能な位置と前記非常用の扉の他端部から外側に突出してホーム安全柵のロック部材受け部に係合可能な位置との間で回動可能に取り付けられる。
駆動バーは長いプレートからなり、前記駆動バーに各ロック部材の基端部が軸を介して連結され、前記駆動バーの下方向の移動により、前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して係合方向に回動され、前記駆動バーの上方向の移動により、前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して離脱方向に回動される。
ばね部材はコイルスプリングが採用され、駆動バーと非常用の扉との間に介設されて、常態として駆動バーを下方向に移動付勢する。
この場合、ばね部材は、一端が一箇所のロック部材の基端部に軸を介して回動可能に連結され、他端が前記一箇所のロック部材の近傍に設置されるガイドプレートに傾動可能に支持されて、前記一箇所のロック部材と前記ガイドプレートとの間に配置されるクリックプレートと、前記クリックプレートの外側に巻装され、一端がクリックプレートの一端側に設けられたストッパーに固定され、他端が前記ガイドプレートに設けられたストッパーに固定されて前記各ストッパー間で圧縮されるコイルスプリングとからなり、常態として、前記一方のロック部材を介して駆動バーを下方向に移動付勢することが好ましい。
操作レバーは長いプレートからなり、駆動バーに直結されて、前記操作レバーの上方向への押圧により、駆動バーが上方向に移動される。
(3)このホーム安全柵非常用扉は、各部に次のような構成が採用される。
各ロック部材はシャフトからなり、ガイド部材を介して、先端部が非常用の扉の他端部から内側に引き込み可能な位置と前記非常用の扉の他端部から外側に突出してホーム安全柵のロック部材受け部に係合可能な位置との間でスライド可能に取り付けられ、各ロック部材の基端部と駆動バーの端部との間の扉の線路側の面にリンク部材が軸を介して回動可能に支持されて、前記各ロック部材の基端部は前記リンク部材に軸を介して連結される。
駆動バーは長いプレートからなり、各ロック部材にリンク部材を介して連結され、前記駆動バーの上方向の移動により、前記リンク部材を介して前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して係合方向にスライドされ、前記駆動バーの下方向の移動により、前記各ロック部材が前記リンク部材を介して前記ロック部材受け部に対して離脱方向にスライドされる。
ばね部材はコイルスプリングが採用され、駆動バーと非常用の扉との間に介設されて、常態として駆動バーを上方向に移動付勢する。
操作レバーは長いプレートからなり、先端部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して回動可能に支持され、中間部が駆動バーに軸を介して連結され、前記操作レバーの下方向の押操作により、前記駆動バーが下方向に移動される。
ホーム安全柵非常用扉(以下、単に非常用扉という。)E1は、鉄道の駅のプラットホームの線路側縁部の近傍に設置され、ホームと線路との間を遮断するホーム安全柵Mに、一部が非常用の扉10として開閉可能に形成され、通常、閉状態とし、ロック装置11によりロックされ、非常時の乗降用の扉、緊急時の避難用扉としての用途に供せられる。
この非常用扉E1では、特に、非常用の扉10は一側部がホーム安全柵Mにヒンジ部材(図示省略)を介して線路側からホーム側に向けて押し操作により回動可能に取り付けられる。
ロック装置11は、非常用の扉10の他側部に隣接するホーム安全柵Mの側部に上下に並列に設けられるロック部材受け部12と、非常用の扉10の線路側の面の他側部側に上下に並列にホーム安全柵Mの側部の各ロック部材受け部12に対して進退可能に取り付けられて、各ロック部材受け部12に係合離脱される複数のロック部材13と、非常用の扉10の線路側の面側で上下方向に延び、各ロック部材13にリンク結合されて、各ロック部材13をホーム安全柵Mに対して進退駆動する駆動バー14と、駆動バー14を常態として下方向に移動付勢して各ロック部材13をホーム安全柵Mの各ロック部材受け部11に係合させるばね部材15と、非常用の扉10の線路側の面に軸を介して回動可能に支持されて駆動バー14にリンク結合され、駆動バー14の側方に延び、下方向の押操作により、駆動バー14を上方向に駆動する操作レバー16とを備えて構成される。
この場合、各ロック部材受け部12は、ホーム安全柵Mの本体の他側部に各ロック部材13の先端部に対向して各ロック部材13が回動しながら挿脱可能にスリット状に形成される。
各ロック部材13は、図2、図3に示すように、略への字形に形成されて略中間部が屈曲され、中間部が非常用の扉10の線路側の面に軸を介して先端部が非常用の扉10の他端部から内側に引き込み可能な位置と非常用の扉10の他端部から外側に突出してホーム安全柵Mのロック部材受け部12に係合可能な位置との間で回動可能に取り付けられる。
この場合、ロック部材13は2つ、対にして設けられる。2つのロック部材13はそれぞれ、ステンレス鋼などの金属プレートにより略への字形に形成されて略中間が屈曲され、また、基端部側は略三角形状に形成され、先端部側は上半部にテーパが付けられて先細に形成される。そして、中間部に取付軸挿通孔131が穿たれ、基端部及び基端部と中間部との間にそれぞれ連結軸挿通孔132、133が穿たれる。一方、非常用の扉10の線路側の面の他端部側には上部所定の位置と下部所定の位置にそれぞれ取付軸101が取り付けられる。これらの取付軸101はそれぞれ、座部102と、軸部103とからなり、軸部103にねじが切られていて、座部102が非常用の扉10の線路側の面に溶接により固着されて、軸部103が非常用の扉10に対して直角に突出される。2つのロック部材13は一方が中間の取付軸挿通孔131にワッシャ104を介して上部の取付軸101の軸部103が通され、他方が中間の取付軸挿通孔131にワッシャ104を介して下部の取付軸101が通され、各取付軸101の軸部103にワッシャ104を介してナット105が締結されて、それぞれ、各取付軸101の座部102の長さ及び一方のワッシャ104の厚さの分だけ非常用の扉10の線路側の面から離間されて、先端部が非常用の扉10の他端部から内側に引き込み可能な位置と非常用の扉10の他端部から外側に突出してホーム安全柵M本体の各ロック部材受け部12に係合可能な位置との間で回動可能に取り付けられる。
この場合、駆動バー14はステンレス鋼などの金属プレートにより細長く直線状に形成され、上下両端に連結軸挿通孔141、142、上端の連結軸挿通孔141から少し下方に下がった所定の位置に連結軸挿通孔143がそれぞれ穿たれる。この駆動バー14は上端の連結軸挿通孔141が上部のロック部材13の基端部、中間部間の連結軸挿通孔133に合わせられ、下端の軸挿通孔142が下部のロック部材13の基端部、中間部間の連結軸挿通孔133に合わせられ、これらの連結軸挿通孔141,133、142,133に両側にワッシャ144を介して連結軸としてピン145が通されカシメられて、相互に回動可能に連結される。
このばね部材15においては、特に、一端が一箇所のロック部材13の基端部に軸を介して回動可能に連結され、他端が一箇所のロック部材13の近傍に設置されるガイドプレート17に傾動可能に支持されて、一箇所のロック部材13とガイドプレート17との間に配置されるクリックプレート151と、クリックプレート151の外側に巻装され、一端がクリックプレート151の一端側に設けられたストッパー152(図6参照)に固定され、他端がガイドプレート17に設けられたストッパー172(図7参照)に固定されて各ストッパー152、172間で圧縮されるコイルスプリング150とからなる。この場合、クリックプレート151は、図6に示すように、ステンレス鋼などの金属プレートにより細長く直線状に形成され、一端側は一端縁部が半円形で、その中心に連結軸挿通孔153が穿たれ、両側が両側方に突出する張り出し部で、この張り出し部がストッパー152になっている。ガイドプレート17は、図7に示すように、鋼板などからなるアングル材で、略矩形状に形成される取付部171と、この取付部171の一側部に略直角に連続して略矩形状に形成され、その略中心に取付部171の一側部と平行にクリックプレート151の他端部側が挿通し傾動可能に所定の長さを有するスリット173が形成される支持部172とからなり、(図1参照)取付部171が扉10の線路側の面において、下部のロック部材13の取付位置の側方(この場合、扉10の一端部側の側方)で、ロック部材13の基端部の所定の回動下限位置と回動上限位置との間にスタッドボルト及びナットにより固定されて、支持部172がロック部材13の基端部に向けられ、これがクリックプレート151のガイドとしてかつコイルスプリング150のストッパー172として配置される。そして、このクリックプレート151は、図3に示すように、一端の連結軸挿通孔153が下部のロック部材13の基端部の連結軸挿通孔132に合わせられ、これらの連結軸挿通孔153、132に両側にワッシャ176を介して連結軸としてピン177が通されカシメられて、相互に回動可能に連結される。そして、このクリックプレート151の外側にコイルスプリング150が巻回され、一端が張り出し部、すなわちストッパー152に固定されて、クリックプレート151の他端がガイドプレート17のスリット173に上下方向に傾動可能に通され、コイルスプリング150の他端がガイドプレート17の支持部(ストッパー)172に固定される。このようにして、常態として、下部のロック部材13を介して駆動バー14を下方向に移動付勢する。
この場合、操作レバー16は、ステンレス鋼などの金属プレートにより全体が細長いZ形で、一端側、他端側が中間の屈曲部を介して直線状、平行に形成され、また、一端側に対して他端側が少し長く形成されて、一端に連結軸挿通孔160が穿たれ、一端側で屈曲部の近傍に取付軸挿通孔161が穿たれ、他端側はナイロンコーティングが施されてハンドル162になっている。一方、非常用の扉10の線路側の面の他端部側には上部のロック部材13の取付軸101よりも内側(非常用の扉10の一端部方向)で上部のロック部材13の取付軸101よりも少し下方の所定の位置に取付軸106が取り付けられる。この取付軸106は、座部107と、軸部108とからなり、軸部108にねじが切られていて、座部107が非常用の扉10の線路側の面に溶接により固着されて、軸部108が非常用の扉10に対して直角に突出される。操作レバー16は中間の取付軸挿通孔161にワッシャ109を介して上部の取付軸106の軸部108が通され、取付軸106の軸部108にワッシャ109を介してナット110が締結されて、取付軸106の座部107の長さ及び一方のワッシャ109の厚さの分だけ非常用の扉10の線路側の面から離間されて回動可能に取り付けられ、一端の連結軸挿通孔160が駆動バー14の上端の連結軸挿通孔141から少し下方に下がった位置の連結軸挿通孔143に合わせられ、これらの連結軸挿通孔160、143に両側にワッシャ109を介して連結軸としてピン111が通されカシメられて作動連結される。このようにして操作レバー16の下方向の押操作により、駆動バー14を上方向に移動し、この操作レバー16の押操作の解除(ばね部材の付勢力)により、駆動バー14を下方向に移動する。
図11(1)に示すように、通常、非常用の扉10は閉じられ、クリックプレート151及びコイルスプリング150からなるばね部材15の付勢力により、下部のロック部材13の基端部が下方に押圧されるとともに、このロック部材13に連結される駆動バー14が下方に移動され、この駆動バー14に連結された上部のロック部材13の基端部が下方に引張られて、上下部の各ロック部材13の先端部側が上方に回動されて非常用の扉10の他端部から外側に略水平に突出してホーム安全柵M本体の各ロック部材受け部12に係合される。これにより、非常用の扉10の閉じられた状態がロックされる。
そして、ホーム安全柵Mが故障したり停電などにより電力供給が遮断されたりして、乗降用の扉が閉じられたまま開かなかったり、車両やレール付近の装置から火災などが発生して緊急避難が必要になったりした場合など非常時の際は、図11(2)に示すように、操作レバー16のハンドル162をばね部材15の付勢力に抗して下方向に押操作する。この操作により、操作レバー16に連結された駆動バー14は上方に移動されて、この駆動バー14に連結された上下の各ロック部材13の基端部が上方に押されて、上下部の各ロック部材13の先端部側が下方に回動されてホーム安全柵Mのロック部材受け部12から後退され、ロック部材受け部12から離脱される。これにより、非常用の扉10のロック状態が解除される。このようにして非常用の扉10を線路側からホーム側に向けて押して開く。したがって、非常の際は、操作レバー16を下方に押しながら、扉10を押せばよく、扉10を瞬時に開くことができる。
また、この非常用扉E1のロック装置11は、非常用の扉10の他側部に隣接するホーム安全柵Mの側部に上下に並列に設けられる2つのロック部材受け部12と、非常用の扉10の線路側の面の他側部側に上下に並列にホーム安全柵Mの側部の各ロック部材受け部12に対して進退可能に取り付けられて、各ロック部材受け部12に係合離脱される2つのロック部材13と、非常用の扉10の線路側の面側で上下方向に延び、各ロック部材13にリンク結合されて、各ロック部材13をホーム安全柵Mに対して進退駆動する駆動バー14と、駆動バー14を常態として下方向に移動付勢して各ロック部材13をホーム安全柵Mの各ロック部材受け部12に係合させるばね部材15と、非常用の扉10の線路側の面に軸を介して回動可能に支持され駆動バー14にリンク結合されて、駆動バー14の側方に延び、下方向の押操作により、駆動バー14を上方向に駆動する操作レバー16とにより構成されるので、簡単な装置構成により、信頼性の高いロック装置を低コストに提供することができる。
この非常用扉E2では、非常用の扉10は一側部がホーム安全柵にヒンジ部材を介して線路側からホーム側に向けて押し操作により回動可能に取り付けられる。
この場合、非常用の扉10は、第1の実施の形態と同様である。
ばね部材15はコイルスプリング150が採用され、駆動バー14と非常用の扉10との間(この場合、駆動バー14の下端と非常用の扉10の線路側の面側の下面との間)に介設されて、常態として駆動バー14を下方向に移動付勢する。なお、このばね部材15もまた、第1の実施の形態と同様のものに代えることができる。
操作レバー26は、第1の実施の形態と異なり、駆動バー14に一体的に形成され、駆動バー14の各ロック部材13側とは反対側の側部で上部のロック部材13の少し下方の所定の位置から略水平方向に向けて突出される。なお、この操作レバー26の場合も、第1の実施の形態と同様に、表面にナイロンコーティングが施される。
このようにしても第1の実施の形態と略同様の作用効果を得ることができる。
この非常用扉E3では、非常用の扉10は一側部がホーム安全柵Mにヒンジ部材を介して線路側からホーム側に向けて押し操作により回動可能に取り付けられる。
この場合、非常用の扉10は、第1の実施の形態と同様である。
ロック部材33は2本のシャフト(丸棒材)からなり、それぞれ、非常用の扉10の線路側の面の他端部側に軸受360を介して、先端部が非常用の扉10の他端部から内側に引き込み可能な位置と非常用の扉10の他端部から外側に突出してホーム安全柵Mのロック部材受け部32に係合可能な位置との間でスライド可能に取り付けられる。
駆動バー34は長いプレートからなり、非常用の扉10の線路側の面に断面略ハット形のガイド部材5を介して上下方向に移動可能に配置され、この駆動バー34が上下のリンク部材4を介して各ロック部材33の基端部に軸により連結される。上下のリンク部材4は略逆三角形のプレートからなり、それぞれ、非常用の扉10の線路側の面で各ロック部材33の背後となる所定の位置に下端角部を軸支されて回動可能に取り付けられる。そして、各リンク部材4はロック部材33側となる一方の端部角部と各ロック部材33の基端部が軸を介して回動可能に連結され、他方の端部角部と駆動バー34の上下端部が軸を介して回動可能に連結される。このようにして駆動バー34の上方向の移動により、各リンク部材4が各ロック部材33をホーム安全柵Mに向けて押す方向に回動されて、各ロック部材33がロック部材受け部32に対して係合方向にスライドされ、駆動バー34の下方向の移動により、各リンク部材4が各ロック部材33をホーム安全柵Mから引く方向に回動されて、各ロック部材33がロック部材受け部32に対して離脱方向にスライドされるようになっている。
ばね部材35はコイルスプリングが採用され、この場合、ばね部材35は非常用の扉10の線路側の面の上下方向中間に、上端が扉10に固定され、下端が駆動レバー34にブラケットを介して固定されて、駆動バー34と非常用の扉10との間に介設され、常態として駆動バー34を上方向に移動付勢する。なお、このばね部材35もまた、第1の実施の形態と同様のものに代えることができる。
操作レバー36は長いプレートからなり、先端部が非常用の扉10の線路側の面に軸を介して回動可能に支持され、中間部が駆動バー34の上部側に軸を介して連結されて、操作レバー36の下方向の押操作により、駆動バー34を下方向に移動する。なお、この操作レバー36場合も、第1の実施の形態と同様に、表面にナイロンコーティングが施される。
このようにしても第1の実施の形態と略同様の作用効果を得ることができる。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができ、この場合、手の操作よりも足の操作の方が大きな力が出せるので、ロック解除の操作をより容易に行うことができる。
E1、E2、E3 ホーム安全柵非常用扉
10 非常用の扉
101 取付軸
102 座部
103 軸部
104 ワッシャ
105 ナット
106 取付軸
107 座部
108 軸部
109 ワッシャ
110 ナット
111 ピン
11、21、31 ロック装置
12、32 ロック部材受け部
13、33 ロック部材
131 取付軸挿通孔
132 連結軸挿通孔
133 連結軸挿通孔
14、34 駆動バー
141 連結軸挿通孔
142 連結軸挿通孔
143 連結軸挿通孔
144 ワッシャ
145 ピン
15、35 ばね部材
150 コイルスプリング
151 クリックプレート
152 ストッパー
153 連結軸挿通孔
16、26、36 操作レバー
160 連結軸挿通孔
161 取付軸挿通孔
162 ハンドル
360 軸受
17 ガイドプレート
171 取付部
172 ストッパー(支持部)
173 スリット
176 ワッシャ
177 ピン
18 カバー
4 リンク部材
5 ガイド部材
Claims (11)
- 鉄道の駅のプラットホームの線路側縁部の近傍に設置され、ホームと線路との間を遮断するホーム安全柵に、一部が非常用の扉として開閉可能に形成され、通常、閉状態とし、ロック装置によりロックされるホーム安全柵非常用扉において、
前記非常用の扉は一側部が前記ホーム安全柵にヒンジ部材を介して線路側からホーム側に向けて押し操作により回動可能に取り付けられ、
前記ロック装置は、
前記非常用の扉の他側部に隣接する前記ホーム安全柵の側部に上下に並列に設けられるロック部材受け部と、
前記非常用の扉の線路側の面の他側部側に上下に並列に前記ホーム安全柵の側部の前記各ロック部材受け部に対して進退可能に取り付けられて、前記各ロック部材受け部に係合離脱される複数のロック部材と、
前記非常用の扉の線路側の面側で上下方向に延び、前記各ロック部材にリンク結合されて、前記各ロック部材を前記ホーム安全柵に対して進退駆動する駆動バーと、
前記駆動バーを常態として下方向又は上方向に移動付勢して前記各ロック部材を前記ホーム安全柵の前記ロック部材受け部に係合させるばね部材と、
前記非常用の扉の線路側の面に軸を介して回動可能に支持されて前記駆動バーにリンク結合され、又は前記駆動バーに直結されて、前記駆動バーの側方に延び、下方向又は上方向の押操作により、前記駆動バーを上方向又は下方向に駆動する操作レバーと、
を備え、
通常、前記非常用の扉は閉状態で前記各ロック部材と前記ホーム安全柵の前記ロック部材受け部との係合によりロックされ、
非常時に、前記操作レバーを(前記ばね部材の付勢力に抗して)下方向又は上方向に押操作して、前記駆動バーを上方又は下方に移動させることにより、前記各ロック部材を前記ホーム安全柵の前記ロック部材受け部に対して後退させて前記ロック部材受け部から離脱させ、
前記非常用の扉は線路側からホーム側に向けて押して開く、
ことを特徴とするホーム安全柵非常用扉。 - 各ロック部材は略への字形に形成されて略中間部が屈曲され、前記中間部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して先端部が前記非常用の扉の他端部から内側に引き込み可能な位置と前記非常用の扉の他端部から外側に突出してホーム安全柵のロック部材受け部に係合可能な位置との間で回動可能に取り付けられる請求項1に記載のホーム安全柵非常用扉。
- 駆動バーは長いプレートからなり、前記駆動バーに各ロック部材の基端部が軸を介して連結され、前記駆動バーの下方向の移動により、前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して係合方向に回動され、前記駆動バーの上方向の移動により、前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して離脱方向に回動される請求項1又は2に記載のホーム安全柵非常用扉。
- ばね部材はコイルスプリングが採用され、駆動バーと非常用の扉との間に介設されて、常態として駆動バーを下方向に移動付勢する請求項1乃至3のいずれかに記載のホーム安全柵非常用扉。
- ばね部材は、一端が一箇所のロック部材の基端部に軸を介して回動可能に連結され、他端が前記一箇所のロック部材の近傍に設置されるガイドプレートに傾動可能に支持されて、前記一箇所のロック部材と前記ガイドプレートとの間に配置されるクリックプレートと、前記クリックプレートの外側に巻装され、一端がクリックプレートの一端側に設けられたストッパーに固定され、他端が前記ガイドプレートに設けられたストッパーに固定されて前記各ストッパー間で圧縮されるコイルスプリングとからなり、常態として、前記一方のロック部材を介して駆動バーを下方向に移動付勢する請求項1乃至4のいずれかに記載のホーム安全柵非常用扉。
- 操作レバーは長いプレートからなり、中間部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して回動可能に支持され、先端部が駆動バーに軸を介して連結され、前記操作レバーの下方向の押操作により、前記駆動バーを上方向に移動する請求項1乃至5のいずれかに記載のホーム安全柵非常用扉。
- 操作レバーは長いプレートからなり、駆動バーに直結されて、前記操作レバーの上方向への押圧により、駆動バーが上方向に移動される請求項1乃至4のいずれかに記載のホーム安全柵非常用扉。
- 各ロック部材はシャフトからなり、ガイド部材を介して、先端部が非常用の扉の他端部から内側に引き込み可能な位置と前記非常用の扉の他端部から外側に突出してホーム安全柵のロック部材受け部に係合可能な位置との間でスライド可能に取り付けられ、各ロック部材の基端部と駆動バーの端部との間の扉の線路側の面にリンク部材が軸を介して回動可能に支持されて、前記各ロック部材の基端部は前記リンク部材に軸を介して連結される請求項1に記載のホーム安全柵非常用扉。
- 駆動バーは長いプレートからなり、各ロック部材にリンク部材を介して連結され、前記駆動バーの上方向の移動により、前記リンク部材を介して前記各ロック部材が前記ロック部材受け部に対して係合方向にスライドされ、前記駆動バーの下方向の移動により、前記各ロック部材が前記リンク部材を介して前記ロック部材受け部に対して離脱方向にスライドされる請求項1又は8に記載のホーム安全柵非常用扉。
- ばね部材はコイルスプリングが採用され、駆動バーと非常用の扉との間に介設されて、常態として駆動バーを上方向に移動付勢する請求項1又は8又は9のいずれかに記載のホーム安全柵非常用扉。
- 操作レバーは長いプレートからなり、先端部が非常用の扉の線路側の面に軸を介して回動可能に支持され、中間部が駆動バーに軸を介して連結され、前記操作レバーの下方向の押操作により、前記駆動バーが下方向に移動される請求項1又は8乃至10のいずれかに記載のホーム安全柵非常用扉。
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